JP2012183291A - 腰痛予防装置及び腰痛予防方法 - Google Patents

腰痛予防装置及び腰痛予防方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便で且つ作業者がリアルタイムで作業による腰部の負担の危険を把握できる腰痛予防装置及び腰痛予防方法を提供する。
【解決手段】腰痛予防装置1は、作業者Mの体幹Bに装着され体幹Bの角度を検出する角度センサ(体幹角度検出手段)2と、作業者Mの足底Sに装着され足底Sに作用する荷重を検出する荷重センサ(足底荷重検出手段)3と、角度センサ2と荷重センサ3とにより検出された各情報に基づいて腰部にかかる負担を負担値Rとして算出するCPU(負担値算出手段)5と、作業者Mの基本情報に基づいて腰部に障害が発生する可能性のある腰部にかかる負担をリスク値rとして設定するCPU(リスク値設定手段)5と、負担値Rとリスク値rとの比較に基づいて警告音を発信するスピーカー(警告手段)6と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、重量物の取扱作業を行う作業者の腰痛の発生を予防する腰痛予防装置及び腰痛予防方法に関するものである。
近年、介護現場や運送・建築現場に見られるような重労働に対して腰痛を患う人の割合が非常に高いといわれている。現場作業においては、適切な作業姿勢の教育や荷物重量の上限等の措置を講じている所もあるものの腰痛割合は依然として高い水準にある。
上記の問題を改善する為には、作業による腰部の負担を定量的に示し腰痛の危険性を作業者自身が認識する必要がある。作業による負担の定量化については、例えば、特許文献1に開示されているように、作業姿勢を類別してそれぞれに重みをつけ、数量、重量、時間及びそれらの係数を入力することにより作業負担を点数化する方法がある。作業負担の点数化は、適正な作業条件を作成する際に活用される。
また、特許文献2には、CADシステムで作図した構造物上に溶接作業者を模した作業者モデルを導入し、コンピュータによる解析を用いて、この作業者モデルが溶接作業を行う際の主要関節部の筋力を推定し、年齢による筋力疲労と回復特性に応じて負担を定量的に表示させる方法がある。作業者モデルの負担が定量化されることにより、実作業者の負担を予め把握したり、製造部門の高齢化に対応した構造の見直しを行ったりすることが可能となる。
さらに、特許文献3には、長時間の立位姿勢作業についての負担を作業別拘束率、持続時間、歩行数を元に腰部負担点、足部負担点を求めてガイドラインと照合して問題点の有無を確認する方法がある。これらの負担点は、疲労が最も少なくなる作業形態を作成する際に活用される。
特開昭59−164034号公報 特開平7−73157号公報 特開2003−10157号公報
上述した特許文献1〜3に記載の方法によれば、作業による負担を定量的に把握することができる。しかしながら、これらの従来の方法には以下の課題がある。
第一に、これらの従来の方法は、作業による負担を定量的に把握して、適正な作業計画や構造計画を作成することを目的としている。したがって、重労働を行っている作業者にリアルタイムで作業による負担の危険を促すことはできない。
第二に、作業による負担を定量的に把握するためには、作業者が実施した作業に基づいて作業者又は作業管理者等が作業姿勢等の必要なデータを入力する。もしくは、作業者が実施する予定の作業を想定して設計者又は計画者等が作業姿勢等の必要なデータを入力する。この入力作業に多大な労力が必要である。
第三に、自動車の生産ラインなどは作業自体が定常的なものであるのに対して、介護や運輸・建築等の現場においては非定常的な作業が多く、その作業毎に適切な入力データを設定して、作業による負担を定量化するのは多大な労力が必要である。また、作業における動作を記録する手間もかかる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡便で且つ作業者がリアルタイムで作業による腰部の負担の危険を把握できる腰痛予防装置及び腰痛予防方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る腰痛予防装置の構成上の特徴は、人の状態から腰痛の危険性をリアルタイムで察知し警告する腰痛予防装置であって、人の体幹に装着され該体幹の角度を検出する体幹角度検出手段と、人の足底に装着され該足底に作用する荷重を検出する足底荷重検出手段と、前記体幹角度検出手段と前記足底荷重検出手段とにより検出された各情報に基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出する負担値算出手段と、人の基本情報に基づいて腰部に障害が発生する可能性のある腰部にかかる負担をリスク値として設定するリスク値設定手段と、前記負担値と前記リスク値との比較に基づいて警告を発信する警告手段と、を備えることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の腰痛予防装置において、人の上腕に装着され該上腕の角度を検出する上腕角度検出手段と、人の前腕に装着され該前腕の角度を検出する前腕角度検出手段と、人の体幹の長さ、上腕の長さ及び前腕の長さの各入力値と、前記体幹角度検出手段、前記上腕角度検出手段及び前記前腕角度検出手段により検出された各情報とに基づいて人の手の位置を算出する手位置算出手段と、を備え、前記負担値算出手段は、前記体幹角度検出手段と前記足底荷重検出手段とにより検出された各情報、及び前記手位置算出手段により算出された情報に基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出することである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2に記載の腰痛予防装置において、人の手に装着され該手に作用する荷重を検出する手荷重検出手段を備え、前記負担値算出手段は、前記体幹角度検出手段と前記足底荷重検出手段と前記手荷重検出手段とにより検出された各情報、及び前記手位置算出手段により算出された情報に基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出することである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項2又は3に記載の腰痛予防装置において、人の体幹の長さ、上腕の長さ及び前腕の長さの各前記入力値を人の身長と各該入力値との相関に基づいて定めることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置において、人の基本情報の入力を行うための端末を備えることである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置において、前記体幹角度検出手段及び/又は前記足底荷重検出手段により検出された情報は、無線により前記負担値算出手段に送られることである。
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置において、前記体幹角度検出手段が背中の胸椎の高さに配置されていることである。
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置において、前記警告手段が人に装着されていると共に前記警告が音及び/又は振動であることである。
請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜8のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置において、前記警告手段は、前記負担値≧前記リスク値であるときに前記警告を発信することである。
