JP2012163579A - 石綿発塵量の測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定対象部位の周囲を気密裡に覆うカバー2と、カバーに気密裡に装着されてカバー内の空気を吸引してメンブレンフィルター3aにより石綿塵埃を捕集する捕集機構3と、捕集機構を介してカバー内の空気を吸引する吸気管4と、吸気管の基端に接続された吸気ポンプ5と、カバーを貫通して設けられて吸気ポンプによる吸引力によってカバー外の空気をその先端から測定対象部位に吹き付ける噴射管7とを具備するとともに、測定対象物から剥離する石綿を受け止める飛散防止板10を具備する。飛散防止板と測定対象物との間の空隙から空気を吸引する吸引機構14と、その吸引機構により吸引した空気中から石綿を捕集するための捕集機構を具備する。飛散防止板の表面を石綿を粘着可能な粘着面とする。
【選択図】図2
Description
石綿粉塵対策を講じるうえでは環境大気中の石綿粉塵濃度を把握することが不可欠であり、そのため、環境大気中のアスベスト濃度を測定するための技術的指針として「アスベストモニタリングマニュアル」が策定されている(非特許文献1参照)。
しかし、そのような測定手法では測定対象地点付近の大気中の平均的な濃度は測定できるものの、たとえば特定の建材からの発塵量を直接的に測定したり、あるいは発塵箇所を特定するようなことはできるものではない。
したがって、上記のような測定手法のみでは必ずしも充分ではなく、より高度の対策を講じるうえでは、単に環境大気中の平均的な濃度測定のみならず、特定の部材からの石綿発塵量を直接的に測定したり、さらには石綿発塵の可能性やそれに至るような建材の劣化の程度をも把握し得るような測定手法の確立が必要ともされている。
したがって、強制発塵させて捕集した石綿の捕集量を測定することにより、測定対象部位からの石綿発塵量を吸気量と関連づけて定量的に求めることができ、各部位で同様の測定を同一条件で行うことによって各部位からの石綿発塵量を定量的に比較することが可能であり、各部位の劣化の有無や程度も推定し把握することができ、その結果を石綿含有物を解体したり補修するに際して有効に活用することが可能である。
勿論、測定対象部位をカバーにより気密裡に覆った状態で測定を行い、強制発塵させた石綿の全量をメンブレンフィルターにより捕集するので、測定に際して石綿を周囲に飛散させてしまうようなことを確実に防止することができ、高精度かつ安全な測定作業が可能である。
図1は本発明の基礎となった参考例の測定装置の概略構成図である。これは、各種の石綿含有物、たとえば図示例のように表面に石綿による耐火被覆がなされている鉄骨梁等の構造部材を測定対象物1として、その表面の特定部位からの石綿の発塵量を直接的に測定するためのハンディタイプのものであって、測定対象部位の周囲を気密裡に覆うカバー2と、カバー2に装着された捕集機構3と、捕集機構3に接続されてカバー2内の空気を捕集機構3を介して吸引するための吸気管4と、その吸気管4の基端に接続された吸気ポンプ5と、吸気ポンプ5に内蔵されて吸気量を測定する流量計6と、カバー2を貫通して設けられて吸気ポンプ5による吸引力によってカバー2外の空気をその先端から測定対象部位に噴射状態で吹き付ける噴射管7と、噴射管7の基端部に装着された捕集機構8とを具備してなるものである。
カバー2の素材は適宜であるがたとえば塩ビ材やアクリル材あるいは金属製のものが好適に採用可能である。なお、必要に応じて、測定対象物1に押し当てられる先端開放面の周囲にシリコンゴム等の柔軟な材料によるシール部材を取り付けておくと、石綿が不用意に剥離してしまうことを防止できるし、測定対象物1の表面に凹凸や不陸があるような場合にも隙間が生じることがない。
