JP2012179042A - ヌクレオチド含有茶抽出物およびその製造方法 - Google Patents

ヌクレオチド含有茶抽出物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】旨味を強化し、苦渋味を低減した酵素処理茶抽出物の製造方法と、さらに、茶本来の旨味が増強され苦渋味が低減された、嗜好性の高い酵素処理茶抽出物を提供すること。
【解決手段】茶を水で抽出し、抽出液中に含まれるRNA成分を5’−ホスホジエステラーゼを用いて5’−ヌクレオチドに分解し、さらに5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させて5’−AMPを5’−IMPに変換し、5’−GMPと5’−IMPの合計含有量が茶抽出物固形分あたり0.1重量%以上含む茶抽出物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、5’−ホスホジエステラーゼおよび5’−アデニル酸デアミナーゼ処理した酵素処理茶抽出物の製造方法、その製造方法で得られる酵素処理茶抽出物、および旨味増強・苦渋味低減剤に関する。
近年、茶の飲用形態の変化により、缶やペットボトル等の容器に充填された容器詰茶飲料や粉末茶飲料の消費量が増加し、それに伴い多くの茶飲料が開発されている。これらの茶飲料開発においては 急須で煎れたような旨味やコク味の再現を求めて、種々の製造方法が検討されてきた。
各種茶飲料の中でも、とりわけ緑茶は、消費者から無添加を求められる傾向が強く、製品への表示が必要となる調味料や食品添加物等の使用は、消費者が昨今の茶飲料に求めているニーズにそぐわない。そこで、味の改善方法として茶飲料の製造工程で酵素処理を行う方法や酵素処理した茶抽出物を製造し、この茶抽出物を茶飲料に添加する方法などが開発されてきている。
茶飲料の製造工程で酵素処理を行う方法としては、例えば、セルラーゼやペクチナーゼ等の植物組織崩壊酵素を組み合わせて茶葉を酵素分解抽出し、苦渋味が少なく、旨味やコク味を有する茶抽出液を製造する方法(特許文献1)やプロテアーゼとタンナーゼを併用処理して、旨味やコク味の強い抽出エキスを製造する方法(特許文献2、3)、さらには、低温抽出した旨味成分の多い抽出液に、抽出残渣をプロテアーゼとペクチナーゼを併用処理して得たアミノ酸の多い抽出液を混合し、新しい香味の茶抽出エキスを得る方法(特許文献4)が開示されている。また、茶抽出物を酵素処理する方法としては、茶抽出物にグルタミナーゼを作用させることにより、茶エキスに含まれるテアニンをグルタミン酸に変換することで旨味を増強させる方法(特許文献5、6)が開示されている。さらに、原料茶葉を種々の酵素で処理することにより、甘味や旨味が強く、若いグリーンの香りの強い茶抽出液を製造する方法(特許文献7)が開示されている。本方法は香りの強化を目的としたものであるが、副次的な効果として旨味の増加効果が報告されている。
しかしながら、これらの方法は、その処理に長時間を要するため、生産効率が悪いだけでなく、製造中に微生物による汚染や香味の低下を生ずる可能性があるために現実的ではない。さらにこれらの方法では、旨味は強化しているものの、茶としての味のバランスが崩れてしまい、茶本来の風味とは異なるものになってしまう。
特開2003−210110号公報 特開2003−144049号公報 特開2006−61125号公報 WO2009/041555号公報 特開2005−124500号公報 特開2006−42625号公報 WO2008/001848号公報
上記の通り、茶飲料や茶抽出物の風味を改善する為の酵素処理方法は種々知られているが、これらの方法で得られる酵素処理茶抽出物の風味は必ずしも十分に満足しうるものではなく、茶本来の味バランスを保ちながら、旨味を強化し苦渋味を低減させられる茶飲料や茶抽出物の開発が望まれていた。
そこで本発明は、旨味を強化し、苦渋味を低減した酵素処理茶抽出物の製造方法を提供する事を目的とする。さらに、茶本来の旨味が増強され苦渋味が低減された、嗜好性の高い酵素処理茶抽出物の提供を目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、茶を水又は水溶液で抽出した抽出物に、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素あるいは、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素と5’−アデニル酸デアミナーゼ活性を有する酵素を作用させることにより、得られた茶抽出物の旨味が大幅に増強され、しかも茶抽出物の苦渋味が低減される効果をも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の旨味に優れ、苦渋味が低減された酵素処理茶抽出物の製造方法は、請求項1記載のように、原料となる茶を水又は水溶液で抽出して得た抽出物に、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素を作用させる工程を有し、得られた茶抽出物固形分中のグアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP)の含有量が0.1重量%以上であることを特徴とする酵素処理茶抽出物の製造方法である。
また、本発明の旨味に優れ、苦渋味が低減された酵素処理茶抽出物の製造方法は、請求項2記載のように、原料となる茶を水又は水溶液で抽出して得た抽出物に、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素及び5’−アデニル酸デアミナーゼ活性を有する酵素を作用させる工程を有し、得られた茶抽出物固形分中の5’−GMPとイノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP)の合計含有量が0.1重量%以上であることを特徴とする酵素処理茶抽出物の製造方法である。
さらに、請求項3記載の本発明は、請求項1又は2記載の製造方法によって得られる酵素処理茶抽出物である。
請求項4記載の酵素処理茶抽出物は、請求項1又は2記載の製造方法で得られた酵素処理茶抽出物に、酵素未処理茶抽出物を添加したものである。酵素未処理茶抽出物とは、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素、あるいは5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素及び5’−アデニル酸デアミナーゼ活性を有する酵素を作用させていない茶抽出物である。
請求項5記載の旨味増強および苦渋味低減剤は、請求項3又は4記載の酵素処理茶抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
また、請求項6記載の旨味増強および苦渋味低減方法は、飲食品に請求項3又は4記載の酵素処理茶抽出物を添加することを特徴とする。
本発明によれば、茶を水又は水溶液で抽出して得た抽出物に、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素、あるいは5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素及び5’−アデニル酸デアミナーゼ活性を有する酵素を作用させると、旨味に優れかつ渋味が低減されたバランスのよい高品質な酵素処理茶抽出物を製造することが可能となるだけでなく、この酵素処理茶抽出物を茶飲料の製造工程に添加することにより、旨味があり、かつ苦渋味の低減された茶飲料を提供することができる。
抽出溶液pHと茶抽出固形分中の5’−GMP含有量(%) 酵素反応温度と茶抽出固形分中の5’−GMP含有量(%) 酵素反応pHと茶抽出固形分中の5’−GMP含有量(%) 茶抽出物固形分100mgに対する5’−ホスホジエステラーゼ使用量と茶抽出固形分中の5’−GMP含有量(%) 酵素反応時間と茶抽出固形分中の5’−GMP含有量(%) 抽出溶液pHと茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMPの合計含有量(%) 酵素反応温度と茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMPの合計含有量(%) 酵素反応pHと茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMPの合計含有量(%) 酵素反応時間と茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMPの合計含有量(%)
以下において、本発明を詳細に説明する。
本発明の酵素処理茶抽出物の製造方法における出発原料の茶とは、茶樹(Camellia Sinensis)の葉、茎の未加工摘採物、あるいはこれらを原料として製造された加工品を示す。未加工摘採物の場合、抽出液を得る前に、蒸熱処理や釜炒り処理などによる加熱処理工程を経たものが好ましい。加工品としては、例えば、緑茶や茶花等の不発酵茶、烏龍茶等の半発酵茶、紅茶等の完全発酵茶、プアール茶などの後発酵茶を挙げることができ、いずれも本発明の酵素処理茶抽出物を製造するための原料として使用可能である。また、抽出効率を上げるためにこれらを予め、粉砕・破断・細断してもよい。さらに、原料茶として上記茶を抽出した後の残渣(茶殻)を使用してもよい。また、市販のインスタント粉末茶を原料茶として使用してもよい。
茶葉からの抽出工程の一般的な例としては、前記原料茶を5〜50倍量の水を用い20〜95℃で5〜120分間、必要に応じて撹拌を行いながら抽出する。茶葉を抽出するための水の温度は、抽出効率などの点で、50〜100℃程度が好ましく、80〜95℃がさらに好ましい。また、抽出に用いる水又は水溶液のpHは特に限定されないが、好ましくはpH5〜13の範囲であり、より好ましくは5.5〜12.5、更に好ましくは6〜12、最も好ましくは6.5〜11である。これらの範囲内のpHで抽出すれば、より旨味の強い酵素処理茶抽出物が得られる。pHの調整には、食品加工に用いることができる、重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸カリウムもしくは水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。さらに、茶葉を抽出する際、抽出液の褐変防止のためアスコルビン酸、エリソルビン酸もしくはそれらの金属塩などの酸化防止剤を同時に添加するのが好ましい。また、茶抽出後の茶葉残渣(茶殻)を原料とする場合の抽出方法として、上記の茶葉からの抽出例と同様であるが、抽出温度は70℃以上が好ましく、85℃〜95℃がより好ましい。抽出に用いる水又は水溶液のpHは、アルカリ性(pH8.0〜11)が好ましい。pH調整剤としては上記と同様、重曹、炭酸カリウムもしくは水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
抽出装置としては、原料茶と、水又は水溶液を接触保持させることができれば良く、カラム方式又はバッチ方式等を採用することができる。カラム方式では、原料を投入したカラムに水又は水溶液を通過させることで抽出液を得ることができる。バッチ方式では、ニーダーや抽出タンクなどの抽出装置に、水又は水溶液と原料を投入して一定時間保持することで抽出液を得ることができる。抽出後は、茶殻と抽出液をフィルターや遠心分離により固液分離するが、その際、抽出効率を上げるために圧搾処理しても良い。このようにして得られた茶葉抽出液のpHは、食品加工に用いることのできる酸(塩酸等)を用いてpH4〜7、好ましくは4.5〜6.5、より好ましくは5〜6に調整することが抽出液の成分変化を最小限にする事ができる点、かつ酵素処理を行う点で好ましい。
本発明においては、上記のように原料茶から得た抽出液に対して5’−ホスホジエステラーゼ処理を行う。必要に応じて抽出液を濃縮あるいは乾燥した後に水で再溶解し、5’−ホスホジエステラーゼ処理してもよい。酵素反応は、目的の酵素処理茶抽出物ができる条件であれば特に限定されないが、5’−ホスホジエステラーゼを作用させる場合、例えばpHは、4〜6が好ましく、4.5〜5.5がさらに好ましい。酵素反応の温度は、25〜80℃が好ましく、35〜70℃がさらに好ましい。酵素量は、反応時の茶抽出固形分濃度に関わらず、茶抽出固形分100mgに対する5’−ホスホジエステラーゼ量は、0.7〜70units、さらに好ましくは3.5〜35unitsがよい。酵素反応時間は、例えばpH5、反応温度50℃、茶抽出固形分100mgに対する5’−ホスホジエステラーゼ量が7unitsの場合、15分以上処理することで目的とする酵素処理茶抽出物を得ることができるが、品質劣化の問題から、90分以下が好ましく60分以下がさらに好ましい。
