JP2012172365A - 案内軌条設備、その設計方法、その施工方法、その設計支援プログラム - Google Patents

案内軌条設備、その設計方法、その施工方法、その設計支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】軌道式車両の案内輪が接触する案内軌条と、案内軌条を支える複数の軌条支持材とを備えている案内軌条設備の材料コストや施工コストを低減する。
【解決手段】案内軌条設備に対する外力条件を用いて、予め定められた強度条件を満たす案内軌条設備の第一構造仕様を定めてから、第二構造仕様を定める。第二構造仕様では、第一構造仕様で定まる案内軌条の固有振動数fが、車両の走行速度で定まる案内軌条の起振周波数fよりも高い領域Aでは、固有振動数fが起振周波数f以下にならない範囲内で、第一構造仕様における隣合う軌条支持材の相互間の間隔sを(s+a)、(s+a)、…に広げる。
【選択図】図12

Description

本発明は、軌道式車両の案内輪が接する案内軌条と該案内軌条を支える複数の軌条支持材とを備えている案内軌条設備、案内軌条設備の設計方法、案内軌条設備の施工方法、案内軌条設備の設計支援プログラムに関する。
近年、バスや鉄道以外の新たな交通手段として、新交通システムが注目されている。このような新交通システム(Automated People Mover,Automated Transit Systems)の一種としては、ゴムタイヤからなる走行輪を有する車両を軌道上で走行させるものが知られている。
この種の車両は、案内輪を備えており、この案内輪が走行路に沿って設けられている案内軌条に接することで、走行方向が規制されている。
案内軌条は、例えば、以下の特許文献1に記載されているように、走行路に沿って設けられている複数の軌条支持材により支持されている。
特開2003−213603号公報
案内軌条及び複数の軌条支持材を有する案内軌条設備は、他の各種設備と同様、予め定められている強度条件を満たしつつも、できる限り、その材料コストや施工コストを抑えることができるものが望まれている。
そこで、本発明は、予め定められている強度条件を満たしつつも、その材料コストや施工コストを抑えられることができる案内軌条設備、案内軌条設備の設計方法、案内軌条設備の施工方法、案内軌条設備の設計支援プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための発明に係る案内軌条設備の設計方法は、
軌条式車両の案内輪が接する案内軌条と、該案内軌条を支える複数の軌条支持材と、を備えている案内軌条設備の設計方法において、前記案内軌条設備に対する外力条件を用いて、予め定められた強度条件を満たす該案内軌条設備の第一構造仕様を定める第一構造仕様設定工程と、前記第一構造仕様で定まる前記案内軌条の固有振動数を求める固有振動数算出工程と、前記案内軌条が延在する方向の各位置における前記軌条式車両の予定走行速度を用いて、前記案内輪の接触による該各位置の該案内軌条の起振周波数を求める起振周波数算出工程と、前記強度条件を満たす範囲内で、前記第一構造仕様を、前記位置毎に、当該位置での前記起振周波数と前記固有振動数とが近似することによる共振を避ける第二構造仕様に変更する仕様変更工程と、を実行することを特徴とする。
当該設計方法では、車両の予定走行速度を考慮して、第一構造仕様から、案内軌条の固有振動数と起振周波数とが近似することによる共振を避ける第二構造仕様に変更しているので、案内軌条及び軌条支持材の剛性を不必要に高くしておく必要性や軌条支持材の相互間隔を不必要に小さくしておく必要性がなくなり、案内軌条設備の材料コストや施工コストを抑えることができる。
ここで、前記案内軌条設備の設計方法において、前記仕様変更工程では、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置のうち、前記案内軌条の前記固有振動数が前記起振周波数よりも高い位置に関しては、該固有振動数が該起振周波数以下にならない範囲で、当該位置での該案内軌条の該固有振動数を低くする前記第二構造仕様に変更してもよい。また、前記仕様変更工程では、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置のうち、前記案内軌条の前記固有振動数が前記起振周波数以下の位置に関しては、当該位置での該固有振動数を当該位置での該起振周波数より高くする前記第二構造仕様に変更してもよい。
当該設計方法では、いずれの位置でも案内軌条の固有振動数が車両の予定走行速度で定める起振周波数よりも高いので、仮に、緊急時等において、車両の走行速度が予定走行速度よりも低くなり、案内軌条の起振周波数が低くなっても、固有振動数と起振周波数との共振を避けることができる。
また、前記案内軌条設備の設計方法において、前記仕様変更工程では、前記軌条支持材の相互間隔と、該軌条支持材の剛性と、前記案内軌条の剛性とのうち、少なくとも1つを変更して、該案内軌条の前記固有振動数を変えてもよい。なお、ここでの軌条支持材の剛性には、案内軌条と軌条支持材の接続剛性及び軌条支持材と設置場所との接合剛性を含んでいる。
また、前記案内軌条設備の設計方法において、前記仕様変更工程では、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置のうち、前記案内軌条の固有振動数が前記起振周波数よりも高い位置に関しては、該固有振動数が該起振周波数以下にならない範囲で、前記軌条支持材の相互間隔を広げる前記第二構造仕様に変更してもよい。このように、前記軌条支持材の相互間隔を広げた際には、広げた該相互間隔で前記強度条件を満たすか否かを判断し、該強度条件を満たすと判断した場合に、該広げた該相互間隔を前記第二構造仕様の一つに含めることが好ましい。
当該設計方法では、軌条支持材の相互間隔が広がる結果、軌条支持材の数量が減り、案内軌条設備の材料コストや施工コストを削減することができる。
また、前記案内軌条設備の設計方法において、前記仕様変更工程では、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置のうち、前記案内軌条の固有振動数が前記起振周波数以下の位置に関しては、前記軌条支持材の剛性と前記案内軌条の剛性とのうち、少なくとも一方を高めて、当該位置での該固有振動数を当該位置での該起振周波数より高くする前記第二構造仕様に変更してもよい。
当該設計方法では、軌条支持材の剛性と案内軌条の剛性とのうち、少なくとも一方を高めて、案内軌条の固有振動数を高めるため、軌条支持材の数量の増加を抑えることができる。このため、案内軌条設備の材料コスト及び施工コストの増加を最小限に抑えることができる。
上記目的を達成するための発明に係る案内軌条設備の施工方法は、
前記案内軌条設備の設計方法で、前記第二構造仕様を定める設計工程と、前記設計工程で定めた前記第二構造仕様で、前記案内軌条設備を目的の走行路に沿って設置する工事工程と、を実行することを特徴とする。
