JP2012177530A - データセンタの補助用冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外気の冷熱を使用して蓄冷するとともに、冷却装置によってデータセンタを冷却できない事態が生じた場合に、蓄冷熱によってデータセンタを冷却する補助用冷却装置を提供する。
【解決手段】熱媒体を貯蔵するタンク17と、熱媒体の温度が外部の温度よりも高くかつ外部の温度が所定温度以下の場合に、熱媒体の熱を受動的に熱輸送して外気に放熱することにより熱媒体の凝固させて蓄冷する熱輸送方向が一方向のヒートパイプ18と、タンク17の周囲に形成された水分を含む土層20と、土層20の温度が外部の温度よりも高くかつ外部の温度が所定温度以下の場合に、土層20の熱を受動的に熱輸送して外気に放熱することにより土層20を凍結させる熱輸送方向が一方向の他のヒートパイプ27とを備えた氷蓄熱装置。
【選択図】図1

Description

この発明は、データセンタを冷却する冷却装置が故障したり、冷却装置に対する電力の供給が遮断されたりした場合に、その冷却装置に換わってデータセンタを冷却する補助用冷却装置に関するものである。
データセンタは、複数のコンピュータサーバを備え、各コンピュータサーバは、例えばプリント配線基板上に配設され、通電されることにより発熱する複数の電子部品を備えている。したがってデータセンタの室内の温度は、電子部品の熱によって上昇するため、例えばエアコン等によって室温を低下させることにより各電子部品を冷却することが従来行われている。また、各電子機器をチラーユニットで冷却した水やブラインなどの冷却用媒体によって直接的にあるいは間接的に冷却することが検討されている。電子機器によるデータ処理は継続的おこなわれるので、冷却用媒体を冷却するチラーユニットは常時運転させる必要がある。したがって、電子機器の発熱量が増大すると、それにともなってエアコンの電力消費量やランニングコストが増大したりする。また、チラーユニットの冷却負荷が増大する。そのため、データセンタを冷却する装置のランニングコストの低減が望まれる。
上記のエアコンやチラーユニットなどの冷却装置が故障したり、停電したりしてこれらの冷却装置の運転が停止するような不具合が生じてデータセンタを十分に冷却できない場合に、これらの冷却装置に換わってデータセンタを冷却するために使用される、チラーユニットを主要な構成要素とした補助用冷却装置が知られている。この種の補助用冷却装置は、上記の冷却装置に不具合が生じた場合に備えて、平常時においてチラーユニットを運転してデータセンタを冷却するための冷却用媒体を冷却し、かつ、非常時であってもデータセンタを十分に冷却できる量の冷却用媒体を確保するように構成されている。具体的には、上記の補助用冷却装置は冷却用媒体の温度を5〜8℃の間に維持し、約6時間データセンタを冷却することができる量の冷却用媒体を貯蔵するように構成されている。そのため、補助用冷却装置としては大型のものが必要になり、冷却システム全体としての構成を大型化してしまうという不都合があった。加えて、このような大型の補助用冷却装置に必要な量の冷却用媒体を冷却するためには、大型のチラーユニットを常時運転させる必要があり、その電力消費量および二酸化炭素の排出量も増大する。
そこで、冷水に換えて氷を製造して蓄えるようにすれば、冷水を貯蔵する場合に比較して装置の小型化を図ることができる。特許文献1には、氷蓄熱装置の一例として、地下に製氷ピットを設け、製氷ピットに貯蔵された水にサーモサイフォン式のヒートパイプの一端を浸漬し、他端を外気に曝すように配置した装置が記載されている。そして、冬季においてサーモサイフォン式ヒートパイプを作動させて製氷ピットに氷を作り、その氷の冷熱によって製氷ピットの上側に設けられた倉庫内を冷却するように構成されている。
特開昭60−207877号公報