また、原料茶から得た抽出液に対して、5’−ホスホジエステラーゼと5’−アデニル酸デアミナーゼの二種類の酵素を同時に作用させる場合、例えばpHは、4〜6がよく、4.5〜5.5が好ましい。酵素反応の温度は、25〜65℃が好ましく、35〜60℃がより好ましい。
また、5’−ホスホジエステラーゼを作用させたのち5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させる場合、5’−ホスホジエステラーゼを作用させるときのpHは、4〜6が好ましく、4.5〜5.5がさらに好ましい。酵素反応の温度は25〜80℃が好ましく、35〜70℃がさらに好ましい。次いで5’−アデニル酸デアミナーゼを作用させるときのpHは、4〜6が好ましく、4.5〜5.5がさらに好ましい。酵素反応の温度は、25〜60℃が好ましく、35〜50℃がさらに好ましい。酵素量は、反応時の茶抽出固形分濃度に関わらず、茶抽出固形分100mgに対する5’−ホスホジエステラーゼ量は、0.7〜70units、さらに好ましくは3.5〜35unitsがよい。5’−アデニル酸デアミナーゼ量は茶抽出固形分100mg当り、25000〜500000units、より好ましくは50000〜250000unitsがよい。
酵素反応時間は、例えばpH5、反応温度50℃、5’−ホスホジエステラーゼ量が7units、5’−アデニル酸デアミナーゼ量が50000unitsであれば、15分以上がよく、品質劣化の問題から、90分以下が好ましく、60分以下がさらに好ましい。
本発明で使用される5’−ホスホジエステラーゼとは、5’−エキソヌクレアーゼ[5’−ヌクレオチドホスホジエステラーゼ](EC.3.1.4.1)を意味し、本酵素は、3’−OH基をもつオリゴヌクレオチドや核酸(RNAやDNA)の3’−末端から順次5’−ヌクレオチドを遊離する酵素を示す。由来は特に限定する必要はなく、本酵素を含有する市販の酵素製剤で十分である。市販の酵素製剤としては、天野エンザイム株式会社より販売されている、ヌクレアーゼ「アマノ」G等が挙げられる。また、5’−ホスホジエステラーゼの1unitとは、pH 5.0、70℃の条件下で、基質とするアデノシン−3’−モノホスフェート(3’−AMP)に酵素を作用させて1分間に1μmolのリン酸を遊離する酵素量である。
本発明で使用される5’−アデニル酸デアミナーゼは、一般名AMPデアミナーゼ(EC.3.5.4.6)を意味し、本酵素は、5’−アデニル酸を5’−イノシン酸に変換する酵素活性を有する。由来は特に限定する必要はなく、本酵素を含有する市販酵素製剤で十分である。市販の酵素製剤としては、天野エンザイム株式会社より販売されている、デアミザイムG等が挙げられる。また、5’−アデニル酸デアミナーゼの10unitsとは、pH 5.6、37℃の条件下で、基質とするアデノシン−5’−モノホスフェート(5’−AMP)に60分間酵素を作用させ、酵素の作用によって5’−IMPを生成する際、吸光波長の違いの最も大きい265nmの吸光度差が0.001減少するときの酵素量である。
更に、得られた酵素処理茶抽出物の渋味を除去する為に、合成吸着剤や活性炭、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)などで茶抽出物中の茶ポリフェノールを除去することができる。本発明で使用される合成吸着剤としては、その母体がスチレン系、例えばXAD−16(オルガノ株式会社製)、スチレンジビニルベンゼン系、例えばダイアイオンHP−20(三菱化学株式会社)、アクリル系、例えばダイアイオンWK−20(三菱化学株式会社製)、メタクリル系、例えばダイアイオンHP−2MG(三菱化学株式会社製)、アクリル酸エステル系、例えばアンバーライトXAD−7(オルガノ株式会社製)、アミド系、例えばアンバーライトXAD−11(オルガノ株式会社製)、デキストラン系、例えばセファデックスLH−20(ファルマシア株式会社製)等が使用でき、その種類を問わない。また、本発明における合成吸着剤や活性炭による処理方法は、カラム方式又はバッチ方式を採用することができる。カラム方式では、合成吸着剤や活性炭を充填したカラムに、酵素処理茶抽出液や水に溶解した酵素処理茶抽出物を一定流量で送液することで目的を達成することができる。バッチ方式では、抽出液に合成吸着剤や活性炭、PVPPを投入し、一定時間撹拌後に合成吸着剤を分離する方法などがある。しかしその方法に制約は無く、目的を達成できる方法であればいずれの方法を用いても良い。
本発明の酵素処理茶抽出物製造方法における最終産物の形態は問わず、液状でも良いし、乾燥させた固体状、粉末状の何れでも構わない。乾燥させる場合には、一般的に用いられている方法を用いれば良く、例えば、噴霧乾燥法(スプレードライ)や凍結乾燥法を例示することができる。その一例を示すと、得られた茶抽出液をBrix(固形分)10〜30%まで濃縮後、凍結乾燥やスプレードライすることで得ることができる。
本発明の酵素処理茶抽出物には、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素あるいは5’−ホスホジエステラーゼと5’−アデニル酸デアミナーゼの二種類の酵素を作用させることにより調製した酵素処理茶抽出物を、別途調製したこれらの酵素処理を行っていない一般的な茶抽出物と混合したものも包含する。
ここで、一般的な茶抽出物には、市販品として、例えば、三井農林(株)の商品名「ポリフェノン」、(株)伊藤園の商品名「テアフラン」、太陽化学(株)の商品名「サンフェノン」なども例示することができる。
本発明の苦渋味低減及び旨味強化剤は、従来の飲食品に対して、香りに何ら影響を与えることなく、その苦渋味を低減することに加え、旨味を強化することができる。本発明の苦渋味低減及び旨味強化剤を添加する飲料の例を挙げれば、炭酸飲料、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)の果汁飲料や果汁入り清涼飲料、柑橘類の果肉飲料や顆粒入り果実飲料、トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、人参、ジャガイモ、アスパラガスなどの野菜を含む野菜系飲料、豆乳・豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料などが挙げられる。
本発明の渋味低減および旨味強化方法は、従来の飲食品に対し添加することで、その渋味を低減し、かつ旨味を強化する方法である。
本発明の茶抽出物の飲料へ配合量については特に制限はないが、配合対象物により配合量を便宜設定することが好ましい。一般的には最終製品中で100mL中に5mg(5ppm)以上の添加であればよいが、10〜1000ppmの添加が好ましく、25〜500ppmの添加が最も好ましい。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
茶抽出物及び茶飲料中の各成分含量は、適宜溶解・希釈した後に0.45μmのメンブレンフィルター(DISMIC−13HP;ADVANTEC)で濾過し、それぞれ以下の方法で行った。
((A)茶ポリフェノール含有量の測定法)
茶ポリフェノールの測定は酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸エチルの換算量として求めた(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNo.10)。 試料2mLと酒石酸鉄標準溶液5mLを秤り採り、リン酸緩衝液で25mLとし、発色させる。540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線から茶ポリフェノール量を求めた。
酒石酸鉄標準試薬の調製:硫酸第一鉄七水和物100mgと酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを水に溶かして100mLとする。
リン酸緩衝液の調製:1/15Mリン酸水素二ナトリウム溶液と1/15Mリン酸二水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整する。
((B)5’−ヌクレオチド含有量の測定方法)
標準試料である5’−GMP、5’−IMPはそれぞれ市販されている試薬(SIGMA社製)を用いた。標準試料および測定試料は超純水で適宜希釈・定容し、それぞれ標準溶液または試料溶液とした。標準試料および測定試料は0.45μm親水性PTFEフィルター(アドバンテック(株)製、DISMIC−13HP)で濾過した後、以下の条件にてLC−MS/MSを用いて定量した。
(5’−ヌクレオチド含有量の測定条件)
装置(HPLC):アジレント・テクノロジー株式会社、1100 Series、(MS/MS):株式会社エービー・サイエックス、3200Q TRAP)
カラム:Mightysil RP−18 GP、2.0mmΦ×250mm(5μm)(関東化学株式会社)
移動相(A液):メタノール:10mM酢酸アンモニウム(pH4.0)=1.2:240、(B液):メタノール:10mM酢酸アンモニウム(pH4.0)=100:1(体積比)
グラジエント:(A液)100%で0〜12分まで保持、12〜15.2分で(B液)0%〜70%まで直線的にグラジエント溶出、15.2〜21分まで(B液)70%で保持、21〜21.2分で(A液)100%に戻し、21.2〜40分まで(A液)100%で平衡化。流速:200μl/min、カラム温度:40℃、注入量10μL。
イオン化:ESI Turboionspray−negative、検出:Multiple Reaction Monitoring(MRM)mode
検出:5’−GMP:m/z=361.8/78.8 、5’−IMP:m/z=346.9/78.8。
(発明品1、比較品1)
ヌクレアーゼ処理した茶抽出物
市販緑茶葉75gを90℃の超純水1500gで60分間撹拌しながら抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。この緑茶抽出液をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、緑茶抽出物(比較品1)を得た。得られた緑茶抽出物3gを300gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。これを50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)300mg(茶固形分100mgに対して70units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加温し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理茶抽出物(発明品1)を得た。結果を表1に示す。
(各種茶葉抽出物の調製)
(比較品2〜9、発明品2〜5)
表1に示した各種荒茶葉(1番茶、2番茶、かぶせ茶、深蒸し茶、4番茶、玉露)を以下の方法で抽出後それぞれの抽出液を酵素処理し、茶ポリフェノール含有量、5’−IMPと5’−GMPの合計含有量を測定した。
各種荒茶葉75gを90℃の水1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。次にエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、緑茶抽出物を得た(酵素未処理茶抽出物(比較品2〜6、8))。得られた緑茶抽出物3gを300gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。これを50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)300mg(茶固形分100mgに対して70units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加温し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、酵素処理緑茶抽出物(発明品2〜5、比較品7、9)を調製した。各調製品の茶ポリフェノール量、5’−GMP量、5’−IMP量および(5’−GMP+5’−IMP)量を表1に示す。
(官能評価試験1)
