JP2012162128A - 車両用エアバッグリッド及びその製造方法 - Google Patents

車両用エアバッグリッド及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表皮の表面に脆弱部の模様が浮かび上がって表皮の表面の美感が損なわれることを防止する。
【解決手段】基材11の背面には、脆弱部14の一部を構成する凹部13を形成する。この凹部13は、その全長にわたって連続させる。しかも、凹部13の深さは、凹部13が基材11をその厚さ方向に横断することがないよう、基材11の厚さより浅くする。表皮材3の背面には、スリット14を形成する。スリット14は、凹部13に対応する部位に配置する。しかも、凹部13に沿って連続させる。スリット14の深さは、表皮材3の厚さより浅くする。表皮材3の背面を基材11の表面に接着剤層6を介して接着する。
【選択図】図2

Description

この発明は、エアバッグの膨張時に開く車両用エアバッグリッド及びそのリッドを製造するための製造方法に関する。
一般に、車両用エアバッグリッドは、インストルメントパネル(以下、インパネという。)の一部として設けられており、硬質の樹脂により所定の強度をもって形成された基材と、この基材の車内に臨む表面に固着された表皮材とを備えている。基材は、インパネの芯材に固定されており、芯材の一部を構成している。一方、表皮材は、発泡樹脂からなるクッション層と、このクッション層の車内に臨む面に固着された表皮とから構成されており、クッション層が基材に固着されている。な
エアバッグリッドには、脆弱部が設けられている。脆弱部は、エアバッグの膨張時に破断の起点となるものであり、下記特許文献1に記載されているように、多数の孔によって構成されている。各孔は、基材の背面から車内側に向かって形成されており、基材及びクッション層を貫通して表皮の背面部まで達している。しかも、各孔は、例えばローマ字「H」字に沿って並べられている。この結果、エアバッグリッドの「H」字に沿う部分の強度が低下し、エアバッグの膨張時には当該「H」字に沿う部分から破断する。
従来、上記構成のエアバッグリッドを製造する場合には、基材及び表皮を樹脂によってそれぞれ成形した後、それらをクッション層を成形するための発泡成形型の所定の部位にセットする。その後、樹脂を成形型内に充填して発泡させ、クッション層を成形する。このとき、基材及び表皮を構成する樹脂の一部が成形熱によって溶融されるので、クッション層が成形されるのと同時に、クッション層が基材及び表皮に溶着される。互いに溶着固定された芯材、クッション層及び表皮を発泡成形型から取り出した後、それらに多数の孔を形成して脆弱部を構成する。
特開2000−238602号公報
上記従来のエアバッグリッドにおいては、脆弱部を構成する孔が基材を貫通しているため、当該孔が形成された箇所ではクッション層及び表皮が芯材によって支持されていない。このため、表皮の表面に孔に対応した模様が浮かび上がり、表皮の美感を低下させるという問題があった。
また、成形後の各リッドには製造誤差がある。しかも、リッドの表面、つまり表皮の表面が湾曲している。このため、脆弱部用の各孔の底部と表皮の表面との間の距離、つまり孔が形成された部分における表皮の残り部分の厚さを所定の厚さにすることが難しく、表皮の残りの部分の厚さが各リッド毎にばらつくという問題があった。
この発明に係る車両用エアバッグリッドは、上記二つの問題のうちの先の問題を解決するためになされたもので、基材と、この基材の表面に背面が固着された表皮材とを備え、上記基材及び表皮材には、エアバッグの膨張時に破断の起点となる脆弱部が設けられた車両用エアバッグリッドにおいて、上記表皮材の表面に上記基材の背面が接着されており、上記脆弱部が、上記基材の背面に設けられた凹部と、上記表皮材の背面の上記凹部に対応する部位に設けられたスリットとを有し、上記凹部がその全長にわたって連続して設けられ、上記凹部が上記基材をその厚さ方向に貫通することがないよう、上記凹部の深さが上記基材の厚さより小さい寸法に設定され、上記スリットがその全長にわたって連続して設けられ、上記スリットが表皮材をその厚さ方向に貫通することがないよう、上記スリットの深さが上記表皮材の厚さより小さい寸法に設定されていることを特徴としている。
また、この発明に係る車両用エアバッグの製造方法は、上記二つの問題のうちの後の問題を解決するためになされたもので、上記構成の車両用エアバッグリッドを製造するに際し、上記基材に上記凹部を予め設けるとともに、上記表皮材に上記スリットを予め設けておき、その後上記基材に上記表皮材を接着することを特徴としている。
