JP2012179841A - 木材用処理液およびこれを用いた木材処理方法 - Google Patents

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大介 手塚
Senta Moriwaka
専太 森若
Toshikazu Kadoya
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Abstract

【課題】木材内部への水分の浸入を抑制できる木材用処理液を提供する。
【解決手段】含フッ素重合体(A)、硬化剤(B)、リン酸エステル系硬化触媒(C)、および有機溶剤(D)を含む木材用処理液。含フッ素重合体(A)はフルオロオレフィン単位(A1)、および−OC(O)NH(CHSiX 3−n(Rは水素原子または炭化水素基、Xはアルコキシ基、nは1〜3、mは1〜5)で表される基を有する単位(A2)を含む。硬化剤(B)はSiX 4−a(Rは炭化水素基、Xはアルコキシ基、aは1〜4)で表わされる化合物、および/またはその部分加水分解縮合物。
【選択図】なし

Description

本発明は木材の処理に用いられる木材用処理液、およびこれを用いた木材処理方法に関する。
通常、木材はある程度の水分を含んだ状態にあるが、木材が濡れて内部に水分が浸入し含水率が上昇すると、木材が膨張して寸法変化が生じるため、木材内部への水分の浸入をできるだけ抑えることが好ましい。
例えば特許文献1には、油脂、ワックス等の撥水成分と、これを木材に固着するためのポリマー(ポリアクリル酸アルキルやエステル系樹脂など)を含む溶液を木材に浸透させた後、溶媒を蒸発させることによって木材に撥水性を付与し、これによって木材内部への水分の浸入を抑制する方法が記載されている。
一方、含フッ素重合体は、耐候性と表面光沢性に優れる塗膜を形成できる成分として知られているが、木材の保存処理に用いた例はない。例えば特許文献2には、ウレタン結合とアルコキシシリル基を有する繰り返し単位と、フルオロオレフィンに基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体、および硬化剤を含むコーティング剤用組成物が記載されている。
特許第4122244号公報 国際公開第2009/113591号パンフレット
特許文献1に記載の方法では、油脂、ワックス等の撥水成分を、ポリマーをバインダーとして用いて木材に固着させるため、条件等によっては、撥水成分だけが流出することも懸念される。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、木材内部への水分の浸入をより確実に抑制できる木材用処理液およびこれを用いた木材処理方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、ポリマー自身が撥水性に寄与する官能基を有していれば、油脂、ワックス等の撥水成分を用いなくても、木材内部への水分の浸入を抑制する効果が得られると考え、含フッ素重合体に着目した。
しかし、撥水性の官能基を有する重合体は、通常でもある程度の水分を含んでいる木材に注入することが難しいであろうと予測された。ところがその予測に反して、含フッ素重合体を含んでいながら、木材に容易に注入することができ、硬化後に木材への水分の浸入を良好に防ぐことができる、木材用処理液を見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、下記[1]〜[12]の発明である。
[1]下記含フッ素重合体(A)、下記硬化剤(B)、リン酸エステル系硬化触媒(C)、および有機溶剤(D)を含むことを特徴とする木材用処理液。
含フッ素重合体(A):フルオロオレフィンに基づく繰り返し単位(A1)、および下式(1)で表される基を有する繰り返し単位(A2)を含む含フッ素重合体。
−OC(O)NH(CHSiX 3−n ・・・(1)
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10の1価炭化水素基、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基、nは1〜3の整数、mは1〜5の整数を示す。)
硬化剤(B):下式(2)で表される化合物、および/またはその部分加水分解縮合物。
SiX 4−a ・・・(2)
(式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基、Xは炭素数1〜10のアルコキシ基、aは1〜4の整数を示す。)
[2]前記含フッ素重合体(A)の全繰り返し単位に対して、前記繰り返し単位(A1)が3〜97モル%、前記繰り返し単位(A2)が3〜97モル%である、[1]の木材用処理液。
[3]前記含フッ素重合体(A)が、さらに、水酸基を有する繰り返し単位(A3)を、含フッ素重合体(A)の全繰り返し単位に対して0モル%超〜3モル%含む、[1]または[2]の木材用処理液。
[4]前記含フッ素重合体(A)が、さらに、重合性不飽和基と炭化水素基がエーテル結合またはエステル結合によって連結されてなる分子構造を有するモノマーに基づく繰り返し単位(A4)を含む、[1]〜[3]のいずれかの木材用処理液。
[5]前記硬化剤(B)が、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、およびこれらの部分加水分解縮合物からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかの木材用処理液。
[6]前記リン酸エステル系硬化触媒(C)が、酸価が10〜800mgKOH/gの酸性リン酸エステル化合物である、[1]〜[5]のいずれかの木材用処理液。
[7]前記有機溶剤(D)が、ハイドロクロロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[6]のいずれかの木材用処理液。
[8]前記含フッ素重合体(A)の含有量が0.01〜5.0質量%である、[1]〜[7]のいずれかの木材用処理液。
[9]さらに、木材処理用薬剤(E)を含む、[1]〜[8]のいずれかの木材用処理液。
[10][1]〜[9]のいずれかの木材用処理液を、加圧条件下で木材中に含浸させる工程を有することを特徴とする木材処理方法。
[11]以下の工程を有する、[10]の木材処理方法。
工程1:木材を密閉型の含浸タンク内に配置して該含浸タンク内を減圧する工程。
工程2:工程1の後、前記木材用処理液を前記含浸タンク内に充満するまで導入する工程。
工程3:工程2の後、前記含浸タンク内を加圧する工程。
工程4:工程3の後、前記含浸タンク内を常圧に戻し、該含浸タンクから前記木材用処理液を排出する工程。
工程5:工程4の後、再度、前記含浸タンク内を減圧し、減圧中の含浸タンク内で、木材に対して高周波加熱を施して木材中の有機溶剤を蒸気化する工程。
[12][10]または[11]の方法により処理された木材製品。
本発明の木材用処理液、およびこれを用いた木材処理方法によれば、木材内部への水分の浸入を良好に抑制できる。
本発明にかかる木材の処理装置の例を示す全体構成図である。 図1の処理装置の密閉型含浸タンクの横断面を拡大して示した概略断面図である。 実施例における高周波乾燥の説明図である。 実施例における表面撥水性の評価基準の説明図である。
本明細書において、モノマーの重合反応により形成された単位を重合単位といい、該重合単位と、重合単位をさらに化学変換して得られた単位と変性単位といい、これらを総称して繰り返し単位という。
<木材用処理液>
本発明の木材用処理液は、含フッ素重合体(A)、硬化剤(B)、リン酸エステル系硬化触媒(C)、および有機溶剤(D)を含む。
[含フッ素重合体(A)]
含フッ素重合体(A)は、フルオロオレフィンに基づく繰り返し単位(A1)、および上式(1)で表される基を有する繰り返し単位(A2)を含む。
[フルオロオレフィンに基づく繰り返し単位(A1)]
