JP2012180938A - 複合ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】総締付圧を低くでき、取扱いが容易で試験期間を短縮でき、200〜1000℃の温度帯においても長期にわたってシール性を維持し得る耐熱性、耐久性及びシール性に優れた非アスベスト系ガスケットを得る。
【解決手段】メタルジャケット型ガスケット構造を採用し、そのメタルジャケット型ガスケットの幅を狭くすることによってパイプフランジとの接触面積を小さくして締付圧力の低減化を図る一方、その狭幅のメタルジャケット型ガスケットをガスケット本体とし、当該ガスケット本体の外周及び内周の少なくとも一方に、冷間圧延鋼板、ステンレス鋼板、防錆メッキした冷間圧延鋼板、防錆メッキしたステンレス鋼板、Cu、Al、Zn、Ni、Sn、Si、Ti、Fe、Cr、Nb、C、Mo、W、Coから選択される1種の金属からなる金属板もしくはそれらの合金板からなるメタルリングを嵌着して複合ガスケットを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は複合ガスケット、特に、初期締付圧力が低くても高シール性を示し、低温から高温まで、かつ、真空から高圧まで広範囲で使用可能な複合ガスケットに関するものである。
近年、化学産業分野での省エネルギー化を図るべく、高温条件下で操業可能な各種プラントの開発が進められている。石油化学プラント、液化石油ガス及び液化天然ガスプラント等では、ガスケット本体を浸透して漏れる浸透漏れ、ガスケット表面とフランジ表面との界面から漏れる界面漏れ及びフランジ、管或いは容器等を透過して漏れる透過漏れが生じるが、漏れの大部分(約8割)が浸透漏れであることから、プラントの配管連結部での流体漏れ防止に使用されるガスケット等のシール材が問題となっている。また、実際の漏れ事故は、ボルト締付不足、締付過多、片側締め付け等の締付作業も大きな原因となっている。
従来、ガスケット、特に、高温用ガスケットとしてはアスベスト製品が汎用されていたが、アスベストの健康に及ぼす悪影響が明かとなって以来、その使用廃止及び代替品の開発を迫られ、これまでにも各種の非アスベスト系ガスケットが開発され、代表的なガスケットとして、クロロプレンゴム、フッ素ゴム或いはシリコーンゴム等のゴム系材料をリング状に成形したゴムガスケット(例えば、特許文献1参照)、フッ素樹脂や膨張黒鉛などの非アスベスト系粉末をバインダで固めてシート状に形成してなる非アスベスト系シートを断面形状が波形のステンレス鋼などの薄肉帯状鋼板と重ね合わせて渦巻状に巻回してなる渦巻ガスケット(例えば、特許文献2参照)、及び無機繊維シートを耐熱耐食合金からなるメタルジャケットで被覆してなるメタルジャケット型ガスケット(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特開平5−287205公報 特開2004−3264706号公報 特開2006−226456号公報
しかしながら、前記ゴムガスケットは、材料がゴム材料であるため耐熱性が低く、200℃以上の高温用ガスケットとしては使用できないという問題がある。即ち、前記ゴムガスケットは、温度が高くなると流動性を帯びてシール性が低下するため、高温でもシール性能を維持するためには高温でのゴム材料の流動性を阻止することが望まれている。
他方、渦巻ガスケットは、締め付け圧が小さく良好なシール性を示すため、石油化学プラント、液化石油ガス及び液化天然ガスプラント等の分野では多く採用されてはいるが、膨張黒鉛シートを芯材とするガスケットでは、300℃以上になるとバインダの熱分解や金属板への過負荷により又は膨張黒鉛シートの機械的強度が弱いためガスケット全体が劣化し易く、また、フッ素樹脂シートでは350℃以上で圧力がかかると溶融したり流動化したりするため甚だしく塑性変形するため、一時的には良好なシール性を示すが長期使用に耐えず、短期間でガス漏れを生じ、場合によっては火災を引き起こすなどの問題があることが明かとなった。
さらに、メタルジャケット型ガスケットは、−200℃〜1000℃の広い温度域で耐久性が良く、10−7Pam/secという高いシール性能を示すため、船舶の補機や排気ラインのガスケットやコジェネレーションシステムの吸排気ガスケット等の耐熱、耐久性及びシール能力を要求される分野で広く採用されてはいるが、石油化学プラント等に適用するには下記のような難点がある。即ち、(1)メタルジャケット型ガスケットは、有効シール面積が少ないため振動及び面圧に耐えるように全面接触型にしなければならず、必然的にシール性を向上させるためにはボルトの締付圧力を高くする必要があり、老朽設備が多い石油化学プラント等には使用しがたい、(2)メタルジャケット型ガスケットは、浸透モレは無いがフランジ面とガスケット面との間の所定のシール性能に達するまで時間がかかり、操業効率が上げるためガスケット装着後の試験期間を短くすることが重視される石油化学プラント等では経済的な観点から敬遠される原因となっている。
