JP2012171502A - 弾性クローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】湿田などの不整地走行時における排土性を向上させた弾性クローラを提供する。
【解決手段】クローラ周方向に複数の芯金20が埋設されスプロケット100及びアイドラーに巻き掛けられる無端帯状のクローラ本体12と、クローラ本体12に中心線CLを挟んで両側にそれぞれ配置されると共にクローラ周方向に複数配置されクローラ幅方向に互いに隣接する同士の中心線CL側の内端部39C、42Cがクローラ周方向にずれた位置にある長ラグ39及び短ラグ42と、内端部41C、40Cがクローラ周方向にずれた位置にある長ラグ41及び短ラグ40と、クローラ本体12にクローラ周方向に傾斜して延びクローラ幅方向に互いに隣接する長ラグ39、短ラグ42の各内端部39C、42Cを連結する連結リブ44と、クローラ幅方向に互いに隣接する長ラグ41と短ラグ40の各内端部41C、40Cを連結する連結リブ45とをゴムクローラ10が有すること。
【選択図】図3

Description

本発明は、弾性クローラに関する。
従来から農業用機械の走行部には、ゴムクローラが広く用いられている。この種の農業用機械向けゴムクローラとしては、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1のゴムクローラでは、無端状のゴム弾性体の外周面に、幅方向に沿って直線状に延びる長ラグと短ラグを周方向に交互に配設している。また、上記ゴムクローラでは、不整地(例えば、湿田など)走行時における長ラグと短ラグとの間の泥詰まりを抑制するために、長ラグの幅方向中央部の高さを低くしている。
特開平11−20751号公報
上述したように、特許文献1のゴムクローラでは、長ラグの幅方向中央部の高さを低くすることで、湿田などの不整地走行時における長ラグと短ラグとの間の泥詰まりを抑制している。
しかし、市場では、特許文献1のゴムクローラよりもさらに泥詰まりを抑制した、すなわち、排土性を向上させたゴムクローラの開発が期待されている。
本発明は、湿田などの不整地走行時における排土性を向上させた弾性クローラを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、弾性体により無端帯状に形成され、内部にクローラ周方向に間隔をあけて複数の芯金が埋設され、駆動輪及び従動輪に巻き掛けられるクローラ本体と、前記クローラ本体にクローラ外周側に突設され、クローラ外周側から見て前記芯金のクローラ幅方向の中心線を挟んで両側にそれぞれ配置されると共にクローラ周方向に複数配置され、クローラ幅方向に互いに隣接する同士の前記中心線側の端部がクローラ周方向にずれた位置にあるラグと、前記クローラ本体にクローラ外周側に突設され、クローラ外周側から見てクローラ周方向に傾斜して延び、クローラ幅方向に互いに隣接する前記ラグの前記中心線側の端部同士を連結する連結リブと、を有する弾性クローラである。
請求項1の弾性クローラでは、駆動輪及び従動輪に巻き掛けられた部分(以下、適宜「巻き掛け部分」と記載する。)においてクローラ本体が駆動輪又は従動輪の外周に沿って湾曲させられる。このようにクローラ本体が湾曲すると、クローラ周方向に互いに隣接するラグの間隔及びクローラ周方向に互いに隣接する連結リブの間隔が広くなる。これにより、湿田などの不整地走行時にクローラ周方向に互いに隣接するラグ間及びクローラ周方向に隣接する連結リブ間に泥土が入り込んでも、泥土が入り込んだ部分が巻き掛け部分に到達し、上記ラグの間隔及び上記連結リブの間隔が広くなることで上記ラグ間及び上記連結リブ間から泥土が剥離される。
