JP2012182902A - モータ組立治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータを正確に位置決めしてロータとステータとの同軸度を高めることができるモータ組立治具を提供する。
【解決手段】治具本体20と、この治具本体20の一端に設けられ、モータケースに形成されたロータ用のラジアル軸受け収容穴に第1スライド部材43を介して拡径可能に嵌合する第1コレット22と、前記治具本体20の他端に支持され、前記第1コレット22と同軸位置であって、前記モータケースに取り付けられるステータの内周壁に第2スライド部材52を介して拡径可能に嵌合する筒状の第2コレット62とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】治具本体20と、この治具本体20の一端に設けられ、モータケースに形成されたロータ用のラジアル軸受け収容穴に第1スライド部材43を介して拡径可能に嵌合する第1コレット22と、前記治具本体20の他端に支持され、前記第1コレット22と同軸位置であって、前記モータケースに取り付けられるステータの内周壁に第2スライド部材52を介して拡径可能に嵌合する筒状の第2コレット62とを備えた。
【選択図】図1
Description
この発明は、モータ組立治具に関する。
モータのステータとロータは各々が確実に芯出しされている必要があるので、インナロータ型のモータを組み立てる場合には、モータケースに対してステータをノックピンを用いたり、ステータの外径部をモータケースに内側に嵌め込むことで行われている。また、組立設備側に設けたコレットチャックを用いてステータをモータケースに対して位置決めして組み付ける技術も提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、例えば、特許文献1に記載された従来技術においては、芯出し装置にコレットを備えているため、芯出し装置のコレットには装置の各構成部品の公差が積算された誤差として存在しており、この公差の積み上げ分が電動機の回転子と回転軸との位置精度のバラツキとなる。そのため、回転子と回転軸のクリアランスを設定するために、クリアランスを位置精度のバラツキ分を見込んで広げる必要があり、電動機の効率の悪化に繋がる。
そこで、この発明は、モータの組立に際してステータを正確に位置決めしてロータとステータとの同軸度を高めることにより、ロータとステータとのクリアランスを最小限にすることができるモータ組立治具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、治具本体(例えば、実施形態における治具本体20)と、この治具本体の一端に設けられ、モータケース(例えば、実施形態におけるモータケース3)に形成されたロータ(例えば、実施形態におけるロータ5)用のラジアル軸受け収容穴(例えば、実施形態におけるラジアル軸受け収容穴9)に第1スライド部材(例えば、実施形態における第1スライド部材43)を介して拡径可能に嵌合する第1コレット(例えば、実施形態における第1コレット22)と、前記治具本体の他端に支持され、前記第1コレットと同軸位置であって、前記モータケースに取り付けられるステータ(例えば、実施形態におけるステータ4)の内周壁に第2スライド部材(例えば、実施形態における第2スライド部材52)を介して拡径可能に嵌合する筒状の第2コレット(例えば、実施形態における第2コレット62)とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記治具本体は、前記第1コレットの前記ラジアル軸受け収容穴への挿入代を規制する位置決め部(例えば、実施形態におけるフランジ部27)を備え、前記位置決め部は、前記モータケースの前記ラジアル軸受け収容穴の周囲に設けられた水平部(例えば、実施形態における水平部14)に当接可能に構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記治具本体の他端に治具本体筒状部(例えば、実施形態における治具本体筒状部32)が形成され、前記第2スライド部材に筒状部(例えば、実施形態における第2スライド部材周壁54)が形成され、前記第2コレットは、前記治具本体の前記治具本体筒状部と前記第2スライド部材の前記筒状部の双方を外側から覆うように装着され、前記第2スライド部材及び前記治具本体筒状部が前記第2コレットの内部に向かって前記第2コレットの軸方向に移動することで拡径可能に構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記第2スライド部材は有底筒状の部材であって底部(例えば、実施形態における第2スライド部材底壁55)を備え、前記治具本体筒状部は底壁(例えば、実施形態における治具本体筒状部底壁35)を備え、前記第2スライド部材の底部と前記治具本体筒状部の底壁との間に前記第2コレットの拡径状態を解除する方向に前記第2スライド部材を付勢する弾性部材(例えば、実施形態におけるコイルスプリング67)が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記第2スライド部材は有底筒状の部材であって底部を備え、前記治具本体筒状部は底壁を備え、前記第2コレット(例えば、実施形態における第2コレット62’)には内周壁を閉塞する位置に環状のベースプレート(例えば、実施形態におけるベースプレート70)が設けられ、前記第2スライド部材の底部と前記治具本体筒状部の底壁との間に前記ベースプレートを貫通して前記第2コレットの拡径状態を解除する方向に前記第2スライド部材を付勢する弾性部材(例えば、実施形態におけるインナコイルスプリング73)が設けられ、前記ベースプレートと前記治具本体筒状部の底壁との間に前記第2コレットの拡径状態を解除する方向に前記第2コレットを付勢する他の弾性部材(例えば、実施形態におけるアウタコイルスプリング74)が設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記治具本体の内部にネジ部(例えば、実施形態におけるネジ41、軸ネジ42)を介して軸方向で位置固定可能なスライド軸(例えば、実施形態におけるスライド軸40)が挿入され、このスライド軸の一端に前記第1コレットを拡径可能にする第1スライド部材が固定され、前記スライド軸の他端が、前記第2スライド部材の底部を貫通して設けられ、前記治具本体筒状部の前記底壁に調整ボルト(例えば、実施形態における調整ボルト37)が挿入され、この調整ボルトが前記治具本体の他端側に螺合され、前記調整ボルトによって前記治具本体に対する前記第2スライド部材の位置を前記第2コレットの軸方向で調整可能としていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、治具本体の一端側の第1コレットをモータケースのロータ用のラジアル軸受け収容穴に対して挿入し第1スライド部材によって拡径してロータの軸との芯出しを行い、その状態で第1コレットと同軸位置にある第2コレットの外側にモータのステータの内周壁を差し込んで第2スライド部材で第2コレットを拡径してモータのステータをモータケースに固定し、その後、モータケースに固定したステータの内部にロータを挿入してロータをモータケースに支持することができる。
よって、モータの組立に際してステータを正確に位置決めしてロータとステータとの同軸度を高めることにより、ロータとステータとのクリアランスを最小限にすることができる。
請求項2に記載した発明によれば、第1コレットによりラジアル軸受け収容穴に対する径方向の位置出しを行う際に、位置決め部をモータケースの水平部に当接することで、治具本体を軸方向で位置決めした状態で治具本体の径方向の位置出しを、より精度良く行うことができる。
請求項3に記載した発明によれば、第2コレットを第2スライド部材と治具本体の治具本体筒状部の双方によって拡径することができるため、ステータの軸方向に沿う範囲でステータをモータケースに対して正確に芯出して位置決めできる。
請求項4に記載した発明によれば、第1コレットと第2コレットとによってステータをモータケースに対して位置決めして固定した後に、第2スライド部材を弾性部材によって強制的に移動することによって、第2コレットの拡径状態を確実に解除して容易に取り外することができる。
請求項5に記載した発明によれば、第1コレットと第2コレットとによってステータをモータケースに対して位置決めして固定した後に、第2スライド部材を弾性部材によって強制的に移動し、かつ治具本体の治具本体筒状部に対して第2コレットを他の弾性部材によって強制的に移動することにより、第2コレットの拡径状態を確実に解除することができる。
請求項6に記載した発明によれば、スライド軸を他端から回動させることにより、第1スライド部材を移動させて第1コレットを拡径状態とすることができ、治具本体の他端側にある調整ボルトを回動させることにより、第2スライド部材を移動させ、第2スライド部材及び治具本体の治具本体筒状部を介して第2コレットを拡径状態にすることができるため、スライド軸と調整ボルトを双方とも治具本体の他端側で操作でき、第1コレット及び第2コレットを拡径状態にする作業が行い易い。
よって、モータの組立に際してステータを正確に位置決めしてロータとステータとの同軸度を高めることにより、ロータとステータとのクリアランスを最小限にすることができる。
請求項2に記載した発明によれば、第1コレットによりラジアル軸受け収容穴に対する径方向の位置出しを行う際に、位置決め部をモータケースの水平部に当接することで、治具本体を軸方向で位置決めした状態で治具本体の径方向の位置出しを、より精度良く行うことができる。
請求項3に記載した発明によれば、第2コレットを第2スライド部材と治具本体の治具本体筒状部の双方によって拡径することができるため、ステータの軸方向に沿う範囲でステータをモータケースに対して正確に芯出して位置決めできる。