前記メタルジャケット型ガスケットの締付圧力に関する問題を解決する手段として、ガスケットの幅(ガスケットの外径と内径との差の半分)を狭くする、即ち、狭幅化が考えられるが、この構造ではガスケットの総締付力を数分の一に低減することはできてもフランジローディングによる漏れが発生し、フランジ内径の中心とガスケットの中心との芯出しが非常に困難になり、極端な場合にはパイプ内を流動する流体の熱で燃焼してシール不能となる恐れがある他、ガスケットを狭幅化すると面圧が掛かりすぎて締め付けの際にガスケットが破壊されてしまうという新たな問題を生じる。また、位置決めを容易にするため配管等のフランジに所定深さの溝を形成し、それにリングガスケットを嵌め込んで締め付けを行うことにより解決できるが、フランジに溝を形成するのは多大な費用を要するため経済的ではない。
従って、本発明の課題は、総締付圧を低くでき、取扱いが容易で試験期間を短縮でき、石油化学プラント等においても使用可能で、−200〜1000℃の温度帯においても長期にわたってシール性を維持し得る耐熱性、耐久性及びシール性に優れた非アスベスト系ガスケットを得ることにある。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、基本的には、メタルジャケット型ガスケット構造を採用し、そのメタルジャケット型ガスケットの幅を狭くすることによってパイプフランジとの接触面積を小さくして締付圧力の低減化を図る一方、その狭幅のメタルジャケット型ガスケットをガスケット本体とし、当該ガスケット本体の外周及び内周の少なくとも一方にメタルリングを嵌着して複合ガスケットを構成することによってメタルジャケット型ガスケットの狭幅化に起因する新たな問題、例えば、フランジローディングによる漏れ、ガスケットの位置合わせの作業性低下、締め付け作業の効率低下、芯出し不良に起因する熱による損傷、強度低下に起因する締付時のガスケットの破壊などの問題を解決し、十分な耐熱性、耐久性及びシール性能を確保できるようにしたものである。
従って、本発明は、非アスベスト材料を主成分とする芯材をメタルジャケットで包み込んでなる狭幅のリング状メタルジャケット型ガスケット本体と、当該ガスケット本体の外周及び内周の少なくとも一方に嵌着されたメタルリングとからなることを特徴とする複合ガスケットを提供するものである。
しかし、ガスケットが耐熱性を要求されない場合、ガスケット本体として、メタルジャケット型ガスケット構造を採用する代わりに、シリコーンゴム、クロロプレンゴム及びフッ素系ゴムなどのゴム材料、フッ素樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維その他の合成樹脂繊維からなる群から選ばれた少なくとも一種の材料を主体とする芯材を前記ゴム材料や樹脂材料で包んでなる狭幅のリング状ゴムジャケット型又はレジンジャケット型ガスケット、膨張黒鉛シート及びジョイントシートなどのシート材料をリング状に加工した狭幅のリング状ガスケット、又はそれらの内縁にグロメットを嵌めてなるリング状ガスケットを採用し、その外周及び内周の少なくとも一方にメタルリングを嵌着して複合ガスケットを構成しても良い。このようなメタルリングと複合化した構造を採用することによって、ゴムガスケットや樹脂系ガスケットの材質に起因する問題、例えば、ゴム材料やフッ素樹脂系ガスケットに於ける高温での塑性変形や流動化によるシール性能の低下を阻止し、十分な耐熱性、耐久性及びシール性を確保することができる。
従って、別の観点から見れば、本発明は、非アスベスト材料からなる狭幅のリング状ガスケット本体と、当該ガスケット本体の外周及び内周の少なくとも一方にメタルリングを嵌着してなることを特徴とする複合ガスケットを提供するものである。
前記リング状ガスケット本体は、従来の全面形メタルジャケット型ガスケットと異なり、その幅が狭く形成され、通常、当該ガスケットを適用するパイプフランジの幅(即ち、フランジの内径と外径との差の半分)の2/3以下、好ましくは1/2〜1/20、より好ましくは1/3〜1/16の幅に設定される。具体的には、例えば、呼び圧力5K、呼び径25A(5K−25Aと表す。以下同じ)のガスケット(内径40mm、外径95mm、厚さ2mm、PC(ガスケット中心−ボルト穴中心間径)75mm、ボルト穴径12mm(×4))の場合、ガスケット幅は4〜8mmに、5K−100Aのガスケット(内径118mm、外径200mm、厚さ2mm、PC165mm、ボルト穴径19mm(×8))の場合、ガスケット幅は5〜10mmに、5K−750Aのガスケット(内径780mm、外径945mm、厚さ2.5mm、PC880mm、ボルト穴径27mm(×24))の場合、ガスケット幅は、15〜30mmに設定するのが好ましい。
