JP2012168580A - 熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するための装置及び方法 - Google Patents

熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するための装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱媒流体を用いて対象物の温度を調節する場合、対象物の時定数や熱媒流体配管の無駄時間が大きくても、対象物温度を良好に目標温度に制御する。
【解決手段】 対象物温度(Ts)が目標温度(SV)に整定した時(ステップS14、Yes)、対象物温度と熱媒体温度(T1)の温度差(D)を測定し、その時の温度差(D)と目標温度(SV)の加算値を、熱媒体温度用の目標温度(SSV)として固定する(S20−S21)以後、目標温度(SSVfix)を変更すべき事象(例えば継続的な外乱)が発生する(S27、Yes)まで、その固定の目標温度(SSVfix)を用いて熱媒体温度を制御し続ける(S21)。
【選択図】図5a

Description

本発明は、熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するための装置と方法に関する。
例えば、半導体ウェハをプラズマ雰囲気中で処理するためのプロセスチャンバでは、半導体ウェハが載せられるテーブル(以下、「サセプタ」と呼ぶ)の温度を制御するために、制御された温度をもった熱媒流体が用いられる。熱媒流体は、チャンバから離れた場所に設置された温度調節装置(例えば、チャンバから戻ってくる熱媒流体を冷却又は加熱する冷却/加熱器)で適当温度にされてそこから送り出され、チャンバ内に入ってサセプタ内を巡り、そして、チャンバ外へ出て温度調節装置に戻る。
この種の温度調節装置は、この装置から吐出されたばかりの熱媒体流体の温度(以下、「熱媒体温度」という)T1を計測し、熱媒体流体への冷却量又は加熱量を操作することで計測された熱媒体温度T1を調節して、サセプタ温度Tsが予め設定された目標温度SVになるようにしている。
例えば、特許文献1又は2に開示された発明(以後「従来技術」)では、下記の制御によって、サセプタの温度を制御している。
図1は、従来技術に従う温度調節装置の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、温度調節装置20は加熱/冷却器1とコントローラ9を有する。コントローラ9が、加熱/冷却器1からサセプタ5に供給される熱媒流体を冷却する熱電変換デバイス6のパワーを制御する。コントローラ9は、熱電変換デバイス6から出た熱媒流体の温度と、サセプタ5の温度とを用いてフィードバック制御動作を行なう。このフィードバック制御動作では、まず、サセプタ5に外部から熱負荷が加わる前に、熱媒流体の温度のみに基づいて立ち上げ制御が行われて、間接的にサセプタ5の温度が目標温度(SV)に整定させられる。その後、サセプタ5に外部から熱負荷が加わるようになると、現在の熱媒流体の温度とサセプタ5の温度との温度差に応じて動的に、熱媒体温度T1の目標温度が決定され、その目標温度に熱媒流体の温度を制御するように追値制御が行われる。
特開2003−195952号公報 特開2003−195953号公報
プロセスチャンバ内のサセプタや液体層などの制御対象またはそれを取り巻く環境の熱容量がかなり大きいことにより、あるいは、温度調節装置とプロセスチャンバとの間の熱媒流体を運ぶ配管が長大であることにより、温度制御の時定数及び/又は無駄時間がかなり大きい場合がある。以下、プロセスチャンバや配管やそれを取り巻く環境など、温度調節装置の外部に存在するシステムを、温度調節装置の「上位システム」と呼ぶ。そして、上記のように上位システムの時定数及び/又は無駄時間が大きい場合を、上位システムの「応答性が悪い」場合という。
さて、特許文献1又は2に記載の温度調節装置では、上位システムの応答性がかなり悪い場合、例えば、下記のような課題が発生し、対象物の温度(サセプタ温度Ts)を目標温度SVに安定して整定させることが難しくなることがある。
すなわち、温度調節装置が熱媒流体の温度を操作しても、その成果がサセプタの温度に応答性良く現れてこないため、温度調節装置による熱媒流体の温度の過剰な操作(上げすぎ又は下げすぎ)が生じることがある。その結果、サセプタ温度Tsが目標温度SVから大きく乖離したり、あるいは目標温度SVに整定せずに変動したり、最悪の場合には制御がハンチングを起こしてハンチングの状態が継続することがある。例えば、外乱が発生したときに、外乱を抑制しようとして温度調節装置が過剰に熱媒流体の温度を操作して、ハンチングを起こすことがある。あるいは、温度制御の開始当初に、低すぎる又は高すぎるサセプタ温度を目標温度へ近づけようとして温度調節装置が熱媒流体の温度を過剰に上げ又は下げて、ハンチングを起こすこともある。図2は上位システムの応答性が非常に悪い場合に、従来の温度制御を行ったときにハンチングを起こした温度変化の一例を示すグラフである。同図から、熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsがハンチングを起こして安定しないことがわかる。
この課題に対しては、例えば、予め上位システムの温度特性を正確に計測しておき、その温度特性に基づいて温度調節装置の制御機能を最適に設計するという解決方法が一般的である。
しかし、現実には、温度調節装置の製造者は、上位システムの温度特性を予め正確に把握することは難しい。なぜなら、上位システムの仕様は、温度調節装置を購入した利用者が自由に決めるものであるからである。そして、温度調節装置の利用者又は利用目的又は利用場所が異なれば、上位システムの仕様は異なる。
以上の問題は、半導体ウェハのプラズマ加工用のプロセスチャンバ内のサセプタに限らず、他の制御対象、例えば、熱電変換デバイス半導体ウェハの洗浄用の液体槽などに関しても存在する。
そこで、本発明の目的は、熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するための装置または方法において、温度調節能力を向上させることである。
また、本発明の別の目的は、同装置または方法において、上位システムの応答性が悪い場合の温度調節能力を向上させることである。
また、本発明の別の目的は、同装置または方法において、外乱が発生した場合の温度調節能力を向上させることである。
本発明の一つの側面に従えば、熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するための温度調節装置において、
前記熱媒流体を冷却又は加熱する冷却/加熱器(冷却と加熱の一方のみの機能を持つものでも、双方の機能を持つものでもよい)と、
前記熱媒流体から検出される熱媒体温度と前記対象物から検出される対象物温度とを入力し、前記冷却/加熱器を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラが、
A) 第1の制御動作を行い、前記第1の制御動作では、前記熱媒体温度を第1の目標温度に制御し、
B) 前記第1の制御動作を行なっている間、前記熱媒体温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定し、
C) 前記B)ステップの判定結果が真になった第1の時点以降、第2の制御動作を行ない、前記第2の制御動作では、各現在時刻での前記熱媒体温度と前記対象物温度との間の温度差を周期的に求め、各現在時刻での前記温度差を、可変のオフセット値として採用し、各現在時点での前記可変のオフセット値と前記第1の目標温度とを用いて第2の目標温度を周期的に決定し、そして、前記熱媒体温度を前記第2の目標温度に制御し、
D) 前記第2の制御動作を行なっている間、前記対象物温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定し、
E) 前記D)ステップの判定結果が真になった第2の時点以降、第3の制御動作を行ない、前記第3の制御動作では、前記第2の時点での前記熱媒体温度と前記対象物温度との間の温度差を求め、前記第2の時点での前記温度差を、固定のオフセット値として採用し、前記固定のオフセット値と前記第1の目標温度とを用いて第3の目標温度を決定し、そして、前記熱媒体温度を前記第3の目標温度に制御し、
