JP2012171945A - 油性分散体及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な分散安定性を示すとともに、環境負荷の低減と人体への安全性の向上を図る化粧料の提供。
【解決手段】天然物由来成分である下記式(1)で示されるマンノースと糖アルコールと脂肪酸で構成される糖脂質であるマンノシルエリスリトールリピッドを用いた表面処理顔料と、天然物由来でありかつ揮発性を有する油性溶媒と、天然物由来の多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸のエステル又はエーテルである分散剤よりなる油性分散体。
Figure 2012171945

【選択図】なし

Description

本発明は、天然物由来の原料にて構成された油性分散体と、この油性分散体を含有する化粧料に関するものである。
従来、化粧料用の顔料分散体は、ファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅などのメイクアップ化粧料や、サンスクリーン化粧料、乳液、クリームなどの基礎化粧料に配合して使用されている。また、これら化粧料に用いられる顔料には、耐水性を付与しラスティング性を向上させる目的で、あるいは使用時の感触を向上させる等の目的で各種化合物が表面被覆される。更に、それらの表面被覆処理顔料を油性媒体に分散させて顔料分散体とすることで、粉体のハンドリング性や高分散による機能性の向上が期待できる。
一般に、上述のような顔料分散体に用いられる分散剤や分散溶媒、更には顔料の表面処理剤としては、特許文献1に見られるように、シリコーンオイルやシリコーン変性物などの石油系由来の化学合成品が用いられている。勿論、このような分散体においても化粧料としての十分な機能を発現することができるが、近年、使用後の環境中に放出される量的環境負荷の問題、あるいは使用時の刺激性や臭いなど化学合成品特有の問題が指摘されている。また、分散剤として一般的に用いられているポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基を有するものは、粘膜や皮膚への刺激性が指摘されており、独自の自主規制などを設けているケースも存在する。
このような問題を解決するために、特許文献2,3に開示されているように、分散溶媒として水を用い、酸化エチレンが付加されていないグリセリン系の分散剤を使用した分散体や、特許文献4に開示されているように、分散溶媒に植物油を使用したものなどが検討されている。
しかし、水性分散体は化粧料での耐水性が低いという問題があり、また植物油を用いた場合には、媒体自体が高粘度であり配合上の制限があることや、揮発性が乏しいために皮膚塗布時のべたつきなどの問題があった。
国際公開WO97/45097号公報 特開2006−199598号公報 特開2008−081402号公報 特開2005−206573号公報
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、良好な分散安定性を示すとともに、環境負荷の低減と人体への安全性の向上を図ることのできる油性分散体及びそれを含有する化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前述の問題を解決すべく鋭意検討した結果、天然物由来の表面処理剤、分散溶媒、及び分散剤を用いて、従来の分散体同等の優れた分散性を保持した油性分散体が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
要するに、第1発明による油性分散体は、
(a)親油性表面処理剤として、天然物由来成分である下記化学式(1)で示されるマンノースと糖アルコールと脂肪酸で構成される糖脂質であるマンノシルエリスリトールリピッドを用いた表面処理顔料、
(b)天然物由来でありかつ揮発性を有する油性溶媒及び
(c)天然物由来の多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸のエステル又はエーテルである分散剤
よりなることを特徴とするものである。
Figure 2012171945
(式中、R,Rは炭素数6〜20の脂肪族アシル基を表し、同一であっても異なっていても良い。また、R,Rは水素又はアセチル基を表す。nは2〜4の整数である。)
また、第2発明による油性分散体は、
(a)親油性表面処理剤として、アシル化アミノ酸縮合物金属塩を用いた表面処理顔料、
(b)天然物由来でありかつ揮発性を有する油性溶媒及び
(c)天然物由来の多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸のエステル又はエーテルである分散剤
よりなることを特徴とするものである。
また、第3発明による化粧料は、第1発明又は第2発明の油性分散体を1〜95質量%含むことを特徴とするものである。
第1発明、第2発明によれば、良好な分散性を示し、低粘度で安定した分散体を得ることができ、しかも天然由来成分が用いられているので、環境負荷を低減することができるとともに、人体への安全性も向上させることができる。
また、第3発明によれば、第1発明又は第2発明の油性分散体が用いられているので、使用者に優しく、環境にも優しい安全な化粧料を得ることができる。
