JP2012180579A - 高炉炉口部の保護構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】過度の引張り応力が作用しても、炉口保護プレートの脱落やズレを防止するアンカーリンクを備え、炉内面が実質的に真円度を保つように炉口形状を維持することができる高炉炉口部の保護構造を提供する。
【解決手段】アンカーリンク25は、炉口保護プレート3側から鉄皮結合部26の筒体27内に挿入され、ロッド通過孔28aにねじ付きロッド29aが通過しているアンカーロッド29と、高炉鉄皮1の外側からねじ付きロッド部に外挿した座金34と、ねじ付きロッドに螺合することで、アンカーリンク連結部材28のロッド通過孔28aの周縁に座金を当接するナット33とを備えている。アンカーリンクに作用する引張り応力が、アンカーロッドの引張り強度近くまで大きくなったときに、座金が塑性変形により引張り応力を緩和する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉炉口部の保護構造に関し、詳細には、ステーブの炉内側を覆っている炉口保護プレートを固定するアンカーリンクの高炉鉄皮への連結構造に関する。
高炉の炉口部近くの内壁は、ベル式、或いはベルレス式等の炉頂装入装置から装入された装入物が衝突し、或いは滑り落ちるので、炉壁の耐摩耗性が要求される。
高炉炉口部の炉壁を形作る構造として、図5に示すように、高炉炉口部近くの高炉鉄皮1を冷却壁であるステーブ2で覆い、このステーブ2の内周面を板形状の炉口保護プレート3で覆う構造が知られている(例えば、特許文献1)。
図5の構造は、炉口保護プレート3の背面にアンカー基部4が突出し、炉口保護プレート3の上部に結合部5が設けられている。また、ステーブ2には、アンカー基部4が嵌入する貫通孔6が設けられている。高炉鉄皮1には、この高炉鉄皮1の内外に連通する耐熱性材料からなる筒体7が固定されており、この筒体7の高炉鉄皮1の外側の端部に、アンカーリンク連結部材8が固定されている。
そして、アンカー基部4及び結合部5が高炉鉄皮1側を向くように炉口保護プレート3を配置し、アンカー基部4をステーブ2の貫通穴6に嵌入する。そして、アンカー基部4及び結合部5に、アンカーリンク9の一端を連結し、筒体7に挿入したアンカーリンク9の他端をアンカーリンク連結部材8に連結することで、炉口保護プレート3が、アンカーリンク9を介して高炉鉄皮1に固定されている。なお、筒体7の開口部は、キャップ10で閉塞されている。
図5の構造によると、高炉内を流れる高温ガスが炉口保護プレート3の背面とステーブ2との間に流れ込んできても、炉口保護プレート3のアンカー基部4がステーブ2の貫通孔6に嵌入していることで、アンカー基部4とアンカーリンク9の結合部が高温ガスと接触するのを妨げ、熱負荷の増大によってアンカーリンク9が変形、或いは破断するのを防止することができる。また、炉口保護プレート3の結合部5に連結したアンカーリンク9は、耐熱性材料で形成した筒体7に収納されているので、高温ガスとの接触による損傷を防止することができる。
特許第4122989号
ところで、高温ガス流は、通気抵抗が少ない箇所を優先的に通過するため、炉口保護プレート3の表裏のガス流は装入物の充填の具合に左右されて不安定である。この結果、保護プレートの温度状態は、炉内側が高かったり、鉄皮側が高かったりと変動を繰り返す。この温度状態によって、炉口保護プレート3は、ステーブ2から離間する方向に凸状、或いは凹状に変形する場合がある。
炉口保護プレート3が凸状、凹状に変形すると、炉口保護プレート3を高炉鉄皮1に固定しているアンカーリンク9には過度の引張り応力が作用するので、引張り応力を吸収する機構を備えていないアンカーリンク9が破断するおそれがある。特に、アンカーリンク
9のアンカー基部4に近い部位が破断した場合、その補修は容易ではない。
