JP2012167978A - 内部抵抗推定方法、バッテリ劣化判定方法及び制御装置 - Google Patents

内部抵抗推定方法、バッテリ劣化判定方法及び制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バッテリ装置の負荷装置の稼働中に、該バッテリ装置を構成する各バンクの内部抵抗の推定を可能とすること。
【解決手段】複数のバンク12が並列接続されて構成されるバッテリ装置10において、バッテリ装置10の稼働中(放電/充電中)に、バンク12の接続/開放時の各バンクの電流I及び電圧Vの変化量ΔI,ΔVから、バンク12の内部抵抗Rを算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、バッテリ装置を構成するバンクの内部抵抗を推定する内部抵抗推定方法等に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車では動力源としてバッテリ装置が使用されており、電気車では新たな動力源としてバッテリ装置(蓄電装置)の使用が進められている。バッテリ装置が複数のバンク(バッテリ群)から構成される場合、各バンクの劣化の程度や寿命の目安となるその内部抵抗を知る必要がある。
バッテリ装置の内部抵抗を測定する方法として、負荷電流の遮断時の電流及び電圧の変化量から内部抵抗を算出する「電流遮断法」が知られている。また、充電と放電とが切り替えられて使用される場合に、その充電と放電との切り替え時の電圧及び電流の変化から内部抵抗を推定(算出)する技術も知られている(例えば、特許文献1)。
特開2009−294102号公報
ところで、上述の電流遮断法では、負荷電流を遮断するため、負荷装置の稼働中には測定できない。また、上述の特許文献1の方法では、負荷装置の稼働中ではあるが、充電/放電の切り替え時といった特異なタイミングでの測定であるとともに、バッテリ装置全体の内部抵抗を測定するものであり、該バッテリ装置を構成する各バンクの内部抵抗を測定するものではない。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バッテリ装置の負荷装置の稼働中に、該バッテリ装置を構成する各バンクの内部抵抗の推定を可能とすることである。
第1の形態は、
1又は複数のバッテリでなるバンクをn台(nは2以上の整数)有して構成されたバッテリ装置の前記バンクそれぞれを、負荷電力又は回生電力の変動に応じて並列に投入又は切り離し制御することで接続バンク数を可変制御する際に、前記バンクの内部抵抗を推定する内部抵抗推定方法であって、
前記接続バンク数を変更する際に、変更前後に亘り継続して接続されるバンクの変更前後の出力電圧及び出力電流の変化量を検出することと、
前記変化量を用いて、前記継続して接続されるバンク全体の内部抵抗を推定することと、
を含む内部抵抗推定方法である。
また、他の形態として、
1又は複数のバッテリでなるバンクをn台有して構成されたバッテリ装置の前記バンクそれぞれを、負荷電力又は回生電力の変動に応じて並列に投入又は切り離し制御することで接続バンク数を可変制御する制御装置であって、
前記接続バンク数を変更する際に、変更前後に亘り継続して接続されるバンクの変更前後の出力電圧及び出力電流の変化量を検出する変化量検出手段と、
前記変化量を用いて、前記継続して接続されるバンク全体の内部抵抗を推定する推定手段と、
を備えた制御装置を構成しても良い。
この第1の形態等によれば、バンクをn台有して構成されたバッテリ装置において、接続バンク数を変更する際に、変更前後に亘り継続して接続されるバンクの変更前後の出力電圧及び出力電流の変化量が検出され、この検出された出力電圧及び出力電流の変化量を用いて、該接続バンク数の変更前後で継続して接続されるバンク全体の内部抵抗が推定される。
つまり、例えば、バンクを投入する際には、すでに接続されているバンクの出力電圧及び出力電流の変化量から、その継続して接続されているバンク全体の内部抵抗が推定される。一方、バンクを切り離す際には、切り離し後も接続されているバンクの出力電圧及び出力電流の変化量から、その継続して接続されているバンク全体の内部抵抗が推定される。これにより、負荷装置の稼働中に、バッテリ装置の各バンクの内部抵抗を推定することが可能となる。
