JP2012177485A - 石炭ボイラの稼働方法及びボイラ設備 - Google Patents

石炭ボイラの稼働方法及びボイラ設備 Download PDF

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【課題】CO2の排出量を削減することができながら、石炭ボイラにおける燃焼が安定しなくなるおそれがない石炭ボイラの稼働方法とする。
【解決手段】微粉炭Cを石炭ボイラ61の燃料として使用する石炭ボイラ61の稼働方法であって、石炭ボイラ61の燃料として、微粉炭CとともにトレファクションされたバイオマスTBを使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微粉炭が燃料として使用される石炭ボイラの稼働方法及びボイラ設備に関するものである。
石炭ボイラで蒸気を生成し、この蒸気を発電や他の装置の熱源として利用することは、従来から行われている。更に近年では、CO2の排出量を削減するために、石炭ボイラの燃料として石炭以外の非化石燃料を積極的に利用する試みがなされている。例えば、特許文献1は、間伐材や剪定枝を炭化し、粉砕して得た微粉炭を石炭ボイラの燃料として使用することを提案する。また、特許文献2は、原料を間伐材や剪定枝等を含む木質系バイオマス一般に広げつつ、チップ状の木質系バイオマスとペレット状の木質系バイオマスとを混合して粉砕し、得られた木質系バイオマスの粉砕物を石炭の副燃料として使用することを提案する。さらに、特許文献3は、バイオマスのペレット及び石炭を、それぞれ粉砕した後に混合し、石炭ボイラで燃焼させる方法を提案する。なお、同文献において、バイオマスのペレットとは、木、竹、草等のバイオマスをいったん微粉砕した後にペレット化したものであるとされている。
しかしながら、以上の文献が開示するバイオマスやその炭化物からなる燃料は、その形態が多種多様であり、熱量、粉砕(破砕)性等の特性が石炭と大きく異なる。したがって、石炭ボイラにおける燃焼が安定しなくなり、場合によっては新たな設備を設置する必要や石炭ボイラの設計を変更する必要が生じる。また、バイオマスやその炭化物を粉砕する負荷は、石炭を粉砕する負荷よりも高いため、粉砕に伴うCO2の排出量が増え、バイオマスを使用してCO2の排出量を削減しようとした趣旨が減殺される。
特開2002−241761号公報 特開2005−291536号公報 特開2009−180476号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、CO2の排出量を削減することができながら、石炭ボイラにおける燃焼が安定しなくなるおそれがない石炭ボイラの稼働方法及びボイラ設備を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次の通りである。
〔請求項1記載の発明〕
微粉炭を石炭ボイラの燃料として使用する石炭ボイラの稼働方法であって、
前記石炭ボイラの燃料として、前記微粉炭とともにトレファクションされたバイオマスを使用する、
ことを特徴とする石炭ボイラの稼働方法。
(主な作用効果)
石炭ボイラの燃料として微粉炭とともにトレファクションされたバイオマスを使用することで、化石燃料である微粉炭の使用量を減らすことができ、CO2の排出量を削減することができる。しかも、トレファクションされたバイオマスは、熱量等の特性が石炭に近いため、石炭ボイラの設計を変更することなく、当該石炭ボイラにおける燃焼を安定させることができる。
〔請求項2記載の発明〕
石炭を微粉砕して微粉炭とし、この微粉炭を石炭ボイラの燃料として使用する石炭ボイラの稼働方法であって、
前記石炭を微粉砕するに先立って、当該石炭にトレファクションされたバイオマスを混入する、
ことを特徴とする石炭ボイラの稼働方法。
(主な作用効果)
石炭を微粉砕するに先立って、当該石炭に従来のバイオマスを混入すると、微粉砕の負荷が上がる。微粉砕の負荷が上がると、CO2の排出量が増えるため、バイオマスを使用してCO2の排出量を削減しようとした趣旨が減殺される。しかるに、トレファクションされたバイオマスは柔らかいため、石炭にトレファクションされたバイオマスを混入すると、微粉砕の負荷が下がり、CO2の排出量を削減することができる。