この発明に係る車両用エアバッグリッドによれば、基材の背面に脆弱部の一部を構成する凹部が形成されており、この凹部に対応する表皮材の背面に脆弱部の一部を構成するスリットが形成されている。ここで、凹部の深さは基材の厚さより浅くなっている。したがって、基材の表面に凹部が開口することがなく、基材の表面全体が連続した面になっている。この連続した基材の表面により、表皮材のスリットが形成された部位が支持される。したがって、スリットが形成された箇所が模様となって表皮材の表面に浮かび上がることを防止することができる。
また、この発明に係る車両用エアバッグの製造方法によれば、表皮材へのスリットの形成が表皮材の基材への溶着前に行われるから、スリットの形成時には、表皮材を弾性変形させてその表面を基準平面に押し付け、その状態で表皮材の背面にスリットを形成することができる。したがって、その基準平面を基準としてスリットの深さの寸法管理をすることにより、スリットが形成された部分における表皮材の残りの部分の厚さを一定にすることができる。この場合、スリットの深さの基準となる面が平面であるから、スリットの深さ精度を高精度にすることが容易である。よって、表皮材の残りの部分の厚さを高い精度をもって所定の厚さにすることができる。
図1は、この発明の一実施の形態を示す断面図である。 図2は、同実施の形態の要部を示す拡大断面図である。 図3は、図1のA矢視図である。
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態を示す。この実施の形態は、この発明に係る車両用エアバッグリッド10が車両用インストルメントパネル(以下、インパネと略称する。)1の一部として設けられている。そこで、まずインパネ1について説明すると、インパネ1は、車外O側に配置された芯材2と、車内I側に配置された表皮材3とを有している。
芯材2は、樹脂を成形することによって構成されている。芯材2を構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)等の比較的硬質の樹脂が採用される。特に、フィラー入りのポリプロピレン(PPF)を採用することが望ましい。芯材2を成形するための成形法として、通常は、射出成形法が採用される。芯材2は、その厚さ方向を車内外方向に向けて配置されており、車体(図示せず)の車内に臨む前部に取り付けられている。芯材2の所定の部位、この実施の形態では助手席の前方に位置する部位には、芯材2を車内外方向に貫通する貫通孔2aが形成されている。貫通孔2aは、四角形状に形成されているが、他の形状に形成してもよい。
表皮材3は、車外O側に配置されたクッション層4と、車内I側に配置された表皮5とを有している。クッション層4は、発泡成形法によって成形されている。つまり、成形型内に樹脂を充填して発泡させることによって成形されている。クッション層4を構成する樹脂としては、例えばサーモプラスチックオレフィン(TPO)やポリプロピレン等の樹脂が採用される。また、発泡倍率は、例えば1.3〜30倍に設定される。クッション層4は、車外O側を向く背面が芯材2の車内I側を向く表面に接着剤層6によって接着固定されている。クッション層4は、芯材2の表面、つまり車内側を向く面全体を覆うように配置されている。したがって、クッション層4は、貫通孔2a全体を覆っている。
表皮5は、サーモプラスチックオレフィンやポリプロピレン等の樹脂からなるものであり、それらの樹脂を雌引き又は雄引き真空成形法、その他の成形法によって成形することによって構成されている。表皮5は、その車外側を向く背面がクッション層4の車内I側を向く表面に固着されることによって、クッション層4に固定されている。表皮5は、クッション層4に接着することも可能であるが、この実施の形態では、クッション層4を成形するための発泡成形型の所定の位置に表皮5を予めセットした状態で、クッション層4を発泡成形することにより、クッション層4の成形と同時に表皮5がクッション層4に溶着されている。表皮5は、少なくともクッション層4の車内I側を向く表面全体を覆っている。したがって、表皮5も、貫通孔2a全体を覆っている。