また、上記弾性クローラでは、連結リブで連結された2つのラグの各々の中心線側端部(芯金のクローラ幅方向の中心線側の端部)がクローラ周方向にずれた位置にある。このため、巻き掛け部分においては、各々の中心線側端部に湾曲方向(駆動輪又は従動輪の外周に沿った方向)に沿って相対的に離間する力が作用し、各々の中心線側端部を連結する連結リブがねじられる。ここで、連結リブは、クローラ周方向に対して傾斜していることから、例えば、クローラ周方向に沿っているものと比べて、ねじられやすい。上述のように、巻き掛け部分において連結リブがねじられることから、湿田などの不整地を走行しても、クローラ周方向に互いに隣接する連結リブ間及びその周囲に付着した泥土が効果的に剥離される。
以上のことから、請求項1の弾性クローラによれば、湿田などの不整地走行時に、クローラ周方向に互いに隣接するラグ間及びクローラ周方向に互いに隣接する連結リブ間に付着した泥土の剥離が促進される。すなわち、排土性が向上する。これにより、湿田などの不整地走行時における推進力が向上する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記連結リブは、高さが前記ラグよりも低い、弾性クローラである。
請求項2の弾性クローラでは、連結リブの高さをラグよりも低くしていることから、クローラ周方向に互いに隣接する連結リブ間に付着する泥土の量を減らすことができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記連結リブによって連結された2つの前記ラグは、クローラ外周側から見て、各々の頂面のクローラ周方向一端部がクローラ幅方向に沿う第1直線上にあり、各々の頂面のクローラ周方向他端部がクローラ幅方向に沿う第2直線上にある、弾性クローラである。
請求項3の弾性クローラでは、連結リブによって連結された2つのラグは、クローラ外周側から見て、各々の頂面のクローラ周方向一端部がクローラ幅方向に沿う第1直線上にあり、各々の頂面のクローラ周方向他端部がクローラ幅方向に沿う第2直線上にあることから、整地(例えば、舗装路など)走行時において、上記2つのラグの各々の頂面のクローラ周方向一端部同士が同時に接地し(踏み込み)、他端部同士が同時に接地面から離間する(蹴り出される)ため走行時の振動が低減される。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記ラグの少なくとも前記連結リブ側の部分は、前記連結リブの傾斜方向に対して逆向きに傾斜している弾性クローラである。
請求項4の弾性クローラでは、ラグの少なくとも連結リブ側の部分が、連結リブの傾斜方向に対して逆向きに傾斜していることから、クローラ周方向に互いに隣接するラグ及び連結リブの間に形成される空間部(以下では、「溝部」として記載する。)は、クローラ幅方向へ延びると共に複数のクローラ周方向への折れ曲がり部(以下では、「屈曲部」として記載する。)を有する。
このため、傾斜の付いた圃場などの不整地走行時には、上記溝部に入り込んで踏み固められた土塊と溝部の屈曲部とが当接し、当該土塊のせん断応力によって弾性クローラの横すべりが抑制される。
以上説明したように、本発明の弾性クローラによれば、湿田などの不整地走行時における排土性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る弾性クローラの一部断面を含む斜視図である。 第1実施形態に係る弾性クローラの内周面を示す平面図である。 第1実施形態に係る弾性クローラの外周面を示す平面図である。 第1実施形態に係る弾性クローラの側面の一部を示す側面図である。 図3のX1−X1線断面図である。 図3のX2−X2線断面図である。 図5のY1−Y1線断面図である。 第2実施形態に係る弾性クローラの一部断面を含む斜視図である。 第2実施形態に係る弾性クローラの外周面を示す平面図である。 図9のX3−X3線断面図である。 図9のX4−X4線断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る弾性クローラについて図1〜7を用いて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る弾性クローラの一例としての無端状のゴムクローラ10は、クローラ車(例えば、トラクターなど)の駆動輪の一例であるスプロケット100、及び従動輪の一例であるアイドラー(図示省略)に巻き掛けられて用いられるものである。