フルオロオレフィンは、オレフィン系炭化水素(一般式C2b:bは整数)の水素原子の1以上がフッ素原子で置換された化合物である。該オレフィン系炭化水素の炭素数bは、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。
オレフィン系炭化水素の水素原子のうちフッ素原子で置換されている水素原子の数(以下、フッ素付加数という。)は2以上が好ましく、3〜4がより好ましい。フッ素付加数が2以上であると、充分な撥水性が得られやすい。フルオロオレフィンにおいて、フッ素原子で置換されていない水素原子の1以上が塩素原子で置換されていてもよい。
フルオロオレフィンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル等が好ましい。特に、撥水性が維持されやすいという点でテトラフルオロエチレンまたはクロロトリフルオロエチレンがより好ましい。
本発明におけるフルオロオレフィンに基づく繰り返し単位(A1)は、フルオロオレフィンの重合反応により形成された重合単位であることが好ましい。フルオロオレフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[式(1)で表される基を有する繰り返し単位(A2)]
上式(1)において、Rは水素原子または炭素数1〜10の1価炭化水素基である。Rの炭素数が10を越えると、繰り返し単位(A2)が嵩高くなるため、立体障害により、硬化時にアルコキシシリル基の縮合反応が進行しにくくなるおそれがある。
としての1価炭化水素基の炭素数は1〜5が好ましく、1または2がより好ましい。Rはメチル基またはエチル基が好ましい。1分子中にRが複数存在する場合、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。原料の供給性の点から複数のRは互いに同じであることが好ましい。
上式(1)において、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基であり、エトキシ基またはメトキシ基が好ましい。Xの炭素数が5以下であると、アルコキシシリル基の縮合反応により生じるアルコール成分が揮発しやすいため好ましい。1分子中にXが複数存在する場合、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。硬化反応の均一性の点からは、複数のXが互いに同じであることが好ましい。
上式(1)におけるnは1〜3の整数であり、2または3が好ましい。mは1〜5の整数であり、2〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。
繰り返し単位(A2)におけるウレタン結合(−OC(O)NH−)は、水酸基とイソシアネート基の反応により形成される。本発明では、フルオロオレフィンと共重合可能な重合性不飽和基、および水酸基を有する水酸基含有化合物(A2−1)の水酸基と、下式(3)で表わされる、アルコキシシリル基を有するイソシアネート化合物(A2−2)のイソシアネート基との反応により形成されることが好ましい。
OCN(CHSiX 3−n…(3)
(式中、R、X、n、mは、上記式(1)におけるR、X、n、mとそれぞれ同じである。)
具体的には、繰り返し単位(A2)は、(i)まず水酸基含有化合物(A2−1)とイソシアネート化合物(A2−2)とを反応させ、得られた反応生成物をモノマーとして用いて重合反応させることによって形成された重合単位であってもよく、あるいは(ii)先に水酸基含有化合物(A2−1)の重合反応を行って、側鎖に水酸基を有する重合単位を形成し、この重合単位の水酸基と、イソシアネート化合物(A2−2)のイソシアネート基とを反応させることによって形成された変性単位でもよい。
水酸基含有化合物(A2−1)の重合性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和基が好ましい。
水酸基含有化合物(A2−1)の具体例としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロへキサンジメタノールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル等のエチレングリコールモノビニルエーテル類;ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、シクロへキサンジメタノールモノアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類;ヒドロキシエチルビニルエステル、ヒドロキシブチルビニルエステル、シクロへキサンジメタノールモノビニルエステル等のヒドロキシアルキルビニルエステル類;ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエステル、シクロへキサンジメタノールモノアリルエステル等のヒドロキシアルキルアリルエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類などが挙げられる。
これらのうちで、交互共重合性に優れ、硬化物の耐候性が良好である点で、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、エチレングリコールモノビニルエーテル類が好ましく、特にヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、またはジエチレングリコールモノビニルエーテルが好ましい。
水酸基含有化合物(A2−1)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
上式(3)で表わされるイソシアネート化合物(A2−2)の具体例としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(X=メトキシ基、n=3、m=3)、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(X=エトキシ基、n=3、m=3)、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン(X=メトキシ基、R=メチル基、n=2、m=3)、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン(X=エトキシ基、R=メチル基、n=2、m=3)、3−イソシアネートプロピルジメチルメトキシシラン(X=メトキシ基、R=メチル基、n=1、m=3)、3−イソシアネートプロピルジメチルエトキシシラン(X=エトキシ基、R=メチル基、n=1、m=3)、3−イソシアネートブチルトリメトキシシラン(X=メトキシ基、n=3、m=4)、3−イソシアネートブチルトリエトキシシラン(X=エトキシ基、n=3、m=4)、3−イソシアネートエチルトリメトキシシラン(X=メトキシ基、n=3、m=2)、3−イソシアネートエチルトリエトキシシラン(X=エトキシ基、n=3、m=2)などが挙げられる。
これらの化合物のうち、入手容易性の点から、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましい。
イソシアネート化合物(A2−2)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[水酸基を有する繰り返し単位(A3)]
含フッ素重合体(A)は、さらに、水酸基を有する繰り返し単位(A3)を有していてもよい。該繰り返し単位(A3)は、前記水酸基含有化合物(A2−1)の重合反応により形成された重合単位であることが好ましい。水酸基含有化合物(A2−1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[エーテル結合またはエステル結合を有する繰り返し単位(A4)]