特許文献1に記載された構成では、製氷ピット内の氷に対して製氷ピットの周囲の土を介して外気の熱が伝達され、その熱によって氷が溶ける虞がある。したがって、このような装置を、データセンタを冷却するための補助用冷却装置として機能させるためには、未だ改善の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、外気の冷熱を使用して蓄冷するとともに、冷却装置によってデータセンタを冷却できない事態が生じた場合に、上記の蓄冷熱によってデータセンタを冷却する補助用冷却装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、データ処理に伴って発熱する電子部品を冷却する冷却器の運転が停止したり、その冷却に不足が生じたりする場合に、予め蓄えた冷熱によって前記電子部品を冷却するように構成されたデータセンタの補助用冷却装置において、熱媒体を貯蔵するタンクと、前記熱媒体に少なくとも一部が浸漬され、他の一部が大気中に露出されるとともに、前記熱媒体の温度が前記外部の温度よりも高く、かつ前記外部の温度が所定温度以下の場合に、前記熱媒体の熱を受動的に熱輸送して外気に放熱することにより前記熱媒体を凝固させて蓄冷する熱輸送方向が一方向のヒートパイプと、前記タンクの周囲に形成された水分を含む土層と、前記土層に少なくとも一部が埋設されていて前記土層の温度が前記外部の温度よりも高く、かつ前記外部の温度が所定温度以下の場合に、前記土層の熱を受動的に熱輸送して外気に放熱することにより前記土層を凍結させる熱輸送方向が一方向の他のヒートパイプとを備えた氷蓄熱装置を備えることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ヒートパイプおよび前記他のヒートパイプは、密閉容器の内部に蒸発および凝縮を伴って流動する作動流体が封入され、かつ液相の前記作動流体が重力によって還流されることにより、熱輸送方向が一方向に制限されたサーモサイフォン式ヒートパイプを含むことを特徴とするデータセンタの補助用冷却装置である。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記土層の厚みは、1mであり、前記土層の含水量は、前記土層が砂を主成分として形成される場合には、2.5〜10%であり、前記土層がロームを主成分として形成される場合には、約10〜17.5%であり、前記土層が粘土を主成分として形成される場合には、約17.5〜25%であり、前記タンクおよび前記土層は、凍結指数が400℃・day以上の寒冷地の地中に設けられることを特徴とするデータセンタの補助用冷却装置である。
請求項1の発明によれば、熱媒体を凝固させて蓄えるタンクの周囲に形成された土層の温度に比較して外気温が低くなり、かつ外気温が例えば所定温度以下になると、ヒートパイプは、タンク内に貯蔵される熱媒体の熱を受動的に熱輸送して気中放熱することにより熱媒体を冷却し、また凝固させる。他のヒートパイプは、土層の熱を気中放熱して土層を凍結させる。氷蓄熱装置は、受動的に冷熱を蓄えるので、蓄冷に伴うランニングコストを低減あるいはなくすことができる。氷蓄熱装置のタンク内に、蓄えた冷熱は、凍結された土層によって断熱あるいは保冷されるので、外部の温度上昇に伴うタンク内の冷熱の損失を防止もしくは抑制できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、ヒートパイプおよび他のヒートパイプは、熱輸送方向が一方向のサーモサイフォン式ヒートパイプによって構成されている。そのため、タンクに設けられるサーモサイフォン式ヒートパイプは、タンク内の熱媒体の温度に比較して外気温が高い場合には、受動的に熱輸送を停止するので、熱の逆流による冷熱の損失を防止もしくは抑制できる。また、土層に設けられるサーモサイフォン式ヒートパイプは、土層の温度に比較して外気温が高い場合には、受動的に熱輸送を停止するので、熱の逆流によって土層に蓄えた冷熱の損失を防止もしくは抑制できる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、タンクおよび土層は、すなわち氷蓄熱装置は凍結指数が400℃・day以上の寒冷地に設けられるので、サーモサイフォン式ヒートパイプによる熱媒体および土層の冷却効率を向上できるとともに、外気の冷熱によって熱媒体を凝固させたり、土層を凍土化することができる。また、土層の厚みは1mであるから、例えば夏季のような温暖な季節においても、土層が凍結された状態を維持できる。言い換えれば、土層を永久凍土層とすることができ、これにより一年を通してタンクを外部に対して断熱したり、保冷したりすることができる。