試験例1:各種茶葉抽出物の酵素未処理品と酵素処理品の比較
表1に示した酵素未処理抽出物とその酵素処理抽出物それぞれについて、旨味および苦渋味を、以下の試験方法に従って評価した。
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ、茶ポリフェノール濃度60mg/100mLになるようにイオン交換水で溶解後、比較品1と発明品1、比較品2と発明品2、比較品3と発明品3、比較品4と発明品4、比較品5と発明品5、比較品6と比較品7、比較品8と比較品9のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。有意水準は、「Excelでできる統計的官能評価法」((株)日科技連出版社、2008年)に付属のソフトウェアを用い、本書に従って計算した。結果は表2に示した。
官能評価試験の結果(表2)、5’−ホスホジエステラーゼ処理した抽出物は、どの茶葉の抽出物においても、未処理品と比べ、旨味が強くなっていることがわかった。一方、苦渋味に関しては、茶抽出固形分中の5’−GMPの含有量が0.1%以上の抽出物で苦渋味の低下が確認でき、0.07%以下では、苦渋味の低下を確認することができなかった。この結果から、旨味を増強し、かつ苦渋味を低減する効果をもつ茶抽出物は、0.1%以上の5’−GMPを含有するものであると考えられた。
比較品1と比較し旨味が強化され、苦渋味の低下が確認できる5’−GMP含有量の確認
(比較品10)
実施例1記載の発明品1と比較品1を重量比(発明品1:比較品1=2:5)の割合で混合し、5’−GMPの含有量が0.07重量%の酵素処理茶抽出物(比較品10)を調製した。
(比較品11)
実施例1記載の発明品1と比較品1を重量比(発明品1:比較品1=2:3)の割合で混合し、5’−GMPの含有量が0.09重量%の酵素処理茶抽出物(比較品11)を調製した。
(発明品6)
実施例1記載の発明品1と比較品1を重量比(発明品1:比較品1=3:2)の割合で混合し、5’−GMPの含有量が0.10重量%の酵素処理茶抽出物(発明品6)を調製した。
(発明品7)
実施例1記載の発明品1と比較品1を重量比(発明品1:比較品1=4:1)の割合で混合し、5’−GMPの含有量が0.12重量%の茶抽出物(発明品7)を調製した。
調製した比較品1、発明品1、比較品10、11、発明品6、7の成分値を表3に示した。
(官能評価試験2)
試験例2: 表3に示した抽出物の官能評価
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ茶ポリフェノール濃度60mg/100mLになるようにイオン交換水で溶解後、比較品1と比較品10、比較品1と比較品11、比較品1と発明品6、比較品1と発明品7のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。結果は表4に示した。
官能評価試験の結果(表4)、比較品1と発明品1を混合し、5’−GMP含有量を調整した抽出物はいずれも、比較品1と比較し、旨味が強くなっていることがわかった。一方、苦渋味に関しては、茶抽出物固形分中の5’−GMP含有量が0.09%以下では苦渋味の低減が確認されず、0.10%以上で苦渋味の低減が確認された。このことから、旨味が強くかつ渋味が低減された茶抽出物中の5’−GMP含有量は0.10%以上必要であることがわかった。
(発明品8)
市販緑茶葉75gを90℃の0.15%の炭酸水素ナトリウム水溶液(pH 8.3)1500gで60分間抽出した。固液分離した後,濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。抽出液に0.1N塩酸を加え,pH 5.5に調整し、エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)100mg(茶固形分100mgに対して70units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加温し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後凍結乾燥して、酵素処理茶抽出物(発明品8)を得た。この緑茶抽出物の成分分析結果を表5および図1に示した。
(発明品9)
茶葉抽出時の溶液を0.15%炭酸カリウム水溶液(pH 11.2)に変更した以外は、発明品8と同様の方法で発明品9を調製した。この緑茶抽出物の成分分析結果を表5および図1に示した。
(発明品10)
茶葉抽出時の溶液を0.02Mの水酸化ナトリウム水溶液(pH 12.4)に変更した以外は、発明品8と同様の方法で発明品10を調製した。この緑茶抽出物の成分分析結果を表5および図1に示した。
(比較品12)
市販緑茶葉75gを90℃の0.02Mの塩酸(pH1.5)1500gで60分間抽出した。固液分離した後,濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。抽出液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え,pH5.5に調整し、エバポレーターで濃縮後凍結乾燥して、緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物3gを300gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)300mg(茶固形分100mgに対して70units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加温し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後凍結乾燥して、酵素処理茶抽出物(比較品12)を得た。この緑茶抽出物の成分分析結果を表5および図1に示した。
(比較品13)
茶葉抽出時の溶液を0.15%クエン酸溶液(pH 2.7)に変更した以外は、比較品12と同様の方法で比較品13調製した。この緑茶抽出物の成分分析結果を表5および図1に示した。
表5に示したように、食品加工に用いることができる、炭酸水素ナトリウムや炭酸カリウム、水酸化ナトリウムを用いて抽出溶液のpHをアルカリ性(pH8.3〜12.4)に調整した水溶液で抽出すると、水(pH6.2)で抽出したときに比べ、5’−GMPの含有量が1.9〜2.5倍多く、より旨味が強く、苦渋味が低減された酵素処理茶抽出物を調製することができる。一方、食品加工に用いることができる、塩酸やクエン酸を用いて抽出溶液のpHを酸性(pH1.5〜2.7)に調整した水溶液で抽出すると、水で抽出したときに比べ、5’−GMPの含有量が1/10以下に減少し、旨味もなく、苦渋味も同等であった。
(官能評価試験3)
試験例3: 表5に示した抽出物の官能評価
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ茶ポリフェノール濃度60mg/100mLになるようにイオン交換水で溶解後、発明品1と発明品8、発明品1と発明品9、発明品1と発明品10、発明品1と比較品12、発明品1と比較品13のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。結果は表6に示した。
官能評価試験の結果(表6)、食品加工に用いることのできる炭酸水素ナトリウムや炭酸カリウム、水酸化ナトリウムを用いて茶葉抽出溶液のpHをアルカリ性にし、調製した発明品8〜10は、発明品1よりもさらに旨味が強く、苦渋味も低減されていることから、アルカリ性抽出が有効な手段であることがわかった。一方、食品加工に用いることのできる塩酸、クエン酸を用いて茶葉抽出溶液のpHを酸性にして、調製した比較品12、13は、旨味がなく、苦渋味も発明品1よりも強かった。このことから、茶葉抽出時の溶液のpHは、酸性側では、目的とする酵素処理茶抽出物を得ることができないことがわかった。
茶ポリフェノール含有量を低減した酵素処理茶抽出物の調製
(発明品11、比較品14)
発明品10、2.5gを250gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を水で平衡化したダイアイオンHP−20(三菱化学(株)製)樹脂(250mL)を詰めたカラムに供し、水(750mL)で溶出し、ダイアイオンHP−20非吸着画分を得た。次にこの非吸着画分をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、茶ポリフェノール含有量を低減した酵素処理茶抽出物(発明品11)1.6gを得た。さらにダイアイオンHP−20カラムにメタノールを通液し、吸着画分を得た。HP−20吸着画分をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、吸着画分(比較品14)0.9gを得た。これらの緑茶抽出物の成分分析結果を表7に示した。
表7に示したように、発明品10をダイアイオンHP−20で処理した結果、固形分中の茶ポリフェノール含有量が少なく、5’−GMP含有量が1.5倍多い酵素処理茶抽出物(発明品11)が得られた。
活性炭による茶ポリフェノールの低減
(比較品15〜19、発明品12〜16)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm、pH8.2)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過後、0.1N塩酸を加えpH5.0に調整し、緑茶抽出液を得た。
(1)得られた緑茶抽出液のうち500mLは、50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製 720mg(5040units)を加え、30分間インキュベート後、沸騰水中で3分間加熱し反応停止した。得られた酵素反応液は、それぞれ下記(A)〜(E)の処理を行った。
(A)上記酵素反応液100mLは、そのままエバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理茶抽出物(発明品12)を得た。
(B)酵素反応液100mLは、活性炭1.45g(茶抽出物固形分に対して0.60倍量)を加え、室温で、60分間撹拌処理した。活性炭を除去後、エバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理茶抽出物(発明品13)を得た。
(C)酵素反応液100mLは、活性炭量を2.16g(茶抽出物固形分に対して0.90倍量)に変更した以外は(B)と同様の方法で処理し、酵素処理茶抽出物(発明品14)を得た。
(D)酵素反応液100mLは、活性炭量を2.90g(茶抽出物固形分に対して1.20倍量)に変更した以外は(B)と同様の方法で処理し、酵素処理茶抽出物(発明品15)を得た。
(E)酵素反応液100mLは、活性炭量を3.63g(茶抽出物固形分に対して1.51倍)に変えた以外は(B)と同様の方法で処理し、酵素処理茶抽出物(発明品16)を得た。
(2)上記、得られた緑茶抽出液500mLは、それぞれ下記(i)〜(v)の処理を行った。
(i)100mLは、そのままエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、茶抽出物(比較品15)を得た。
(ii)緑茶抽出液100mLは、活性炭1.44g(茶抽出物固形分に対して0.63倍量)を加え室温で50分間撹拌後、活性炭を除去し活性炭処理液を得た。得られた活性炭処理液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)23.7mg(166units)を加え、30分間インキュベートした後、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理茶抽出物(比較品16)を得た。
(iii)緑茶抽出液100mLは、活性炭量を2.14g(茶抽出物固形分0.93倍量)、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を20.7mg(145units)に変更した以外は(ii)と同様の方法で処理し、酵素処理茶抽出物(比較品17)を得た。
(iv)緑茶抽出液100mLは、活性炭量を2.75g(茶抽出物固形分に対して1.2倍量)、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を15.5mg(109units)に変更した以外は(ii)と同様の方法で処理し、酵素処理茶抽出物(比較品18)を得た。