請求項10に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜9のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置において、前記負担値は、腰椎の椎間板に発生する圧迫力であると共に、前記リスク値は、腰椎の椎間板に障害が発生する可能性のある圧迫力であることである。
請求項11に係る発明の構成上の特徴は、請求項10に記載の腰痛予防装置において、前記リスク値は、少なくとも性別及び年齢を含む人の基本情報に基づいて設定された性別年齢別リスク値であることである。
上記の課題を解決するため、請求項12に係る腰痛予防方法の構成上の特徴は、人の状態から腰痛の危険性をリアルタイムで察知し警告する腰痛予防方法であって、人の体幹の角度と足底に作用する荷重とに基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出する負担値算出ステップと、腰部に障害が発生する可能性のある腰部にかかる負担をリスク値として設定するリスク値設定ステップと、前記負担値≧前記リスク値であるときに警告を発信する警告ステップと、を備えることである。
請求項13に係る発明の構成上の特徴は、請求項12に記載の腰痛予防方法において、人の体幹の長さ、上腕の長さ及び前腕の長さと、人の体幹の角度、上腕の角度及び前腕の角度とに基づいて人の手の位置を算出する手位置算出ステップを備え、前記負担値算出ステップは、人の体幹の角度と足底に作用する荷重と人の手の位置とに基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出することである。
請求項14に係る発明の構成上の特徴は、請求項13に記載の腰痛予防方法において、前記負担値算出ステップは、人の体幹の角度と足底に作用する荷重と人の手の位置と手に作用する荷重とに基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出することである。
請求項1に係る発明によれば、人体に装着される体幹角度検出手段と足底荷重検出手段とにより腰部の負担値を算出すると共に、人の基本情報に基づいて腰部のリスク値を設定して、負担値とリスク値との比較に基づいてリアルタイムで警告を発信する。よって、本発明の腰痛予防装置を装着した作業者は、リアルタイムで作業による腰部の負担の危険を把握できる。これにより、作業者は、腰痛を患う前に、即座に作業姿勢や作業負荷の改善、及び共同作業への転換等を行うことが可能であり、腰痛の発生を予防することができる。
また、本発明の腰痛予防装置は、作業者の人体に装着可能な体幹角度検出手段及び足底荷重検出手段により負担値を算出するためのデータ(作業者の姿勢及び負荷に関する各情報)をリアルタイムで自動的に取得できる。よって、本発明の腰痛予防装置は、構成が簡素であると共に、作業に関するデータを作業者又は調査者が記録する必要がなく簡便である。また、作業内容が変わっても作業に関するデータを自動的に取得できるため、どのような作業にも対応が可能である。なお、体幹とは、胴体のことであり、人体の頭、首、四肢を除いた、胸部と腹部とを差す。
請求項2に係る発明によれば、腰痛予防装置は、人の手の位置を算出する手位置算出手段を備え、人体に装着される体幹角度検出手段と足底荷重検出手段とにより検出された各情報、及び人の手の位置の情報に基づいて腰部の負担値を算出する。請求項1に係る腰痛予防装置においては、作業による全荷重が体幹の最上部である肩に鉛直に作用するという仮定を設けることによって腰部の負担値の最大値を算出することができる。しかし、多くの場合、荷重は手から肩へと伝達され、同一の荷重であっても手の位置が腰部から遠くなるほど腰部を中心としたモーメントが大きくなり、腰部の負担値が大きくなる。本発明によれば、人の手の位置を考慮して腰部の負担値を算出するため、腰部の負担値の算出精度が向上し、腰痛の発生を予防する効果がより高くなる。
請求項3に係る発明によれば、腰痛予防装置は、人の手に作用する荷重を検出する手荷重検出手段を備え、人体に装着される体幹角度検出手段と足底荷重検出手段と手荷重検出手段とにより検出された各情報、及び人の手の位置の情報に基づいて腰部の負担値を算出する。請求項2に係る腰痛予防装置においては、作業による全荷重が手に作用するという仮定を設けることによって腰部の負担値の最大値を算出することができる。しかし、作業内容によっては、荷重が手と肩とに分散して作用する場合があり、作業による全荷重が手に作用するという仮定では腰部の負担値を過剰に見積もる可能性がある。本発明によれば、手に作用する荷重と、肩に作用する荷重(=作業による全荷重−手に作用する荷重)とを区別して腰部の負担値を算出できるため、腰部の負担値の算出精度がさらに向上し、腰痛の発生を過剰に予防することなく適切に予防することができる。
請求項4に係る発明によれば、人の手の位置を算出するために必要な体幹の長さ、上腕の長さ及び前腕の長さの各入力値を身長と各入力値との相関に基づいて定める。よって、人の身長を入力値とするだけで、人の手の位置を算出するために必要な人体の長さに関する各入力値を定めることが可能であり簡便である。
請求項5に係る発明によれば、端末を用いることにより、容易に腰痛予防装置の制御条件の設定変更を行うことができる。
請求項6に係る発明によれば、体幹に装着された体幹角度検出手段からの情報、及び/又は足底に装着された足底荷重検出手段からの情報が無線により負担値算出手段に送られる。よって、情報が有線で送られる場合と比べて、作業者の身体の動きが拘束されにくい。
請求項7に係る発明によれば、体幹角度検出手段が背中の胸椎の高さに配置されている。作業者が荷物を持ち上げる際、作業者の背中は不規則に湾曲するため、体幹角度が背中の上下方向に一定とはならない。このため、体幹角度検出手段が装着される位置によって、異なる体幹角度が検出される。しかし、体幹角度検出手段を背中の胸椎の高さに配置することによって、不規則に湾曲した背中の中で比較的精度よく体幹角度の代表値を検出することが可能となり、体幹角度に基づいて腰部の負担値を精度よく算出することが可能となる。
請求項8に係る発明によれば、警告手段が人に装着されていると共に警告が音及び/又は振動である。よって、警告が音の場合には、作業者自身とその周囲の人々に作業者が腰部の負担の危険が伴う作業を行っていることを周知することができる。また、警告が振動の場合には、周囲の人々に知られることなく作業者が腰部の負担の危険を認識することができる。
請求項9に係る発明によれば、負担値≧リスク値であるときに警告を発信する。すなわち、腰部に障害が発生する可能性が小さい段階では作業者に警告が発信されない。よって、作業者は、警告が発信されない限り、安心して作業を継続することができる。なお、請求項9に係る発明の構成は、負担値が100%リスク値以上となったときに警告を発信するものであるが、この構成とは異なる構成として、例えば、負担値が100%リスク値に達する前に、90%リスク値、95%リスク値等の段階毎に警告を発信してもよい。この際、段階毎に警告の種類を変えておけば、作業者が負担の程度を認識しやすい。
請求項10に係る発明によれば、負担値を腰椎の椎間板に発生する圧迫力とすると共に、リスク値を腰椎の椎間板に障害が発生する可能性のある圧迫力としている。腰痛は、腰椎の椎間板に作用する様々な荷重の中で特に圧迫力が大きくなったときに発生することが多い。よって、負担値及びリスク値を椎間板圧迫力とすることは、腰痛予防の観点から最も効果的である。
請求項11に係る発明によれば、性別及び年齢を含む人の基本情報に基づいて性別年齢別リスク値を設定する。リスク値は、作業者それぞれの体格、筋力、骨格、健康状態等によって異なるため、当然ながら、作業者毎にリスク値を定めるのが望ましい。しかし、作業者毎に厳密なリスク値を定めるためには、作業前に多くの検査を要するため実用性に欠ける。ここで、リスク値は、人の基本情報のうちで性別及び年齢との相関が高い。よって、作業者の性別及び年齢に基づいて性別年齢別リスク値を設定すれば、作業者の検査を要することなく、作業者毎にある程度精度の高いリスク値を設定することができる。