また、石炭に従来のバイオマスを混入すると、微粉砕の負荷が上がるため、微粉砕機の処理能力を超えてしまう場合があり、この場合には、石炭の微粉砕機とは別にバイオマスの微粉砕機を設け、この微粉砕機においてバイオマスの微粉砕を行う必要があった。しかるに、石炭にトレファクションされたバイオマスを混入する場合は、微粉砕の負荷が下がるため、別途微粉砕機を設ける必要がなく、従来のボイラ設備をそのまま利用することができる。
さらに、石炭にトレファクションされたバイオマスが混入された状態で微粉砕が行われると、石炭とトレファクションされたバイオマスとが各別に微粉砕される場合と異なり、石炭ボイラに供給される燃料の均質化が図られ、石炭ボイラにおける燃焼を安定化させることができる。
〔請求項3記載の発明〕
前記石炭にトレファクションされたバイオマスを混入するに先立って、当該石炭を粗粉砕する、
請求項2記載の石炭ボイラの稼働方法。
(主な作用効果)
石炭にトレファクションされたバイオマスを混入するに先立って、当該石炭を粗粉砕すると、後続する石炭の微粉砕が安定的に行われるようになるとともに、石炭及びトレファクションされたバイオマスの混合が進むため、石炭ボイラにおける燃焼をより安定させることができる。
〔請求項4記載の発明〕
石炭を微粉砕して微粉炭にする微粉砕機と、前記微粉炭が燃料として供給される石炭ボイラと、を有するボイラ設備であって、
前記微粉炭とともにトレファクションされたバイオマスが前記石炭ボイラに燃料として供給される、
ことを特徴とするボイラ設備。
(主な作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
〔請求項5記載の発明〕
バイオマスをトレファクションするトレファクション装置を有し、
このトレファクション装置に前記石炭ボイラで生成された蒸気が熱源として供給される、
請求項4記載のボイラ設備。
(主な作用効果)
トレファクション装置に石炭ボイラで生成された蒸気が熱源として供給されると、同一設備内におけるエネルギーの循環利用となるため、エネルギー効率に優れる。なお、トレファクションは、140〜350℃の温度で行う熱処理である。したがって、この熱処理よりも高温を要する熱設備、例えば、抄紙工程に備わる各種ドライヤーや再生粒子製造工程に備わる製紙スラッジの熱分解・燃焼用キルン等において熱源として使用された後の蒸気を、トレファクション装置の熱源として使用することもできる。
本発明によると、CO2の排出量を削減することができながら、石炭ボイラにおける燃焼が安定しなくなるおそれがない石炭ボイラの稼働方法及びボイラ設備となる。
本形態のボイラ設備の構成フロー図である。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本形態のボイラ設備においては、図1に示すように、石炭Cがベルトコンベア等からなる搬送手段81によって搬送され、石炭サイロ11に供給される。石炭サイロ11は、石炭Cを一時的に貯留するための設備であり、1台のみが設置されていても、2台以上の複数台が設置されていても、省略されていてもよい。図示例では、石炭サイロ11が5台設置されている。ただし、石炭サイロ11が複数台設置されている場合は、輸出元や原産地、品質等の異なる石炭Cを各別の石炭サイロ11に貯留しておき、後段で混入されるトレファクションされたバイオマスTBの特性に応じて、石炭サイロ11から搬送手段82に切り出す石炭Cの種類や量を適宜変化せるといった使い方が可能となる。
ベルトコンベア等からなる搬送手段82に切り出された石炭Cは、ロッドスクリーン等からなる第1の分級手段21まで搬送され、この第1の分級手段21によって分級される。この分級手段21においては、所定の大きさを、例えば80mmを基準として石炭Cが分級され、当該大きさを超える石炭Cは系外に排出される。他方、当該大きさ以下の石炭Cは、ロッドスクリーン等からなる第2の分級手段22によって更に分級される。この分級手段22においては、所定の大きさを、例えば60mmを基準として石炭Cが分級され、当該大きさを超える石炭Cはクラッシャー等からなる粗粉砕機23によって粗粉砕される。
ここで本明細書において粗粉砕とは、対象となる材料を60mm以下の大きさに粉砕することを意味する。ただし、この粗粉砕は、対象となる材料が1mm以上の大きさとなる範囲で行うのが好ましい。この段階において対象となる材料を1mm未満の大きさとなるまで粉砕することも考えられるが、粉砕エネルギーが増すとともに、粉砕時間が長くなり、この工程がボトルネックとなる可能性がある。したがって、粗粉砕は後工程での微粉砕を安定的に、かつ均一に行うためのものであるという点を重視して、1〜60mmの範囲で粉砕するのが好ましい。
