JP2012184796A - スプラインの圧入構造 - Google Patents

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義晴 山田
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【課題】スプラインの強度と高い圧入保持力を確保しつつ、安定した圧入荷重を維持するスプラインの圧入構造を提供すること。
【解決手段】内歯スプライン1と外歯スプライン2が、径方向に圧入代(大径圧入代A)が設定される大径圧入、及び、歯面方向に圧入代(歯面圧入代B)が設定される歯面圧入によって嵌合されるスプラインの圧入構造であって、内歯スプライン1と外歯スプライン2の少なくとも一部の嵌合箇所において、内歯スプライン1と外歯スプライン2の一方の歯面間(例えば、加速面側3)には圧入代が設定され、内歯スプライン1と外歯スプライン2の他方の歯面間(例えば、減速面側4)には隙間Cが設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、スプラインの圧入構造に関し、特に、内歯スプラインと外歯スプラインが、歯面方向にも圧入代が設定される歯面圧入によって嵌合される、スプラインの圧入構造に関する。
特許文献1には、内歯スプラインと外歯スプラインが、径方向に圧入代が設定される大径圧入のみでなく、歯面方向にも加速面側と減速面側の両方において圧入代が設定される歯面圧入によって、嵌合されるスプラインの圧入構造が開示されている。歯面圧入によれば、トルク伝達時のガタ詰めが達成される。
特開2009−210086号公報
しかしながら、加速面側と減速面側の両方において圧入代が設定される、従来の歯面圧入によるスプラインの圧入構造は下記の問題点を有している。
(1)歯面の圧入変形時、歯面の逃げ場がなく急激に圧入荷重が増加することを回避するため、欠歯を設定する場合がある。この場合、歯面の面圧が増加してトルク伝達に対する強度が低下する。
(2)歯面圧入において、歯面の逃げ場を設定しない場合には、歯面圧入代が大きすぎると、歯面が局部的に弾性変形の限度を超えて圧入削れが発生し易くなり、内歯・外歯スプライン間の保持力も低下してしまう。
(3)スプライン精度のバラツキにより、圧入荷重のバラツキが大きくなる場合がある。
(4)スプライン精度の管理において、大径は測定容易であるため、その管理が比較的容易であるが、歯面の測定は時間がかかるため、その管理が困難である。
本発明の目的は、スプラインの強度と高い圧入保持力を確保しつつ、安定した圧入荷重を維持するスプラインの圧入構造を提供することである。
本発明によるスプラインの圧入構造は、第1の視点において、内歯スプラインと外歯スプラインの一方の歯面間には圧入代、すなわち、“歯面圧入代”が設定され、内歯スプラインと外歯スプラインの他方の歯面間には“隙間”が設定された“歯”を少なくとも有している。本発明による“この歯”を、両側の歯面間に歯面圧入代が設定された“通常歯”に対して、「減少歯」と称する。
また、本発明によるスプラインの圧入構造は、第2の視点において、内歯スプラインにおいて、一部の歯の歯面を、他の歯の歯面よりも歯面方向に減少させたスプラインの圧入構造を提供する。すなわち、この内歯スプラインは、“減少歯”を有している。
本発明によるスプラインの圧入構造は下記の効果を奏する。
(1)本発明による減少歯ないし隙間が、歯面圧入変形時、歯面の逃げ場となることにより、歯面が弾性変形の限界を超える確率が減少され、又、圧入削れが低減され、さらに、内歯・外歯スプライン間の保持力のバラツキが低減される。
(2)上記の逃げ場が形成されることにより、歯面の圧入代が調整されるため、歯面精度のバラツキに起因する圧入荷重のバラツキが低減される。
(3)欠け歯を設定する場合と比較すると、本発明の減少歯の設定によれば、トルク伝達に対する歯面の面圧を維持できるため、強度的に有利である。
(4)本発明の減少歯は、他側の歯面に圧入代を設定しないため、両側の歯面に圧入代を設定する場合に比べて、管理の手間が減少する。
本発明の一実施例に係るスプラインの圧入構造における通常歯の説明図である。 本発明の一実施例に係るスプラインの圧入構造における減少歯の説明図である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、内歯スプラインと外歯スプラインの少なくとも一部の嵌合箇所において、内歯スプラインと外歯スプラインの一方の歯面間には圧入代が設定され、内歯スプラインと外歯スプラインの他方の歯面間には隙間が設定される歯、すなわち減少歯が設定される。減少歯は、場合によっては、スプライン歯の全部に設定することもでき、減少歯同士の間に複数個の通常歯を挟んで配置したり、減少歯を周期的又は不規則に配置したりすることもできる。
本発明の好ましい実施の形態によれば、減少歯の圧入代は、使用頻度が高い加速面側の歯面の強度を維持するため、加速面側に設定し、減少歯の隙間を減速面側に設定することが好ましい。但し、強度の余裕度や使用状況を鑑みて、減少歯の隙間を加速面側に設定することも可能である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、内歯スプラインにおいて、一部の歯の歯面を、他の歯の歯面よりも歯面方向に減少させる。すなわち、内歯スプラインは、減少歯を有する。場合によっては、外歯スプラインに減少歯を設定することもでき、内歯・外歯スプラインの両方に減少歯を設定することもできる。