なお、本実施形態では、ゴムクローラ10の周方向(図中矢印S)を「クローラ周方向」と記載し、ゴムクローラ10の幅方向(図中矢印W)を「クローラ幅方向」と記載する。また、ゴムクローラ10の巻き掛け状態でのゴムクローラ10の内周側(図中矢印IN)を「クローラ内周側」と記載し、ゴムクローラ10の外周側(図中矢印OUT)を「クローラ外周側」と記載する。なお、クローラ幅方向は、クローラ周方向と直交している。
図1に示すように、ゴムクローラ10は、弾性体の一例であるゴム材により無端帯状に形成されたクローラ本体12(クローラ本体の一例)を有している。
図1、図2に示すように、このクローラ本体12には、クローラ周方向に間隔(本実施形態では一定間隔)をあけて芯金20が複数埋設されている。この芯金20は、図5、図6に示すように、クローラ幅方向の中央部26と、この中央部26を挟んでクローラ幅方向両側にクローラ内周側に突出する一対の突起24と、上記中央部26のクローラ幅方向両端側からクローラ幅方向に延出した一対の翼部28と、を含んで構成されている。
なお、本実施形態の突起24は、翼部28の根元部分からクローラ内周側へ突出している。
図5、図6に示すように、クローラ本体12には、内周面(本実施形態では、後述する転輪通過面36を通る平面)から突出した突起24を、クローラ本体12を構成するゴム材で被覆したゴム突起部14が複数形成されている。このゴム突起部14は、スプロケット100及びアイドラー(図示省略)の通過スペースを隔てて形成されている。
また、図2、図7に示すように、クローラ本体12には、クローラ周方向に互いに隣接する芯金20の中央部26間にスプロケット100及びアイドラー(図示省略)が転動する転動面30が形成されている。
図2、図5に示すように、クローラ本体12には、クローラ周方向に互いに隣接するゴム突起部14間にスプロケット100の歯部100Bが挿入係合される係合凹部32が形成されている。この係合凹部32は、クローラ幅方向に一対形成されている。
ここで、本実施形態のゴムクローラ10が巻き掛けられるスプロケット100とアイドラー(図示省略)について説明する。図1、図5に示すように、スプロケット100は、円盤状の本体部100Aと、この本体部100Aの外周部の軸方向両端から半径方向外側へそれぞれ延出した一対の歯部100Bとで構成されている。なお、一対の歯部100Bは、本体部100Aの外周に周方向に一定間隔をあけて形成されている。一方、アイドラーは、円盤状とされている。
図2、図4、図6に示すように、クローラ本体12には、係合凹部32のクローラ幅方向外側にスプロケット100とアイドラー(図示省略)との間に設けられた1又は複数の転輪104が転動する平坦な転輪通過面36がクローラ周方向に連続して形成されている。なお、本実施形態の転輪104は、一対の円板部材104Aにより構成されている。この円板部材104Aは、外周端が外側へ折り返され、この折返し部の径方向外側面(円板部材104Aの外周面)が転輪通過面36に接触するようになっている。また、一対の円板部材104Aは、一対のゴム突起部14を跨いでいる。
本実施形態では、図5、図6に示すように、スプロケット100及びアイドラー(図示省略)は、ゴム突起部14によってガイドされながら一対のゴム突起部14間を通過すると共に、転動面30上を転動し、転輪104は、一対のゴム突起部14によってガイドされながら転輪通過面36上を転動するようになっている。
本実施形態では、図2、図5に示すように、芯金20のクローラ幅方向の中心とクローラ本体12のクローラ幅方向の中心が一致している。なお、図中の符号CLは、ゴムクローラ10の中心線(本実施形態では、芯金20のクローラ幅方向の中心線)を示している。また、本実施形態でのクローラ幅方向内側は、中心線CL側を意味し、クローラ幅方向外側は、中心線CL側から離間する側を意味している。