(v)緑茶抽出液100mLは、活性炭量を3.2g(茶抽出物固形分に対して1.4倍量)、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を12.5mg(88units)に変更した以外は(ii)と同様の方法で処理し、酵素処理茶抽出物(比較品19)を得た。これらの緑茶抽出物の成分分析結果を表8に示した。
表8に示したように、酵素処理茶抽出物製造工程で活性炭処理による茶ポリフェノールの低減をする場合、5’−ホスホジエステラーゼ処理後に活性炭処理することで、酵素処理茶抽出物の固形分中の5’−GMP含有量の減少を抑えつつ、茶ポリフェノール含有量の低減された酵素処理茶抽出物を得ることができた。
酵素反応温度
(発明品17〜21)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過後、0.1N塩酸を加えpH5.0に調整し緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液は、それぞれ下記(A)〜(E)の処理を行った。すなわち、
(A)200mLは、25℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)200mg(1400units)を添加し、30分間反応させた。反応後、沸騰水中で3分間加熱し酵素反応を停止し、エバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理茶抽出物(発明品17)を得た。
(B)200mLは、酵素反応の温度を35℃に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品18)を得た。
(C)200mLは、酵素反応の温度を50℃に変更した以外は、同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品19)を得た。
(D)200mLは、酵素反応の温度を60℃に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品20)を得た。
(E)200mLは、酵素反応の温度を70℃に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品21)を得た。これらの緑茶抽出物の成分分析結果を表9および図2に示した。
茶固形分に対する酵素量、反応時間、酵素反応pHを一定とし、酵素反応温度を25〜70℃で5’−ホスホジエステラーゼ処理した結果、酵素反応温度は25℃以上であれば、目的とする酵素処理茶抽出物を得ることができることがわかった。
酵素反応pH
(比較品20、21、発明品22〜26)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。
(A)この緑茶抽出液200mLに、0.1N塩酸を加え、pH3.0に調整後、50℃に加温し、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)200mg(1400units)を添加し、反応を開始した。30分間反応後、沸騰水中で3分間加熱し酵素反応を停止し、エバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理茶抽出物(比較品20)を得た。
(B)酵素反応のpHを4.0(pH調整:0.1N塩酸を使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品22)を得た。
(C)酵素反応のpHを4.5(pH調整:0.1N塩酸を使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品23)を得た。
(D)酵素反応のpHを5.0(pH調整:0.1N塩酸を使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品24)を得た。
(E)酵素反応のpHを5.5(pH調整:0.1N塩酸を使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品25)を得た。
(F)酵素反応のpHを6.0(pH調整:炭酸水素ナトリウムを使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品26)を得た。
(G)酵素反応のpHを7.0(pH調整:炭酸水素ナトリウムを使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(比較品21)を得た。これらの緑茶抽出物の成分分析結果を表10および図3に示した。
茶固形分に対する酵素量、反応時間、反応温度を一定とし、pHを3.0〜7.0でそれぞれ5’−ホスホジエステラーゼの反応を行った結果を表10および図3に示した。その結果、pH3.0およびpH7.0では、5’−ホスホジエステラーゼの反応は全く進まず、目的とする酵素処理茶抽出物を得ることができなかったが、pH4.0〜6.0の間では、目的とする酵素処理茶抽出物を調製することができた。
酵素量の検討
(発明品27〜32)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液に0.1N塩酸を加え、pH5.0に調整し、エバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、茶抽出物を得た。得られた茶抽出物21.3gを1000mLの超純水に溶解後、
(A)この溶解液100mLは、50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)2.1mg(茶固形分100mgに対して0.7units)を添加し、反応を開始した。30分間反応後、沸騰水中で3分間加熱し酵素反応を停止し、エバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理茶抽出物(発明品27)を得た。
(B)ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を10.7mg(茶固形分100mgに対して3.5units)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品28)を得た。
(C)ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を21.3mg(茶固形分100mgに対して7units)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品29)を得た。
(D)ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を63.9mg(茶固形分100mgに対して21units)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品30)を得た。
(E)ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を106.5mg(茶固形分100mgに対して35units)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品31)を得た。
(F)ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を213mg(茶固形分100mgに対して70units)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品32)を得た。これらの緑茶抽出物の成分分析結果を表11および図4に示した。
酵素反応時間、酵素反応pH、酵素反応温度を一定とし、茶固形分に対する5’−ホスホジエステラーゼ量を変化させた結果を表11および図4に示した。その結果、茶抽出物固形分100mgに対する5’−ホスホジエステラーゼ量を0.7〜70unitsで反応させた全試験区において、目的とする酵素処理茶抽出物を得ることができた。
酵素反応時間の検討
(比較品22、23、発明品33〜48)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液に0.1N塩酸を加え、pH5.0に調整した。エバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、茶抽出物を得た。得られた茶抽出物21.3gを1000mLの超純水に溶解後、
(A)この溶解液のうち300mLは、50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)6.3mg(茶固形分100mgに対して0.7units)を添加し、反応を開始した。反応開始後0分、30分、60分、90分、120分、150分にそれぞれサンプリングし、沸騰水中で3分間加熱し酵素反応を停止した。エバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理茶抽出物(比較品22、23および発明品33〜36)を得た。
(B)ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を63.9mg(茶固形分100mgに対して7units)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品37〜42)を得た。
(C)ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を191.7mg(茶固形分100mgに対して21units)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品43〜48)を得た。これらの緑茶抽出物の成分分析結果を表12および図5に示した。
表12および図5に示したように、目的とする茶抽出物を得るための酵素処理の時間は、酵素量によって異なるが、例えば茶抽出固形分100mgに対する5’−ホスホジエステラーゼ量が0.7unitsであれば、60分以上処理すればよく、7units以上であれば15分以上処理することで目的とする茶抽出物を調製することができる。
烏龍茶抽出物の調製
(比較品24、発明品49)
烏龍茶葉75gを90℃の水1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って烏龍茶抽出液を得た。この烏龍茶抽出液をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、烏龍茶抽出物(比較品24)を調製した。調製した烏龍茶抽出物(比較品24)1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)50mg(茶固形分100mgに対して35units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理烏龍茶抽出物(発明品49)を調製した。比較品24と発明品49の成分分析の結果は表13に示した。
(比較品25、発明品50)
烏龍茶葉75gを0.15%の炭酸水素ナトリウム溶液(pH8.3)1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って烏龍茶抽出液を得た。この烏龍茶抽出液に0.1N塩酸を加え、pHを5.0へ調整した後にエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、烏龍茶抽出物(比較品25)を調製した。調製した烏龍茶抽出物(比較品25)1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)50mg(茶固形分100mgに対して35units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理烏龍茶抽出物(発明品50)を得た。比較品25と発明品50の成分分析の結果は表13に示した。
(官能評価試験4)
試験例4:表13に示した抽出物の官能評価
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ茶ポリフェノール濃度60mg/100mLになるようにイオン交換水で溶解後、比較品24と発明品49、比較品25と発明品50のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。結果は表14に示した。
