JP2012167598A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パージ開始時にキャニスタからの燃料蒸気放出を迅速に開始すること。
【解決手段】パージの停止タイミングでパージ弁と大気開放弁とを閉弁することでキャニスタを大気側に対して密閉状態としている(S112,S114)。このためパージが停止した場合もキャニスタ内は負圧状態を維持できるので、吸着燃料が吸着材の細孔内奥に戻ることはなく吸着材の表面側に燃料が存在した状態が維持される。このためパージを再開した場合に迅速に燃料蒸気がパージ通路を介して内燃機関の吸気通路へ放出され、以後も吸着材の細孔内奥から表面に上がって来る燃料により燃料蒸気の放出が継続される。このようにパージを再開するとキャニスタからタイムラグなしで直ちに燃料蒸気の放出がなされることから、短時間のパージを繰り返してもパージ毎にパージ期間に対応する量の燃料蒸気を内燃機関の吸気通路に確実に放出でき、キャニスタの能力を十分に発揮できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、パージ弁と大気開放弁とを制御することにより燃料タンクの蒸発燃料をキャニスタを介して内燃機関の吸気通路へ放出する蒸発燃料処理装置に関する。
内燃機関の停止時に燃料タンクから発生する燃料蒸気をキャニスタ内の吸着材に吸着し、内燃機関駆動時にキャニスタ内の吸着材に吸着されている燃料を蒸気として吸気系に放出することにより燃料蒸気が外気に漏れ出すことを防止する蒸発燃料処理装置が知られている(例えば特許文献1〜3参照)。
特許文献1はパージ時にはパージカットバルブを開いて吸気負圧がキャニスタ内に十分に行き渡るようにしている。このことによりキャニスタ内の吸着材からの燃料蒸気の離脱を促進している。パージを実行していない場合には、パージカットバルブを閉じ、かつキャニスタ内を大気開放して、燃料タンクからの燃料蒸気が吸着材に吸着されるようにしている。
特許文献2は内燃機関の長期停止時にキャニスタから大気中に燃料蒸気が排出されるのを防止するために、内燃機関停止中はキャニスタを吸気通路に連通させている。
特許文献3はパージ時に繰り返し大気側と燃料タンク側との間を電磁弁により遮断・開放を繰り返すことにより、キャニスタ内の吸着材からの燃料蒸気の離脱を促進している。内燃機関停止時にはキャニスタは大気側と燃料タンク側とに開放される。
特開2001−241363号公報(第4頁、図1) 特開平11−294268号公報(第4〜5頁、図2) 特開平8−135521号公報(第4頁、図2〜3)
特許文献1,3ではいずれもパージを実行していない状態ではキャニスタ内を大気側に開放している。特許文献2についてもキャニスタを内燃機関停止中の吸気通路に連通させていることから、パージを実行していない状態では実質的には大気側に開放していることになる。
キャニスタの内部に収納されている活性炭などの吸着材は、その表面や細孔内に燃料蒸気を液化して吸着している。パージ実行時においては、吸着材の雰囲気が負圧化することにより、まず吸着材の表面から周りの気流中に拡散することで燃料蒸気の放出が行われる。吸着材の細孔内部に吸着されている燃料は、負圧により吸い出されるようにして次第に吸着材の表面に向かって細孔内を流れ、最終的に吸着材表面から気流中に蒸気として放出される。
このように吸着材から放出された燃料蒸気は気流に乗って内燃機関の吸気通路に放出されることになる。
パージ停止時には、キャニスタのパージ通路が閉弁され、燃料タンク側と大気側とにキャニスタ内部が接続される。したがってキャニスタ内部の吸着材の雰囲気は負圧状態から大気圧状態となる。
このため負圧状態にて吸着材の奥から細孔を流れて順次、表面に供給されていた吸着燃料は、その流れを停止するばかりでなく、大気により高圧化した雰囲気により細孔内を逆流して、再度、吸着材の細孔内奥に戻り、吸着材の表面側にはほとんど燃料が存在していない状態となる。
したがって再度パージを開始してもキャニスタ内の吸着材の状態は、当初は表面側にはほとんど燃料が存在しないことになる。このためパージ開始直後には燃料蒸気の放出が開始されず、負圧により吸着材の細孔内奥から表面に燃料が上昇してきてから初めて燃料蒸気の放出が開始されることになる。
パージの開始から実際に燃料蒸気が放出されるまでに、このようなタイムラグが生じるため、内燃機関の運転状態により、万一、タイムラグより短い期間のパージが繰り返された場合には、吸着材の細孔内奥と表面近くとの間を吸着燃料が往復するのみで、ほとんど燃料蒸気の放出がなされない現象が生じる。あるいは予定するほどの燃料蒸気の放出が行われない現象が生じる。このことによりキャニスタの能力が十分に発揮できなくなるおそれがある。