図1、図3に示すように、クローラ本体12には、クローラ外周側に突出するブロック状の長ラグ39、短ラグ40、長ラグ41、及び短ラグ42がそれぞれ形成されている。
図3に示すように、中心線CLを挟んでクローラ幅方向一方側(図3では左側)には、長ラグ39と短ラグ40とがクローラ周方向に交互に配置されている。また、長ラグ39と短ラグ40は、クローラ周方向に互いに隣接する芯金20間に配置されている。
長ラグ39は、クローラ幅方向内側がクローラ周方向に傾斜して延びる傾斜部39Aとされ、クローラ幅方向外側がクローラ幅方向に沿って直線状に延びる直線部39Bとされている。また、長ラグ39のクローラ幅方向の外端部39Eは、クローラ本体12のクローラ幅方向の端部12E近傍に到達している。
一方、短ラグ40は、長ラグ39よりも全長が短く、長ラグ39の傾斜部39Aと同一方向に傾斜して延びている。また、短ラグ40は、クローラ幅方向外側の外端部40Eが長ラグ39の外端部39Eよりもクローラ幅方向内側に位置している。
また、図3に示すように、中心線CLを挟んでクローラ幅方向他方側(図3では右側)には、長ラグ41と短ラグ42とがクローラ周方向に交互に配置されている。また、長ラグ41と短ラグ42は、クローラ周方向に互いに隣接する芯金20間に配置されている
そして、長ラグ41は、短ラグ40とクローラ幅方向に隣接するように配置され、短ラグ42は、長ラグ39とクローラ幅方向に隣接するように配置されている。
長ラグ41は、クローラ幅方向内側がクローラ周方向に傾斜して延びる傾斜部41Aとされ、クローラ幅方向外側がクローラ幅方向に沿って直線状に延びる直線部41Bとされている。また、長ラグ41のクローラ幅方向の外端部41Eは、クローラ本体12のクローラ幅方向の端部12E近傍に到達している。
一方、短ラグ42は、長ラグ41よりも全長が短く、長ラグ41の傾斜部41Aと同一方向に傾斜して延びている。また、短ラグ42は、クローラ幅方向外側の外端部42Eが長ラグ41の外端部41Eよりもクローラ幅方向内側に位置している。
また、本実施形態では、長ラグ39の傾斜部39A、長ラグ41の傾斜部41A、短ラグ40、及び短ラグ42が同一方向に傾斜している。なお、本実施形態と異なる実施形態では、長ラグ39の傾斜部39A、長ラグ41の傾斜部41A、短ラグ40、及び短ラグ42の各傾斜方向を異ならせても構わない。
図3に示すように、長ラグ39のクローラ幅方向内側の内端部39C(中心線CL側の端部)と、短ラグ42のクローラ幅方向内側の内端部42C(中心線CL側の端部)とがクローラ周方向にずれた位置にあり、短ラグ40のクローラ幅方向内側の内端部40C(中心線CL側の端部)と、長ラグ41のクローラ幅方向内側の内端部41C(中心線CL側の端部)とがクローラ周方向にずれた位置にある。
クローラ幅方向に隣接する長ラグ39と短ラグ42は、内端部39Cと内端部42Cがクローラ周方向に対して傾斜して延びる連結リブ44によって連結されている。この連結リブ44は、クローラ本体12に、クローラ外周側に突出して形成されている。
一方、クローラ幅方向に隣接する長ラグ41と短ラグ40は、内端部41Cと内端部40Cがクローラ周方向に対して傾斜して延びる連結リブ45によって連結されている。この連結リブ45は、クローラ本体12に、クローラ外周側に突出して形成されている。
なお、本実施形態では、連結リブ44、45がともにクローラ周方向に対して同一方向に傾斜している。また、連結リブ44、45の傾斜方向は、短ラグ40、42の傾斜方向とは逆向きとなっている。
図6に示すように、連結リブ44の高さH1は、長ラグ39(本実施形態では長ラグ39、41、短ラグ40、42の高さは同じであり、これらのラグの高さを図中では符号H0で示す。)よりも低く設定されている。具体的には、連結リブ44の高さH1は、高さH0の20〜75%の範囲内に設定されている。連結リブ44の高さH1が、高さH0の20%未満の場合には、長ラグ39と短ラグ42のクローラ周方向及びクローラ幅方向の剛性を向上する効果が少なく、高さH1が、高さH0の75%を超えた場合には、クローラ周方向に隣接する連結リブ44、45間に入り込む泥土の量が増えてしまう。従って、連結リブ44の高さH1は、高さH0の20〜75%の範囲内に設定することが好ましい。また、連結リブ44の高さH1を、高さH0の25〜50%の範囲内に設定することでより好ましい結果が得られる。