含フッ素重合体(A)は、さらに、重合性不飽和基と炭化水素基を有し、該重合性不飽和基と炭化水素基とがエーテル結合またはエステル結合によって連結されてなる分子構造を有するモノマーに基づく繰り返し単位(A4)を有していてもよい。上記繰り返し単位(A1)〜(A3)のいずれかに該当するものは、繰り返し単位(A4)には含まれないものとする。
重合性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和基が好ましい。
繰り返し単位(A4)は、下式(4)で表わされる化合物(A4−1)の重合反応により形成された重合単位であることが好ましい。
CH=CY(CH−Q−Z…(4)
(Yは水素原子またはメチル基であり、cは0または1であり、Qは酸素原子、−C(O)O−で表される基、または−O(O)C−で表される基であり、Zは炭素数2〜20の1価の飽和炭化水素基である。)
Zで表わされる飽和炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、環状構造を有していてもよい。Zの炭素数は、2〜10がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。
化合物(A4−1)は、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類、アクリル酸エステル類、またはメタクリル酸エステル類が好ましく、
交互共重合性に優れ、硬化物の耐候性が良好である点でビニルエーテル類が好ましい。
ビニルエステル類またはアリルエステル類において、上記Zで表わされる飽和炭化水素基は、エステル結合のカルボニル基の炭素原子と結合していることが好ましい。
上記ビニルエーテル類の具体例としては、エチルビニルエーテル(EVE)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、2−エチルへキシルビニルエーテル(2EHVE)等が挙げられる。特に、含フッ素重合体の溶剤への溶解性が良好である点でCHVE、2EHVEがより好ましい。
化合物(A4−1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
含フッ素重合体(A)の全繰り返し単位に対して、繰り返し単位(A1)が3〜97モル%、繰り返し単位(A2)が3〜97モル%であることが好ましい。繰り返し単位(A1)が3モル%以上であると、硬化物の耐候性が良好で、充分な撥水性が得られやすく、繰り返し単位(A2)が3モル%以上であると木材中に処理液が染み込みやすく、かつ、木材中で容易に硬化が進行する。
含フッ素重合体(A)が、繰り返し単位(A1)と(A2)とからなる場合、全繰り返し単位のうち、繰り返し単位(A1)が30〜70モル%であることがより好ましく、40〜60モル%であることがさらに好ましい。残りが繰り返し単位(A2)である。
含フッ素重合体(A)が、繰り返し単位(A1)、(A2)のほかに、水酸基を有する繰り返し単位(A3)を有する場合、全繰り返し単位における繰り返し単位(A3)の含有割合は、0モル%超〜3モル%が好ましく、0.1〜2モル%がより好ましい。
含フッ素重合体(A)が繰り返し単位(A3)を含むとワニス中にコンタミとして存在する(A2−2)が少なくなる。該繰り返し単位(A3)が3モル%以下であると含フッ素重合体(A)の保存安定性が良好となる。
含フッ素重合体(A)が、繰り返し単位(A1)と(A2)と(A3)とからなる場合、繰り返し単位(A1)は30〜70モル%が好ましく、40〜60モル%がより好ましい。繰り返し単位(A2)は27〜67モル%が好ましく、38〜58モル%がより好ましい。繰り返し単位(A3)は0モル%超〜3モル%が好ましく、0.1〜2モル%がより好ましい。
含フッ素重合体(A)が、エーテル結合またはエステル結合を有する繰り返し単位(A4)を有する場合、全繰り返し単位における繰り返し単位(A4)の含有割合は10〜70モル%が好ましく、20〜60モル%がより好ましい。
該繰り返し単位(A4)が10モル%以上であると後述の有機溶剤(D)との相溶性が充分となり、70モル%以下であると硬化物の耐候性の低下が少ない。
含フッ素重合体(A)が、繰り返し単位(A1)と(A2)と(A4)とからなる場合、繰り返し単位(A1)は30〜70モル%が好ましく、40〜60モル%がより好ましい。繰り返し単位(A2)は3〜50モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましい。繰り返し単位(A4)は10〜67モル%が好ましく、20〜55モル%がより好ましい。
含フッ素重合体(A)が、繰り返し単位(A1)と(A2)と(A3)と(A4)とからなる場合、繰り返し単位(A1)は30〜70モル%が好ましく、40〜60モル%がより好ましい。繰り返し単位(A2)は3〜50モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましい。繰り返し単位(A3)は0モル%超〜3モル%が好ましく、0.1〜2モル%がより好ましい。繰り返し単位(A4)は10モル%〜67モル%未満が好ましく、20〜54.9モル%がより好ましい。
含フッ素重合体(A)の製造方法は特に限定されず、公知の手法を適宜用いて製造することができる。例えば前記特許文献2に記載の方法を用いて製造することができる。
含フッ素重合体(A)を構成する各繰り返し単位の含有割合は、含フッ素重合体(A)の製造工程における、モノマーの仕込み量および/または反応条件により制御することができる。
本発明の木材用処理液における含フッ素重合体(A)の含有量(含フッ素重合体濃度)は、木材内部への水分の浸入を良好に抑制するうえで、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。また木材に良好な撥水性を付与するためには、該含フッ素重合体(A)の含有量が0.2質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。
また含フッ素重合体(A)の含有量が多いと処理後に木材の質感が失われることから、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましい。
[硬化剤(B)]
硬化剤(B)は上式(2)で表される化合物、および/またはその部分加水分解縮合物である。
上式(2)において、Xは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、メトキシ基またはエトキシ基が好ましい。1分子中にXが複数存在する場合、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。硬化反応の均一性の点からは、複数のXが互いに同じであることが好ましい。
上式(2)において、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。すなわち、1価炭化水素基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。該置換基はハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
の好ましい例としては、メチル基、ヘキシル基、デシル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が挙げられる。1分子中にRが複数存在する場合、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。原料の供給性の点から複数のRは互いに同じであることが好ましい。
上式(2)において、aは1〜4の整数であり、2〜4が好ましい。