本発明は、パージ開始時にキャニスタからの燃料蒸気放出を迅速に開始できるようにすることを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の蒸発燃料処理装置は、燃料蒸気を吸着する吸着材を収納したキャニスタ、キャニスタと燃料タンクの上部空間とを接続する蒸発燃料通路、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、キャニスタと大気側とを接続する大気通路、パージ通路を開閉するパージ弁、大気通路を開閉する大気開放弁、及びパージ弁と大気開放弁とを制御することにより燃料タンクの蒸発燃料をキャニスタを介して内燃機関の吸気通路へ放出するパージを実行するパージ制御部を備えた蒸発燃料処理装置であって、前記パージ制御部は、前記パージを停止するタイミングで前記キャニスタを少なくとも大気側に対して密閉状態とする密閉処理を実行し、前記パージを開始するタイミングで前記密閉処理を終了することを特徴とする。
本発明では、パージ制御部はパージの停止タイミングでキャニスタを上述したごとくの密閉状態としているので、パージ停止後もキャニスタ内にはパージ時に導入されていた吸気負圧が残留している。
パージの実行中は、吸気通路から吸気負圧が導入されてキャニスタ内は負圧になると共に、この負圧により大気通路から大気が導入されることでキャニスタ内に気流が生じる。このことにより、キャニスタ内の吸着材に吸着されている燃料は、吸着材の細孔の内奥から吸着材の表面へと順次吸い出されるように流れ、吸着材の表面からキャニスタ内の気流中に放出される。
パージが停止すると、吸着材の細孔の内奥から吸着材の表面への燃料の流れは停止するが、本発明ではキャニスタ内は密閉状態にされるので大気側に開放された状態にはならない。このため吸着燃料が細孔内を逆流して内奥に戻ることを阻止でき、吸着燃料が吸着材の表面側に存在する状態を維持できる。
密閉処理を終了して再度パージを開始した場合に、そのパージ再開当初においてもキャニスタ内の吸着材の表面には十分な燃料が存在している。このため迅速に燃料蒸気が気流中に放出されるので、吸気通路へも迅速に放出できる。以後も、吸着材の奥から表面に燃料が流れて来ることで、燃料蒸気の放出が継続されることになる。
このようにパージ開始時にキャニスタからの燃料蒸気放出を迅速に開始できる。そしてこのことから、短期間のパージが繰り返されても、パージ毎にパージ期間に対応する量の燃料蒸気を吸気通路に確実に放出できるので、キャニスタ能力を十分に発揮できる。
請求項2に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項1に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制御部は、前記パージを停止するタイミングで前記パージ弁の閉弁と共に前記大気開放弁を閉弁することで前記密閉処理を実行し、前記パージを開始するタイミングで前記パージ弁の開弁と共に前記大気開放弁を開弁することで前記密閉処理を終了することを特徴とする。
このようにパージ弁と大気開放弁とを制御することによりパージの停止と実行とに対応してキャニスタに対する密閉処理の実行と終了とを実現できる。
請求項3に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記燃料タンクの内圧を直接又は間接に検出する内圧センサが設けられ、前記パージ制御部は、前記密閉処理中に前記内圧センサにより検出される内圧が、基準圧力以上となった場合あるいは基準変化幅以上の変化を生じた場合には、前記大気開放弁を開弁することを特徴とする。
キャニスタが密閉状態になることに関連して、燃料タンクの圧力抜きがされずに燃料タンクの内圧が上昇する場合がある。この場合には燃料タンク内の圧力抜きのためにキャニスタを介して燃料タンク内の気体を放出する必要がある。
したがって内圧センサにより検出される内圧が、基準圧力以上となった場合あるいは基準変化幅以上の変化を生じた場合には、大気開放弁を開弁することで、燃料タンク内の圧力抜きを実行する。このことにより燃料タンク内の燃料蒸気をキャニスタに吸着させることができる。
尚、燃料タンクの内圧は、燃料タンクに配置された内圧センサが直接に検出するものでも良く、キャニスタなどやその他の位置に設けた内圧センサにて、燃料タンクの内圧が導入されている状態で間接に検出するものでも良い。
