JP2012180437A - ポリクロロプレンラテックス組成物 - Google Patents

ポリクロロプレンラテックス組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】接着力と貯蔵安定性に優れたポリクロロプレンラテックスを提供する。
【解決手段】ポリクロロプレンラテックスを固形分換算で100質量部に対して、繊維長0.5〜100μmの酸化亜鉛を固形分換算で0.05〜10質量部含有することによって、接着力と貯蔵安定性に優れたポリクロロプレンラテックス組成物が得られる。なお、該ポリクロロプレンラテックスは、クロロプレン重合体が、クロロプレン及びカルボキシル基含有ビニル単量体の共重合体であることが好ましく、ポリビニルアルコールの存在下で、乳化重合して得られることが好ましい。また、接着剤として利用することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤、不織布バインダー、ラテックス含浸紙、ゴム引布、歯付ベルトのゴムと繊維布の接着や心線の繊維処理用のレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)、手袋や長靴などの浸漬成形製品に利用可能である、ポリクロロプレンラテックス組成物に関する。
ポリクロロプレンラテックス組成物は、日光や高温に曝される環境で長期間貯蔵すると、クロロプレン重合体の脱塩酸反応により、pHが徐々に変化して、配合剤が層分離を起こしたり、析出したりすることがある。このような問題に対して、従来から、ポリクロロプレンラテックス組成物に、塩酸の受酸剤として酸化亜鉛を配合することが有効であることが知られている。また、ポリクロロプレンラテックス組成物中のクロロプレン重合体が、クロロプレンと不飽和カルボン酸の共重合体である場合には、酸化亜鉛を配合することによって、亜鉛イオンとカルボキシル基の架橋を形成させることができ、接着剤用途では耐熱接着力などを向上させることもできる。
このような酸化亜鉛の配合効果を向上させたり、あるいは耐光変色性などの新たな機能を付与させたりするために、カルボキシル基変性ポリクロロプレンラテックスに、活性亜鉛華と呼ばれる表面積が大きな酸化亜鉛を配合して、耐水接着力を向上させた接着剤が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、ポリクロロプレンラテックスに、粒径200nm未満の微粒子酸化亜鉛を配合して、接着力や耐光変色性を向上させたラテックス組成物及び接着剤や(例えば、特許文献2や特許文献3参照。)、ポリクロロプレンラテックスに、酸化亜鉛微粒子を担持させた鱗片状シリカを配合して、耐光変色性を向上させたラテックス組成物及び接着剤(例えば、特許文献4参照。)が知られている。
さらに、ポリクロロプレンラテックスに、酸化亜鉛と同時に、水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムを配合して、耐光変色性を向上させたラテックス組成物及び接着剤が知られている(例えば、特許文献5参照。)。
特開昭58−113224 特開平11−209523(特許第3957384号) WO2004/106422(特表2007−506851) 特開2002−47377 特開2002−155167
これらの手段により、ポリクロロプレンラテックス組成物の性能は進歩しているが、それぞれの技術には次のような欠点もある。
例えば、特許文献1に記載された技術は、表面積が大きい活性亜鉛華を使用するため、活性亜鉛華の粒子同士が凝集しやすく、ラテックス中に微細かつ均一に配合することが難しい。このため、ポリクロロプレンラテックス組成物の貯蔵中の粘度安定性が問題となる場合がある。
特許文献2や特許文献3の技術は、粒子径200nm未満の微粒子状の酸化亜鉛の価格が高いために、ラテックス組成物や接着剤のコストアップにつながってしまう。
特許文献4と特許文献5の技術は、シリカ粒子やマグネシウム化合物粒子が沈降しやすく、増粘剤の種類の選定や配合量が不適切な場合には、貯蔵安定性が問題となる場合がある。
本発明は、接着力だけでなく、貯蔵安定性にも優れたポリクロロプレンラテックスを提供することを目的とする。
ポリクロロプレンラテックスを固形分換算で100質量部に対して、繊維長3〜200μmの針状酸化亜鉛を固形分換算で0.05〜10質量部含有することによって、接着力と貯蔵安定性に優れたポリクロロプレンラテックス組成物が得られることを見いだし、上記課題を解決した。なお、該ポリクロロプレンラテックスは、クロロプレン重合体が、クロロプレン及びカルボキシル基含有ビニル単量体の共重合体であることが好ましく、ポリビニルアルコールの存在下で、乳化重合して得られたものであることが好ましい。得られたポリクロロプレンラテックスは、接着剤、不織布バインダー、ラテックス含浸紙、ゴム引布、歯付ベルトのゴムと繊維布の接着や心線の繊維処理用のレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)、手袋や長靴などの浸漬成形製品に利用可能であり、特に、接着剤として好適に利用することができる。
本発明のポリクロロプレンラテックス組成物は、長期間貯蔵しても、pHの低下や、配合剤の沈降が起こりにくく、かつ、接着力に優れた接着剤を製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
ポリクロロプレンラテックスとは、クロロプレン重合体を、乳化剤を介して水中に乳化させたラテックス(エマルジョン)のことである。クロロプレン重合体とは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下、クロロプレンと記す)の単独重合体、または、クロロプレンと、クロロプレンと共重合可能な単量体の共重合体である。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、アクリル酸やメタクリル酸などのカルボキシル基含有ビニル単量体及びそのエステル類が挙げられ、必要に応じて2種類以上用いても良い。これらの中でも、カルボキシル基含有単量体が好ましく、特にメタクリル酸を用いると、接着剤に酸化亜鉛や酸化マグネシウムといった金属酸化物を配合した時に2価金属イオンとカルボキシル基の架橋が起こり、得られるポリクロロプレンラテックスおよびこれを用いて得られる接着剤の耐熱性や耐溶剤性といった接着性能を向上させることができるため好ましい。
これらクロロプレンと共重合可能な単量体の仕込み量は、単量体の合計100質量部のうち、カルボキシル基含有ビニル単量体が0.01〜5質量部の範囲が好ましい。
単量体を乳化重合させる際に用いられる乳化剤及び/または分散剤は、特に限定するものではなく、従来からクロロプレンの乳化重合に用いられているアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤を用いればよい。アニオン性乳化剤の具体例としては、カルボン酸型、硫酸エステル型などがあり、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物等が挙げられる。ノニオン性乳化剤の具体例としては、ポリビニルアルコールまたはその共重合体(例えばアクリルアミドとの共重合体)、ポリビニルーテルまたはその共重合体(例えば、マレイン酸との共重合体)、ポリオキシエチレアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアシルエステルなどが挙げられる。カチオン性乳化剤の具体例としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩等があり、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。ポリビニルアルコールを乳化剤として選択した場合には、後述する針状酸化亜鉛をラテックス中に均一分散させ易くなる。乳化重合時のポリビニルアルコールの仕込み量は、初期仕込み単量体の合計100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましい。0.5質量部未満では、乳化力が十分ではない場合があり、10質量部を超えると得られる接着剤の耐水性が低下する場合がある。用いるポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜95mol%が好ましい。鹸化度が70mol%未満の場合、ポリビニルアルコールの水に対する溶解速度が遅くなり、生産性が低下する場合がある。また鹸化度が95mol%を超えると、ポリビニルアルコールの乳化性能が低下して、安定した乳化重合がおこなえない場合がある。なお、ここで規定する鹸化度は、JIS K 6726に規定される方法で測定した値である。