F) 前記第3の制御動作を行なっている間、前記第3の目標温度を変更すべき所定の事象が生じたか判定し、
G) 前記F)ステップの判定結果が真になった第3の時点以降、前記第2の制御動作を行う
ように構成された温度調節装置が、提供される。
この温度調節装置によれば、前記E)ステップで、対象物温度が第1の目標温度に整定した時点での熱媒体温度と対象物温度との温度差を、固定のオフセット値として採用し、その固定のオフセット値と前記第1の目標温度とを用いて、熱媒体温度用の目標温度(第3の目標温度)を固定的に決定する(つまり、その後に温度差が多少変動しても、目標温度は一定に保たれる)。この結果、温度調整装置の上位システムの応答性が悪い場合(例えば、サセプタの熱容量が大きい、及び/又は、熱媒流体を運ぶ配管が長大であるなどの場合)、温度調節中に一時的な外乱(例えば、プロセスチャンバ内でのプラズマ発生によるサセプタへの一時的な入熱)が発生しても、制御が不安定になったり、ハンチングを起こしたりする不具合が抑制される。
さらに、前記F)ステップで、継続的な外乱が発生した場合のように、熱媒体温度用の目標温度を変更すべき事象が発生した場合には、前記G)ステップで、上述した目標温度の固定が解除される。したがって、継続的な外乱が発生した場合にも、制御は適応できる。
前記D)ステップでの判定には、次のような方法を採用することができる。すなわち、各現在時刻の前記温度差とその前の各時刻との前記温度差との間の時間変的変化量を周期的に求め、前記時間的変化量に基づいて、前記対象物温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定する。例えば、前記時間的変化量を所定の第1の閾値と比較して、前者が後者より小さければ、前記対象物温度が前記第1の目標温度に整定したと判断することができる。
あるいは、前記D)ステップで、次のような方法を採用することもできる。すなわち、上述した時間的変化量を求めるとともに、各現在時刻の前記対象物温度(Ts)が前記第1の目標温度の所定近傍範囲に所定時間継続しているかのチェックを行い、そして、前記時間的変化量と、前記チェックの結果の双方に基づいて、前記対象物温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定する。
また、前記B)ステップには、次のような方法が採用できる。すなわち、各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差の時間変的変化量を周期的に求め、前記時間的変化量に基づいて、前記熱媒体温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定する。例えば、前記時間的変化量を所定の第2の閾値と比較して、前者が後者より小さければ、前記熱媒体温度が前記第1の目標温度に整定したと判断することができる。
また、前記F)ステップでは、次の方法を採用することができる。すなわち、各現在時刻と前記固定のオフセット値との時間変的変化量を周期的に求め、前記時間的変化量に基づいて、前記所定の事象が発生したかを判定する。例えば、前記時間的変化量を所定の第3の閾値と比較して、前者が後者より大きければ、前記所定の事象が発生したと判断することができる。
本発明の別の側面に従えば、熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するための温度調節装置において、
前記熱媒流体を冷却又は加熱する冷却/加熱器と、
前記熱媒流体から検出される熱媒体温度と前記対象物から検出される対象物温度とを入力し、前記冷却/加熱器を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラが、
A) 第1の制御動作を行い、前記第1の制御動作では、前記熱媒体温度を第1の目標温度に制御し、
B) 前記第1の制御動作を行なっている間、各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差の時間変的変化量を周期的に求め、前記時間的変化量に基づいて、前記熱媒体温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定し、
C) 前記B)ステップの判定結果が真になった第1の時点以降、第2の制御動作を行ない、前記第2の制御動作では、各現在時刻での前記熱媒体温度と前記対象物温度との間の温度差を周期的に求め、各現在時刻での前記温度差を、可変のオフセット値として採用し、各現在時点での前記可変のオフセット値と前記第1の目標温度とを用いて第2の目標温度を周期的に決定し、そして、前記熱媒体温度を前記第2の目標温度に制御する、
ように構成された温度調節装置が、提供される。
この温度調節装置によれば、前記B)ステップで、各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差の時間変的変化量を周期的に求め、前記時間的変化量に基づいて、前記熱媒体温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定する。その結果、温度調節装置の上位システムの応答性が悪い場合であっても、前記A)ステップの第1の制御動作から、前記C)ステップの第2の制御動作へ移行するときに、制御が不安定になったり、ハンチングを起こしたりする不具合が抑制される。すなわち、温度調節装置の上位システムの応答性が悪い場合、熱媒体温度が第1の目標温度で整定していても、対象物温度がまだ変化している最中であって、しばらくは定常状態にならないということがある。このような時にも、前記B)ステップでの判定方法を用いれば、熱媒体温度が第1の目標温度で整定しているとともに、対象物温度もほぼ定常状態で安定している時を検出できる。その後に、前記C)ステップの第2の制御動作へ移行できるので、制御が不安定になったり、ハンチングを起こしたりする不具合が抑制される。
この温度調節装置は、さらに、
D) 前記第2の制御動作を行なっている間、前記対象物温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定し、
E) 前記D)ステップの判定結果が真になった第2の時点以降、再び前記第2の制御動作を行う
ように構成されてもよい。このように構成された温度調節装置によれば、前記D)ステップで対象物温度が目標温度で整定したかを判定することで、外乱が生じ得るような動作(例えば、プロセスチャンバでのウェハの加工)を開始するタイミングを、上記判定結果が真になった後にその動作を開始するというように、制御することができる。その結果、対象物温度が目標温度に整定する前に、外乱が生じ得る動作が開始することによって、制御が不安定になったりハンチングを起こしたりすることが抑制される。特に、上位システムの応答性が悪い時には、対象物温度が目標温度で整定するまでにかなりの時間がかかり、かつ、既に述べたように温度調節装置の製造者にはその時間を事前に推定することができないため、対象物温度の目標温度での整定を判定する機能は、制御を不安定にさせないことを保証するために、有用である。
対象物温度が目標温度で整定したことを判定する方法としては、各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差の時間変的変化量を周期的に求め、前記時間的変化量に基づいて、前記対象物温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定する、とい方法を採用することができる。この方法によれば、偶然に対象物温度が目標温度に一時的に一致している時を誤って整定と判断する危険性が減る。
本発明のまた別の側面に従えば、熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するために、前記熱媒流体から検出される熱媒体温度と前記対象物から検出される対象物温度とを入力し、前記熱媒流体の冷却又は加熱を制御するコントローラによって行われる温度調節方法において、以下のA)からG)のステップ
A) 第1の制御動作を行い、前記第1の制御動作では、前記熱媒体温度を第1の目標温度に制御し、
B) 前記第1の制御動作を行なっている間、前記熱媒体温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定し、