請求項4に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制御部は、前記密閉処理が基準時間継続した場合には、前記大気開放弁を開弁することを特徴とする。
キャニスタが密閉状態になることにより燃料タンクの圧力抜きがされずに燃料タンクの内圧が上昇する状態は、キャニスタの密閉状態が長時間であるほど生じやすい。
したがって密閉処理が基準時間継続した場合には大気開放弁を開弁することで、燃料タンク内の圧力抜きを実行する。このことにより燃料タンク内の燃料蒸気をキャニスタに吸着させることができる。
請求項5に記載の蒸発燃料処理装置では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置において、前記内燃機関は車両走行用駆動源として電動モータと共に車両に搭載されたものであることを特徴とする。
このように内燃機関と電動モータとが車両走行用駆動源として搭載された車両、いわゆるハイブリッド車両では、車両が走行していても自動停止により内燃機関の停止の頻度が高くなることから、短期間のパージが繰り返されるおそれがある。
このようなハイブリッド車両においても、本発明の適用により、パージ開始時にキャニスタからの燃料蒸気放出を迅速に開始できるので、パージ毎にパージ期間に対応する量の燃料蒸気を吸気通路に確実に放出でき、キャニスタ能力を十分に発揮できる。
実施の形態1のハイブリッド車両における駆動系構成図。 実施の形態1のECUが実行するパージ制御処理のフローチャート。 (a),(b)上記パージ制御処理の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2のガソリンエンジン車両における駆動系構成図。 実施の形態2のECUが実行するパージ制御処理のフローチャート。
[実施の形態1]
〈構成〉図1は上述した発明が適用されたハイブリッド車両における駆動系を表している。この駆動系は、内燃機関燃料系2及び内燃機関制御系4を有する内燃機関6と、電動モータ(後述するモータジェネレータMG2)とを備えている。この内燃機関6はガソリンエンジンである。
内燃機関6及びモータジェネレータMG2からの回転駆動力は減速機構16により減速されて、駆動輪18に伝達される。
内燃機関6と減速機構16との間には、動力分割機構20が配置されており、内燃機関6の回転駆動力を、減速機構16側と、発電機としてのモータジェネレータMG1とに分割して供給可能としている。
尚、2つのモータジェネレータMG1,MG2は、それぞれ発電機としても電動モータとしても機能し、必要に応じてその間の機能を切り替えることができる。
内燃機関6の各気筒に対する吸気ポート22にはそれぞれ燃料噴射弁24が配置されている。これらの燃料噴射弁24には、燃料タンク26内に貯留されている燃料が、燃料ポンプモジュール28により、燃料経路28aを介して圧送されて来る。そして燃料噴射制御により、燃料噴射弁24からは所定のタイミングで吸気中に燃料が噴射され、各気筒に吸入されて燃焼される。このことにより内燃機関6が駆動する。
更に燃料ポンプモジュール28に付属する形で燃料温度センサ28bが配置されている。この燃料温度センサ28bにより内燃機関燃料系2の燃料温度、ここでは特に燃料タンク26内の燃料温度Tfを検出している。
燃料タンク26内には、フロート30aにより燃料タンク26内の燃料液面レベルSGLを検出するためのフューエルセンダーゲージ30が設けられている。
給油時における燃料タンク26内への燃料導入は、フューエルインレットパイプ32から行われる。燃料タンク26の上部空間26aは蒸発燃料通路34によりキャニスタ36に接続されている。キャニスタ36は内部に燃料を吸着する活性炭などの吸着材を備え、蒸発燃料通路34を介して燃料タンク26の上部空間26aから排出される燃料蒸気を吸着している。
キャニスタ36にはフューエルインレットパイプ32に設けられたフューエルインレットボックス32aに連通する大気通路38が接続されている。この大気通路38には途中にエアフィルタ38aが設けられている。更に大気通路38には、エアフィルタ38aよりもキャニスタ36側の位置に、常開型電磁弁としての大気開放弁40が設けられている。この大気開放弁40に付属する形で、大気開放弁40よりもキャニスタ36側の内圧Pfを検出する内圧センサ40aが設けられている。
