JP2012156094A - 導電積層体およびそれを用いてなるタッチパネル - Google Patents

導電積層体およびそれを用いてなるタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】導電積層体をタッチパネル等に使用する電極部材に加工形成する際のアルカリ処理に対し耐性を有する導電積層体を提供する。
【解決手段】基材1の少なくとも片面に、金属系ナノワイヤーからなるネットワーク構造を有する導電成分を含む導電層2と、保護層3とを積層した導電積層体であって、該保護層3が下記(i)〜(iii)を満たす導電積層体。(i)構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物が重合反応した構造を含む高分子からなる。(ii)保護層の全質量に対する前記炭素−炭素二重結合基由来の構造の炭素−炭素二重結合基の単位構造(>C=C<:式量24)部分の質量含有率が9質量%以上である。(iii)FT−IR法にて求めた前記炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2がν1/ν2≦0.3である。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属系ナノワイヤーからなるネットワーク構造を有する導電成分を含む導電層と、保護層を積層した導電積層体に関する。さらに詳しくは、導電積層体をタッチパネル等に使用する電極部材に加工形成する際のアルカリ処理に対し耐性を有する導電積層体に関するものである。またさらに、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどの使用される電極部材にも使用される導電積層体に関するものである。
近年、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連や太陽電池モジュールなどには電極用の導電部材が使用されており導電部材の導電層表面を導電領域と非導電領域とに分ける加工処理によって所望のパターンを形成して用いられている。
導電部材としては基材上に導電層を積層したものがあり、その導電層としては従来の導電性薄膜の他に、カーボンナノチューブ(以下CNTと略す。)や金属ナノワイヤーなどの線状形状の導電成分を用いたものが提案されている。線状形状の導電成分を含む導電層を用いたものは導電成分を定着・保護する目的でバインダー成分と導電成分と混合したものを積層したり、導電層の上に保護層などを積層する。例えば、CNTを導電成分とし紫外線硬化樹脂を混合した塗料を基材上に積層した導電積層体が知られている(特許文献1)。また、金属ナノワイヤーを導電成分とした導電層上に樹脂層を積層した導電積層体が知られている(特許文献2)。さらに、金属ナノワイヤー導電層上にビニル樹脂層を積層した導電積層体が知られている(特許文献3)。
一方これら導電部材のパターン形成方法としては、フォトレジストやエッチング液を用いたケミカルエッチング法が一般的に用いられており(特許文献4)、レジストを剥離する工程等においてアルカリ成分を含む処理液にて導電部材をアルカリ処理することが知られている。従って、導電部材がアルカリ処理に対して耐性のない場合は、導電層の剥離や導電性の低下等の問題が発生し所望のパターンを形成することができない。
特開2008−179787号公報 特表2009−507199号公報 特開2009−252014号公報 特開2001−307567号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている導電積層体は、金属よりも導電性の劣るCNTを用いているため低い表面抵抗値(高い導電性)を達成するのに、CNTを多量含む状態で積層する必要がある。そのため、導電層内における紫外線硬化樹脂の相対量が少なくなり、アルカリ処理に対して耐性がない。また、特許文献2と特許文献3に記載されている導電積層体は導電性の高い金属ナノワイヤーを使用しており導電層上に積層する樹脂量を多くすることはできるが、樹脂自体にアルカリ処理に対する耐性がなかったりアルカリ成分が通過しやすい状態のためアルカリ処理に対して耐性がない。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、導電層と保護層を改良することでアルカリ処理に対する耐性を改善せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用する。すなわち、
(1)基材の少なくとも片面に、金属系ナノワイヤーからなるネットワーク構造を有する導電成分を含む導電層と、保護層とを積層した導電積層体であって、該保護層が下記(i)〜(iii)を満たす導電積層体。
(i)構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物が重合反応した構造を含む高分子からなる。
(ii)保護層の全質量に対する前記炭素−炭素二重結合基由来の構造の炭素−炭素二重結合基の単位構造(>C=C<:式量24)部分の質量含有率が9質量%以上である。
(iii)FT−IR法にて求めた前記炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2がν1/ν2≦0.3である。
(2)前記保護層が、S元素、P元素、金属元素、金属イオンおよび官能基を構成するN元素をいずれも含まない化合物からなること、
(3)前記保護層中に、極大吸収波長の値が20nm以上異なる光開始剤を2種以上含有すること、
(4)前記金属系ナノワイヤーが、銀ナノワイヤーであること、
(5)上記のいずれかに記載の導電積層体を、導電領域と非導電領域とに分ける加工処理をした後、導電領域と非導電領域を有する加工処理導電積層体、
(6)(1)〜(5)に記載の導電積層体を用いてなるタッチパネル。
とするものである。
また、本発明の導電積層体はタッチパネル用途に好適に使用されるものである。さらに、本発明の導電積層体は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどの使用される電極部材にも好適に使用することができる。
本発明によれば、導電性を損なわない薄膜でありながら、導電積層体をタッチパネル等に使用する電極部材に加工形成する際のアルカリ処理に対し耐性を有する導電積層体を提供できる。
本発明の導電積層体の断面模式図の一例である。 本発明の導電積層体の導電層側から観察した金属系ナノワイヤーの模式図の一例である。 本発明の一様態であるタッチパネルの一例を示した断面模式図である。
本発明の導電積層体は、基材の少なくとも片面に、金属系ナノワイヤーからなるネットワーク構造を有する導電成分を含む導電層と、保護層とを積層した導電積層体であって、該保護層が下記(i)〜(iii)を満たす導電積層体である。
(i)構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物が重合反応した構造を含む高分子からなる。
(ii)保護層の全質量に対する前記炭素−炭素二重結合基由来の構造の炭素−炭素二重結合基の単位構造(>C=C<:式量24)部分の質量含有率が9質量%以上である。
(iii)FT−IR法にて求めた前記炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2がν1/ν2≦0.3である。なお、導電成分が線状構造の金属系ナノワイヤーからなることから、金属系ナノワイヤーの量が一定以下の場合には、面内において金属系ナノワイヤーが存在しない領域が散在する場合があるが、かかる領域が存在しても面内において金属系ナノワイヤーが連続的に一様に存在しネットワークを形成することで任意の2点間で導電性を示しうる場合には導電層を形成しているものとする。すなわち、かかる場合においては、金属系ナノワイヤーが形成する層状領域(散在する金属系ナノワイヤーが存在しない領域も含めて)を導電層と定義するものである。そして、かかる場合において金属系ナノワイヤーが存在しない領域では保護層の表面が金属系ナノワイヤーの表面に比較して、基材側に存在する(保護層側から見た場合、保護層内に金属系ナノワイヤーが一部埋没した様な)状態となる場合があるが、かかる場合も含めて基材表面から金属系ナノワイヤーの最表層までを導電層、金属系ナノワイヤーの最表層(導電層表面)から積層体の最表面までを保護層とそれぞれ定義する。
導電成分がネットワーク構造を有する金属系ナノワイヤーであると、金属系ナノワイヤーが存在しない疎な部分があっても金属系ナノワイヤーから電気が流れるため、表面の抵抗値は充分低く実用レベルで問題ない程度の抵抗値を得ることができ、導電層上に積層する保護層成分量を多くすることはできる。
一方、構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物は、重合反応することで架橋点を形成し自由空間の小さい高分子となる。アルカリ成分はその自由空間を移動すると推定されるため、保護層が架橋点を形成する高分子からなることで、保護層へのアルカリ成分の移動を制限し通過を阻害することができる。さらに前記重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基の部分が重合反応することで架橋点を形成するため、炭素−炭素二重結合基由来の構造の炭素−炭素二重結合基の単位構造(>C=C<:式量24)部分の質量含有率が、保護層の全質量に対して9質量%以上となることで、架橋点を形成するための部分を多数存在させることができる。また、FT−IR法にて求めた前記炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2がν1/ν2≦0.3となることで、前記炭素−炭素二重結合基が充分に反応し架橋点が多数形成した保護層となる。
その結果、多数の架橋点を有する緻密な架橋構造の保護層となることで、アルカリ成分の通過を抑制することができ、アルカリ処理に対し耐性を有する導電積層体となると推定している。
本発明の導電積層体は、基材の少なくとも片面に、金属系ナノワイヤーからなるネットワーク構造を有する導電成分を含む導電層を有する。上記導電層を設けない場合は、導電性を示さない。
導電層の導電成分は金属系ナノワイヤーである必要がある。導電成分が導電性の高い金属系ナノワイヤーとすることで抵抗値の異常な上昇のない導電積層体となり、導電層上に積層する保護層成分量を多くすることはできるためアルカリ処理に対し耐性を有することができる。