この発明に係るデータセンタの補助用冷却装置の一例を模式的に示す図である。 図1に示す氷蓄熱装置の外観図である。 図1に示す氷蓄熱装置の断面図である。 図1に示す氷蓄熱装置の上視図である。 図1に示す土層に設けるサーモサイフォン式ヒートパイプの形状の例を模式的に示す図である。 この発明に係る氷蓄熱装置の他の例を模式的に示す図である。 この発明に係る氷蓄熱装置の更に他の例を模式的に示す図である。 図7に示す氷蓄熱装置の断面図を模式的に示す図である。
(実施例1)
次にこの発明に係る第1の実施例を具体的に説明する。図1に、この発明に係るデータセンタの補助用冷却装置の一例を模式的に示してある。データセンタ1は、所定のハウジング2の内部に、複数のコンピュータサーバを収容するラック3を設けることにより構成されている。ハウジング2としては、例えば、建設建物あるいは輸送用コンテナなど適宜のものを使用することができる。サーバラック3に収容されている各コンピュータサーバは、複数の基板を備えており、発熱する多数の電子部品4が配設されている。電子部品4には、一例としてCPU(中央演算処理装置)、メモリやストレージなどの記憶装置、電源ユニットなどが含まれる。各電子部品4にはコールドプレート5が接触されており、電子部品4がデータを処理することにともない生じた熱をコールドプレート5に伝達することにより電子部品4が直接的に冷却されるように構成されている。
具体的には、コールドプレート5は中空のプレート状に形成されていて、その中空の内部を冷却用媒体が流通するようになっている。コールドプレート5は、その外部の熱を内部を流動する冷却用媒体に伝達する必要があるため、熱伝導性を有する材料で構成されていることが好ましい。一例として、コールドプレート5は、銅あるいは銅合金などによって形成されることが好ましい。コールドプレート5は、供給管路を介してチラーユニット6に接続されており、前記供給管路上においてコールドプレート5とチラーユニット6との間に供給用切替弁7が設けられている。そのため、チラーユニット6により冷却された冷却用媒体が供給用切替弁7を介してコールドプレート5に供給される。加えて、コールドプレート5は、戻り管路を介してもチラーユニット6に接続されており、前記戻り管路上においてコールドプレート5とチラーユニット6との間に還流用切替弁8が設けられている。そのため、電子部品4からコールドプレート5に伝達された熱は、前記冷却用媒体によってチラーユニット6に還流することができる。冷却用媒体としては、例えば水を使用することができる。また、前記管路やコールドプレート5の酸化を防止するために、冷却用媒体に所定量かつ任意の防錆剤を添加してもよい。さらに、冷却用媒体の凝固点を低下させるため、エチレングリコールあるいは塩化カルシウムなどを主成分とし、凝固点が0℃以下になるように調整されたブライン(不凍液と呼ばれることがある)あるいはR−134aなどの代替フロンなどを使用してもよい。
チラーユニット6は、代替フロンなどの冷媒を加圧して圧縮する圧縮器9と、その圧縮された冷媒の熱を外部に対して放熱させることにより前記冷媒を凝縮させる凝縮器10と、放熱されて低温にされるとともに凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁11と、膨張することにより低温になった冷媒に周囲の熱を吸熱させる蒸発器12とを備えているヒートポンプである。