官能評価試験の結果(表14)、5’−ホスホジエステラーゼ処理した烏龍茶抽出物は、未処理品(比較品24、25)と比べ、旨味が強化され、苦渋味が有意に低いことがわかった。
紅茶抽出物の調製
(比較品26、発明品51)
紅茶葉75gを90℃の水1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って紅茶抽出液を得た。この紅茶抽出液をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、紅茶抽出物(比較品26)を得た。調製した紅茶抽出物(比較品26)1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)50mg(茶固形分100mgに対して35units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、酵素処理紅茶抽出物(発明品51)を調製した。これらの茶抽出物の成分分析の結果を表15に示した。
(比較品27、発明品52)
紅茶葉75gを0.15%の炭酸水素ナトリウム溶液(pH8.3)1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って紅茶抽出液を得た。この紅茶抽出液に0.1N塩酸を加えpH5.0へ調整した後にエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、紅茶抽出物(比較品27)を調製した。調製した紅茶抽出物(比較品27)1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)50mg(茶固形分100mgに対して35units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、酵素処理紅茶抽出物(発明品52)を得た。これらの茶抽出物の成分分析の結果を表15に示した。
(官能評価試験5)
試験例5:表15に示した抽出物の官能評価
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ茶ポリフェノール濃度60mg/100mLになるようにイオン交換水で溶解後、比較品26と発明品51、比較品27と発明品52のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。結果は表16に示した。
ヌクレアーゼ、デアミナーゼ処理した茶抽出物の調製
(比較品28、発明品53)
市販緑茶葉75gを90℃の超純水1500gで60分間撹拌しながら抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。この緑茶抽出液をエバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、緑茶抽出物(比較品28)を得た。得られた緑茶抽出物(比較品28)3gを300gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。これを50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)90mg(茶固形分100mgに対して21units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)90mg(茶固形分100mgに対して150000units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理茶抽出物(発明品53)を得た。これらの緑茶抽出物の成分分析結果を表17に示した。
(各種緑茶抽出物の調製)
(比較品29〜34、発明品54〜59)
表17に示した各種荒茶葉(1番茶、2番茶、かぶせ茶、深蒸し茶、4番茶、玉露)を以下の方法で抽出後それぞれの抽出液を酵素処理後、ポリフェノール含有量、5’−IMPと5’−GMPの合計含有量を測定した。
各種の荒茶葉75gを90℃の水1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。次にエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、各種緑茶抽出物を得た(酵素未処理茶抽出物)。得られた緑茶抽出物3gを300gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。これを50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)300mg(2100units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)300mg(15000000units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加温し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、酵素処理緑茶抽出物を調製した。これら12種類の緑茶抽出物の成分分析結果を表17に示した。
(官能評価試験6)
試験例6:各種緑茶抽出物の酵素未処理品と酵素処理品の比較
表17に示したそれぞれの酵素未処理抽出物とその酵素処理抽出物について、旨味および苦渋味を、以下の試験方法に従って評価した。
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ茶ポリフェノール濃度60mg/100mLになるようにイオン交換水で溶解後、比較品28と発明品53、比較品29と発明品54、比較品30と発明品55、比較品31と発明品56、比較品32と発明品57、比較品33と発明品58、比較品34と発明品59のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。結果は表18に示した。
官能評価試験の結果(表18)、5’−ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ)および5’−アデニル酸デアミナーゼ(デアミナーゼ)処理した抽出物は、どの緑茶の抽出物においても、酵素未処理品と比べ、旨味が強く、苦渋味が低減されていることがわかった。これらの酵素処理緑茶抽出物において、5’−GMP含有量が0.10%未満である抽出物(発明品58、発明品59)でも、旨味が強く苦渋味が低減されていることがわかった。そして、これらの抽出物では、5’−GMPと5’−IMPの合計含有量が0.10%以上であったことから、5’−GMPと5’−IMPの総計が0.1%以上の緑茶抽出物は、上記の2つの効果を発揮できるものと考えられた。
(比較品35)
実施例12記載の発明品53と比較品28を重量比(発明品1:比較品5=2:5)の割合で混合し、5’−GMPと5’−IMP合計含有量が0.08重量%の酵素処理茶抽出物(比較品35)を調製した。
(発明品60)
実施例12記載の発明品53と比較品28を重量比(発明品1:比較品5=2:3)の割合で混合し、5’−GMPと5’−IMPの合計含有量が0.10重量%の酵素処理茶抽出物(発明品60)を調製した。
(発明品61)
実施例12記載の発明品53と比較品28を重量比(発明品1:比較品5=3:2)の割合で混合し、5’−GMPと5’−IMP合計含有量が0.16重量%の酵素処理茶抽出物(発明品61)を調製した。
(発明品62)
実施例12記載の発明品53と比較品28を重量比(発明品1:比較品5=4:1)の割合で混合し、5’−GMPと5’−IMP合計含有量が0.21重量%の茶抽出物(発明品62)を調製した。
比較品28、35および発明品60〜62の茶抽出物の成分組成を表19に示した。
(官能評価試験7)
試験例7: 表19に示した緑茶抽出物の官能評価
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ茶ポリフェノール濃度60mg/100mLになるようにイオン交換水で溶解後、比較品28と比較品35、比較品28と発明品60、比較品28と発明品61、比較品28と発明品62のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。結果は表20に示した。
官能評価試験の結果(表20)、比較品28と発明品53を混合し、5’−GMPと5’−IMPの合計含有量を調整した抽出物(比較品35、発明品60〜62)は、比較品28と比較し、旨味が強くなっていることがわかった。苦渋味に関しては、茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMP合計含有量が0.08%の茶抽出物(比較品35)は、比較品28と苦渋味に関して有意差はなかった。一方茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMPの合計含有量が0.1%以上の茶抽出物(発明品60〜62)に関しては、比較品28と比較して有意に苦渋味が低下していることが確認できた。これらのことから、旨味が強化されかつ、渋味が低減された茶抽出物中の5’−GMPと5’−IMPの合計含有量は、0.1%以上必要であることがわかった。
(発明品63)
市販緑茶葉75gを90℃の0.15%の炭酸水素ナトリウム水溶液(pH8.3)1500gで60分間抽出した。固液分離した後,濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。この緑茶抽出液に0.1N塩酸を加え,pH5.5に調整後、エバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物10gを1000gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)300mg(茶固形分100mgに対して21units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)300mg(茶固形分100mgに対して150000units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理緑茶抽出物(発明品63)を得た。
(発明品64)
茶葉抽出時の溶液を0.15%炭酸カリウム水溶液(pH11.2)に変更した以外は、発明品63と同様の処理を行って発明品64を調製した。
(発明品65)
茶葉抽出時の溶液を0.02Mの水酸化ナトリウム水溶液(pH12.4)に変更した以外は、発明品63と同様の処理を行って発明品65調製した。
(比較品36)
緑茶葉75gを90℃の0.02Mの塩酸(pH1.5)1500gで60分間抽出した。固液分離した後,濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。抽出液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え,pH5.5に調整後、エバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物3gを300gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)90mg(茶固形分100mgに対して21units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)90mg(茶固形分100mgに対して150000units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加温し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥機で乾燥させ、酵素処理茶抽出物(比較品36)を得た。
(比較品37)
茶葉抽出時の溶液を0.15%クエン酸溶液(pH2.7)に変更した以外は、比較品36と同様の処理を行って比較品37を調製した。
比較品36、37および発明品53、63〜65の成分組成を表21および図6に示した。
表21および図6に示したように、食品加工に用いることができる、炭酸水素ナトリウムや炭酸カリウム、水酸化ナトリウムを用いて抽出溶液のpHをアルカリ性(pH8.3〜12.4)に調整した水で抽出すると、水で抽出したときに比べ、茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMPの合計含有量が1.9〜2.5倍多く、より旨味が強く、苦渋味を低減した酵素処理茶抽出物を調製することができることがわかった。一方、食品加工に用いることができる、塩酸やクエン酸を用いて抽出溶液のpHを酸性(pH1.5〜2.7)に調整した水で抽出すると、水で抽出したときに比べ、茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMPの合計の含有量が1/6以下に減少し、酵素未処理品と比較しても、旨味増強および苦渋味低減効果は全く見出せず、目的とする酵素処理茶抽出物を調製することができなかった。