次に、本発明による油性分散体及びそれを含有する化粧料の具体的な実施の形態について説明する。
以下、本発明の油性分散体に用いられる親油性表面処理剤、油性溶媒及び分散剤について詳述する。
本発明で用いられる顔料としては、無機顔料、有機顔料及び樹脂粉体顔料があり、溶剤に溶解しない物質であれば特に限定されない。ここで、無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、群青、紺青、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、マイカ、セリサイト、タルク、シリカ、カオリン、水酸化クロム、カーボンブラック、ガラスフレーク、ガラスビーズ等が挙げられる。
また、有機顔料としては、リソールルビンB、レーキレッドC、リソールレッド、ローダミンB、へリンドンピンクCN、パーマネントレッド、ベンジルオレンジG、フタロシアニンブルー等が挙げられる。
また、樹脂粉体顔料としては、セルロースパウダー、ナイロンパウダー、アクリルパウダー、シリコーンレジンパウダー、ポリウレタンパウダー、四フッ化エチレンパウダー等が挙げられる。
次に、本発明で用いられる天然由来の親油性表面処理剤としては、
1)天然物由来成分である下記化学式(1)で示されるマンノースと糖アルコールと脂肪酸で構成される糖脂質であるマンノシルエリスリトールリピッド、又は
2)ジラウロイルグルタミン酸リシン塩等のアシル化アミノ酸塩が挙げられる。
ここで、それぞれの表面処理は更に他の天然物由来のリン脂質などのレシチンや、あるいは金属石鹸などの複数の表面処理剤を用いて混合処理、重複処理を行っても構わない。
Figure 2012171945
(式中、R,Rは炭素数6〜20の脂肪族アシル基を表し、同一であっても異なっていても良い。また、R,Rは水素又はアセチル基を表す。nは2〜4の整数である。)
次に、本発明で用いられる植物由来の分散剤としては、モノラウリン酸グリセライド、モノウンデシレン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルなどの脂肪酸モノグリセライド、ジステアリン酸グリセリルなどの高級脂肪酸ジグリセライド、高級脂肪酸トリグリセライドが挙げられる。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステル類としては、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル等、ポリヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸縮合物、1,2−ヒドロキシステアリン酸縮合物等の高級脂肪酸誘導体が挙げられる。
ここで、ポリグリセリン高級脂肪酸エステル類のポリグリセリンの重合度、高級脂肪酸のエステル化度にはこだわらないが、好ましくはポリグリセリンの重合度は2〜10、エステル化度は1〜10とするのが好ましい。また、分散溶媒との親和性より、分散剤の親水性、親油性の指標となるHLB値が8以下のもの、より好ましくはHLB値が5以下のものを使用することにより、顔料を効率良く分散溶媒中へ分散させることができる。さらに、分散剤は前述の表面処理剤として使用することもできる。
次に、混合される植物油脂由来の分散溶剤としては、ドデカン、テトラデカン、セチルアルカン、ステアリルアルカンなどの炭化水素等、植物油とそれらの水素添加等により得られる溶剤が挙げられる。しかしながら化粧料に配合して使用した際の使用感、メイク落としの簡便性などの観点より、常温で粘度が500mPa・s以下程度の液体であり、さらに体温前後の30〜45℃の範囲において揮発性を有するものが最も好ましい。
前述の分散体に配合される顔料は分散体中に10〜70質量%配合されるのが好ましい。70質量%を超えると分散体の粘度が高くなり過ぎ、10質量%未満では、分散された顔料の機能が効率良く発揮できない。
また、表面処理剤の配合量は、顔料質量に対して0.5〜10質量%であるのが好ましく、より好ましくは1〜5質量%であり、この場合に最も分散安定性が高い。この配合量が0.5質量%未満では、分散溶媒との親和性に乏しく分散性が効率良く発揮できない。
さらに、分散剤は、0.1〜30質量%の間で自由に処方することができるが、好ましくは分散体に対して1〜20質量%配合されるのが良い。20質量%を超えると、当該分散体を処方した化粧料の感触がべたつき、好ましくない。
本発明の分散体を調製する方法としては、湿式ビーズミル、ホモミキサー、ディスパー、ニーダー、混練押出機、ロールミル等の各種分散機が使用できるが、湿式ビーズミルがより好ましい。特に、このような装置を使用して、パス回数を10パス以上にすることで、顔料の凝集粒子は粉砕されながら分散され、微粒子化されるため分散安定性がさらに向上する。
次に、本発明による油性分散体の具体的な実施例を製造例と共に挙げ、更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるのもではない。
(実施例1)