請求項4に記載した発明によれば、第1コレットと第2コレットとによってステータをモータケースに対して位置決めして固定した後に、第2スライド部材を弾性部材によって強制的に移動することによって、第2コレットの拡径状態を確実に解除して容易に取り外することができる。
請求項5に記載した発明によれば、第1コレットと第2コレットとによってステータをモータケースに対して位置決めして固定した後に、第2スライド部材を弾性部材によって強制的に移動し、かつ治具本体の治具本体筒状部に対して第2コレットを他の弾性部材によって強制的に移動することにより、第2コレットの拡径状態を確実に解除することができる。
請求項6に記載した発明によれば、スライド軸を他端から回動させることにより、第1スライド部材を移動させて第1コレットを拡径状態とすることができ、治具本体の他端側にある調整ボルトを回動させることにより、第2スライド部材を移動させ、第2スライド部材及び治具本体の治具本体筒状部を介して第2コレットを拡径状態にすることができるため、スライド軸と調整ボルトを双方とも治具本体の他端側で操作でき、第1コレット及び第2コレットを拡径状態にする作業が行い易い。
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1、図2に示すモータ組立治具1は図3に示すモータ2のモータケース3に、ロータ5に先だってステータ4を取り付ける際に、ステータ4をモータケース3に対して位置決めするための治具である。
図1、図2に示すモータ組立治具1は図3に示すモータ2のモータケース3に、ロータ5に先だってステータ4を取り付ける際に、ステータ4をモータケース3に対して位置決めするための治具である。
図3はディファレンシャル一体型のハイブリッド車両後輪駆動用のモータ2であって、図示しないカバーを外した状態を示している。図3においてモータケース3にはディファレンシャルギヤ6と減速ギヤ7が収容されている。モータ2は、ステータ4の内側にロータ5が配置されたインナロータ型のモータである。
ロータ5のシャフト8は、基端がモータケース3のラジアル軸受け収容穴9に装着されたラジアル軸受け10に圧入され、このシャフト8の周囲にロータヨーク11が装着されている。ステータ4はモータケース3のカバーが取り付けられるカバー取付座12に締結ボルト13によって固定され、ロータヨーク11の外周面との間にクリアランスをもって取り付けられている。カバー取付座12には、締結ボルト13の雌ネジ穴15と、カバーを取り付けるボルトのカバー雌ネジ穴16が形成されている。
ロータ5のシャフト8は、基端がモータケース3のラジアル軸受け収容穴9に装着されたラジアル軸受け10に圧入され、このシャフト8の周囲にロータヨーク11が装着されている。ステータ4はモータケース3のカバーが取り付けられるカバー取付座12に締結ボルト13によって固定され、ロータヨーク11の外周面との間にクリアランスをもって取り付けられている。カバー取付座12には、締結ボルト13の雌ネジ穴15と、カバーを取り付けるボルトのカバー雌ネジ穴16が形成されている。
ロータ5のシャフト8の基端側にはギヤ17が形成され、このギヤ17が、減速ギヤ7と噛合している。ここで、ラジアル軸受け収容穴9の周囲には、ラジアル軸受け収容穴9よりもカバー取付座12に近い位置に、シャフト8の軸方向に向いた平坦な水平部14が形成され、ステータ4の底部が載置されている。
図1、図2に示すように、モータ組立治具1は治具本体20を備えている。治具本体20はモータ2のロータ5のシャフト8の軸方向に沿うように延びる軸部21を備えている。軸部21の一端には、モータケース3のラジアル軸受け収容穴9に拡径された状態で嵌合して芯出しされる第1コレット22が、開口部23を外側に向けて一体に形成されている。
第1コレット22は第1コレット周壁24と第1コレット底壁25を備えた有底筒状の部位であって、第1コレット周壁24の内周面は開口部23に向かうにつれて内径が大きくなるように傾斜角度3°〜5°の傾斜面K1で形成されている。第1コレット周壁24には、開口部23の端部側から第1コレット底壁25側に向かって複数の第1スリット26が設けられ、第1コレット周壁24の拡径動作を容易なものとしている。第1コレット22は軸部21と同軸位置に形成されている。尚、第1スリット26の端部は応力集中を避けるために弧状に形成されている。
第1コレット22は第1コレット周壁24と第1コレット底壁25を備えた有底筒状の部位であって、第1コレット周壁24の内周面は開口部23に向かうにつれて内径が大きくなるように傾斜角度3°〜5°の傾斜面K1で形成されている。第1コレット周壁24には、開口部23の端部側から第1コレット底壁25側に向かって複数の第1スリット26が設けられ、第1コレット周壁24の拡径動作を容易なものとしている。第1コレット22は軸部21と同軸位置に形成されている。尚、第1スリット26の端部は応力集中を避けるために弧状に形成されている。