式(2)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等の4官能性アルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等の3官能性アルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の2官能性アルコキシシラン等が挙げられる。
これらのうちでテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、またはフェニルトリメトキシシランが、硬化速度および硬化物の物性の点から好ましい。
式(2)で表される化合物の部分加水分解縮合物は、式(2)で表される化合物を、分子中に2以上のアルコキシ基(−X)が残るように部分的に加水分解、縮合させて得られる化合物である。その全体構造は明らかではないが、Si−O結合からなる骨格とアルコキシ基からなるポリ珪酸エステルであって、骨格は、直鎖状でもよく、分岐していてもよく、環状構造をとってもよい。
式(2)で表される化合物の部分加水分解縮合物を製造する方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜用いることができる。例えば、式(2)で表される化合物に、水、酸、および/または溶剤を加え、部分的に加水分解、縮合させて得ることができる。市販品からも入手可能である。
硬化剤(B)として、上式(2)で表される化合物およびその部分加水分解縮合物からなる群から選ばれる1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の木材用処理液において、含フッ素重合体(A)の100質量部に対して、硬化剤(B)を5〜200質量部含有させることが好ましく、10〜100質量部含有させることがより好ましい。
硬化剤(B)が5質量部以上であると注入処理後の木材表面がべたつくことがなく、100質量部以下であると硬化物の耐候性の低下が少ない。
[リン酸エステル系硬化触媒(C)]
リン酸エステル系硬化触媒(C)としては、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル等の酸性リン酸エステル類等が挙げられる。
リン酸エステル系硬化触媒(C)は、1種でもよく、2種以上を組み合わせても使用してもよい。
特に、酸価が10〜800mgKOH/gの酸性リン酸エステル化合物が、良好な硬化性が得られるという点で好ましい。酸価が10mgKOH/g以上であると硬化性が充分となり、800mgKOH/g以下であると処理液の保存安定性の低下が少ない。具体例としては、炭素数1〜8のモノアルキルホスフェート、炭素数1〜8のジアルキルホスフェート、またはそれらの混合物が挙げられる。なお、2種以上の酸性リン酸エステル化合物を混合して用いる場合の酸価は、混合後における酸価の値が上記の範囲内であればよい。
本発明の木材用処理液において、硬化触媒としてリン酸エステル系硬化触媒(C)を用いると木材の主成分であるセルロースと親和性が高いので、木材内部まで浸透し、触媒作用を発揮しやすい。
リン酸エステル系硬化触媒(C)の使用量は、含フッ素重合体(A)の100質量部に対して、0.05〜5.0質量部が好ましく、0.1〜3.0質量部がより好ましい。
リン酸エステル系硬化触媒(C)が0.05質量部以上であると硬化性が充分となり、5.0質量部以下であると処理液の保存安定性の低下が少ない。
[有機溶剤(D)]
本発明の木材用処理液は、木材を取り扱う場所で大量に使用する場合もあるため、有機溶剤(D)は安全性の高い、引火点を持たない不燃性溶剤であることが望ましい。また使用中や、回収して繰り返して使用する途中で有機溶剤が分解して、溶解性や反応性が変化したり、装置の腐食を引き起こすことを防ぐために、安定性の良い溶剤であることが望ましい。これらが要求される有機溶剤(D)として、ハイドロクロロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
また、液体として取り扱うために沸点は30℃よりも高いことが望ましく、木材処理を行った後に木材に浸透した溶剤が容易に気化することが好ましいことから、沸点の上限は100℃以下であることが望ましい。
沸点が上記の範囲であると、一度使用して気化させた有機溶剤の冷却凝集による回収や、活性炭などに吸着させて加熱で脱着させる回収や、蒸留再生による回収も容易に行うことができる。2種以上の有機溶剤を混合して使用する場合は、それぞれの沸点が上記の範囲内であればよい。
なお、本明細書における沸点は圧力760mmHg(約101.3×10Pa)での標準沸点の値とする。
上記沸点の範囲を考慮すると、ハイドロクロロカーボンとしてはジクロロメタン(沸点40℃)、トリクロロエチレン(沸点87℃);ハイドロクロロフルオロカーボンとしては1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(沸点32℃)、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(沸点51℃)、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(沸点56℃);ハイドロフルオロカーボンとしては、1,1,1,3,3,−ペンタフルオロブタン(沸点40℃)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(沸点55℃);ハイドロフルオロエーテルとしては、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ−2,2,2−トリフルオロエタン(沸点56℃)、ノナフルオロブトキシメタン(沸点61℃)、ノナフルオロブトキシエタン(沸点76℃)が好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、本発明の木材用処理液に、後述の木材処理用薬剤(E)を含有させる場合には、該木材処理用薬剤(E)を均一に溶解させるために、有機溶剤(D)は、特に各種有機溶剤に対する溶解性がより高いものが好ましい。具体的には、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ−2,2,2−トリフルオロエタンから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明において、有機溶剤(D)が上記ハイドロクロロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルからなる群に含まれない他の有機溶剤を含んでいてもよい。例えば、含フッ素重合体(A)や木材処理用薬剤(E)等を他の有機溶剤に溶解された溶液の状態で、本発明の木材用処理液に含有させてもよい。他の有機溶剤は上記の要求特性を満たすものが好ましい。他の有機溶剤は有機溶剤(D)のうちの10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
有機溶剤(D)の使用量は、木材用処理液における不揮発性成分(以下、不揮発分ということもある。)の合計の濃度(不揮発分濃度)が好ましい範囲となり、かつ木材用処理液中の含フッ素重合体(A)の含有量が上記の好ましい範囲となるように設定する。尚、本明細書において、木材用処理液の不揮発分とは、(A)、(B)、(C)及び(E)成分を示す。
木材用処理液の不揮発分濃度は5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。該不揮発分濃度が5質量%以下であると処理後に木材の質感が失われることがない。
[木材処理用薬剤(E)]
本発明の木材用処理液には、必要に応じて木材処理用薬剤(E)を含有させてもよい。木材処理用薬剤(E)としては、木材処理のために使用される公知の薬剤を適宜使用することができる。以下に具体例を示す。これらは、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