前記非アスベスト材料としては、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料、ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール(PBO)繊維、ケブラー繊維、フッ素樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などの耐熱性樹脂繊維、膨張黒鉛、ガラスファイバー、ロックウール、セラミックファイバー、アルミナシリカファイバー、アルミナファイバー、炭酸カルシウムファイバー、セピオライト、アタパルジャイト、ワラストナイト及びクレイなどの無機繊維が挙げられるが、これらは単独で又は組み合わせて使用できる。前記フッ素ゴムには、フッ化ビニリデン系ゴム、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム、テトラフルオロエチレン-パーフルオロビニルエーテル系ゴム等が含まれる。前記非アスベスト材料は、耐熱性をさほど要求されない場合、例えば、200℃以下の耐熱温度で良い場合、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料、260℃以下の耐熱温度を要求される場合、耐熱性フッ素ゴム、フッ素樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などの有機材料を使用でき、それ以上の温度では膨張黒鉛、ガラスファイバー、ロックウール、セラミックファイバー、アルミナシリカファイバー、アルミナファイバー、炭酸カルシウムファイバー、セピオライト、アタパルジャイト、ワラストナイト及びクレイ(粘土)など非アスベスト系無機材料を使用するのが好ましい。また、500℃を越える耐熱温度を要求される場合には、ロックウール、セラミックファイバー、アルミナシリカファイバーやアルミナファイバーなどの非アスベスト系高耐熱性無機材料を使用するのが好ましく、特に、600℃を越える耐熱温度を要求される場合、高耐熱性無機長繊維に高耐熱性無機短繊維を添加すると共に、無機微粉末を添加し、これらをバインダで結合させてシート状に成形してなる非アスベスト系無機繊維シートを用いたものを使用するのが好ましい。なお、芯材としては、市販の膨張黒鉛シートやジョイントシートを使用することも可能である。
前記耐熱性無機長繊維の代表的なものとしては、例えば、ロックウール(生体内溶解性ロックウールを含む。)、アルミナシリカ繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭素繊維などが挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて使用でき、市販品では、例えば、ニチアス株式会社製ファインフレック(登録商標)バルクファイバー(例えば、TOMBO(登録商標)No. 5100/5200-Z)、同社製のルビール(登録商標)、電気化学工業株式会社製デンカアルセン(商品名)、イソライト工業株式会社製のイソウール(登録商標)1400、同1500、同1600、株式会社ニチビ製アルミナ繊維ニチビアルフ(登録商標)などが挙げられる。
前記無機繊維は、その繊維長が長いほど無機繊維シートの製造過程での取扱い性やシート強度を向上させ得るが、平均繊維長が1mm以上あれば十分であり、通常、平均繊維長が2mm〜40mmで、繊維径の小さいもの、例えば、繊維径が0.2〜12μm、好ましくは、0.2〜7μmのものを使用するのが好ましい。また、前記無機長繊維は、非晶質でも結晶質でも任意のものを使用できる。
また、前記無機短繊維は、芯材のコスト低減化を図ると同時に、製品の均一性を保証し、無機繊維シートを所定形状に打ち抜く際のトムソン刃の損耗を防止するために添加されるが、この場合、無機短繊維は、その添加量を5〜35%、好ましくは10〜20%に設定するのが好ましい。これば、その添加量が5%未満では十分な効果が得られず、35%を越えると製造過程での困難性を増し、取扱い性やシート強度の低下をもたらすからである。