治具本体20の軸部21の軸方向中央部に、第1コレット22をモータケース3のラジアル軸受け収容穴9へ挿入した場合に、第1コレット22の挿入代を規制するフランジ部27が設けられている。このフランジ部27の第1コレット22側の面が、モータケース3の水平部14に当接することにより、第1コレット22のラジアル軸受け収容穴9への挿入代が規制される。
治具本体20の軸部21の他端には、軸部21と同軸位置に治具本体筒状部32が、開口部33を外側に向けて一体に形成されている。治具本体筒状部32は治具本体筒状部周壁34と治具本体筒状部底壁35を備えた有底円筒状の部位であって、治具本体筒状部周壁34の外周面は開口部33に向かうにつれて外径が小さくなるように傾斜して形成されている。治具本体筒状部底壁35の中央部には、軸部21の延長上に治具本体筒状部周壁34と同様の位置まで延びるボス部36が設けられている。このボス部36の中央部には後述する調整ボルト37が締め付けられる雌ネジ穴38が形成されている。
治具本体20の軸部21には、第1コレット底壁25の中央部から軸部21のボス部36の雌ネジ穴38の底部を貫通するスライド軸孔39が形成されている。このスライド軸孔39に、一端が小径となって第1コレット底壁25から突出し、他端がボス部36から突出するスライド軸40が挿入されている。
スライド軸孔39には、第1コレット22の近傍にネジ41が形成され、スライド軸40には、ネジ41に噛合する軸ネジ42が形成されている。
したがって、スライド軸40を軸部21に対して回動させると、スライド軸40はスライド軸孔39の内部で軸方向にスライドすると同時に軸方向で位置固定可能となる。
スライド軸孔39には、第1コレット22の近傍にネジ41が形成され、スライド軸40には、ネジ41に噛合する軸ネジ42が形成されている。
したがって、スライド軸40を軸部21に対して回動させると、スライド軸40はスライド軸孔39の内部で軸方向にスライドすると同時に軸方向で位置固定可能となる。
スライド軸40の一端には、第1コレット22の第1コレット周壁24を拡径可能にする有底円筒状の第1スライド部材43が、軸部21と同軸位置であって、第1コレット22内に収容された状態で固定されている。第1スライド部材43の外周壁は、第1コレット22の第1コレット周壁24であって内周面の傾斜面K1に嵌合している。
よって、スライド軸40の回動により第1スライド部材43が第1コレット22の内部(治具本体20の他端側)に引き込まれると、第1スライド部材43の傾斜する外周壁が楔作用で第1コレット22の第1コレット周壁24が傾斜面K1を介して外側に押圧され第1スリット26が広がって、第1コレット22の第1コレット周壁24が拡径する。
スライド軸40の他端の端面には、スライド軸40を回転可能な工具を挿入する六角穴44が形成されている。
スライド軸40の他端の端面には、スライド軸40を回転可能な工具を挿入する六角穴44が形成されている。
スライド軸40の他端には、調整ボルト37によってスライド軸40の軸方向への移動が調整可能な第2スライド部材52が、軸部21と同軸位置に取り付けられている。調整ボルト37はスライド軸40を貫通させるガイド孔45を備え、調整ボルト37の頭部46からスライド軸40の他端が突出している。調整ボルト37をボス部36の雌ネジ穴38に締め付けることにより、第2スライド部材52が治具本体20の一端側に移動可能となっている。
第2スライド部材52は第2スライド部材周壁54と第2スライド部材底壁55を備えた有底円筒状の部材であって、開口部53を外側に向けて取り付けられている。第2スライド部材底壁55の外周縁は、治具本体筒状部32の開口部33の外周縁と同径に形成されている。第2スライド部材周壁54の外周面は、開口部53に向かうにつれて外径が大きくなるように傾斜して形成され、この第2スライド部材周壁54の外周面の傾斜角度は、治具本体筒状部32の外周面の傾斜角度と逆向きで同角度に設定されるのが好ましい。第2スライド部材底壁55の中央部は調整ボルト37によって貫通されている。
治具本体20の治具本体筒状部周壁34と第2スライド部材52の第2スライド部材周壁54の双方を外側から接して覆うように、筒状の第2コレット62が、第1コレット22と同軸位置に装着されている。第2コレット62は、第2スライド部材周壁54及び治具本体筒状部周壁34が、第2コレット62の内部に向かって第2コレット62の軸方向に移動することで拡径して、モータケース3に取り付けられるステータ4の内周壁に嵌合し、ステータ4を同軸位置に芯出しする。したがって、第2コレット62の外周面は、拡径した際にステータ4の内周壁に嵌合する一定の直径に形成されている。
具体的には、第2コレット62は両端に開口部63を備え、第2コレット周壁64には、各開口部63から互い違いに延びる複数の第2スリット66が形成されている。この第2スリット66により第2コレット周壁64の拡径動作を容易なものとしている。尚、第2スリット66の端部は応力集中を避けるために弧状に形成されている。