このようにして全てが所定の大きさ以下(例えば60mm以下)となった石炭Cは、ベルトコンベア等からなる1又は複数の搬送手段、図示例では3つの搬送手段83,84,86によって搬送され、石炭バンカー41に供給される。
一方、本形態のボイラ設備においては、バイオマスBが粗粉砕機31によって適宜の大きさに、例えば60mm以下、好ましくは2〜50mmに粗粉砕され、トレファクション装置32によってトレファクションされる。この工程における粗粉砕の程度は、バイオマスBの種類やトレファクション装置32の処理能力、トレファクションの方法等を考慮して適宜決定することができる。もっとも、トレファクション装置32においては、生産効率、製造コスト等の点で、バイオマスBの充填率を95%程度まで高めるのが好ましい。したがって、バイオマスBが60mm以下となるように粗粉砕するのが好ましい。なお、以上の点に関しては、「Torrefaction for entrained−flow gasification of biomass,Energy research Center of the Netherlands」を参考にすることができる。
ここでバイオマスとは、石炭ボイラ61の燃料となる化石燃料以外の燃料であり、少なくとも炭素及び水素を含む物質である。このバイオマスには、例えば、間伐材や剪定枝、廃材、木、竹、草、やし殻、パームオイル残さ等の木質系バイオマスのほか、野菜、果実、食品残さ、汚泥等が含まれ、これらの混合物も含まれる。
また、トレファクション(torrefaction)とは、出発材料を、本形態ではバイオマスBを、温度140〜350℃、好ましくは240〜280℃で熱処理することを意味する。この熱処理によって、有機物が部分的に分解し、質量(乾燥基準)が初期質量(トレファクションする前の質量)の70%程度となる。しかしながら、揮発分(volatiles)は、75〜90%保持されるため、単位質量当たりの熱量が上昇することになり、熱量等の特性が石炭Cに近いものとなる。この点、トレファクションは、「ロースティング(roasting)」、「不完全な炭化」、「緩やかな熱分解」、「焙焼」、「焙煎」等、さまざまに表現されることがあるが、本明細書では、質量(乾燥基準)が初期質量の70〜90%となるが、揮発分が75〜90%保持される熱処理を意味すると定義する。参考までに、表1に、乾燥(drying)、トレファクション、熱分解(pyrolysis)、燃焼(combustion)の特性を示した。
Figure 2012177485
なお、バイオマスBは、吸湿性及び生分解性であるが、トレファクションされると、疎水性となる。したがって、トレファクションされたバイオマスTBは保存性に優れ、例えば、海外でバイオマスBをトレファクションし、このトレファクションされたバイオマスTBを、必要に応じてペレット化する等して国内に輸入し、石炭ボイラ61の燃料として使用する場合等においても変質が生じ難く、石炭ボイラ61における燃焼を安定させることができる。また、トレファクションされたバイオマスTBは、トレファクションされていないバイオマスBよりも煙の発生が少ないとの特性も有する。さらに、石炭Cは原産地等によって燃焼効率が異なるが、トレファクションされたバイオマスTBは燃焼効率が均一である。したがって、トレファクションの混合量等を調節することによって燃焼効率の変動を抑え、石炭ボイラ61における燃焼を安定化させることができる。
トレファクションされたバイオマスTBは、ベルトコンベア等からなる1又は複数の搬送手段、図示例では1つの搬送手段85によって搬送され、石炭Cとともに石炭バンカー41に供給される。石炭バンカー41は、石炭C及びトレファクションされたバイオマスTBを一時的に貯留するための設備であり、1台のみが設置されていても、2台以上の複数台が設置されていてもよい。図示例では、石炭バンカー41が3台設置されている。石炭C及びトレファクションされたバイオマスTBは、これらの混合物を各石炭バンカー41に貯留することも、それぞれを各別の石炭バンカー41に貯留することもできる。ただし、混合物を各石炭バンカー41に貯留する形態によると、石炭ボイラ61に供給される燃料の均質化が図られことになるため、石炭ボイラ61における燃焼を安定させることができる。