ポリビニルアルコールは、JIS K 6726に規定される方法で測定した水溶液粘度(濃度4質量%の水溶液の20℃における粘度)が、3〜60mPa・sであることが好ましい。この水溶液粘度が3mPa・s未満の場合、水溶液が飛散しやすくなる場合がある。また、水溶液粘度が60mPa・sを超えると、ポリビニルアルコールの水に対する溶解速度が遅くなったり、溶解タンクの内壁への付着量が増加したりする場合がある。
なお、変性したポリビニルアルコールを用いる場合には、JIS K 6726で定められている方法で重合度を測定しようとすると、未鹸化の酢酸ビニル単位を完全に鹸化する前処理の段階で架橋・不溶化して、正確な重合度を求めることができないことがある。そこで、本発明においては、重合度に代えて、JIS K 6726に規定されている水溶液粘度の好適な範囲を記載した。前処理で不溶化しない場合の好適な重合度範囲は、200〜2500が好ましい。
ポリクロロプレンラテックス中のクロロプレン重合体のポリマー構造は、特に限定するものではないが、重合温度、重合開始剤、連鎖移動剤、重合停止剤、重合率などを任意に選択することで、分子量、分子量分布、ゲル含有量、分子末端構造、結晶化速度を制御することができる。
乳化重合時の重合温度は、特に限定するものではないが、重合反応を円滑におこなうために、5〜50℃とすることが好ましい。
また、乳化重合を開始させるために添加する開始剤は、特に限定するものではなく、従来からクロロプレンの乳化重合に用いられているものを用いることができ、例えば、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、第3−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等がある。
乳化重合反応を進めるために添加する連鎖移動剤は、特に限定するものではなく、従来からクロロプレンの乳化重合に用いられているものを用いることができ、例えば、n−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等がある。
乳化重合を停止させるために添加する重合停止剤(重合禁止剤)は、特に限定するものではなく、従来からクロロプレンの乳化重合に用いられているものを用いることができ、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、ヒドロキシアミン等がある。
クロロプレン重合体の最終重合率は、特に限定するものではないが、70〜100%で任意に調節することができる。未反応単量体の除去(脱モノマー)は、減圧加熱等の公知の方法によっておこなう。
本発明のポリクロロプレンラテックスに含まれるクロロプレン重合体は、そのトルエン不溶分が10〜99%であることが好ましい。この範囲に調整することで、ポリクロロプレンラテックス組成物を接着剤として利用した時に、初期接着力と常態接着力のバランス優れた接着剤を作ることができる。
なお、クロロプレン重合体のトルエン不溶分は、単量体を乳化重合させる際の重合温度、重合開始剤、連鎖移動剤、重合停止剤、重合率などを任意に選択することで調整できる。
本発明で用いる針状酸化亜鉛は、針状先端を有する繊維長0.5〜100μmの酸化亜鉛結晶粒子である。繊維長が0.5μmよりも短いと、粒子同士が凝集しやすくなりラテックス中に均一分散させることが難しく、100μmよりも長いと、ポリクロロプレラテックス組成物を接着剤として利用する時に、ポリマー同士の粘着を阻害してしまい接着不良を起こす可能性がある。酸化亜鉛は、3〜4本の針状結晶が1端で結合されて、それぞれが3〜4軸の異なる方向に伸びたテトラポット形状となっていても良い。
針状酸化亜鉛の含有量は、ポリクロロプレンラテックスを固形分換算で100質量部に対して、固形分換算で0.05〜10質量部である。0.05質量部未満では、ポリクロロプレンラテックス組成物の貯蔵中のpHを安定化させる効果が得られず、10質量部を超えると、ラテックス中で沈降が起こりやすくなり、好ましくない。
なお、針状酸化亜鉛は、ポリクロロプレンラテックスに粉末のまま直接添加しても良いが、ボールミルやビーズミルなどの湿式粉砕機中で、乳化剤及び水と混合して、30〜80質量%の水分散液を調製してから、ポリクロロプレンラテックスに添加すると、脱泡することができるため望ましい。また、湿式粉砕機中で粉砕すると、テトラポット形状が破壊されて、針状酸化亜鉛が1本1本に分離するが、接着力及び貯蔵安定性には影響しない。また、針状酸化亜鉛は、ポリクロロプレンラテックスに添加する前に、シランカプリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを用いて表面処理しておき、ポリクロロプレンラテックス組成物の接着力向上を図ることも可能である。