当該施工方法でも、前記設計方法と同様、車両の予定走行速度を考慮して、第一構造仕様から、案内軌条の固有振動数と起振周波数とが近似することによる共振を避ける第二構造仕様に変更しているので、案内軌条及び軌条支持材の剛性を不必要に高くしておく必要性がなくなり、案内軌条設備の材料コストや施工コストを抑えることができる。
上記目的を達成するための発明に係る案内軌条設備の設計支援プログラムは、
軌条式車両の案内輪が接する案内軌条と、該案内軌条を支える複数の軌条支持材と、を備えている案内軌条設備の設計支援プログラムにおいて、前記案内軌条設備に対する外力条件に対して、予め定められた強度条件を満たす該案内軌条設備の第一構造仕様を取得し、該強度条件と共に該第一構造仕様をコンピュータの記憶装置に記憶する第一構造仕様取得ステップと、前記案内軌条が延在する方向の各位置における前記軌条式車両の予定走行速度を受け付けて、前記記憶装置に記憶する走行速度受付ステップと、前記第一構造仕様で定まる前記案内軌条の固有振動数を求める固有振動数算出ステップと、前記走行速度受付ステップで受け付けた前記各位置の前記予定走行速度を用いて、前記案内輪の接触による該各位置の前記案内軌条の起振周波数を求める起振周波数算出ステップと、前記記憶装置に記憶されている前記強度条件を満たす範囲内で、前記第一構造仕様を、前記位置毎に、当該位置での前記起振周波数と前記固有振動数とが近似することによる共振を避ける第二構造仕様に変更し、該第二構造仕様を該記憶装置に記憶する仕様変更ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
当該設計支援プログラムでは、当該プログラムの実行により、前記設計方法と同様、車両の予定走行速度が考慮されて、第一構造仕様から、案内軌条の固有振動数と起振周波数とが近似することによる共振を避ける第二構造仕様に変更されるので、案内軌条及び軌条支持材の剛性を不必要に高くしておく必要性がなくなり、案内軌条設備の材料コストや施工コストを抑えることができる。
ここで、前記案内軌条設備の設計支援プログラムにおいて、
前記仕様変更ステップでは、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置毎に、当該位置での前記案内軌条の前記固有振動数が当該位置での前記起振周波数よりも高い位置か否かを判断する周波数判断ステップと、前記案内軌条の前記固有振動数が前記起振周波数よりも高い位置に関しては、該固有振動数が該起振周波数以下にならない範囲で、当該位置での該固有振動数を低くする前記第二構造仕様に変更する周波数ダウン処理ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
当該設計支援プログラムでは、当該プログラムの実行により、案内軌条の固有振動数が車両の予定走行速度で定める起振周波数よりも高く設定されるので、仮に、緊急時等において、車両の走行速度が予定走行速度よりも低くなり、案内軌条の起振周波数が低くなっても、固有振動数と起振周波数との共振を避けることができる。
また、前記案内軌条設備の設計支援プログラムにおいて、
前記周波数ダウン処理ステップでは、当該位置での前記固有振動数を低くするために、前記軌条支持材の相互間隔を広げてもよい。この場合、前記仕様変更ステップでは、前記周波数ダウン処理ステップで広げた前記相互間隔で前記強度条件を満たすか否かを判断する強度判断ステップと、前記強度条件を満たすと判断した場合に、前記広げた該相互間隔を前記第二構造仕様の一つとして、前記記憶装置に記憶する記憶ステップと、をコンピュータに実行させることが好ましい。
当該設計支援プログラムでは、当該プログラムの実行により、軌条支持材の相互間隔が広げられる結果、軌条支持材の数量が減り、案内軌条設備の材料コストや施工コストを削減することができる。
また、前記案内軌条設備の設計支援プログラムにおいて、
前記仕様変更ステップでは、前記周波数判断ステップで、前記案内軌条の当該位置での前記固有振動数が当該位置での前記起振周波数よりも高くないと判断された位置に関して、当該位置での固有振動数を当該位置での該起振周波数より高くする前記第二構造仕様に変更する周波数アップ処理ステップを、前記コンピュータに実行させてもよい。
当該設計支援プログラムでは、当該プログラムの実行により、案内軌条の固有振動数が車両の予定走行速度で定める起振周波数よりも高く設定されるので、仮に、緊急時等において、車両の走行速度が予定走行速度よりも遅くなり、案内軌条の起振周波数が低くなっても、固有振動数と起振周波数とが近似することによる共振を避けることができる。
この場合、前記周波数アップ処理ステップでは、当該位置での前記案内軌条の固有振動数を高めるために、前記軌条支持材の剛性と前記案内軌条の剛性とのうち、少なくとも1つの剛性を高める前記第二構造仕様に変更してもよい。このプログラムの実行では、軌条支持材の剛性と案内軌条の剛性とのうち、少なくとも一方を高めて、案内軌条の固有振動数を高めるため、軌条支持材の数量の増加を抑えることができる。このため、案内軌条設備の材料コスト及び施工コストの増加を最小限に抑えることができる。
上記目的を達成するための発明に係る案内軌条設備は、
軌条式車両の案内輪が接する案内軌条と、該案内軌条に沿って配置され、該案内軌条を支える複数の軌条支持材と、を備えている案内軌条設備において、前記案内軌条が延在する方向の各位置の前記軌条式車両の予定走行速度で定まる、前記案内輪の接触による各位置の該案内軌条の起振周波数が、いずれの位置でも該案内軌条の固有振動数よりも低く、前記案内軌条が延在する方向には、隣接する二つの前記軌条支持材の相互間隔が予め定められた初期設定間隔と同じである間隔維持領域と、該相互間隔が該初期設定間隔より広い間隔拡大領域とがある、ことを特徴とする。
ここで、前記案内軌条設備において、前記間隔維持領域中の少なくとも一部の領域内の前記軌条支持材の剛性は、前記間隔拡大領域内の該軌条支持材の剛性よりも高くてもよい。この場合、例えば、前記間隔拡大領域内の前記軌条支持材が、複数の部材が接合されて構成されているときには、前記間隔維持領域中の少なくとも一部の領域内の前記軌条支持材は、前記間隔拡大領域内の前記軌条支持材を構成する前記複数の部材と、該複数の部材のうちのいずれか2つの部材の接合部分を補強する補強部材と、を有してもよい。また、前記間隔維持領域中の少なくとも一部の領域内の前記案内軌条の剛性は、前記間隔拡大領域内の該案内軌条の剛性よりも高くてもよい。さらに、前記間隔拡大領域では、隣接する二つの前記軌条支持材の相互間隔として、前記初期設定間隔より広い複数の間隔があってもよい。
当該案内軌条設備では、案内軌条の共振を避けつつも、間隔拡大領域があるので、軌条支持材の数量を減らすことができ、案内軌条設備の材料コスト及び施工コストを削減することができる。
本発明では、車両の予定走行速度を基に、案内軌条の固有振動数と起振周波数とが近似することによる共振を避ける案内軌条設備を提供できるため、案内軌条及び軌条支持材の剛性を不必要に高くしておく必要性や、軌条支持材の相互間隔を不必要に小さくしておく必要性がなくなり、案内軌条設備の材料コストや施工コストを抑えることができる。