本発明における金属系ナノワイヤーとは、短軸の長さと長軸の長さの比、すなわちアスペクト比=長軸の長さ/短軸の長さが1より大きく(一方、例えば球状はアスペクト比=1である。)、さらに弧の形状をしている構造体であり、その材質は金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、等の金属成分を含有するものである。金属としては、元素の短周期型周期律表におけるIIA属、IIIA属、IVA属、VA属、VIA属、VIIA属、VIII属、IB属、IIB属、IIIB属、IVB属またはVB属に属する元素が挙げられる。具体的には、金、白金、銀、ニッケル、ステンレス鋼、銅、黄銅、アルミニウム、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、アンチモン、パラジウム、ビスマス、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、テルル、錫、マグネシウムなどが挙げられ、またこれらの合金も挙げられる。金属酸化物としては、InO、InOSn、SnO、ZnO、SnO−Sb、SnO−V、TiO(Sn/Sb)O、SiO(Sn/Sb)O、KO−nTiO−(Sn/Sb)O、KO−nTiO−Cなどが挙げられ、またこれらの金属酸化物複合体なども挙げられる。またこれらは表面処理を施されていてもよい。さらに、有機化合物や非金属材料の表面に前記金属や金属酸化物でコーティングまたは蒸着したものも金属系ナノワイヤーに含まれる。これら金属系ナノワイヤーのうち、透明性等の光学特性や導電性等の観点から銀ナノワイヤーを特に好ましく使用することができる。
また、金属系ナノワイヤーの前記短軸及び長軸の長さは、金属系ナノワイヤーの種類によっても異なるため一義的に限定することはできないが、短軸の長さは1nm〜1000nm(1μm)が好ましく、また長軸の長さは短軸の長さに対し、前記アスペクト比=長軸の長さ/短軸の長さが1より大きくなるような長さであれば良く1μm〜100μm(0.1mm)が好ましい。
これら金属系ナノワイヤーは例えば、特表2009−505358号公報、特開2009−146747号公報、特開2009−70660号公報に開示されており、金属系ナノワイヤーを単独、又は複数を組み合わせて混合させ使用することができ、さらに、必要に応じて他のマイクロ〜ナノサイズの導電性材料を添加しても良く、特にこれらに限定されるものではない。
本発明において、金属系ナノワイヤーは導電層中においてネットワーク構造で存在している。ネットワーク構造となることで、保護層側の面方向への導電パスが増え、導電積層体の保護層側を低い表面抵抗値に調整することができる。本発明におけるネットワーク構造とは、少なくとも1つの接点で金属系ナノワイヤー同士が接していることで、最も小さいネットワーク構造は2本の金属系ナノワイヤーが、ある一接点を有している場合である。接点は金属系ナノワイヤーのいかなる部分同士で形成されていてもよく、金属系ナノワイヤーの末端部同士が接していたり、末端と金属系ナノワイヤーの末端以外の部分が接していたり、金属系ナノワイヤーの末端以外の部分同士が接していてもよく、また、接するとはその接点が接合していても、単に接触しているだけでもよい。ネットワーク構造は、後述する方法にて観察することができるが、特に限定されるものではない。
本発明において、保護層は、構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物が重合反応した構造を含む高分子からなる。保護層が前記高分子からなると、架橋点を形成して保護層内の自由空間が小さくなり、アルカリ成分の移動を制限し通過を阻害することでアルカリ処理に対する耐性を付与することができる。保護層の前記高分子は、構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を含む官能基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーからなる組成物を、該炭素−炭素二重結合基内の炭素−炭素二重結合を反応点として別のモノマー、オリゴマー、ポリマーの炭素−炭素二重結合基と結合反応することで炭素−炭素単結合を形成して得られた高分子化合物である。前記炭素−炭素二重結合基を含む官能基としては、例えば、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メタクリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、アリリデン基、アリリジン基、ビニルエーテル基、また、炭素−炭素二重結合基の炭素にハロゲン元素(例えば、フッ素や塩素等)や芳香環を有する置換基(例えばフェニル基やナフチル基等)等が結合したもの、例えば、フッ化ビニル基やフッ化ビニリデン基、塩化ビニル基や塩化ビニリデン基、また芳香環としてフェニル基(ベンゼン環)を有するスチリル基等、イソプロペニル基、イソペンテニル基、ブタジエニル基(例えば、CH=C(R)−C(R)=CH−、CH=C(R)−C(=CH)−(R、RはHまたはCH))のように共役ポリエン構造を有するもので、前記R=Hの場合ビニル基を有し、R=CHの場合ビニリデン基を有するような官能基、等が挙げられる。これらを要求する特性や生産性等をふまえて、1種類または2種以上混合して使用する。
構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリメタクリレート、また、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等の環状骨格を分子構造内に一部有する、トリアクリレート・トリメタクリレート・テトラアクリレート・テトラメタクリレート・ペンタアクリレート・ペンタメタクリレート・ヘキサアクリレート・ヘキサメタクリレートのいずれか等、また上記化合物の一部構造を変性した化合物、例えば2−ヒドロキシプロパン酸等で変性した2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、また、シリコーン骨格を導入したシリコーントリアクリレート、シリコーントリメタクリレート、シリコーンテトラアクリレート、シリコーンテトラメタクリレート、シリコーンペンタアクリレート、シリコーンペンタメタクリレート、シリコーンヘキサアクリレート、シリコーンヘキサメタクリレート、さらに骨格内にビニル基及び/又はビニリデン基と共にその他骨格を有するもの、例えばウレタン骨格を有するウレタントリアクリレート、ウレタントリメタクリレート、ウレタンテトラアクリレート、ウレタンテトラメタクリレート、ウレタンペンタアクリレート、ウレタンペンタメタクリレート、ウレタンヘキサアクリレート、ウレタンヘキサメタクリレート、エーテル骨格を有するポリエーテルトリアクリレート、ポリエーテルトリメタクリレート、ポリエーテルテトラアクリレート、ポリエーテルテトラメタクリレート、ポリエーテルペンタアクリレート、ポリエーテルペンタメタクリレート、ポリエーテルヘキサアクリレート、ポリエーテルヘキサメタクリレート、エポキシ由来の骨格を有するエポキシトリアクリレート、エポキシトリメタクリレート、エポキシテトラアクリレート、エポキシテトラメタクリレート、エポキシペンタアクリレート、エポキシペンタメタクリレート、エポキシヘキサアクリレート、エポキシヘキサメタクリレート、エステル骨格を有するポリエステルトリアクリレート、ポリエステルトリメタクリレート、ポリエステルテトラアクリレート、ポリエステルテトラメタクリレート、ポリエステルペンタアクリレート、ポリエステルペンタメタクリレート、ポリエステルヘキサアクリレート、ポリエステルヘキサメタクリレート等が挙げられ、これらを用途や要求する特性や生産性等をふまえて、少なくとももしくは2種以上混合した組成物、またこれら単体もしくは2種以上が共重合した2量体以上のオリゴマーから形成される組成物を使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。これら化合物のうち、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基部分を分子内に4個以上、すなわち4官能以上の化合物が、アルカリ処理に対する耐性をより付与しやすく、特に好ましく用いることができる。4官能以上の化合物は、例えば、前記2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物のうちの、4官能のテトラアクリレート、テトラメタクリレート、5官能のペンタアクリレート、ペンタメタクリレート、6官能のヘキサアクリレート、ヘキサメタクリレート、のものが挙げられ、さらに7官能以上のものでもよい。
これら化合物は、具体的に市販されているものとして例えば、共栄社化学(株)製のライトアクリレートシリーズ、ライトエステルシリーズ、エポキシエステルシリーズ、ウレタンアクリレートAHシリーズ、ウレタンアクリレートATシリーズ、ウレタンアクリレートUAシリーズ、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ、PETIA、TMPTA、TMPEOTA、OTA 480、DPHA、PETA−K、綜研化学(株)製のフルキュアシリーズ、東洋インキ製造(株)製のLIDURASTM(リオデュラスTM)シリーズ、中国塗料(株)製のフォルシードシリーズ、マツイカガク(株)製のEXPシリーズ、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYL1360、信越化学(株)製のルX−12−2456シリーズ等が挙げられる。
本発明における保護層は、構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物が重合反応した構造を含む高分子からなり、且つ、保護層の全質量に対する前記炭素−炭素二重結合基由来の構造の炭素−炭素二重結合基の単位構造(>C=C<:式量24)部分の質量含有率(以下、架橋単位構造質量含有率とする。)が9質量%以上である。架橋単位構造質量含有率が9質量%以上であると、架橋点を形成するための部分を多数存在させることができ、アルカリ成分の通過を阻害する架橋点が多くなり、アルカリ処理に対する耐性を付与することができる。架橋単位構造質量含有率は、好ましくは19質量%以上、より好ましくは21質量%以上である。19質量%以上であると架橋点が多くなり、保護層の架橋構造がより緻密になることで、アルカリ処理に対してより高い耐性付与することができる。21質量%以上であると、架橋構造がより緻密になり、高いを耐性付与したまま保護層を薄くすることができるため、導電積層体の光学特性が改善したり生産性が向上するため好ましい。本発明において保護層は、構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を含む官能基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーからなる組成物を、該炭素−炭素二重結合基内の炭素−炭素二重結合を反応点として別のモノマー、オリゴマー、ポリマーの炭素−炭素二重結合基と結合反応することで炭素−炭素単結合を形成して得られた高分子化合物である。従って、本発明における架橋単位構造質量含有率とは、反応した炭素−炭素二重結合基部分を後述する方法にて反応前の炭素−炭素二重結合基の単位構造(>C=C<:式量24)に由来する部分として特定し、上記単位構造(>C=C<:式量24)の含有量として算出することで得られた値と未反応の上記単位構造(>C=C<:式量24)の含有量との和を指すものとする。