また、上記と同様に、図5に示すように、連結リブ45の高さH2は、長ラグ41の高さH0よりも低く設定されている。具体的には、連結リブ45の高さH2は、長ラグ41の高さH0の20〜70%の範囲内に設定されている。連結リブ45の高さH2が、高さH0の20%未満の場合には、長ラグ41と短ラグ40のクローラ周方向及びクローラ幅方向の剛性を向上する効果が少なく、高さH2が、高さH0の75%を超えた場合には、クローラ周方向に隣接する連結リブ44、45間に入り込む泥土の量が増えてしまう。従って、連結リブ45の高さH2は、高さH0の20〜75%の範囲内に設定することが好ましい。また、連結リブ45の高さH2を、高さH0の25〜50%の範囲内に設定することでより好ましい結果が得られる。
図3に示すように、連結リブ44によって連結された長ラグ39及び短ラグ42は、頂面39Sのクローラ周方向一端部及び頂面42Sのクローラ周方向一端部がクローラ幅方向に沿って延びる第1直線SL1上に位置し、頂面39Sのクローラ周方向他端部及び頂面42Sのクローラ周方向他端部がクローラ幅方向に沿って延びる第2直線SL2上に位置している。
連結リブ45によって連結された長ラグ41及び短ラグ40は、頂面41Sのクローラ周方向一端部及び頂面40Sのクローラ周方向一端部がクローラ幅方向に沿って延びる第1直線SL3上に位置し、頂面41Sのクローラ周方向他端部及び頂面40Sのクローラ周方向他端部がクローラ幅方向に沿って延びる第4直線SL2上に位置している。
図3に示すように、長ラグ39の少なくとも連結リブ44側の部分(傾斜部39A)が連結リブ44の傾斜方向に対して逆向きに傾斜し、短ラグ42の全部が連結リブ44の傾斜方向に対して逆向きに傾斜している。また、長ラグ41の少なくとも連結リブ45側の部分(傾斜部41A)が連結リブ45の傾斜方向に対して逆向きに傾斜し、短ラグ40の全部が連結リブ45の傾斜方向に対して逆向きに傾斜している。
上記構成により、連結リブ44によって連結された長ラグ39及び短ラグ42と、連結リブ45によって連結された長ラグ41及び短ラグ40との間に形成される空間部(以下では、「溝部46」として記載する。)は、クローラ幅方向へ延びると共に複数のクローラ周方向への折れ曲がり部(以下では、「屈曲部」として記載する。)を有する。なお、本実施形態の溝部46は、図3に示すように、クローラ周方向の一方側と他方側へ交互に屈曲するジグザグ部を有している。
図5に示すように、クローラ本体12には、芯金20のクローラ外周側にクローラ周方向に沿って延びる無端帯状の補強層48が埋設されている。この補強層48は、ゴムクローラ10の張力を保持するためのものであり、クローラ周方向に沿って螺旋状に巻回された1本の補強コード又はクローラ周方向に沿って並列された複数本の補強コードをゴム被覆して形成されている。なお、本実施形態においては、補強層48の張力保持のために引っ張り強度に優れるスチールコードを補強コードとして用いているが、本発明はこの構成に限定されず、補強層48の張力を保持できるだけの引っ張り強度を有していれば、例えば、有機繊維などで構成したコードを補強コードとして用いてもよい。
次に、本実施形態のゴムクローラ10の作用について説明する。
図1に示すように、ゴムクローラ10では、スプロケット100の歯部100Bがクローラ本体12の係合凹部32に挿入係合した状態で、スプロケット100が回転することで、係合凹部32の凹壁面が歯部100Bにより押圧されて駆動力が伝達される。
また、ゴムクローラ10では、整地(例えば、舗装路など)走行時に、長ラグ39、41、短ラグ40、42(なお、以下では長ラグ39、41、短ラグ40、42を適宜各ラグ39〜41と記載する)がクローラ車の重量を支え、上記各ラグ39〜42の各頂面39S〜42Sと接地面(路面)との摩擦によって牽引力が発揮される。