更にキャニスタ36は、パージ通路42により、内燃機関6の吸気通路44に対して、スロットルバルブ46よりも下流の位置で接続されている。パージ通路42の途中には常閉型電磁弁としてのパージ弁48が配置されている。
このパージ弁48と大気開放弁40とが開弁状態とされることでパージが実行される。すなわち吸気通路44内の吸気負圧がパージ通路42側からキャニスタ36内に導入されることでキャニスタ36の吸着材から燃料蒸気が離脱して、大気通路38側から導入される空気の気流中に放出される。そして燃料蒸気は、気流に乗ってパージ通路42を介して吸気通路44内を流れる吸気中に放出される。そしてサージタンク50内に流れ込んだパージ燃料を含む吸気は各気筒の吸気ポート22に分配され、燃料噴射弁24から噴射される燃料と共に、各気筒の燃焼室内にて燃焼されることになる。
吸気通路44においては、エアフィルタ52とスロットルバルブ46との間にエアフロメータ54が設けられて、内燃機関6に供給される吸入空気量GA(g/sec)を検出している。
この他、車両ドライバーが操作するアクセルペダルに設けられてアクセル開度ACCPを検出するアクセル開度センサ56、内燃機関6のクランク軸の回転数NEを検出する機関回転数センサ58、IGSW(イグニションスイッチ)60、その他のセンサ・スイッチ類が設けられて、それぞれ信号を出力している。他の信号としては、例えば冷却水温、吸気温、車速などが挙げられる。
燃料温度センサ28b、フューエルセンダーゲージ30、エアフロメータ54、アクセル開度センサ56、機関回転数センサ58、IGSW60などの検出信号は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子制御ユニット(以下、ECUと称する)62に入力される。
そして、このような信号データや予め記憶されているデータに基づいて、ECU62は演算処理を実行して、燃料噴射弁24、スロットルバルブ46などを制御する。更に次に述べるごとくのパージ制御処理を実行する。
〈作用〉次に本実施の形態の作用について、ECU62が実行するパージ制御処理(図2)により説明する。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
パージ制御処理が開始されると、まずパージ実行条件が成立しているか否かが判定される(S102)。パージ実行条件とは、パージ制御の実行を許容する条件であり、例えば、内燃機関6の始動後に暖機が終了し、かつ空燃比フィードバック補正や空燃比学習補正などが終了した状態を、パージ実行条件が成立したと状態であるとしている。尚、ハイブリット車両における制御である間欠制御などで内燃機関6が自動停止するとパージ実行条件は不成立となる。
パージ実行条件が成立している場合には(S102でYES)、次にパージ要求有りか否かが判定される(S104)。
パージ要求は、別途、ECU62により算出されている積算パージガス量に基づいて、キャニスタ36内の吸着材に燃料蒸気が残留していることが推定される場合になされる要求である。すなわちキャニスタ36内の吸着燃料が完全に無くならない間はパージ要求が継続していることになる。
尚、積算パージガス量は、例えば吸気管負圧(吸入空気量GAと回転数NEとから算出)とパージ弁48の開度(ここではデューティ制御におけるデューティ比)とに基づいて、パージガス流量(単位時間あたりのパージガス量)を算出し、このパージガス流量に、パージ制御処理実行周期を乗算し、この乗算値を周期毎に積算して求められる。
この積算パージガス量がキャニスタ36内の吸着材による最大吸着量以上となるまではパージ要求有りであり、最大吸着量以上となればパージ要求は無くなる。その後、キャニスタ36に再度燃料蒸気が最大に吸着された状態となれば、積算パージガス量は「0」にクリアされて、パージ要求有りの状態となる。
尚、キャニスタ36に再度燃料蒸気が最大に吸着された状態とは、例えば内燃機関6の運転が継続している状態で走行距離が所定距離以上になるか走行時間が所定時間以上になった場合、給油直後、イグニッションキー操作による始動直後などの場合である。
パージ要求が有れば(S104でYES)、次に大気開放弁40を開弁状態とする(S106)。このことによりキャニスタ36内は大気側と連通して大気開放状態となる。既に大気開放弁40が開弁していれば、大気開放状態を維持する。
更にパージ制御のためにパージ弁48についてはその開度を制御する(S108)。ここではデューティ制御により開度制御が行われ、空燃比を乱さないように適切なパージガス流量が実現される。