ここで保護層の架橋単位構造質量含有率は以下のようにして求める。
先ず、サンプルから保護層を剥離する。必要であれば溶解度の高い溶剤にて保護層を溶解させる。また必要で有れば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等に代表される一般的なクロマトグラフィーのうち分離可能な方法を選択し、それぞれ単一物質に分離精製する。他成分と結合して分離が困難な場合はそのまま用いてもよい。
その後各物質について適宜濃縮及び希釈を行い、核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、19F−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、ラマン分光法、各種質量分析法(ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)、熱分解ガスクロマトグラフィー−質量分析法(熱分解GC−MS)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)、飛行時間型質量分析法(TOF−MS)、飛行時間型マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−TOF−MS)、ダイナミック二次イオン質量分析法(Dynamic−SIMS)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、その他スタティック二次イオン質量分析法(Static−SIMS)等)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナリシス法(EPMA)、荷電粒子励起X線分光法(PIXE)、低エネルギーイオン散乱分光法(RBSまたはLEIS)、中エネルギーイオン散乱分光法(MEIS)、高エネルギーイオン散乱分光法(ISSまたはHEIS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(TEM−EDX)、走査電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(SEM−EDX)、ガスクロマトグラフィー(GC)その他元素分析、等から分析方法を適宜選択・組み合わせて、官能基の構造同定を行い、保護層に含まれる官能基種を特定し、前駆体である炭素−炭素二重結合基を有する化合物を推定する。
次いで、得られた保護層の剥離物もしくは分離物のうち任意の一部を分取し重量を測定する。その後、予め重量を測定した1,1,2,2−テトラブロモエタン(以下TBEと略す。)を適宜重クロロホルム等で希釈した内標溶液を調製する。前記分取した保護層の剥離物もしくは分離物に前記TBE内標溶液を添加し、この試験溶液をH−NMR測定を行う。次いで得られたH−NMRスペクトルの前駆体時点で炭素−炭素二重結合基であった(測定時点で炭素−炭素二重結合基で存在するかどうかは問わない)炭素に結合した水素に該当するピークのピーク面積と、内標準として添加したTBEの水素(プロトン、H)に該当するピーク面積との面積比率を用いて、保護層の剥離物もしくは分離物の分取物重量中の炭素−炭素二重結合基量を算出し、これを用いて架橋単位構造質量含有率を算出する。
本発明における保護層は、FT−IR法にて求めた前記炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2がν1/ν2≦0.3である。ν1/ν2がν1/ν2≦0.3であると、前記炭素−炭素二重結合基が充分に反応し架橋点が多数形成した保護層となり、アルカリ成分の移動を制限し通過を阻害することでアルカリ処理に対する耐性を付与することができる。ν1/ν2は好ましくはν1/ν2≦0.2、さらに好ましくはν1/ν2≦0.16である。ν1/ν2≦0.2であると、アルカリ処理に対してより高い耐性付与することができる。さらに、ν1/ν2≦0.16であると高い耐性を付与したまま保護層を薄くすることができるため、導電積層体の光学特性が改善したり生産性が向上するため好ましい。尚、ν1は及びν2は、基材に由来するピークに重ならない波数領域のものを選択する。炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピークは、例えば1650〜1600cm−1の波数領域のもの、また、炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピークは、例えば3000〜2800cm−1の波数領域のものを選択し、各波数領域に存在するピークの極大値をν1及びν2の値とする。
ここで保護層の炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2はFT−IR法のうちFT−IR−ATR(減衰全反射、Attenuated Total Reflectance)法にて以下のように求める。
フーリエ変換赤外分光光度計FTS−55A(Bio−Rad Diglab製)にATR結晶としてGe結晶を設置し、サンプルの導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)をATR結晶に圧着する。次いで、窒素ガス下で測定範囲4000〜600cm−1間を分解能2cm−1、積算回数512回で測定する。次いで得られた分光スペクトルから、基材に帰属されるピークに重ならない波数領域にて、炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク及び炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピークをそれぞれ帰属する。帰属した各ピークの強度のうち極大値の値をそれぞれν1及びν2とし、ν1/ν2を算出した。同様に計10水準にて測定し、計10点の平均値を算出し、この値を本発明における炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2とする。
本発明における保護層は、好ましくはS元素、P元素、金属元素、金属イオン、官能基を構成するN元素のいずれをも含まない高分子化合物を用いてなることがより好ましい。S元素、P元素、N元素はその電子軌道状態からその他元素と結合しない電子対を有することがあったり、金属イオンとイオン結合を有する官能基(例えば、−ONa、−COONa、−SONaなど)を形成したりし、また金属元素は配位結合を形成することがある。それらその他元素と結合しない電子対、イオン結合、配位結合は、アルカリ成分と容易に作用してしまい、S元素、P元素、金属元素、金属イオン及び官能基を構成するN元素がもともと結合していた元素との結合を容易に切断・開裂してしまい、耐アルカリ性を低下させてしまう場合があると推定している。従って、これらS元素、P元素、金属元素、金属イオン、官能基を構成するN元素が含まない高分子化合物を用いると、アルカリ処理に対する耐性をさらに付与しやすくなり、高い耐性を付与したまま保護層を薄くすることができるため、導電積層体の光学特性が改善したり生産性を向上させることができる。
本発明において保護層の架橋構造を形成する方法として、前述の構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物を加熱硬化したり、紫外光、可視光、電子線等の活性電子線を照射して光硬化させる方法がある。熱硬化の場合は熱エネルギーが硬化反応のドライビングフォースであるため、モノマーやオリゴマーをより多官能にすると反応するのに時間を要するので硬化時間を長くする等の対処が必要な場合がある、一方、光硬化の場合は、光開始剤を含有し、そこに前記活性電子線を照射することで発生する開始種によって連鎖的に容易に反応が進行するため、硬化時間が短い等の理由からより好ましい。
ここで、光開始剤とは、紫外領域の光、可視領域の光、電子線等の活性電子線を吸収し、反応の開始種であるラジカル種、カチオン種、アニオン種等の活性種を生成し、前述の構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の反応を開始する物質である。
本発明においては、使用する前記活性電子線の種類から光開始剤を1種のみ単独で使用してもよいが、より好ましくは極大吸収波長の値が各々20nm以上異なる光開始剤を2種以上選定し含有させて使用することが好ましい。
その理由を以下に示す。例えば開始種がラジカル種である場合を挙げると、ラジカル種は非常に反応性が高い一方、その高い反応性が故に前述の構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物と反応する前にラジカルが失活してしまう場合があり、架橋構造の形成が思うように進行しない場合がある。ところが、前記活性電子線を放出するランプ等の放出体からは、実際は単一波長のみを放出しているわけではなく様々な波長を放出しているおり、極大吸収波長の差が20nm以上の光開始剤を2種以上混合することで、より広い領域の波長を吸収することができ、結果、放出した活性電子線を効率よく捕捉・使用することで、大気下であっても充分に硬化反応を進行させ得ることができる。従って、光開始剤を3種以上含有する場合は、それぞれの極大吸収波長の差が20nm以上であるとさらに効果的である。