アンカーリンク9の破断により炉口保護プレート3の脱落やズレが発生すると、炉口部炉壁の真円度が保てなくなって炉内における装入物の分布状態が不安定となり、炉内のガス流分布が悪化することで高炉操業の生産性を低下させる結果となる。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、過度の引張り応力が作用しても、炉口保護プレートの脱落やズレを防止するアンカーリンクを備え、炉内面が実質的に真円度を保つように炉口形状を維持することができる高炉炉口部の保護構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る高炉炉口部の保護構造は、高炉の炉口部に設置したステーブの内周面を炉口保護プレートで覆うとともに、この炉口保護プレートの前記ステーブに対向する背面にアンカーリンクの一端を固定し、このアンカーリンクを前記ステーブに形成した貫通孔に通過し、前記アンカーリンクの他端を高炉鉄皮の鉄皮結合部に固定して炉口保護プレートを保持してなる高炉炉口部の保護構造において、前記炉口保護プレートの温度状態変化による熱変形により前記アンカーリンクに引張り応力が作用し、前記アンカーリンクを構成するアンカー構成部材の引張り強度近くまで前記引張り応力が大きくなったときに、自身の変形により前記引張り応力を緩和する引張り応力緩和部材を備えている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の高炉炉口部の保護構造において、前記鉄皮結合部は、前記高炉鉄皮に形成した開口孔に固定され、前記高炉鉄皮の内外に連通する筒体と、前記高炉鉄皮の外側の前記筒体の端部に固定され、ロッド通過孔を設けた円板形状のアンカーリンク連結部材とを備え、前記アンカーリンクは、前記炉口保護プレート側から前記筒体内に挿入され、前記ロッド通過孔にねじ付きロッドが通過している前記アンカー構成部材としてのアンカーロッドと、前記高炉鉄皮の外側から前記ねじ付きロッド部に外挿した前記引張り応力緩和部材としての座金と、前記ねじ付きロッドに螺合することで、前記アンカーリンク連結部材の前記ロッド通過孔の周縁に前記座金を当接するナットとを備え、前記アンカーリンクに作用する引張り応力が、前記アンカーロッドの引張り強度近くまで大きくなったときに、前記座金が塑性変形により前記引張り応力を緩和するようにしている。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の高炉炉口部の保護構造において、前記アンカーリンク連結部材の前記ロッド通過孔の径をαとし、前記座金の内径をβ1とし、前記座金の外径をβ2とすると、β1 < α < β2 の関係を有し、前記アンカーリンクに作用する引張り応力が、前記アンカーロッドの引張り強度近くまで大きくなったときに、前記座金の内径の周縁部が前記ロッド通過孔に入り込むように前記座金が塑性変形する。
本発明の高炉炉口部の保護構造によると、高炉内の温度変化による炉口保護プレートの変形によりアンカーリンクに引張り応力が作用し、アンカーリンクを構成するアンカー構成部材の引張り強度近くまで引張り応力が大きくなったときに、自身の変形により引張り応力を緩和する引張り応力緩和部材を備えており、アンカー構成部材の破断を防止し、炉口保護プレートの脱落の脱落やズレが発生しないので、炉内面が真円度を保つように炉口形状を維持することができる。
本発明に係るアンカーリンク及び鉄皮結合部を示す図である。 高炉を操業した場合の炉口保護プレートの第1熱変形パターンを示すものである。 高炉を操業した場合の炉口保護プレートの第2熱変形パターンを示すものである。 自身の塑性変形により引張り応力を緩和する引張り応力緩和部材を示す図である。 従来の高炉炉口部の保護構造を示す側面図である。
