JP2012186079A - 面状発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高輝度化および輝度の面内均一性の向上を図りながらも信頼性の向上を図ることが可能な面状発光装置を提供する。
【解決手段】透光性基板1および透光性基板1の一表面側に形成された有機EL素子2を有する有機EL素子モジュール3と、透光性基板1の上記一表面側に対向配置され接合部4を介して有機EL素子モジュール3に固着されたカバー基板(カバー部材)5とを備える。第1電極21における透光性基板1側とは反対側の表面の周部に沿って形成され第1電極21に電気的に接続された補助電極26を備え、第1端子部T1および第2端子部T2の各々が、透明導電性酸化物層24,25と金属層27,28との積層構造を有しているので、高輝度化および輝度の面内均一性の向上を図ることが可能となる。第1端子部T1および第2端子部T2は、透明導電性酸化物層24,25のみが接合部4と接しているので、信頼性の向上を図ることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、面状発光装置に関するものである。
従来から、図14に示す構成の有機デバイス300が提案されている(特許文献1)。この有機デバイス300は、基板301と、基板301の一表面側に形成された有機LEDセルと、有機LEDセルを覆い封止枠(sealing rim)364を介して基板301に接合されたキャップ360とを備えている。ここで、有機LEDセルは、第1電極305と第2電極315との間に有機層310が挟まれている。なお、有機LEDセルは、第1電極305が陽極を構成し、第2電極315が陰極を構成している。
また、上述の有機デバイス300は、第1電極305において有機層310が積層された部分から延設された部位の中間部上に形成され有機LEDセルの封止枠364に接するコンタクト導電層375と、封止枠364の外側でコンタクト導電層375を覆う保護層380とを備えている。また、有機デバイス300は、ボンディングパッド377を備えている。
特許文献1には、基板301およびキャップ360の材料としてガラスなどが記載されている。また、特許文献1には、第1電極305の材料として、ITO(Indium Tin Oxide)などの導電性酸化物が記載されている。また、特許文献1には、コンタクト導電層375およびボンディングパッド377の材料として、金属(アルミニウム、金、銀、銅、クロムまたはニッケル)を用いることが記載されている。また、特許文献1には、封止枠364の材料として、エポキシ樹脂が記載されている。保護層380の材料として、フォトレジスト、ノボラック樹脂、ポリイミドなどが記載されている。
また、従来から、図15に示す構成の有機エレクトロルミネセンス装置が提案されている(特許文献2)。この有機エレクトロルミネセンス装置は、透明基板101上に、正面電極となる透明電極102と、引き出し配線を構成する透明電極102’とが形成されている。ここで、正面電極となる透明電極102は、透明基板101の表示領域内に形成されている。また、透明電極102上には、有機薄膜106が形成され、有機薄膜106上に透明電極102と対向して背面電極107が積層されることにより有機エレクトロルミネセンス素子が形成されている。一方、透明電極102’上には、金属電極103が積層されて引き出し配線108が構成されている。そして、有機エレクトロルミネセンス装置は、有機エレクトロルミネセンス素子を覆うように位置する封止部材104が、透明電極102および引き出し配線108上に接着剤105にて接合固定されている。
また、上述の有機エレクトロルミネセンス装置は、正面電極より導出された引き出し配線の透明電極102上にも金属電極103’が形成され、透明基板101と封止部材104との接合部分に位置する金属電極103に、金属電極103を横切り、金属電極103の長手方向に対して不連続となる箇所が、形成されている。特許文献2には、このような構成とすることにより、背面電極107のみならず、正面電極の低抵抗化も図ることができることが記載されている。また、特許文献2には、接合部分に位置する引き出し配線部分に金属電極103,103’がなく透明電極102,102’のみの場所が存在し、引き出し配線と封止部材104との接着性が向上し、歩留まりが向上し外部からの水分の侵入を抑制できるとともに長寿命で表示品位の向上したものとなる旨が記載されている。
特許文献2には、透明基板101の材料として、ソーダガラスやプラスチックを用いることが記載され、封止部材104として、透明電極102と同様の材料を用いることが記載されている。また、特許文献2には、透明電極102,102’の材料として、ITOなどの導電性材料を用いることが記載され、金属電極103,103’の材料として、透明電極102,102’に比べて抵抗率の小さい金属材料を用いることが記載されている。また、特許文献2には、背面電極107の材料として、クロム、アルミニウムなどの金属材料を用いることが記載されている。また、特許文献2には、接着剤105として、紫外線硬化接着剤を用いることが記載されている。
ところで、有機エレクトロルミネセンス素子を高輝度で点灯させるためには、より大きな電流を流す必要がある。しかしながら、有機エレクトロルミネセンス素子は、一般的に、ITO薄膜からなる陽極のシート抵抗が、金属膜、合金膜、金属化合物膜などからなる陰極のシート抵抗に比べて高いため、陽極での電位勾配が大きくなって、輝度の面内ばらつきが大きくなってしまう。
これに対して、従来から、図16に示すように、透明基板400上に形成したITO薄膜からなる陽極402と、陽極402上に形成した有機発光層403と、陽極402上で有機発光層403から一定の距離を隔てて有機発光層403の外側に形成された補助電極405と、有機発光層403上に形成した陰極404とを有する有機エレクトロルミネセンス素子が提案されている(特許文献3)。この有機エレクトロルミネセンス素子では、陽極402と陰極404との間に電圧を印加することによって有機発光層403で発光した光が、陽極402および透明基板400を通して出射される。
特許文献3に開示された有機エレクトロルミネセンス素子では、補助電極405を設けたことにより、陽極402での電圧降下や発熱を抑制することが可能となり、高効率化および高輝度化を図ることが可能となる旨が記載されている。