木材用処理液中における木材処理用薬剤(E)の含有量は、通常0.002〜30質量%、好ましくは0.01〜20質量%程度である。
ジデシルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジデシル−N−メチル−ポリオキシエチル−アンモニウムプロピオネート、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、バーサチック酸亜鉛、3−ブロモ−2,3−ジョード−2−プロペニルエチルカルボナート、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N−アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、2−(4−チアゾリル)−1H−ベンツイミダゾール、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾアチアゾール、(2RS,3RS;2RS,3RS)−2−(4−クロロフェニル−3−シクロプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン2−オール、1−[{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル}メチル]1H−1,2,4−トリアゾールと1−[{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル}メチル]−1H−1,3,4−トリアゾールの混合物、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、メチレンビスチオシアネート、2−フェニルフェノール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリス−(N−シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)−アルミニウム、N−シクロヘキシル−N−メトキシ−2,5−ジメチル−3−フランカルボキサミド、O,O−ジエチル−O−(α−シアノベンジリデンアミノ)チオホスフェート、O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオホスフェート、O,O−ジエチル−O−(3−オキシ−2−フェニル−2Hピリダジン−6−イル)ホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−2,4−ジクロロフェニルチオホスフェート、O−{(E)−2−イソプロポキシカルボニル−1−メチルビニル]−O−メチルエチルホスホラミドチオエート、2−クロロ−1−(2,4,5−トリクロロフェニル)ビニルメチルホスフェート、1−ナフチル−N−メチルカーバメート、2−sec−ブチルフェニル−N−メチルカーバメ−ト、2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート、3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(1R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートと(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(1S,3S)−3−(2,2,−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの1:1混合物、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシリックアシドシアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル、(2−メチル[1,1−ビフェニル]−3−イル)メチル3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、α−シアノ(4−フルオロ−3−フェノキシ)ベンジル=2−(2,2−ジクロロビニル)−3,3−ジメチルシクロプロパン−1−カルボキシラート、α−シアノ−3−フェノキシベンジル−2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシラート、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル、(4−エトキシフェニル)[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン、1,3,5−トリ−n−プロピル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1−[(6’−クロロ−3’−ピリジル)メチル]イミダゾリジン−2−(N−ニトロ)イミン、(E)−N[6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N−シアノ)−N−メチルアセトアミジン、4−ブロモ−2,5−ジクロロフェノール、カプリン酸、オタタクロロジプロピルエーテル、2−(ボルナン−2−イルオキシ)エチル=チオシアナート、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド。
[その他の成分]
本発明の木材用処理液にレベリング剤を配合してもよい。レベリング剤を添加すると処理液が木材内部まで浸透しやすくなる。
レベリング剤は公知のものを使用でき、市販品から入手できる。具体例としては、BYK−300(BYK−Chemie社製、商品名)、フローレンNo.3(共栄社化学(株)製、商品名)、ディスパロンLF1985(楠本化成(株)製、商品名)等が挙げられる。
レベリング剤の使用量は、含フッ素重合体(A)の100質量部に対して、0.05〜3.0質量部程度が好ましい。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、木材の処理に用いられる公知の成分を適宜含有させてもよい。
本発明の木材用処理液は、上記必須成分、および必要に応じて添加される各種成分を混合することにより製造できる。その混合順序、添加順序は、特に限定されない。
<木材処理方法>
本発明の木材用処理液は、これを木材内部に注入した後、有機溶剤(D)を除去する方法で木材の処理に用いられる。木材用処理液を木材内部に注入する方法は、加圧条件下で木材中に含浸させる方法が好ましい。加圧条件下で木材に液体を含浸させる方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。加圧時の圧力は適宜設定できるが、例えば0.1〜2.0MPa程度が好ましい。
以下、図1および図2を参照しながら、本発明の木材処理方法の一実施形態を説明する。図1は、本発明にかかる木材処理方法を実施するのに好適な処理装置1の例を示す全体構成図であり、図2は、処理装置1の密閉型含浸タンク2の横断面を拡大して示した概略断面図である。
図1に示す木材の処理装置1は、木材用処理液を収容した処理液タンク14と、該処理液タンク14に接続されており、木材3を内部に配置して密閉するように構成された含浸タンク2と、該含浸タンク2を減圧する真空手段(真空ポンプ17)と、含浸タンク2内の木材3を加熱するための高周波加熱装置31とを備えている。