茶ポリフェノール含有量を低減した酵素処理茶抽出物の調製
(比較品38、発明品66)
発明品65、2.5gを250gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を水で平衡化したダイアイオンHP−20(三菱化学(株)製)樹脂を詰めたカラム(220mL)に供し、水(700mL)で溶出し、HP−20非吸着画分を得た。その後、HP−20非吸着画分をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、ポリフェノール含有量を低減させた酵素処理茶抽出物(発明品66)1.7gを得た。次にダイアイオンHP−20カラムに、さらにメタノールを通液し、HP−20吸着画分を得た。HP−20吸着画分をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、HP−20吸着茶抽出物(比較品38)0.8gを得た。これらの茶抽出物の成分分析結果を表22に示した。
成分分析結果を表22に示したが、発明品65をダイアイオンHP−20で処理し、酵素処理茶抽出物の固形分中の茶ポリフェノール含有量を低減させた茶抽出物(発明品66)を得ることができた。
活性炭による茶ポリフェノールの低減
(比較品39〜43、発明品67〜71)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm、pH8.2)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過後、0.1N塩酸を加えpH5.0に調整し、緑茶抽出液を得た。
(1)得られた緑茶抽出液500mLは、50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製 720mg(5040units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)720mg(36000000units)を加え、30分間インキュベート後、沸騰水中で3分間加熱し酵素反応を停止した。得られた酵素反応液は、それぞれ下記(A)〜(E)の処理を行った。
(A)酵素反応液100mLは、そのままエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理茶抽出物(発明品67)を得た。
(B)100mLは、活性炭量1.45g(茶抽出物固形分に対して0.60倍量)を用いて40℃、30分間処理した。この活性炭を除去後、得られた溶液をエバポレーターで濃縮し凍結乾燥して酵素処理茶抽出物(発明品68)を得た。
(C)100mLは、活性炭量を2.16g(茶抽出物固形分に対して0.90倍量)に変更した以外は(B)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品69)を得た。(D)100mLは、活性炭量を2.90g(茶抽出物固形分に対して1.20倍量)に変更した以外は(B)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品70)を得た。(E)100mLは、活性炭量を3.63g(茶抽出物固形分に対して1.51倍)に変更した以外は(B)と処理を行って方法で酵素処理茶抽出物(発明品71)を得た。
(2)別の緑茶抽出液500mLは、それぞれ下記(i)〜(v)の処理を行った。(i)100mLは、そのままエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、茶抽出物(比較品39)とした。
(ii)100mLは、活性炭1.44g(茶抽出物固形分に対して0.63倍量)を加え室温で40分間撹拌後、活性炭を濾過で除去し活性炭処理液を得た。この活性炭処理液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)23.7mg(166units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)23.7mg(1185000units)を加え、30分間インキュベートした後、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理茶抽出物(比較品40)を得た。
(iii)100mLは、活性炭量を2.14g(茶抽出物固形分0.93倍量)、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を20.7mg(144.9units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)量を20.7mg(1035000units)に変更した以外は、(ii)と同様の処理を行って比較品41を得た。
(iv)100mLは、活性炭量を2.75g(茶抽出物固形分に対して1.2倍量)、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を15.5mg(108.5units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)量を15.5mg(775000units)に変更した以外は、(ii)と同様の処理を行って比較品42を得た。
(v)100mLは、活性炭量を3.2g(茶抽出物固形分に対して1.4倍量)、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)量を12.5mg(87.5units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)量を12.5mg(625000units)に変更した以外は、(ii)と同様の処理を行って比較品43を得た。これらの茶抽出物の成分分析結果を表23に示した。
表23に示したように、酵素処理茶抽出物製造工程で活性炭処理による茶ポリフェノールの低減を行なう場合、5’−ホスホジエステラーゼおよび5’−アデニル酸デアミナーゼ処理後に活性炭処理することで、酵素処理茶抽出物の固形分中の茶ポリフェノール含有量を低減した酵素処理茶抽出物が得られることがわかった。
酵素反応温度
(発明品72〜76)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液は、それぞれ下記(A)〜(E)の処理を行った。
(A)上記緑茶抽出液200mLは、25℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)200mg(1400units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)200mg(10000000units)を添加し、反応を開始した。30分間反応した後、沸騰水中で3分間加熱し反応停止し、エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理茶抽出物(発明品72)を得た。
(B)200mLは、酵素反応の温度を35℃に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品73)を得た。
(C)200mLは、酵素反応の温度を50℃に変更した以外は、同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品74)を得た。
(D)200mLは、酵素反応の温度を60℃に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品75)を得た。
(E)200mLは、酵素反応の温度を70℃に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品76)を得た。これらの茶抽出物の成分組成を表24に示した。
酵素量、反応時間、pHを一定とし、酵素反応温度を25〜70℃に変化させ酵素反応を行った結果を表24および図7に示した。その結果、25〜70℃のいずれの反応温度においても目的とする酵素処理茶抽出物を得ることができたが、60℃および70℃では、5’−IMPの生成量が少なく、5’−アデニル酸デアミナーゼ活性が著しく低下していることがわかった。
酵素反応pH
(比較品44〜45、発明品77〜81)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液は、それぞれ下記(A)〜(G)の処理を行った。
(A)上記緑茶抽出液200mLは、0.1N塩酸を加え、pH3.0に調整後、50℃に加温し、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)200mg(1400units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)200mg(10000000units)を添加し、反応を開始した。30分間反応後、沸騰水中で3分間加熱し反応停止し、エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理茶抽出物(比較品44)を得た。
(B)200mLは、酵素反応のpHを4.0(pH調整:0.1N塩酸を使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品77)を得た。
(C)200mLは、酵素反応のpHを4.5(pH調整:0.1N塩酸を使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品78)を得た。
(D)200mLは、酵素反応のpHを5.0(pH調整:0.1N塩酸を使用)に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品79)を得た。
(E)200mLは、酵素反応のpHを5.5(pH調整:0.1N塩酸を使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品80)を得た。
(F)200mLは、酵素反応のpHを6.0(pH調整:炭酸水素ナトリウムを使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品81)を得た。
(G)200mLは、酵素反応のpHを7.0(pH調整:炭酸水素ナトリウムを使用)に変更した以外は(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(比較品45)を得た。これらの茶抽出物の成分組成を表25に示した。
酵素反応時間、酵素量、酵素反応温度を一定とし、pHを3.0〜7.0間でそれぞれ5’−ホスホジエステラーゼおよび5’−アデニル酸デアミナーゼ反応を行った結果を表25および図8に示した。その結果、pH3.0およびpH7.0では、5’−GMPおよび5’−IMPの生成は確認されず、pH4.0〜6.0の間で茶抽出固形分中の5’−GMPと5’−IMPの合計含有量が0.1%を超えた、酵素処理茶抽出物を調製することができた。
酵素量の検討