尚、ここでいう極大吸収波長とは、光開始剤を可溶な溶剤に溶解させた際の紫外可視分光光度法(UV−Vis)より求めた吸収スペクトルの極大値における波長のことである。また、極大値が複数ある場合は以下を極大吸収波長とする。光路長1cmにて求めた吸収スペクトルにおける200〜400nmの領域に存在する複数の極大値の内、最も吸光度の大きい極大値における波長を極大吸収波長とする。ここで、溶剤に溶解させた際の光開始剤の濃度が高すぎると、前記最も吸光度の大きい極大値が使用する装置の検出限界を越えてしまい、あたかもその前記最も吸光度の大きい極大値が無いように観察されてしまうことがあるので、適宜光開始剤の濃度を変えて同様に測定し、各同濃度において相対的に最も吸光度の大きい極大値における波長を極大吸収波長とする。極大吸収波長の値の差が20nm未満の場合は、混合した光開始剤の吸収帯の重なってしまう領域が存在し、あたかも1種の光開始剤のみと同等の効果しか得られないと推定している。また、前記反応の開始種は大気中の酸素とも容易に作用して失活しやすいため、その酸素阻害を抑制するために、窒素やアルゴン等の不活性ガスにて置換した雰囲気下や酸素脱気した雰囲気下等の酸素濃度を低くした特定の雰囲気下で保護層の架橋構造を形成する方法も有効であり、酸素濃度を低くした特定の雰囲気下にて、極大吸収波長の値が各々20nm以上異なる光開始剤を2種以上選定し含有させて使用することが特に好ましい。
使用可能な光開始剤としては例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのα−ヒドロキシケトン系やα−アミノケトン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用でき、極大吸収波長の値、吸光度、色見、着色度合い等の観点から、これら光開始剤のうち好ましく使用することができる。好ましく用いられるものは、例えば市販品としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとしてCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)184(チバ・ジャパン(株)製)、2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オンとしてCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)907(チバ・ジャパン(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1としてCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)369(チバ・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
本発明においては、保護層の平均厚みは100〜1000nmであることが好ましい。平均厚みが1000nmより厚いと、導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)表層の金属系ナノワイヤーが少なくなり、導電性の低下、所望の表面抵抗値を達成しづらくなる、等の問題で電極部材として使用に制限が生じる場合があるが保護層の平均厚みを1000nm以下とすることで、導電成分の導電性を妨げず、抵抗値の異常な上昇や導通不良のない導電積層体となる。また保護層の平均厚みが100nm未満である場合は、アルカリ処理に対し耐性が低下する場合がある。保護層の平均厚みは、金属系ナノワイヤーの径や保護層の成分にも依存するため一義的に限定することはできないが、好ましくはt≦500nmであるとアルカリ処理に対する耐性が高く、t≦350nmであるとアルカリ処理に対する耐性を有しつつ低い表面抵抗値がさらに得やすくなり、さらにt≦250nmであると導電成分の導電性が多少高いものであっても、導電積層体が安定して低い表面抵抗値となりやすい。
本発明にかかる導電積層体は、前記導電層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上である透明導電積層体であることが好ましい。本発明の導電積層体を透明導電積層体として組み込んだタッチパネルは、優れた透明性を示し、この透明導電積層体を用いたタッチパネルの下層に設けたディスプレイの表示を鮮やかに認識することができる。本発明における透明性とは、前記導電層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上であることを意味し、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。全光線透過率を上げるための方法としては、例えば、使用する基材の全光線透過率を上げる方法、前記導電層の膜厚をより薄くする方法、また、保護層が光学干渉膜となるように積層する方法等が挙げられる。
基材の全光線透過率を上げる方法としては、基材の厚みを薄くする方法、あるいは全光線透過率の大きな材質の基材を選定する方法が挙げられる。本発明の透明導電積層体における基材は、可視光線の全光線透過率が高い基材が好適に使用でき、具体的にはJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上のもの、より好ましくは90%以上の透明性を有しているものである。具体的には例えば透明な樹脂、ガラスなどを挙げることができ、厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み250μmを超える基板であっても上記全光線透過率の範囲で有ればよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは250μm以下の樹脂フィルムが好ましく、より好ましくは190μm以下、さらに好ましくは150nm以下、特に好ましくは100μm以下である。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系・メタクリル系樹脂、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、ABS、ポリ酢酸ビニル、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素元素(Cl元素)を含有する樹脂、フッ素元素(F元素)を含有する樹脂、シリコーン系樹脂及びこれら樹脂の混合及び/又は共重合したものが挙げられ、例えばその樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとすることができる。これら基材のうち、基材への成形性、透明性等の光学特性、生産性当の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、またPENとの混合及び/又は共重合したPETフィルム、ポリプロピレンフィルムを好ましく使用することができる。
ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。さらに、基材は、必要に応じ、表面処理を施してあっても良い。表面処理は、グロー放電、コロナ放電、プラズマ処理、火炎処理等の物理的処理、あるいは樹脂層を設けてあっても良い。フィルムの場合、易接着層のあるものでも良い。基材の種類は上述に限定されることはなく、用途に応じて透明性や耐久性や可撓性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。
尚、本発明において、前記基材自体がアルカリ処理に対する耐性が劣る場合は、基材に対し導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)とは反対の面に、本発明の保護層と同様の層を積層することで基材を封止しても良い。
次に、保護層が光学干渉膜となるように積層する方法の説明を以下に示す。
導電層は、その導電成分自身の物性により光を反射や吸収する。そのため、基材上に設けた導電層を含む透明導電積層体の全光線透過率を上げるには、保護層が透明な材料で光学干渉膜となるように設け、この光学干渉膜側の波長380〜780nmでの平均反射率を4%以下に下げることが効果的であり、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。平均反射率が4%以下であると、タッチパネル用途などに用いる場合の全光線透過率80%以上の性能を生産性良く得ることができるので好ましい。
本発明の導電積層体は、金属系ナノワイヤーの導電成分が如何なるものであっても、その導電層側の表面抵抗値が、1×10Ω/□以上、1×10Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×10Ω/□以上、1.5×10以下である。この範囲にあることで、タッチパネル用の導電積層体として好ましく用いることができる。すなわち、1×10Ω/□以上であれば消費電力を少なくすることができ、1×10Ω/□以下であれば、タッチパネルの座標読みとりにおける誤差の影響を小さくすることができる。
本発明における導電層、および、保護層を導電層上に形成する方法としては、形成する物質により最適な方法を選択すれば良く、真空蒸着、EB蒸着、スパッタなどのドライ法、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウエットコート法等、一般的な方法を挙げることができる。なかでも、導電層、保護層を均一に積層できかつ導電層への傷が入りにくいスリットダイコート、もしくは導電層、保護層を均一にかつ生産性良く形成できるマイクログラビアを使用したウエットコート法が好ましい。
本発明にかかる基材及び/或いは各層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機および/又は無機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、滑り賦活剤、導電剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを用いることができる。
本発明のタッチパネルの一例を示した断面模式図を図3に示す。本発明のタッチパネルは、図1に示す金属系ナノワイヤーからなるネットワーク構造を有する導電層と、保護層とを積層した本発明の導電積層体を単独もしくは複数枚、さらには他の部材と組み合わせて搭載したものであり、その例として抵抗膜式タッチパネルや静電容量式タッチパネル等が挙げられる。本発明の導電積層体の導電層は、図2に示すように符号5のような金属系ナノワイヤーを含み、符号6のような重なりからなる接点を有するネットワーク構造を形成している。本発明の導電積層体を搭載してなるタッチパネルは、図3に示すように導電領域と非導電領域を有している本発明の導電積層体7を、接着剤や粘着剤等の接合層によって接合して積層したものであり、さらに例えば、リード線と駆動ユニットを取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。
(1)導電成分の構造(形状)、導電成分のネットワーク状態