なお、図示例では吸気ポンプ5に流量計6を一体に組み込んでいるが、流量計6を吸気ポンプ5とは別に用意してそれを吸気ポンプ5の吸引側あるいは吐出側に接続することでも良い。
カバー2に対する噴射管7の貫通部は気密裡にシールされ、噴射管7の基端には上記の捕集機構3と同様のメンブレンフィルター8aを内蔵した捕集機構8が装着されている。
これにより、吸気ポンプ5を運転するとその吸引力によってカバー2外の空気が捕集機構8を通して清浄化されたうえで噴射管7に吸引され、その空気流は噴射管7の先端より所定流速で測定対象部位に向かって噴射され、そのような噴射空気流によって測定対象部位の表面の石綿が強制的に吹き飛ばされ、カバー2内において強制的に発塵を生じさせることができるものとされている。
なお、噴射管7からの噴射空気流の噴射流速は適宜設定すれば良いが、たとえば噴射管7の内径が6mmの場合、吸気ポンプによる吸気量を3L/min程度として、噴射流速を1.8m/s程度とすることが良く、そのような状態での測定を5分程度行って総吸気量を15L程度とすることが良い。
これにより、上述のように噴射管7からの噴射空気流が所定風速で測定対象部位に吹き付けられ、表層部の石綿が吹き飛ばされて微量な発塵が生じ、カバー2内に飛散した石綿粉塵はカバー2内の空気とともに捕集機構3に吸引されてその全量がメンブレンフィルター3aに捕集され、石綿粉塵が捕集された後の清浄な空気のみが吸気管4を通して吸気ポンプ5に吸引されて系外に排気される。
そこで、所定時間の運転の後、運転を停止してカバー2から捕集機構3を取り外し、捕集機構3からメンブレンフィルター3aを取り出し、それを分析して捕集量(すなわち強制的に発塵させた石綿粉塵量)を測定する。また、運転時間中の吸気量を流量計6により測定する。
しかも、装置全体の構成は極めて簡単であって安価な汎用製品の組み合わせにより安価に製作できるし、小型軽量のハンディタイプであるので測定作業も何ら面倒で複雑な手順を要するものではないし、作業員1人でも簡易に実施できるものであり、以上のことから石綿含有物の劣化度を診断するためのツールとして極めて有効である。
いずれにしても、噴射管7の口径と噴射流速を決定すれば理論的には単位時間当たりの噴射空気量(=カバー2内からの吸気量)は自ずと決定され、あとは測定時間を決定すれば自ずと測定中の総吸気量が決定されるから、測定時間のみをパラメーターとして測定を行うこともでき、測定時間を一定に維持すれば自ずと同一条件での測定を繰り返すことができる。
すなわち、上記参考例の測定装置においては、カバー2の先端を測定対象物1に押し当てる際にそこから微量の石綿が剥離して落下することも想定されることから、本実施形態の測定装置ではそのような微量の石綿をも捕集するための飛散防止板10を備えており、それにより万一剥離した石綿が周囲に不用意に飛散してしまうことを確実に防止するようにしたものである。
なお、石綿を確実に受け止めるためには飛散防止板10の径は可及的に大きい方が好ましいが、あまり大きいと重くなるし取り扱いに不便であるので10〜50cm程度とすることが現実的であり、通常はそれで充分である。勿論、飛散防止板10は円形に限らず正方形や多角形その他の形状としても差し支えない。
したがって、吸引機構14を運転しながらカバー2を測定対象物1に押し当てれば、測定対象部位から万一剥離した石綿は飛散防止板10上に向かって落下していきながら、あるいは飛散防止板10上に落下した後に、吸引機構14により吸引される空気とともに空気吸引口12に吸い込まれてHEPAフィルター13に捕集されてしまい、したがって周囲に飛散してしまうことを確実に防止できるものとなっている。
ただし、そのような側壁16を設ける場合においては、側壁16の上縁が測定対象物1に接触してしまうとそこで石綿の剥離が生じる懸念があるので、側壁16の高さは測定対象物1に接触し得ない程度に留めるべきである。