C) 前記B)ステップの判定結果が真になった第1の時点以降、第2の制御動作を行ない、前記第2の制御動作では、各現在時刻での前記熱媒体温度と前記対象物温度との間の温度差を周期的に求め、各現在時刻での前記温度差を、可変のオフセット値として採用し、各現在時点での前記可変のオフセット値と前記第1の目標温度とを用いて第2の目標温度を周期的に決定し、そして、前記熱媒体温度を前記第2の目標温度に制御し、
D) 前記第2の制御動作を行なっている間、前記対象物温度が前記第1の目標温度に整定したかを判定し、
E) 前記D)ステップの判定結果が真になった第2の時点以降、第3の制御動作を行ない、前記第3の制御動作では、前記第2の時点での前記熱媒体温度と前記対象物温度との間の温度差を求め、前記第2の時点での前記温度差を、固定のオフセット値として採用し、前記固定のオフセット値と前記第1の標温度とを用いて第3の目標温度を決定し、そして、前記熱媒体温度を前記第3の目標温度に制御し、
F) 前記第3の制御動作を行なっている間、前記第3の目標温度を変更すべき所定の事象が生じたか判定し、
G) 前記F)ステップの判定結果が真になった第3の時点以降、前記第2の制御動作を行う
を有する温度調節方法が、提供される。
本発明のさらにまた別の側面に従えば、熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するために、前記熱媒流体から検出される熱媒体温度と前記対象物から検出される対象物温度とを入力し、前記熱媒流体の冷却又は加熱を制御するコントローラによって行われる温度調節方法において、以下のA)からC)のステップ
A) 第1の制御動作を行い、前記第1の制御動作では、前記熱媒体温度を第1の目標温度に制御し、
B) 前記第1の制御動作を行なっている間、各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差の時間変的変化量を周期的に求め、前記時間的変化量に基づいて、前記熱媒体温度が前記対象物温度用の目標温度に整定したかを判定し、
C) 前記B)ステップの判定結果が真になった第1の時点以降、第2の制御動作を行ない、前記第2の制御動作では、各現在時刻での前記熱媒体温度と前記対象物温度との間の温度差を周期的に求め、各現在時刻での前記温度差を、可変のオフセット値として採用し、各現在時点での前記可変のオフセット値と前記第1の目標温度とを用いて第2の目標温度を周期的に決定し、そして、前記熱媒体温度を前記第2の目標温度に制御する、
を有する温度調節方法が、提供される。
本発明によれば、熱媒流体を用いて対象物の温度を調節するための装置または方法の温度調節能力が向上する。
本発明の一つの側面によれば、上位システムの応答性が悪い場合の温度調節能力が向上する。
本発明の別の側面によれば、外乱が発生した場合の温度調節能力が向上する。
従来技術に従う温度調節装置の一例を示すブロック図である。 上位システムの応答性が非常に悪い場合に、従来の温度制御を行ったときにハンチングを起こした温度変化の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る温度調節装置の構成を示すブロック図である。 コントローラ100が行う全体的な制御動作の一例のフローチャートである。 第1の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの立ち上げ制御のフローチャートの一例である。 第1の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの稼働中制御のフローチャートの一例である。 第1の実施形態に係る温調を行ったときの温度変化を示すグラフのモデル図である。 第1の実施形態に係る温調の実験を行ったときの熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsの変化を示すグラフである。 第2の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの立ち上げ制御のフローチャートの一例である。 第2の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの稼働中制御のフローチャートの一例である。 第2の実施形態に係る温調を行ったときの温度変化を示すグラフのモデル図である。 第2の実施形態に係る温調の実験を行ったときの熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsの変化を示すグラフである。 第3の実施形態に係る温調を行ったときの温度変化を示すグラフのモデル図である。 第4の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの立ち上げ制御のフローチャートである。 第4の実施形態に係る温調を行ったときの温度変化を示すグラフのモデル図である
以下、本発明の一実施形態を説明する。以下の実施形態は、半導体ウェアをプラズマ雰囲気中で処理するプロセスチャンバ内の、半導体ウェハを保持するためのサセプタの温度を一定に制御する用途で本発明を実施した場合の一例であるが、本発明の適用対象はこれのみに限られるものではなく、本発明は他の様々な用途で実施することができる。
図3は、本発明の一実施形態に係る温度調節装置の構成を示すブロック図である。
温度調節装置200は、熱媒流体を加熱及び/又は冷却するための加熱/冷却器1(これは、冷却と加熱の一方のみの機能を持つものでも、双方の機能を持つものでもよいが、この実施形態では、一例として双方の機能をもつ)と、加熱/冷却器1から吐出される熱媒流体の温度を制御するために加熱/冷却器1の加熱/冷却パワーを制御するコントローラ100を有する。加熱/冷却器1は、プロセスチャンバ4から離れた場所に配置される。加熱/冷却器1によって温度が制御された熱媒流体が加熱/冷却器1から吐出され、配管2を通じてプロセスチャンバ4に供給される。熱媒流体には、例えば、水、エチレングリコール又はフロリナート(登録商標)等を用いることができる。プロセスチャンバ4内に入った熱媒流体は、制御対象であるサセプタ5下を巡って、サセプタ5の温度を調節する。プロセスチャンバ4内では、サセプタ5上に置かれた半導体ウェハを処理するとき、プラズマが発生され、そのプラズマから熱がサセプタ5に加えられる。そのとき、熱媒流体はサセプタ5から熱を奪ってこれを冷却し、高温になってプロセスチャンバ4から出る。その高温の熱媒流体は、配管3を通じて加熱/冷却器1に戻る。
加熱/冷却器1内は、例えば、半導体のペルチェ効果を利用したヒートポンプである熱電変換デバイス6を有し(しかし、必ずしもそうでなければならないわけではない)、熱電変換デバイス6が、戻って来た熱媒流体を冷却又は加熱する。熱電変換デバイス6は、π形状に電気接続されたn型半導体チップとp型半導体チップのペアの多数から構成されている。この熱電変換デバイス6は、その多数のペアが電気的に直接接続され且つ2次元平面上に配列されて成るプレート形状のデバイスであり、熱電変換デバイス6に電流を流すと、一方の側の主面で熱を吸収し反対側の主面で熱を放出するよう動作する。熱電変換デバイス6に流す電流の向きを反転させると、熱電変換デバイス6が熱を移動させる方向も反転する。
熱電変換デバイス6は、その一方の側の主面にて、配管3から配管2へと流れる熱媒流体から熱を吸収し、且つ、反対側の主面にて、配管8から来て配管7へ出て行く冷却水へ熱を放出するか、または、それとは逆の方向へ熱を移動させる。
上述したような熱電変換デバイス6を用いて加熱/冷却器1を構成した場合、一般的なコンプレッサをもつ冷媒回路で加熱/冷却器1を構成した場合に比較し、加熱/冷却器1のサイズはかなり小さくでき、加熱/冷却器1とプロセスチャンバ4との距離も短くして熱媒流体の量も減らすことができ、さらに、加熱/冷却器1自体の応答速度や温度制御精度も向上するため、より性能の良い制御が可能になる。
加熱/冷却器1を制御するコントローラ100は、主として熱電変換デバイス6の熱電変換デバイス6に流す電流を制御することで、熱電変換デバイス6の冷却能力を制御し、それにより、熱電変換デバイス6から出る熱媒体流体の温度を適正値に制御する。コントローラ100は、加熱/冷却器1の熱媒流体吐出口近傍に配置された熱媒体温度センサ10から、加熱/冷却器1から吐出されるときの熱媒流体の現在温度(熱媒体温度)T1を示した検出信号11を入力する。また、コントローラ100は、プロセスチャンバ4内のサセプタ5の温度を検出するサセプタ温度センサ12から、現在のサセプタ温度Tsを示した検出信号13を入力する。さらに、コントローラ100は、プロセスチャンバ4内に高周波プラズマを発生させるための高周波(RF)電源装置14から、そのメインスイッチのオン/オフ信号やその出力パワーレベルなどを示す運転信号15を入力する。これらの入力に基づいて、コントローラ100は、以下に説明するような制御動作を行う。コントローラ100は、例えば、プログラムされたコンピュータにより構成される。