一方、不整地(例えば、湿田など)走行時には、上記各ラグ39〜42がクローラ車の重量を支え、泥土に食い込んだ上記各ラグ39〜42が食い込んだ部分の泥土のせん断応力を利用して牽引力が発揮される。
また、ゴムクローラ10では、スプロケット100及びアイドラー(図示省略)に巻き掛けられた部分においてクローラ本体12がスプロケット100又はアイドラー(図示省略)の外周に沿って湾曲させられる。このようにクローラ本体12が湾曲すると、クローラ周方向に隣接する長ラグ39と短ラグ40の間隔、クローラ周方向に隣接する長ラグ41と短ラグ42の間隔、及びクローラ周方向に隣接する連結リブ44と連結リブ45の間隔が広くなる(すなわち、溝部46の幅が広がる)。
これにより、湿田などの不整地走行時にクローラ周方向に隣接する長ラグ39と短ラグ40との間、クローラ周方向に隣接する長ラグ41と短ラグ42との間、及びクローラ周方向に隣接する連結リブ44と連結リブ45との間に泥土が入り込んでも、泥土が入り込んだ部分が巻き掛け部分に到達し、上記長ラグ39と短ラグ40の間隔、上記長ラグ41と短ラグ42の間隔及び上記連結リブ44と連結リブ45の間隔が広くなることで、上記長ラグ39と短ラグ40との間、上記長ラグ41と短ラグ42との間、及び上記連結リブ44と連結リブ45との間から泥土が剥離される(すなわち、溝部46から泥土が剥離される)。
また、ゴムクローラ10では、連結リブ44で連結された長ラグ39と短ラグ42の各々の内端部39C、42Cがクローラ周方向にずれた位置にある。このため、巻き掛け部分においては、各々の内端部39C、42Cに湾曲方向(スプロケット100又はアイドラー(図示省略)の外周に沿った方向)に沿って相対的に離間する力が作用し、各々の内端部39C、42Cを連結する連結リブ44がねじられる。ここで、連結リブ44は、クローラ周方向に対して傾斜していることから、例えば、クローラ周方向に沿っているものと比べて、ねじられやすい。
また、上記と同様に、連結リブ45で連結された長ラグ41と短ラグ40の各々の内端部41C、40Cがクローラ周方向にずれた位置にある。このため、巻き掛け部分においては、各々の内端部41C、40Cに湾曲方向(スプロケット100又はアイドラー(図示省略)の外周に沿った方向)に沿って相対的に離間する力が作用し、各々の内端部41C、40Cを連結する連結リブ45がねじられる。ここで、連結リブ45は、クローラ周方向に対して傾斜していることから、例えば、クローラ周方向に沿っているものと比べて、ねじられやすい。
上述のように、巻き掛け部分において連結リブ44と連結リブ45がねじられることから、湿田などの不整地を走行しても、クローラ周方向に互いに隣接する連結リブ44と連結リブ45との間、及びその周囲に付着した泥土が効果的に剥離される。
以上のことから、ゴムクローラ10によれば、湿田などの不整地走行時に、クローラ周方向に隣接する長ラグ39と短ラグ40との間、クローラ周方向に隣接する長ラグ41と短ラグ42との間、及びクローラ周方向に隣接する連結リブ44と連結リブ45との間に入り込んで付着した泥土の剥離が促進される。すなわち、ゴムクローラ10の排土性が向上する。これにより、湿田などの不整地走行時におけるクローラ車の推進力が向上する。
また、ゴムクローラ10では、連結リブ44の高さH1及び連結リブ45の高さH2を、各ラグ39〜42の高さH0よりも低くしていることから、クローラ周方向に隣接する連結リブ44と連結リブ45との間に付着する泥土の量を減らすことができる。
ゴムクローラ10では、連結リブ44によって連結された長ラグ39と短ラグ42において頂面39Sのクローラ周方向一端部と頂面42Sのクローラ周方向一端部とが第1直線SL1上にあり、頂面39Sのクローラ周方向他端部と頂面42Sのクローラ周方向他端部とが第2直線SL2上にあることから、例えば、整地走行時において、連結された長ラグ39の頂面39Sと短ラグ42の頂面42Sのクローラ周方向一端部同士が同時に接地し(踏み込み)、クローラ周方向他端部同士が同時に接地面から離間する(蹴り出される)ため、走行時の振動が低減される。