本発明に係る一実施形態における車両の走行装置の側面図である。 本発明に係る一実施形態における車両の走行装置の平面図である。 本発明に係る一実施形態における車両の走行装置の正面図である。 本発明に係る一実施形態における第一構造仕様の案内軌条及び軌条支持材の平面図である。 本発明に係る一実施形態における第一構造仕様の案内軌条及び軌条支持材の正面図である。 本発明に係る一実施形態における第一構造仕様の案内軌条設備の要部平面図である。 本発明に係る一実施形態における設計支援装置の構成図である。 本発明に係る一実施形態における設計方法の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態における設計支援装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態における車両の運行計画を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における第一構造仕様の案内軌条設備の各位置での案内軌条の固有振動数と起振周波数との関係を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における第二構造仕様の案内軌条設備の各位置での案内軌条の固有振動数と起振周波数との関係を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における支持定数テーブルの構成を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における構造仕様テーブルの構成を示す説明図である。 本発明に係る一実施形態における仕様2の案内軌条及び軌条支持材を示し、同図(A)は同案内軌条及び軌条支持材の平面図で、同図(B)は同案内軌条及び軌条支持材の正面図である。 本発明に係る一実施形態における仕様3の案内軌条及び軌条支持材を示し、同図(A)は同案内軌条及び軌条支持材の平面図で、同図(B)は同案内軌条及び軌条支持材の正面図である。 本発明に係る一実施形態における仕様4の案内軌条及び軌条支持材を示し、同図(A)は同案内軌条及び軌条支持材の平面図で、同図(B)は同案内軌条及び軌条支持材の正面図である。 本発明に係る一実施形態における他の案内軌条設備を示し、同図(A)は同案内軌条設備の要部平面図で、同図(B)は同案内軌条設備の正面図である。 振動数比と振幅倍率との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る案内軌条設備、その設計方法、その施工方法、その設計支援プログラムの実施形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施形態の案内軌条設備を利用する車両について、図1〜図3を用いて説明する。
本実施形態の車両は、側方案内軌条式の新交通システムの車両である。この車両は、車体1と、車体1の下面に固定されている台枠2と、この台枠2の下部の前後それぞれに設けられている走行装置Tと、を備えている。走行装置Tは、左右一対の走行タイヤ3と、この一対の走行タイヤ(走行輪)3を連結する車軸5と、車軸5及び一対の走行タイヤ3を支える懸架装置10と、車両の両側に設置されている側方案内軌条30に沿った方向に走行タイヤ3を向かせる操舵案内装置20と、を備えている。
懸架装置10は、車軸5を支える台車枠11と、台車枠11と車体1の台枠2との間に配置されている左右一対の空気バネ19と、台車枠11を上下方向に変位可能に支える複数のリンク14及び左右一対の懸架枠15と、を備えている。
台車枠11は、平面視で、前後方向に延在する一対の縦梁部12aと一対の縦梁部12aを接続する横梁部12bを有する本体12と、一対の縦梁部12aのそれぞれから下方に垂下している垂下部13と、を有している。車軸5は、この台車枠11の左右一対の垂下部13に取り付けられている。
左右一対の懸架枠15は、それぞれ、台車枠11の左右一対の垂下部13の後側に位置に配置されている。この懸架枠15と台車枠11とは、上下に並び、互いに平行な2本のリンク14により連結されている。これらのリンク14の一方の端部は、懸架枠15とピン結合し、これらのリンク14の他方の端部は、台車枠11とピン結合している。
本実施形態において、懸架枠15と台車枠11と2本のリンク14は、これらを4リンクとした平行リンク機構を構成している。このため、台車枠11は、懸架枠15に対する向きを変えずに、上下動することができる。また、2本のリンク14は、走行タイヤ3の駆動力や減速力を車体1に伝えるための牽引ロッドとしての役目も担っている。
操舵案内装置20は、走行タイヤ3の操舵軸となるキングピン(不図示)と、このキングピンを基準として走行タイヤ3と一体的に揺動するナックルアーム28(図2)と、車幅方向に延在し、懸架装置10の前側に配置されている案内ロッド21と、案内ロッド21の両端部に設けられている案内輪22と、車幅方向に案内ロッド21を変位可能に台車枠11の本体12に連結する連結板23及び回動アーム24と、左右一対の走行タイヤ3のうち一方の走行タイヤ3のナックルアーム28の一方の端部と連結板23とを連結する連結ロッド25と、一方の走行タイヤ3のナックルアーム28の他方の端部と他方の走行タイヤ3のナックルアーム28の端部とを連結するタイロッド26と、を備えている。
連結ロッド25の一方の端部は、連結板23とピン結合され、他方の端部は、左右一対の走行タイヤ3のうち一方の走行タイヤ3のナックルアーム28の一方の端部とピン結合されている。また、タイロッド26の両端部は、それぞれ、一対の走行タイヤ3の各ナックルアーム28の端部とピン結合されている。
操舵案内装置20の案内輪22が、側方案内軌条30に接して、この側方案内軌条30から横方向の荷重を受けると、案内ロッド22が車幅方向に変位する。この案内ロッド21の車幅方向の変位は、連結板23及び連結ロッド25を介して、一方の走行タイヤ3のナックルアーム28に伝えられ、この一方の走行タイヤ3及びナックルアーム28は、キングピンを基準にして揺動する。また、この一方の走行タイヤ3のナックルアーム28の揺動は、タイロッド26を介して、他方の走行タイヤ3のナックルアーム28に伝えられ、この他方の走行タイヤ3及びナックルアーム28も、一方の走行タイヤ3と同様に、キングピンを基準にして揺動する。
なお、図1〜図3は、いずれも、車両の前側の走行装置Tを示しており、車両の後側の走行装置は、前側の走行装置Tに対して、前後方向が逆になっている。このため、前側の走行装置Tでは、例えば、台車枠11の垂下部13の後側に、懸架枠15が位置しているが、後側の走行装置では、台車枠11の垂下部13の前側に、懸架枠15が位置している。また、前側の走行装置Tでは、懸架装置10の前側に、操舵案内装置20の案内ロッド21及び案内輪22が配置されているが、後側の走行装置では、懸架装置10の後側に、操舵案内装置20の案内ロッド21及び案内輪22が配置されている。
次に、本実施形態の案内軌条設備について、図4〜図6を用いて説明する。なお、図4〜図6に示す案内軌条設備は、最終的に施工される第二構造仕様の案内軌条設備ではなく、設計段階の初期における第一構造仕様の案内軌条設備である。