米国特許第7026660号明細書 特開2002−198186号公報 特開2003−45674号公報
ところで、図14に示した構成の有機デバイス300では、封止枠364と接しているコンタクト導電層375の材料が金属材料なので、コンタクト導電層375の経時変化で酸化が生じてコンタクト導電層375と封止枠364との界面の状態が変化することが考えられる。これにより、有機デバイス300は、コンタクト導電層375と封止枠364との界面に沿って、基板301とキャップ360と封止枠364とで囲まれた空間へ透過する水分や酸素の量が増加し、有機LEDセルの特性が低下して信頼性が低下してしまうことが考えられる。
また、図15に示した構成の有機エレクトロルミネセンス装置では、引き出し配線部分の金属電極103,103’と接着剤105との界面が存在しているので、金属電極103,103’ の経時変化で酸化が生じて金属層103,103’と接着剤105との界面の状態が変化することが考えられる。これにより、有機エレクトロルミネセンス装置は、金属層103,103’と接着剤105との各界面に沿って、透明基板101と封止部材104と接着剤105とで囲まれた空間へ透過する水分や酸素の量が増加し、有機エレクトロルミネセンス素子の特性が低下して信頼性が低下してしまうことが考えられる。
また、図16に示した有機エレクトロルミネセンス素子を照明用の光源として用いることを想定した場合、図14に示した有機デバイス300におけるキャップ360および封止枠364を設けたり、図15に示した有機エレクトロルミセンス装置における封止部材104および接着剤105を設けることで、面状発光装置を構成することが考えられる。
しかしながら、このような面状発光装置においても、水分や酸素の影響により信頼性が低下してしまうことが考えられる。また、このような面状発光装置では、大面積化を図った場合に接合部が応力の影響を受けやすくなるので、接合部が剥離してしまう懸念がある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、高輝度化および輝度の面内均一性の向上を図りながらも信頼性の向上を図ることが可能な面状発光装置を提供することにある。
本発明の面状発光装置は、透光性基板および前記透光性基板の一表面側に形成された有機EL素子を有する有機EL素子モジュールと、前記有機EL素子モジュールに前記有機EL素子の発光部を囲む枠状の接合部を介して接合されたカバー部材とを備え、前記有機EL素子は、前記透光性基板の前記一表面側に配置され透明導電膜からなる第1電極と、前記第1電極における前記透光性基板側とは反対側に配置され少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層における前記第1電極側とは反対側に配置され金属膜からなる第2電極と、前記第1電極と前記発光層と前記第2電極とが重なる発光部の側方に配置され前記第1電極に電気的に接続された第1端子部と、前記発光部の側方に配置され前記第2電極に電気的に接続された第2端子部と、前記第1電極よりも比抵抗の小さな材料からなり前記第1電極における前記透光性基板側とは反対側の表面の周部に沿って形成され前記第1電極に電気的に接続された補助電極とを備え、前記第1端子部および前記第2端子部は、各々、透明導電性酸化物層と金属層との積層構造を有し、前記透明導電性酸化物層のみが前記接合部と接していることを特徴とする。
この面状発光装置において、前記発光部の平面視形状が矩形状であり、当該矩形状の前記発光部の所定の平行な2辺の各々に沿ってm個(m≧1)の前記第2端子部と〔m+1〕個の前記第1端子部とが、前記第2端子部の幅方向の両側に前記第1端子部が位置するように配置されており、前記第1端子部の前記透明導電性酸化物層と前記第2端子部の前記透明導電性酸化物層とは同じ厚さに設定されていることが好ましい。
この面状発光装置において、前記カバー部材における前記有機EL素子モジュールとの対向面側に配置された吸湿材を備え、前記第1端子部および前記第2端子部は、前記透明導電性酸化物層のみが形成されている部位の長さが少なくとも0.5mmであることが好ましい。
この面状発光装置において、前記透光性基板の前記一表面側において前記補助電極および前記第1電極の側縁を覆う絶縁膜を備え、前記絶縁膜が前記接合部よりも内側にあり且つ前記接合部から離れていることが好ましい。
本発明の面状発光装置においては、高輝度化および輝度の面内均一性の向上を図りながらも信頼性の向上を図ることが可能となる。
実施形態の面状発光装置の背面図である。 同上の面状発光装置を示し、(a)は図1のB−B’概略断面図、(b)は図1のC−C’概略断面図である。 同上の面状発光装置を示し、図1のD−D’概略断面図である。 同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。 同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。 同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。 同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。 同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。 同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。 同上の面状発光装置の特性説明図である。 同上の面状発光装置の特性説明図である。 同上の面状発光装置の特性説明図である。 同上の面状発光装置の特性説明図である。 従来例の有機デバイスの概略断面図である。 従来例の有機エレクトロルミネセンス装置の平面図およびX−X’、Y−Y’部の断面図である。 従来例の有機エレクトロルミネセンス素子を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のB−B’概略断面図である。
以下、本実施形態の面状発光装置について図1〜図3に基づいて説明する。