第2の形態として、第1の形態の内部抵抗推定方法であって、
前記変化量を検出することは、前記接続バンク数を1台から2台に変更する際の前記変化量の検出を少なくとも含み、
前記内部抵抗を推定することは、前記接続バンク数を1台から2台に変更する際の変更前に接続されていたバンクの内部抵抗を推定することを少なくとも含む、
内部抵抗推定方法を構成しても良い。
この第2の形態によれば、接続バンク数を1台から2台に変更する際に、この変更前に接続されていたバンクの内部抵抗が推定される。
第3の形態として、第1の形態の内部抵抗推定方法であって、
前記変化量を検出することは、前記接続バンク数を2台から1台に変更する際の前記変化量の検出を少なくとも含み、
前記内部抵抗を推定することは、前記接続バンク数を2台から1台に変更する際の変更後に接続されていたバンクの内部抵抗を推定することを少なくとも含む、
内部抵抗推定方法を構成しても良い。
この第3の形態によれば、接続バンク数を2台から1台に変更する際に、この変更後に接続されていたバンク、すなわち切り離されなかった方のバンクの内部抵抗が推定される。
第4の形態として、第1〜第3の何れかの形態の内部抵抗推定方法であって、
前記接続バンク数を1台変更する際に、当該変更に係る投入又は切り離し対象のバンク(以下「対象バンク」という。)の出力端電圧及び出力端電流の変更前後の変化量を検出することと、
前記対象バンクの前記出力端電圧及び出力端電流の変化量を用いて、前記対象バンクの内部抵抗を推定することと、
を更に含む内部抵抗推定方法を構成しても良い。
この第4の形態によれば、バンク数を1台変更する際に、投入された或いは切り離されたバンクの内部抵抗が推定される。
第5の形態として、第1〜第4の何れかの形態の内部抵抗推定方法であって、
前記内部抵抗を用いて前記バンクの接続順序を設定することを更に含み、
前記接続バンク数の可変制御は、前記接続順序に従って行う、
ことを特徴とする内部抵抗推定方法を構成しても良い。
この第5の形態によれば、推定されたバンクの内部抵抗を用いてバンクの接続順序が設定され、この接続順序に従って接続バンク数の可変制御が行われる。これにより、例えば、内部抵抗から各バンクの劣化具合を判定し、劣化していると判定されるバンクを接続しないようにするといった制御が可能となる。
第6の形態として、第5の形態の内部抵抗推定方法であって、
前記接続順序を、所定のタイミングで前記バンクそれぞれの出力端電流に基づき変更することを更に含む内部抵抗推定方法を構成しても良い。
バンクは入出力電流が多いほど温度が上昇し、温度上昇に伴い内部抵抗が低下するという温度特性がある。そのため、内部抵抗が僅差であるものの、使用されないが故に他のバンクと比較して温度が低く、相対的に内部抵抗が高く判定されるという課題がある。この第6の形態によれば、当該課題を解決し得る。
第7の形態として、第1〜第6の何れかの内部抵抗推定方法によって各前記バンクの内部抵抗を推定することと、
前記推定された内部抵抗を当該推定時の環境温度、前記バッテリ装置の出力電流、及び、当該バンクのSOCのうちの少なくとも1つに対応づけて記憶することと、
前記記憶された内部抵抗に基づいて、前記バンクそれぞれの劣化具合を判定することと、
を含むバッテリ劣化判定方法を構成しても良い。
この第7の形態によれば、推定された各バンクの内部抵抗を、推定時の環境温度、バッテリ装置の出力電流、当該バンクのSOCのうちの少なくとも1つに対応付けて記憶し、この記憶された各バンクの内部抵抗に基づいて、バンクそれぞれの劣化具合が判定される。
第9の形態として、第8の形態の制御装置であって、
前記推定手段により推定された内部抵抗が所定の劣化条件を満たすバンクが存在する場合に、当該バンクの接続を抑制する接続抑制手段を更に備えた制御装置を構成しても良い。
この第9の形態によれば、推定された内部抵抗が劣化条件を満たすバンクが存在する場合、該バンクの接続が抑制される。これにより、推定した内部抵抗からバンクが劣化しているかを判定し、劣化していると判定したバンクを、以降は接続しないように制御することが可能である。