チラーユニット6の凝縮器10は、循環回路を形成する管路により外部に設けられた冷却塔11に接続されており、前記循環回路内を冷却水が循環するようになっている。そのため、凝縮器10において、チラーユニット6の内部を循環する冷媒が有する熱、すなわち電子部品4から伝達された熱が冷却水に伝達され、このように冷却水に伝達された熱は冷却塔13においてファン14などによって大気中に放熱される。
また、氷蓄熱装置15からもコールドプレート5に対して供給管路が延伸しており、氷蓄熱装置15からの供給管路は供給用切替弁7においてチラーユニット6から延びる供給管路と合流する。一方、コールドプレート5から延伸する前記戻り管路は、還流用切替弁8において、氷蓄熱装置15とも接続されるように分岐している。そのため、これらの切替弁7,8を切り換えることにより、コールドプレート5とチラーユニット6との間、およびコールドプレート5と氷蓄熱装置15との間に、循環管路がそれぞれ形成される。
切替弁7,8としては、例えば電磁制御式の三方向バルブなどの任意の切替弁を使用することができる。また、詳細は図示しないが、例えばデータセンタ1が設けられる室内あるいは電子部品4の温度、あるいはチラーユニット6の運転停止や冷却不良などの不具合を検出する検出手段と、前記検出手段からの信号に基づいて切替弁7,8を制御する制御手段とが設けられている。そのため、上述の循環回路は、データセンタ1内の室温およびチラーユニット6の運転状況等に関する検出手段からの検出信号に基づいて制御手段により切替弁7,8を操作することにより切り換えられる。
上述の各循環回路内、すなわち、コールドプレート5、チラーユニット6および氷蓄熱装置15にそれぞれ冷却用媒体を循環させるために、切替弁7とコールドプレート5との間に、ポンプ16が介装されている。なお、ポンプ16は、従来一般的に使用されるものであってよい。
したがって、図1に示す例では、上記の制御手段によって切替弁7,8を操作して流路を切り換えることにより、コールドプレート5とチラーユニット6との間で冷却用媒体を循環したり、あるいはコールドプレート5と氷蓄熱装置15との間で冷却用媒体を循環したりするようになっている。そのため、コールドプレートにおいて電子部品の熱を奪って温度が上昇した冷却用媒体は、チラーユニット6あるいは氷蓄熱装置15に還流されて冷却され、このように冷却された冷却用媒体は、上述のように、データセンタ1内の室温およびチラーユニット6の運転状況等に応じてコールドプレート5に選択的に供給されるようになっている。
図2に、図1に示すデータセンタの補助用冷却装置の設置例を模式的に示してある。氷蓄熱装置15は、内部に貯蔵した熱媒体を外気を利用して凍結させることにより冷熱を蓄えるように構成されている。氷蓄熱装置15内の熱媒体を効率的に凍結させるため、データセンタ1は凍結指数が400℃・day以上の寒冷地に設けることが好ましい。加えて、図2に示すように、氷蓄熱装置15は断熱効率を向上させるために地表に比較して温度変化が小さい土中に埋設することが望ましい。
図3に、図1に示す氷蓄熱装置の断面図を模式的に示してある。ここに示す氷蓄熱装置15は、消費電力量が200kWh程度のデータセンタを対象として構成されている。具体的には、氷蓄熱装置15は、熱媒体を貯蔵するタンク17と、タンク17に貯蔵される熱媒体の熱を外気に対して放熱するための複数のサーモサイフォン式ヒートパイプ18と、タンク17の保守点検のための作業室19と、タンク17を外部の熱に対して断熱するための土層20と、土層20から水や土が流出することを防止するための防水シート21と、土層20を支持するための木製の支持構造体22と、タンク17を外部の熱に対して断熱するための断熱層23とを備えている。
タンク17の形状は特定の形状に限定されるものではなく、その外形を円柱形に形成した場合には、同体積になるようにタンク17を直方体に形成した場合と比較してその表面積を小さくすることができ、それにより断熱性を向上させることができる。そのため、本願の実施例では、タンク17は図2に示すように円柱形に形成されている。