以下、本発明に係る高炉炉口部の保護構造の1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において一部を示す炉口保護プレート3は、図5で示した炉口保護プレート3と同一形状を有し、高温下で長時間使用しても時効脆化しにくく、耐摩耗性に優れた部材である。
この炉口保護プレート3の背面下部に突出して形成されているアンカー基部4には、リング状のピン係合部22aが一体に形成されている。また、ステーブ2の下部には、表裏に貫通する貫通孔6が形成されている。
炉口保護プレート3は、アンカー基部4をステーブ2の貫通孔6に嵌入することで、ステーブ2の内周を覆って配置されている。
そして、炉口保護プレート3の背面下部に設けたアンカー基部4は、アンカーリンク25を介して高炉鉄皮1の鉄皮結合部26に固定されている。
鉄皮結合部26は、図1に示すように、高炉鉄皮1に設けた開口孔1aの内周に固定され、高炉鉄皮1の内外に連通する耐熱性材料からなる筒体27と、高炉鉄皮1の外側の筒体27の端部に固定され、筒体27の軸心位置に一致したロッド通過孔28aを設けている円板形状のアンカーリンク連結部材28とを備えている。
また、アンカーリンク25は、ねじ付きロッド部29a及びリング状のピン係合部29bを備えたアンカーロッド29と、アンカーロッド29のピン係合部29b及びアンカー基部4のピン係合部22aにピン30,31を介して連結するリンク部材32とを備えている。
そして、アンカー基部4のピン係合部22aにリンク部材32を介して連結したアンカーロッド29のねじ付きロッド部29aをアンカーリンク連結部材28のロッド通過孔28aに遊挿し、ねじ付きロッド部29aに挿通した平板形状の座金34を、ねじ付きロッド部29aに螺合したナット33とアンカーリンク連結部材28の側面とで挟み込むことにより、炉口保護プレート3が、アンカーリンク25を介して高炉鉄皮1の鉄皮結合部26に固定されている。
ここで、アンカー連結部材28のロッド通過孔28aの径をαとし、座金34の内径をβ1、座金の外径をβ2とすると(図4(a)参照)、
β1 < α < β2 ……(1)
の関係を有している。
また、座金34は一般構造用圧延鋼材(SS400)からなり、板厚9mm、外径(β2)135mm、内径(β1)32mmの寸法を有している。また、アンカー連結部材28のロッド通過孔28aの径(α)は、105mmに設定されている。
ここで、アンカーリンク25の座金34は、炉口保護プレート3からアンカーリンク25に大きな引張り応力が作用すると、塑性変形することで大きな引張り応力を緩和し、アンカーロッド29の破断を防止するようになっている。
すなわち、炉口保護プレート3からアンカーリンク25に作用する引張り応力が、アンカーロッド29の引張り強度近くまで大きくなったときに、アンカーリンク25の座金34が塑性変形する。
このような部品の構成は、アンカーロッド29に引張り力を与えたときに、アンカーロッド29の破断に至る前に座金34が変形することを実験により確認を行なって決定した。このような仕様の決定には変形解析も用いることができる。
ここで、図2及び図3は、高炉操業に供した場合の炉口保護プレート3の変形パターンを示すものである。
高炉操業では、羽口から吹き込まれて炉口保護プレート3の内側に堆積した装入物S中を通過する炉内ガスの通過経路により雰囲気温度T1と、炉口保護プレート3とステーブ2との間の雰囲気温度T2とに差が発生する。
図2に示すように、雰囲気温度T1が、炉口保護プレート3及びステーブ2の間の炉内ガスの雰囲気温度T2より高くなると、炉口保護プレート3は、ステーブ2との接触面を丸印A1〜A4としてステーブ2から離間する方向に凸形状に変形する。
また、図3に示すように、雰囲気温度T1が、炉口保護プレート3及びステーブ2の間の雰囲気温度T2より低くなると、炉口保護プレート3は、ステーブ2との接触面を丸印A5としてステーブ2から離間する方向に凹形状に変形する。