絶縁抵抗計(三和電気計器(株)製、DG6)を用いて、サンプルの各面に探針をあて、通電の有無からサンプルの導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)を特定する。特定が困難な場合は、低抵抗率計Loresta−EP MCP−T360(三菱化学(株)、もしくは、リングタイププローブ(三菱化学(株)製 URSプローブ MCP−HTP14)を接続した高抵抗率計(三菱化学(株)製 Hiresta−UP MCP−HT450)を用いて同様にサンプルの各面を評価し導電側を特定する。
次いでサンプルの導電層側の表面を、走査透過電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製 日立走査透過電子顕微鏡HD−2700)もしくは電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6700−F)を用いて加速電圧3.0kV、観察倍率と画像のコントラストを適宜調節して各倍率にて観察した。
前記方法にて観察が困難な場合は、次いでカラー3D レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9710)を用いて、付属の標準対物レンズ10X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 10X)、20X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 20X)、50X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 50X)、150X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 150XA)にて各倍率で導電側の同位置を表面観察し、その画像データから観察アプリケーション((株)キーエンス製 VK−HV1)を用いて画像解析した。
さらに観察が困難な場合は、次いで原子間力顕微鏡(Digital Instruments社製 NanoScopeIII)を用いて、カンチレバーをシリコン単結晶、走査モードをタッピングモード、測定環境を温度25℃及び相対湿度65%RHにて観察した。
表面観察では観察できない場合は、後述する(2)と同様のいずれかの方法にて導電層の成分を分離精製後、導電成分に該当する物質を充分量を採取・集めてから、同様に観察した。
(2)保護層の化合物の含有元素、構造の同定
保護層中の化合物の含有元素、化合物の構造(骨格構造、高分子構造等)は、先ず、(1)に記載のいずれかの方法にて、導電積層体の導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)の面を断定する。次いで、必要な場合は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等に代表される一般的なクロマトグラフィーやその他分離・精製が可能な方法にて単一物質に分離精製、また適宜濃縮及び希釈した。
次いで、保護層を対象に、ダイナミック二次イオン質量分析法(Dynamic−SIMS)、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)、その他スタティック二次イオン質量分析法(Static−SIMS)、核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、19F−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、ラマン分光法、質量分析法(Mass)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(TEM−EDX)、走査電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(SEM−EDX)、その他元素分析、から方法を適宜選択・組み合わせて保護層の化合物の含有元素、構造の同定・分析を行った。
(3)導電成分の同定
先ず、(1)に記載のいずれかの方法にて、導電積層体の導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)の面を断定する。次いで、導電成分を対象に、(2)と同様のいずれかの方法にて導電成分の同定を行った。
同定が困難な場合は、後述する(2)と同様のいずれかの方法にて導電層の成分を分離精製後、導電成分に該当する物質を充分量を採取・集めてから、同様に観察した。
(4)架橋単位構造質量含有率
先ず、サンプルから保護層を剥離する。必要であれば溶解度の高い溶剤にて保護層を溶解させる。また必要で有れば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等に代表される一般的なクロマトグラフィーのうち分離可能な方法を選択し、それぞれ単一物質に分離精製する。他成分と結合して分離が困難な場合はそのまま用いてもよい。
その後各物質について適宜濃縮及び希釈を行い、核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、19F−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、ラマン分光法、各種質量分析法(ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)、熱分解ガスクロマトグラフィー−質量分析法(熱分解GC−MS)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)、飛行時間型質量分析法(TOF−MS)、飛行時間型マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−TOF−MS)、ダイナミック二次イオン質量分析法(Dynamic−SIMS)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、その他スタティック二次イオン質量分析法(Static−SIMS)等)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナリシス法(EPMA)、荷電粒子励起X線分光法(PIXE)、低エネルギーイオン散乱分光法(RBSまたはLEIS)、中エネルギーイオン散乱分光法(MEIS)、高エネルギーイオン散乱分光法(ISSまたはHEIS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(TEM−EDX)、走査電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(SEM−EDX)、ガスクロマトグラフィー(GC)その他元素分析、等から分析方法を適宜選択・組み合わせて、官能基の構造同定を行い、保護層に含まれる官能基種を特定し、前駆体である炭素−炭素二重結合基を有する化合物を推定する。
次いで、得られた保護層の剥離物もしくは分離物のうち任意の一部を分取し重量を測定する。その後、予め重量を測定した1,1,2,2−テトラブロモエタン(以下TBEと略す。)を適宜重クロロホルム等で希釈した内標溶液を調製する。前記分取した保護層の剥離物もしくは分離物に前記TBE内標溶液を添加し、この試験溶液をH−NMR測定を行う。次いで得られたH−NMRスペクトルの前駆体時点で炭素−炭素二重結合基であった(測定時点で炭素−炭素二重結合基で存在するかどうかは問わない)炭素に結合した水素に該当するピークのピーク面積と、内標準として添加したTBEの水素(プロトン、H)に該当するピーク面積との面積比率を用いて、保護層の剥離物もしくは分離物の分取物重量中の炭素−炭素二重結合基量を算出し、これを用いて架橋単位構造質量含有率を算出した。
(5)伸縮振動のピーク強度比ν1/ν2
炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1、炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2、及びそのピーク強度比ν1/ν2は、FT−IR法のうちFT−IR−ATR(減衰全反射、Attenuated Total Reflectance)法にて以下のようにして求める。
先ず、(1)に記載のいずれかの方法にて、導電積層体の導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)の面を断定する。次いで、フーリエ変換赤外分光光度計FTS−55A(Bio−Rad Diglab製)にATR結晶としてGe結晶を設置し、サンプルの導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)をATR結晶に圧着する。次いで、窒素ガス下で測定範囲4000〜600cm−1間を分解能2cm−1、積算回数512回で測定する。次いで得られた分光スペクトルから、基材に帰属されるピークに重ならない波数領域にて、炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク及び炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピークをそれぞれ帰属する。帰属した各ピークの強度のうち極大値の値をそれぞれν1及びν2とし、ν1/ν2を算出した。同様に計10水準にて測定し、計10点の平均値を算出し、この値を本発明における炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2とする。
(6)光開始剤の極大吸収波長の差
(2)と同様のいずれかの方法にて保護層の成分を分離精製し、各種成分の内、光開始剤に該当する化合物のみを抽出した。光開始剤への該当・非該当が不明な場合は、活性電子線を照射しラジカル種、カチオン種、アニオン種のいずれかが発生する化合物を光開始剤とした。次いで、光開始剤を各種可溶な溶剤に溶解させた。次いで、この溶液を石英セル中に入れ、紫外可視分光光度計(UV−Bis Spectrophotometer、日本分光(株)製 V−660型)を用いて波長200〜900nmにおける吸収スペクトルを測定し極大吸収波長を求めた。
各光開始剤において、同様に3回吸収スペクトルを測定し極大吸収波長を求めて、その平均値を光開始剤の極大吸収波長とし、各光開始剤の極大吸収波長の差を求めた。