含浸タンク2は、木材3を収容することのできる空間を内部に有する。含浸タンク2は、例えばステンレス製、または液と接触する部分をステンレス製とすることが好ましい。内部に複数本、或いは多数本の木材3を配置できるように構成してもよい。含浸タンク2の蓋5は、処理すべき木材3を内部に配置するとき開き、木材3を収容した状態で閉じて密閉する。図2に示すように、含浸タンク2内には、木材3の装入のための台車6が設けられ、木材3の装入および取り出しを容易にしている。含浸タンク2内には、装入後の木材3の固定のために、木材3を上方から押圧するプレス装置7が設けられている。また、台車6の上面およびプレス装置7の下面には、それぞれ、高周波加熱装置31の電極板9および10が、収容した木材3に接触するように配置されている。なお、図示の例では、木材3の中間高さ位置にもう1つの電極板11が配置されている。これらの電極板9、10、11には、リード線13が接続されている。
処理液タンク14に収容されている木材用処理液はポンプ15および弁16を経由して含浸タンク2に供給されるようになっている。含浸タンク2には、内部の気圧を減じ、含浸タンク2内の蒸気を排出するための真空ポンプ17が連結されている。すなわち、含浸タンク2の気体は、排気口18および弁19を通ってコンデンサー21を経由し、更にコンデンサー21の排気口22および弁23を通って、真空ポンプ17に至り、真空ポンプ17によって排気されるようになっている。なお、真空ポンプ17からの排気は、大気へ排出するのではなく、ガスタンク等に回収して、処理装置1内で、再利用するのが望ましい。
含浸タンク2と真空ポンプ17との間に設けられたコンデンサー21は、含浸タンク2から排出された蒸気を液化するためのもので、処理液が含浸された木材3から蒸発した有機溶剤をコンデンサー21内で液化する。液状の有機溶剤は、弁25を経由して回収タンク26に送られて回収される。回収タンク26は、含浸タンク2の排液口27に弁29を介して連結されており、含浸タンク2内の余剰の処理液を回収タンク26へ返液できるようになっている。回収タンク26に収容された処理液は、弁30、32およびポンプ36を介して処理液調製タンク38に送られ、ここで濃度を調整した後、弁39およびポンプ40を介して処理液タンク14に戻されて再利用される。
高周波加熱装置31は、木材3を高周波加熱するのに適した構成になっており、図示しない制御パネルから、周波数や電力や時間を制御できるようになっている。高周波加熱装置31の出力は、配管33に収容されたリード線13を経由して、含浸タンク2内の電極板9、10、11(図2)に供給され、木材3を直接内部から高周波加熱する。
含浸タンク2、コンデンサー21および回収タンク26には、冷凍機34からポンプ35を経由して冷却液が供給されており、コンデンサー21および回収タンク26が冷却され、含浸タンク2も必要に応じて冷却されるようになっている。本例では、含浸タンク2の底部に冷却管37が配管されている。有機溶剤蒸気は空気より重く、含浸タンク2の底部に溜まる傾向にあるため、含浸タンク2の底部の冷却管37で、含浸タンク2内の有機溶剤蒸気を効率良く液化することができるようになっている。
本例の処理装置1を用いて木材の処理を行うには、まず、含浸タンク2の台車6に木材3を載せて含浸タンク2内に装入する。この装入の際、装入木材の量に応じて、木材2の中間高さ位置に、図2の電極11を配置することができる。中間の電極11を配置する場合、この電極11を共通電極とし、他の電極9および10を反対電極として使用するのが好ましい。
木材3の装入の後、プレス装置7によって、木材3を上から押さえて固定する。また、電極9、10および11へのリード線13の接続も確認する。次に、蓋5を閉じて含浸タンク2を密閉した後、弁16、29を閉じておき、真空ポンプ17に通じる弁19と弁23を開き、かつ弁25を閉じた状態で真空ポンプ17を駆動して含浸タンク2内を減圧する(工程1)。含浸タンク2内の減圧度は、木材3の樹種、形状によっても異なるが通常700mmHg(約93.3×10Pa)以下にすることが好ましい。
含浸タンク2内が所定の減圧度に到達した後、しばらくその状態に保持して木材3中の気体を除去する。次いで弁23および弁19を閉じ、弁16を開き、ポンプ15を駆動して、処理液タンク14から含浸タンク2に処理液を供給し、含浸タンク2内が処理液で充満するまで処理液を導入する(工程2)。続いて、含浸タンク2内を加圧する(工程3)。この加圧時の圧力は適宜設定できるが、例えば0.1〜2.0MPa程度が好ましい。この加圧状態で木材3を処理液に一定時間浸し続けて、処理液を木材3に充分に含浸させる。
この後、ポンプ15の運転を停止して弁16を閉じ、弁29を開いて含浸タンク2内にある残余の処理液を回収タンク26に排出する(工程4)。また、木材3からの処理液の液ダレも回収する。
この後、弁29を閉じ、弁25を閉じ、弁19を開いたままにして、弁23を開く。この状態で真空ポンプ17を駆動して含浸タンク2を真空吸引して、再度、減圧する。
所定の減圧度まで減圧した後、高周波加熱装置31を動作させて、電極板9および11間並びに電極板10および11間に、それぞれ高周波電力を供給して、電極間の木材3に対して直接、高周波加熱を施す(工程5)。高周波加熱は木材3を内部から加熱するので、その加熱温度は周囲よりも内部の方が高くなる。木材3の温度は、木材3の内部に注入された処理液中の有機溶剤が蒸発する温度とされる。加熱された木材3は、その内部の方から有機溶剤が蒸発し始め、続いて蒸発が木材周囲からも行われる。こうして木材用処理液が注入された木材3から有機溶剤を除去することができる。なお、減圧によって沸点は低下するため、加熱による木材3への悪影響(割れ、曲がり等)を抑制することができる。木材3から発生した有機溶剤の蒸気は冷却管37によって冷却されて液化する。
このようにして、含浸タンク2内の有機溶剤蒸気の大部分を液化することができる。含浸タンク2内に有機溶剤蒸気が発生した後、弁19および弁25を閉じ、弁23を開放したままにして真空ポンプ17の駆動を続け、コンデンサー21を真空吸引して、コンデンサー21を減圧する。次いで、弁23を閉じ、弁19を開くことによって、含浸タンク2内にまだ残留している有機溶剤蒸気をコンンサー21に吸引させる。吸引後、弁19、弁23および弁25を閉じて、コンデンサー21を密閉する。この密閉によって、有機溶剤蒸気が蒸気のままコンデンサー21を通過するのを防止することができる。コンデンサー21に密閉された有機溶剤蒸気は、冷却液によって冷却され、凝縮されて液化する。液化した後、弁25を開放すると、液化した有機溶剤が回収タンク26に回収される。含浸タンク2内に有機溶剤蒸気がまだ残留する場合には、コンデンサー21への真空吸引、コンデンサー21の密閉および有機溶剤蒸気の液化、および液化した有機溶剤の回収のステップを繰り返せばよい。
このようにして、含浸タンク2内の有機溶剤蒸気の濃度を排出管理濃度以下に落とすことができる。なお、回収タンク26の弁29は通常時閉じており、回収時に開放するようになっている。回収タンク26に回収された有機溶剤は、弁30、32の開放およびポンプ36の駆動によって、処理液調製タンク38へ送られ、濃度が調整された後、弁39、ポンプ40を介して処理液タンク14に戻されて、再利用される。
これらの操作を終えた後、含浸タンク2から木材3を取り出す。
本実施形態の方法によれば、加圧条件下で木材3を処理液中に浸漬させることにより、木材3の内部まで処理液が充分に注入される。また、それに先立って減圧下で木材3中の気体を除去することにより処理液がより注入されやすくなる。さらに高周波加熱を行って木材3を乾燥させることにより、木材3に注入された処理液中の有機溶剤を短時間で除去することができる。該高周波加熱を減圧下で行うことによって、より低い温度で有機溶剤を除去できる。
なお、木材3に処理液を注入した後の乾燥方法は有機溶剤を除去できる方法であればよく、高周波加熱による方法以外にも、公知の木材の乾燥方法を適宜用いることができる。
こうして処理された木材3は、後述の実施例にも示されるように、水中に浸漬されても水の吸収が少ない。
<木材製品>
本発明の木材用処理液を用いた木材の処理方法は、各種の木材製品に適用して、木材内部への水分の浸入を抑制することができる。
木材製品の例としては、木製のエクステリア製品(デッキ材、杭等)、構造用材料、合板、木製パネル、木製サッシ等が挙げられる。