また、図示しているように、飛散防止板10には噴射管7を斜めに通すための挿通孔17を形成しておくと良いが、あるいはそのような挿通孔17に代えて飛散防止板10の径方向に切り込んだスリット18を形成してそこに噴射管7を通すことでも良く、その場合には噴射管7を通した後にテープを貼り付ける等してスリット18を塞ぐと良い。
たとえば、上記実施形態では吸気量を測定するための流量計6を具備したが、吸気量を一定に固定した条件で測定を行うような場合には必ずしも吸気量を測定する必要はないので、流量計6は省略することも可能である。
また、上記実施形態では噴射管7の基端に捕集機構8を設けたが、強制発塵させた石綿粉塵が噴射管7を通してカバー2の外部に飛散する恐れが無く、またカバー2の周囲に飛散している石綿粉塵その他の浮遊物が噴射管7を通してカバー2内に吸い込まれるような状況下でない場合には、捕集機構8も必ずしも必要ではなく省略することも可能である。
特に、飛散防止板10やそれに関連する構成要素(吸引機構14等)の具体的な構成は適宜変更可能である。たとえば、上記実施形態では飛散防止板10をカバー2と捕集機構3との間に挟み込むものとしたが、飛散防止板10をカバー2あるいは捕集機構3に対して取り付けたり、予めカバー2あるいは捕集機構3と一体に形成しておくことでも勿論良い。
以下、そのような場合の構成例を列挙する。
図3に示すものは、図1に示した参考例の装置におけるカバー2の先端面をその軸線に対して斜めに形成し、カバー2の先端面を測定対象部位に気密裡に装着することにより噴射管7が自ずと測定対象部位に対して垂直をなすように配置されるようにしたものであり、この場合には常に法線方向から空気を吹き付けることが可能であって自ずと同一条件での測定を行い得る。
なお、このように噴射管7を屈曲させる場合においては、少なくとも屈曲部を蛇腹管等の可撓管等により形成することも考えられるが、いずれにしても所定角度に屈曲させた後にはその角度や測定対象部位との間隔が不用意に変化しないように確実強固に固定すべきである。
2 カバー
3 捕集機構
3a メンブレンフィルター
4 吸気管
5 吸気ポンプ
6 流量計
7 噴射管
8 捕集機構
8a メンブレンフィルター
10 飛散防止板
11 装着孔
12 空気吸引口
13 HEPAフィルター(捕集機構)
14 吸引機構
15 空気ホース
16 側壁
17 挿通孔
18 スリット
Claims (3)
- 石綿含有物を対象としてその表面の特定部位からの石綿発塵量を測定するための装置であって、
測定対象部位の周囲を気密裡に覆うカバーと、
前記カバーに気密裡に装着されて、該カバー内の空気を吸引してメンブレンフィルターにより石綿塵埃を捕集する捕集機構と、
前記捕集機構に接続されて前記カバー内の空気を前記捕集機構を介して吸引するための吸気管と、
前記吸気管の基端に接続された吸気ポンプと、
前記カバーを貫通して設けられ、前記吸気ポンプによる吸引力によって前記カバー外の空気を吸い込んでその先端から測定対象部位に噴射状態で吹き付ける噴射管とを具備するとともに、
前記カバーを測定対象物に装着する際に測定対象部位の近傍から剥離する石綿を受け止めてその飛散を防止するための飛散防止板を具備してなることを特徴とする石綿発塵量の測定装置。 - 請求項1記載の石綿発塵量の測定装置であって、
前記飛散防止板と測定対象物との間の空隙から空気を吸引する吸引機構を具備し、かつ該吸引機構により吸引した空気中から石綿を捕集するための捕集機構を具備してなることを特徴とする石綿発塵量の測定装置。 - 請求項1または2記載の石綿発塵量の測定装置であって、
前記飛散防止板の表面は石綿を粘着可能な粘着面とされていることを特徴とする石綿発塵量の測定装置。
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