なお、後述するように、制御動作を行うための設定値には、サセプタ温度Ts用の目標温度SV、定常状態判定値GFP、及び非定常状態判定値GSP等があるが、それらの設定値は、コントローラ100に予め入力及び設定される。入力方法は、キーボード等の入力デバイスを介してもよいし、通信ネットワークを介してもよいし、I/Oポートで接続された他の装置を介してもよい。
図4は、コントローラ100が行う全体的な制御動作の一例のフローチャートである。
図4に示すように、ステップS1でコントローラ100は制御動作を開始するが、この初期的な時点では、プロセスチャンバ4では、RF電源装置14のメインスイッチはオフ状態にありプロセスチャンバ4でのプロセスは開始されていない(以下、これを「アイドル状態」という)。この初期的なアイドル状態において、コントローラ100は、まず、ステップS2で、サセプタ温度Ts用の目標温度SVの変更に対処するための立ち上げ制御を行う(S2)。この立ち上げ制御の結果として、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定した定常状態が確立される。立ち上げ制御でサセプタ温度Tsの定常状態が確立された後、コントローラ100は、ステップS3に進んで稼働中制御に入り、プロセスチャンバ4内でのプラズマ発生による熱負荷などの外乱を克服してサセプタ温度Tsを一定に制御するように動作する。
ところで、チャンバプロセスにおいては、次のような動作が、それを1周期として、多数回繰り返し実行されていく。その1周期の動作の開始時には、RF電源装置14の出力パワーレベルは実質的にゼロであってプラズマが発生していない状態(以下、「RF−OFF」状態という)にある。この「RF−OFF」状態において、新しい半導体ウェハがプロセスチャンバ4内に入れられてサセプタ5上に置かれる。次に、RF電源装置14の出力パワーレベルが規定の出力値まで増大されて、プロセスチャンバ4内にプラズマが発生し(以下、これを「RF−ON」状態という)、それによりプロセスチャンバ4内の半導体ウェハに所定の加工が施される。この「RF−ON」状態が一定時間の間継続した後、チャンバ4内の状態は再び「RF−OFF」状態に切り替わり、そして、加工の終えた半導体ウェハがプロセスチャンバ4外へ搬出される。これで、この1周期の動作が終わる。1回のチャンバプロセスの間に、上記のような動作が多数回繰り返され、それにより、多数枚の半導体ウェハが順次にプロセスチャンバ4内で加工される。
上記のチャンバプロセスが継続している間、コントローラ100は、ステップS3の稼働中制御を継続する。途中で目標温度SVの変更が行われた場合には(このとき、チャンバプロセスは一旦終了する)(S4:YES)、コントローラ100は稼働中制御を止め、再びステップS2に戻って上述した立ち上げ制御から制御をやり直し、その後にチャンバプロセスが再開すると再び稼働中制御を行う。
以下では、コントローラ100が行う制御動作に関して、いくつかの異なる実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図5aは、第1の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの立ち上げ制御のフローチャートの一例である。
図6は、第1の実施形態に係る温調を行ったときの温度変化を示すグラフのモデル図である。
以下、図5a及び図6を用いて、第1の実施形態に係る温度制御の立ち上げ制御について説明する。ちなみに、図6において、G10区間が立ち上げ制御の区間である。
コントローラ100は、熱媒体温度センサ10を介して熱媒体温度T1を周期的に(例えば0.1秒間隔で)計測し、計測された熱媒体温度T1が、予め設定されたサセプタ温度Ts用の目標温度SVに一致するように、例えば、熱媒体温度T1と目標温度SVとの偏差に対して所定のI−PD演算を行ない、その演算結果に従って加熱/冷却器1の熱電変換デバイス6を制御して熱媒流体の温度を調節する(S10)。〈図6のG1〉
コントローラ100は、熱媒体温度T1が、サセプタ温度Ts用の目標温度SVの所定近傍(例えば、目標温度SV±0.1℃)の範囲内に所定時間(例えば、90秒間)以上収まっているか否かを判定する(S11)。すなわち、熱媒体温度T1が目標温度SVに整定したか(定常状態になったか)否かを判定する。
ここで、ステップS11の判定が偽のとき(S11:NO)、すなわち、熱媒体温度T1が目標温度SVにおいて定常状態になっていないとき(例えば、図6のG1)、コントローラ100は、ステップS10に戻る。そして、熱媒体温度T1が目標温度SVに整定するまでステップS10の温調を続ける。
一方、ステップS11の判定が真のとき(S11:YES)、すなわち、熱媒体温度T1が目標温度SVに整定したとき(例えば、図6のG2)、次にコントローラ100は、サセプタ温度Tsが目標温度SVに一致するように、熱媒流体の温調を行う。以下、その制御について説明する。
コントローラ100は、熱媒体温度センサ10とサセプタ温度センサ12を介して熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsを周期的に(例えば0.1秒間隔で)計測し、現在時刻t1における熱媒体温度T1(t1)とサセプタ温度Ts(t1)の温度差D(t1)(=T1(t1)−Ts(t1))を計測する(S12)。ここで、温度差Dは、現在時刻t1の一回だけに計測した両温度間の差であってもよいし、現在時刻t1を含む最近過去の所定の時間区間に複数回計測した両温度の平均値間の差であってもよい。
温度差D(t1)を、熱媒体温度T1用の目標温度SSVがもつべき、サセプタ温度Ts用の目標温度SVからの可変のオフセット値として採用する。すなわち、コントローラ100は、サセプタ温度Ts用の目標温度SVに上記可変のオフセット値(つまり温度差D(t1))を加えた値(=SV+D(t1))を求め、熱媒体温度T1の目標温度SSVをその加算値(=SV+D(t1))に設定する。〈図6のG3〉そして、熱媒体温度T1が目標温度SSVに一致するように、例えば、熱媒体温度T1と目標温度SSVとの偏差に対して所定のI−PD演算を行ない、その演算結果に従って熱媒流体の温調を行う(S13)。すなわち、サセプタ温度Tsが目標温度SVに一致するように温調を行う。〈図6のG4〉
コントローラ100は、今回計測時(つまり現在時刻t1)の温度差D(t1)と前回計測時の温度差D(t0)の時間的変化量ΔD(=|D(t1)−D(t0)|)を算出する。そして、この時間的変化量ΔDが、予め設定された定常状態判定値GFP未満(ΔD<GFP)であるか否かを判定する(S14)。〈図6のG5〉ここで、定常状態判定値GFPとは、熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsの温度差Dが時間的に殆ど変化していないこと(すなわち、定常状態であること)を判定するための設定値である。したがって、定常状態判定値GFPは、比較的小さな値である。ちなみに、前回計測時の温度差D(t0)が存在しないとき、ステップS14の判定を必ず偽とする。
ここで、ステップS14の判定が偽のとき(S14:NO)、すなわち、温度差Dが変化しているときは(例えば、図6のG3とG4)、まだサセプタ温度Tsが目標温度SVに整定していないと判断し、今回計測時の温度差D(t1)を前回計測時の温度差D(t0)に代入して(S15)、ステップS12に戻る。そして、温度差Dが実質的に変化しなくなるまで繰り返す。
一方、ステップS14の判定が真のとき(S14:YES)、すなわち、温度差Dが実質的に変化していないときは〈図6のG4とG5〉、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定したと判断し、コントローラ100は、稼働中制御に移行する。
図5bは、第1の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの稼働中制御のフローチャートの一例である。