尚、極大値が複数ある場合は以下を極大吸収波長とする。光路長1cmにて求めた吸収スペクトルにおける200〜400nmの領域に存在する複数の極大値の内、最も吸光度の大きい極大値における波長を極大吸収波長とする。ここで、溶剤に溶解させた際の光開始剤の濃度が高すぎると、前記最も吸光度の大きい極大値が使用する装置の検出限界を越えてしまい、あたかもその前記最も吸光度の大きい極大値が無いように観察されてしまうことがあるので、適宜光開始剤の濃度を変えて同様に測定し、各同濃度において相対的に最も吸光度の大きい極大値における波長を極大吸収波長とした。
(7)アルカリ処理に対する耐性(表面抵抗値の変化R/R
まず、後述する(9)と同様の方法にてサンプルの表面抵抗値R[Ω/□]を測定する。次いで、以下に記載する処理1、処理2の2種類のアルカリ処理をそれぞれ実施した。次いで、各アルカリ処理後に処理部分の表面抵抗値R[Ω/□]を測定する。Rの値をRの値で除し、アルカリ処理前後での表面抵抗値の比R/Rを求めた。5サンプルについて同様に測定したR/Rの平均値を算出した。
各アルカリ処理共にR/Rの値が1.1以下の場合は、表面抵抗値の変化が小さく耐性を有していると判断し合格とした。R/Rの値が1.1より大きい場合、もしくはRが測定不能で絶縁した場合(R/Rの値が無限大に発散)は、表面抵抗値の変化があると判断し不合格とした。尚、アルカリ処理は、処理2よりも処理1の方がより厳しく、処理2のみ合格の場合よりも、処理1及び2共に合格の場合のほうが優れた耐性を有していることを意味する。一方、処理1及び2)共に不合格の場合は、耐性を有していないと判断する。
(処理1:3質量%水酸化ナトリウム水溶液処理)
水酸化ナトリウム(ナカライテスク(株)製)30gを蒸留水970gに溶解し、3質量%水酸化ナトリウム水溶液を用意した。その水酸化ナトリウム水溶液の液温が60℃になるまで昇温させ、液温が60℃±0.5℃を維持するように調整しながらサンプルを5分間浸漬させた。サンプルを取り出した後、蒸留水で洗浄し付着している水滴を拭き取り乾燥させた。
(処理2:1質量%炭酸ナトリウム水溶液処理)
炭酸ナトリウム(ナカライテスク(株)製)10gを蒸留水990gに溶解し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用意した。その炭酸ナトリウム水溶液の液温が40℃になるまで昇温させ、液温が30℃±0.5℃を維持するように調整しながらサンプルを5分間浸漬させた。サンプルを取り出した後、蒸留水で洗浄し付着している水滴を拭き取り乾燥させた。
(8)アルカリ処理に対する耐性(表面の外観変化)
サンプルを(7)と同様の方法にて2種類のアルカリ処理をそれぞれ実施した。導電積層体の導電側を、該導電面に対し90度方向(垂直方向)、45度方向、10度方向から、蛍光灯下にて目視観察し、アルカリ処理部分と未処理部分を比較した。本発明における判定基準は、導電層欠点(層の剥離、表面の荒れ、浸食痕、等)の目視認識可否を判断し、全角度方向において欠点がない場合を合格、いずれかの角度方向にて欠点がある場合を不合格と判定した。
(9)表面抵抗値R
導電層側の表面抵抗値は、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)製 NC−10)を用い渦電流方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値R[Ω/□]とした。検出限界を超えて表面抵抗値が得られなかった場合は、次いで以下の方法にて測定した。
高抵抗率計(三菱化学(株)製 Hiresta−UP MCP−HT450)を用い、リングタイププローブ(三菱化学(株)製 URSプローブ MCP−HTP14)を接続して二重リング方式で100mm×100mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値R[Ω/□]とした。
(10)全光線透過率
濁度計(曇り度計)NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いてJIS K7361−1(1997年)に基づいて、導電積層体厚み方向の全光線透過率を、導電側(本発明では導電層及び保護層が積層されている側)から光を入射させて測定した。5サンプルについて測定した値から平均値を算出し、これを全光線透過率とした。
各実施例及び比較例に使用した基材を以下に示す。
(1)基材A
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U48)
・厚み125μm
(2)基材B
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U48)
・厚み50μm
各実施例及び比較例における、導電層を以下に示す。各導電層は実施例及び比較例における基材上に以下の各方法で積層した。
(1)導電層A「銀ナノワイヤー導電層」
特表2009−505358号公報の例1(銀ナノワイヤーの合成)に開示されている方法にて銀ナノワイヤー(短軸:50〜100nm、長軸:20〜40μm)を得た。次いで、同特表2009−505358号公報の例8(ナノワイヤー分散)に開示されている方法にて銀ナノワイヤー分散塗液を得た。この銀ナノワイヤー分散塗液を、塗液全体に対する銀ナノワイヤー量が0.05質量%となるように濃度調整した。この濃度調整した銀ナノワイヤー分散塗液を、材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して基材上に塗布、120℃で2分間乾燥し銀ナノワイヤー塗膜を設けた。
(2)導電層B「銅ナノワイヤー導電層」
特開2002−266007号公報に開示されている方法にて銅ナノワイヤー(短軸:10〜20nm、長軸:1〜100μm)を得た。次いで、特表2009−505358号公報の例8(ナノワイヤー分散)に開示されている銀ナノワイヤーを本発明の銅ナノワイヤーに変更し、同様の方法にて銅ナノワイヤー分散塗液を得た。この銅ナノワイヤー分散塗液を、塗液全体に対する銅ナノワイヤー量が0.05質量%となるように濃度調整した。この濃度調整した銅ナノワイヤー分散塗液を、材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して基材上に塗布、120℃で2分間乾燥し銅ナノワイヤー塗膜を設けた。
(3)導電層C「銀ナノワイヤー・銅ナノワイヤー混合導電層」
前記導電層A「銀ナノワイヤー導電層」項に記載の、塗液全体に対する銀ナノワイヤー量が0.05質量%となるように濃度調整した銀ナノワイヤー分散塗液と、導電層B「銅ナノワイヤー導電層」項に記載の、塗液全体に対する銅ナノワイヤー量が0.05質量%となるように濃度調整した銅ナノワイヤー分散塗液とを、質量比で銀ナノワイヤー分散塗液:銅ナノワイヤー分散塗液=6:4となるように混合した。この銀ナノワイヤー・銅ナノワイヤー混合分散塗液を、材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して基材上に塗布、120℃で2分間乾燥し銀ナノワイヤー・銅ナノワイヤー混合塗膜を設けた。
(4)導電層D「銀ナノ微粒子導電層」
特開2001−243841号公報の実施例((2)銀ナノコロイド塗布液の調整)に開示されている方法にて銀ナノ微粒子(短軸、長軸(粒径):9〜15nm)分散液を得た。次いで、同特開2001−243841号公報の[実施例1〜8]に開示されている方法にて銀ナノ微粒子分散液を塗布、銀ナノ微粒子塗膜を得た。
各実施例及び比較例の保護層に使用した材料を以下に示す。各保護層は導電層の上に実施例及び比較例の各方法で積層した。
(1)保護層材料A
・アクリル系組成物(綜研化学(株)製 フルキュアHC−6、固形分濃度51質量%)
・構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物。
・S元素、P元素、金属元素、金属イオン及び官能基を構成するN元素を含まない。
(2)保護層材料B
・アクリル系/ウレタンアクリレート系混合組成物(中国塗料(株)製 フォルシードNo.420C、固形分濃度50質量%)
・構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物。
・S元素、P元素、金属元素、金属イオン及び官能基を構成するN元素をいずれも含まず、骨格構造内にN元素を含む。
(3)保護層材料C
・メタクリル系組成物(共栄社化学(株)製 ライトエステルTMP、固形分濃度100質量%)
・構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物。
・S元素、P元素、金属元素、金属イオン及び官能基を構成するN元素を含まない。
(4)保護層材料D
・ウレタンアクリレート系組成物(根上工業(株)製 アートレジンUN−904M、固形分濃度80質量%)
・構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物。
・S元素、P元素、金属元素、金属イオン及び官能基を構成するN元素をいずれも含まず、骨格構造内にN元素を含む。
(5)保護層材料E
・ウレタンアクリレート系組成物(共栄社化学(株)製 AT−600、固形分濃度100質量%)
・構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物。
・S元素、P元素、金属元素、金属イオン及び官能基を構成するN元素をいずれも含まず、骨格構造内にN元素を含む。
(6)保護層材料F
・アクリル系/メタクリレート系混合組成物(綜研化学(株)製 フルキュアHCE−032、固形分濃度51.4質量%)
・構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物。
・官能基を形成するN元素を含む。
(7)保護層材料G
・アクリル系/メタクリレート系混合組成物(下記にて重合、固形分濃度100質量%)
・Acrylamide t−Butyl Sulfonic Acid(別名2−Acrylamide−2−Methyl Propane Sulfonic Acid、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)とMethyl Methacrylate(別名メタクリル酸メチル、2−メチル−2−プロペン酸メチル、略名MMA)から共重合した。
・S元素を含む。
(8)保護層材料H
・アクリル系/メタクリレート系混合組成物(下記にて重合、固形分濃度100質量%)
・Acrylamide t−Butyl Sulfonic Acid Sodium Sait(別名2−Acrylamide−2−Methyl Propane Sulfonic Acid Sodium Sait、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム)とMethyl Methacrylate(別名メタクリル酸メチル、2−メチル−2−プロペン酸メチル、略名MMA)から共重合した。