請求項12に係る発明によれば、人の体幹の角度と足底に作用する荷重とにより算出された腰部の負担値と、腰部に障害が発生する可能性のある腰部のリスク値との比較に基づいてリアルタイムで警告が発信される。よって、本発明の腰痛予防方法によれば、請求項1に係る発明と同様に、作業者は、リアルタイムで作業による腰部の負担の危険を把握できる。これにより、作業者は、腰痛を患う前に、即座に作業姿勢や作業負荷の改善、及び共同作業への転換等を行うことが可能であり、腰痛の発生を予防することができる。
請求項13に係る発明によれば、腰痛予防方法は、人の体幹の角度と足底に作用する荷重と人の手の位置とに基づいて腰部の負担値を算出する。よって、本発明の腰痛予防方法によれば、請求項2に係る発明と同様に、人の手の位置を考慮して腰部の負担値を算出するため、腰部の負担値の算出精度が向上し、腰痛の発生を予防する効果がより高くなる。
請求項14に係る発明によれば、腰痛予防方法は、人の体幹の角度と足底に作用する荷重と人の手の位置と手に作用する荷重に基づいて腰部の負担値を算出する。よって、本発明の腰痛予防方法によれば、請求項3に係る発明と同様に、手に作用する荷重と、肩に作用する荷重とを区別して腰部の負担値を算出できるため、腰部の負担値の算出精度がさらに向上し、腰痛の発生を過剰に予防することなく適切に予防することができる。
以上のように、本発明によれば、簡便で且つ作業者がリアルタイムで作業による腰部の負担の危険を把握できる腰痛予防装置及び腰痛予防方法を提供することができる。
第1実施形態の腰痛予防装置を装着した作業者を模式的に説明する説明図である。 第1実施形態における椎間板圧迫力の算出モデルを示している。 第1実施形態における角度センサの取付け位置及び脊椎の構成を説明する説明図である。 男性の椎間板圧迫力の限界値及び許容値を示すグラフである。 女性の椎間板圧迫力の限界値及び許容値を示すグラフである。 第1実施形態の腰痛予防装置の作動を説明するフローチャートである。 立位姿勢の説明図である。 第2実施形態の腰痛予防装置を装着した作業者を模式的に説明する説明図である。 第2実施形態における椎間板圧迫力の算出モデルを示している。 第2実施形態の腰痛予防装置の作動を説明するフローチャートである。
以下、本発明の腰痛予防装置及び腰痛予防方法の実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
<第1実施形態>
(1)腰痛予防装置1の構成
図3に示すように、作業者(人)Mの体幹B(一般に、胴体と呼ばれている)は、脊椎Sp(一般に、背骨と呼ばれている)によって支えられている。脊椎Spは、椎骨と椎間板とが連続的に積み重なり全体として緩やかにS字にカーブした構造を呈している。このように脊椎SpがS字にカーブしていることによって、外部からの衝撃や体重の負担が和らげられている。
脊椎Spは、頭蓋骨の後頭骨にある大後頭孔より下降し、骨盤に至る。脊椎Spは、上から順に、7椎の頸椎Ce、12椎の胸椎Th、5椎の腰椎Lu、5椎の仙椎Sa、及び3〜6椎の尾椎Coの約30個の椎骨により形成されている。ここで、5椎の腰椎Luの第3腰椎と第4腰椎との間、及び第4腰椎と第5腰椎との間において、腰痛が発生しやすいと言われている。
図1に示すように、腰痛予防装置1は、作業者Mの体に装着される装置であって、角度センサ(体幹角度検出手段)2と、荷重センサ(足底荷重検出手段)3と、制御ユニット4とを備えている。制御ユニット4には、CPU(負担値算出手段、リスク値設定手段、警告手段)5と、スピーカー(警告手段)6と、端末7とが一体に備わっている。
角度センサ2は、ベルト2bに固定されており、ベルト2bを作業者Mの体幹Bの胸部に巻付けることによって、作業者Mの背中の胸椎Thの高さに装着されている。角度センサ2には、検出された角度情報を制御ユニット4に無線で送信するためのアンテナ2aが備わっている。角度センサ2は、水平、鉛直等の基準線に対する角度を検出し得るセンサであって、角度センサ2としては、加速度センサやジャイロセンサ等を用いることができる。
ここで、図3に示すように、角度センサ2を胸椎Thの最上部の角度センサ2’の位置から胸椎Thの最下部の角度センサ2’’の位置までの範囲に装着することができる。しかし、作業者Mの背中には凹凸があるため、作業者Mの立位姿勢(図7示)において、角度センサ2の取付角度は、取付位置毎に異なる値となる。したがって、作業者Mが作業を行っていない立位姿勢において、角度センサ2の初期値を検出すると共に、作業者Mが作業を開始した後の体幹角度θを角度センサ2の初期値からの変化量とすれば、角度センサ2の取付位置によらず体幹角度θを検出することが可能となる。なお、本実施形態においては、図2に示すように、水平に対する脊椎Spのなす角度を体幹角度θとしている。
荷重センサ3は、作業靴3bの靴底に配置されており、作業者Mが作業靴3bを履くことによって、作業者Mの足底Sに装着されている。作業靴3bの踵側には、荷重センサ3により検出された荷重情報を制御ユニット4に無線で送信するためのアンテナ3aが備わっている。荷重センサ3は、足底Sに作用する全荷重(荷重)Waを検出し得るセンサであって、荷重センサ3としては、ロードセル、圧力センサ、ひずみゲージ等を用いることができる。
本実施形態においては、1足の作業靴3bの靴底に、前後に3個、左右に2個の計6個の荷重センサ3を配置している。各荷重センサ3は、作業靴3bの靴底に設けられたスパイク状の凸部に配置されており、各荷重センサ3の位置でのみ靴底が地面に接地している。したがって、左右一対の作業靴3bの全荷重センサ3で検出した荷重の合計値は、作業者Mの体重Wと作業者Mが持ち上げる荷物Pの荷重(負荷荷重α)とを合計した全荷重Waとなる。なお、スパイク状の凸部の形状、個数及び材質は、作業の種類に応じて適宜設定される。
制御ユニット4は、ベルト4bに固定されており、ベルト4bを作業者Mの体幹Bの腰部に巻付けることによって、作業者Mの背中の腰椎Luの高さに装着されている。制御ユニット4には、角度センサ2及び荷重センサ3からの各情報を受信するためのアンテナ4aが備わっている。
CPU5は、制御ユニット4の内部に配置されている。このCPU(負担値算出手段)5により、角度センサ2と荷重センサ3とにより検出された各情報に基づいて腰部にかかる負担を負担値Rとして算出する。また、このCPU(リスク値設定手段)5により、作業者Mの基本情報に基づいて腰部に障害が発生する可能性のある腰部にかかる負担をリスク値rとして設定する。また、このCPU(警告手段)5により、負担値Rとリスク値rとの比較に基づいて、負担値R≧リスク値rであるときにスピーカー6に警告音を発信する命令を送る。
スピーカー6は、制御ユニット4の表面に露出して配置されている。スピーカー6は、音量及びメロディの選択が可能となっている。
端末7は、制御ユニット4の表面に露出して配置されている。作業者Mは、端末7の入力画面を操作して、角度センサ2及び荷重センサ3のサンプリング間隔の入力と、作業者Mの基本情報のうちの少なくとも性別及び年齢の入力とを行う。この入力情報がCPU5に記憶される。
(2)負担値Rの算出
作業者Mが行う作業によって腰椎Luの椎間板に発生する圧迫力(椎間板圧迫力)を負担値Rとする。図2に示すように、本実施形態においては、腰椎Luの椎間板圧迫力Rを算出する関節部から上の脊椎Spを剛体と見なした簡易計算モデルを作成して、力の釣り合い式により、腰椎Luに作用する椎間板圧迫力Rを算出する(参考文献1:L.A.Strait,V.T Inman,H.J.Ralstone;Simple Illustrations of Physical Principles Selected from Physiology and Medicine. Am.J.Phys.15 375-382(1947))。