面状発光装置Aは、透光性基板1および透光性基板1の一表面側に形成された有機EL素子2を有する有機EL素子モジュール3と、透光性基板1の上記一表面側に対向配置され接合部4を介して有機EL素子モジュール3に固着されたカバー基板5とを備えている。また、面状発光装置Aは、カバー基板5における有機EL素子2側とは反対側に配置された均熱板6(図2、図3参照)を備えている。ここにおいて、カバー基板5は、有機EL素子モジュール3との対向面に凹所51が形成されており、上記対向面における凹所51の周部を全周に亘って有機EL素子モジュール3と接合してある。これにより、面状発光装置Aは、有機EL素子2の発光部20が、透光性基板1とカバー基板5と接合部4とで囲まれた気密空間内に収納されている。また、面状発光装置Aは、カバー基板5における凹所51の内底面に、水分を吸着する吸湿材7を貼り付けてある。なお、本実施形態では、カバー基板5が、カバー部材を構成している。これにより、面状発光装置Aは、薄型化を図れる。
有機EL素子2は、透光性基板1の上記一表面側に配置され透明導電膜からなる第1電極21と、第1電極21における透光性基板1側とは反対側に配置され有機材料からなる発光層を含む有機EL層22と、有機EL層22における第1電極21側とは反対側に配置され金属膜からなる第2電極23とを備えている。
また、有機EL素子2は、第1電極21と有機EL層22と第2電極23とが重なる発光部20の側方に配置され第1電極21に電気的に接続された第1端子部T1と、発光部20の側方に配置され第2電極23に電気的に接続された第2端子部T2とを備えている。ここで、第2電極23は、第2電極23から延設された引出配線23bを介して、第2端子部T2と電気的に接続されている。
また、有機EL素子2は、第1電極21よりも比抵抗の小さな材料からなり第1電極21における透光性基板1側とは反対側の表面の周部に沿って形成され第1電極21に電気的に接続された補助電極26を備えている。また、有機EL素子2は、透光性基板1の上記一表面側において補助電極26および第1電極21の側縁を覆う絶縁膜29を備えている。有機EL素子2は、この絶縁膜29により、補助電極26および第1電極21と第2電極23との短絡が防止されるようになっている。なお、補助電極26は、第1電極21における透光性基板1側とは反対側の表面の周部の全周に沿った枠状に形成されているが、必ずしも枠状である必要はなく、第1電極21に電気的に接続されていれば、一部が開放された形状(例えば、C字状やU字状など)や、複数個に分断されていてもよい。
有機EL素子2は、透光性基板1の厚み方向において透光性基板1と第1電極21と発光層と第2電極23とが重なる領域が、上述の発光部20を構成しており、発光部20以外の領域が、非発光部となる。ここで、有機EL素子2は、第1電極21、有機EL層22および第2電極23それぞれの平面視形状を、透光性基板1よりも小さな矩形状(図示例では、正方形状)としてある。したがって、発光部20の平面視形状は、透光性基板1よりも小さな矩形状(図示例では、正方形状)となる。また、補助電極26は、平面視形状を矩形枠状(図示例では、正方枠状)としてある。また、絶縁膜29は、平面視形状を矩形枠状(図示例では、正方枠状)としてある。
有機EL素子2は、矩形状の発光部20の所定の平行な2辺の各々に沿ってm個(図1の例では、m=2)の第2端子部T2と〔m+1〕個(図1の例では、3個)の第1端子部T1とが、第2端子部T2の幅方向の両側に第1端子部T1が位置するように配置されている。したがって、図1に示した例では、透光性基板1の長手方向の両端部の各々に、第1端子部T1と第2端子部T2とを備えている。具体的には、有機EL素子2は、透光性基板1の長手方向の両端部の各々において、3つの第1端子部T1が透光性基板1の短手方向に離間して配置されており、透光性基板1の短手方向において隣り合う第1端子部T1間に第2端子部T2が配置されている。
ここで、第1端子部T1は、透明導電性酸化物層24(以下、第1透明導電性酸化物層24とも称する)と金属層27(以下、第1金属層27とも称する)との積層構造を有している。また、第2端子部T2は、透明導電性酸化物層25(以下、第2透明導電性酸化物層25とも称する)と金属層28(以下、第2金属層28とも称する)との積層構造を有している。
また、均熱板6の平面形状は、カバー基板5よりも小さく且つ発光部20よりも大きな矩形状(図示例では、正方形状)としてある。
以下、面状発光装置Aの各構成要素について詳細に説明する。
面状発光装置Aは、透光性基板1の他表面を光出射面(発光面)として用いるものである。したがって、面状発光装置Aでは、透光性基板1の上記他表面のうち、第1電極21、有機EL層22、第2電極23の3つが重複して投影される領域が発光面となる。透光性基板1は、平面視形状を長方形状としてあるが、これに限らず、例えば、正方形状としてもよい。
透光性基板1としては、ガラス基板を用いているが、これに限らず、例えば、プラスチック基板を用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、ソーダガラス基板、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板などを用いることができる。また、プラスチック基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)基板、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエーテルサルフォン(PES)基板、ポリカーボネート(PC)基板などを用いてもよい。
透光性基板1としてガラス基板を用いる場合には、透光性基板1の上記一表面の凹凸が有機EL素子2のリーク電流などの発生原因となることがある(有機EL素子2の劣化原因となることがある)。このため、透光性基板1としてガラス基板を用いる場合には、上記一表面の表面粗さが小さくなるように高精度に研磨された素子形成用のガラス基板を用意することが好ましい。透光性基板1の上記一表面の表面粗さについては、JIS B 0601−2001(ISO 4287−1997)で規定されている算術平均粗さRaを、数nm以下にすることが好ましい。これに対して、透光性基板1としてプラスチック基板を用いる場合には、特に高精度な研磨を行わなくても、上記一表面の算術平均粗さRaが数nm以下のものを低コストで得ることが可能である。