・S元素、金属イオンを含む。
(9)保護層材料I
・アクリル系組成物(下記にて作製、固形分濃度40質量%)
・特開2008−222848号公報の実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物には、下記(13)添加剤Aを含有している。
・P元素を含む。
(10)保護層材料J
・メタクリル系組成物(下記にて、重合固形分濃度100質量%)
・構造内に1個の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物からなる組成物。
・Methyl Methacrylate(別名メタクリル酸メチル、2−メチル−2−プロペン酸メチル、略名MMA)を、開始剤として2,2’−Azobis(2−methylpropionitrile)(別名α,α'‐アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、略名AIBN)を使用して重合し、Poly(methyl methacrylate)(略名PMMA)を得た。
(11)保護層材料K
・アクリル系組成物(共栄社化学(株)製 ライトアクリレートBP−10EA、固形分濃度100質量%)
・構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物。
・S元素、P元素、金属元素、金属イオン及び官能基を構成するN元素を含まない。
(12)保護層材料L
・ポリエステル変性シリコーン系(末端水酸基(ヒドロキシル基)ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン)組成物(信越化学(株)製 X−22−8300、固形分濃度25質量%)
・構造内に重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を含有さない化合物の組成物で、熱により硬化する。
・S元素、P元素、金属元素、金属イオン及び官能基を構成するN元素を含まない。
(13)添加剤A
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba(登録商標)IRGACURE(登録商標)184)
・極大吸収波長240nm
(14)添加剤B
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba(登録商標)IRGACURE(登録商標)907)
・極大吸収波長300nm
(15)添加剤C
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba(登録商標)IRGACURE(登録商標)369)
・極大吸収波長320nm
(16)添加剤D
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba(登録商標)IRGACURE(登録商標)651)
・極大吸収波長250nm
(実施例1)
「保護層材料E」76.5g、「添加剤A」3.60g、「添加剤B」3.60g、「酢酸エチル」1400gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。
次いで、「基材A」の片面に「導電層A」を積層した。
次いで、保護層塗布液を、「導電層A」の上に材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して塗布、120℃で2分間乾燥後、紫外線を1.2J/cm照射し硬化させ、厚み600nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例2)
保護層塗布液の組成を「保護層材料D」95.6g、「添加剤A」3.60g、「添加剤B」3.60g、「酢酸エチル」2140gとしたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み400nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例3)
保護層塗布液の組成を「保護層材料C」76.5g、「添加剤A」3.60g、「添加剤B」3.60g、「酢酸エチル」2900gとしたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み300nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例4)
保護層塗布液の組成を「保護層材料C」76.5g、「添加剤A」3.60g、「添加剤B」3.60g、「酢酸エチル」3230gとしたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み270nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例5)
保護層塗布液の組成を「保護層材料C」76.5g、「添加剤A」3.60g、「添加剤B」3.60g、「酢酸エチル」3500gとし、紫外線を1.5J/cm照射し硬化させたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み250nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例6)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」150g、「添加剤A」3.60g、「添加剤B」3.60g、「酢酸エチル」3430gとしたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み250nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例7)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」58.2g、「保護層材料B」4.7g、「添加剤A」1.56g、「添加剤B」1.56g、「酢酸エチル」1500gとし、紫外線を1.5J/cm照射し硬化させたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み250nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例8)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」58.2g、「保護層材料B」4.7g、「添加剤A」1.56g、「添加剤B」1.56g、「酢酸エチル」2060gとし、紫外線を1.5J/cm照射し硬化させたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み180nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例9)
保護層塗布液の組成を「保護層材料F」149g、「添加剤A」3.60g、「添加剤B」3.60g、「酢酸エチル」4820gとしたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み250nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例10)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」58.2g、「保護層材料G」1.0g、「添加剤A」1.56g、「添加剤B」1.56g、「酢酸エチル」1930gとし、紫外線を1.5J/cm照射し硬化させたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み180nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例11)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」58.2g、「保護層材料H」1.0g、「添加剤A」1.56g、「添加剤B」1.56g、「酢酸エチル」1930gとし、紫外線を1.5J/cm照射し硬化させたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み180nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例12)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」58.2g、「保護層材料I」2.5g、「添加剤B」1.56g、「酢酸エチル」1830gとし、紫外線を1.5J/cm照射し硬化させたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み180nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例13)
前記導電層D「銀ナノ微粒子導電層」項に記載の特開2001−243841号公報の実施例((2)銀ナノコロイド塗布液の調整)に開示されている方法にて得た銀ナノ微粒子分散液を蒸発乾固し、銀ナノ微粒子を得た。
次いで、「保護層材料A」123.5g、「前記銀ナノ微粒子」3.32g、「添加剤A」3.12g、「添加剤B」3.12g、「酢酸エチル」4140gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。
次いで、「基材A」の片面に「導電層A」を積層した。
次いで、保護層塗布液を、「導電層A」の上に材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して塗布、120℃で2分間乾燥後、紫外線を1.5J/cm照射し硬化させ、厚み180nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例14)
保護層塗布液の組成を「保護層材料A」58.2g、「保護層材料B」4.7g、「添加剤A」1.04g、「添加剤B」1.04g、「添加剤C」1.04g、「酢酸エチル」2060gとし、紫外線を1.0J/cm照射し硬化させたこと以外は、実施例8と同様に作成し、厚み180nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例15)