微粒子酸化亜鉛(住友大阪セメント社製 ZnO−650)97質量%、マンノシルエリスリトールリピッド(東洋紡社製 サーフメロウ)3質量%をイソプロパノール中で混合し溶剤除去したあと、110℃で6時間熱処理し表面処理顔料を得た。この表面処理顔料50質量%に(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル−4を10質量%、ドデカン40質量%を加え、湿式ビーズミル(アシザワ・ファインテック社製 スターミルナノゲッターDMS−65)にて混合した。撹拌は、φ0.3のジルコニアビーズを充填率50%加えて、アジテータ周速10m/s、ポンプ流量200g/minにて実施した。
(実施例2)
実施例1と同じ微粒子酸化亜鉛99質量%、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム(旭化成ケミカルズ社製 ペリセアL−30)3.45質量%を水中で混合し、塩化マグネシウム・六水和物水溶液を加えて塩基性としたのち、塩酸により中和、水洗、ろ過を行い、アシル化アミノ酸塩処理酸化亜鉛を得た。この表面処理酸化亜鉛に、分散剤としてペンタイソステアリン酸ポリグリセリル−10を10質量%用いて実施例1と同様の方法にて分散体を作成した。
(比較例1)
同上の微粒子酸化亜鉛92質量%、メチルハイドロジェンジメチコン(信越化学工業製 KF−9901)8質量%をイソプロパノール中で混合し溶剤除去したあと、220℃で8時間熱処理し、シリコーン処理顔料を得た。この表面処理顔料50質量%に(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル−4を分散剤として10質量%添加し、実施例1と同様の方法にて分散体を作成した。
(比較例2)
比較例1と同様の方法にて得たシリコーン処理顔料50質量%に、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル−10を分散剤として10質量%添加し、実施例1と同様の方法にて分散体を作成した。
(比較例3)
比較例1と同様の方法にてシリコーン処理顔料を得た。この表面処理顔料50質量%に(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル−4を分散剤として10質量%添加し、デカメチルシクロペンタシロキサン(信越化学工業社製 KF−995)を分散溶媒として実施例1と同様の方法にて分散体を作成した。
上記のようにして得られた分散体について、粉体の分離状況を観察した。また、分散体の粒度分布、光線透過率、粘度の経時変化にて分散性を評価した。さらに、各分散体を20%濃度でサンスクリーン剤に処方し、肌塗布時の感触についての官能評価、及びサンスクリーン製剤としての化粧品安定性を評価した。この結果を表1に示す。
Figure 2012171945
表1に示される結果から明らかなように、天然由来原料による表面処理顔料、天然由来分散剤及び天然由来溶剤を用いた分散体は、良好な分散性を示し、低粘度で安定した分散体が得られることがわかる。これに対して、シリコーン系処理顔料を用いた場合は、同じ分散剤では天然由来溶媒、シリコーン系溶媒にかかわらず、高粘度であり経時安定性も非常に悪いものであった。
また、化粧料としての評価についても同様に、分散安定性の高い実施例1,2において良好な結果を得ることができた。比較例1〜3については、分散体がゲル化したため、一部の評価しか実施できなかった。
本発明の油性分散体は、良好な分散安定性を示し、化粧料に配合した際にも良好な特性を発揮することができ、しかも、環境負荷の低減及び人体への安全性の向上に極めて有効であることから、ファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅などのメイクアップ化粧料あるいはサンスクリーン化粧料、乳液、クリームなどの基礎化粧料に広く利用することができる。

Claims (3)

  1. (a)親油性表面処理剤として、天然物由来成分である下記化学式(1)で示されるマンノースと糖アルコールと脂肪酸で構成される糖脂質であるマンノシルエリスリトールリピッドを用いた表面処理顔料、
    (b)天然物由来でありかつ揮発性を有する油性溶媒及び
    (c)天然物由来の多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸のエステル又はエーテルである分散剤
    よりなることを特徴とする油性分散体。
    Figure 2012171945
    (式中、R,Rは炭素数6〜20の脂肪族アシル基を表し、同一であっても異なっていても良い。また、R,Rは水素又はアセチル基を表す。nは2〜4の整数である。)
  2. (a)親油性表面処理剤として、アシル化アミノ酸縮合物金属塩を用いた表面処理顔料、
    (b)天然物由来でありかつ揮発性を有する油性溶媒及び
    (c)天然物由来の多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸のエステル又はエーテルである分散剤
    よりなることを特徴とする油性分散体。
  3. 請求項1又は2に記載の油性分散体を1〜95質量%含むことを特徴とする化粧料。
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