第2コレット周壁64の内周面は、軸方向の中央部の厚さが最も大きく、各開口部63に向かうほど内径が大きくなるように形成されている。つまり、治具本体筒状部周壁34の外周面に接する内周面には、治具本体筒状部周壁34の外周面に整合する傾斜面K2が形成され、第2スライド部材周壁54の外周面に接する内周面には、第2スライド部材周壁54の外周面に整合する傾斜面K3が形成され、拡径したときには勿論のこと拡径する以前であっても第2コレット62は抜け止めされている。尚、傾斜面K2,K3の傾斜角度も傾斜面K1の傾斜角度と同様に3°〜5°に設定されている。
第2コレット周壁64の内周面は、軸方向の中央部の厚さが最も大きく、各開口部63に向かうほど内径が大きくなるように形成されている。つまり、治具本体筒状部周壁34の外周面に接する内周面には、治具本体筒状部周壁34の外周面に整合する傾斜面K2が形成され、第2スライド部材周壁54の外周面に接する内周面には、第2スライド部材周壁54の外周面に整合する傾斜面K3が形成され、拡径したときには勿論のこと拡径する以前であっても第2コレット62は抜け止めされている。尚、傾斜面K2,K3の傾斜角度も傾斜面K1の傾斜角度と同様に3°〜5°に設定されている。
したがって、調整ボルト37をボス部36に締め付けると、第2スライド部材52と治具本体筒状部32が共に第2コレット62の内部に押し込まれ、第2コレット周壁64の内周面の傾斜面K2と傾斜面K3が、治具本体筒状部32の治具本体筒状部周壁34の傾斜する外周面と第2スライド部材52の第2スライド部材周壁54の傾斜する外周面に押圧され、第2スリット66が楔作用により広がって、第2コレット62の第2コレット周壁64は拡径する。
次に、作用について説明する。
モータ組立治具1を使用する場合には、六角穴44に工具を入れ、スライド軸40を治具本体20の一端側に押し出し、第1コレット22が拡径していない状態にする。また、調整ボルト37を緩めて第2スライド部材52と治具本体筒状部32を離す方向に移動させ、第2コレット62を拡径していない状態にする。
モータ組立治具1を使用する場合には、六角穴44に工具を入れ、スライド軸40を治具本体20の一端側に押し出し、第1コレット22が拡径していない状態にする。また、調整ボルト37を緩めて第2スライド部材52と治具本体筒状部32を離す方向に移動させ、第2コレット62を拡径していない状態にする。
次に、図4に示すように、第1コレット22をモータケース3のラジアル軸受け収容穴9に対して、治具本体20のフランジ部27がモータケース3の水平部14に当接するまで挿入する。この状態で、スライド軸40の六角穴44に工具を入れてスライド軸40を回動させ、第1スライド部材43を第1コレット22の奥側に引き込むと、第1コレット22の第1コレット周壁24の第1スリット26が開いて、第1コレット周壁24の外周面はラジアル軸受け収容穴9の内周面に芯出しされた状態で固定される。これによって、モータ組立治具1がモータケース3に芯出しされる。
次に、図5に示すように、モータケース3に取り付けられたモータ組立治具1の第2コレット62の外側にステータ4を装着し、ステータ4をカバー取付座12に載置する。
そして、調整ボルト37を締め込むと、第2スライド部材52及び治具本体筒状部32が第2コレット62の内部に押し込まれるため、第2スライド部材52の第2スライド部材周壁54及び治具本体筒状部32の治具本体筒状部周壁34の各傾斜面が第2コレット62を傾斜面K2、K3を介して押し開く。これにより第2スリット66が開き、第2コレット62の第2コレット周壁64が拡径して、ステータ4の内周面に当接する。ステータ4は、第1コレット22によって芯出しされた同軸位置に芯出しされる。この状態で、締結ボルト13を締め付けてステータ4をモータケース3のカバー取付座12に固定する。
そして、調整ボルト37を締め込むと、第2スライド部材52及び治具本体筒状部32が第2コレット62の内部に押し込まれるため、第2スライド部材52の第2スライド部材周壁54及び治具本体筒状部32の治具本体筒状部周壁34の各傾斜面が第2コレット62を傾斜面K2、K3を介して押し開く。これにより第2スリット66が開き、第2コレット62の第2コレット周壁64が拡径して、ステータ4の内周面に当接する。ステータ4は、第1コレット22によって芯出しされた同軸位置に芯出しされる。この状態で、締結ボルト13を締め付けてステータ4をモータケース3のカバー取付座12に固定する。
その後、調整ボルト37を緩め、スライド軸40の六角穴44に工具を入れてスライド軸40を回動させて、第1コレット22及び第2コレット62の拡径状態を解除して、モータ組立治具1をモータケース3から取り外す。そして、ラジアル軸受け10をラジアル軸受け収容穴9に圧入した後に、ロータ5をステータ4内に挿入してロータ5のシャフト8をラジアル軸受け10に圧入し、ロータ5を取り付け、ステータ4の周囲を覆うカバーをカバー取付座12に取り付け、モータ2の組立を終了する。