案内軌条設備は、図6に示すように、以上で説明した車体1の両側に配置される一対の側方案内軌条(以下、単に案内軌条とする)30と、案内軌条30を支持する複数の軌条支持材40と、を備えている。複数の軌条支持材40は、第一構造仕様では、案内軌条30が伸びている方向に沿って、等間隔s、例えば、数メートル間隔で設けられている。なお、第一構造仕様における複数の軌条支持材の相互の間隔は、等間隔でなくてもよい。
図4及び図5に示すように、案内軌条30として、ここでは、H型鋼を用いている。案内軌条30には、車両の走行路に沿って、互いに対向する一対のフランジ31a,31bが鉛直方向を向き、一対のフランジ31a,31b間のウェブ33が水平方向を向くよう配置されている。案内軌条30であるH型鋼の走行路内側を向くフランジ(以下、内側フランジとする)31aの面であって、走行路外側を向くフランジ(以下、外側フランジとする)31bから遠い側の面は、案内輪22が接触する接触面32を成す。
軌条支持材40は、H型鋼で形成されているポスト41と、案内軌条30の外側フランジ31bが接する軌条サポートプレート45と、ポスト41と軌条サポートプレート45とを連結する連結具46と、案内軌条30を軌条サポートプレート45に取り付けるためのクランプ50と、ポスト41が固定されるベースプレート55と、ベースプレート55を設置場所に固定するアンカーボルト56と、を有している。
ポスト41は、その長手方向が鉛直方向を向き、且つポスト41の一対のフランジ42a,42bのうちの一方のフランジ(以下、取付フランジとする)42aが案内軌条30の外側フランジ31bと対向するよう、配置されている。
軌条サポートプレート45は、案内軌条30の外側フランジ31bとポスト41の取付フランジ42aとの間に配置されている。この軌条サポートプレート45は、ポスト41の取付フランジ42aと平行に且つ間隔を空けて、4つの連結具46により連結されている。連結具46は、ボルト47と、このボルト47に捩じ込まれた状態で軌条サポートプレート45を挟み込む一対のプレート挟込みナット48と、このボルト47に捩じ込まれた状態でポスト41の取付フランジ42aを挟み込む一対のフランジ挟込みナット49と、を有している。
クランプ50は、互いに対向する一対のクランププレート51と、一対のクランププレート51の間隔を調節するためのボルト52及びナット53と、を有している。案内軌条30の外側フランジ31bは、軌条サポートプレート45と共に、一対のクランププレート51に挟持されて、この軌条サポートプレート45を介して、ポスト41に取り付けられている。
案内軌条30は、ポスト41と軌条サポートプレート45とを連結する連結具46のボルト47に対して、プレート挟込みナット48又はフランジ挟込みナット49の捩じ込み量を変えることで、ポスト41との間の距離を調整することができる。
次に、図8に示すフローチャートに従って、本実施形態の案内軌条設備の設計手順について説明する。
まず、案内軌条設備に対する外力条件を用いて、予め定められた強度条件を満たす案内軌条設備の第一構造仕様を定める(S1)。具体的に、案内輪22から案内軌条30が受ける衝撃荷重(外力条件)を用いて、案内軌条30の仕様を定める。この仕様には、案内軌条30を形成するH型鋼の各部の寸法等が含まれる。さらに、具体的に、例えば、この案内軌条30から軌条支持材40が受ける衝撃荷重を用いて、軌条支持材40の相互間隔、軌条支持材40のポスト41の仕様、各種ボルト及びナットの仕様、軌条サポートプレート45の仕様、ベースプレート55を設置場所に固定するためのアンカーボルト56の仕様等を定める。
次に、第一構造仕様で定まる案内軌条30の固有振動数fを求める(S2)。なお、この固有振動数fの具体的な求め方については後述する。
次に、案内軌条30が延在する方向の各位置における車両の予定走行速度を用いて、案内輪22の接触による各位置の起振周波数fを求める(S3)。なお、各位置における車両の予定走行速度は、車両の運行計画から知ることができる。また、この起振周波数fの具体的な求め方についても後述する。
最後に、前述の第一構造仕様を、案内軌条30が延在する方向の位置毎に、当該位置での起振周波数fと固有振動数fとが近似することによる共振を避ける第二構造仕様に変更する。例えば、図6に示すように、軌条支持材40の第一構造仕様における間隔sを、この間隔sに予め定めている刻み幅aを足した間隔(s+a)に変更する。このとき、a>0とする。
以上で、案内軌条設備の設計工程が終了する。なお、以上の設計工程中、固有振動数算出工程(S2)、起振周波数算出工程(S3)、仕様変更工程(S4)は、いずれも、設計支援装置により実行される。
次に、本実施形態の案内軌条設備の設計支援装置について、図7を用いて説明する。
この設計支援装置60は、コンピュータである。このコンピュータは、コンピュータ本体61と、表示装置71と、キーボードやマウス等の入力装置72と、を有している。
コンピュータ本体61は、各種演算を実行するCPU62と、各種データが予め記憶されているROM63と、CPU62のワークエリア等になるRAM64と、外部記憶装置であるハードディスクドライブ装置65と、表示装置71や入力装置72が接続されるIOインタフェース66と、CDやDVD等のディスク記憶媒体74に対してデータの記録・再生を行うディスク媒体記録・再生装置67と、インターネット網75等を介して外部装置と通信する通信装置68と、を有している。
ハードディスクドライブ装置65には、設計支援プログラム65hが予め格納されている。この設計支援プログラム65hは、これが記録されているディスク記憶媒体74から取得してもよいが、通信装置68を介して外部から取得してもよい。
ハードディスクドライブ装置65には、さらに、案内軌条設備の設計段階で、前述の第一構造仕様設定工程(S1)で定められた第一構造仕様65a、案内軌条設備の外力条件65b、案内軌条設備の強度条件65c、支持定数65d、案内輪間隔65e、車両の運行計画65f、前述の仕様変更工程(S4)で定められた第二構造仕様65gが、順次格納される。なお、ハードディスクドライブ装置65に格納されるこれらのデータの詳細に関しては、後述する。
CPU62は、機能的に、第二構造仕様を定めるために必要なデータを取得するデータ取得部62aと、案内軌条30の固有振動数を算出する固有振動数算出部62bと、案内軌条30の起振周波数を求める起振周波数算出部62cと、第一構造仕様を変更して第二構造仕様を定める仕様変更部62dと、第二構造仕様等を出力する仕様出力部62eと、を有している。なお、これらの各機能部62a〜62eは、いずれも、ハードディスクドライブ装置65に格納されている設計支援プログラム65hをCPU62が実行することで機能する。
次に、図9に示すフローチャートに従って、設計支援装置60の動作について説明する。
まず、設計支援装置60のデータ取得部62aが、第二構造仕様を定めるために必要なデータを取得する(S10)。データ取得部62aは、表示装置71に、この設計支援装置60を扱う設計者等が入力しなければならないデータ種を表示させ、設計者等によるデータ入力を促す。設計者等が、この表示を見て、ディスク媒体記録・再生装置67、入力装置72、通信装置68等のいずれから全データを入力すると、データ取得部62aは、これらのデータをハードディスクドライブ装置65に格納する。