こうして一旦、本処理を出る。パージ実行条件が成立しており(S102でYES)、かつパージ要求が有る場合には(S104でYES)、上述した処理を継続することで、キャニスタ36内には、パージ通路42を介して吸気通路44側から導入された吸気負圧により、大気通路38から大気側の空気が吸入される。
このことによりキャニスタ36内の吸着材に吸着されている燃料は、燃料蒸気として、大気通路38から流れ込む気流中に放出され、この気流に乗ってパージガスとして吸気通路44内に放出される。この間に、前述したごとく積算パージガス量が計算される。
このようなパージが実行されている際に、キャニスタ36内の吸着材には吸着燃料が残留している状態、すなわち積算パージガス量が最大吸着量に到達していない状態(パージ要求有り)で、間欠制御により内燃機関6が自動停止してパージ実行条件が不成立となった場合(S102でNO)を考える。
この場合は、大気開放弁40の開弁条件が不成立か否かが判定される(S110)。この大気開放弁40の開弁条件は、次に示すごとくの2つの条件a,bの論理和である。
a.大気開放弁40の閉弁状態を継続している期間が基準時間を越えている。
b.内圧センサ40aにて検出されるキャニスタ36の内圧Pf(実際には連通している燃料タンク26の上部空間26aの圧力である)が基準圧力を越えている。
この条件a,bの少なくともいずれかが満足されれば大気開放弁40の開弁条件は成立し、条件a,bのいずれも共に不満足であれば大気開放弁40の開弁条件は不成立となる。
ここで大気開放弁40の開弁条件は不成立であるとすると(S110でYES)、次に大気開放弁40を閉弁状態とする(S112)。このことによりキャニスタ36内は大気側と遮断されて大気導入がなされなくなる。
更にパージ制御を停止するためにパージ弁48は閉弁状態とする(S114)。このためキャニスタ36内は燃料タンク26の上部空間26aと共に、外部に対して密閉状態となる。すなわちキャニスタ36は少なくとも大気側に対して密閉状態となる。したがって燃料タンク26の上部空間26aと共にキャニスタ36内は、直前に導入されていた吸気負圧状態が維持されることになる。
こうして一旦、本処理を出る。パージ実行条件が不成立であり(S102でNO)、かつ大気開放弁40の開弁条件が不成立である限り(S110でYES)、上述した処理を継続することで、キャニスタ36内は負圧状態に維持される。
直前までのパージ実行時においては、キャニスタ36の内部に収納されている活性炭などの吸着材では次のような現象が生じている。
すなわち、吸着材の細孔内に液化状態で吸着している燃料は、負圧雰囲気により吸い出されるようにして次第に吸着材の内奥から表面に向かって細孔内を流れる。吸着材の表面からは気流中に蒸気として放出され、更に気流に乗ってパージ通路42から内燃機関6の吸気通路44に放出される。
このような吸着材の表面から気流中への燃料蒸気の放出の最中に、大気開放弁40及びパージ弁48が閉弁されると、吸着材の周囲の気流が停止して吸着材からの燃料蒸気の放出は停止する。
更に大気開放弁40が閉弁しているので、キャニスタ36内には大気圧が導入されることがなく、キャニスタ36内は燃料タンク26の上部空間26aと共にパージ実行時に導入されている負圧状態に維持される。したがってパージ停止状態でも大気圧により吸着材の表面に存在する燃料が細孔内奥に押し戻されることはない。
もし従来のごとく、パージ停止時に大気開放弁40が開弁状態にされている場合は、キャニスタ36内に直ちに大気圧が導入される。パージ停止時に直ちに大気が導入されてしまうと、吸着材の表面に存在していた燃料は細孔内に押し戻されると共に、その後も細孔の浅い部分から内奥へと押しやられることになる。このためパージを再開しても、吸着燃料が吸着材の表面に到達して実際に気流中に燃料蒸気を放出できるようになるまで、長い時間を要することなる。
例えば図3の(a)に示すごとく、パージ実行期間(t0〜t1,t2〜t3,t4〜t5,t6〜t7,t8〜t9,t10〜t11)が短時間で繰り返されていると、従来では、各パージ実行期間の当初は、吸着材の表面には細孔内奥からの燃料が到達しておらず、パージ通路42から吸気通路44への燃料蒸気の放出が開始できない。
したがって従来では、図3の(a)のごとく、パージ実行期間が短いと、パージ実行期間に吸着材の表面近くまで来ていた燃料が、パージ停止期間(t1〜t2,t3〜t4,t5〜t6,t7〜t8,t9〜t10)に再度細孔内奥に戻ることになる。したがってこのような短時間のパージを何度実行してもキャニスタ36内の燃料吸着量は減少しないことになる。