本発明のスプラインの圧入構造は、内歯スプラインと外歯スプラインが、径方向に圧入代が設定される大径圧入、及び、歯面方向に圧入代が設定される歯面圧入によって嵌合されるスプラインの圧入構造に好適に適用される。
以下図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。図1は、本発明の一実施例に係るスプラインの圧入構造における通常歯の説明図である。図2は、本発明の一実施例に係るスプラインの圧入構造における減少歯の説明図である。
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例に係るスプラインの圧入構造は、内歯スプライン1と外歯スプライン2が、径方向に圧入代が設定される大径圧入、及び、歯面方向に圧入代が設定される歯面圧入によって嵌合される。
本発明の一実施例に係るスプラインの圧入構造は、図1に示す通常歯20と、図2に示す、内歯スプライン1と外歯スプライン2の少なくとも一部の嵌合箇所において設定される、減少歯21と、を含んで構成されている。
図1を参照すると、通常歯20においては、内歯スプライン1の歯底1aと、外歯スプラインの歯先2aの間に斜線で示す大径圧入代Aが設定されると共に、内歯スプライン1の加速側歯面1bと外歯スプライン2の加速側歯面2bの間、さらに、内歯スプライン1の減速側歯面1cと外歯スプライン2の減速側歯面2cの間にも、斜線で示す歯面圧入代Bがそれぞれ設定されている。すなわち、通常歯20は、加速面側3と減速面側4の両方に歯面圧入代Bを有している。
図2を参照すると、減少歯21においては、内歯スプライン1の歯底1aと、外歯スプラインの歯先2aの間に斜線で示す大径圧入代Aが設定されると共に、内歯スプライン1の加速側歯面1bと外歯スプライン2の加速側歯面2bの間にのみ、斜線で示す歯面圧入代Bが設定され、内歯スプライン1の減速側歯面1cと外歯スプライン2の減速側歯面2cの間には隙間Cが設定されている。すなわち、減少歯21は、一方の歯面側、すなわち、加速面側3だけに歯面圧入代3を有し、他方の歯面側、すなわち、減速面側4には隙間Cが設定されている。
図1と図2を対照すると、減少歯21は、通常歯20よりも、減速側歯面1cが歯面方向(周方向)に減少ないし後退して形成され、これによって、隙間Cが設定されていることが分かる。
以上説明した本発明の一実施例に係るスプラインの圧入構造、すなわち、内歯スプライン1に対して、片側歯面を減少させた減少歯21を一部のスプライン歯に対して設定し、特に、減速面側4の減速側歯面1cを後退ないし減少させたスプラインの圧入構造の利点を説明する。
(1)減少歯21ないし隙間Cは、歯面圧入変形時、歯面の逃げ場となることにより、歯面が弾性変形の限界を超える確率が減少され、圧入削れが低減され、内歯・外歯スプライン1,2間の保持力のバラツキが低減される。
(2)上記の逃げ場が形成されることにより、歯面圧入代Bが調整されるため、歯面精度のバラツキに起因する圧入荷重のバラツキが低減される。
(3)欠け歯を設定する場合と比較すると、減少歯21の設定によれば、加速面側3には歯面圧入代Bが設定されていることにより、トルク伝達に対する歯面の面圧を維持できるため、強度的に有利である。また、両側に歯面圧入代Bを有する通常歯20によっても、トルク伝達に対する歯面の面圧が維持される。
(4)減少歯21は、他側の歯面に圧入代を設定しないため、両側の歯面に圧入代を設定する場合に比べて、管理の手間が減少する。
本発明は、車両等に搭載される変速機又はトランスファの回転軸に、ギヤ又はハブなどの環状部材を一体的に結合するための構造に好適に利用される。
1 内歯スプライン
1a 歯底
1b 加速側歯面(一方の歯面)
1c 減速側歯面(他方の歯面)
2 外歯スプライン
2a 歯先
2b 加速側歯面(一方の歯面)
2c 減速側歯面(他方の歯面)
3 加速面側
4 減速面側
A 大径圧入代
B 歯面圧入代
C 隙間(歯面隙間)

Claims (3)

  1. 内歯スプラインと外歯スプラインが、径方向に圧入代が設定される大径圧入、及び、歯面方向に圧入代が設定される歯面圧入によって嵌合されるスプラインの圧入構造であって、
    前記内歯スプラインと前記外歯スプラインの少なくとも一部の嵌合箇所において、
    前記内歯スプラインと前記外歯スプラインの一方の歯面間には圧入代が設定され、
    該内歯スプラインと該外歯スプラインの他方の歯面間には隙間が設定される、
    ことを特徴とするスプラインの圧入構造。
  2. 前記隙間は、減速面側に設定されることを特徴とする請求項1記載のスプラインの圧入構造。
  3. 内歯スプラインと外歯スプラインが、径方向に圧入代が設定される大径圧入、及び、歯面方向に圧入代が設定される歯面圧入によって嵌合されるスプラインの圧入構造であって、
    前記内歯スプラインにおいて、一部の歯の歯面を、他の歯の歯面よりも歯面方向に減少させたことを特徴とするスプラインの圧入構造。
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