氷蓄熱装置15のタンク17の内部には水等の熱媒体が貯蔵され、加えて、複数のサーモサイフォン式ヒートパイプ18がほぼ垂直に立設されている。ヒートパイプ18は、具体的には熱ダイオード特性を有するサーモサイフォンであり、そのため、ヒートパイプ18の熱輸送方向は一方向に限定される。なお、ヒートパイプ18の内部には、沸点が10℃以下のアンモニアあるいはR−134aなどの代替フロンなどの作動流体が気密に封入されており、その量は、ヒートパイプ18の内容積の約20〜30vol%にすることが好ましい。ヒートパイプ18の一方の端部は熱媒体に浸漬されており、作動流体が蒸発する蒸発部18aとして機能する。また、ヒートパイプ18の他方の端部は外気と接触するようにタンク17の外部の地表に露出されており、作動流体が凝縮する凝縮部18bとして機能する。加えて、熱媒体の熱を効率的に気中に放熱するために、凝縮部18bには複数のフィン24が設けられている。
更に、ヒートパイプ18の蒸発部18aの周囲には、例えば中空管により形成されるコイル型熱交換器25が巻き付けられており、その内部を液相の冷却用媒体が流通するようになっている。具体的には、熱交換器25は、熱伝導性を有する銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などによって形成されていて、タンク17内に貯蔵されている熱媒体と、液相の冷却用媒体との間で熱交換が生じるようになっている。熱交換器25の長さは、データセンタ1を所望の温度に冷却するために必要な冷熱量、言い換えれば、熱交換器25を介した冷却用媒体と熱媒体との間で交換する熱量に応じて調整することができ、その長さは予め実験やシミュレーションなどによって求めることができる。また、材料コストを抑制するため、熱交換器25を合成樹脂製のチューブによって形成することもできる。その場合、合成樹脂製のチューブの熱伝導率は上記の金属製材料の熱伝導率より低いため、合成樹脂製のチューブを使用する場合には、その長さを金属製材料により熱交換器25を形成する場合よりも長くすればよい。
図4に、図1に示す氷蓄熱装置の上視図を模式的に示してある。タンク17は、例えば鉄やコンクリートによって上述のように円柱形に形成されている。タンク17の周囲には、氷蓄熱装置15の保守点検のための作業室19が形成されている。なお、作業室19には出入り口26を介して作業員が出入できるようになっている。
更に、作業室19の周囲、およびタンク17を含む作業室19の下部を覆うように土層20が設けられている。例えば、土層20には5〜25%の水分が含まれ、その厚みは1mである。なお、土層20は、有底円筒形状に形成された木製の支持構造体22によって保持されている。土層20と支持構造体22との間には、水とともに土が流出することを防止もしくは抑制するように、例えば合成樹脂素材によって形成されたメッシュ構造体等の防水シート21が設けられている。加えて、支持構造体22の外側には、断熱材26が設けられている。断熱材26は、例えば、中空プレートの内部圧力が大気圧に比較して低下された真空パネルや、多孔状組織を有する発泡ポリウレタンや発泡ポリスチレンあるいはグラスウールなどによって構成される断熱材であってよい。タンク17の上部は、上記の真空パネルや多発泡ポリウレタンなどの断熱材26によって覆われていて、外気の温度変化を受けにくいようになっている。
土層20の熱を外気に対して放熱するため、土層20には、複数のサーモサイフォン式ヒートパイプ27が所定間隔を隔ててほぼ垂直に埋設されている。図3に示すように、サーモサイフォン式ヒートパイプ27の土層20に埋設されている部分は蒸発部27aとして機能し、大気中に露出されている部分は凝縮部27bとして機能する。また、凝縮部27bの放熱効率を向上させるため、凝縮部27bには複数の放熱用のフィン28が設けられている。サーモサイフォン式ヒートパイプ27のその他の構造および機能は、上述したサーモサイフォン式ヒートパイプ18と同様であるため、その詳細な説明は省略する。しかしながら、サーモサイフォン式ヒートパイプ27は、その腐食を防止するために耐腐食性を有するステンレス等によって形成されることが好ましい。また、タンク17および作業室19の下部に形成されている土層20の熱をも大気に放熱させるため、サーモサイフォン式ヒートパイプ27は、図3に示すように、作業室19の底部近傍において、タンク17の中心に向けて屈曲させられている。なお、このように屈曲された部分においても作動流体の重力による還流を可能にするため、図5に示すように、その曲げ角度は、一例として5°程度が好ましい。