(発明品82〜86)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。得た緑茶抽出液に0.1N塩酸を加え、pH5.0に調整し、エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、茶抽出物を得た。得られた茶抽出物21.3gを1000mLの超純水に溶解後、それぞれ下記(A)〜(E)の処理を行った。(A)200mLは、50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)を42.6mg(茶固形分100mgに対して7units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)を21.3mg(茶固形分100mgに対して25000units)を添加し、30分間反応した。次に沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理茶抽出物(発明品82)を得た。(B)200mLは、デアミザイムG(天野エンザイム(株)製)を42.6mg(茶固形分100mgに対して50000units)に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品83)を得た。(C)200mLは、デアミザイムG(天野エンザイム(株)製)を127.8mg(茶固形分100mgに対して150000units)に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品84)を得た。(D)200mLは、デアミザイムG(天野エンザイム(株)製)を213mg(茶固形分100mgに対して250000units)に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品85)を得た。(E)200mLは、デアミザイムG(天野エンザイム(株)製)を426mg(茶固形分100mgに対して500000units)に変更した以外は、(A)と同様の処理を行って酵素処理茶抽出物(発明品86)を得た。これらの茶抽出物の成分組成を表26に示した。
5’−ホスホジエステラーゼの量を一定とし、5’−アデニル酸デアミナーゼ量を変えたときの結果を表26に示した。その結果、いずれの酵素量の組み合わせにおいても、目的とする酵素処理茶抽出物の調製が可能であることがわかった。5’−アデニル酸デアミナーゼ量は、茶固形分100mgに対して3〜5重量%添加したときに5’−IMPの生成量が最大となった。
酵素反応時間の検討
(発明品87〜92)
市販緑茶葉100gを炭酸水素ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムを含む90℃の超純水2000g(炭酸水素ナトリウム0.15%、アスコルビン酸ナトリウム300ppm)で60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って緑茶抽出液を得た。得た緑茶抽出液に0.1N塩酸を加え、pH5.0に調整後、エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥し、茶抽出物を得た。得た茶抽出物21.3gを1000mLの超純水に溶解後、50℃に加温し、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)213mg(茶固形分100mgに対して7units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)213mg(茶固形分100mgに対して50000units)添加し、反応を開始した。反応開始後0分、30分、60分、90分、120分、150分にそれぞれサンプリング後、沸騰水中で3分間加熱し反応停止後、エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理茶抽出物(発明品87〜92)を得た。
茶抽出固形分100mgに対する5’−ホスホジエステラーゼおよび5’−アデニル酸デアミナーゼ量を一定とし、酵素反応を150分まで行ったときの5’−GMPと5’−IMPの合計含有量を調べたときの結果を表27および図9に示した。その結果、酵素反応時間15分以上で目的とする酵素処理茶抽出物を調製することができた。
烏龍茶抽出物の調製
(比較品46、発明品93)
烏龍茶葉75gを90℃の水1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って烏龍茶抽出液を得た。エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、烏龍茶抽出物(比較品46)を調製した。調製した烏龍茶抽出物(比較品46)1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)10mg(茶固形分100mgに対して7units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)10mg(茶固形分100mgに対して50000units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理烏龍茶抽出物(発明品93)を調製した。比較品46および発明品93の成分組成を表28に示した。
(比較品47、発明品94)
烏龍茶葉75gを0.15%の炭酸水素ナトリウム溶液(pH8.3)1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って烏龍茶抽出液を得た。エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、烏龍茶抽出物(比較品47)を調製した。調製した烏龍茶抽出物(比較品47)1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)10mg(茶固形分100mgに対して7units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)10mg(茶固形分100mgに対して50000units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加温し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理烏龍茶抽出物(発明品94)を得た。比較品47および発明品94の成分組成を表28に示した。
(官能評価試験8)
試験例8:表28に示した抽出物の官能評価
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ飲用濃度(ポリフェノール濃度60mg/100mL)になるようにイオン交換水で溶解後、比較品46と発明品93、比較品47と発明品94のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。結果は表29に示した。
官能評価試験の結果(表29)、5’−ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ)および5’−アデニル酸デアミナーゼ(デアミナーゼ)処理した烏龍茶抽出物は、対照の酵素未処理品と比べ、旨味が強く、苦渋味が低下していることがわかった。
紅茶抽出物の調製
(比較品48、発明品95)
紅茶葉75gを90℃の水1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って紅茶抽出液を得た。エバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、紅茶抽出物(比較品48)を得た。調製した紅茶抽出物(比較品48)1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)10mg(茶固形分100mgに対して7units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)10mg(茶固形分100mgに対して50000units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、酵素処理紅茶抽出物(発明品95)を調製した。成分分析の結果を表30に示した。
(比較品49、発明品96)
紅茶葉75gを0.15%の炭酸水素ナトリウム溶液(pH 8.3)1500gで60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って紅茶葉抽出液を得た。エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、紅茶抽出物(比較品49)を調製した。調製した紅茶抽出物(比較品49)1gを100gの超純水に溶解し、1%溶液を調製した。この溶液を50℃に加温後、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)10mg(茶固形分100mgに対して7units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)10mg(茶固形分100mgに対して50000units)を添加し、30分間インキュベートした。次に、沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、酵素処理紅茶抽出物(発明品96)を得た。比較品49と発明品96の成分分析結果を表30に示した。
(官能評価試験9)
試験例9:紅茶葉抽出物の酵素未処理品と酵素処理品の比較
表30に示した抽出物に関して官能評価を実施した。
[試験方法]
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
調製した各種茶抽出物をそれぞれ飲用濃度(茶ポリフェノール濃度60mg/100mL)になるようにイオン交換水で溶解後、比較品48と発明品95、比較品49と発明品96のそれぞれの組み合わせで、旨味と苦渋味に関して2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。結果は表31に示した。
表31に示した官能検査の結果、紅茶抽出物でも、5’−ホスホジエステラーゼおよび5’−アデニル酸デアミナーゼ処理した抽出物の方が、酵素未処理抽出物と比較して旨味が強く苦渋味が低減されていることがわかった。
比較例
比較例1〜4
発明品1を調製する際に使用した緑茶葉を粉砕し、20メッシュパス成分が60.4%の茶葉を調製した。この粉砕茶葉10gに対し、下記の表32に示したように、ヌクレアーゼ「アマノ」G(150mg)、デアミザイムG(150mg)あるいはそれらの混合物(ヌクレアーゼ「アマノ」G 150mgとデアミザイムG 150mg)を添加した後、イオン交換水20gを加えてよく混合した。この茶葉の入っている容器を水分蒸発防止のためラップしたうえで、35℃で12時間放置した。次に、この処理茶葉を100℃のオーブンで20分間加熱して酵素を失活させると同時に殺菌をおこなって加工茶葉を得た。加工茶葉を75℃の熱水300mLに入れて時々撹拌しながら4分間抽出した。これを固液分離した後、得られた抽出液をエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥させ、加工茶葉抽出物(比較例1〜4)を得た。
緑茶葉に直接、5’−ホスホジエステラーゼ、5’−アデニル酸デアミナーゼおよび5’−ホスホジエステラーゼと5’−アデニル酸デアミナーゼ混合物を添加して、酵素処理を行った酵素処理茶葉を用いて抽出した茶抽出物では、茶抽出物中の5’−GMPならびに5’−IMPの合計含有量が少なく、目的とする茶抽出物を得ることはできないことがわかった。
容器詰め茶飲料の調製
市販緑茶葉50gを70℃に加温した水1.5Lに加え、撹拌しながら4分間抽出を行い、100メッシュのストレーナーで茶葉を分離した。続いて濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いた濾過により清澄化を行い、抽出液1775mLを得た。次に、抽出液1000mLにイオン交換水を加えて茶ポリフェノール濃度80mg/100mLの飲料原料液を調製した。得られた飲料原料液は、それぞれ下記(A)〜(C)の処理を行った。(A)上記飲料原料液600mLに、アスコルビン酸ナトリウムを0.03重量%となるように添加後、炭酸水素ナトリウムでpH6.3に調整した。80℃以上の温度条件下で缶にホットパック充填し、レトルトで121℃、10分間の殺菌を行い、緑茶飲料1を調製した。(B)飲料原料液300mLに対し、発明品66をそれぞれ5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppm、250ppm、500ppm、1000ppmになるように添加後、アスコルビン酸ナトリウムを0.03重量%となるように添加した。その後、炭酸水素ナトリウムでpH6.3に調整後、80℃以上の温度条件下で缶にホットパック充填し、レトルトで121℃、10分間の殺菌を行い、緑茶飲料2〜9を調製した。(C)飲料原料液300mLに対し、発明品11をそれぞれ50ppm、1000ppmになるように添加後、(B)と同様の方法で緑茶飲料10、11を調製した。上記で調製した緑茶飲料の成分分析結果を表33に示した。
(官能評価試験10)
試験例10:表33に示した抽出物の官能評価
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