以下、図5b及び図6を用いて、第1の実施形態に係る温度制御の稼働中制御について説明する。ちなみに、図6において、G11区間が稼働中制御の区間である。
コントローラ100は、現在時刻t1での温度差D(t1)を、固定された(つまり、変化しない)オフセット値Dfix(=D(t1))として採用する(S20)。すなわち、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定した時の温度差D(例えば、図6のG5)を、熱媒体温度T1用の目標温度SSVが持つべき、サセプタ温度Ts用の目標温度SVからのオフセット値として固定する(SSVfix)。
コントローラ100は、サセプタ温度Ts用の目標温度SVに上記固定のオフセット値Dfixを加えた値(=SV+Dfix)を求め、熱媒体温度T1の目標温度SSVfixをその加算値(目標温度SV+Dfix)に設定し、そして、熱媒体温度T1が目標温度SSVfixに一致するように熱媒流体の温調を行う(S21)。
コントローラ100は、ステップS12と同様に周期的に現在時刻t1での熱媒体温度T1(t1)とサセプタ温度Ts(t1)の温度差D(t1)を計測する(S22)。
コントローラ100は、今回計測時の温度差D(t1)と固定のオフセット値Dfixとの間の差、つまり温度差Dの時間的変化量ΔDfix(=|D(t1)−Dfix|)を算出し、ΔDfixが非定常状態判定値GSPより大きい(ΔDfix>GSP)か否かを判定する(S23)。ここで、非定常状態判定値GSPとは、サセプタ温度Tsが設定温度SVにおける定常状態から外れていないか否かを判定するための値である。例えば、対象物の近傍や周囲で何らかの熱的外乱が長時間続く場合、外乱発生前とは異なる熱量が対象物に入力(又は対象物から出力)され続けるため、熱媒体温度T1の目標温度SSVを固定(SSVfix)したままでは、サセプタ温度Tsを目標温度SVに整定し続けられなくなってしまうことがある。このように、サセプタ温度Tsを目標温度SVに整定させるために熱媒体温度T1用の目標温度SSVfixを変える必要があるか否かを判定するために設定された判定値が、非定常状態判定値GSPである。すなわち、熱媒体温度T1用の目標温度SSVを変える必要を引き起こさないような外乱(典型的には、単発的な又は短時間の外乱であり、以下「一時的外乱」という)が発生した場合には、上記温度差Dの時間的変化量ΔDが非定常状態判定値GSP以下であるが、熱媒体温度T1用の目標温度SSVfixを変える必要を引き起こすような外乱(典型的には、ある程度長時間続く外乱であり、以下「継続的外乱」という)が発生した場合には、上記温度差Dの時間的変化量ΔDが非定常状態判定値GSPより大きくなるように、非定常状態判定値GSPの値が予め設定されている。
ここで、ステップS23の判定が偽のとき(S23:NO)、すなわち、外乱が発生していない、もしくは、上記一時的な外乱が発生したにすぎないと判断できるときは(例えば、図6のG6)、そのままステップS21に戻り、今まで用いられていた固定のオフセット値Dfixを用いて温調を続ける。
一方、この判定が真のとき(S23:YES)、すなわち、上記継続的外乱が発生したときは〈例えば、図6のG7〉、今まで用いられていた固定のオフセット値Dfixではなく、新たな可変のオフセット値D(t1)を用いて、熱媒体温度T1用の目標温度SSVfixを設定し直す(S24)。以下、その制御について説明する。
コントローラ100は、ステップS12と同様に現在時刻t1における熱媒体温度T1(t1)とサセプタ温度Ts(t1)の温度差D(t1)を改めて計測し、その温度差D(t1)を、熱媒体温度T1の目標温度SSVが持つべき、目標温度からの可変のオフセット値として採用する。つまり、コントローラ100は、サセプタ温度Tsの目標温度SVに上記可変のオフセット値D(t1)を加算した値(=SV+D(t1))を求め、熱媒体温度T1の目標温度SSVをその加算値(SV+D(t1))に設定し、温度調節を行う(S25)。その結果、継続的外乱によってサセプタ温度Tsが目標温度SVから一時的に外れてしまっても、その継続的外乱の影響の大きさに応じて熱媒体温度T1の目標温度SSVが修正され、再度、サセプタ温度Tsは目標温度SVに整定するように制御される。
コントローラ100は、ステップS12と同様に所定の周期で現在時刻t1における温度差D(t1)を計測し、今回計測時の温度差D(t1)と前回計測時の温度差D(t0)の時間的変化量ΔDを算出する(S26)。そして、ステップS14と同様にその時間的変化量ΔDが定常状態判定値GFP未満(ΔD<GFP)であるか否かを判定する(S27)。
ここで、ステップS27の判定が偽のとき(S27:NO)、すなわち、温度差Dが変化しているときは、まだサセプタ温度Tsが目標温度SVに整定していないと判断し、今回計測時の温度差D(t1)を前回計測時の温度差D(t0)に代入し(S28)、ステップS25に戻る。そして、温度差Dが殆ど変化しなくなるまで繰り返す。
一方、ステップS27の判定が真のとき(S27:YES)、すなわち、温度差Dが殆ど変化しなくなったとき、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定したと判断し、ステップS20に戻る。そしてまた、ステップS20にて固定のオフセット値Dfixを用いて熱媒体温度T1の目標温度SSVを設定する(SSVfix)。
第1の実施形態に係る温度制御によると、前述の従来技術と比較して、以下のような優れた効果を奏することができる。
第1に、温度調節装置200の上位システム(プロセスチャンバ4や配管2,3などの温度調節装置200の外部に存在し、温度制御に影響を与えるシステム)の応答性が悪い場合(例えば、熱媒体温度T1の変化がサセプタ温度Tsの変化に現れるまでの時間が長い場合であり、より具体的には、配管2が長いために無駄時間が大きい、及び/又は、プロセスチャンバ4内のサセプタ5の熱容量が大きいために時定数が大きい場合など)、稼働中制御中に一時的な外乱によってサセプタ温度Tsが一時的に上昇又は下降したときに、コントローラ100が熱媒体温度T1を過剰に制御してしまうことを抑止できる。すなわち、チャンバ内に一時的外乱が発生したとき、サセプタ温度Tsが目標温度SVから外れる振れ幅を小さくすることができる。これは、サセプタ温度Tsが目標温度SVに一度整定したとき(つまり、ΔD=|D(t1)−D(t0)|<GFPのとき)、その時の温度差Dを固定されたオフセット値Dfixとして用いて、熱媒体温度T1の目標温度SSVを固定することによる(SSVfix)。なお、一時的外乱が発生する場合とは、例えば、プロセスチャンバ(エッチャー等)内でのプラズマ発生によるサセプタへの一時的な入熱などである。
第2に、稼働中制御中に継続的な外乱が生じた場合には、熱媒体温度T1の目標値SSVfixを変更することで、サセプタ温度Tsを目標温度SVに制御することができる。それは、上記のように熱媒体温度T1の目標温度SSVを一旦固定した後、継続的外乱が生じるなどにより、固定された目標温度SSVが不適切になったとき(つまり、ΔDfix=|D(t1)−Dfix|>GSPのとき)には、目標温度SSVfixの固定を解除して、上記温度差Dを再度計測して、それに基づき目標温度SSVfixを変更するからである。
図7は、第1の実施形態に係る温調の実験を行ったときの熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsの変化を示すグラフである。
ここで、図7のグラフでは、図6のグラフとは反対に、サセプタ温度Tsが熱媒体温度T1よりも高くなっているが、これは、例えばチャンバ内部に熱源が存在するなどの事情があるためである。第1の実施形態に係る温度制御は、熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsのど加熱/冷却器の温度が高いか又は低いかに関わらず適用可能である。なお、以降に説明する他の実施形態も同様である。
図7に示すように、第1の実施形態による温度制御によれば、時点G20において一時的な外乱が発生したとき、サセプタ温度Tsと目標温度SVとの乖離が一時的に大きくなっている。しかし、最終的にはG21区間に示すように、サセプタ温度Tsと目標温度SVとの乖離は小さくなり、かつ、その状態が安定して長時間続いていることがわかる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、立ち上げ制御における定常状態の判定方法と、稼働中制御の方法が異なる。