次に、土層20に含まれる水分量について説明する。土層20の材料として使用される砂およびロームならびに粘土の水分の含有量(水分保持量と呼ばれることがある)は、それぞれ約2.5〜10%、約10〜17.5%、約17.5〜25%の範囲である。したがって、上述した土層20を、砂を主成分として形成する場合には、水分量は2.5〜10.0%の範囲にすることが好ましい。この場合、土層20の熱をサーモサイフォン式ヒートパイプ27で大気中に放熱することにより土層20を凍土化することができる。同様の理由により、ロームを主成分とする場合には、水分量は10〜17%にすることが好ましく、粘土を主成分とする場合には、水分量は17.5〜25%にすることが好ましい。
次に上記の氷蓄熱装置15の作用について説明する。タンク17の内部に貯蔵される熱媒体の温度が外気温より高くなり、かつ、外気温が所定温度以下になると、タンク17内に貯蔵される熱媒体の熱により、サーモサイフォン式ヒートパイプ18の蒸発部18a内の作動流体が加熱されて蒸発し、気相の作動流体により熱媒体の熱が潜熱の形で凝縮部18bに輸送される。凝縮部18bに輸送された熱媒体の熱はフィン23を介して大気中に放熱され、それにより気相の作動流体が凝縮されて重力により蒸発部18aに還流する。その結果、タンク17内の熱媒体が冷却される。また、外気温が0℃以下に低下すると、タンク17内の熱媒体は更に冷却されて凍結する。熱媒体は、先ず蒸発部18aの表面付近から凍結され、次第に凍結の範囲が広がって熱交換器25の周囲の熱媒体も次第に凍結され、最終的にはタンク17に貯蔵される熱媒体が全て凍結する。このように、外気の冷熱がタンク17に氷の形として貯蔵される。これとは反対に、タンク17の内部に貯蔵される熱媒体の温度が外気温より低く、外気温が所定温度以上になると、サーモサイフォン式ヒートパイプ18による熱輸送は停止される。
土層20においては、土層20の温度が外気温より高くなり、かつ、外気温が所定温度以下になると、土層20の熱によりサーモサイフォン式ヒートパイプ27の蒸発部27a内の作動流体が加熱されて蒸発し、気相の作動流体により土層20の熱が潜熱の形で凝縮部27bに輸送される。凝縮部27bに輸送された土層20の熱はフィン28を介して大気中に放熱され、それにより気相の作動流体が凝縮されて重力により蒸発部27aに還流する。このようにして土層20が冷却される。また、外気温が0℃以下に低下すると、土層20に含まれる水分が更に冷却されて凍結し、凍土層20が形成される。これとは反対に、土層20の温度が外気温より低く、外気温が所定温度以上になると、サーモサイフォン式ヒートパイプ27による熱輸送は停止される。
本願発明に係る第1の実施例では、氷蓄熱装置15はサーモサイフォン式ヒートパイプ18を使用して寒冷期の冷熱を蓄えるように構成されているので、蓄冷時において電力を消費したり、二酸化炭素等の温室効果ガスを排出したりしない。したがって、補助用冷却装置である氷蓄熱装置15にかかるランニングコストが不要になり、加えて、環境に対する負荷を抑えることができる。熱媒体を凝固させて蓄えた冷熱は、コイル型熱交換器25を介して液相の冷却用媒体に伝達させて取り出すので、熱媒体が全て凝固した場合であっても冷却用媒体により冷熱を取り出すことができる。また、氷蓄熱装置15は地中に設けられるとともに、土層20によって覆われている。その土層の厚みは上述したように1mであり、データセンタ1は凍結指数が400℃・day以上の寒冷地に設けられる。加えて、土層20はサーモサイフォン式ヒートパイプ27を使用して凍結されるので、凍結された状態を一年を通して維持することができる。