本発明のポリクロロプレンラテックス組成物の用途は、接着剤が最も好ましい。接着剤として利用するためには、用途及び要求性能に応じて、ポリクロロプレンラテックスに、粘着付与樹脂、増粘剤、加硫促進剤、充填剤(補強剤)、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、防腐剤、抗菌剤、可塑剤、pH調節剤、消泡剤、防錆剤、ポリクロロプレン以外のポリマーラテックスなどを任意に配合する。また、硬化剤を組み合わせて、2液型接着剤とすることも可能である。
粘着付与樹脂の具体例としては、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C留分系石油樹脂、C留分系石油樹脂、C/C留分系石油樹脂、DCPD系石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂の添加方法としては、接着剤中に均一に配合させるために、エマルジョンとしてから添加することが好ましい。さらに、粘着付与樹脂エマルジョンの製造方法には、トルエン等の有機溶剤に溶解した樹脂を、乳化剤を用いて水中に乳化/分散させた後、有機溶剤を加熱減圧しながら除去する方法と、微粒子に粉砕して乳化/分散させる方法などがあるが、より微粒子のエマルジョンが作製できる前者の方法が好ましい。
増粘剤の具体例としては、ポリアクリル酸系、ポリアクリルアミド系、HEUR系(ポリエチレンオキシドの両末端を疎水基でエンドキャップしたポリマー)などの有機系増粘剤、ヘクトライトやモンモリロナイトなどシリケート化合物のような無機系増粘剤が挙げられる。これらのうち、HEUR系が、少ない添加量で大きな増粘効果が得られ、配合後の粘度安定性が優れているため、好適である。
加硫促進剤としては、チオウレア系、ジチオカルバミン酸塩、キサントゲン酸塩などが挙げられる。チオウレア系化合物の具体例としては、エチレンチオ尿素、ジブチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素、N,N‘−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素(TMU)、N,N’−ジエチルチオ尿素(EUR)等が挙げられる。ジチオカルバミン酸塩の例としては、ジメチルカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅(II)、ジメチルジチオカルバミン酸鉄(III)、ジメチルジチオカルバミン酸テルル(IV)などが挙げられる。キサントゲン酸塩の例としては、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸ガリウム(III)などが挙げられる。
硬化剤を使用する場合には、水分散型イソシアネート化合物を使用して2液型接着剤とすることができる。硬化剤を使用すれば、耐水性や耐溶剤性を向上させることができる。水分散型イソシアネート化合物とは、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られる、分子内にビュウレット、イソシアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネート等の構造を有するポリイソシアネートポリマーに親水基を導入したものである。つまり、水中に添加・撹拌すると、水中で微粒子として分散することが可能な自己乳化型イソシアネート化合物である。脂肪族及び/または脂環族イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、重合MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられる。中でも、HDI、MDI、IPDI、水添XDIは工業的に入手しやすく良好である。親水基は、エチレンオキサドの繰り返し単位を有する乳化剤を上記の脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから得られる重合物の分子鎖の一部と、反応させることにより導入される。エチレンオキサイドの繰り返し単位を有する乳化剤としては、水に対する分散性を考慮すれば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。硬化剤としての効果は、原料化合物よりもむしろ、JIS K−7301で規定される方法によって算出したイソシアネート基含有率によって左右される。良好な接着力を得るためには、使用するイソシアネート化合物のイソシアネート基含有率が、17〜25質量%であることが好ましい。