前記無機短繊維は、単独使用でも無機長繊維との併用の場合でも、前記無機長繊維と同じ材料、例えば、アルミナシリカ短繊維、アルミナ短繊維、ボロン繊維、炭素繊維等の短繊維を単独で又は組み合わせて使用すれば良いが、経済的な観点からは、粘土鉱物(マグネシウムケイ酸塩鉱石)の微細繊維、例えば、セピオライト(含水マグネシウムシリケート)等の無機短繊維を用いるのが好ましい。前記無機短繊維としては、市販品では、林化成株式会社のミルコンLS(商品名)、同SS、同E、同LS−2、同SS−2及び同MS−2などの他、ニチアス株式会社製ファインフレックス(登録商標)、ルビール(登録商標)、電気化学工業株式会社製デンカアルセン(商品名)、イソライト工業株式会社製のイソウール(登録商標)1400、同1500、同1600などが挙げられる。なお、無機繊維は、平均繊維長が30μm以下のものを短繊維とするのが一般的であるが、平均繊維長が1mm未満のものも短繊維として使用しても良い。又、セピオライトは、通常、0.1〜0.3%のトレモライト石綿を含有するため、アタパルジャイト、ワラストナイト、炭酸カルシウム短繊維などを使用するのが好ましい。
さらに、前記無機繊維組成物に無機微粉末を添加し、その微粉末の弾力性を利用して無機繊維シートの密度を均一化すると共に、無機長繊維に加わる荷重を分散させて高温でのシール性を均質化することができるようにしても良い。この場合、無機微粉末は、その添加量を10〜60%、好ましくは20〜50%とするのが好ましい。これは、無機微粉末の添加量が10%未満では十分な効果が期待できず、60%を越えると、シート強度の低下をもたらすからである。
前記無機微粉末は、前記無機長繊維や無機短繊維間の間隙を埋めて無機長繊維に加わる荷重を分散させることにより無機長繊維が折れたり砕けたりするのを防止する目的で添加されるもので、無機長繊維及び無機短繊維の最高使用温度以上の融点を有し、それらの無機長繊維径とほぼ同じか又はそれよりも小さい平均粒径を有するもの、具体的には、融点が1300℃以上で、平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは、0.2〜6μmであるものを使用すればよい。
前記無機微粉末としては、例えば、粘土、タルク等の岩石微粉末、アルミナ、酸化チタン、シリカ、ムライト、コージェライト、フェライト、酸化マグネシウム等の酸化物微粉末;窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素などの窒化物微粉末;炭化珪素、炭化チタン、炭化タングステンなどの炭化物微粉末などが挙げられ、市販品では、林化成株式会社のミセルトン(商品名)、ミクロンホワイト(商品名)5000S、同5000P、同5000SD、同5000A、同5000B、昭和鉱業株式会社製ミルコンMS(商品名)、京セラ株式会社製窒化珪素SN281(商品名)などの微粉タルク、林化成株式会社製ミルコン(商品名)LS、同SS、信越化学工業株式会社製窒化珪素KSN−10SU、同KSN−10SP、同KSN−10M−TX、同KSN−10L、昭和電工株式会社製窒化硼素粉末ショウビーエヌ(登録商標)UHP、ルービーエヌ(登録商標)LBN、住友化学工業株式会社製高純度アルミナAKP−20、AKP−30、AKP−50、同社製活性アルミナKHA−46、同KHA−24、同KHO−46、同KHO−24、同KHD−46、同KHD−24、同NKHD−46、同NKHD−24など、秩父小野田株式会社製窒化珪素粉末HM−5、同HM−5MF、電気化学工業株式会社製ボロンナイトライド粉末GP、同SP−1、同SP−2、電気化学工業株式会社製ボロンカーバイド(商品名:デンカボロン粉)、同社製窒化珪素、株式会社トクヤマ製窒化アルミニウム粉末などが挙げられる。なお、タルクは0.5%程度以下の石綿類を含む場合があるため注意が必要である。
前記芯材は、通常、前記無機長繊維及び無機短繊維からなる無機繊維成分に無機微粉末15〜60%及びバインダ5%以下を添加してシート状に成形され、これを積層することにより形成される。要すれば、有機繊維を2〜10%添加しても良い。前記有機繊維としては、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維、アラミド繊維、ポリアミド系合成繊維、アクリル繊維その他の人造繊維、パルプ、マニラ麻その他の天然繊維を使用できる。
また、前記バインダとしては、有機バインダ及び無機バインダのいずれを使用しても良く、有機バインダには澱粉糊を代表とする天然系バインダ及び合成バインダが含まれる。前記無機系バインダとしては、アルミナやシリカを主成分とする耐熱性無機接着剤の他、シラン化合物系無機バインダや繊維状のセピオライトなどを使用でき、市販品では、住友化学工業株式会社製水硬アルミナBK−112、同BK−103、ティーエーケミカル株式会社製ベタック#1300、同#1550B、昭和鉱業株式会社ミルコンSP、同LS、朝日化学工業株式会社製スミセラムSなどが挙げられる。