有機EL素子2は、第1電極21が陽極、第2電極23が陰極を構成している。そして、有機EL素子2は、第1電極21と第2電極23との間に介在する有機EL層22が、第1電極21側から順に、ホール輸送層、上述の発光層、電子輸送層、電子注入層を備えている。
上述の有機EL層22の積層構造は、上述の例に限らず、例えば、発光層の単層構造や、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造や、ホール輸送層と発光層との積層構造や、発光層と電子輸送層との積層構造などでもよい。また、第1電極21とホール輸送層との間にホール注入層を介在させてもよい。また、発光層は、単層構造でも多層構造でもよい。例えば、所望の発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3種類のドーパント色素をドーピングするようにしてもよいし、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよいし、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよい。また、第1電極21と第2電極23とで挟んで電圧を印加すれば発光する機能を有する有機EL層22を1つの発光ユニットとして、複数の発光ユニットを光透過性および導電性を有する中間層を介して積層して電気的に直列接続したマルチユニット構造(つまり、1つの第1電極21と1つの第2電極23との間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造)を採用してもよい。
陽極を構成する第1電極21は、発光層中にホールを注入するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が4eV以上6eV以下のものを用いるのが好ましい。第1電極21の電極材料としては、例えば、ITO、酸化錫、酸化亜鉛、IZO(Indium Zinc Oxide)、ヨウ化銅など、PEDOT、ポリアニリンなどの導電性高分子および任意のアクセプタなどでドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。ここにおいて、第1電極21は、透光性基板1の上記一表面側に、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、塗布法などによって薄膜として形成すればよい。
なお、第1電極21のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下がよい。ここで、第1電極21の膜厚は、第1電極21の光透過率、シート抵抗などにより異なるが、500nm以下、好ましくは10nm〜200nmの範囲で設定するのがよい。
また、陰極を構成する第2電極23は、発光層中に電子を注入するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が1.9eV以上5eV以下のものを用いるのが好ましい。第2電極23の電極材料としては、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウム、金、銅、クロム、モリブデン、パラジウム、錫など、およびこれらと他の金属との合金、例えばマグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金を例として挙げることができる。また、金属、金属酸化物など、およびこれらと他の金属との混合物、例えば、酸化アルミニウムからなる極薄膜(ここでは、トンネル注入により電子を流すことが可能な1nm以下の薄膜)とアルミニウムからなる薄膜との積層膜なども使用可能である。第2電極23の電極材料としては、発光層から放射された光に対する反射率が高く、且つ、抵抗率の低い金属が好ましく、アルミニウムや銀が好ましい。
発光層の材料としては、有機EL素子用の材料として知られる任意の材料が使用可能である。例えばアントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体および各種蛍光色素など、上述の材料系およびその誘導体を始めとするものが挙げられるが、これらに限定するものではない。また、これらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、上記化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物のみならず、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料、およびそれらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。また、これらの材料からなる発光層は、蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法など、湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
上述のホール注入層に用いられる材料は、ホール注入性の有機材料、金属酸化物、いわゆるアクセプタ系の有機材料あるいは無機材料、p−ドープ層などを用いて形成することができる。ホール注入性の有機材料とは、ホール輸送性を有し、また仕事関数が5.0〜6.0eV程度であり、第1電極21との強固な密着性を示す材料などがその例であり、例えば、CuPc、スターバーストアミンなどがその例である。また、ホール注入性の金属酸化物とは、例えば、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、亜鉛、インジウム、スズ、ガリウム、チタン、アルミニウムのいずれかを含有する金属酸化物である。また、1種の金属のみの酸化物ではなく、例えばインジウムとスズ、インジウムと亜鉛、アルミニウムとガリウム、ガリウムと亜鉛、チタンとニオブなど、上記のいずれかの金属を含有する複数の金属の酸化物であっても良い。また、これらの材料からなるホール注入層は、蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法などの湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