しかし本実施の形態では、パージ停止時には大気開放弁40を閉弁状態として、大気通路38から大気がキャニスタ36内へ流れ込まないようにして、キャニスタ36を少なくとも大気側に対して密閉状態としている。このためパージ停止状態でも吸着材の表面における燃料を維持できる。
したがって再度パージ条件が成立すると(S102でYES)、このときは未だ積算パージガス量が最大吸着量に到達していない状態であることからパージ要求有りとして(S104でYES)、大気開放弁40が開弁され(S106)、パージ弁48が制御された状態で開弁される(S108)。このことによりキャニスタ36内の吸着材の表面に存在する燃料が、キャニスタ36を通過する気流中に直ちに放出され、気流と共にパージ通路42を介して内燃機関6の吸気通路44に放出される。このようにしてパージ制御開始時に直ちに吸気通路44に燃料蒸気が放出される。
そして以後このようなパージの実行と停止とを繰り返して、積算パージガス量が最大吸着量に到達すれば、パージ実行条件が成立しても(S102)、パージ要求が無いので(S104でNO)、大気開放弁40の開弁条件が不成立か否かが判定される(S110)。
そして大気開放弁40の開弁条件が不成立であれば(S110でYES)、大気開放弁40の閉弁(S112)とパージ弁48の閉弁(S114)とが実行される。
以後、大気開放弁40の開弁条件a,bの少なくともいずれかが成立しない限り(S110でYES)、大気開放弁40とパージ弁48とを閉じた状態(キャニスタ36の密閉状態)が継続する。
その後、大気開放弁40の閉弁状態を継続している期間が基準時間を越えたり、キャニスタ36側の内圧Pf(燃料タンク26の内圧に対応)が基準圧力を越えた場合には(S110でNO)、大気開放弁40は開弁される(S116)。パージ弁48については閉弁状態が維持される(S114)。
このことにより燃料タンク26内で発生した燃料蒸気は、キャニスタ36内の吸着材に吸着され、吸着された後の空気は大気通路38を介してフューエルインレットボックス32a内に排出される。すなわち大気側に排出される。
図3の(b)は、大気開放弁40の閉弁状態を継続している期間が基準時間を越えた場合を示している。図示するごとく、パージ要求が存在する状態で、パージ実行条件の不成立状態(S102でNO)が長時間継続した場合(t23〜)、大気開放弁40の開弁条件が成立する(S110でNO)。このため大気開放弁40は開弁される(S116:t24〜)。パージ弁48は閉弁状態が維持される(S114:t24〜)。
このためキャニスタ36と燃料タンク26とを密閉してパージ実行を中断している際に、燃料タンク26内で燃料蒸気圧が上昇したり、上昇のおそれがあると、パージ要求が有る場合でも大気開放弁40を開弁する(t24〜)ことで、燃料タンク26内の圧力を、キャニスタ36を介して大気側に逃している。
〈請求項との関係〉上述した構成において、ECU62がパージ制御部に相当し、図2のパージ制御処理がパージ制御部としての処理に相当する。
〈効果〉(1)パージ制御処理(図2)ではパージの停止タイミングで、パージ弁48の閉弁と共に大気開放弁40を閉弁することでキャニスタを大気側に対して密閉状態としている(S112,S114)。このためパージが停止した場合もキャニスタ36内は負圧状態を維持できるので、吸着燃料が吸着材の細孔内奥に戻ることはなく、吸着材の表面側に燃料が存在した状態が維持される。
このためパージを再開した場合に、迅速に燃料蒸気がパージ通路42を介して内燃機関6の吸気通路44へ放出され、以後も、吸着材の細孔内奥から表面に上がって来る燃料により燃料蒸気の放出が継続される。
このようにパージを再開するとキャニスタ36からタイムラグなしで直ちに燃料蒸気の放出がなされることから、短時間のパージを繰り返しても、パージ毎にパージ期間に対応する量の燃料蒸気を内燃機関6の吸気通路44に確実に放出でき、キャニスタ36の能力を十分に発揮できる。
(2)本実施の形態では、パージ制御処理(図2)において、内圧センサ40aにより検出される内圧Pfが基準圧力以上となった場合には(S110でNO)、大気開放弁40を開弁することで燃料タンク26内の圧力抜きを実行している(S116)。
このような燃料タンク26の内圧Pf上昇は、キャニスタ36の密閉状態が長時間であるほど生じやすい。したがって密閉状態が基準時間を越えて継続した場合にも(S110でNO)、大気開放弁40を開弁する(S116)ことで、燃料タンク26内の圧力抜きを実行している。