図2において、Wは作業者Mの体重、αは荷物Pによる負荷荷重、W1は体幹Bの重さ、Wsは両腕と頭との合計重さW2に負荷荷重αを加えた重さ、Lは体幹Bの長さ(胸椎Th及び腰椎Luの合計長さ)、Feは脊椎起立筋力、θは体幹角度(脊椎角度)、Rは椎間板圧迫力を示している。
ここで、体重Wは、作業者Mが作業を行っていない立位姿勢(図7示)において、荷重センサ3により検出した値である。負荷荷重αは、作業者Mが作業を開始した後に荷重センサ3により検出した全荷重Waから体重Wを引いた値である。体幹Bの重さW1は、一般にW1=0.4Wで算出され、重さW1が体幹Bの長さLの1/2の位置に作用すると考える。両腕と頭との合計重さW2は、一般にW2=0.2Wで算出される。また、脊椎起立筋力Feは、作業者Mの姿勢によらず脊椎Spに対して12°の角度で、体幹Bの長さLの上から1/3の位置に作用すると考える。
力の釣り合い式は、以下に示すとおりである。
Fe・sin12°・(2L/3)−0.4W・cosθ・L/2
−(0.2W+α)・cosθ・L=0 ………… (式1)
Ry−Fe・sin(θ−12°)−0.4W
−(0.2W+α)=0 ………… (式2)
Rx−Fe・cos(θ−12°)=0 ………… (式3)
R=√(Rx+Ry) ………… (式4)
なお、(式1)における変数Lは、(式1)の両辺を変数Lで割ることによって消去される。(式4)に(式1)、(式2)及び(式3)を代入すると、椎間板圧迫力Rは、W、α及びθを変数とする関数となる。よって、角度センサ2により検出される体幹角度θと、荷重センサ3によって検出される体重W及び負荷荷重αとにより、椎間板圧迫力(負担値)Rを算出することができる。
(3)リスク値rの設定
スピーカー6は、負担値R≧リスク値rであるときに警告音を発信する。したがって、作業者Mの安全を考えると極力小さいリスク値rを設定するとよい。しかし、リスク値rを小さくしすぎると警告音が頻繁に発信されることになるため、作業者Mに過剰な不安を抱かせることとなる。本実施形態においては、作業者Mの基本情報のうちの性別及び年齢に基づいて、腰部に障害が発生する可能性のあるリスク値rを設定(算出)する。
なお、リスク値rは、上述の負担値Rと比較する値であることから、腰部に障害が発生する可能性のある椎間板圧迫力とする。リスク値rは、様々な知見に基づいて適宜設定することが可能であることは言うまでもなく、したがって、以下に説明するリスク値rの設定方法は一例にすぎない。
表1に男性の年齢別椎間板圧迫力の限界値Rd及び許容値Ra、表2に女性の年齢別椎間板圧迫力の限界値Rd及び許容値Raを示す。また、図4に男性の椎間板圧迫力の限界値Rd及び許容値Raを示すグラフ、図5に女性の椎間板圧迫力の限界値Rd及び許容値Raを示すグラフを示す。
Figure 2012183291
Figure 2012183291
参考文献2(Genaidy,Spinal compression tolerance limits for the design of manual material handling operations in the workplace)には、性別及び対象年齢毎に単発荷重(1回の載荷)における椎間板圧迫力の限界値Rdが開示されている。この椎間板圧迫力の限界値Rdが発生する負荷荷重αdを上述した(式1)〜(式4)により算出した。
上記(2)で述べたとおり、椎間板圧迫力Rは、W、α及びθを変数とする関数であるため、椎間板圧迫力Rd、体重W、体幹角度θを設定すれば、負荷荷重αdが求まる。ここで、体重Wとしては、日本における対象年齢毎の平均体重を入力し、また、体幹角度θとしては、負荷荷重αdが最も小さくなる場合を想定して、脊椎Spが鉛直から90°前傾したときの体幹角度θ=0°を入力した。こうして得られた負荷荷重αdは表1及び2に示すとおりである。
そして、負荷荷重αdは、単発荷重における限界値であるため、さらに安全側を考慮すると、繰返し荷重における許容値を求めるとよいと考えた。参考基準1(ISO 11228-1:2003 Ergonomics-Manual handling-)には、単発荷重における限界値から繰返し荷重における許容値を求める際の係数について記載されている。この係数は、作業時間及び作業頻度に対応して設定されており、例えば、介護施設のヘルパーを想定して、作業時間を2〜8時間、作業頻度を1時間当たり4回の作業とすると、係数が0.85となる。したがって、繰返し荷重における負荷荷重αaをαa=0.85αdとして求めた。そして、負荷荷重αa、上述した対象年齢毎の平均体重W、及び体幹角度θ=0°により繰返し荷重における椎間板圧迫力の許容値Raを求めた。
図4及び5に示すように、椎間板圧迫力の許容値Raは、椎間板圧迫力の限界値Rdよりも小さい値となっている。また、椎間板圧迫力の許容値Raは、男性よりも女性の方が値が小さく、対象年齢が上がるにつれて値が低下する傾向がある。本実施形態においては、椎間板圧迫力の許容値Raをリスク値rとした。そして、表1及び2に示す性別年齢別の椎間板圧迫力の許容値RaをCPU5に記憶させた。
(4)腰痛予防装置1の作動
図6に本実施形態の腰痛予防装置1の作動を説明するフローチャートを示す。まず、作業者Mは、角度センサ2が装備されたベルト2b、及び荷重センサ3が装備された作業靴3bを装着する。なお、作業者Mは、制御ユニット4を装備したベルト4bを装着していない。
作業者Mは、腰痛予防装置1の電源スイッチをONにした後、ステップS1において、端末7の入力画面を操作して、角度センサ2及び荷重センサ3のサンプリング間隔の入力と、作業者Mの基本情報のうちの性別及び年齢の入力とを行う。そして、作業者Mは、制御ユニット4を装備したベルト4bを装着して立位姿勢をとる。
ステップS2において、上記(3)で述べたように、予めCPU5に記憶させた性別年齢別の椎間板圧迫力の許容値Raから、作業者Mの性別及び年齢に対応した椎間板圧迫力の許容値Raを抽出する。そして、この許容値Raをリスク値rとしてCPU5に記憶させる。
ステップS3及びS4において、作業者Mは立位姿勢のままであり、荷重センサ3により検出した作業者Mの体重WをCPU5に記憶させる。また、角度センサ2が初期化(現在の角度をゼロとする)される。ステップS4が完了すると制御ユニット4から準備完了の報知音が発信され、作業者Mは立位姿勢を崩すことができる。
ステップS5において、作業者Mは作業を開始した後、ステップS6において、角度センサ2及び荷重センサ3により、体幹角度θ及び負荷荷重αが検出される。ここで、体幹角度θは、角度センサ2の初期値からの変化量である。また、負荷荷重αは、荷重センサ3で検出する全荷重(荷重)Waから体重Wを引いた値である。
ステップS7において、上記(2)で述べたように、体幹角度θと、体重Wと、負荷荷重αとを用いて椎間板圧迫力(負担値)Rを算出する。ステップS8において、負担値Rとリスク値rとを比較して、負担値R≧リスク値rであるときには、ステップS9に進んでスピーカー6から警告音を発信する。また、負担値R<リスク値rであるときには、ステップS6に戻って体幹角度θ及び負荷荷重αの検出を継続する。ステップS6はステップS1で設定したサンプリング間隔で繰返される。
ステップS9において、スピーカー6から警告音が発信された後、ステップS10において、作業者Mは、腰痛予防装置1の電源スイッチをOFFにするか否かの選択を行い、電源スイッチをOFFにすることにより、腰痛予防装置1による腰部の負担の監視を終了する。また、電源スイッチをOFFにしない場合には、ステップS6に戻って体幹角度θ及び負荷荷重αの検出を継続する。
(5)腰痛予防装置1の効果
このような本実施形態の構成によると、作業者Mの人体に装着された角度センサ2と荷重センサ3とにより腰椎Luの椎間板に発生する圧迫力を負担値Rとして算出すると共に、作業者Mの基本情報のうちの性別及び年齢に基づいて腰椎Luの椎間板に障害が発生する可能性のある圧迫力をリスク値rとして設定している。そして、負担値Rとリスク値rとを比較して、負担値≧リスク値であるときにリアルタイムで警告音を発信している。