保護層塗布液の組成を「保護層材料C」76.5g、「添加剤A」2.40g、「添加剤B」2.40g、「添加剤C」2.40g、「酢酸エチル」3230gとし、紫外線を1.0J/cm照射し硬化させたこと以外は、実施例4と同様に作成し、厚み270nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例16)
「保護層材料A」15g、「添加剤A」0.24g、「添加剤B」0.24g、「添加剤C」0.24g、「酢酸エチル」1178gを混合、撹拌し、保護層塗布液を作った。
次いで、「基材A」の片面に「導電層B」を積層した。
次いで、保護層塗布液を、「導電層B」の上に材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して塗布、120℃で2分間乾燥後、紫外線を1.5J/cm照射し硬化させ、厚み75nmの保護層を設け、本発明の導電積層体を得た。
(実施例17)
積層する導電層を「導電層C」としたこと以外は、実施例8と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(実施例18)
使用する基材を「基材B」としたこと以外は、実施例8と同様に作成し、本発明の導電積層体を得た。
(比較例1)
「基材A」に、導電層及び保護層を設けずに、基材のみとした。
(比較例2)
前記導電層A「銀ナノワイヤー導電層」項に記載の、塗液全体に対する銀ナノワイヤー量が0.05質量%となるように濃度調整した銀ナノワイヤー分散塗液をさらに希釈して、銀ナノワイヤー量が0.01質量%なるように濃度を再調整した銀ナノワイヤー希釈分散塗液を得た。この銀ナノワイヤー希釈分散塗液を、材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して基材上に塗布、120℃で2分間乾燥し、銀ナノワイヤーが非ネットワーク状態の塗膜を設けた。
次いで、実施例6と同様に保護層を積層し、導電層が非ネットワーク状態の銀ナノワイヤーからなる積層体を得た。
(比較例3)
「基材A」の片面に「導電層A」のみを積層し保護層を設けずに、導電積層体とした。
(比較例4)
導電層を「導電層D」としたこと以外は、実施例6と同様に作成し、非ワイヤー形状である球状の導電成分からなる導電層上に、厚み250nmの保護層を設け、導電積層体を得た。
(比較例5)
「保護層材料L」200g、「酢酸エチル」1970gを混合、撹拌し、構造内に重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を含有さない化合物の組成物からなる保護層塗布液を作った。
次いで、「基材A」の片面に「導電層A」を積層した。
次いで、保護層塗布液を、「導電層A」の上に材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して塗布、120℃で2分間乾燥し硬化させ、厚み250nmの保護層を設け、導電積層体を得た。この保護層は、構造内に重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を含有さない化合物の組成物からなる保護層である。
(比較例6)
「保護層材料J」50g、「酢酸エチル」2120gを混合、撹拌し、構造内に1個の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物からなる保護層塗布液を作った。
次いで、「基材A」の片面に「導電層A」を積層した。
次いで、保護層塗布液を、「導電層A」の上に材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して塗布、120℃で2分間乾燥し硬化させ、厚み250nmの保護層を設け、導電積層体を得た。この保護層は、構造内に1個の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物の組成物からなり架橋構造を形成しない保護層である。
(比較例7)
「保護層材料K」76.5g、「添加剤A」3.60g、「添加剤B」3.60g、「酢酸エチル」1400gとしたこと以外は、実施例1と同様に作成し、厚み600nmの保護層を設け、導電積層体を得た。この保護層は、架橋単位構造質量含有率(すなわち保護層の全質量に対する炭素−炭素二重結合基由来の構造の炭素−炭素二重結合基の単位構造(>C=C<:式量24)部分の質量含有率)が6質量%であった。
(比較例8)
照射する紫外線を0.5J/cmとしたこと以外は、実施例6と同様に作成し、厚み250nmの保護層を設け、導電積層体を得た。この保護層は、FT−IR法にて求めた前記炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2の値が0.32であった。
Figure 2012156094
Figure 2012156094
実施例のいずれにおいても、導電性を示すと共にいずれかのアルカリ処理に対する耐性を有していた。実施例1よりも架橋単位構造質量含有率が大きい実施例2〜4は、保護層厚みを薄くしてもアルカリ処理に対する耐性を維持し、特に、架橋単位構造質量含有率が好ましい範囲の実施例6は、アルカリ処理に対する高い耐性を有していた。また、架橋単位構造質量含有率が同様である成分からなるものであっても(実施例4、5)、FT−IR法にて求めた前記炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2が小さくし好ましい範囲のものは(実施例5)、アルカリ処理に対する耐性が向上していた。
保護層が異なる骨格構造を有するも混合成分であっても、本発明の保護層の要件を全て満たしていればアルカリ処理に対する耐性を得ることができるが(実施例7、8)、保護層内に特定の元素を含んでいる場合(実施例9〜13)、アルカリ処理に対する耐性が変化してしまった。
保護層を形成させる際に、極大吸収波長の値の差が特定の範囲となる光開始剤を混合することで(実施例14)、該当する光開始剤を混合しない場合(実施例8)と比較して、紫外線の照射が少ないにも関わらずν1/ν2が小さくすることができ、より容易に導電積層体を作製することができた。一方、極大吸収波長の値の差が特定の範囲外である光開始剤を混合する場合は(実施例15)、該当する光開始剤を混合しない場合(実施例4)と比較しても、光開始剤を混合することによるアルカリ処理に対する耐性の向上効果は得られなかった。
導電層の成分が銀ナノワイヤーではない実施例16や、銀ナノワイヤー以外の金属系ナノワイヤーとの混合成分の導電層である実施例17は、表面抵抗値と光学特性が劣ってしまい、銀ナノワイヤーのみの導電層である実施例1〜15及び18は、低い表面抵抗値と高い全光線透過率を実現し、良好な導電積層体になった。
導電層を設けない場合や(比較例1)、金属系ナノワイヤーかなら導電成分を含んでいてもネットワークを形成していない場合は(比較例2)は、導電性を示さない。導電成分の形状がナノワイヤー形状でない場合や(比較例4)、保護層を設けない場合は(比較例3)は、アルカリ処理に対する耐性を得られなかった。さらに保護層を設けても、構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有さない成分からなる保護層(比較例5)、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基が少なく架橋構造を形成しない場合(比較例6)、架橋単位構造質量含有率が極端に小さい場合(比較例7)、ν1/ν2が極端に小さい場合(比較例8)、といずれかの要件を満たさないものはいずれもアルカリ処理に対する耐性を得られない。
本発明は、導電積層体をタッチパネル等に使用する電極部材に加工形成する際のアルカリ処理に対し耐性を有する導電積層体に関するものである。またさらに、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどの使用される電極部材にも使用される導電積層体に関するものである。
1:基材
2:導電層
3:保護層
4:積層面に垂直な方向より観察した導電面
5:金属系ナノワイヤー
6:金属系ナノワイヤーの重なりによって形成した接点
7:導電領域と非導電領域を有する導電積層体
8:導電領域と非導電領域を有する導電積層体の基材
9:導電領域と非導電領域を有する導電積層体の導電層
10:導電領域と非導電領域を有する導電積層体の保護層
11:接着剤や粘着剤による、導電領域と非導電領域を有する導電積層体を積層するための接合層
12:タッチパネルの画面側の基材
13:タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層

Claims (6)

  1. 基材の少なくとも片面に、金属系ナノワイヤーからなるネットワーク構造を有する導電成分を含む導電層と、保護層とを積層した導電積層体であって、該保護層が下記(i)〜(iii)を満たす導電積層体。
    (i)構造内に2個以上の重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を有する化合物が重合反応した構造を含む高分子からなる。
    (ii)保護層の全質量に対する前記炭素−炭素二重結合基由来の構造の炭素−炭素二重結合基の単位構造(>C=C<:式量24)部分の質量含有率が9質量%以上である。
    (iii)FT−IR法にて求めた前記炭素−炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素−水素単結合(C−H)の伸縮振動のピーク強度ν2の比ν1/ν2がν1/ν2≦0.3である。
  2. 前記保護層が、S元素、P元素、金属元素、金属イオンおよび官能基を構成するN元素をいずれも含まない化合物からなる請求項1に記載の導電積層体。
  3. 前記保護層中に、極大吸収波長の値が20nm以上異なる光開始剤を2種以上含有する請求項1または2に記載の導電積層体。
  4. 前記金属系ナノワイヤーが、銀ナノワイヤーである請求項1〜3に記載の導電積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体を、導電領域と非導電領域とに分ける加工処理をした後、導電領域と非導電領域を有する加工処理導電積層体。
  6. 請求項1〜5に記載の導電積層体を用いてなるタッチパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014165095A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Toppan Printing Co Ltd 透明導電性フィルム

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