そのため、氷蓄熱装置15はタンク17内に熱媒体を凝固させることにより蓄えた冷熱を一年を通して維持でき、その冷熱により、一年を通してデータセンタ1の非常時に備えることができる。また、上記に加えて、サーモサイフォン式ヒートパイプ18,27を使用して外気の冷熱を蓄えるので、温暖な季節において氷蓄熱装置15に蓄えた冷熱が外部の温度によって温められて損失した場合に、その損失した冷熱を補うために電力を消費しない。したがって、ランニングコストが不要になり、二酸化炭素等の温室効果ガスを排出しない。このように氷蓄熱装置15は、熱媒体を凝固させて蓄冷するように構成されているので、液相の熱媒体を冷却して蓄冷する場合に比較して、熱媒体の単位体積当たりの冷熱量を大きくできる。その結果、氷蓄熱装置15の大きさや設置面積を抑えることができる。
上述のように、本願のデータセンタの冷却システムは、外部の冷熱のみによりその内部に貯蔵した熱媒体を凝固させることにより冷熱を蓄えるように構成された氷蓄熱装置15により非常時にデータセンタ1を冷却するため、電力により水等の熱媒体を冷却するように構成された既存のチラーユニット等により非常時にデータセンタを冷却する従来のデータセンターの冷却システムと比較して設計変更が容易である。具体的には、例えばデータセンタ1のデータ処理量の増大に伴ってその冷却のために要求される冷熱量を増大する必要がある場合に、上述のような既存の装置に比較して容易に氷蓄熱装置15の大きさを変更したり、他の氷蓄熱装置15を追加して冷却システムの出力を増加したりすることができる。また、既設のデータセンターの冷却システムにおいて、補助冷却装置として使用されている既存のチラーユニットを、本願発明の氷蓄熱装置15と置き換えることも可能である。
(実施例2)
次にこの発明に係る第2の実施例を具体的に説明する。図6に、この発明に係る氷蓄熱装置の他の例を模式的に示してある。本願発明に係る第2の実施例では、氷蓄熱装置15は、消費電力量が200kWh未満のデータセンタ1を対象として構成されている。具体的には、上述した第1の実施例と比較して、氷蓄熱装置15は、隔壁29を更に備えている。また、氷蓄熱装置15のタンク17は、上述した第1の実施例と比較して、小さく形成されており、コイル型熱交換器25に替えてU字形状の熱交換器30が使用されている。なお、図6において、図2および図3に示す構成と同様の構成については、図2および図3と同じ符号を付してその説明を省略する。
氷蓄熱装置15は、図6に示すように、隔壁29によって囲われて、地中に設けられている。土層20と隔壁29との間には、例えば土が詰められている。地表に露出する氷蓄熱装置15の上部は、蓋部材31によって覆われている。蓋部材31は、例えば、断熱材やコンクリートなどによって形成することができる。サーモサイフォン式ヒートパイプ18の蒸発部18aの近傍に、例えば中空管が屈曲されてることにより形成されるU字型熱交換器30が設けられており、その内部を液相の冷却用媒体が流通するようになっている。熱交換器30は、上述した熱交換器25と同様に、熱伝導性を有する銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などによって形成されていて、タンク17内に貯蔵されている熱媒体と、液相の冷却用媒体との間で熱交換が生じるようになっている。
(実施例3)
次にこの発明に係る第3の実施例を具体的に説明する。本願発明に係る第3の実施例は、消費電力量が200kWhを超える大規模データセンタを対象とし、複数の氷蓄熱装置を使用して補助用冷却装置が構成されている。図7に、その上視図を模式的に示してある。図8に、図7に示す氷蓄熱装置の断面図を模式的に示してある。なお、図7および図8において、図2および図3ならびに図6に示す構成と同様の構成については、図2および図3ならびに図6と同じ符号を付してその説明を省略する。また、図8では、凝固された熱媒体と液相の冷却用媒体との間で熱交換する熱交換器を図示していないが、第1の実施例のコイル型熱交換器25や第2の実施例のU字型熱交換器30を使用することができ、各タンク17内に熱媒体を凝固させて蓄えた冷熱は、熱交換器を介して液相の冷却用媒体に伝達させて取り出すことができるように構成されている。図7および図8に示したように、三つの氷蓄熱装置15が隔壁29によって囲われて、地中に設けられている。各氷蓄熱装置15は、直方形に形成されている。隔壁29と氷蓄熱装置15との間には上述した土層20が設けられている。土層20の厚みは上述したように1mとされ、土層20の高さは氷蓄熱装置15よりも高く形成されている。土層20には、上述しように複数のサーモサイフォン式ヒートパイプ27が設けられている。この土層20と隔壁29との間には、例えば土が詰められている。