よって、本実施形態の腰痛予防装置1を装着した作業者Mは、リアルタイムで作業による腰部の負担の危険を把握できる。これにより、作業者Mは、腰痛を患う前に、即座に作業姿勢や作業負荷の改善、及び共同作業への転換等を行うことが可能であり、腰痛の発生を予防することができる。
また、本実施形態の腰痛予防装置1は、作業者Mの人体に装着可能な角度センサ2及び荷重センサ3により負担値Rを算出するためのデータ(作業者Mの姿勢及び負荷に関する各情報)をリアルタイムで自動的に取得できる。よって、本実施形態の腰痛予防装置1は、構成が簡素であると共に、作業に関するデータを作業者M又は調査者が記録する必要がなく簡便である。また、作業内容が変わっても作業に関するデータを自動的に取得できるため、どのような作業にも対応が可能である。
また、本実施形態においては、負担値R≧リスク値rであるときに警告音が発信される。このため、腰部に障害が発生する可能性が小さい段階では作業者Mに警告音が発信されない構成となるため、作業者Mは、警告音が発信されない限り、安心して作業を継続することができる。
また、腰痛は、腰椎Luの椎間板に作用する様々な荷重の中で特に圧迫力が大きくなったときに発生することが多い。よって、本実施形態のように、負担値Rを腰椎Luの椎間板に発生する圧迫力とすると共に、リスク値rを腰椎Luの椎間板に障害が発生する可能性のある圧迫力とすることは、腰痛予防の観点から最も効果的である。
また、リスク値rは、人の基本情報のうちで性別及び年齢との相関が高い。よって、本実施形態のように、作業者Mの性別及び年齢に基づいて性別年齢別リスク値rを設定すれば、作業者Mの詳細な人体検査を要することなく、作業者M毎にある程度精度の高いリスク値rを設定することができる。
また、本実施形態の構成によれば、CPU5へのデータ入力に端末7を用いることにより、容易に腰痛予防装置1の制御条件の設定変更を行うことができる。
また、本実施形態の構成によれば、角度センサ2及び荷重センサ3からの各情報が無線により制御ユニット4内のCPU5に送られる。よって、各情報が有線で送られる場合と比べて、作業者Mの身体の動きが拘束されにくい。
また、本実施形態の構成によれば、角度センサ2が不規則に湾曲した背中の中で比較的精度よく体幹角度θの代表値を検出できる背中の胸椎Thの高さに配置されている。よって、体幹角度θに基づいて腰部の負担値Rを精度よく算出することが可能となる。
また、本実施形態の構成によれば、警告音を発信するスピーカー(警告手段)6が制御ユニット4と一体に作業者Mの人体に装着されている。したがって、作業者M自身とその周囲の人々に作業者Mが腰部の負担の危険が伴う作業を行っていることを周知することができる。
<第2実施形態>
(1)腰痛予防装置10の構成
上述のとおり、第1実施形態の腰痛予防装置1においては、作業による負荷荷重α(以下、全負荷荷重αと呼ぶ)が体幹Bの最上部である肩に鉛直に作用するという仮定を設けて、剛体リンクモデルにより腰部の負担値Rを算出している。本実施形態の腰痛予防装置10においては、様々な作業状況に対する汎用性を高めるために、手Haの位置を考慮すると共に、全負荷荷重αが手Haと肩とに配分されるという仮定を設けて、剛体リンクモデルにより腰部の負担値Rを算出する(図8及び9示)。
したがって、第1実施形態においては、図1に示したように作業者Mが腕を鉛直下方に伸ばして荷物Pを持ち上げる作業状況を想定しているのに対して、本実施形態においては、図8に示すように作業者Mが腕を前方に伸ばして荷物P1を手Haと肩とで持ち上げる作業状況を想定している。なお、本実施形態においては、作業者Mが両腕を均等に前方に伸ばして荷重P1を持ち上げる作業状況を想定しており、以下の説明においては、特に断りのない限り、上腕A1、前腕A2及び手Haとは、両腕の両上腕A1、両前腕A2及び両手Haのことである。
図8に示すように、腰痛予防装置10は、作業者Mの体に装着される装置であって、体幹Bに装着される角度センサ(体幹角度検出手段)2と、上腕A1に装着される角度センサ(上腕角度検出手段)21と、前腕A2に装着される角度センサ(前腕角度検出手段)22と、足底Sに装着される荷重センサ(足底荷重検出手段)3と、手Haに装着される荷重センサ(手荷重検出手段)30と、制御ユニット40とを備えている。制御ユニット40には、CPU(負担値算出手段、リスク値設定手段、手位置算出手段、警告手段)50と、スピーカー(警告手段)6と、バイブレータ(警告手段)60と、端末70とが一体に備わっている。角度センサ2、荷重センサ3及びスピーカー6の構成及び動作については、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
角度センサ21は、ベルト21bに固定されており、ベルト21bを作業者Mの上腕A1に巻付けることによって作業者Mの両腕の各上腕A1に装着されている。角度センサ21には、検出された角度情報を制御ユニット40に無線で送信するためのアンテナ21aが備わっている。角度センサ21は、第1実施形態における角度センサ2と同様に、水平、鉛直等の基準線に対する角度を検出し得るセンサであって、角度センサ21としては、加速度センサやジャイロセンサ等を用いることができる。
ここで、作業者Mが作業を行っていない立位姿勢(図7示)において、角度センサ21の初期値を検出すると共に、作業者Mが作業を開始した後の角度センサ21の初期値からの変化量を上腕角度θ1とする。図9に示すように、水平に対する上腕A1のなす角度を上腕角度θ1としている。
角度センサ22は、角度センサ21と同様にベルト22b及びアンテナ22aを備えており、ベルト22bを作業者Mの前腕A2に巻付けることによって作業者Mの両腕の各前腕A2に装着されている。角度センサ22においても、角度センサ21と同様に作業者Mが作業を開始した後の角度センサ22の初期値からの変化量を前腕角度θ2とする。図9に示すように、水平に対する前腕A2のなす角度を前腕角度θ2としている。
本実施形態においては、手Haの位置を算出するために、第1実施形態よりもより正しい立位姿勢で角度センサ21及び22の初期値を検出する必要がある。図7に示す正しい立位姿勢とは、背筋と膝を伸ばし、両足に均等に体重をかけて立ち、上肢は自然に下垂し、手掌(手のひら)を大腿に向けて手の指を伸ばした状態である。
荷重センサ30は、作業者Mの両手Haにそれぞれ装着される各作業手袋30bの手掌全面及び指先部に複数個配置されている。作業手袋30bの手首部分には、荷重センサ30により検出された荷重情報を制御ユニット40に無線で送信するためのアンテナ30aが備わっている。荷重センサ30は、手Haに作用する荷重α2(図9示)を検出し得るセンサであって、荷重センサ30としては、圧力センサ、ひずみゲージ等を用いることができる。左右一対の作業手袋30bの全荷重センサ30で検出した荷重の合計値は、両手Haに作用する合計の荷重α2となる。
制御ユニット40は、ベルト4bに固定されており、ベルト4bを作業者Mの体幹Bの腰部に巻付けることによって、作業者Mの背中の腰椎Luの高さに装着されている。制御ユニット40には、角度センサ2、角度センサ21、角度センサ22、荷重センサ3及び荷重センサ30からの各情報を受信するためのアンテナ4aが備わっている。
CPU50は、制御ユニット40の内部に配置されている。このCPU(手位置算出手段)50により、作業者Mの体幹Bの長さL、上腕A1の長さL1及び前腕A2の長さL2の各入力値と、角度センサ2、角度センサ21及び角度センサ22により検出された各角度情報とに基づいて手Haの位置を算出する。また、このCPU(負担値算出手段)50により、角度センサ2、荷重センサ3及び荷重センサ30により検出された各情報と、算出した手Haの位置情報とに基づいて腰部にかかる負担を負担値Rとして算出する。