図8aは、第2の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの立ち上げ制御のフローチャートの一例である。
図9は、第2の実施形態に係る温調を行ったときの温度変化を示すグラフのモデル図である。
以下、図8a及び図9を用いて、第2の実施形態に係る温度制御の立ち上げ制御について説明する。ちなみに、図9において、G35区間が立ち上げ制御の区間である。
コントローラ100は、熱電変換デバイス6を制御して、熱媒体温度T1が目標温度SVに整定するように温調を開始する(S40)。〈図9のG37〉
コントローラ100は、熱媒体温度センサ10とサセプタ温度センサ12を介して、現在時刻t1における熱媒体温度T1(t1)とサセプタ温度Ts(t1)の温度差D(t1)(=T1(t1)−Ts(t1))を周期的に計測する(S41)。
コントローラ100は、今回計測時の温度差D(t1)と前回計測時の温度差D(t0)の時間的変化量ΔD(=|D(t0)−D(t1)|)を算出する。そして、この時間的変化量ΔDが定常状態判定値GFP未満(ΔD<GFP)であるか否かを判定する(S42)。ちなみに、前回計測時の温度差D(t0)が存在しないときは、ステップS42の判定を必ず偽とする。〈図9のG30〉
ここで、ステップS42の判定が偽のとき(S42:NO)、すなわち、時間的変化量ΔDが実質的に変化しているときは〈図9のG37〉、まだ熱媒体温度T1が目標温度SVに整定していないと判断し、今回計測時の温度差D(t1)を前回計測時の温度差D(t0)に代入し(S46)、ステップS40に戻る。そして、時間的変化量分ΔDがほぼ変化しなくなるまで繰り返す。
一方、ステップS42の判定が真のとき(S42:YES)、すなわち、時間的変化量ΔDが殆ど変化していないときは(例えば、図9のG30とG31との間で)、熱媒体温度T1が目標温度SVに整定したと判断し、コントローラ100は、次に、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定するように温調を行う。以下、その制御について説明する。
コントローラ100は、現在時刻t1での温度差D(t1)を、サセプタ温度Ts用の目標温度SVからの可変のオフセット値として採用して、熱媒体温度T1用の目標温度SSVを、サセプタ温度Ts用の目標温度SVに可変オフセット値D(t1)を加えた値(=SV+D(t1))に設定し、温調を行う(S43)。すなわち、サセプタ温度Tsが目標温度SVに一致するように温調制御を行う。〈図9のG32〉
コントローラ100は、現在時刻t1における熱媒体温度T1(t1)とサセプタ温度Ts(t1)の温度差D(t1)を周期的に計測する(S44)。〈図9のG33〉
コントローラ100は、今回計測時の温度差D(t1)と前回計測時の温度差D(t0)との時間的変化量ΔD(=|D(t1)−D(t0)|)を算出する。そして、この時間的変化量ΔDが定常状態判定値GFP未満(ΔD<GFP)であるか否かを判定する(S45)。
ここで、ステップS45の判定が偽のとき(S45:NO)、すなわち、時間的変化量ΔDが実質的に変化しているときは(例えば、図9のG32とG33との間で)、まだサセプタ温度Tsが目標温度SVに整定していないと判断し、今回計測時の温度差D(t1)を前回計測時の温度差(t0)に代入し(S47)、ステップS43に戻る。そして、時間的変化量ΔDがほぼ変化しなくなるまで繰り返す。
一方、ステップS45の判定が真のとき(S45:YES)、すなわち、時間的変化量ΔDが殆ど変化していないときは(例えば、図9のG33とG34との間で)、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定したと判断し、稼働中制御に移行する。
図8bは、第2の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの稼働中制御のフローチャートの一例である。
以下、図8b及び図9を用いて、第2の実施形態に係る温度制御の稼働中制御について説明する。ちなみに、図9において、G36区間が稼働中制御の区間である。
コントローラ100は、時刻t1のときの温度差D(t1)を、サセプタ温度Ts用の目標温度SVからの可変のオフセット値として採用し、熱媒体温度T1の目標温度SSVを、SV+D(t1)に設定し、温調を行う(S50)。すなわち、サセプタ温度Tsが目標温度SVを維持するように温調を行う。
コントローラ100は、周期的に現在時刻t1における熱媒体温度T1(t1)とサセプタ温度Ts(t1)の温度差D(t1)(=T1(t1)−Ts(t1))を計測する(S51)。そして、ステップS50に戻る。すなわち、温度差D(t1)を周期的に計測し、その時々の温度差D(t1)で熱媒体温度T1の目標温度SSVを再設定することを繰り返す。
上記の第2の実施形態は、立ち上げ制御において、前述の従来技術に対して以下の優れた効果を奏する。
従来技術では、熱媒体温度T1のみに基づいて熱媒体温度T1が目標温度SVに整定したことを判定している。しかし、上位システムの応答性が悪い場合、立ち上げ制御で熱媒体温度T1が目標温度SVで定常状態になっても、サセプタ温度Tsがまだ定常状態になっておらず変化している最中であることがある(例えば、図9の時点G37)。この時の熱媒体温度T1とサセプタ温度Tとの温度差D(不適切な値)を用いて、熱媒体温度T1の目標温度SSVをSV+D(t1)に設定すると、目標温度SSVが不適切であるために、サセプタ温度Tsが目標温度SVにて定常状態にならず、最悪、図2の様なハンチングを起こしてしまうことがある。これに対し、上述した第2の実施形態では、熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsとの温度差Dの時間的変化量ΔDに基づいて、熱媒体温度T1が目標温度SVにて定常状態になったことを判定しているため、例えば、図9の時点G30からG31の間の時点で熱媒体温度T1の定常状態を検出して、その時の適切な温度差Dを取得して適切に熱媒体温度T1の目標温度SSVを設定できるので、上記の従来技術のような問題が発生しにくい。
図10は、第2の実施形態に係る温調の実験を行ったときの熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsの変化を示すグラフである。
図10のG40が図9のG35に対応する立ち上げ制御の区間であり、サセプタ温度Tsが不安定になったりハンチングを起こしたりせずに目標温度SVへ到達して定常状態になることがわかる。
前述の第1の実施形態と比較した場合、第2の実施形態は次のような長所と短所があり得る。
第1に、第2の実施形態は、立ち上げ制御において、上述した従来技術に対して優れた点と同じ点で、第1の実施形態より優れている。
第2に、稼働中制御において、継続的外乱に対する応答性が良い。熱媒体温度T1用の目標温度SSV(=SV+D(t1))がもつオフセット値Dを固定することがないからである。
第3に、立ち上げ制御により長い時間がかかることがある。熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsとの温度差Dの時間的変化量ΔDに基づいて、熱媒体温度T1の定常状態を判定するからである。
第4に、稼働中制御において、一時的外乱が生じたときに、サセプタ温度Tsが目標温度SVから大きく振れることがある。熱媒体温度T1用の目標温度SSV(=SV+D(t1))がもつオフセット値Dを固定することがないからである。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、立ち上げ制御を第2の実施形態と同様に行い、稼働中制御を第1の実施形態と同様に行う。したがって、フローチャートの説明は省略する。
図11は、第3の実施形態に係る温調を行ったときの温度変化を示すグラフのモデル図である。図11中、時点G50は一時的外乱が発生したときであり、時点G51は継続的外乱が発生したときである。
第3の実施形態に係る温度制御アルゴリズムによれば、前述の従来技術に比較して、第1の実施形態と同様な優れた効果を奏することができる。
また、第1の実施形態と比較した場合、第3の実施形態には以下の長所と短所があり得る。
長所として、上位システムの応答性が悪い場合(例えば、熱媒体温度T1の変化がサセプタ温度Tsの変化に現れるまでの時間が長いとき)、立ち上げ制御において、制御が安定しやすくハンチングを起こしにくい。