また、隣接する氷蓄熱装置15の間には、上記の土層20よりも厚みが薄い土層20sが設けられている。土層20sの厚みは1m未満とされ、高さは氷蓄熱装置15の高さと同じになっている。土層20sには、土層20と同様に、複数のサーモサイフォン式ヒートパイプ27が設けられていて、土層20sの熱は、サーモサイフォン式ヒートパイプ27によって大気中に放熱されることにより外気の冷熱によって冷却されて凍結され、凍土層20sを形成するようになっている。また、図8に示すように、各氷蓄熱装置15および土層20sの上面は、断熱材26によって覆われており、更に各氷蓄熱装置15および土層20,20sが外気と接触しないように蓋部材31によって覆われている。
このように本願発明に係る第2の実施例および第3の実施例においても、上述した第1の実施例と同様の効果を得ることができる。加えて、凍結されて凍土化された土層20,20sに熱交換器を設ければ、凍土化された土層20,20sの冷熱を使用してデータセンタ1を冷却することもできる。
1…データセンタ、 4…電子部品、 6…チラーユニット、 15…氷蓄熱装置、 17…タンク、 18,27…サーモサイフォン式ヒートパイプ、 20,20s…土層(凍土層)。

Claims (3)

  1. データ処理に伴って発熱する電子部品を冷却する冷却器の運転が停止したり、その冷却に不足が生じたりする場合に、予め蓄えた冷熱によって前記電子部品を冷却するように構成されたデータセンタの補助用冷却装置において、
    熱媒体を貯蔵するタンクと、
    前記熱媒体に少なくとも一部が浸漬され、他の一部が大気中に露出されるとともに、前記熱媒体の温度が前記外部の温度よりも高く、かつ前記外部の温度が所定温度以下の場合に、前記熱媒体の熱を受動的に熱輸送して外気に放熱することにより前記熱媒体を凝固させて蓄冷する熱輸送方向が一方向のヒートパイプと、
    前記タンクの周囲に形成された水分を含む土層と、
    前記土層に少なくとも一部が埋設されていて前記土層の温度が前記外部の温度よりも高く、かつ前記外部の温度が所定温度以下の場合に、前記土層の熱を受動的に熱輸送して外気に放熱することにより前記土層を凍結させる熱輸送方向が一方向の他のヒートパイプとを備えた氷蓄熱装置を備える
    ことを特徴とするデータセンタの補助用冷却装置。
  2. 前記ヒートパイプおよび前記他のヒートパイプは、密閉容器の内部に蒸発および凝縮を伴って流動する作動流体が封入され、かつ液相の前記作動流体が重力によって還流されることにより、熱輸送方向が一方向に制限されたサーモサイフォン式ヒートパイプを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータセンタの補助用冷却装置。
  3. 前記土層の厚みは、1mであり、
    前記土層の含水量は、前記土層が砂を主成分として形成される場合には、2.5〜10%であり、前記土層がロームを主成分として形成される場合には、約10〜17.5%であり、前記土層が粘土を主成分として形成される場合には、約17.5〜25%であり、
    前記タンクおよび前記土層は、凍結指数が400℃・day以上の寒冷地の地中に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータセンタの補助用冷却装置。
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