また、このCPU(リスク値設定手段)50により、作業者Mの基本情報に基づいて腰部に障害が発生する可能性のある腰部にかかる負担をリスク値rとして設定する。また、このCPU(警告手段)50により、負担値Rとリスク値rとの比較に基づいて、負担値R≧リスク値rであるときに、又は警告乗率β(β<100%)を考慮して、負担値R≧(β×リスク値r)であるときに、スピーカー6に警告音を発信する命令、及びバイブレータ60に振動を発信する命令のうちのいずれか一方又は両方を送る。
バイブレータ60は、制御ユニット40の内部に配置されており、作業者Mの腰部に振動を伝達する。バイブレータ60は、振動の強さの選択が可能となっている。バイブレータ60としては、携帯電話やゲーム機のコントローラ等に内蔵されている小型モータ等を利用した小型のバイブレータを用いることができる。
端末70は、制御ユニット40の表面に露出して配置されている。作業者Mは、端末70の入力画面を操作して、作業者Mの基本情報のうちの少なくとも性別、年齢及び身長Hの入力と、警告手段(スピーカー6及びバイブレータ60)の選択と、警告乗率βの入力とを行う。この入力情報がCPU50に記憶される。なお、本実施形態においては、各センサ(角度センサ2、角度センサ21、角度センサ22、荷重センサ3、荷重センサ30)のサンプリング間隔は、予めCPU50に設定されており、端末70によるサンプリング間隔の入力は行わない。
(2)負担値Rの算出
図9に示すように、本実施形態においては、腰椎Luの椎間板圧迫力(負担値)Rを算出する関節部(位置o)から上の脊椎Sp、上腕A1及び前腕A2を3連結の剛体と見なした簡易計算モデルを作成して、力の釣り合い式により、腰椎Luに作用する椎間板圧迫力Rを算出する。図9において、位置aは手首の位置、位置bは手首から肩までの距離の1/2の位置、位置cは肩の位置、位置dは体幹Bの長さLの1/2の位置、位置eは体幹Bの長さLの上から1/3の位置を示している。
図9において、Wは作業者Mの体重、W1は体幹Bの重さ、W2は両腕と頭との合計重さ、α1は肩に作用する荷重、α2は手Haに作用する荷重、Lは体幹Bの長さ(胸椎Th及び腰椎Luの合計長さ)、L1は上腕A1の長さ、L2は前腕A2の長さ、Feは脊椎起立筋力、θは体幹角度(脊椎角度)、θ1は上腕角度、θ2は前腕角度、Rは椎間板圧迫力を示している。
なお、体幹Bの長さL、上腕A1の長さL1及び前腕A2の長さL2は、作業者Mの身長Hと相関があり、L=0.35H、L1=0.186H及びL2=0.146Hという相関式により算出することができる(参考文献3:D.B.Chaffin, G.B.K.Andersson, B.J.Martin:”Occupational Biomechanics” (Wiley,New York 1984)、参考文献4:J.A.Roebuck, K.H.E.Kroemer, W.G.Thomson:”Engineering Anthropometry Methods” (Wiley-Interscience,New York 1975))。
体重Wは、作業者Mが作業を行っていない立位姿勢(図7示)において、荷重センサ3により検出した値である。位置dに作用する体幹Bの重さW1は、一般にW1=0.4Wで算出される。位置bに作用する両腕と頭との合計重さW2は、一般にW2=0.2Wで算出される(頭の重さも位置bに作用すると仮定した)。位置aに作用する荷重α2は、荷重センサ30により検出した値である。位置cに作用する荷重α1は、作業者Mが作業を開始した後に荷重センサ3により検出した全荷重Waから体重Wを引いて全負荷荷重αを算出し(α=Wa−W)、この全負荷荷重αから荷重α2を引いた値である(α1=α−α2)。また、位置eに作用する脊椎起立筋力Feは、作業者Mの姿勢によらず脊椎Spに対して12°の角度で作用する。
位置a、b、c、d、eのそれぞれに作用する荷重α2、W2、α1、W1、Feによって発生する位置oまわりのモーメントMa、Mb、Mc、Md、Meは、以下に示すとおりである。
Ma=(L・cosθ+L1・cosθ1+L2・cosθ2)・α2
Mb={L・cosθ+(L1・cosθ1+L2・cosθ2)/2}・W2
Mc=L・cosθ・α1
Md=L/2・cosθ・W1
Me=2L/3・sin12°・Fe
力の釣り合い式は、以下に示すとおりである。
Me=Ma+Mb+Mc+Md ………… (式10)
Ry=W1+W2+α1+α2+Fe・sin(θ−12°) … (式20)
Rx=Fe・cos(θ−12°) ………… (式30)
R=√(Rx+Ry) ………… (式40)
位置oまわりのモーメント及び力の釣り合い式において、変数L、L1、L2、θ、θ1、θ2、W1、W2、α1及びα2は、入力値、検出値又は算出値であり既知数である。変数Feのみが未知数である。したがって、(式10)から算出した脊椎起立筋力Feを(式20)及び(式30)に代入して椎間板圧迫力Rの鉛直成分Ry及び水平成分Rxを算出し、算出したRy、Rxを(式40)に代入することにより椎間板圧迫力(負担値)Rを算出することができる。
(3)リスク値rの設定
本実施形態におけるリスク値rは、第1実施形態におけるリスク値rと同一であり、作業者Mの基本情報のうちの性別及び年齢に基づいて算出した性別年齢別の椎間板圧迫力の許容値Raである(表1、表2、図4、図5示)。本実施形態におけるリスク値rの設定方法は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
なお、本実施形態及び第1実施形態のリスク値rが同一値となる理由は次のとおりである。作業者Mが腕を前方に伸ばして荷物P1を持ち上げる本実施形態の作業状況(図8示)を表1及び2に当てはめると、設定値である椎間板圧迫力の限界値Rdは表1及び2と同一値である。力の釣り合い式(式10)〜(式40)を用いて椎間板圧迫力の限界値Rdから算出する負荷荷重の限界値αd及びの許容値αaは、腰部を中心としたモーメントの腕が長くなることにより表1及び2よりも小さい値となる。しかし、力の釣り合い式(式10)〜(式40)を用いて負荷荷重の許容値αaから算出する椎間板圧迫力の許容値Raは表1及び2と同一値となる。すなわち、本実施形態と第1実施形態との力の釣り合い式の相違は、椎間板圧迫力の許容値Ra(リスク値r)の値に影響を及ぼさない。
(4)腰痛予防装置10の作動
図10に本実施形態の腰痛予防装置10の作動を説明するフローチャートを示す。まず、作業者Mは、角度センサ2が装備されたベルト2bを体幹Bの胸部に、角度センサ21が装備されたベルト21bを上腕A1に、角度センサ22が装備されたベルト22bを前腕A2にそれぞれ装着し、荷重センサ3が装備された作業靴3b、及び荷重センサ30が装備された作業手袋30bをそれぞれ装着する。なお、作業者Mは、制御ユニット40を装備したベルト4bを装着していない。
作業者Mは、腰痛予防装置10の電源スイッチをONにした後、ステップSS1において、端末70の入力画面を操作して、作業者Mの基本情報のうちの年齢、性別及び身長Hの入力を行う。また、端末70の入力画面を操作して、警告手段であるスピーカー6及びバイブレータ60の選択と、リスク値rに対する警告乗率βの入力とを行う。そして、作業者Mは、制御ユニット40を装備したベルト4bを装着して立位姿勢をとる。
ステップSS2において、第1実施形態におけるステップS2と同様に、予めCPU50に記憶させた性別年齢別の椎間板圧迫力の許容値Raから、作業者Mの性別及び年齢に対応した椎間板圧迫力の許容値Raを抽出する。そして、この許容値Raをリスク値rとしてCPU50に記憶させる。
ステップSS3において、作業者Mの身長Hから、体幹Bの長さLをL=0.35H、上腕A1の長さL1をL1=0.186H、及び前腕A2の長さL2をL2=0.146Hという相関式によりそれぞれ算出する。
ステップSS4において、作業者Mが立位姿勢をとるように促すための音声指示(アナウンス)が制御ユニット40から発せられる。例えば、制御ユニット40から「背筋と膝を伸ばして直立し、両腕を体に沿って下に伸ばした立位姿勢をお取り下さい。」という音声指示が発せられる。