水分散型イソシアネート化合物を硬化剤として使用して2液型接着剤とする場合、主剤中のポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、硬化剤中の水分散型イソシアネート化合物が固形分で0.5〜15質量部となるように混合することが好ましい。0.5質量部未満では、接着力が不足し、また15質量部よりも多く添加すれば、主剤と硬化剤を混合した後のポットライフ(使用可能時間)が短くなる恐れがある。
本発明のポリクロロプレンラテックス組成物の固形分は、45〜60質量%が好ましい。この範囲であれば、チクソトロピック性を低く制御することができ、塗工性が良好な水系接着剤が得られる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。
[実施例1〜8][比較例1〜8]
<ポリビニルアルコールの製造>
重合反応缶に、酢酸ビニル120g、メタノール560g、アゾビスイソブチロニトリルの1%メタノール溶液1.6gを仕込み、窒素置換後加熱して沸点まで昇温した。次に、酢酸メチル1720g、メタノール607g、アゾビスイソブチロニトリルの1%メタノール溶液406gを、14時間かけて連続添加し、連続添加終了から1時間後に、酢酸ビニルの重合率99%に達したことを確認して、重合反応を停止した。次いで常法により未反応の酢酸ビニルを除去し、得られた重合体を水酸化ナトリウムで常法により鹸化した。その後、90℃で90分熱風乾燥してポリビニルアルコールを得た。JIS K 6726に準拠して分析した結果、ポリビニルアルコールの平均重合度は280、鹸化度は79.4mol%であった。
<ポリクロロプレンラテックスAの製造>
内容積3リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水86質量部、ポリビニルアルコール3.2質量部を60℃で溶解させた。このポリビニルアルコール水溶液を室温まで冷却した後、この中にクロロプレン単量体97.5質量部、メタクリル酸2.5質量部、オクチルメルカプタン0.25質量部を加えた。これを40℃に保ちながら過硫酸カリウムを開始剤として用いて重合した。この反応終了液に20質量%ジエタノールアミン水溶液を添加してpHを7に調整し、減圧下で未反応の単量体を除去した後、更に減圧下で水分を蒸発させて濃縮をおこない、固形分濃度55%のポリクロロプレンラテックスAを得た。このラテックスのゲル含有量は55%であった。固形分濃度と、ゲル含有量は、以下の方法で測定した。
<固形分濃度>
アルミ皿だけの質量をAとする。ラテックス試料を2ml入れたアルミ皿の質量をBとする。ラテックス試料を入れたアルミ皿を125℃で1時間乾燥させた後の質量をCとする。固形分濃度(%)は下式で算出した。
固形分濃度={(C−A)/(B−A)}×100
<ゲル含有量(トルエン不溶分)>
ラテックス試料を凍結乾燥し秤量してAとした。23℃で20時間、トルエンで溶解(0.6%に調整)し、遠心分離機を使用し、更に200メッシュの金網を用いてゲルを分離した。ゲル分を風乾後110℃雰囲気下で、1時間乾燥し、秤量してBとした。ゲル含有量(%)は下式に従って算出した。
ゲル含有量=(B/A)×100
<ポリクロロプレンラテックスBの製造>
内容積3リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水100質量部、不均化ロジン酸4質量部、水酸化カリウム1.0質量部、ホルムアルデヒドナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩0.8部を仕込み、溶解後、撹拌しながらクロロプレン100質量部とn−ドデシルメルカプタン0.3質量部を加えた。過硫酸カリウムを開始剤として用い、窒素雰囲気下、40℃で重合し、重合率が90%に達したところでフェノチアジンの乳濁液を加えて重合を停止した。減圧下で未反応の単量体を除去した後、更に減圧下で水分を蒸発させて濃縮をおこない、固形分濃度55%のポリクロロプレンラテックスBを得た。このラテックスのゲル含有量は18%であった。
<酸化亜鉛B(酸化亜鉛Aの水分散液)の製造>