具体的に、データ取得部62aは、第一構造仕様65aとして、例えば、案内軌条30の全長(≒走行路の全長)L、軌条支持材40の間隔s、案内軌条30のヤング率E、案内軌条30の密度ρ、案内軌条30の断面積A、案内軌条30の断面二次モーメントI等を取得し、これをハードディスクドライブ装置65に格納する。また、データ取得部62aは、外力条件65bとして、案内軌条30にかかる最大衝撃荷重等を取得し、強度条件として、案内軌条30の許容撓み量等を取得し、これらをハードディスクドライブ装置65に格納する。さらに、データ取得部62aは、軌条支持材の各種仕様毎の案内軌条30の支持定数65dや、案内輪22の最小間隔65eを取得し、これをハードディスクドライブ装置65に格納する。なお、この支持定数は、案内軌条30の一次固有振動数fを求める際に用いる後述の(数1)に含まれる定数である。また、案内輪22の最小間隔65eは、図6に示すように、車両の走行方向における案内輪22の最小間隔Bの寸法である。さらに、データ取得部62aは、運行計画65fを取得し、これをハードディスクドライブ装置65に格納する。
ハードディスクドライブ装置65に格納される支持定数65dは、図13に示すように、軌条支持材40の仕様番号毎に、当該仕様番号の軌条支持材の支持定数λを示すテーブル形式で取得されるデータである。よって、以下では、ハードディスクドライブ装置65に格納される支持定数65dを支持定数テーブルとする。
案内軌条30の固有振動数を求める際には、前述したように、この案内軌条30の支持定数λを用いる。この支持定数λは、軌条支持材の仕様によって変化する。このため、ステップS10において、データ取得部62aは、軌条支持材の仕様番号毎の案内軌条30の支持定数λのデータである前述の支持定数テーブル65dを取得し、これをハードディスクドライブ装置65に格納している。
図13に示す支持定数テーブル65d中で、仕様番号が「1」の仕様は、図4及び図5を用いて説明した軌条支持材40の仕様、つまり、第一構造仕様で定められた仕様である。
仕様番号が「2」の仕様は、図15に示す軌条支持材40aの仕様である。この仕様2の軌条支持材40aは、仕様1の軌条支持材40に、背面リブ(補強部材)57を追加したものである。この背面リブ57は、仕様1の軌条支持材40のポスト41のフランジ面42cとベースプレート55との角に配置される。
仕様番号が「3」の仕様は、図16に示す軌条支持材40bの仕様である。この仕様3の軌条支持材40bは、仕様1の軌条支持材40に、一対の側面リブ(補強部材)58を追加したものである。この一対の側面リブ58は、仕様1の軌条支持材40のポスト41のフランジ端辺とベースプレート55との角に配置される。
仕様番号が「4」の仕様は、図17に示す軌条支持材40cの仕様である。この仕様4の軌条支持材40cは、仕様1の軌条支持材40に、補強プレート(補強部材)59を追加したものである。この補強プレート59は、仕様1の軌条支持材40のポスト41の取付フランジ42aと軌条サポートプレート45との間に配置される。
仕様番号が「5」の仕様は、仕様1の軌条支持材40に、図15に示す背面リブ57と図16に示す側面リブ58とを追加したもの、つまり、仕様2と仕様3とを組み合わせたものである。
仕様番号が「6」の仕様は、仕様1の軌条支持材40に、図15に示す背面リブ57と図17に示す補強プレート59とを追加したもの、つまり、仕様2と仕様4とを組み合わせたものである。
仕様番号が「7」の仕様は、仕様1の軌条支持材40に、図16に示す側面リブ58と図17に示す補強プレート59とを追加したもの、つまり、仕様3と仕様4とを組み合わせたものである。
仕様番号が「8」の仕様は、仕様1の軌条支持材40に、図15に示す背面リブ57と図16に示す側面リブ58と図17に示す補強プレート59とを追加したもの、つまり、仕様2と仕様3と仕様4を組み合わせたものである。
図13に示す支持定数テーブル65dには、繰り返すことになるが、以上の仕様1〜8のそれぞれに対する支持定数λが対応付けられている。なお、軌条支持材40の仕様を変える方法としては、以上の他、ポスト41を形成する型材を変える、アンカーボルト56の本数を変える等、各種方法があり、前述した以外の仕様としてもよい。また、軌条支持材の仕様は8つに限定するものではなく、任意の数の仕様が支持定数テーブルに含まれていればよい。
ステップS10で取得する運行計画65fは、図10に示すように、車両の走行路全線の各位置での予定走行速度Vを示す情報である。
次に、固有振動数算出部62bが以下の(数1)を用いて、第一構造仕様で定められた案内軌条30の一次固有振動数fを求める(S11)。
Figure 2012172365
ここで、s:軌条支持材の相互の間隔、λ:支持定数、E:案内軌条のヤング率、I:案内軌条の断面二次モーメント、ρ:案内軌条の密度、A:案内軌条の断面積、である。
なお、これらのデータは、全て、前述のステップS10で得たデータである。但し、軌条支持材の相互の間隔sは、第一構造仕様における値で、支持定数λも、第一構造仕様で定められた軌条支持材の仕様で、支持定数テーブル65d(図13)における、軌条支持材の仕様1に対する値(λ)である。また、第一構造仕様における軌条支持材の間隔は、走行路全線に亘って間隔sであるため、第一構造仕様における案内軌条30の一次固有一次固有振動数fは、走行路全線に亘って一定である。
次に、起振周波数算出部62cは、走行路全線における始点となる軌条支持材の支持材番号nを0に設定した後(S12)、この支持材番号nに1を加えて、これを新たな支持材番号とする(S13)。そして、起振周波数算出部62cは、第(n−1)番の軌条支持材と第n番の軌条支持材との間の案内軌条30の起振周波数fを算出する(S14)。
この際、起振周波数算出部62cは、支持材番号0から支持材番号(n−1)までで、隣接し合う軌条支持材の相互の間隔sの合計値、つまり、走行路全線における始点から支持材番号(n−1)の軌条支持材までの距離を求めると共に、支持材番号0から支持材番号nまでで、隣接し合う軌条支持材の相互の間隔sの合計値、つまり、走行路全線における始点から支持材番号nの軌条支持材までの距離を求める。そして、支持材番号(n−1)の軌条支持材の位置及び支持材番号nの軌条支持材の位置を定め、図10に示す運行計画65fを参照して、両位置間での車両の最大走行速度Vを求める。
次に、起振周波数算出部62cは、支持材番号(n−1)の軌条支持材と支持材番号nの軌条支持材との間の最大走行速度Vと、車両の走行方向における案内輪22の最小間隔B(図6参照)とを用いて、以下の(数2)により、この間の案内軌条30に関する案内輪22による起振周波数fを算出する。
Figure 2012172365
この(数2)に示すように、起振周波数fは、(1/B)を比例定数として走行速度Vに比例するので、走行路全線の各位置での起振周波数fは、図11に示すように、運行計画(図10)の走行速度線の各位置での走行速度Vを(1/B)倍したものである。また、案内軌条30の一次固有振動数fは、(数1)に示すように、軌条支持材の相互の間隔sや軌条支持材40の仕様等により変化するが、第一構造仕様では、前述したように、軌条支持材の相互の間隔sや軌条支持材の仕様等が走行路全線において同じであるため、一次固有振動数fは、同図に示すように、走行路全線において一定である。