ステップSS5及びSS6において、作業者Mは立位姿勢のままであり、荷重センサ3により検出した作業者Mの体重WをCPU50に記憶させる。また、角度センサ2、角度センサ21及び角度センサ22がそれぞれ初期化(現在の角度をゼロとする)される。ステップSS6が完了すると制御ユニット40から準備完了の報知音が発信され、作業者Mは立位姿勢を崩すことができる。なお、ステップSS5及びSS6を実行している途中で、作業者Mが正しい立位姿勢を崩すと、足底Sに装備された複数個の荷重センサ3の個々の値が不安定となる。このとき、制御ユニット40から正しい立位姿勢をとるように促すための音声指示が発せられる構成とすることもできる。
ステップSS7において、作業者Mは作業を開始した後、ステップSS8において、角度センサ2、角度センサ21及び角度センサ22により、体幹角度θ、上腕角度θ1及び前腕角度θ2が検出される。ここで、体幹角度θ、上腕角度θ1及び前腕角度θ2は、ステップSS6において検出した初期値からの変化量である。また、ステップSS7において、荷重センサ3及び荷重センサ30により、全負荷荷重α及び手Haに作用する荷重α2が検出される。また、肩に作用する荷重α1がα1=α−α2という式で算出される。ここで、全負荷荷重αは、荷重センサ3で検出する全荷重(荷重)Waから体重Wを引いた値である。
ステップSS9において、上記(2)で述べたように、体重W、体幹角度θ、上腕角度θ1、前腕角度θ2、全負荷荷重α、肩に作用する荷重α1、手Haに作用する荷重α2、体幹Bの長さL、上腕A1の長さL1、及び前腕A2の長さL2を用いて椎間板圧迫力(負担値)Rを算出する。ステップSS10において、負担値Rと(β×リスク値r)とを比較して、負担値R≧(β×リスク値r)であるときには、ステップSS11に進んでスピーカー6及びバイブレータ60のうちのステップSS1で選択された一方又は両方から警告を発信する。また、負担値R<(β×リスク値r)であるときには、ステップSS8に戻る。ステップSS8は予めCPU50に設定されているサンプリング間隔で繰返される。
ステップSS11において、警告が発信された後、ステップSS12において、作業者Mは、腰痛予防装置10の電源スイッチをOFFにするか否かの選択を行い、電源スイッチをOFFにすることにより、腰痛予防装置10による腰部の負担の監視を終了する。また、電源スイッチをOFFにしない場合には、ステップSS8に戻る。
(5)腰痛予防装置10の効果
このような本実施形態の構成によると、腰痛予防装置10は、作業者Mの体幹Bの体幹角度θと、足底Sに作用する荷重Waと、作業者Mの手Haの位置と、手Haに作用する荷重α2に基づいて腰椎Luの椎間板に発生する圧迫力を負担値Rとして算出する。よって、作業者Mの手Haの位置を考慮して腰部の負担値Rを算出するため、腰部の負担値Rの算出精度が向上し、腰痛の発生を予防する効果がより高くなる。また、手Haに作用する荷重α2と、肩に作用する荷重α1(=全負荷荷重α−手に作用する荷重α2)とを区別して腰部の負担値Rを算出できるため、手Haのみに全負荷荷重αが作用すると仮定する場合よりも、腰部の負担値Rの算出精度が向上し、腰痛の発生を過剰に予防することなく適切に予防することができる。
また、本実施形態の構成によると、作業者Mの手Haの位置を算出するために必要な体幹Bの長さL、上腕A1の長さL1及び前腕A2の長さL2の各入力値を身長Hと各入力値との相関に基づいて定めている。よって、作業者Mの身長Hを入力値とするだけで、作業者Mの手Haの位置を算出するために必要な人体の長さに関する各入力値を定めることが可能であり簡便である。本実施形態における他の効果については、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
<その他の実施形態>
なお、本発明の腰痛予防装置及び腰痛予防方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、第1及び第2実施形態においては、作業者Mに一つの角度センサ2を装着しているが、作業者Mの背中に沿って複数個の角度センサ2を配置してもよい。この場合、複数個の角度センサ2が検出した角度情報を平均化することによって体幹角度θの精度を高めたり、各角度センサ2が検出した角度情報と各角度センサ2同士の間隔とに基づいて脊椎Spの湾曲状況を算出して体幹角度θの精度を高めたりすることができる。
また、第1及び第2実施形態においては、角度センサ2及び制御ユニット4、40をそれぞれ別々のベルト2b及び4bにより作業者Mの体幹Bに装着しているが、例えば、専用のベスト(上着)に角度センサ2及び制御ユニット4、40を装備して、作業者Mがこのベストを着用することにより角度センサ2及び制御ユニット4、40を装着してもよい。このように、専用のベストに角度センサ2及び制御ユニット4、40を装備する場合には、複数個の角度センサ2を配置しやすく、また、角度センサ2と制御ユニット4、40とを有線で繋ぐことも可能となる。
また、第2実施形態においては、角度センサ21及び22をそれぞれ別々のベルト21b及び22bに装備して作業者Mの上腕A1及び前腕A2に装着しているが、例えば、一つの肘サポーターに上腕A1用の角度センサ21及び前腕A2用の角度センサ22をそれぞれ装備して、作業者Mがこの肘サポーターを装着することにより角度センサ21及び22を装着してもよい。
また、第1実施形態においては、作業者Mが装着する制御ユニット4に、CPU(負担値算出手段、リスク値設定手段、警告手段)5と、スピーカー(警告手段)6と、端末7とを一体に備えているが、例えば、CPU5と、スピーカー6と、端末7とを別体としてもよい。端末7については、作業者Mとは別の場所に置いておいてもよい。第2実施形態においても同様に、CPU50と、スピーカー6と、バイブレータ60と端末70とを別体としてもよい。
また、第1実施形態においては、警告としてスピーカー6による警告音、第2実施形態においては、警告としてスピーカー6による警告音及びバイブレータ60による振動のうちのいずれか一方又は両方を用いているが、警告の種類はこれに限らない。例えば、警告として、ランプの点灯、電光掲示板への表示、作業管理者の監視画面への表示、及びこれらの警告を適宜併用して用いることもできる。
また、第1実施形態においては、力の釣り合い式(式1)〜(式4)により、第2実施形態においては、力の釣り合い式(式10)〜(式40)により、椎間板圧迫力(負担値)Rを算出しているが、負担値Rの算出方法はこれに限定されず他の算出式を用いることもできる。例えば、Fisher、Morrisの式を用いた「腹圧」を考慮した力の釣り合い式を用いることもできる(参考文献5:N.Badler, D.Metaxas,B.Webber and M.Steedman:”The Center for Human Modeling and Simulation” Vol.4,No.1,81-96(1995))。
また、第2実施形態においては、作業者Mが腕を前方に伸ばして荷物P1を手Haと肩とで持ち上げる作業状況を想定して、荷重センサ30により手Haに作用する荷重α2を検出する構成としている。しかし、作業者Mが肩を利用することなく荷重P1を手Haのみで持ち上げる作業状況においては、手Haに作用する荷重α2が全負荷荷重αとなるため、手Haに作用する荷重α2を検出する必要はなく、作業者Mは荷重センサ30が装備された作業手袋30bを装着する必要はない。