前記メタルジャケットの材料としては、従来のメタルジャケットに採用されている公知材料、例えば、冷間圧延鋼板(SPCC)やステンレス鋼板(例えば、SUS304、SUS304L、SUS316など)を使用すれば良いが、400℃以上の耐熱性や耐食性を要求される場合には、耐熱耐食性ステンレス鋼やニッケル基耐熱合金を使用するのが好ましい。前記耐熱耐食性ステンレス鋼としては、例えば、高クロム高ニッケル低カーボンステンレス鋼があり、市販品では、SUS310、SUS309S、SUS321、SUS347、インコロイ(登録商標)800などなどが挙げられる。また、ニッケル基耐熱合金としては、Cr15〜30%、Ni10〜80%、C0.4%以下、Mo10%以下を含んでなるニッケル基耐熱合金が含まれ、市販品では、インコネル(登録商標)600、同601、同625、同718などが挙げられる。これらのメタルジャケット材料は0.1〜1.0mm厚のシートを使用すれば良い。
更に、前記メタルジャケット型ガスケット本体は、その形態が必ずしも全被覆形である必要はなく、二重被覆形、片側被覆形(フレンチ形)或いは丸形(リングジョイント形)であっても良く、これらはいずれも未使用時に後述のメタルリングよりも若干厚い肉厚を有し、締め付けることにより内外両メタルリングの厚さに圧縮される。
なお、耐熱性を要求されない場合、必ずしもメタルジャケットは必要ではなく、例えば、耐熱温度が260℃以下で良い場合、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂を主体とするシート若しくは当該シートを中芯材として樹脂で被覆したシート、膨張黒鉛シート又はジョイントシートなどのシートを円板状に加工した狭幅のリング状ガスケット又は当該ガスケットを芯材(中芯クッション材)とし、これを前記ゴム又は樹脂材料で包んだリング状ゴム又はレジンジャケット型ガスケットをガスケット本体として使用しても良い。前記レジンジャケットの材料としては、耐使用温度範囲が広く、耐薬品性、非粘着性、耐候性、難燃性等などに優れた樹脂を使用すれば良いが、代表的なものとしては、全芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。特に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、-180℃から+260℃までの広い温度範囲で使用でき、耐薬品性、非粘着性、耐候性、難燃性等の優れた特性を有するので好適である。また、前記ジョイントシートとは、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)などの耐熱性有機繊維及び無機繊維にグラファイトその他の充填材とゴム材料を配合して混和し、加圧圧延したものをいうが、市販のものを使用しても良い。
前記ガスケット本体の外周に嵌着される外側メタルリングは、その内径を前記ガスケット仕上げ前外径と同一に、その外径はガスケットが適用されるパイプフランジの外径、又はその平面座部分の外径と同じに設定するのが好ましいが、強度を考慮して設定される。また、外側メタルリングの板厚は、ガスケット圧に必要な面圧により圧縮されたガスケットの厚さに設定される。更に、前記外側メタルリングは、フランジのボルト穴に対応してボルト穴を有していても良い。
前記ガスケット本体の内周に嵌着される内側メタルリングは、通常、ドーナツ形で、その内径はガスケットが適用される配管系のパイプ及びフランジの内径と同じかそれより若干大きな寸法に設定され、その外径は前記ガスケット仕上げ前内径と略同寸法に設定される。
前記外側メタルリング及び内側メタルリングは、前記メタルジャケットと同じ材料、例えば、冷間圧延鋼板(SPCC)や汎用ステンレス鋼板(SUS304、SUS304L、SUS316など)で形成すれば良いが、両リングにガスケットの過荷重防止や位置決め機能を求める場合には、ステンレス鋼板(SUS)や冷間圧延鋼板(SPCC)に防錆メッキした材料を使用するのが好ましい。また、前記外側メタルリング及び内側メタルリングに前記防錆メッキした材料以外に、シール性を一段と増大させるために二次シール、三次シールを必要とする場合、SUS、SPCC、Cu、Al、Zn、Ni、Sn、Si、Tiの金属板又はそれらの合金板を併用するのが好ましい。さらに、耐熱性や耐食性を補強する場合、Fe、Cr、Ni,Ti、Nb、Si、C、Mo、W、Co等の金属又は合金板を使用するのが好ましい。