表皮材は、いわゆる射出成形法の一種である二色成形法によって成形することも可能である。その成形法では、固定型と可動型とが用いられる。固定型と可動型との間にはキャビティが形成される。このキャビティは、表皮材の厚さ方向の寸法が表皮材の厚さより所定の寸法だけ大きい点を除き、表皮材と同様の形状、寸法を有している。キャビティには、発泡材が混入したサーモプラスチックオレフィンやポリプロピレン等の樹脂が充填する。充填後、所定の短時間(例えば、0.1〜2秒程度)だけ経過させ、充填樹脂のうちのキャビティに接触した部分を硬化させる。この硬化した部分のうち、車内側を向く部分が表皮になり、この表皮に対して逆側に位置する部分が芯材2に接着固定されることになる。その後、可動型を固定型に対して所定の距離だけ離間移動させる。つまり、いわゆるキャビバックさせる。これにより、樹脂のうちのキャビティを構成する面から離間した内側の部分が発泡する。これにより、二つの硬化部分(表皮になる部分と芯材に接着される部分)間にクッション層が形成される。
次に、この発明に係る車両用エアバッグリッド10について説明すると、エアバッグリッド10は、基材11を有している。基材11は、芯材2を構成するのに適した樹脂と同様の樹脂によって構成されている。特に、この実施の形態では、基材11が芯材2と同一の樹脂によって構成されている。また、基材11は、貫通孔2aとほぼ相似な外形状を有している。
基材11は、その厚さ方向を車内外方向に向けて配置されており、貫通孔2aに挿脱可能に挿入されている。基材11の外周面には、係合凹部11aが全周にわたって形成されている。この係合凹部11aには、貫通孔2aの内周面に形成された係合突出部2bが嵌合状態で嵌め込まれている。これにより、基材11が芯材2に固定されている。基材11は、芯材2に他の固定方法によって、例えばビス止めや接着等によって固定してもよい。
基材11の背面には、断面略四角形状をなす筒部11bが形成されている。この筒部11bの先端部には、収容部(図示せず)が取り付けられている。この収容部の内部には、エアバッグ(図示せず)が収容されている。エアバッグは、車両の衝突時には筒部11内を車内I側に向かって膨張し、エアバッグリッド10を後述する脆弱部12から破断し、車内Iに膨出する。
基材11の室内I側を向く面は、芯材2に貫通孔2aが形成されなかったならば、その部位の表面に付与されたであろう形状と同一形状を有しており、貫通孔2aに隣接する芯材2の表面の延長上に位置するように配置されている。そして、基材11の室内I側を向く表面には、表皮材3のクッション層4の背面が接着層6を介して接着固定されている。基材11及び表皮材3によってエアバッグリッド10が構成されている。これから明らかなように、この実施の形態では、インパネ1の表皮材3がエアバッグリッド10の表皮材として兼用されている。換言すれば、エアバッグリッド10の基材11が、インパネ1の芯材2の一部として兼用されている。
エアバッグリッド10を構成する基材11及び表皮材3(表皮材3のうちの基材11に接着された部分)には、脆弱部12が設けられている。脆弱部12は、エアバッグが膨張したときに、リッド10の破断の起点となる部分であり、凹部13及びスリット14を有している。
すなわち、基材11の背面には、凹部13が形成されている。この凹部13は、基材11の背面のうちの筒部11bによって囲まれた部位に配置されている。凹部13は、室外O側から室内I側へ向かうにしたがって幅が狭くなるよう、断面台形状に形成されている。凹部13は、必ずしも断面台形状に形成する必要がなく、例えば断面長方形状又は正方形状に形成してもよい。図3に示すように、凹部13は、基材11の背面に沿って「H」字状に延びている。しかも、凹部13は、その全長にわたって連続している。凹部13の深さは、その長手方向のいずれの部位においても、基材11の厚さよりも浅くなっている。したがって、凹部13が基材11をその厚さ方向に横断して基材11の表面に開口することがなく、凹部13の底面と基材11の表面との間には必ず実質部分が存在する。この結果、基材11の表面は、連続した面になっている。
表皮材3の背面には、スリット14が形成されている。スリット14は、クッション層4をその厚さ方向に横断して表皮5の背面の一部に達している。スリット14は、凹部13と対応する位置に配置されている。特に、この実施の形態では、スリット14は、車内外方向にみたとき、凹部13の幅方向の中央部に位置するように配置されている。しかも、スリット14は、凹部13に沿って配置されている。したがって、スリット14も、「H」字状に延びており、スリット14とほぼ同一長さを有している。
上記構成の車両用エアバッグリッド10においては、表皮材3のスリット14が形成された部位が、表皮材3の他の部位と同様に基材11によって支持されているから、表皮材3の表皮5の表面にスリット14が形成されたことによる模様が浮かび上がるような事態を防止することができる。したがって、表皮5の美感が低下することを防止することができる。