電力システムの概略構成図。 バッテリ装置の構成図。 放電時における内部抵抗の推定原理図。 充電時における内部抵抗の推定原理図。 放電時における内部抵抗の推定の一例。 充電時における内部抵抗の推定の一例。 バンク接続/開放順序テーブルのデータ構成例。 推定結果データのデータ構成例。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の適用がこれに限定されるものではない。
[システム構成]
図1は、本実施形態における電力システム1の全体構成図である。図1に示すように、この電力システム1は、バッテリ装置10と、コンバータ30と、負荷装置50と、制御装置70とを備えて構成される。
バッテリ装置10は、直流電力を供給する電源装置であり、図2に示すように、ほぼ同一性能の複数のバンク(1又は複数のバッテリでなるバッテリ群)12が、スイッチ14を介して並列接続されて構成されている。スイッチ14は、制御装置70から入力されるバンク接続/開放指令に従ってオン/オフ制御される。また、各バンク12の出力端には、該バンクの出力電圧Vを計測する電圧計16と、出力電流Iを計測するための電流計18とが設けられている。また、バッテリ装置10の出力端には、バッテリ装置10の出力電圧Vを計測するための電圧計17と、出力電流を計測するための電流計19とが設けられている。
コンバータ30は、入力される直流電力を、昇圧/降圧して出力する電力変換装置であり、定電圧制御を行う。具体的には、例えば、負荷装置50側が電力を要求している場合、すなわち、バッテリ装置10の放電時には、バッテリ装置10から供給される電力を変換して負荷装置50に供給し、負荷装置50側が電力を発生している場合、すなわち、バッテリ装置10の充電時には、負荷装置50から供給される電力を変換してバッテリ装置10に供給し、各バンク12を充電する。
負荷装置50は、例えば、電動機やエアコン、コンプレッサ等の何れでも適用可能であり、これらの電気機器を駆動するインバータでも良い。勿論、負荷装置50は、これらの組み合わせでもよく、また、単に電力供給ラインとして想定しても良い。負荷装置50が電動機を少なくとも含むのであれば、回生動作時が、バッテリ装置10の充電時となる。
制御装置70は、CPUや各種メモリ(ROMやRAM等)から構成されるコンピュータや各種の電子回路等によって実現され、例えば、制御ボードとして実装されたり、或いは、コンバータに含まれて一体的にコンバータ装置として構成される。また、制御装置70は、電圧計16によって計測された各バンク12の電圧Vや、電流計18によって計測された各バンク12の電流I、電圧計17によって計測されたバッテリ装置10の出力電圧V、電流計19によって計測されたバッテリ装置10の出力電流I、バンク接続/開放指令等をもとに、バッテリ装置10を構成する各バンク12の内部抵抗Rを推定する。
[原理]
バッテリ装置10を構成する各バンク12の内部抵抗Rの推定の原理について説明する。各バンク12の内部抵抗Rの推定は、バンク12を接続(投入)/開放(切り離し)したときの、各バンク12の電流I及び電圧Vの変化に基づいて行う。
図3は、バッテリ装置10の「放電時」における内部抵抗Rの推定原理を説明する図である。図3に示すように、バッテリ装置10は、二つのバンク12A,12Bが並列接続されて構成されているとする。そして、このバッテリ装置10の「放電時」は、新たにバンク12を接続したときの各バンク12の電圧及び電流の変化から、各バンク12の内部抵抗Rを推定する。
すなわち、図3の左側に示すように、一方のバンク12Aのみが接続され、他方のバンク12Bが開放されているとする。このときのバンク12Aの電圧Vaを「Va1」、電流Iaを「Ia1」とし、バンク12Bの電圧Vbを「Vb1(開放電圧)」、電流Ibを「Ib1」とする。なお、バンク12Bは開放されているため、電流Ib1=0、である。