次に、仕様変更部62dが、ステップS11で求めた一次固有振動数fがステップS14で求めた起振周波数fにαを加えた周波数(f+α)より大きいか否かを判断する(S15)。なお、ここでのαは、一次固有振動数fと起振周波数fとが共振するおそれのない、一次固有振動数fと起振周波数fとの差の値である。
仕様変更部62dは、一次固有振動数fが周波数(f+α)より大きいと判断すると、支持材番号(n−1)の軌条支持材と支持材番号nの軌条支持材との間隔sにaを加えて、これを新たな間隔sとする(S16)。
すなわち、仕様変更部62dは、図11において、一次固有振動数fが周波数(f+α)より大きい領域A内の軌条支持材の相互の間隔sについて、新たな間隔を定める。
そして、仕様変更部62dは、以下の(数3)を用いて、外力条件としての、案内軌条30にかかる最大衝撃荷重Pを案内軌条30が受けたときの撓みδを求める(S17)。
Figure 2012172365
ここで、k:定数 である。
次に、仕様変更部62dは、ステップS17で求めた撓みδが、強度条件としての許容撓みδより小さいか否かを判断する(S18)。撓みδが許容撓みδより小さくない、つまり、撓みδが許容撓みδ以上の場合には、ステップS16で設定した新たな間隔sを採用することはできない、としてステップS29に進む。
また、撓みδが許容撓みδより小さい場合、仕様変更部62dは、固有振動数算出部62bに、前述の(数1)により、案内軌条30の一次固有振動数fを算出させる(S19)。この際、一次固有振動数fの算出対象となる案内軌条30は、支持材番号(n−1)の軌条支持材と支持材番号nの軌条支持材との間の案内軌条30である。また、軌条支持材の仕様で定まる支持定数λは、ステップS11で一次固有振動数fを算出した際に用いたλと同じ値で、第一構造仕様での軌条支持材の仕様1に応じた値(λ)である。また、軌条支持材の相互の間隔sは、ステップS16で設定した新たな間隔sである。
次に、仕様変更部62dは、ステップS19で新たに求めた一次固有振動数fがステップS14で求めた起振周波数fにαを加えた周波数(f+α)より大きいか否かを判断する(S20)。一次固有振動数fが周波数(f+α)より大きくない場合、つまり、一次固有振動数fが周波数(f+α)以下の場合には、ステップS16で設定した新たな間隔sを採用することはできない、としてステップS29に進む。
一方、一次固有振動数fが周波数(f+α)より大きい場合、仕様変更部62dは、新たな間隔sを第二構造仕様の一部としてハードディスクドライブ装置65に記憶する(S21)。
ここで記憶される間隔sは、ハードディスクドライブ装置65内に、第二構造仕様65gの一部として格納されている構造仕様テーブル69に格納される。この構造仕様テーブル69は、図14に示すように、各軌条支持材の支持材番号が格納される支持材番号領域69aと、当該支持材番号の軌条支持材の仕様番号が格納される仕様番号領域69bと、当該支持番号nの軌条支持材と支持番号(n−1)の軌条支持材の間隔、言い換えると、これらの両軌条支持材間の案内軌条30の長さが格納される間隔領域69cとがある。
この構造仕様テーブル69は、データ取得部62aがステップS10で各種データを取得した際に、このデータ取得部62aにより作成される。この際、支持材番号領域69aには、1、2、3、…、jが格納され、仕様番号領域69bには、全て、第一構造仕様における軌条支持材40の仕様番号である「1」が格納され、間隔領域69cには、全て、第一構造仕様における軌条支持材40の相互の間隔sが格納される。
このステップS21では、仕様変更部62dが、構造仕様テーブル69中で、ステップS13で定めた支持材番号nに対する間隔を、ステップS16で設定した新たな間隔sに更新する。
仕様変更部62dは、新たな間隔sを記憶すると(S21)、ステップS16に戻り、さらに、新たな間隔を設定する。以下、仕様変更部62dは、ステップS18で、求めた撓みδが許容撓みδより小さくないと判断するか、ステップS20で、新たに求めた一次固有振動数fが周波数(f+α)より大きくないと判断するまで、ステップS16〜ステップS21の処理を繰り返して、軌条支持材の相互の間隔を広げてゆく。
仕様変更部62dは、前述したように、ステップS18で、求めた撓みδが許容撓みδより小さくない、つまり求めた撓みδが許容撓みδ以上であると判断するか、ステップS20で、新たに求めた一次固有振動数fが周波数(f+α)より大きくない、つまり一次固有振動数fが周波数(f+α)以下であると判断すると、ステップS29に進む。仕様変更部62dは、このステップS29で、構造仕様テーブル69(図14)を参照し、支持材番号0からステップS13で定めた支持材番号nまでの各間隔sを合計して、この合計値Σsが走行路全長L以上であるか否かを判断する。
仕様変更部62dは、合計値Σsが走行路全長L以上であると判断すると、走行路全線に亘っての軌条支持材の相互の間隔及び軌条支持材の仕様が定まったとして、一連の処理を終了する。一方、仕様変更部62dは、合計値Σsが走行路全長L以上でない、つまり合計値Σsが走行路全長L未満であると判断すると、ステップS13に戻る。
ステップS13に戻った後、ステップS14を経て、仕様変更部62dが、ステップS15で、ステップS11で求めた一次固有振動数fが周波数(f+α)より大きくない、つまり一次固有振動数fが周波数(f+α)以下であると判断すると、ステップS25に進む。
仕様変更部62dは、ステップS25で、以下の(数4)を用いて、ステップS14で求めた起振周波数fとの関係で、振幅倍率(Md)が1未満になる目標固有振動数f2tを算出する。
Figure 2012172365
ここで、ν:振動数比(f2t/f)、ζ:案内軌条の減衰比、である。
振幅倍率は、図19に示すように、振動数比(f/f)が1のとき、つまり、起振周波数fと固有振動数fとが一致して、共振現象が起こるときに、最大値(1/2ζ)を示す。また、振幅倍率は、振動数比が1未満のときは、1から最大値(1/2ζ)に向かって次第に大きくなり、振動数比が1より大きいときには、最大値(1/2ζ)から0に向かって、次第に小さくなる。
本実施形態では、起振周波数fと固有振動数fとの共振現象を確実に避け、しかも、外部からの荷重に対して案内軌条30の振幅がより小さくなるよう、(数4)から、振幅倍率(χ/χst)が1未満になる振動数比(f/f)を求め、この振動数比にステップS14で求めた起振周波数fを掛けて、目標固有振動数f2tを算出する。
仕様変更部62dは、次に、案内軌条30の一次固有振動数fが目標固有振動数f2tよりも大きくなる軌条支持材の仕様を定める(S26)。この際、仕様変更部62dは、まず、(数1)を用いて、固有振動数fがステップS25で求めた目標固有振動数f2tであるときの支持定数λの値を求める。そして、仕様変更部62dは、図13に示す支持定数テーブル65dで、求めた支持定数λよりも大きな支持定数に対応する軌条支持材の仕様番号を特定する。