次に、上記エアバッグリッド10の製造方法について、インパネ1の製造方向を説明しながら説明する。インパネ1の製造に際しては、芯材2、基材11及び表皮材3をそれぞれ製造する。
芯材2及び基材11は、例えば射出成形法によって成形することができる。勿論、芯材2及び基材11は、他の成形法によって成形してもよい。芯材2の成形時には、貫通孔2a及び係合突出部2bも同時に成形される。基材11の成形時には、係合凹部11a及び筒部11bが形成されるとともに、脆弱部11の一部たる凹部13も成形される。凹部13は、エンドミル等によって切削加工することも可能であるが、加工能率及び加工費用の点からして基材11と同時成形することが望ましい。基材11は、貫通孔2aに挿入して取り付けられる。
一方、表皮材3の製造に際しては、表皮5を真空成形法等によって予め成形しておく。そして、クッション層4を発泡成形するための成形型(図示せず)の所定の部位に表皮5をセットする。その後、成形型の内部に樹脂を注入して発泡させ、クッション層4を成形するとともに、クッション層4の表面に表皮5の背面を溶着固定する。
このようにして表皮材3を製造したら、その背面の所定の部位にスリット14を形成する。この場合、スリット14が形成される表皮材の背面及び表面は、通常、平面状をなしておらず、湾曲しているが、表皮材3が柔軟であるので、表皮材3の表面、つまり表皮5の表面を平坦な基準平面(図示せず)に押し付けることにより、表皮材3の少なくともスリット14が形成される部位の表面及び背面を平面状にすることができる。したがって、スリット14の加工に際しては、基準平面を基準としてスリット14の深さ精度を管理することができ、スリット14が形成された部分の表皮材3(表皮5)の残りの部分の厚さを高精度にすることができる。なお、スリット14は、刃物による切削加工、あるいはレーザービームによるレーザー加工等によって形成することができる。
その後、芯材2及びそれに取り付けられた基材11の表面に接着剤を塗布ないしは吹き付けて接着剤層6を形成する。その後、表皮材3を芯材2及び基材11に接着剤層6を介して接着固定する。これによって、インパネ1及びエアバッグリッド10が製造される。
このようにしてエアバッグリッド10を製造する場合には、スリット14を形成する際に、表皮材3を基準平面に押し付けてそれに沿わせることができるから、基準平面を基準としてスリット14の深さを管理することにより、スリット14の深さを所定の深さにすることができ、それにより表皮材3の残りの部分の厚さを高精度をもって所定の厚さにすることができる。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形を採用することが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、表皮材3がクッション層4及び表皮5によって構成されているが、表皮5だけで構成してもよい。その場合には、表皮5だけにスリット14が形成される。
この発明は、例えばインストルメントパネルの一部として用いられる車両用エアバッグリッドに利用することができる。
3 表皮材
6 接着剤層
10 エアバッグリッド
11 基材
12 脆弱部
13 凹部
14 スリット

Claims (2)

  1. 基材と、この基材の表面に背面が固着された表皮材とを備え、上記基材及び表皮材には、エアバッグの膨張時に破断の起点となる脆弱部が設けられた車両用エアバッグリッドにおいて、
    上記表皮材の表面に上記基材の背面が接着されており、上記脆弱部が、上記基材の背面に設けられた凹部と、上記表皮材の背面の上記凹部に対応する部位に設けられたスリットとを有し、上記凹部がその全長にわたって連続して設けられ、上記凹部が上記基材をその厚さ方向に貫通することがないよう、上記凹部の深さが上記基材の厚さより小さい寸法に設定され、上記スリットがその全長にわたって連続して設けられ、上記スリットが表皮材をその厚さ方向に貫通することがないよう、上記スリットの深さが上記表皮材の厚さより小さい寸法に設定されていることを特徴とする車両用エアバッグリッド。
  2. 請求項1に係る車両用エアバッグのリッドを製造する方法であって、上記基材に上記凹部を予め設けるとともに、上記表皮材に上記スリットを予め設けておき、その後上記基材に上記表皮材を接着することを特徴とする車両用エアバッグリッドの製造方法。
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