次いで、図3の右側に示すように、開放されているバンク12Bを接続(投入)すると、バンク12Bから電流Ibが流れ始め、これに伴ってバンク12Bの電圧Vbも変化する。すなわち、電流Ibが、「Ib1(=0)」から「Ib2(=Ib1+ΔIb)」に変化し、電圧Vbが、「Vb1」から「Vb2(=Vb2+ΔVb)」に変化する。そして、このときのバンク12Bの電圧Vbの変化量ΔVb、及び、電流Ibの変化量ΔIbから、バンク12Bの内部抵抗Rb_dは、次式(1)で算出される。
Rb_d=ΔVb/ΔIb ・・・(1)
また、バンク12Bの電流Ibの変化に伴って、バンク12Aの電流Iaが変化し、更に、電圧Vaも変化する。すなわち、電流Iaが、「Ia1」から「Ia2(=Ia1+ΔIa)」に変化し、電圧Vaが、「Va1」から「Va2(=Va1+ΔVa)」に変化する。そして、このときのバンク12Aの電圧Vaの変化量ΔVa、及び、電流Iaの変化量ΔIaから、バンク12Aの内部抵抗Ra_dは、次式(2)で算出される。
Ra_d=ΔVa/ΔIa ・・・(2)
図4は、「充電時」における内部抵抗Rの推定原理を説明する図である。図4に示すように、バッテリ装置10は、二つのバンク12A,12Bが並列接続されて構成されているとする。そして、このバッテリ装置10の「充電時」は、接続されているバンク12を開放したときの各バンク12の電圧及び電流の変化から、各バンク12の内部抵抗Rを推定する。
すなわち、図4の左側に示すように、両方のバンク12A,12Bが接続されているとする。このときのバンク12Aの電圧Vaを「Va1」、電流Iaを「Ia1」とし、バンク12Bの電圧Vbを「Vb1」、電流Ibを「Ib1」とする。
次いで、図4の右側に示すように、バンク12Bを開放する(切り離す)。すると、バンク12Bの電流Ibがゼロになり、これに伴って電圧Vbも変化する。すなわち、電流Ibが「Ib1」から「Ib2(=Ib1+ΔIb=0)」に変化し、電圧Vbが「Vb1」から「Vb2(=Vb1+ΔIVb)」に変化する。そして、このときの電圧Vbの変化量ΔVb、及び、電流Ibの変化量ΔIbから、「電流遮断法」によって、バンク12Bの内部抵抗Rb_cが、次式(3)で算出される。
Rb_c=ΔVb/ΔIb ・・・(3)
また、バンク12Bの電流Ibの変化に伴って、バンク12Aの電流Iaが変化し、更に電圧Vaも変化する。すなわち、電流Iaが、「Ia1」から「Ia2(=Ia1+ΔIa)」に変化し、電圧Vaが「Va1」から「Va2(=Va1+ΔVa)」に変化する。そして、このときのバンク12Aの電流Iaの変化量ΔIa、及び、電圧Vaの変化量ΔVaから、バンク12Aの内部抵抗Ra_cが、次式(4)で算出される。
Ra_c=ΔVa/ΔIa ・・・(4)
[具体例]
続いて、上述の原理を用いたバンク12の内部抵抗の推定の具体例として、3つのバンク12−1〜12−3が並列接続されてバッテリ装置10が構成されている場合を説明する。
図5は、バッテリ装置10の「放電時」における内部抵抗の推定の一例である。図5では、横軸を共通の時刻tとして、上から順に、バッテリ装置10の全体電流I、バンク12−1の電流I1、バンク12−2の電流I2、バッテリ装置10の全体電圧V、バンク12−1の電圧V1、バンク12−2の電圧V2、及び、バンク12−1〜12−3の接続状態、を示している。
先ず、初期状態として(時刻t0)、放電が開始されていないとともに、1つのバンク12−1のみが接続され、それ以外のバンク12−2,12−3は開放されているとする。このとき、放電がなされていないため、各バンク12−1〜12−3に流れる電流I1〜I3はゼロであり、電圧V1〜V3は開放電圧を保っている。
そして、時刻t1において、放電を開始する。すると、接続されているバンク12−1の電流I1が流れ始めるとともに、電圧V1が変化(低下)する。このときの、バンク12−1の電流I1の変化量ΔI1t1、及び、電圧V1の変化量ΔV1t1から、バンク12−1の内部抵抗R1を算出する。すなわち、R1=ΔV1t1/ΔI1t1、である。なおこのとき、バンク12−2,12−3は開放されているため、その電流I1,I2、及び、電圧V1,V2に変化は無い。
次いで、時刻t2において、バンク12−2を接続する。すると、このバンク12−2の電流I2が流れ始めるとともに、電圧V2が変化する。このときの、バンク12−2の電流I2の変化量ΔI2t2、及び、電圧V2の変化量ΔV2t2から、バンク12−2の内部抵抗R2を算出する。すなわち、R2=ΔV2t2/ΔI2t2、である。