また、ホール輸送層に用いる材料は、例えば、ホール輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを代表例とする、アリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げることができるが、一般に知られる任意のホール輸送材料を用いることが可能である。
また、電子輸送層に用いる材料は、電子輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、Alq等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体などのヘテロ環を有する化合物などが挙げられるが、この限りではなく、一般に知られる任意の電子輸送材料を用いることが可能である。
また、電子注入層の材料は、例えば、フッ化リチウムやフッ化マグネシウムなどの金属フッ化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどに代表される金属塩化物などの金属ハロゲン化物や、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、チタン、バナジウム、ニオブ、クロム、タンタル、タングステン、マンガン、モリブデン、ルテニウム、鉄、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、シリコンなどの各種金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物など、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、窒化アルミニウム、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化シリコン、窒化ホウ素などの絶縁物となるものや、SiOやSiOなどをはじめとする珪素化合物、炭素化合物などから任意に選択して用いることができる。これらの材料は、真空蒸着法やスパッタ法などにより形成することで薄膜状に形成することができる。
また、引出配線23bの材料は、第2電極23と同じ材料を採用している。ここで、引出配線23bの厚さは、第2電極23と同じ厚さに設定してある。そして、引出配線23bは、第2電極23と連続して形成されている。したがって、本実施形態の面状発光装置Aは、製造時に、引出配線23bと第2電極23とを同時に形成することができる。また、引出配線23bは、第2端子部T2の第2透明導電性酸化物層25における接合部4との接合用領域25aよりも内側に形成されている部位上まで延設されている。引出配線23bの幅(配線幅)寸法は、第1端子部T1との短絡を防止し、且つ、第1端子部T1との間に所定の絶縁距離を確保できるように、第2端子部T2の幅寸法よりもやや小さい値に設定してある。引出配線23bの幅寸法は、第2端子部T2の幅以下であることが好ましいが、エレクトロマイグレーション耐性を高めるために、できるだけ大きな値が好ましい。
また、第1透明導電性酸化物層24および第2透明導電性酸化物層25の材料は、透明導電性酸化物(Transparent Conducting Oxide:TCO)であり、例えば、ITO、AZO、GZO、IZOなどを採用することができる。また、第1透明導電性酸化物層24および第2透明導電性酸化物層25の材料を、第1電極21と同じ材料とし、第1電極21と第1透明導電性酸化物層24と第2透明導電性酸化物層25とを同じ厚さに設定してある。
また、第1金属層27および第2金属層28の材料は、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、クロム、モリブデン、アルミニウム、パラジウム、スズ、鉛、マグネシウムなどの金属や、これら金属の少なくとも1種を含む合金などが好ましい。また、第1金属層27および第2金属層28は、単層構造に限らず、多層構造を採用してもよい。例えば、第1金属層27および第2金属層28は、MoNb層/AlNd層/MoNb層の3層構造を採用することができる。この3層構造において、下層のMoNb層は、下地との密着層として設け、上層のMoNb層は、AlNd層の保護層として設けることが好ましい。また、本実施形態では、第1金属層27の材料と第2金属層28の材料とを同じとし、第1金属層27と第2金属層28とを同じ厚さに設定してある。なお、第1金属層27および第2金属層28は、第2電極23と同じ材料を採用してもよい。
また、補助電極26の材料としては、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、クロム、モリブデン、アルミニウム、パラジウム、スズ、鉛、マグネシウムなどの金属や、これら金属の少なくとも1種を含む合金などが好ましい。また、補助電極26は、単層構造に限らず、多層構造を採用してもよい。例えば、補助電極26は、MoNb層/AlNd層/MoNb層の3層構造を採用することができる。この3層構造において、下層のMoNb層は、下地との密着層として設け、上層のMoNb層は、AlNd層の保護層として設けることが好ましい。本実施形態の面状発光装置Aでは、補助電極26の材料と第1金属層27および第2金属層28の材料とを同じにしてある。これにより、本実施形態の面状発光装置Aでは、製造時に、補助電極26と第1金属層27および第2金属層28とを同時に形成することが可能となり、低コスト化を図れる。
また、絶縁膜29の材料としては、例えば、ポリイミドを採用しているが、これに限らず、例えば、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂などを採用することができる。
上述の有機EL素子2では、第1電極21と第2電極23との間に有機EL層22のみが介在する領域が上述の発光部20を構成しており、発光部20の平面形状が絶縁膜29の内周縁の形状と同じ矩形状(図示例では、正方形状)になっている。ここで、面状発光装置Aは、平面視において有機EL素子2の発光部20以外の部分が非発光部となる。