前記メタルリングは、腐食を防止すると共に、シール性を向上させるため、金属メッキ又はフッ素樹脂、フッ素ゴム及びシリコン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の材料をコーティングして被膜を形成する表面処理を施すのが好ましい。
低温度、例えば、250℃以下での早急なシール性を必要とする場合、0.2mm以下の薄い有機物ペーパー、ビニール、フッ素樹脂ペーパー、シリコンペーパー等のシールテープ、液体パッキン等を前記外側メタルリング及び/又は内側メタルリングの両面に貼着又は塗布するのが好ましい。又、使用温度が400℃以下である場合、カーボンペーパー、アルミ箔、セラミックペーパー等を内側メタルリングの両面に貼着するのが好ましい。
本発明に係るガスケットは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、無機材料からなる無機繊維シートを製造する際、その製造過程での強度を高め取扱い性を向上させるため、高耐熱性無機長繊維10〜40%及び高耐熱性無機短繊維5〜40%に無機微粉末15〜60%を加え、これに有機繊維2〜20%及び/又は有機及び無機バインダ10%以下を配合し、これらを水に分散させた後、抄紙機で抄いてシート状となし、これを乾燥させ、さらにリング状裁断して芯材用生シートを用意する。
他方、メタルジャケット用金属シートを金型、トムソン金型、円形カッター、レーザー、電子ビームその他の手段でリング状にカットし、これを金型や簡易金型等でプレス加工して断面U字又はコ字形状のリング状ジャケット本体部材と断面I字形状のリング状ジャケット蓋部材とを形成した後、前記生シートをジャケット本体部材の凹所内に配置し、その上にジャケット蓋部材を載せ、前記ジャケット本体部材の内縁、外縁をかしめ、メタルジャケット型ガスケット本体を得る。
又、これとは別に、ガスケット締め付け時の厚さに等しい肉厚の金属シートをリング状に加工して外側メタルリング及び/又は内側メタルリングを作成する。次いで、ガスケット本体の内側に内側メタルリングを嵌め込む一方、外側メタルリングの内側にメタルジャケット型ガスケット本体をはめ込み平押しして一体化する。
前記ガスケット本体は、通常、加熱処理することなくそのまま使用され、使用時の加熱によりガスケット本体の内部材料である有機材料のうち澱粉糊や天然繊維は300℃位で徐々に焼失していくが、PBO繊維、ケプラ繊維その他の耐熱性合成繊維は、500〜600℃の使用環境下では、1〜2年で劣化して強度は著しく低下するものの焼失せずに残留する。他方、メタルジャケット型ガスケットでは、漏れは界面漏れのみであるが、フランジ面粗さとガスケット接触面の硬度により大きく左右される。従って、メタルジャケット型ガスケットは、ジャケットの使用金属に合わせて焼鈍温度を決定する必要があり、例えば、ジャケットが銅製である場合、180℃以上で軟化が始まるが、工業的には400から600℃が焼鈍温度となる。しかし、本発明に係るガスケットでは、焼鈍温度は、フランジ面粗さが上仕上げ(仕上げ記号の▽▽▽(3山))の場合、180℃程度で十分であるが、フランジ面粗さが中仕上げ(仕上げ記号の▽▽(2山))や仕上げ記号の▽(1山))程度の場合、500℃位が好ましい。この場合、焼鈍の雰囲気は、水素を含まない還元性雰囲気が必要で、窒素、アルゴン等のガス雰囲気中又は真空中で行う。また、焼鈍により銅は軟銅に変化するため、プレス加工ができなくなることから、ガスケット本体に内側メタルリング、外側メタルリングと一体化した後に行う。ジャケットの材料が鉄やアルミニウムの場合も同様であるが、後者の場合、焼鈍を200〜500℃で行うのが好ましい。さらに、ステンレス鋼の場合、通常、1000〜1200℃に加熱してから水に入れて冷却する水鈍、又は窒素で急速冷却する急冷法で行われるが、本発明ではガスケットの硬度を軟らかくすることと内部の不均一な歪みを除去することを目的としているため、600℃程度に加熱してから急冷すれば十分である。
また、外リング6にボルト穴6aを有するガスケットを製造する場合、前記ガスケットを金型やトムソン型等で打ち抜いてボルト穴を穿設し、その後、前記熱処理及び仕上げプレスを行えば良い。また、必要であれば、ガスケットを熱処理した後、ボルト穴にグロメットを嵌める様にしても良い。なお、ガスケットに一定圧力をかけ、その状態で所定時間、例えば、10時間以上放置するとシール性を向上させることができる。一般的に、メタルジャケット型ガスケットは、浸透漏れが無く、界面漏れだけであるので、フランジ面の粗さにガスケット面がなじむ時間が必要であるが、高温、振動、締付圧力及び締付時間により想像以上になじむことが明らかになり、メタルジャケットがCuの場合、10−7Pa・m/secの気体の漏れない状態も達成されている。