それとともに、先に接続されているバンク12−1の電圧V1、及び、電流I1が変化する。このときの、バンク12−1の電流I1の変化量ΔI1t2、及び、電圧V1の変化量ΔV1t2から、バンク12−1の内部抵抗R1を算出する。すなわち、R1=ΔV1t2/ΔI1t2、である。
続いて、時刻t3において、バンク12−3を接続する。すると、このバンク12−3に電流I3が流れ始めるとともに、電圧V3が変化する。このときの、電流I3の変化量ΔI3t3、及び、電圧V3の変化量ΔV3t3から、バンク12−3の内部抵抗R3を算出する。すなわち、R3=ΔV3t3/ΔI3t3、である。
それとともに、バンク12−1,12−2それぞれの電圧V1,V2、及び、電流I1,I2が変化する。このときの、バンク12−1の電流I1の変化量ΔI1t3、及び、電圧V1の変化量ΔV1t3、バンク12−2の電流I2の変化量ΔI2t3、及び、電圧V2の変化量ΔV2t3から、並列接続されたバンク12−1,12−2を1つの抵抗とみなした合成抵抗R1*2を算出する。(なお、“*”は並列接続を表す印である。以下同じ。)すなわち、電流I1,I2それぞれの変化量ΔI1t3,ΔI2t3の和ΔI1*2t3(=ΔI1t3+ΔI2t3)と、電圧V1,V2それぞれの変化量ΔV1t3,ΔV2t3の平均値ΔV1*2t3(=(ΔV1t3+ΔV2t3)/2)とから、R1*2=ΔV1*2t3/ΔI1*2t3、となる。
その後、時刻t4において、放電を終了する。このときの、バッテリ装置10の全体電圧の変化量ΔVt4、及び、全体電流Iの変化量ΔIt4から、電流遮断法によって、並列接続されたバンク12−1〜12−3を1つの抵抗とみなした合成抵抗R1*2*3を算出する。すなわち、R1*2*3=ΔVt4/ΔIt4、である。
図6は、バッテリ装置10の「充電時」における内部抵抗の推定の一例である。図6では、横軸を共通の時刻tとして、上から順に、バッテリ装置10の全体電流I、バンク12−1の電流I1、バンク12−2の電流I2、バッテリ装置10の全体電圧、バンク12−1の電圧V1、バンク12−2の電圧V2、及び、バンク12の接続状態、を示している。
先ず、初期状態として(時刻t0)、充電が開始されていないとともに、全てのバンク12−1〜12−3が接続されているとする。このとき、充電がなされていないので、電流I1〜I3はゼロであり、電圧V1〜V3は、開放電圧を保っている。
そして、時刻t1において、充電を開始する。すると、バンク12−1〜12−3それぞれの電流I1〜I3が流れ始めるとともに、電圧V1〜V3それぞれが変化する。このときの電流I1〜I3それぞれの変化量ΔI1t1〜ΔI3t1、及び電圧V1〜V3それぞれの変化量ΔV1t1〜ΔV3t1から、並列接続されたバンク12−1〜12−3を1つの抵抗とみなした合成抵抗R1*2*3を算出する。すなわち、電流I1〜I3それぞれの変化量ΔI1t1〜ΔI3t1の和ΔI1*2*3t1(=ΔI1t1+ΔI2t1+ΔI3t1)と、電圧V1〜V3それぞれの変化量ΔV1t1〜ΔV3t1の平均値ΔV1*2*3t1(=(ΔV1t1+ΔV2t1+ΔV3t1)/3)とから、R1*2*3=ΔV1*2*3t1/ΔI1*2*3t1、となる。
次いで、時刻t2において、バンク12−3を開放する。このときの、バンク12−1,12−2それぞれの電圧V1,V2の変化量ΔV1t2,V2t2、及び、電流I1,I2の変化量ΔI1t2,I2t2から、並列接続されたバンク12−1,12−2を1つの抵抗と見なした合成抵抗R1*2を算出する。すなわち、電流I1,I2それぞれの変化量ΔI1t2,ΔI2t2の和ΔI1*2t2(=ΔI1t2+ΔI2t2)と、電圧V1,V2それぞれの変化量ΔV1t2,ΔV2t2の平均値ΔV1*2t2(=(ΔV1t2+ΔV2t2)/2)とから、R1*2=ΔV1*2t2/ΔI1*2t2、となる。
またこのとき、バンク12−3の電圧V3の変化量ΔV3t2、及び、電流I3の変化量ΔI3t2から、電流遮断法によって、バンク12−3の抵抗R3を算出する。すなわち、R3=ΔV3t2/ΔI3t2、となる。