また、カバー基板5としては、ガラス基板を用いているが、これに限らず、例えば、プラスチック基板を用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、ソーダガラス基板、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板などを用いることができる。また、プラスチック基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)基板、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエーテルサルフォン(PES)基板、ポリカーボネート(PC)基板などを用いてもよい。カバー基板5の材料としては、透光性基板1の材料との線膨張率差の小さな材料が好ましく、カバー基板5と透光性基板1との線膨張率差に起因して発生する応力を低減する観点からは線膨張率差が等しい材料がより好ましい。
カバー基板5は、上述のように、接合部4を介して有機EL素子モジュール3と接合されている。ここで、接合部4と有機EL素子モジュール3との界面は、接合部4と第1端子部T1との第1界面と、接合部4と第2端子部T2との第2界面と、接合部4と透光性基板1との第3界面とがある。
接合部4の材料としては、エポキシ樹脂を用いているが、これに限らず、例えば、アクリル樹脂、フリットガラスなどを採用してもよい。エポキシ樹脂やアクリル樹脂としては、紫外線硬化型のものでもよいし、熱硬化型のものでもよい。また、接合部4の材料として、エポキシ樹脂にフィラー(例えば、シリカ、アルミナなど)を含有させたものを用いてもよい。
吸湿材7としては、例えば、酸化カルシウム系の乾燥剤(酸化カルシウムを練り込んだゲッタ)などを用いることができる。
均熱板6の材料としては、各種の金属の中で熱伝導率が高い金属が好ましく、銅を採用している。均熱板6の材料は、銅に限らず、例えば、アルミニウム、金などでもよい。なお、均熱板6としては、金属箔(例えば、銅箔、アルミニウム箔、金箔など)を用いてもよい。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、カバー基板5における凹所51の開口サイズを絶縁膜29の外周形状のサイズよりも大きく設定してあり、カバー基板5の周部が接合部4を介して有機EL素子モジュール3に接合されている。これにより、面状発光装置Aは、第1電極21および第2電極23が外部に露出しないので、耐湿性を高めることが可能となる。ここで、有機EL素子2のうち外部に露出するのは、第1端子部T1および第2端子部T2の各々の一部である。
ここにおいて、第1端子部T1は、上述のように第1透明導電性酸化物層24と第1金属層27との積層構造を有しているが、第1透明導電性酸化物層24のみにより構成される接合用領域24aを、接合部4の周方向に沿って第1端子部T1の幅方向の全長に亘って設けてある。また、第2端子部T2は、上述のように第2透明導電性酸化物層25と第2金属層28との積層構造を有しているが、第2透明導電性酸化物層25のみにより構成される接合用領域25aを、接合部4の周方向に沿って第2端子部T2の幅方向の全長に亘って設けてある。したがって、接合部4と第1端子部T1との第1界面は、接合部4と第1透明導電性酸化物層24との界面により構成され、接合部4と第2端子部T2との第2界面は、接合部4と第2透明導電性酸化物層25との界面により構成されている。これにより、本実施形態の面状発光装置Aは、接合部4と第1端子部T1および第2端子部T2との接合強度を向上させることが可能となり、しかも、第1金属層27および第2金属層28の経時変化で酸化が生じて第1界面および第2界面の状態が変化することを防止することが可能となり、信頼性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、均熱板6を備えていることにより、有機EL素子2の発光部20の温度の均熱化を図ることが可能となって発光部20の温度の面内ばらつきを低減することが可能となり、しかも、放熱性を向上させることが可能となる。しかして、面状発光装置Aでは、有機EL素子2の温度上昇を抑制することができ、入力電力を大きくして高輝度化を図った場合の長寿命化を図れる。
以下、本実施形態の面状発光装置Aの製造方法について図4〜図9を参照しながら説明する。
まず、ガラス基板からなる透光性基板1の上記一表面側に、同一の透明導電性酸化物(例えば、ITO、AZO、GZO、IZOなど)からなる、第1電極21、第1透明導電性酸化物層24および第2透明導電性酸化物層25を蒸着法やスパッタ法などを利用して同時に形成することによって、図4に示す構造を得る。
次に、透光性基板1の上記一表面側に、例えば、同一の金属材料などからなる、補助電極26、第1金属層27および第2金属層28を蒸着法やスパッタ法などを利用して同時に形成することによって、図5に示す構造を得る。
続いて、透光性基板1の上記一表面側に、樹脂材料(例えば、ポリイミド、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂など)からなる絶縁膜29を形成することによって、図6に示す構造を得る。
その後、透光性基板1の上記一表面側に、有機EL層22を例えば蒸着法などにより形成することによって、図7に示す構造を得る。なお、有機EL層22の形成方法は蒸着法に限らず、例えば、塗布法などでもよく、有機EL層22の材料に応じて適宜選択すればよい。
続いて、透光性基板1の上記一表面側に、同一の金属材料(例えば、アルミニウム、銀など)からなる第2電極23および引出配線23bを蒸着法やスパッタ法などを利用して形成することによって、図8に示す構造の有機EL素子モジュール3を得る。
その後、透光性基板1の上記一表面側に、接合部4の材料(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ガラスフリットなど)4aをディスペンサなどにより塗布することによって、図9に示す構造を得る。ここにおいて、接合部4の材料4aを塗布する塗布工程では、有機EL素子モジュール3の周部に材料4aを矩形枠状に塗布しているが、有機EL素子モジュール3ではなく、カバー基板5における凹所51の周部に接合部4の材料4aを矩形枠状に塗布するようにしてもよい。なお、接合部4の材料4aを塗布する塗布装置は、ディスペンサに限らず、例えば、スクリーン印刷装置、ダイコーター、スリットコーターなどを用いてもよい。
いずれにしても接合部4の材料4aを塗布した後、予め吸湿材7および均熱板6を貼り付けたカバー基板5を有機EL素子モジュール3に重ね合わせ、接合部4の材料4aを未硬化の状態から硬化させることで接合することによって、図1に示す構造の面状発光装置Aを得る。なお、均熱板6は、接合部4の材料4aを硬化させた後で、カバー基板5に貼り付けるようにしてもよい。