また、石炭Cは、トレファクションされたバイオマスTBが混入されるに先立って、粗粉砕機23によって粗粉砕されているため、後続する石炭Cの微粉砕が安定的に行われるようになるとともに、石炭C及びトレファクションされたバイオマスTBの混合が進み、石炭ボイラ61における燃焼が安定する。
このようにして石炭バンカー41に貯留された石炭C及びトレファクションされたバイオマスTBは、給炭機42によって微粉砕機51に供給され、微粉砕される。この点、トレファクションされたバイオマスTBは、トレファクションされていないバイオマスBに比べて柔らかいとの特性を有する。したがって、本形態のように石炭Cが微粉砕されるに先立って、当該石炭CにトレファクションされたバイオマスTBが混入される形態によると、微粉砕の負荷が下がり、CO2の排出量を削減することができる。この微粉砕の程度は、特に限定されず、例えば、100メッシュパスが95%以上となるように粉砕するとよい。95%を下回ると石炭ボイラ61における燃焼後の燃焼残さ(炉底灰)Hに未燃分が混ざり、燃焼効率が低下するおそれがある。
微粉砕された石炭(微粉炭)C及びトレファクションされたバイオマスTBは、供給路52内を空気搬送され、石炭ボイラ61に燃料として供給される。この石炭ボイラ61には、燃焼用空気Aが吹き込まれ、当該石炭ボイラ61に供給された石炭C及びトレファクションされたバイオマスTBが燃焼される。また、石炭ボイラ61内には、模式的に示すチューブTが配されており、このチューブ内を水Wが通される。この水Wは、石炭C及びトレファクションされたバイオマスTBの燃焼によって加熱され、蒸気Jとして石炭ボイラ61から排出される(蒸気Jの生成(石炭ボイラ61の稼働))。このように本形態のボイラ設備では、石炭ボイラ61の燃料として微粉砕された石炭CとともにトレファクションされたバイオマスTBが使用されるため、化石燃料である石炭Cの使用量を減らすことができ、CO2の排出量を削減することができる。なお、チューブ内を通す水Wは、例えば、石炭ボイラ61の排ガスGを熱源として、熱交換器62において予め加温することができる。
石炭ボイラ61で生成された蒸気Jは、その用途が特に限定されないが、トレファクション装置32に熱源として供給されると好適である。この形態によると、同一設備内におけるエネルギーの循環利用となるため、エネルギー効率に優れる。なお、本形態のボイラ設備には、トレファクション装置32を有するが、例えば、トレファクションされたバイオマスBは購入するものとし、本形態の方法に従って当該購入したバイオマスTBを利用することもできる。
本発明は、微粉炭が燃料として使用される石炭ボイラの稼働方法及びボイラ設備として適用可能である。
11…石炭サイロ、21,22…分級手段、31…粗粉砕機、32…トレファクション装置、41…石炭バンカー、42…給炭機、51…微粉砕機、52…供給路、61…石炭ボイラ、81〜86…搬送手段、A…燃焼用空気、B…バイオマス、C…石炭、G…排ガス、H…燃焼残さ、J…蒸気、T…チューブ、TB…トレファクションされたバイオマス、W…水。

Claims (5)

  1. 微粉炭を石炭ボイラの燃料として使用する石炭ボイラの稼働方法であって、
    前記石炭ボイラの燃料として、前記微粉炭とともにトレファクションされたバイオマスを使用する、
    ことを特徴とする石炭ボイラの稼働方法。
  2. 石炭を微粉砕して微粉炭とし、この微粉炭を石炭ボイラの燃料として使用する石炭ボイラの稼働方法であって、
    前記石炭を微粉砕するに先立って、当該石炭にトレファクションされたバイオマスを混入する、
    ことを特徴とする石炭ボイラの稼働方法。
  3. 前記石炭にトレファクションされたバイオマスを混入するに先立って、当該石炭を粗粉砕する、
    請求項2記載の石炭ボイラの稼働方法。
  4. 石炭を微粉砕して微粉炭にする微粉砕機と、前記微粉炭が燃料として供給される石炭ボイラと、を有するボイラ設備であって、
    前記微粉炭とともにトレファクションされたバイオマスが前記石炭ボイラに燃料として供給される、
    ことを特徴とするボイラ設備。
  5. バイオマスをトレファクションするトレファクション装置を有し、
    このトレファクション装置に前記石炭ボイラで生成された蒸気が熱源として供給される、
    請求項4記載のボイラ設備。
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