続いて、時刻t3において、バンク12−2を開放する。このときの、バンク12−1の電圧V1の変化量ΔV1t3、及び、電流I1の変化量ΔI1t3から、バンク12−1の内部抵抗R1を算出する。すなわち、R1=ΔV1t3/ΔI1t3、となる。
またこのとき、バンク12−2の電圧V2の変化量ΔV2t3、及び、電流I2の変化量ΔI2t3から、電流遮断法によって、バンク12−2の内部抵抗R2を算出する。すなわち、R2=ΔV2t3/ΔI2t3、となる。
その後、時刻t4において、充電を終了する。このときの、バンク12−1の電圧V1の変化量ΔV1t4、及び、電流I1の変化量ΔI1t4から、電流遮断法によって、バンク12−1の内部抵抗R1を算出する。すなわち、R1=ΔV1t4/ΔI1t4、となる。
[適用例]
続いて、上述の電力システム1の具体的な適用例として、電車の動力システムに適用した例を説明する。この場合、負荷装置50は、モータ(主電動機)を駆動するインバータとなる。また、コンバータ30は、制御装置70からの放電/充電指令に従って、バッテリ装置10の充放電を制御する。
そして、制御装置70は、バッテリ装置10の放電/充電を指示する放電/充電指令を生成し、コンバータ30に出力する。すなわち、電車の加速時には、コンバータ30に、バッテリ装置10を放電させて、バッテリ装置10からの出力電力(放電電力)を、所定電圧の直流電力(例えば、DC1500V)に変換させてインバータ(負荷装置50)へ供給させ、減速時(制動時)には、コンバータ30に、インバータ(負荷装置50)からの回生電力を、バッテリ装置10に供給させてバッテリ装置10を充電させる。
また、制御装置70は、バッテリ装置10の各バンクの接続/開放を指示するバンク接続/開放指令を生成し、バッテリ装置10の各スイッチ14を制御する。すなわち、加速時には、バッテリ装置10を構成する各バンク12を1台ずつ順に接続させ、減速時(制動時)には、各バンク12を1台ずつ順に開放させる。このとき、バンク12の接続/開放させる順序は、制御装置70が記憶するバンク接続/開放順序テーブル110に定められた順序とする。
図7は、バンク接続/開放順序テーブル110のデータ構成の一例を示す図である。図7によれば、バンク接続/開放順序テーブル110は、該電車の走行区間の駅間111それぞれに、バンクの接続順112と、開放順113とを対応付けて格納している。
また、制御装置70は、バッテリ装置10の各バンク12の接続/開放時における各バンク12の電圧V及び電流Iの変化量をもとに、各バンク12の内部抵抗Rの推定を行う。すなわち、接続時には、既に接続されているバンク全体を1つの合成抵抗とみなしたときの内部抵抗Rを算出するとともに、新たに接続したバンク12の内部抵抗Rを算出し、開放時には、開放後に接続されているバンク全体を1つの合成抵抗とみなしたときの内部抵抗Rを算出するとともに、開放したバンク12の内部抵抗Rを算出する。
制御装置70によって算出されたバンク12の内部抵抗Rは、内部抵抗推定結果データ130として蓄積記憶される。
図8は、内部抵抗推定結果データ130のデータ構成の一例を示す図である。図8に示すように、内部抵抗推定結果データ130は、内部抵抗の推定対象となるバンク131それぞれについて、SOC(State of Charge:残存容量)132、推定時のバンクの環境温度133、及び、バッテリ装置10の全体電流134の組み合わせに、推定した内部抵抗を対応付けて格納している。ここで、推定対象バンク131は、1つのバンク12、或いは、複数のバンク12の組み合わせである。また、環境温度133は、例えば、各バンク12或いはバッテリ装置10に取り付けられた温度センサ(不図示)から取得する。
[作用・効果]
このように、本実施形態によれば、複数のバンク12が並列接続されて構成されるバッテリ装置10において、バンク12の接続数の変更時、すなわち、新たなバンク12の接続時や接続されているバンク12の開放時に、その際の各バンク12の電圧V及び電流Iの変化量ΔV,ΔIから、バンク12の内部抵抗Rを推定することができる。これにより、バッテリ装置10の放電/充電中に、バンク12の接続/開放のタイミングを利用して、バンク12の内部抵抗を推定することができる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)バンクの劣化の判定