このことにより燃料タンク26の上部空間26aに発生している燃料蒸気を、キャニスタ36内に導入して吸着材に吸着させることができる。
(3)本実施の形態では内燃機関6は電動モータ(モータジェネレータMG2)と共に駆動系を構成している。このように内燃機関6と電動モータとが車両走行用駆動源として搭載されたハイブリッド車両では、車両が走行していても自動停止により内燃機関6の停止の頻度が高くなり、前記図3で示したごとく、短時間のパージを繰り返すおそれがある。
しかしこのようなハイブリッド車両においても、本実施の形態により、パージ開始時にキャニスタ36からの燃料蒸気放出を迅速に開始できるので、パージ毎にパージ期間に対応する燃料蒸気を内燃機関6の吸気通路44に確実に放出でき、キャニスタ36の能力を十分に発揮できる。
[実施の形態2]
〈構成〉図4に示したごとく、本実施の形態ではハイブリッド車両でなく車両走行用駆動源として内燃機関(ガソリンエンジン)106のみ搭載した車両を示している。燃料タンク126の上部空間126aとキャニスタ136とを接続する蒸発燃料通路134には、封鎖弁135aとリリーフ弁135bとを備えた封鎖弁ユニット135が設けられている。封鎖弁135aは、開弁状態と閉弁状態とで切り換えられる電磁弁であり、封鎖弁135aを開弁状態にすると、燃料タンク126の上部空間126aとキャニスタ136とが蒸発燃料通路134により連通する。このことにより燃料タンク126の上部空間126aに発生している燃料蒸気をキャニスタ136側へ排出できる。封鎖弁135aを閉弁状態にすると蒸発燃料通路134が封鎖され、燃料タンク126の上部空間126aに発生している燃料蒸気をキャニスタ136側へ排出できなくなる。すなわち燃料タンク126内はキャニスタ136とは独立に密閉されて気密状態となる。尚、リリーフ弁135bは、燃料タンク126側の蒸発燃料通路134内の圧力と、キャニスタ136側の蒸発燃料通路134の圧力との差が過大となると開弁して過大な差圧を解消させるものである。
更に大気通路138に設けられた大気開放弁140には内圧センサは設けられておらず、燃料タンク126に、その上部空間126a内の圧力、すなわち燃料タンク126の内圧Pfを直接検出する内圧センサ126bが設けられている。
他の機械的構成は、前記実施の形態1の図1にて説明したごとくである。
したがってキャニスタ136は、パージ通路142に設けられたパージ弁148、大気通路138に設けられた大気開放弁140、及び蒸発燃料通路134に設けられた封鎖弁135aを、全て閉弁することにより、燃料タンク126の上部空間126aとは独立して密閉状態とすることができる。
ECU162により実行されるパージ制御処理は図5に示すごとくである。図5において、前記図2と同一のステップ番号の処理内容は前記図2にて説明した処理内容と同じである。
パージを実行する場合には(S102でYES、S104でYES)、大気開放弁140、封鎖弁135a及びパージ弁148を開弁状態とする処理(S106,S107,S108)が行われる。そしてパージ実行条件が成立していない場合(S102でNO)、大気開放弁140の開弁条件不成立時には(S110でYES)、大気開放弁140、封鎖弁135a及びパージ弁148を閉弁状態とする処理(S112,S113,S114)が行われる。
更に大気開放弁140の開弁条件の成立時には(S110でNO)、大気開放弁140と封鎖弁135aとを開弁し(S116,S117)、パージ弁148は閉弁状態とする処理(S114)が行われる。
〈作用〉このことにより前記実施の形態1の場合と同様な作用を生じる。
〈請求項との関係〉上述した構成において、ECU162がパージ制御部に相当し、図5のパージ制御処理がパージ制御部としての処理に相当する。
〈効果〉(1)蒸発燃料通路134に封鎖弁135aが設けられていても、図5に示したごとく制御することにより、前記実施の形態1の(1)、(2)と同様な効果を生じさせることができる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1において、車両はハイブリッド車両であったが、プラグイン型ハイブリッド車両でも良く、又、ハイブリッドでなく前記実施の形態2のごとく車両走行用駆動源として内燃機関のみを備えた車両でも良い。
前記実施の形態2では、車両走行用駆動源として内燃機関のみを備えた車両であったが、前記実施の形態1のごとくハイブリッド車両でも良く、あるいはプラグイン型ハイブリッド車両でも良い。