第1実施形態によれば、治具本体20の一端側の第1コレット22をモータケース3のロータ5用のラジアル軸受け収容穴9に対して挿入し第1スライド部材43によって拡径して、治具本体20の芯出しを行い、その状態で第1コレット22と同軸位置にある第2コレット62の外側に、モータ2のステータ4の内周壁を差し込んで、第2スライド部材52で第2コレット62を拡径して、モータ2のステータ4をモータケース3に固定し、その後、ステータ4の内部にロータ5を挿入してロータ5をモータケース3に支持することができる。したがって、モータ2の組立に際してステータ4を正確に位置決めしてロータ5とステータ4との同軸度を高めることにより、ロータ5とステータ4とのクリアランスを最小限にすることができる。
第1コレット22によりラジアル軸受け収容穴9に対する径方向の位置出しを行う際に、フランジ部27をモータケース3の水平部14に当接することで、治具本体20を軸方向で位置決めした状態で径方向の位置出しを行うことができ、より精度良く径方向の位置出しを行うことができる。
第2コレット62を第2スライド部材52と軸部21の治具本体筒状部32の双方によって拡径することができるため、ステータ4の軸方向に沿う範囲でステータ4をモータケース3に対して正確に芯出して位置決めできる。
第2コレット62を第2スライド部材52と軸部21の治具本体筒状部32の双方によって拡径することができるため、ステータ4の軸方向に沿う範囲でステータ4をモータケース3に対して正確に芯出して位置決めできる。
第2スライド部材52の第2スライド部材底壁55を貫通してスライド軸40が設けられ、スライド軸40の端部に工具用の六角穴44が設けられ、スライド軸40に貫通される第2スライド部材周壁54の中心位置に調整ボルト37が頭部46を第2スライド部材底壁55から突出した状態で、治具本体筒状部32のボス部36に締め付けられている。よって、スライド軸40を六角穴44で他端から回動させることにより、第1スライド部材43を移動させて第1コレット22を拡径状態とすることができ、調整ボルト37を回動させることにより、第2スライド部材52を移動させ、第2スライド部材52及び治具本体筒状部32を介して第2コレット62を拡径状態にすることができる。その結果、スライド軸40と調整ボルト37を双方とも治具本体20の他端側で操作でき、第1コレット22及び第2コレット62を拡径状態にする作業が行い易い。
次に、この発明の第2実施形態を図3を援用し、図6、図7に基づいて説明する。尚、図1〜図5と同一部分に同一符号を付して説明する。図6において、モータ組立治具1’が治具本体20の一端に第1コレット22を備え、治具本体20の軸方向中央部にフランジ部27を備え、治具本体20の他端に治具本体筒状部32を備えている点、治具本体20の軸部21の内部に挿入されたスライド軸40の一端側に第1コレット22内に収容される第1スライド部材43が設けられている点、治具本体筒状部32と共に第2スライド部材52が第2コレット62’に外側から覆われるようにして設けられ、第2スライド部材52がスライド軸40の他端側で貫通された部分に、調整ボルト37が設けられている点等の基本的構造は第1実施形態と同様である。
ここで、この実施形態の第2コレット62’は、第1実施形態と同様の第2コレット周壁64を備えているが、更に、第2コレット62’の内周壁を閉塞する位置、つまり第2コレット周壁64の内部に環状のベースプレート70が複数のボルト71によって、第2コレット周壁64に固定されている。ベースプレート70の中央部には筒状のガイドボス72が治具本体筒状部32の治具本体筒状部底壁35に向かって設けられている。
ガイドボス72の内部には、治具本体筒状部32の治具本体筒状部底壁35と第2スライド部材52の第2スライド部材底壁55との間にインナコイルスプリング73がベースプレート70を貫通して圧縮された状態で介装され、治具本体筒状部32に対して第2スライド部材52が離れる方向に付勢している。
また、ガイドボス72の外側ではベースプレート70と治具本体筒状部32の治具本体筒状部底壁35との間にアウタコイルスプリング74が圧縮された状態で介装され、治具本体筒状部32に対して第2コレット62’が離れる方向に付勢している。
つまり、インナコイルスプリング73とアウタコイルスプリング74は共に、第2コレット62’の拡径状態を解除する方向に弾性力を作用させている。
ガイドボス72の内部には、治具本体筒状部32の治具本体筒状部底壁35と第2スライド部材52の第2スライド部材底壁55との間にインナコイルスプリング73がベースプレート70を貫通して圧縮された状態で介装され、治具本体筒状部32に対して第2スライド部材52が離れる方向に付勢している。
また、ガイドボス72の外側ではベースプレート70と治具本体筒状部32の治具本体筒状部底壁35との間にアウタコイルスプリング74が圧縮された状態で介装され、治具本体筒状部32に対して第2コレット62’が離れる方向に付勢している。