例えば、推定した内部抵抗Rをもとに、各バンク12の劣化を推定することとしても良い。すなわち、バッテリには、劣化すると内部抵抗Rが大きくなる特性がある。このため、抵抗値に応じた劣化レベル条件を定めておき、推定された内部抵抗Rが、一定レベル以上の劣化条件となる所定の抵抗値以上ならば、該バンクは「劣化している」と判定する。
(B)バンク12の接続/開放順序の決定
また、上述の実施形態では、予め定められた順序でバンク12を接続/開放することとしたが(図7のバンク接続/開放順序テーブル110参照)、走行中に、例えば、推定した各バンク12の内部抵抗Rをもとに、接続/開放順序を決定することとしても良い。具体的には、上述のように、推定した各バンク12の内部抵抗Rをもとに該バンク12の劣化レベル(劣化具合)を判定する。そして、接続(投入)する順序は、劣化レベルが低い順とし、開放(切り離し)する順序は、劣化レベルが高い順として、接続されている各バンク12の劣化レベルが平均化するように決定すると好適である。なお、劣化レベルが一定以上に達して劣化していると判定されるバンク12については、接続しないようにしても良い。
更にこの場合、各バンク12の入出力電流(出力電流(放電時)或いは入力電流(充電時))に基づいて、各バンク12の接続/開放順序を切り替えても良い。より好適には、入出力電流の積算値(所定時間当りの入出力電流の総和)に基づいて切り替えるとよい。なお、各バンク12の入出力電流は、電流計18によって計測される。
バンク12には、温度上昇に伴って内部抵抗が低下するという温度特性があり、また、入出力電流が多いほど温度が上昇するという特性がある。このため、各バンク12の内部抵抗に基づいて接続/開放順序を決定する場合、内部抵抗が大きいバンク12は、その劣化レベルが高いと判定されて接続(使用)されないため、電流が流れずに温度が低下し(または上昇せず)、他のバンクと比較して内部抵抗が相対的に高いと判定される結果、益々接続(使用)されなくなる。つまり、例えば、各バンク12の劣化レベルがほぼ同じであるにも関わらず、特定のバンク12のみが接続(使用)されず、各バンク12の劣化レベルの差が大きくなるといった事態が起こり得る。
そこで、例えば、負荷電流が小さくなる惰行運転時や停車時などの所定タイミングで、各バンク12の電流の積算値を平均化するよう、接続されているバンク12の数はそのままに、接続されているバンク12を入れ替える。
或いは、内部抵抗によって判定される劣化レベルと、入出力電流の積算値とに基づいて、各バンク12の接続/開放順序を決定することにしても良い。具体的には、接続時には、劣化レベルが低く且つ入出力電流の積算値が小さいバンク12を優先的に接続し、開放時には、劣化レベルが高く且つ入出力電流の積算値が大きいバンク12を優先的に開放する。
(C)接続バンクの決定方法
また、バンク12の接続時(投入時)には、バンク間の電圧差が小さくなるように、次に接続するバンク12を決定することにしても良い。これは、バンク間の横流(短絡電流)を防止するためである。具体的には、未だ接続されていないバンク12のうち、その電圧Voが、所定の基準電圧Vmによって定まる基準範囲(例えば、Vm×0.5≦Vo≦Vm×1.5)内にあるバンク12を、新たに接続するバンク12として選択・決定する。ここで、基準電圧Vmは、バンク12の定格電圧としても良いし、或いは、既に接続されているバンク12の総電圧(全体電圧)としても良い。
また、新たに接続するバンク12の電圧が、上述の基準範囲外の場合には、例えば、該バンク12に接続されているスイッチ14のスイッチング制御によって、基準範囲内となるように電圧を調整することとしても良い。
(D)内部抵抗の推定タイミング