本発明によれば、(イ)メタルジャケット型構造とメタルリング構造を組み合わせにより、メタルジャケット型ガスケットの特徴である優れた耐熱性、耐久性及びシール性を活かすと同時に、メタルジャケット型ガスケットを小幅にすることに起因する問題、即ち、フランジローディング漏れ、ガスケットの位置決めの困難さ、ガスケットの破壊、ボルト締めや締付圧の過不足などの問題を解決することができる。具体的には、リング状メタルジャケット型ガスケット本体をパイプフランジの幅に比べて小幅に形成できるので、パイプフランジとの接触面積を小さくして低い締付圧力で十分なシールを確保でき、従って、締付圧力を高くできない老朽設備にも対応できる、(ロ)ガスケット本体がメタルジャケット型構造を有するため振動に強く、フランジローディングによる漏れの発生を低減できる、(ハ)ガスケット本体が小幅であってもガスケット本体がその外周及び内周の少なくとも一方に位置するメタルリングで強度を補償されるため、配管系の高いガス内圧によっても破壊されることがない、(ニ)また、パイプフランジの中心との芯出しが容易となり、位置ずれに起因するガスケット本体の熱破壊を防止できる、(ホ)ガスケット本体の厚さがメタルリングにより保証されるため、締めすぎを防止でき、締め付け時にガスケット本体が破壊されることが無い、(ヘ)ガスケット本体がメタルジャケット型構造を有し、しかも、小幅であるため、早期に所定のシール効果が得られ、従って、早急に試験を完了させて操業を開始できる、さらに(ト)ガスケット本体が狭幅化したメタルジャケット型構造であるため、ガスケットが大型化すると、ガスケット本体の接触面積が小さくなり、ガスケット本体単独では耐圧性が全面接触形メタルジャケットガスケットに比べて低くても、例えば、ガスケット本体単体の使用圧力が10MPa程度であっても、ガスケット本体に内外メタルリングが嵌着することによりガスケット全体として50MPa以上の耐圧性を示し、高使用圧力下でのシール性をも向上させる、など優れた効果が得られる。
本発明に係るメタルリング・メタルジャケット複合ガスケットの斜視図である。 図1のA−A線に於ける断面図である。 本発明に係る他の実施例を示す図2と類似の断面図である。 本発明に係る他の実施例を示す図2と類似の断面図である。
本発明に係るメタルリング・メタルジャケット複合ガスケット1は、図1に示すように、メタルジャケット型ガスケット本体2と、当該ガスケット本体2の外周部に嵌着された外リング6と、ガスケット本体2の内周部に嵌入された内リング7とから構成されている。メタルジャケット型ガスケット本体2は、断面U字状ジャケット本体部材3、断面I字状ジャケット蓋部材4及び無機繊維シート5で構成され、その幅は複合ガスケット1を適用するパイプフランジの幅の1/8に、また、その厚さは外リング6及び内リング7の厚さより若干厚く構成されている。
外リング6及び内リング7は、ステンレス鋼SUS304で加工され、外リング6はその外径をパイプフランジの外径と同寸法に、又、その内径はガスケット本体2を嵌入し得るようにガスケット本体2の外径より若干小径に形成されている。なお、外リング6は、図1に示すようにパイプフランジのボルト穴に対応する位置にボルト穴6aが形成されている。また、内リング7はその外径をガスケット本体2の内側に嵌入できるようにガスケット本体2の内径より若干大径に形成され、その内径はパイプフランジの内径(パイプ径)と同寸法若しくは若干大径に形成されている。
前記メタルリング・メタルジャケット複合ガスケット1は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、市販の膨張黒鉛シート(厚さ3mm)をリング状(r1×r2)に裁断して芯材5を用意する。
他方、0.2〜0.3mm厚さのステンレス鋼(SUS304)製シートを裁断して、直径r1、内径r2のリング状ジャケット蓋部材4と、直径r1+10mm、内径r2−10mmのリング状ジャケット本体部材3を用意し、当該リング状ジャケット本体部材3をプレス加工して断面U字又はコ字形状に形成する。
次いで、前記ジャケット本体部材3の凹所内に前記芯材5を配置し、その上にジャケット蓋部材4を載せた後、前記ジャケット本体部材3の内縁、外縁をかしめ、2.5−3.3mm厚のメタルジャケット型ガスケット本体2を得る。