つまり、インナコイルスプリング73とアウタコイルスプリング74は共に、第2コレット62’の拡径状態を解除する方向に弾性力を作用させている。
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、重力に対して上側からモータ組立治具1を取り外す際に、調整ボルト37を緩めても、治具構成部品の各々の自重により第2スライド部材52と治具本体筒状部32が第2コレット62’の第2コレット周壁64の傾斜面K2,K3に噛み込んで第2コレット62’の拡径状態が維持されている状況を、第2コレット62’の拡径状態を解除する方向に付勢するインナコイルスプリング73とアウタコイルスプリング74双方の弾性力を付与することによって、確実に解消できる。よって、図7に示すように、位置決めされたモータ組立治具1’を用いて位置決めしてステータ4を取り付けた後に、モータ組立治具1’をモータケース3から取り外す際に、第2コレット62’がステータ4の内周面に噛み込んでいる状況を速やかに解消してモータ組立治具1’の取り外しをより簡単に行うことができる。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、第1実施形態において、図1に鎖線で示すように、治具本体筒状部32の治具本体筒状部底壁35と第2スライド部材52の第2スライド部材底壁55との間にコイルスプリング67を圧縮状態で介装してもよい。このようにすることで、モータ組立治具1を取り外す際に、調整ボルト37を緩めても、第2スライド部材52と治具本体筒状部32が第2コレット62の傾斜面K2,K3に噛み込んで第2コレット62の拡径状態が維持されている状況を、第2コレット62の拡径状態を解除する方向に付勢するコイルスプリング67の弾性力で解消できる。
また、調整ボルト37はスライド軸40に貫通される構造を例にして説明したが、第2スライド部材52を治具本体20の軸方向に正確に移動させることができれば、第2スライド部材底壁55の周方向に振り分けて数本配置してもよい。
また、調整ボルト37はスライド軸40に貫通される構造を例にして説明したが、第2スライド部材52を治具本体20の軸方向に正確に移動させることができれば、第2スライド部材底壁55の周方向に振り分けて数本配置してもよい。
20 治具本体
3 モータケース
5 ロータ
9 ラジアル軸受け収容穴
43 第1スライド部材
22 第1コレット
4 ステータ
52 第2スライド部材
62,62’ 第2コレット
27 フランジ部(位置決め部)
14 水平部
32 治具本体筒状部
54 第2スライド部材周壁(筒状部)
55 第2スライド部材底壁(底部)
35 治具本体筒状部底壁(底壁)
67 コイルスプリング(弾性部材)
70 ベースプレート
73 インナコイルスプリング(弾性部材)
74 アウタコイルスプリング(他の弾性部材)
41 ネジ(ネジ部)
42 軸ネジ(ネジ部)
40 スライド軸
37 調整ボルト
3 モータケース
5 ロータ
9 ラジアル軸受け収容穴
43 第1スライド部材
22 第1コレット
4 ステータ
52 第2スライド部材
62,62’ 第2コレット
27 フランジ部(位置決め部)
14 水平部
32 治具本体筒状部
54 第2スライド部材周壁(筒状部)
55 第2スライド部材底壁(底部)
35 治具本体筒状部底壁(底壁)
67 コイルスプリング(弾性部材)
70 ベースプレート
73 インナコイルスプリング(弾性部材)
74 アウタコイルスプリング(他の弾性部材)
41 ネジ(ネジ部)
42 軸ネジ(ネジ部)
40 スライド軸
37 調整ボルト
Claims (6)
- 治具本体と、この治具本体の一端に設けられ、モータケースに形成されたロータ用のラジアル軸受け収容穴に第1スライド部材を介して拡径可能に嵌合する第1コレットと、前記治具本体の他端に支持され、前記第1コレットと同軸位置であって、前記モータケースに取り付けられるステータの内周壁に第2スライド部材を介して拡径可能に嵌合する筒状の第2コレットとを備えたことを特徴とするモータ組立治具。
- 前記治具本体は、前記第1コレットの前記ラジアル軸受け収容穴への挿入代を規制する位置決め部を備え、前記位置決め部は、前記モータケースの前記ラジアル軸受け収容穴の周囲に設けられた水平部に当接可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載のモータ組立治具。
- 前記治具本体の他端に治具本体筒状部が形成され、前記第2スライド部材に筒状部が形成され、前記第2コレットは、前記治具本体の前記治具本体筒状部と前記第2スライド部材の前記筒状部の双方を外側から覆うように装着され、前記第2スライド部材及び前記治具本体筒状部が前記第2コレットの内部に向かって前記第2コレットの軸方向に移動することで拡径可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のモータ組立治具。