また、第2実施形態においては、作業者Mが両腕を均等に前方に伸ばして荷重P1を持ち上げる作業状況を想定して、脊椎Sp、上腕A1及び前腕A2を3連結の剛体と見なした簡易計算モデルを作成して、椎間板圧迫力Rを算出している。しかし、作業者Mの両腕の伸び方が左右で異なっていたり、作業者Mが左右一方の腕のみで荷重を持ち上げたりする作業状況も想定できる。この場合には、脊椎Spから右腕に繋がる3連結の剛体と、脊椎Spから左腕に繋がる3連結の剛体とに分けた簡易計算モデルを作成すればよい。そして、(式10)に示したモーメントの釣り合い式に、右腕によるモーメントと、左腕によるモーメントとを個々に考慮すると共に、(式20)に示した力の釣り合い式に、右腕に作用する荷重と、左腕に作用する荷重とを個々に考慮すればよい。
また、第1及び第2実施形態においては、作業者Mの性別及び年齢からリスク値rを設定しているが、リスク値rの設定方法はこれに限らない。例えば、作業者Mの性別、年齢及び体重Wから作業者Mの体重Wを反映したリスク値rを算出してもよい。この場合、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS3の後にステップS2を行うこととなる。また、図10に示すフローチャートにおいて、ステップSS5の後にステップSS2を行うこととなる。さらに、作業者Mの体幹角度θも考慮して作業姿勢を反映したリスク値rを算出してもよい。この場合、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS6の後にステップS2を行うこととなる。また、図10に示すフローチャートにおいて、ステップSS8の後にステップSS2を行うこととなる。
なお、第1及び第2実施形態の腰痛予防装置1及び10を用いれば、作業者Mの腰椎Luの椎間板に発生する椎間板圧迫力(負担値)Rを電子データとして残すことも可能である。したがって、この電子データを作業者Mが受けた作業負荷の記録として保存しておくことができる。
1 … 腰痛予防装置
2、2’、2’’… 角度センサ(体幹角度検出手段)
3 … 荷重センサ(足底荷重検出手段)
5 … CPU(負担値算出手段、リスク値設定手段、警告手段)
6 … スピーカー(警告手段) 7 … 端末
10 … 腰痛予防装置 21 … 角度センサ(上腕角度検出手段)
22 … 角度センサ(前腕角度検出手段)
30 … 荷重センサ(手荷重検出手段)
50 … CPU(負担値算出手段、リスク値設定手段、手位置算出手段、警告手段)
60 … バイブレータ(警告手段) 70 … 端末
A1 … 上腕 A2 … 前腕
B … 体幹 H … 身長
Ha … 手 L … 体幹の長さ
L1 … 上腕の長さ L2 … 前腕の長さ
M … 作業者(人)
Ra … 椎間板圧迫力の許容値(リスク値)
R … 椎間板圧迫力(負担値) r … リスク値
S … 足底 Sp … 脊椎
Th … 胸椎 Lu … 腰椎
Wa … 全荷重(荷重) α2 … 手に作用する荷重
θ … 体幹角度 θ1 … 上腕角度
θ2 … 前腕角度

Claims (14)

  1. 人の状態から腰痛の危険性をリアルタイムで察知し警告する腰痛予防装置であって、
    人の体幹に装着され該体幹の角度を検出する体幹角度検出手段と、
    人の足底に装着され該足底に作用する荷重を検出する足底荷重検出手段と、
    前記体幹角度検出手段と前記足底荷重検出手段とにより検出された各情報に基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出する負担値算出手段と、
    人の基本情報に基づいて腰部に障害が発生する可能性のある腰部にかかる負担をリスク値として設定するリスク値設定手段と、
    前記負担値と前記リスク値との比較に基づいて警告を発信する警告手段と、
    を備えることを特徴とする腰痛予防装置。
  2. 人の上腕に装着され該上腕の角度を検出する上腕角度検出手段と、
    人の前腕に装着され該前腕の角度を検出する前腕角度検出手段と、
    人の体幹の長さ、上腕の長さ及び前腕の長さの各入力値と、前記体幹角度検出手段、前記上腕角度検出手段及び前記前腕角度検出手段により検出された各情報とに基づいて人の手の位置を算出する手位置算出手段と、を備え、
    前記負担値算出手段は、前記体幹角度検出手段と前記足底荷重検出手段とにより検出された各情報、及び前記手位置算出手段により算出された情報に基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出することを特徴とする請求項1に記載の腰痛予防装置。
  3. 人の手に装着され該手に作用する荷重を検出する手荷重検出手段を備え、
    前記負担値算出手段は、前記体幹角度検出手段と前記足底荷重検出手段と前記手荷重検出手段とにより検出された各情報、及び前記手位置算出手段により算出された情報に基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出することを特徴とする請求項2に記載の腰痛予防装置。
  4. 人の体幹の長さ、上腕の長さ及び前腕の長さの各前記入力値を人の身長と各該入力値との相関に基づいて定めることを特徴とする請求項2又は3に記載の腰痛予防装置。
  5. 人の基本情報の入力を行うための端末を備えることを特徴とする請求項1〜4うちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置。
  6. 前記体幹角度検出手段及び/又は前記足底荷重検出手段により検出された情報は、無線により前記手位置算出手段に送られることを特徴とする請求項1〜5うちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置。
  7. 前記体幹角度検出手段が背中の胸椎の高さに配置されていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置。
  8. 前記警告手段が人に装着されていると共に前記警告が音及び/又は振動であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置。
  9. 前記警告手段は、前記負担値≧前記リスク値であるときに前記警告を発信することを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置。
  10. 前記負担値は、腰椎の椎間板に発生する圧迫力であると共に、前記リスク値は、腰椎の椎間板に障害が発生する可能性のある圧迫力であることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一つに記載の腰痛予防装置。
  11. 前記リスク値は、少なくとも性別及び年齢を含む人の基本情報に基づいて設定された性別年齢別リスク値であることを特徴とする請求項10に記載の腰痛予防装置。
  12. 人の状態から腰痛の危険性をリアルタイムで察知し警告する腰痛予防方法であって、
    人の体幹の角度と足底に作用する荷重とに基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出する負担値算出ステップと、
    腰部に障害が発生する可能性のある腰部にかかる負担をリスク値として設定するリスク値設定ステップと、
    前記負担値≧前記リスク値であるときに警告を発信する警告ステップと、
    を備えることを特徴とする腰痛予防方法。
  13. 人の体幹の長さ、上腕の長さ及び前腕の長さと、人の体幹の角度、上腕の角度及び前腕の角度とに基づいて人の手の位置を算出する手位置算出ステップを備え、
    前記負担値算出ステップは、人の体幹の角度と足底に作用する荷重と人の手の位置とに基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出することを特徴とする請求項12に記載の腰痛予防方法。
  14. 前記負担値算出ステップは、人の体幹の角度と足底に作用する荷重と人の手の位置と手に作用する荷重とに基づいて腰部にかかる負担を負担値として算出することを特徴とする請求項13に記載の腰痛予防方法。
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