すなわち、仕様変更部62dは、図11において、一次固有振動数fが周波数(f+α)以下の領域B内の軌条支持材の新たな仕様を定める。
仕様変更部62dは、次に、ステップS26で定めた軌条支持材の仕様番号を、第二構造仕様の一部としてハードディスクドライブ装置65に記憶し(S27)、前述のステップS29に進む。仕様変更部62dは、この際、図14に示す構造仕様テーブル69の仕様番号領域69b中で、ステップS13で定めた支持材番号nに対する領域の仕様番号を、ステップS26で定めた軌条支持材の仕様番号に更新する。
仕様変更部62dは、軌条支持材の新たな仕様番号をハードディスクドライブ装置65に記憶すると、前述のステップS29に進み、前述したように、間隔sの合計値Σsが走行路全長L以上であるか否かを判断し、仮に、合計値Σsが走行路全長L以上であると判断すると、走行路全線に亘っての軌条支持材の相互の間隔及び軌条支持材の仕様が定まったとして、一連の処理を終了する。
以上で、案内軌条設備の設計が終了する。なお、以上で説明した設計支援装置60が実行する各ステップSのうち、ステップS11が図8における固有振動数算出工程(S2)であり、ステップS12〜ステップS14が起振周波数算出工程(S3)であり、ステップS15〜S29が仕様変更工程(S4)である。
設計者等は、設計支援装置60の仕様出力部62eに対して仕様の出力を指示すると、仕様出力部62eは、ハードディスクドライブ装置65に格納されている第二構造仕様65gを読み出して、これを表示装置71等の出力装置に出力させる。
工事段階では、この第二構造仕様に従って、案内軌条設備が目的の走行路に沿って設置される。
以上、本実施形態では、図12に示すように、第一構造仕様によって定まる案内軌条30の固有振動数fが、予定走行速度で定まる起振周波数fにαを加えた周波数(f+α)よりも高い位置、つまり、同図中のA領域内では、案内軌条30の強度条件を満たし且つ固有振動数fが周波数(f+α)以下にならない範囲内で、軌条支持材の相互の間隔を、例えば、(s+a)、(s+2a)に広げている。なお、同図中で、A領域内であるものの、軌条支持材の相互の間隔が第一構造仕様のsのままである領域Amは、軌条支持材40の相互の間隔を(s+a)にすると、固有振動数fが周波数(f+α)以下になってしまう領域(間隔維持領域)である。一方、A領域内で、軌条支持材40の間隔が広がっている領域Aexは、軌条支持材40の間隔を広げても、固有振動数fが周波数(f+α)より高い状態を維持できる領域(間隔拡大領域)である。
一方、本実施形態では、第一構造仕様によって定まる案内軌条30の固有振動数fが、前述の周波数(f+α)以下の位置、つまり図12中のB領域(間隔維持領域)内では、軌条支持材の相互の間隔sを変えずに、固有振動数fが起振周波数fと確実に共振しない周波数に上がるよう、例えば、軌条支持材の仕様を仕様5に変更して、軌条支持材を補強している、言い換えると、軌条支持材の剛性を高めている。
よって、本実施形態では、案内軌条30の強度条件を満たし、且つ案内軌条30の共振現象を避けつつも、設備全体としての軌条支持材の量を減らすことができ、軌条支持材の材料コストや施工コストを抑えることができる。
なお、本発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように、変形してもよい。
以上の実施形態では、図9のステップ26で、案内軌条30の固有振動数を変更するために、軌条支持材の仕様を変更したが、例えば、図18に示すように、案内軌条30にパイプ等の補強材35を接合して、この案内軌条30を補強する等で、この案内軌条30の剛性を高めて、この案内軌条30の固有振動数を変更するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、図9のステップS15で、第一構造仕様によって定まる案内軌条30の固有振動数fが、周波数(f(起振周波数)+α)より高いと判断された場合、新たな間隔sを定めてから、この新たな間隔sに基づく固有振動数fを算出し、この固有振動数fが、周波数(f(起振周波数)+α)より高いとき、第一構造仕様の間隔を新たな間隔sに更新している。しかしながら、本発明では、図9のステップS15で、第一構造仕様によって定まる案内軌条30の固有振動数fが、周波数(f(起振周波数)+α)より高いと判断された場合、(数4)に示す振幅倍率(χ/χst)が1未満になる固有振動数を定め、この固有振動数になる新たな間隔sを求めて、第一構造仕様の間隔をこの新たな間隔sに更新してもよい。
また、以上の実施形態では、図9のステップS15で、第一構造仕様によって定まる案内軌条30の固有振動数fが、周波数(f(起振周波数)+α)以下であると判断された場合、ステップS25で目標固有振動数f2tを算出し、固有振動数がこの目標固有振動数2tより大きくなる軌条支持材の仕様を新たな仕様にしている。しかしながら、本発明では、図13に示す支持定数テーブルに格納されている軌条支持材40の仕様番号のうちから、いずれか一つの仕様番号(仕様1を除く)を抽出し、この仕様番号に対応する支持定数λで定まる固有振動数fが周波数(f(起振周波数)+α)より高ければ、この仕様番号の仕様を軌条支持材の新たな仕様にするようにしてもよい。
また、以上の実施形態では走行路全長Lを比較対象として軌条支持材の間隔を設定評価したが、比較対象は走行路全長に限定する必要はない。例えば、走行路に大きなカーブを有する際や、サイト条件により軌条支持材の設置場所が制限を受ける際など、軌条支持材の設定位置に特定の制限を有する場合においては、前記走行路全長を特定の軌条支持材間隔に置換して、当該特定の軌条支持材間隔毎に仕様を設定してもよい。
さらに、以上の実施形態では、図9のステップS15で、第一構造仕様によって定まる案内軌条30の固有振動数fが、周波数(f(起振周波数)+α)以下であると判断された場合、軌条支持材の相互の間隔sを変えずに、軌条支持材40の仕様を変えて対応している。しかしながら、本発明では、案内軌条30の固有振動数が起振周波数と確実に共振しない周波数になるまで、案内軌条30の強度条件を満たす範囲内で、軌条支持材の相互の間隔sを広げてもよい。
また、以上の実施形態の設計支援装置60では、図8に示す第一構造仕様設定工程(S1)を実行していないが、本発明では、この第一構造仕様設定工程(S1)も設計支援装置60が実行するようにしてもよい。
1:車体、3:走行タイヤ、5:車軸、10:懸架装置、20:操舵案内装置、22:案内輪、30:案内軌条、40:軌条支持材、60:設計支援装置、62:CPU、62a:データ取得部、62b:固有振動数算出部、62c:起振周波数算出部、62d:仕様変更部、62e:仕様出力部、65:ハードディスクドライブ装置、65a:第一構造仕様、65b:外力条件、65c:強度条件、65d:支持定数(支持定数テーブル)、65f:運行計画、65g:第二構造仕様、65h:設計支援プログラム、69:構造仕様テーブル

Claims (14)

  1. 軌条式車両の案内輪が接する案内軌条と、該案内軌条を支える複数の軌条支持材と、を備えている案内軌条設備の設計方法において、