また、上記と同様に、連結リブ45によって連結された長ラグ41と短ラグ40において頂面41Sのクローラ周方向一端部と頂面40Sのクローラ周方向一端部とが第1直線SL3上にあり、頂面41Sのクローラ周方向他端部と頂面40Sのクローラ周方向他端部とが第4直線SL4上にあることから、例えば、整地走行時において、連結された長ラグ41の頂面41Sと短ラグ40の頂面40Sのクローラ周方向一端部同士が同時に接地し(踏み込み)、クローラ周方向他端部同士が同時に接地面から離間する(蹴り出される)ため、走行時の振動が低減される。
また、図3に示すように、溝部46が、クローラ幅方向へ延びると共にクローラ周方向への複数の屈曲部を有することから、傾斜の付いた圃場などの不整地走行時には、上記溝部に入り込んで踏み固められた土塊と溝部の屈曲部(屈曲部を構成するラグの壁面または連結リブの壁面)とが当接して、当該土塊のせん断応力により弾性クローラの横すべりが抑制される。
一方、図3に示すように、ゴムクローラ10では、連結リブ44と、該連結リブ44によって連結された長ラグ39と短ラグ42とが、クローラ周方向に互いに隣接する芯金20の間に配置されている。また、連結リブ45と、該連結リブ45によって連結された長ラグ41と短ラグ40とが、クローラ周方向に互いに隣接する芯金20の間に配置されている。これにより、ゴムクローラ10のクローラ周方向の剛性が均一に近づくため、転輪通過面36を転動する転輪104からの上記剛性の段差(ムラ)に起因する振動が低減され、クローラ車の乗り心地が改善される。
そして、クローラ本体12に連結リブ44と連結リブ45を設けることにより、例えば、設けないものよりも牽引力が向上する。一方、連結リブ44により、長ラグ39と短ラグ42のクローラ周方向及びクローラ幅方向の剛性が向上し、連結リブ45により、長ラグ41と短ラグ40のクローラ周方向及びクローラ幅方向の剛性が向上する。特に、スプロケット100、アイドラー(図示省略)、及び転輪104から荷重を受ける上記各ラグ39〜42の各内端部39C〜42Cの摩耗やゴム欠けなどが抑制される。
[その他の実施形態]
第1実施形態では、長ラグ39、41が傾斜部39A、41Aをそれぞれ有し、短ラグ40、42がクローラ周方向に対して傾斜しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、中心線CLを挟んでクローラ周方向に左右交互に、クローラ幅方向に直線状に延びるラグを形成し(換言すると、直線状のラグをクローラ周方向に千鳥状に形成し)、これらのラグの内端部同士を連結リブで連結することで、第1実施形態と同様に排土性を向上することができる。
前述の実施形態では、クローラ本体12のクローラ幅方向中心線と芯金20のクローラ幅方向中心線が一致している構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、一致していなくても構わない。例えば、図8〜11に示すゴムクローラ50のように、芯金20のクローラ幅方向中心線CLが無端状のクローラ本体52のクローラ幅方向中心線に対してクローラ幅方向にずれていてもよい。このような構成のゴムクローラ50について以下に説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。図9に示すように、クローラ本体52には、中心線CLを挟んでクローラ幅方向一方側(図9では左側)に、短ラグ54がクローラ周方向に互いに隣接する芯金20間に位置するようにクローラ周方向に間隔をあけて複数配置され、中心線CLを挟んでクローラ幅方向他方側(図9では右側)に、長ラグ55と短ラグ56とがクローラ周方向に互いに隣接する芯金20間に位置するようにクローラ周方向に交互に配置されている。