短所として、上位システムの応答性が悪い場合、立ち上げ制御において、制御開始からサセプタ温度Tsが目標温度SVに整定までの時間がより長いことがある。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、立ち上げ制御を第1の実施形態のそれを変形したやり方で行い、稼働中制御を第1の実施形態と同様に行う。したがって、稼働中制御のフローチャートは省略する。
図12は、第4の実施形態に係る温度制御アルゴリズムの立ち上げ制御のフローチャートである。
図13は、第4の実施形態に係る温調を行ったときの温度変化を示すグラフのモデル図である。
以下、図12及び図13を用いて、第4の実施形態に係る温度制御アルゴリズムについて説明する。
図12を用いて、立ち上げ制御について説明する。ちなみに、図13において、G64区間が立ち上げ制御の区間である。
コントローラ100は、熱電変換デバイス6を制御して、熱媒体温度T1が、サセプタ温度Ts用の目標温度SVに一致するように、熱媒流体の温調制御を行う。そして、コントローラ100は、熱媒体温度T1が目標温度SVに整定した場合、次に、サセプタ温度Tsが目標温度SVに一致するように、熱媒流体の温調を行う(S60〜S63)。なお、この制御は、第1の実施形態のステップS10〜S13と同じなので、詳細な説明を省略する。
次に、コントローラ100は、サセプタ温度Tsが目標温度SVの所定近傍(例えば、SV±0.1℃)の範囲内に所定時間(例えば、ステップS61の判定時間より長い時間である120秒間)以上収まっているか否かを判定する(S64)。すなわち、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定したか否かを判定する。
ここで、ステップS64の判定が偽のとき(S64:NO)、すなわち、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定していないとき、コントローラ100は、ステップS62に戻る。そして、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定するまで温調を続ける。
一方、ステップS64の判定が真のとき(S64:YES)、すなわち、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定したと推定されるとき、コントローラ100は、次に、温度差の時間的変化量でさらに、その整定が確実かどうかを判定する。以下、その制御について説明する。
コントローラ100は、今回計測時の温度差D(t1)と前回計測時の温度差D(t0)の時間的変化量ΔD(=|D(t1)−D(t0)|)を算出する。そして、時間的変化量ΔDが定常状態判定値GFP未満(ΔD<GFP)であるか否かを判定する(S65)。ちなみに、前回計測時の温度差D(t0)が存在しないときは、ステップS65の判定を必ず偽とする。
ここで、ステップS65の判定が偽のとき(S65:NO)、すなわち、温度差Dが実質的に変化しているときは、まだサセプタ温度Tsが目標温度SVに整定していないと判断し、今回計測時の温度差D(t1)を前回計測時の温度差D(t0)に代入し(S66)、ステップS62に戻る。
一方、ステップS65の判定が真のとき(S65:YES)、すなわち、温度差Dが実質的に変化していないときは、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定したと判断し、稼働中制御に移る。
以上の通り、第4の実施形態の立ち上げ制御には、第1の実施形態の立ち上げ制御と比較して、ステップS64の判定が追加されている。すなわち、第4の実施形態では、ステップS64とステップS65の二段階でサセプタ温度Tsの整定を判定している。
例えば、図13の時点G60からG61の間のように、単に偶然に熱媒体温度T1とサセプタ温度Tsとの温度差Dが殆ど変化していないとき、第1の実施形態では、誤ってサセプタ温度Tsが整定したと判定するおそれがある。これを防止するために、第4の実施形態では、ステップS64とステップS65の二重の判定を行うのである。第4の実施形態では、例えば、図13の時点G62からG63の区間のように、サセプタ温度Tsが目標温度SVに実質的に一致し、かつ、熱媒体温度T1とサセプタ温度Ts間の温度差Dの時間的変化量がほぼゼロである状態が所定時間継続して初めて、サセプタ温度Tsが目標温度SVに整定したと、正しい判定をすることができる。
そして、正しい整定判定を行うことで、その後の稼働中制御における固定的なオフセット値Dfixも、正しい値をセットすることができる。
第4の実施形態に係る温度制御によれば、前述の従来技術に比較して、第1の実施形態と同様な優れた効果を奏することができる。
また、第1の実施形態と比較した場合、第4の実施形態に係る温度制御には、以下の長所と短所があり得る。
第1に、誤った固定のオフセット値が設定される(つまり、熱媒体温度T1の目標温度SSVが不適切な値で固定される)可能性を減らすことができる。
第2に、立ち上げ制御にかかる時間が比較的長いことがある。これは、サセプタ温度Tsの整定の判定を二段階で行っているためである。
以上説明したように、各実施形態はそれぞれ異なる長所と短所とがある。したがって、温度調節装置を利用するユーザは、対象物の時定数又は熱容量等の温度特性、装置の設置状態、又は外乱の種類等によって、適宜、最適な実施形態を選択することによって、所望の効果を得ることができる。
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
200 温度調節装置
1 加熱/冷却器
2,3 熱媒流体を循環させる配管
4 プロセスチャンバ
5 サセプタ
6 熱電変換デバイス
7,8 冷却水を循環させる配管
100 コントローラ
10 熱媒体温度T1を検出する温度センサ
11 熱媒体温度T1の検出信号
12 サセプタ温度Tsを検出する温度センサ
13 サセプタ温度Tsの検出信号
14 高周波(RF)電源装置
15 高周波電源装置の運転信号

Claims (10)

  1. 熱媒流体を用いて対象物(5)の温度を調節するための温度調節装置において、
    前記熱媒流体を冷却又は加熱する冷却/加熱器(6)と、
    前記熱媒流体から検出される熱媒体温度(T1)と前記対象物から検出される対象物温度(Ts)とを入力し、前記冷却/加熱器(6)を制御するコントローラ(100)とを備え、
    前記コントローラ(100)が、
    A) 第1の制御動作を行い、前記第1の制御動作では、前記熱媒体温度(T1)を第1の目標温度(SV)に制御し、
    B) 前記第1の制御動作を行なっている間、前記熱媒体温度(T1)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定し、
    C) 前記B)ステップの判定結果が真になった第1の時点以降、第2の制御動作を行ない、前記第2の制御動作では、各現在時刻での前記熱媒体温度(T1)と前記対象物温度(Ts)との間の温度差(D)を周期的に求め、各現在時刻での前記温度差(D)を、可変のオフセット値(D)として採用し、各現在時点での前記可変のオフセット値(D)と前記第1の目標温度(SV)とを用いて第2の目標温度(SSV)を周期的に決定し、そして、前記熱媒体温度(T1)を前記第2の目標温度(SSV)に制御し、
    D) 前記第2の制御動作を行なっている間、前記対象物温度(Ts)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定し、
    E) 前記D)ステップの判定結果が真になった第2の時点以降、第3の制御動作を行ない、前記第3の制御動作では、前記第2の時点での前記熱媒体温度(T1)と前記対象物温度(Ts)との間の温度差(D)を求め、前記第2の時点での前記温度差(D)を、固定のオフセット値(Dfix)として採用し、前記固定のオフセット値と前記第1の標温度(SV)とを用いて第3の目標温度(SSVfix)を決定し、そして、前記熱媒体温度(T1)を前記第3の目標温度(SSVfix)に制御し、
    F) 前記第3の制御動作を行なっている間、前記第3の目標温度(SSVfix)を変更すべき所定の事象が生じたか判定し、
    G) 前記F)ステップの判定結果が真になった第3の時点以降、前記第2の制御動作を行う
    ように構成された、温度調節装置。