本実施形態の面状発光装置Aでは、発光部20の平面サイズを80mm□に設定してあるが、これに限らず、例えば、30〜300mm□程度の範囲で適宜設定すればよい。また、第2端子部T2の幅方向の両側に配置される2つの第1端子部T1、T1の中心間距離を30mmに設定してあるが、この値は一例であり、特に限定するものではない。また、第1電極21の厚さを110nm〜300nm程度の範囲、有機EL層22の厚さを150nm〜300nm程度の範囲、第2電極23の厚さを70nm〜300nm程度の範囲、絶縁膜29の厚さを0.7μm〜1μm程度の範囲、補助電極26、第1金属膜27および第2金属膜28の厚さを300nm〜600nm程度の範囲で適宜設定してあるが、これらの値は特に限定するものではない。
また、補助電極26の幅については、幅が広くなるほど、補助電極26のインピーダンスが低下し、発光部20の輝度の面内ばらつきは低減されるが、非発光部の面積が増加して光束が低下するので、0.3mm〜3mm程度の範囲で設定することが好ましい。本実施形態の面状発光装置Aを複数個並べて光源とする照明器具では、補助電極26の幅を狭くするほど、隣り合う発光部20間の距離を小さくでき、見栄えが良くなる。また、第1端子部T1および第2端子部T2と透光性基板1の周縁との距離は、0.2mmに設定してあるが、この値は特に限定するものではなく、例えば、0.1〜2mm程度の範囲で適宜設定することが好ましい。面状発光装置Aの非発光部の面積を小さくするには、第1端子部T1および第2端子部T2と透光性基板1の周縁との距離を短くすることが好ましいが、第1端子部T1および第2端子部T2と他の金属部材(例えば、照明器具の金属製の器具本体など)との間に所定の沿面距離を確保する必要がある場合には、この沿面距離よりも長い値に設定することが好ましい。
以上説明した本実施形態の面状発光装置Aでは、第1電極21における透光性基板1側とは反対側の表面の周部に沿って形成され第1電極21に電気的に接続された補助電極26を備え、第1端子部T1および第2端子部T2の各々が、透明導電性酸化物層24,25と金属層27,28との積層構造を有しているので、高輝度化および輝度の面内均一性の向上を図ることが可能となる。しかも、本実施形態の面状発光装置Aでは、第1端子部T1および第2端子部T2の各々では透明導電性酸化物層24,25のみが接合部4と接しているので、接合部4と第1端子部T1および第2端子部T2との接合強度を向上させることが可能となり、しかも、第1金属層27および第2金属層28の経時変化で酸化が生じて第1界面および第2界面の状態が変化することを防止することが可能となり、信頼性を向上させることが可能となる。本実施形態の面状発光装置Aと、第1端子部T1および第2端子部T2で金属層27,28を接合部4と接するようにした比較例とで、発光部20において発光しないエリア(ダークエリア)が、発光部20のエッジから規定距離だけ進行するのにかかる時間を比較したところ、本実施形態の面状発光装置Aの方が、より長い時間を要することが確認された。したがって、本実施形態の面状発光装置Aでは、水分や酸素を遮断する性能であるガスバリア性の向上を図れ、長寿命化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、第1端子部T1の幅の合計寸法と第2端子部T2の幅の合計寸法とを同じ値に設定することにより、有機EL素子2へ流す電流を大きくすることが可能となり、また、発光効率の向上を図れる。また、本実施形態の面状発光装置Aでは、引出配線23bの引出配線23bに臨界電流密度(金属がアルミニウムの場合には1×105A/cm2)以上の電流が長時間にわたって流れると、エレクトロマイグレーションが起こり、断線が起こりやすくなってしまう懸念がある。これに対して、ITOなどのTCOにより形成され第1電極21に連続した第1透明導電性酸化物層24は、引出配線23bに比べて、臨界電流密度が大きく、臨界電流密度に対するマージンが大きい。したがって、本実施形態の面状発光装置Aでは、第2端子部T2の幅の合計寸法を第1端子部T1の幅の合計寸法よりも大きくすることでエレクトロマイグレーション耐性(以下、EM耐性と略称する)を向上させることが可能となる。なお、図1について見れば、第2端子部T2の幅の合計寸法とは、4個の第2端子部T2の幅(図1における上下方向の寸法)の合計寸法であり、第1端子部T1の幅の合計寸法とは、6個の第1端子部T1の幅(図1における上下方向の寸法)の合計寸法である。
また、本実施形態の面状発光装置Aは、平面視形状が矩形状の発光部20の所定の平行な2辺の各々に沿ってm個(m≧1)の第2端子部T2と〔m+1〕個の第1端子部T1とが、第2端子部T2の幅方向の両側に第1端子部T1が位置するように配置されており、第1透明導電性酸化物層24と第2透明導電性酸化物層とが同じ厚さに設定されている。これにより、本実施形態の面状発光装置Aでは、接合部4の第1端子部T1および第2端子部T2に対する接合強度や密着性を揃えることが可能となり、信頼性をより向上させることが可能となる。
ところで、本願発明者らは、接合部4の幅を設定するにあたり、接合部4の材料をエポキシ樹脂とし、所定の信頼性を満足するのに必要な吸湿材7の量(質量)をシミュレーションにより求めたので、その結果を図10に示す。ここで、所定の信頼性としては、ダークエリアが発光部20のエッジから100μmだけ進行するのに要する時間が10万時間の条件を規定した。図10は、横軸が接合部4の幅、縦軸が相対吸湿材量である。
図10から、吸湿材7の量を少なくするには、接合部4の幅を0.5mm以上とすることが好ましいことが分かる。吸湿材7の量が多くなると、吸湿材7での熱容量が大きくなり、放熱性が低下してしまう懸念がある。
しかして、本実施形態の面状発光装置Aのように、カバー部材であるカバー基板5における有機EL素子モジュール3との対向面側に配置された吸湿材7を備えた構成では、第1端子部T1および第2端子部T2において、透明導電性酸化物層24,25のみが形成されている部位の長さが少なくとも0.5mmであることが好ましい。これにより、ガスバリア性の向上を図りながらも、放熱性の向上を図れて高輝度化を図ることが可能となる。