表32に示した緑茶飲料を用い、緑茶飲料1をコントロールとして緑茶飲料2〜11をそれぞれ旨味と苦渋味に関して緑茶飲料1との2点比較法(2点識別法)で試験を行い、旨味の強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は、二項分布の確率より行い、有意水準は20%とした。表33中の評価○は緑茶飲料1に対して有意差あり、×は有意差なしとした。
官能評価試験の結果を表33に示した。発明品11を添加した飲料において発明品11を50ppm以上添加した飲料では、旨味の増強効果および苦渋味の低減効果が確認できた。一方、発明品66を10ppm以上添加した飲料において、旨味の増強効果および苦渋味の低減効果が確認できたが、5ppm添加では旨味の増強効果および苦渋味の低減効果は確認できなかった。
インスタント粉末茶の調製
紅茶エキス(MN−10:三井農林(株)製;茶ポリフェノール27.3重量%)、ショ糖、脱脂粉乳、クリーミングパウダー、香料を用いて表34に示す配合割合で各成分混合して、粉末紅茶1(インスタントミルクティー粉末)を調製した。さらに粉末紅茶1に対して飲用濃度で25ppm添加となるように酵素処理紅茶抽出物(発明品96)を添加した粉末紅茶2(インスタントミルクティー粉末)を調製した。また、粉末紅茶1に対して飲用濃度で200ppm添加となるように酵素処理紅茶抽出物(発明品96)を添加した粉末紅茶3(インスタントミルクティー粉末)を調製した。さらに粉末紅茶1に対して飲用濃度で1000ppm添加となるように酵素処理紅茶抽出物(発明品96)を添加した粉末紅茶4(インスタントミルクティー粉末)を調製した。これらの配合量を表34に示す。
(官能評価試験11)
試験例11:表34に示した抽出物の官能評価
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
表34に示した配合処方の粉末紅茶それぞれ15.0gを140mLの熱水に溶解した。粉末紅茶1をコントロールとして粉末紅茶2、3および4の旨味と苦渋味を2点比較法(2点識別法)で試験した。コントロールと比べ旨味が強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は二項分布の確率より行い、有意水準は20%とし、粉末紅茶1と比べて有意差なしを×、有意差ありを○とした。
官能評価試験の結果を表34に示した。酵素処理紅茶抽出物(発明品96)を添加して調製した粉末紅茶2〜4は、粉末飲料1と比較して有意に旨味が増強され、苦渋味が低減した。
グレープフルーツジュースに対する酵素処理茶抽出物の苦渋味低減および旨味増強確認
市販のグレープフルーツジュース(キリントロピカーナ 100%ジュース グレープフルーツ:キリン・トロピカーナ社製)に、(a)酵素処理緑茶抽出物(発明品1)を0.02重量%(200ppm)添加してよく撹拌したもの、(b)酵素処理緑茶抽出物(発明品53)を0.02重量%(200ppm)添加してよく撹拌したものの2種類を調製した。
(官能評価試験12)
試験例12:[0146]で調製した飲料の官能評価
ランダムに選んだ男女7名をパネラーとして官能評価を行った。
[0146]で調製したグレープフルーツジュースを試験に用いた。
酵素処理緑茶抽出物を添加しないものをコントロールとして、発明品1を添加したもの、発明品53を添加したものの旨味と苦渋味を2点比較法(2点識別法)で試験した。コントロールと比べ旨味が強い方および苦渋味の低い方を選ばせた。判定は二項分布の確率より行い、有意水準は20%とし、コントロールと比べて有意差なしを×、有意差ありを○とした。
官能評価試験の結果を表35に示した。酵素処理緑茶抽出物(発明品1)および酵素処理緑茶抽出物(発明品53)を添加したグレープフルーツ飲料は、無添加品(コントロール)と比較して、有意に旨味が増強され、苦渋味が低減した。
スポーツドリンクに対する酵素処理茶抽出物の苦渋味低減および旨味増強確認試験
市販のスポーツドリンク(ヘルシアウォーター:花王(株)製)を用いて酵素処理茶抽出物による苦渋味低減および旨味増強効果を実施例25と同様に調べた。結果を表36に示す。
官能評価試験の結果を表36に示した。酵素処理緑茶抽出物(発明品1)および酵素処理緑茶抽出物(発明品53)を添加したスポーツドリンクは、無添加品(コントロール)と比較して、有意に旨味が増強され、苦渋味が低減した。
炭酸飲料に対する酵素処理茶抽出物の苦渋味低減および旨味増強確認試験
市販の炭酸飲料(ヘルシアスパークリング:花王(株)製)を用いて酵素処理茶抽出物による苦渋味低減および旨味増強効果を実施例25と同様に調べた。結果を表37に示す。
官能評価試験の結果を表37に示した。酵素処理緑茶抽出物(発明品1)および酵素処理緑茶抽出物(発明品53)を添加した炭酸飲料は、無添加品(コントロール)と比較して、有意に旨味が増強され、苦渋味が低減した。
チョコレートに対する酵素処理茶抽出物の苦渋味低減および旨味増強確認試験
市販のチョコレート(チョコレート効果 カカオ95%Box:明治製菓(株)製)を加熱して溶解後、(a)酵素処理緑茶抽出物(発明品1)を0.02重量%(200ppm)添加してよく撹拌後冷蔵庫で冷やしたもの、(b)酵素処理緑茶抽出物(発明品53)を0.02重量%(200ppm)添加してよく撹拌したものの2種類を調製した。官能評価試験は実施例25と同様の方法で実施した。
官能評価試験の結果を表38に示した。酵素処理緑茶抽出物(発明品1)および酵素処理緑茶抽出物(発明品53)を添加したチョコレートは、無添加品(コントロール)と比較して、有意に旨味が増強され、苦渋味が低減した。
抽出残渣を原料茶として用い、残渣からの抽出液をヌクレアーゼ及びデアミナーゼ処理した茶抽出物
紅茶抽出残渣
紅茶葉50gを80℃に加熱した水1.5Lに加え、攪拌しながら4分間抽出を行い、100メッシュのストレーナーで茶葉を分離し、紅茶葉抽出残渣204gと紅茶抽出液1258mLを得た。紅茶抽出液は、さらに濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いた濾過により清澄化を行った。
(1)この紅茶抽出液1000mLに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、pH5.5に調整後、50℃に加温し、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)153mg(1070units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)153mg(7650000units)を添加し、2時間インキュベートした。次に沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥機で乾燥させ、酵素処理紅茶抽出物(発明品97)12.2gを得た。
(2)得られた紅茶葉抽出残渣204gを90℃に加熱した0.15%の炭酸水素ナトリウム水溶液(pH8.3)1Lに投入し、60分間抽出した。固液分離した後、濾紙(No.28、アドバンテック(株)製)を用いて濾過を行って紅茶葉残渣抽出液844mLを得た。この紅茶葉残渣抽出液500mLに0.1N塩酸を加え、pH5.5に調整後50℃に加温し、ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)58mg(406units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)58mg(2900000units)を添加し、2時間インキュベートした。次に沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理紅茶葉残渣抽出物(発明品98)4.3gを得た。
発明品97,98の成分分析結果を表39に示した。この結果より、茶葉からだけでなく茶葉残渣からの抽出物も、5’−GMPや5’−IMPを0.1%以上含有する茶抽出物が得られることが分かった。
PVPPによる茶ポリフェノールの低減
発明品96と同様の方法で酵素処理紅茶抽出物20gを調製した。
(1)得られた酵素処理紅茶抽出物5gを200mLの超純水に溶解後、PVPP(ダイバガンF、BASF社製)を2.5g(茶固形分に対して0.5倍量)を添加し、室温(25℃)で30分間撹拌した。その後、濾紙(No.1、アドバンテック(株)製)を用いた濾過により、PVPPを除去した。ろ液をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥させ、PVPP処理した酵素処理紅茶抽出物(発明品99)を4.22g得た。
(2)使用したPVPP量を5g(茶固形分に対して1倍量)に変えた以外は(1)と同様の方法で酵素処理紅茶抽出物(発明品100)を3.62g得た。
(3)使用したPVPP量を10g(茶固形分に対して2倍量)に変えた以外は(1)と同様の方法で酵素処理紅茶抽出物(発明品101)を3.34g得た。
発明品99、100、101の成分分析結果を表40に示した。この結果より、酵素処理茶抽出物製造工程でPVPP処理による茶ポリフェノールの低減を行なう場合、5’−ホスホジエステラーゼおよび5’−アデニル酸デアミナーゼ処理後にPVPP処理することで、酵素処理茶抽出物の固形分中の5’−GMP及び5’−IMPの濃度の減少を抑えつつ、茶ポリフェノール含有量を低減した酵素処理茶抽出物が得られることがわかった。
酵素処理したインスタント粉末緑茶およびインスタント粉末紅茶の調製
(1)市販のインスタント粉末緑茶(インド産)5gを200mLの超純水に溶解したのちに、炭酸水素ナトリウムを加えpH5.5に調整し、50℃に加温した。ヌクレアーゼ「アマノ」G(天野エンザイム(株)製)50mg(350units)とデアミザイムG(天野エンザイム(株)製)50mg(2500000units)を添加し、2時間反応した。次に沸騰水中で3分間加熱し、酵素反応を停止した。これをエバポレーターで濃縮後凍結乾燥し、酵素処理インスタント粉末緑茶(発明品102)を得た。
(2)使用したインスタント粉末茶を市販のインスタント粉末紅茶(ケニア産)に変更した以外は、(1)と同様の方法で酵素処理インスタント粉末紅茶(発明品103)を得た。
(3)市販のインスタント粉末紅茶(インド産)5gを200mLの超純水に溶解したのちに、0.1N塩酸を加えpH5.5に調整した。その後は(1)と同様の方法で酵素処理インスタント粉末紅茶(発明品104)を得た。
発明品102、103、104の成分分析結果を表41に示した。
この結果より、市販のインスタント粉末緑茶及びインスタント粉末紅茶からも酵素処理により、5’−GMP及び5’−IMPを含有するインスタント粉末緑茶およびインスタント粉末紅茶が得られることが分かった。
本発明における旨味強化及び苦渋味低減剤は、茶飲料のほか、炭酸飲料、果汁飲料、野菜系飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料などに利用することができる。

Claims (6)

  1. 原料となる茶を水又は水溶液で抽出して得た抽出物に、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素を作用させる工程を有し、得られた酵素処理茶抽出物の固形分中のグアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP)含有量が0.1重量%以上であることを特徴とする酵素処理茶抽出物の製造方法。
  2. 原料となる茶を水又は水溶液で抽出して得た抽出物に、5’−ホスホジエステラーゼ活性を有する酵素及び5’−アデニル酸デアミナーゼ活性を有する酵素を作用させる工程を有し、得られた酵素処理茶抽出物の固形分中のグアノシン−5’−モノリン酸(5’−GMP)とイノシン−5’−モノリン酸(5’−IMP)の合計含有量が0.1重量%以上であることを特徴とする酵素処理茶抽出物の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法で得られる酵素処理茶抽出物。
  4. 請求項1又は2記載の製造方法で得られた酵素処理茶抽出物に、前記酵素未処理茶抽出物を添加することを特徴とする酵素処理茶抽出物。
  5. 請求項3又は4記載の酵素処理茶抽出物を有効成分とする飲食品の旨味増強および苦渋味低減剤。
  6. 請求項3又は4記載の酵素処理茶抽出物を添加することを特徴とする飲食品の旨味増強および苦渋味低減方法。
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