- 前記第2スライド部材は有底筒状の部材であって底部を備え、前記治具本体筒状部は底壁を備え、前記第2スライド部材の底部と前記治具本体筒状部の底壁との間に前記第2コレットの拡径状態を解除する方向に前記第2スライド部材を付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項3記載のモータ組立治具。
- 前記第2スライド部材は有底筒状の部材であって底部を備え、前記治具本体筒状部は底壁を備え、前記第2コレットには内周壁を閉塞する位置に環状のベースプレートが設けられ、前記第2スライド部材の底部と前記治具本体筒状部の底壁との間に前記ベースプレートを貫通して前記第2コレットの拡径状態を解除する方向に前記第2スライド部材を付勢する弾性部材が設けられ、前記ベースプレートと前記治具本体筒状部の底壁との間に前記第2コレットの拡径状態を解除する方向に前記第2コレットを付勢する他の弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項3記載のモータ組立治具。
- 前記治具本体の内部にネジ部を介して軸方向で位置固定可能なスライド軸が挿入され、このスライド軸の一端に第1コレットを拡径可能にする第1スライド部材が固定され、前記スライド軸の他端が、前記第2スライド部材の底部を貫通して設けられ、前記治具本体筒状部の前記底壁に調整ボルトが挿入され、この調整ボルトが前記治具本体の他端側に螺合され、前記調整ボルトによって前記治具本体に対する前記第2スライド部材の位置を前記第2コレットの軸方向で調整可能としていることを特徴とする請求項4記載のモータ組立治具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011044024A JP2012182902A (ja) | 2011-03-01 | 2011-03-01 | モータ組立治具 |
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| JP2011044024A JP2012182902A (ja) | 2011-03-01 | 2011-03-01 | モータ組立治具 |
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|---|---|
| JP2012182902A true JP2012182902A (ja) | 2012-09-20 |
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ID=47013637
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| JP2011044024A Withdrawn JP2012182902A (ja) | 2011-03-01 | 2011-03-01 | モータ組立治具 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2012182902A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9353894B2 (en) | 2013-11-07 | 2016-05-31 | Honda Motor Co., Ltd. | Device and method for effecting and verifying full mating engagement between a coupler and a complementary corresponding socket |
| CN110000723A (zh) * | 2019-03-27 | 2019-07-12 | 巨力自动化设备(浙江)有限公司 | 电枢高频加热除油用夹具 |
-
2011
- 2011-03-01 JP JP2011044024A patent/JP2012182902A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9353894B2 (en) | 2013-11-07 | 2016-05-31 | Honda Motor Co., Ltd. | Device and method for effecting and verifying full mating engagement between a coupler and a complementary corresponding socket |
| CN110000723A (zh) * | 2019-03-27 | 2019-07-12 | 巨力自动化设备(浙江)有限公司 | 电枢高频加热除油用夹具 |
| CN110000723B (zh) * | 2019-03-27 | 2024-03-26 | 巨力自动化设备(浙江)有限公司 | 电枢高频加热除油用夹具 |
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