  2. 請求項1記載の温度調節装置において、
    前記コントローラ(100)が、前記D)ステップで、
    各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差(D)の時間変的変化量(ΔD)を周期的に求め、前記時間的変化量(ΔD)に基づいて、前記対象物温度(Ts)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定する、
    ように構成された、温度調節装置。
  3. 請求項2記載の温度調節装置において、
    前記コントローラ(100)が、前記D)ステップで、
    各現在時刻の前記対象物温度(Ts)が前記第1の目標温度(SV)の所定範囲内に所定時間継続しているかのチェックを行い、
    前記時間的変化量(ΔD)と、前記チェックの結果の双方に基づいて、前記対象物温度(Ts)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定する、
    ように構成された、温度調節装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の温度調節装置において、
    前記コントローラ(100)が、前記B)ステップで、
    各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差(D)の時間変的変化量(ΔD)を周期的に求め、前記時間的変化量(ΔD)に基づいて、前記熱媒体温度(T1)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定する、
    ように構成された、温度調節装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の温度調節装置において、
    前記コントローラ(100)が、前記F)ステップで、
    各現在時刻と固定のオフセット値(Dfix)との時間変的変化量(ΔDfix)を周期的に求め、前記時間的変化量(ΔDfix)に基づいて、前記所定の事象が発生したかを判定する、
    ように構成された、温度調節装置。
  6. 熱媒流体を用いて対象物(5)の温度を調節するための温度調節装置において、
    前記熱媒流体を冷却又は加熱する冷却/加熱器(6)と、
    前記熱媒流体から検出される熱媒体温度(T1)と前記対象物から検出される対象物温度(Ts)とを入力し、前記冷却/加熱器(6)を制御するコントローラ(100)とを備え、
    前記コントローラ(100)が、
    A) 第1の制御動作を行い、前記第1の制御動作では、前記熱媒体温度(T1)を第1の目標温度(SV)に制御し、
    B) 前記第1の制御動作を行なっている間、各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差(D)の時間変的変化量(ΔD)を周期的に求め、前記時間的変化量(ΔD)に基づいて、前記熱媒体温度(T1)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定し、
    C) 前記B)ステップの判定結果が真になった第1の時点以降、第2の制御動作を行ない、前記第2の制御動作では、各現在時刻での前記熱媒体温度(T1)と前記対象物温度(Ts)との間の温度差(D)を周期的に求め、各現在時刻での前記温度差(D)を、可変のオフセット値(D)として採用し、各現在時点での前記可変のオフセット値(D)と前記第1の目標温度(SV)とを用いて第2の目標温度(SSV)を周期的に決定し、そして、前記熱媒体温度(T1)を前記第2の目標温度(SSV)に制御する、
    ように構成された、温度調節装置。
  7. 請求項6記載の温度調節装置において、
    D) 前記第2の制御動作を行なっている間、前記対象物温度(Ts)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定し、
    E) 前記D)ステップの判定結果が真になった第2の時点以降、再び前記第2の制御動作を行う
    ように構成された、温度調節装置。
  8. 請求項7項記載の温度調節装置において、
    前記コントローラ(100)が、前記D)ステップで、
    各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差(D)の時間変的変化量(ΔD)を周期的に求め、前記時間的変化量(ΔD)に基づいて、前記対象物温度(Ts)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定する、
    ように構成された、温度調節装置。
  9. 熱媒流体を用いて対象物(5)の温度を調節するために、前記熱媒流体から検出される熱媒体温度(T1)と前記対象物から検出される対象物温度(Ts)とを入力し、前記熱媒流体の冷却又は加熱を制御するコントローラ(100)によって行われる温度調節方法において、以下のA)からG)のステップ
    A) 第1の制御動作を行い、前記第1の制御動作では、前記熱媒体温度(T1)を第1の目標温度(SV)に制御し、
    B) 前記第1の制御動作を行なっている間、前記熱媒体温度(T1)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定し、
    C) 前記B)ステップの判定結果が真になった第1の時点以降、第2の制御動作を行ない、前記第2の制御動作では、各現在時刻での前記熱媒体温度(T1)と前記対象物温度(Ts)との間の温度差(D)を周期的に求め、各現在時刻での前記温度差(D)を、可変のオフセット値(D)として採用し、各現在時点での前記可変のオフセット値(D)と前記第1の目標温度(SV)とを用いて第2の目標温度(SSV)を周期的に決定し、そして、前記熱媒体温度(T1)を前記第2の目標温度(SSV)に制御し、
    D) 前記第2の制御動作を行なっている間、前記対象物温度(Ts)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定し、
    E) 前記D)ステップの判定結果が真になった第2の時点以降、第3の制御動作を行ない、前記第3の制御動作では、前記第2の時点での前記熱媒体温度(T1)と前記対象物温度(Ts)との間の温度差(D)を求め、前記第2の時点での前記温度差(D)を、固定のオフセット値(Dfix)として採用し、前記固定のオフセット値と前記第1の標温度(SV)とを用いて第3の目標温度(SSVfix)を決定し、そして、前記熱媒体温度(T1)を前記第3の目標温度(SSVfix)に制御し、
    F) 前記第3の制御動作を行なっている間、前記第3の目標温度(SSVfix)を変更すべき所定の事象が生じたか判定し、
    G) 前記F)ステップの判定結果が真になった第3の時点以降、前記第2の制御動作を行う
    を有する温度調節方法。
  10. 熱媒流体を用いて対象物(5)の温度を調節するために、前記熱媒流体から検出される熱媒体温度(T1)と前記対象物から検出される対象物温度(Ts)とを入力し、前記熱媒流体の冷却又は加熱を制御するコントローラ(100)によって行われる温度調節方法において、以下のA)からC)のステップ
    A) 第1の制御動作を行い、前記第1の制御動作では、前記熱媒体温度(T1)を第1の目標温度(SV)に制御し、
    B) 前記第1の制御動作を行なっている間、各現在時刻とその前の各時刻との前記温度差(D)の時間変的変化量(ΔD)を周期的に求め、前記時間的変化量(ΔD)に基づいて、前記熱媒体温度(T1)が前記第1の目標温度(SV)に整定したかを判定し、
    C) 前記B)ステップの判定結果が真になった第1の時点以降、第2の制御動作を行ない、前記第2の制御動作では、各現在時刻での前記熱媒体温度(T1)と前記対象物温度(Ts)との間の温度差(D)を周期的に求め、各現在時刻での前記温度差(D)を、可変のオフセット値(D)として採用し、各現在時点での前記可変のオフセット値(D)と前記第1の目標温度(SV)とを用いて第2の目標温度(SSV)を周期的に決定し、そして、前記熱媒体温度(T1)を前記第2の目標温度(SSV)に制御する、
    を有する温度調節方法。
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