・前記各実施の形態において、大気開放弁40の開弁条件、あるいは大気開放弁140と封鎖弁135aとの開弁条件は、a,bの条件の論理和であったが、単にaのみの条件としても良く、あるいはbのみの条件としても良い。
・上記開弁条件のbは「内圧Pfが基準圧力を越えている」としたが、この代わりに「内圧Pfが基準変化幅以上の変化を生じている」としても良く、あるいは「内圧Pfが基準圧力を越えている」と「内圧Pfが基準変化幅以上の変化を生じている」との論理和としても良い。
・上記開弁条件のaにおける基準時間は、一定時間として設定しても良いが、燃料温度センサ28bにて検出される燃料タンク26内の燃料温度Tfに応じて基準時間の長さを設定しても良い。例えば、燃料温度Tfが低い場合には基準時間を長くし、高い場合には短く設定する。
・前記実施の形態2では、キャニスタ136の密閉時には封鎖弁135aも閉弁していたが、アイドリングストップなどの自動停止時、あるいはハイブリッド車両に適用した場合の間欠制御による自動停止時では、大気開放弁140及びパージ弁148を閉弁状態として、封鎖弁135aは開弁状態としても良い。
2…内燃機関燃料系、4…内燃機関制御系、6…内燃機関、16…減速機構、18…駆動輪、20…動力分割機構、22…吸気ポート、24…燃料噴射弁、26…燃料タンク、26a…上部空間、28…燃料ポンプモジュール、28a…燃料経路、28b…燃料温度センサ、30…フューエルセンダーゲージ、30a…フロート、32…フューエルインレットパイプ、32a…フューエルインレットボックス、34…蒸発燃料通路、36…キャニスタ、38…大気通路、38a…エアフィルタ、40…大気開放弁、40a…内圧センサ、42…パージ通路、44…吸気通路、46…スロットルバルブ、48…パージ弁、50…サージタンク、52…エアフィルタ、54…エアフロメータ、56…アクセル開度センサ、58…機関回転数センサ、60…IGSW、62…ECU、106…内燃機関、126…燃料タンク、126a…上部空間、126b…内圧センサ、134…蒸発燃料通路、135…封鎖弁ユニット、135a…封鎖弁、135b…リリーフ弁、136…キャニスタ、138…大気通路、140…大気開放弁、142…パージ通路、148…パージ弁、162…ECU、MG1,MG2…モータジェネレータ。

Claims (5)

  1. 燃料蒸気を吸着する吸着材を収納したキャニスタ、キャニスタと燃料タンクの上部空間とを接続する蒸発燃料通路、キャニスタと内燃機関の吸気通路とを接続するパージ通路、キャニスタと大気側とを接続する大気通路、パージ通路を開閉するパージ弁、大気通路を開閉する大気開放弁、及びパージ弁と大気開放弁とを制御することにより燃料タンクの蒸発燃料をキャニスタを介して内燃機関の吸気通路へ放出するパージを実行するパージ制御部を備えた蒸発燃料処理装置であって、
    前記パージ制御部は、前記パージを停止するタイミングで前記キャニスタを少なくとも大気側に対して密閉状態とする密閉処理を実行し、前記パージを開始するタイミングで前記密閉処理を終了することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制御部は、前記パージを停止するタイミングで前記パージ弁の閉弁と共に前記大気開放弁を閉弁することで前記密閉処理を実行し、前記パージを開始するタイミングで前記パージ弁の開弁と共に前記大気開放弁を開弁することで前記密閉処理を終了することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記燃料タンクの内圧を直接又は間接に検出する内圧センサが設けられ、前記パージ制御部は、前記密閉処理中に前記内圧センサにより検出される内圧が、基準圧力以上となった場合あるいは基準変化幅以上の変化を生じた場合には、前記大気開放弁を開弁することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項2に記載の蒸発燃料処理装置において、前記パージ制御部は、前記密閉処理が基準時間継続した場合には、前記大気開放弁を開弁することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置において、前記内燃機関は車両走行用駆動源として電動モータと共に車両に搭載されたものであることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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