このように、炉口保護プレート3が凹形状或いは凸形状の変形を繰り返すと、炉口保護プレート3の背面下部に設けたアンカー基部4と鉄皮結合部26とを結合するアンカーリンク25に大きな引張り応力が作用する。
そして、炉口保護プレート3の凹形状或いは凸形状の変形により、アンカーリンク25に作用する引張り応力が、アンカーロッド29の引張り強度近くまで大きくなると、アンカーリンク25の座金34は、図4(b)に示すように、アンカーリンク連結部材28のロッド通過孔28aに入り込むように塑性変形する。
これにより、塑性変形した座金34が、アンカーリンク25に作用する大きな引張り応力を緩和するので、アンカーロッド29の破断を防止し、炉口保護プレート3の脱落やズレが発生しないので、炉内面が実質的に真円度を保つように炉口形状を維持することができる。
また、上記実施形態では、アンカーロッド29に作用する引張り応力によって、専ら座金34が変形するようにしたので、アンカーロッド29の破断を防止することができるとともに、メンテナンスの際には、高炉の外側から座金34の形状を確認し、必要に応じて座金34のみを交換できるようになり、メンテナンスを容易に行なうことができる。
1…高炉鉄皮、1a…開口孔、2…ステーブ、3…炉口保護プレート、4…アンカー基部、5…結合部、6…貫通孔、22a…ピン係合部、25…アンカーリンク、26…鉄皮結合部、27…筒体、28…アンカーリンク連結部材、28a…ロッド通過孔、29…アンカーロッド、29a…ねじ付きロッド部、29b…ピン係合部、30,31…ピン、32…リンク部材、33…ナット、34…座金、35…キャップ、S…装入物

Claims (3)

  1. 高炉の炉口部に設置したステーブの内周面を炉口保護プレートで覆うとともに、この炉口保護プレートの前記ステーブに対向する背面にアンカーリンクの一端を固定し、このアンカーリンクを前記ステーブに形成した貫通孔に通過し、前記アンカーリンクの他端を高炉鉄皮の鉄皮結合部に固定して炉口保護プレートを保持してなる高炉炉口部の保護構造において、
    前記炉口保護プレートの温度状態変化による熱変形により前記アンカーリンクに引張り応力が作用し、前記アンカーリンクを構成するアンカー構成部材の引張り強度近くまで前記引張り応力が大きくなったときに、自身の変形により前記引張り応力を緩和する引張り応力緩和部材を備えたことを特徴とする高炉炉口部の保護構造。
  2. 前記鉄皮結合部は、前記高炉鉄皮に形成した開口孔に固定され、前記高炉鉄皮の内外に連通する筒体と、前記高炉鉄皮の外側の前記筒体の端部に固定され、ロッド通過孔を設けた円板形状のアンカーリンク連結部材とを備え、
    前記アンカーリンクは、前記炉口保護プレート側から前記筒体内に挿入され、前記ロッド通過孔にねじ付きロッドが通過している前記アンカー構成部材としてのアンカーロッドと、前記高炉鉄皮の外側から前記ねじ付きロッド部に外挿した前記引張り応力緩和部材としての座金と、前記ねじ付きロッドに螺合することで、前記アンカーリンク連結部材の前記ロッド通過孔の周縁に前記座金を当接するナットとを備え、
    前記アンカーリンクに作用する引張り応力が、前記アンカーロッドの引張り強度近くまで大きくなったときに、前記座金が塑性変形により前記引張り応力を緩和することを特徴とする請求項1記載の高炉炉口部の保護構造。
  3. 前記アンカーリンク連結部材の前記ロッド通過孔の径をαとし、前記座金の内径をβ1とし、前記座金の外径をβ2とすると、β1 < α < β2 の関係を有し、
    前記アンカーリンクに作用する引張り応力が、前記アンカーロッドの引張り強度近くまで大きくなったときに、前記座金の内径の周縁部が前記ロッド通過孔に入り込むように前記座金が塑性変形することを特徴とする請求項2記載の高炉炉口部の保護構造。
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