本発明の木材用処理液が、フッ素原子を有する含フッ素重合体(A)を含んでいるにもかかわらず、木材内部に注入可能であるのは以下のように考えられる。
すなわち、本発明の木材用処理液が木材に含浸されるとき、処理液中の含フッ素重合体(A)および硬化剤(B)中のアルコキシシリル基が、硬化触媒(C)の存在下で、木材中の水分により加水分解されて親水性のシラノールとなり、該シラノールはさらに縮合反応してシロキサン結合を形成し、木材の表面および内部において硬化皮膜を形成する。このため、木材用処理液およびその硬化物が木材内部に安定的にとどまることができると考えられる。なお、加水分解時に副生されるアルコール成分は乾燥の際に除去される。
このようにして、木材の表面および内部に形成される硬化皮膜は、フッ素原子を含んでおり撥水性の発現に寄与するとともに、硬化剤(B)を用いたことにより三次元架橋構造が良好に形成されるため、分子間の距離が小さくて水分が浸入し難く、比較的剛直で木材の寸法変化を抑制する硬化皮膜が得られる。したがって、後述の実施例に示されるように、表面の撥水性が高くない場合でも木材の吸水を抑える効果が良好に得られ、撥水性が高いと木材への水分の浸入がより良好に抑えられる。
また、木材の表面および内部で形成される硬化皮膜自身が水分の浸入抑制に寄与するため、従来の油脂、ワックス等の撥水成分を用いる方法に比べて耐久性が良く、木材内部への水分の浸入をより確実に抑制できる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<製造例1:含フッ素重合体(A)の製造>
本例では、まず側鎖に水酸基を有する水酸基含有含フッ素重合体を合成し、得られた重合体の水酸基の一部と、アルコキシシリル基を有するイソシアネート化合物のイソシアネート基とを反応させて繰り返し単位(A2)を形成する方法を用いた。また、水酸基含有含フッ素重合体を合成する際の重合溶媒としてはアルコール系溶剤と芳香族炭化水素系溶剤の混合物を用い、その後、環境負荷低減の観点から弱溶媒に溶媒置換した。
[工程a:水酸基含有含フッ素重合体のキシレン溶液の製造]
内容積3000mLのステンレス製撹拌機付きオートクレーブに、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)の284.5g、2−エチルへキシルビニルエーテル(2EHVE)の202.9g、ヒドロキシブチルビニルエーテルの90.7g、キシレンの722g、エタノールの189g、および炭酸カリウムの9.5gを一括で投入し、窒素により溶存酸素を除去した。
次に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の505gをオートクレーブ中に導入して徐々に昇温し、65℃に達した後、t−ブチルパーオキシピバレートの50質量%キシレン溶液の7gを7時間かけてオートクレーブ中に導入し、その後さらに15時間撹拌した後に反応を停止した。
炭酸カリウムをろ過により除去して、水酸基含有含フッ素重合体のキシレン溶液(不揮発分濃度60質量%、水酸基価36mgKOH/g)を得た。
[工程b:溶媒置換]
1Lのナス型フラスコに、工程aで得られた水酸基含有含フッ素重合体のキシレン溶液の600gと、ミネラルスピリットの210gを加え、エバポレーションしながらミネラルスピリットへの溶媒置換を行い、水酸基含有含フッ素重合体のミネラルスピリット溶液(不揮発分濃度73.5質量%)を得た。
[工程c:含フッ素重合体(A)のミネラルスピリット溶液の製造]
温度計、還流冷却器、撹拌器を備えた容量500mlの4つ口フラスコに、工程bで得られた水酸基含有含フッ素重合体のミネラルスピリット溶液の326.5g、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランの38.1g、および2−エチルへキシル酸錫の0.05gを加え、窒素雰囲気下、50℃で5時間反応を行なった。
反応終了後、オルトギ酸トリメチルの13.6g、およびイソプロパノールの13.6gを加え、含フッ素重合体(A)のミネラルスピリット溶液(不揮発分濃度70.0質量%)を得た。
得られた含フッ素重合体(A)は、CTFEに基づく繰り返し単位(A1)、シクロヘキシルビニルエーテルに基づく繰り返し単位(A4−1)、2−エチルヘキシルビニルエーテルに基づく繰り返し単位(A4−2)、ヒドロキシブチルビニルエーテルに基づく繰り返し単位(A3)、およびヒドロキシブチルビニルエーテルの重合単位の水酸基と3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランのイソシアネート基とが反応した繰り返し単位(A2)とからなり、その組成はA1/(A4−1)/(A4−2)/A3/A2=50/26/15/1/8モル%であった。
<製造例2:木材用処理液の製造>
製造例1で得た含フッ素重合体(A)のミネラルスピリット溶液(不揮発分濃度70.0質量%)の34.1質量部と、硬化剤(B)としてフェニルトリメトキシシランの11.9質量部と、硬化触媒(C)としてモノ−2−エチルへキシルホスフェートとジ−2−エチルへキシルホスフェートの混合物(製品名:AP−8、大八化学工業社製、酸価306mgKOH/g)の0.2質量部と、レベリング剤としてBYK−300(製品名、BYK−Chemie社製)の0.1質量部と、有機溶剤(D)としてジクロロメタンとを用い、これらを均一に混合して木材用処理液(以下、単に「処理液」ということもある。)を調製した。
有機溶剤(D)の配合量を変えることによって、不揮発分濃度の異なる処理液をそれぞれ調製した。
<例1〜6>
表1に示す通りに製造条件を変えて木材の処理を行い、吸水性を評価した。木材試験体としては、スギの辺材(長さ:50mm、幅:47mm、厚さ:12.5mm)を用いた。木材試験体の初期質量を測定した。
すなわち、製造例2において、有機溶剤(D)の配合量を変えることによって、不揮発分濃度が1.00質量%、0.50質量%、0.25質量%の処理液をそれぞれ調製した。各処理液中における含フッ素重合体(A)の含有量(含フッ素重合体濃度)を表1に示す。
[含浸]
木材試験体を、650mmHg(約86.6×10Pa)の減圧下に30分間保持した後、処理液中に浸漬し、圧力0.5MPa、保持時間1〜10秒の加圧条件下で処理液を含浸させて、含浸試験体を得た。
含浸試験体の質量から、木材試験体の初期質量を差し引いた値を処理液注入量とし、該処理液注入量に、各処理液の不揮発分濃度を掛けた値を不揮発分注入量として表1に示す。
[乾燥]
続いて、含浸試験体を高周波乾燥または風乾の2通りの乾燥方法でそれぞれ乾燥して処理後試験体を得た。乾燥条件を下記に示す。
[高周波乾燥]図3に示すように、含浸試験体103よりも広口のシャーレ101内に、開口部が含浸試験体103よりも小さいシャーレ102を置き、その上に含浸試験体103、桟木104、および含浸試験体103を下から順に重ねた。この状態で、500Wの電子レンジ内に入れて5分間加熱して処理後試験体を得た。
[風乾]含浸試験体を、温度20℃、相対湿度65%の環境下に48時間放置した後、40℃の送風乾燥器内で24時間乾燥して処理後試験体を得た。
[吸水性の評価方法]
得られた処理後試験体の質量と寸法(長さ、幅、厚さ)を測定した。室温下で、1Lビーカーに約800mlのイオン交換水を入れ、その中に処理後試験体を30分間浸漬して取り出し、木材からの液ダレがなくなるまで放置して水切りをし、吸水後試験体を得た。
吸水後試験体の質量および寸法を測定し、下記式により、吸水による質量増加率および寸法変化率を算出した。その結果を表1に示す。
質量増加率(%)={(吸水後試験体の質量)−(処理後試験体の質量)}/(処理後試験体の質量)×100
寸法変化率(%)={(吸水後試験体の寸法)−(処理後試験体の寸法)}/(処理後試験体の寸法)×100
<例7(比較例)>