なお、図8〜11中の短ラグ54の符号54S、54C、54E(クローラ本体52の幅端52Eに到達)はそれぞれ短ラグ54の頂面、中心線CL側の内端部、外端部を示し、長ラグ55の符号55S、55C、55E(クローラ本体52の幅端52Eに到達)はそれぞれ長ラグ55の頂面、中心線CL側の内端部、外端部を示し、短ラグ56の符号56S、56C、56Eはそれぞれ短ラグ56の頂面、中心線CL側の内端部、外端部を示している。また、短ラグ54の内端部54Cと長ラグ55の内端部55Cとがクローラ周方向に傾斜する連結リブ58によって連結され、短ラグ54の内端部54Cと短ラグ56の内端部56Cとがクローラ周方向に傾斜する連結リブ57によって連結されている。なお、ゴムクローラ50も第1実施形態のゴムクローラ10と同様に排土性を向上させることができる。
また、前述した実施形態では、ゴムクローラ10、50を、補強層48で張力を保持する構成の弾性クローラとしているが、本発明はこの構成に限定されず、補強層48を用いずに、隣接する芯金20同士をリング状の連結部材で連結、又は、各芯金に形成した連結部同士を連結して、連結した芯金同士で弾性クローラの張力を保持する、所謂、リンク式の弾性クローラとしてもよい。
さらに、前述した実施形態では、弾性体の一例としてのゴム材でゴムクローラ10、50を構成しているが、本発明はこの構成に限定されず、ゴム以外のエラストマーなどでゴムクローラ10、50を構成してもよい。
またさらに、前述した実施形態では、芯金20を金属製としているが、本発明はこの構成に限定されず、ゴムクローラ10、50の仕様に対して十分な剛性を備えるならば、芯金20を例えば、樹脂製としてもよい。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
10 ゴムクローラ(弾性クローラ)
12 クローラ本体(クローラ本体)
20 芯金
39 長ラグ(ラグ)
39C 内端部(中心線側の端部)
40 短ラグ(ラグ)
40C 内端部(中心線側の端部)
41 長ラグ(ラグ)
41C 内端部(中心線側の端部)
42 短ラグ(ラグ)
42C 内端部(中心線側の端部)
44 連結リブ
45 連結リブ
50 ゴムクローラ(弾性クローラ)
52 クローラ本体
54 短ラグ(ラグ)
54C 内端部(中心線側の端部)
55 長ラグ(ラグ)
55C 内端部(中心線側の端部)
56 短ラグ(ラグ)
56C 内端部(中心線側の端部)
57 連結リブ
58 連結リブ
100 スプロケット(駆動輪)
S クローラ周方向
W クローラ幅方向
IN クローラ内周側
OUT クローラ外周側

Claims (4)

  1. 弾性体により無端帯状に形成され、内部にクローラ周方向に間隔をあけて複数の芯金が埋設され、駆動輪及び従動輪に巻き掛けられるクローラ本体と、
    前記クローラ本体にクローラ外周側に突設され、クローラ外周側から見て前記芯金のクローラ幅方向の中心線を挟んで両側にそれぞれ配置されると共にクローラ周方向に複数配置され、クローラ幅方向に互いに隣接する同士の前記中心線側の端部がクローラ周方向にずれた位置にあるラグと、
    前記クローラ本体にクローラ外周側に突設され、クローラ外周側から見てクローラ周方向に傾斜して延び、クローラ幅方向に互いに隣接する前記ラグの前記中心線側の端部同士を連結する連結リブと、
    を有する弾性クローラ。
  2. 前記連結リブは、高さが前記ラグよりも低い請求項1に記載に弾性クローラ。
  3. 前記連結リブによって連結された2つの前記ラグは、クローラ外周側から見て、各々の頂面のクローラ周方向一端部がクローラ幅方向に沿う第1直線上にあり、各々の頂面のクローラ周方向他端部がクローラ幅方向に沿う第2直線上にある請求項1又請求項2に記載の弾性クローラ。
  4. 前記ラグの少なくとも前記連結リブ側の部分は、前記連結リブの傾斜方向に対して逆向きに傾斜している請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
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