まず、カゼイン100質量部、濃度28質量%のアンモニア水70質量部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HS−210/日油株式会社製)3質量部、水827質量部を混合して、濃度10質量%のアンモニウムカゼイン水溶液を作製した。次に、針状酸化亜鉛(パナテトラWZ−0501/株式会社アムテック製)100質量部、ホルムアルデヒドナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩3質量部、濃度10質量%のアンモニウムカゼイン水溶液30質量部、水167を、陶器製ボールミルに入れて、25℃雰囲気で24時間粉砕分散して、濃度33質量%の酸化亜鉛の水分散液を作製した。
<ポリクロロプレンラテックス組成物の製造>
ポリクロロプレンラテックスA〜Bに対して、表1の配合処方で、酸化亜鉛、粘着付与樹脂、増粘剤を配合して、実施例1〜8及び比較例1〜8の接着剤を得た。配合量の単位は、固形分換算である。以下に、各配合剤の商品名と性状を示す。
酸化亜鉛A:商品名はパナテトラWZ−0501/株式会社アムテック製、繊維長2〜40μmの針状酸化亜鉛粉体。
酸化亜鉛B:酸化亜鉛Aの水分散液、繊維長1〜10μm、固形分33%。
酸化亜鉛C:商品名はAZ−SW、大崎工業株式会社製、平均粒径0.20μm、固形分50%。
酸化亜鉛D:商品名は酸化亜鉛2種/ハクスイテック株式会社製、平均粒径1.0μmの粉体。
粘着付与樹脂:商品名はタマノルE−100/荒川化学工業株式会社製、テルペンフェノール樹脂エマルジョン。
増粘剤:商品名はRM−8W/ロームアンドハースジャパン株式会社製、HEUR系増粘剤。
<貯蔵安定性試験>
ポリクロロプレンラテックス組成物を、ガラス瓶に入れて密閉し、24℃または40℃で2ヶ月間静置した後、層分離や沈降の有無を目視で確認した。外観の変化がない場合には○、層分離や沈降が起きた場合には×と判定した。
以下に、ポリクロロプレンラテックス組成物を接着剤として利用した場合の、接着力試験方法を説明する。
帆布(糊代部のサイズは幅25mm×長さ70mm)2枚各々に、150g(wet)/mの接着剤を刷毛で塗布し、23℃雰囲気中で3時間乾燥させた後、その上から200g(wet)/m2の接着剤を刷毛で塗布し、70℃雰囲気で5分間乾燥させた後、張り合わせ、ハンドローラーで圧着した。
<初期接着力>
圧着してから1日後に引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
<常態接着力>
圧着してから5日後に引張試験機で引張速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
<軟化点>
オーブンの天井に、圧着から5日間経過した試験片(糊代部のサイズは幅25mm×長さ25mm)の片方の掴み代を固定して、オーブン内を38℃に維持した。180°剥離試験の要領で、もう片方の掴み代に、500gの分銅を取り付け、38℃のまま、15分間加熱した後、5分毎に2℃昇温させて、分銅が落下した時のオーブン内温度を記録した。軟化点が高いほど、耐熱接着力が高いことを意味する。
評価結果を表1にまとめた。
Figure 2012180437
表1からわかるように、実施例1〜8のポリクロロプレンラテックス組成物は、比較例1〜8のポリクロロプレンラテックス組成物よりも、接着剤の接着力に優れていることが示された。特に、実施例1〜4のポリビニルアルコールを用いてクロロプレンとカルボキシル基含有ビニル単量体の乳化共重合で得られたポリクロロプレンラテックスを使用した場合に、高い耐熱接着力を発揮することがわかる。

Claims (4)

  1. ポリクロロプレンラテックスを固形分換算で100質量部と、繊維長0.5〜100μmの酸化亜鉛を固形分換算で0.05〜10質量部含有することを特徴とするポリクロロプレンラテックス組成物。
  2. ポリクロロプレンラテックス中のクロロプレン重合体が、クロロプレン及びカルボキシル基含有ビニル単量体の共重合体であることを特徴とする、請求項1記載のポリクロロプレンラテックス。
  3. ポリクロロプレンラテックスが、ポリビニルアルコールの存在下で、乳化重合して得られたものであることを特徴とする、請求項1〜2記載のポリクロロプレンラテックス組成物。
  4. 接着剤として利用する、請求項1〜3いずれか1項記載のポリクロロプレンラテックス組成物。
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