また、本願発明者らは、接合部4の材料をエポキシ樹脂とし、透明導電性酸化物層24,25の材料をITOとして、透明導電性酸化物層24,25のみで形成されている部分の長さをdとし、dを種々変化させた場合について、透明導電性酸化物層24,25のみで形成されている部分での電圧降下をシミュレーションにより求めたので、その結果を図11に示す。なお、このシミュレーションでは、透明導電性酸化物層24,25の厚さを300nmとし、有機EL素子2への通電電流を250mAとした。
本実施形態の面状発光装置Aでは、図11から分かるように長さdが大きくなるほど、透明導電性酸化物層24,25のみで形成されている部分での電圧降下が大きくなり、電力効率が低下するので、この電圧降下を例えば0.5V以下にするために、長さdを5mm以下で設定することが好ましい。
また、本実施形態の面状発光装置Aでは、透光性基板1の上記一表面側において補助電極26および第1電極21の側縁を覆う絶縁膜29を備え、接合部4と絶縁膜29とが離れているので、接合部4と絶縁膜29の一部とが重なる場合に比べて、ガスバリア性を向上させることが可能となり、信頼性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置Aについて、有機EL層22の厚さを種々変化させた場合について、駆動電流を250mA一定として、駆動電圧を測定した結果を図12に示す。図12から、有機EL層22の厚さを厚くするにつれて駆動電圧が増加する傾向にあることが分かる。したがって、有機EL層22の厚さが比較的薄い場合(例えば、発光層の発光ユニット1が1つであるシングルユニット構造の場合など)、有機EL層22の厚さが比較的厚い場合(例えば、発光層の発光ユニットが複数であるマルチユニット構造の場合など)に比べて、駆動電圧が低いので、上述の長さdをより短くすることが好ましい。また、本実施形態の面状発光装置Aでは、有機EL層22の厚さが厚くなることにより、駆動電圧が高くなるので、透明導電性酸化物層24,25のみで形成されている部分での電圧降下による電力効率の効率損を小さくすることが可能となる。ここで、本実施形態の面状発光装置Aについて、駆動電流を250mA一定として、駆動電圧を種々変化させた場合について、効率損をシミュレーションした結果を図13に示す。図13から分かるように、駆動電圧が大きくなるほど、効率損が小さくなる。
ところで、透光性基板1の平面視形状は、矩形状の場合、長方形状に限らず、正方形状でもよい。透光性基板1の平面視形状が正方形状の場合は、発光部20の平面形状を長方形状とし、当該長方形状の発光部20における2つの短辺を上記所定の2辺とすればよい。また、透光性基板1の平面視形状を長方形状として、発光部20の平面視形状を透光性基板1とは非相似の長方形状として、当該長方形状の発光部20における2つの長辺を上記所定の2辺としてもよい。また、透光性基板1の平面視形状は、矩形状に限らず、例えば、円形状や、三角形状、角の数が5以上の多角形状でもよい。
上述の有機EL素子2では、透明導電膜からなる第1電極21が陽極を構成し、第1電極21よりもシート抵抗が小さな第2電極23が陰極を構成しているが、第1電極21が陰極を構成し、第2電極23が陽極を構成してもよく、いずれにしても、透明導電膜からなる第1電極21を通して光を取り出すことが可能であればよい。
また、実施形態で説明した面状発光装置Aは、例えば、照明用の光源として好適に用いることができるが、照明用に限らず、他の用途に用いることも可能である。
A 面状発光装置
1 透光性基板
2 有機EL素子
3 有機EL素子モジュール
4 接合部
5 カバー基板(カバー部材)
7 吸湿材
20 発光部
21 第1電極
22 有機EL層
23 第2電極
24 透明導電性酸化物層
25 透明導電性酸化物層
26 補助電極
27 金属層
28 金属層
29 絶縁膜
T1 第1端子部
T2 第2端子部

Claims (4)

  1. 透光性基板および前記透光性基板の一表面側に形成された有機EL素子を有する有機EL素子モジュールと、前記有機EL素子モジュールに前記有機EL素子の発光部を囲む枠状の接合部を介して接合されたカバー部材とを備え、前記有機EL素子は、前記透光性基板の前記一表面側に配置され透明導電膜からなる第1電極と、前記第1電極における前記透光性基板側とは反対側に配置され少なくとも発光層を含む有機EL層と、前記有機EL層における前記第1電極側とは反対側に配置され金属膜からなる第2電極と、前記第1電極と前記発光層と前記第2電極とが重なる発光部の側方に配置され前記第1電極に電気的に接続された第1端子部と、前記発光部の側方に配置され前記第2電極に電気的に接続された第2端子部と、前記第1電極よりも比抵抗の小さな材料からなり前記第1電極における前記透光性基板側とは反対側の表面の周部に沿って形成され前記第1電極に電気的に接続された補助電極とを備え、前記第1端子部および前記第2端子部は、各々、透明導電性酸化物層と金属層との積層構造を有し、前記透明導電性酸化物層のみが前記接合部と接していることを特徴とする面状発光装置。
  2. 前記発光部の平面視形状が矩形状であり、当該矩形状の前記発光部の所定の平行な2辺の各々に沿ってm個(m≧1)の前記第2端子部と〔m+1〕個の前記第1端子部とが、前記第2端子部の幅方向の両側に前記第1端子部が位置するように配置されており、前記第1端子部の前記透明導電性酸化物層と前記第2端子部の前記透明導電性酸化物層とは同じ厚さに設定されていることを特徴とする請求項1記載の面状発光装置。
  3. 前記カバー部材における前記有機EL素子モジュールとの対向面側に配置された吸湿材を備え、前記第1端子部および前記第2端子部は、前記透明導電性酸化物層のみが形成されている部位の長さが少なくとも0.5mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の面状発光装置。
  4. 前記透光性基板の前記一表面側において前記補助電極および前記第1電極の側縁を覆う絶縁膜を備え、前記絶縁膜が前記接合部よりも内側にあり且つ前記接合部から離れていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の面状発光装置。
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