また、上述の実施形態では、バンク12を接続/開放する毎に、バンク12の内部抵抗Rを推定することとしたが、何れかのタイミングのみに行っても良い。例えば、最も推定精度が高いと思われるタイミングのみに行っても良い。すなわち、放電時には、1台のバンク12が接続されている状態で2台目のバンク12が接続されるタイミング(図5の時刻t1のタイミング)において、先に接続されている1台目のバンク12の内部抵抗Rを推定し、充電時には、2台のバンク12が接続されている状態で一方のバンク12が開放されるタイミング(図6の時刻t3のタイミング)において、継続して接続されている他方のバンク12の内部抵抗Rを推定する。
1 電力システム
10 バッテリ装置
12 バンク、14 スイッチ、16 電圧計、18 電流計
30 コンバータ、50 負荷装置、70 制御装置

Claims (9)

  1. 1又は複数のバッテリでなるバンクをn台(nは2以上の整数)有して構成されたバッテリ装置の前記バンクそれぞれを、負荷電力又は回生電力の変動に応じて並列に投入又は切り離し制御することで接続バンク数を可変制御する際に、前記バンクの内部抵抗を推定する内部抵抗推定方法であって、
    前記接続バンク数を変更する際に、変更前後に亘り継続して接続されるバンクの変更前後の出力電圧及び出力電流の変化量を検出することと、
    前記変化量を用いて、前記継続して接続されるバンク全体の内部抵抗を推定することと、
    を含む内部抵抗推定方法。
  2. 前記変化量を検出することは、前記接続バンク数を1台から2台に変更する際の前記変化量の検出を少なくとも含み、
    前記内部抵抗を推定することは、前記接続バンク数を1台から2台に変更する際の変更前に接続されていたバンクの内部抵抗を推定することを少なくとも含む、
    請求項1に記載の内部抵抗推定方法。
  3. 前記変化量を検出することは、前記接続バンク数を2台から1台に変更する際の前記変化量の検出を少なくとも含み、
    前記内部抵抗を推定することは、前記接続バンク数を2台から1台に変更する際の変更後に接続されていたバンクの内部抵抗を推定することを少なくとも含む、
    請求項1に記載の内部抵抗推定方法。
  4. 前記接続バンク数を1台変更する際に、当該変更に係る投入又は切り離し対象のバンク(以下「対象バンク」という。)の出力端電圧及び出力端電流の変更前後の変化量を検出することと、
    前記対象バンクの前記出力端電圧及び出力端電流の変化量を用いて、前記対象バンクの内部抵抗を推定することと、
    を更に含む請求項1〜3の何れか一項に記載の内部抵抗推定方法。
  5. 前記内部抵抗を用いて前記バンクの接続順序を設定することを更に含み、
    前記接続バンク数の可変制御は、前記接続順序に従って行う、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の内部抵抗推定方法。
  6. 前記接続順序を、所定のタイミングで前記バンクそれぞれの出力端電流に基づき変更することを更に含む請求項5に記載の内部抵抗推定方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の内部抵抗推定方法によって各前記バンクの内部抵抗を推定することと、
    前記推定された内部抵抗を当該推定時の環境温度、前記バッテリ装置の出力電流、及び、当該バンクのSOCのうちの少なくとも1つに対応づけて記憶することと、
    前記記憶された内部抵抗に基づいて、前記バンクそれぞれの劣化具合を判定することと、
    を含むバッテリ劣化判定方法。
  8. 1又は複数のバッテリでなるバンクをn台有して構成されたバッテリ装置の前記バンクそれぞれを、負荷電力又は回生電力の変動に応じて並列に投入又は切り離し制御することで接続バンク数を可変制御する制御装置であって、
    前記接続バンク数を変更する際に、変更前後に亘り継続して接続されるバンクの変更前後の出力電圧及び出力電流の変化量を検出する変化量検出手段と、
    前記変化量を用いて、前記継続して接続されるバンク全体の内部抵抗を推定する推定手段と、
    を備えた制御装置。
  9. 前記推定手段により推定された内部抵抗が所定の劣化条件を満たすバンクが存在する場合に、当該バンクの接続を抑制する接続抑制手段を更に備えた請求項8に記載の制御装置。
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