上記吸水性の評価方法において、処理後試験体に換えて未処理の木材試験体を用いて、吸水による質量増加率および寸法変化率を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2012179841
表1の結果に示されるように、本発明の木材用処理液による処理を行わなかった例7では、吸水による質量増加率が高く、寸法変化率も大きい。
これに比べて、木材用処理液による処理を行った例1〜6では、処理後試験体を水に浸漬したときに試験体に吸収される水の量が格段に少なく、寸法変化率も大幅に低減された。
例1〜6において、処理液の不揮発分濃度と木材試験体への処理液注入量との相関は認められず、処理液の不揮発分濃度が高いほど、木材試験体への不揮発分注入量が多くなった。
<例11〜15>
表2に示す通りに製造条件を変えて木材の処理を行い、表面におけるフッ素原子量、表面撥水性、および吸水性を評価した。木材試験体は例1と同じスギの辺材を同一工程で一緒に処理した試験片を用いた。木材試験体の初期質量を測定した。
すなわち、製造例2において、有機溶剤(D)の配合量を変えることによって、不揮発分濃度が3.0質量%、1.0質量%、0.5質量%、0.3質量%、0.1質量%の処理液をそれぞれ調製した。各処理液中における含フッ素重合体(A)の含有量(含フッ素重合体濃度)を表2に示す。
[含浸]
木材試験体を、0.03MPaの減圧下に10分間保持した後、処理液中に浸漬させて、圧力1.0Pa、保持時間1時間の加圧条件下で処理液を含浸させて、含浸試験体を得た。
例1と同様にして求めた不揮発分注入量を表2に示す。
[乾燥]
続いて、含浸試験体を常温で乾燥して処理後試験体を得た。
[表面におけるフッ素原子量の測定方法]
エネルギー分散型X線分析装置により、得られた処理後試験体の表面上に存在しているフッ素原子の定量分析を行なった。その結果を表2に示す。
[表面撥水性の評価方法]
温度20℃、相対湿度65%の雰囲気中で、処理後試験体の板目面にイオン交換水を約1ml滴下し、5時間経過後の水滴の形状について、図4に示す基準で評価した。図中符号110は処理後試験体を示す。×は水滴が処理後試験体に浸透して、表面上にない状態である。
[吸水性の評価方法]
例1と同じ吸水性の評価方法により、吸水による質量増加率を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2012179841
表2の結果に示されるように、木材用処理液による処理を行った例11〜15は、前記未処理の例7に比べて、吸収による質量増加率が格段に少なく、水の浸入が抑えられた。
例11〜15において、処理液の不揮発分濃度と木材試験体への処理液注入量との相関は認められず、処理液の不揮発分濃度が高いほど、木材試験体への不揮発分注入量が多くなった。
また処理液の含フッ素重合体濃度が高いほど、表面におけるフッ素原子量が高い。フッ素原子量が比較的低い例15は、例11〜14ほど表面撥水性が高くはないが、未処理の例7に比べると水の吸収が大幅に抑えられた。
1 処理装置
2 含浸タンク
3 木材
5 含浸タンクの蓋
14 処理液タンク
15 ポンプ
17 真空ポンプ
18 排気口
21 コンデンサー
26 回収タンク
31 高周波加熱装置
34 冷凍機
37 冷却管

Claims (12)

  1. 下記含フッ素重合体(A)、下記硬化剤(B)、リン酸エステル系硬化触媒(C)、および有機溶剤(D)を含むことを特徴とする木材用処理液。
    含フッ素重合体(A):フルオロオレフィンに基づく繰り返し単位(A1)、および下式(1)で表される基を有する繰り返し単位(A2)を含む含フッ素重合体。
    −OC(O)NH(CHSiX 3−n ・・・(1)
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜10の1価炭化水素基、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基、nは1〜3の整数、mは1〜5の整数を示す。)
    硬化剤(B):下式(2)で表される化合物、および/またはその部分加水分解縮合物。
    SiX 4−a ・・・(2)
    (式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基、Xは炭素数1〜10のアルコキシ基、aは1〜4の整数を示す。)
  2. 前記含フッ素重合体(A)の全繰り返し単位に対して、前記繰り返し単位(A1)が3〜97モル%、前記繰り返し単位(A2)が3〜97モル%である、請求項1に記載の木材用処理液。
  3. 前記含フッ素重合体(A)が、さらに、水酸基を有する繰り返し単位(A3)を、含フッ素重合体(A)の全繰り返し単位に対して0モル%超〜3モル%含む、請求項1または2に記載の木材用処理液。
  4. 前記含フッ素重合体(A)が、さらに、重合性不飽和基と炭化水素基とがエーテル結合またはエステル結合によって連結されてなる分子構造を有するモノマーに基づく繰り返し単位(A4)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の木材用処理液。
  5. 前記硬化剤(B)が、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、およびこれらの部分加水分解縮合物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の木材用処理液。
  6. 前記リン酸エステル系硬化触媒(C)が、酸価が10〜800mgKOH/gの酸性リン酸エステル化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の木材用処理液。
  7. 前記有機溶剤(D)が、ハイドロクロロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の木材用処理液。
  8. 前記含フッ素重合体(A)の含有量が0.01〜5.0質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の木材用処理液。
  9. さらに、木材処理用薬剤(E)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の木材用処理液。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載された木材用処理液を、加圧条件下で木材中に含浸させる工程を有することを特徴とする木材処理方法。
  11. 以下の工程を有する、請求項10に記載の木材処理方法。
    工程1:木材を密閉型の含浸タンク内に配置して該含浸タンク内を減圧する工程。
    工程2:工程1の後、前記木材用処理液を前記含浸タンク内に充満するまで導入する工程。
    工程3:工程2の後、前記含浸タンク内を加圧する工程。
    工程4:工程3の後、前記含浸タンク内を常圧に戻し、該含浸タンクから前記木材用処理液を排出する工程。
    工程5:工程4の後、再度、前記含浸タンク内を減圧し、減圧中の含浸タンク内で、木材に対して高周波加熱を施して木材中の有機溶剤を蒸気化する工程。
  12. 請求項10または11に記載の方法により処理された木材製品。
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JP2020011490A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 株式会社ミライジュ 改質木材の製造方法、卓球用ラケットの製造方法、改質木材、及び、セルロースナノファイバーを有効成分とする木材改質剤
JP2020059162A (ja) * 2018-10-05 2020-04-16 Agc株式会社 木材保存処理液及び木材保存用薬剤付き木材の製造方法

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