    前記案内軌条設備に対する外力条件を用いて、予め定められた強度条件を満たす該案内軌条設備の第一構造仕様を定める第一構造仕様設定工程と、
    前記第一構造仕様で定まる前記案内軌条の固有振動数を求める固有振動数算出工程と、
    前記案内軌条が延在する方向の各位置における前記軌条式車両の予定走行速度を用いて、前記案内輪の接触による該各位置の該案内軌条の起振周波数を求める起振周波数算出工程と、
    前記強度条件を満たす範囲内で、前記第一構造仕様を、前記位置毎に、当該位置での前記起振周波数と前記固有振動数とが近似することによる共振を避ける第二構造仕様に変更する仕様変更工程と、
    を実行することを特徴とする案内軌条設備の設計方法。
  2. 請求項1に記載の案内軌条設備の設計方法において、
    前記仕様変更工程では、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置のうち、前記案内軌条の前記固有振動数が前記起振周波数よりも高い位置に関しては、該固有振動数が該起振周波数以下にならない範囲で、当該位置での該案内軌条の該固有振動数を低くする前記第二構造仕様に変更する、
    ことを特徴とする案内軌条設備の設計方法。
  3. 請求項1又は2に記載の案内軌条設備の設計方法において、
    前記仕様変更工程では、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置のうち、前記案内軌条の前記固有振動数が前記起振周波数以下の位置に関しては、当該位置での該固有振動数を当該位置での該起振周波数より高くする前記第二構造仕様に変更する、
    ことを特徴とする案内軌条設備の設計方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の案内軌条設備の設計方法において、
    前記仕様変更工程では、前記軌条支持材の相互間隔と、該軌条支持材の剛性と、前記案内軌条の剛性とのうち、少なくとも1つを変更して、該案内軌条の前記固有振動数を変える、
    ことを特徴とする案内軌条設備の設計方法。
  5. 請求項4に記載の案内軌条設備の設計方法において、
    前記仕様変更工程では、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置のうち、前記案内軌条の固有振動数が前記起振周波数よりも高い位置に関しては、該固有振動数が該起振周波数以下にならない範囲で、前記軌条支持材の相互間隔を広げる前記第二構造仕様に変更する、
    ことを特徴とする案内軌条設備の設計方法。
  6. 請求項5に記載の案内軌条設備の設計方法において、
    前記仕様変更工程では、前記軌条支持材の相互間隔を広げた際には、広げた該相互間隔で前記強度条件を満たすか否かを判断し、該強度条件を満たすと判断した場合に、該広げた該相互間隔を前記第二構造仕様の一つに含める、
    ことを特徴とする案内軌条設備の設計方法。
  7. 請求項4に記載の案内軌条設備の設計方法において、
    前記仕様変更工程では、前記案内軌条が延在する方向の複数の前記位置のうち、前記案内軌条の固有振動数が前記起振周波数以下の位置に関しては、前記軌条支持材の剛性と前記案内軌条の剛性とのうち、少なくとも一方を高めて、当該位置での該固有振動数を当該位置での該起振周波数より高くする前記第二構造仕様に変更する、
    ことを特徴とする案内軌条設備の設計方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の前記案内軌条設備の設計方法で、前記第二構造仕様を定める設計工程と、
    前記設計工程で定めた前記第二構造仕様で、前記案内軌条設備を目的の走行路に沿って設置する工事工程と、
    を実行することを特徴とする案内軌条設備の施工方法。
  9. 軌条式車両の案内輪が接する案内軌条と、該案内軌条を支える複数の軌条支持材と、を備えている案内軌条設備の設計支援プログラムにおいて、
    前記案内軌条設備に対する外力条件に対して、予め定められた強度条件を満たす該案内軌条設備の第一構造仕様を取得し、該強度条件と共に該第一構造仕様をコンピュータの記憶装置に記憶する第一構造仕様取得ステップと、
    前記案内軌条が延在する方向の各位置における前記軌条式車両の予定走行速度を受け付けて、前記記憶装置に記憶する走行速度受付ステップと、
    前記第一構造仕様で定まる前記案内軌条の固有振動数を求める固有振動数算出ステップと、
    前記走行速度受付ステップで受け付けた前記各位置の前記予定走行速度を用いて、前記案内輪の接触による該各位置の前記案内軌条の起振周波数を求める起振周波数算出ステップと、
    前記記憶装置に記憶されている前記強度条件を満たす範囲内で、前記第一構造仕様を、前記位置毎に、当該位置での前記起振周波数と前記固有振動数とが近似することによる共振を避ける第二構造仕様に変更し、該第二構造仕様を該記憶装置に記憶する仕様変更ステップと、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とする案内軌条設備の設計支援プログラム。
  10. 軌条式車両の案内輪が接する案内軌条と、該案内軌条に沿って配置され、該案内軌条を支える複数の軌条支持材と、を備えている案内軌条設備において、
    前記案内軌条が延在する方向の各位置の前記軌条式車両の予定走行速度で定まる、前記案内輪の接触による各位置の該案内軌条の起振周波数が、いずれの位置でも該案内軌条の固有振動数よりも低く、
    前記案内軌条が延在する方向には、隣接する二つの前記軌条支持材の相互間隔が予め定められた初期設定間隔と同じである間隔維持領域と、該相互間隔が該初期設定間隔より広い間隔拡大領域とがある、
    ことを特徴とする案内軌条設備。
  11. 請求項10に記載の案内軌条設備において、
    前記間隔維持領域中の少なくとも一部の領域内の前記軌条支持材の剛性は、前記間隔拡大領域内の該軌条支持材の剛性よりも高い、
    ことを特徴とする案内軌条設備。
  12. 請求項11に記載の案内軌条設備において、
    前記間隔拡大領域内の前記軌条支持材は、複数の部材が接合されて構成され、
    前記間隔維持領域中の少なくとも一部の領域内の前記軌条支持材は、前記間隔拡大領域内の前記軌条支持材を構成する前記複数の部材と、該複数の部材のうちのいずれか2つの部材の接合部分を補強する補強部材と、を有する、
    ことを特徴とする案内軌条設備。
  13. 請求項10から12のいずれか一項に記載の案内軌条設備において、
    前記間隔維持領域中の少なくとも一部の領域内の前記案内軌条の剛性は、前記間隔拡大領域内の該案内軌条の剛性よりも高い、
    ことを特徴とする案内軌条設備。
  14. 請求項10から13のいずれか一項に記載の案内軌条設備において、
    前記間隔拡大領域では、隣接する二つの前記軌条支持材の相互間隔として、前記初期設定間隔より広い複数の間隔がある、
    ことを特徴とする案内軌条設備。
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