これとは別に、肉厚2〜2.5mmのステンレス鋼板(SUS304)をリング状に裁断し、フランジのボルト穴に対応する位置にボルト穴6aを有する外側メタルリング6と内側メタルリング7を形成する。次いで、前記外側メタルリング6にメタルジャケット型ガスケット本体2を嵌め込み、ガスケット本体2の内側に内側メタルリング7を嵌め込んだ後、平押しして一体化することにより、図1に示すメタルリング・メタルジャケット複合ガスケット1が得られる。なお、本実施例では、内側メタルリング7の外径及び外側メタルリング6の内径の断面は直線状に形成されているが、必要に応じて図3及び図4に示すように、これらの外面又は内面に沿って円周方向に断面半円状、半楕円形状、台形状、三角形状又は矩形の溝又は凹所を設け、ガスケット本体に嵌合し易くしても良い。
また、高耐熱性が要求される場合、例えば、メタルリング用材料として耐熱耐食性ステンレス鋼SUS310を用い、芯材として無機長繊維及び無機短繊維からなる無機繊維成分に無機微粉末及びバインダを添加してシート状に成形し、これを積層して乾燥した無機繊維ボードを用いて前記方法で製造すればよい。この場合、前記無機繊維ボードは次のようにして製造することができる。例えば、まず、無機長繊維としてイソライト工業株式会社製のイソウール(登録商標)1400を、無機短繊維として林化成株式会社製ミルコンSL(繊維長:50μ、繊維径:0.2μ)を、無機微粉末としてタルクを用意し、これらを有機繊維(パルプ)及びバインダ(澱粉糊)と共に表1に示す重量百分率で配合し、これを水に分散させて抄造液を得る。前記抄造液を抄造機で抄紙して2.4〜2.6mm厚のシートを作成し、このシートをトムソン型で所定形状に型抜きし、無機繊維生シートを得る。
Figure 2012180938
前記無機繊維生シートを、耐熱耐食性ステンレス鋼で予め形成した断面コ字状メタルジャケット本体部材2内に配置した後、その上に同材料で形成した断面I字状メタルジャケット蓋部材3を配置し、断面コ字状メタルジャケット本体部材2の内縁2a、外縁2bをかしめて一体化してメタルジャケット型生ガスケットを得る。次いで、これに同種の2〜2.5mm厚の耐熱耐食性ステンレス鋼板で形成した内外両メタルリングを嵌着した後、仕上げプレスによりガスケット厚を2.5−3.3mmに調整すれば、メタルリング・メタルジャケット複合ガスケット1を得ることができる。この複合ガスケットは、900℃以上の温度でも使用できる。内部の有機物は、使用開始時或いは予め加熱により分解され、クッション性が向上する。
1: メタルリング・メタルジャケット複合ガスケット
2: メタルジャケット型ガスケット本体
3: メタルジャケット本体部材
4: メタルジャケット蓋部材
5: 芯材
6: 外側リング
6a: ボルト穴
7: 内側リング

Claims (5)

  1. 非アスベスト材料を主成分とする芯材をメタルジャケットで包み込んでなる狭幅のリング状メタルジャケット型ガスケット本体と、
    冷間圧延鋼板、ステンレス鋼板、防錆メッキした冷間圧延鋼板、防錆メッキしたステンレス鋼板、Cu、Al、Zn、Ni、Sn、Si、Ti、Fe、Cr、Nb、C、Mo、W、Coから選択される1種の金属からなる金属板もしくはそれらの合金板からなる、当該ガスケット本体の外周及び内周の少なくとも一方に嵌着されたメタルリングと
    からなる、複合ガスケット。
  2. 非アスベスト材料を主成分とする芯材をメタルジャケットで包み込んでなる狭幅のリング状メタルジャケット型ガスケット本体と、
    当該ガスケット本体の外周及び内周の少なくとも一方に嵌着されたメタルリングと
    からなり、
    非アスベスト材料が、無機繊維と無機微粉末とを含む
    複合ガスケット。
  3. 前記ガスケット本体の外周及び内周の少なくとも一方に嵌着されたメタルリングが、冷間圧延鋼板、ステンレス鋼板、防錆メッキした冷間圧延鋼板、防錆メッキしたステンレス鋼板、Cu、Al、Zn、Ni、Sn、Si、Ti、Fe、Cr、Nb、C、Mo、W、Coから選択される1種の金属からなる金属板もしくはそれらの合金板からなる請求項2に記載の複合ガスケット。
  4. 前記メタルリングが金属メッキ又はフッ素樹脂、フッ素ゴム及びシリコン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の材料からなる被膜を有する請求項1〜3のいずれか一に記載の複合ガスケット。
  5. 前記ガスケット本体の内周及び外周にそれぞれ前記メタルリングを嵌着された全面接触型ガスケットである請求項1〜4のいずれか一に記載の複合ガスケット。
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