JP2012188468A - 複合粒子の製造方法、複合粒子、複合粒子内添紙及び塗工紙 - Google Patents

複合粒子の製造方法、複合粒子、複合粒子内添紙及び塗工紙 Download PDF

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Abstract

【課題】粒度分布が狭い複合粒子を得ることができる複合粒子の製造方法を提供することを目的とする。加えて、このような製造方法により得られた複合粒子、この複合粒子が内添された複合粒子内添紙、及びこの複合粒子を塗工層に含む塗工紙を提供することも目的とする。
【解決手段】本発明は、無機粒子を複合させて得られる複合粒子の製造方法であって、上記無機粒子として少なくとも2種類の粒子をケイ酸アルカリ水溶液中に懸濁させて、無機粒子の懸濁液を得る懸濁工程と、この懸濁液に鉱酸を添加し、無機粒子の表面にシリカを析出させて無機粒子を凝集させる凝集工程とを有することを特徴とする。上記無機粒子のメディアン径が0.5μm以上2μm以下であり、かつ、モード径がメディアン径より小さいことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、複合粒子の製造方法、複合粒子、複合粒子内添紙及び塗工紙に関する。
近年、資源問題及び経費削減の観点から新聞用紙等の紙は軽量化される傾向にある。しかしながら、紙を軽量化した場合、白紙不透明度や印刷後不透明度(以下、両不透明度を単に「不透明度」ともいう。)が低下するという不都合が生じる。この対策として紙に種々の粒子を填料として内添、又は顔料として塗工し、不透明度を高めるということが一般に行われている。
上記粒子としては、通常、カオリン、タルク、二酸化チタン、水和ケイ酸(ホワイトカーボン)、尿素−ホルマリンポリマー微粒子等が用いられている。また、各粒子の高機能化を図るべく、粒子の複合化が試みられている。この複合化としては、例えば出願人は、再資源化にて得られた再生粒子にシリカを被覆させた複合粒子を開発している(特開2008−81390号公報参照)。また、無機微粒子にシリカを被覆させた複合無機粒子を填料として用いた嵩高紙(特開2003−49389号公報参照)や、軽質炭酸カルシウムにシリカを被覆させた軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物(特開2005−219945号公報参照)が提案されている。
しかしながら、上記複合粒子の製造においては、核となる粒子表面にシリカを析出させる際に析出にムラが生じることなどにより、均一でかつ所望する粒径の複合粒子を得ることが困難である。このような複合粒子を填料として用いると、粒径の小さい粒子の存在により歩留まりが下がり、一方、粒径の大きい粒子の存在により紙力が弱まり、印刷適性等が低下するという不都合がある。
特開2008−81390号公報 特開2003−49389号公報 特開2005−219945号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、粒度分布が狭い複合粒子を得ることができる複合粒子の製造方法を提供することを目的とする。加えて、このような製造方法により得られた複合粒子、この複合粒子が内添された複合粒子内添紙、及びこの複合粒子を塗工層に含む塗工紙を提供することも目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
無機粒子を複合させて得られる複合粒子の製造方法であって、
上記無機粒子として少なくとも2種類の粒子をケイ酸アルカリ水溶液中に懸濁させて、無機粒子の懸濁液を得る懸濁工程と、
この懸濁液に鉱酸を添加し、無機粒子の表面にシリカを析出させて無機粒子を凝集させる凝集工程と
を有することを特徴とする。
上記無機粒子(無機粒子全体)のメディアン径が0.5μm以上2μm以下であり、かつ、モード径がメディアン径より小さいことが好ましい。この場合、複合粒子の製造方法に用いる無機粒子の粒度分布が、相対的に粒径の小さい粒子を多く含む状態となっている。このような粒度分布を有する無機粒子にシリカを被覆させると、無機粒子のうち粒径の小さいものは表面へのシリカの析出とともに複数の粒子の凝集が進む一方、粒径の大きいものはシリカの析出が主で、凝集は進みにくい傾向となる。従って、当該複合粒子の製造方法によれば、粒度分布が狭い複合粒子を得ることができる。つまり、当該複合粒子の製造方法によれば、製紙に用いられる填料や顔料として好適な複合粒子を効率的に得ることができる。
上記無機粒子が、メディアン径が1μm以上3μm以下である粒子Aと、メディアン径が0.2μm以上1μm未満である粒子Bとを含むことが好ましい。上記無機粒子として上記粒子Aと粒子Bとを用いることで、無機粒子を上述の粒度分布状態としやすくなる。従って、当該複合粒子の製造方法によれば、容易に粒度分布が狭い複合粒子を得ることができる。
上記粒子Aが、製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程を経て得られた再生粒子、及び重質炭酸カルシウム粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であるとよい。上記再生粒子及び重質炭酸カルシウム粒子は、粒度分布が広くかつ不定形である。従って、当該複合粒子の製造方法によれば、上述の粒径の違いによるシリカの析出の差、ひいては凝集性の差を効果的に活用することができるため、粒度分布の狭い複合粒子を得やすくなる。さらに、当該製造方法によれば、重質炭酸カルシウム粒子が表面に多数のナイフエッジを有する点や、再生粒子の白色度が十分ではない点を、表面をシリカで被覆することで改善することができ、これらの無機粒子の活用の幅を広げることができる。
上記粒子Bが二酸化チタン粒子であるとよい。当該複合粒子の製造方法によれば、このように粒径の小さい粒子Bとして二酸化チタン粒子を用いることで、例えば得られる複合粒子を填料として用いた際、通常歩留まりの低い二酸化チタン粒子を紙中に留まらせることができ、不透明度を高めることができる。
本発明の複合粒子は、上記製造方法にて得られたものである。当該複合粒子は、粒度分布幅が狭いため、填料として用いた際に高い歩留まり性を有し、得られる紙の印刷適性も高めることができる。また、当該複合粒子は、核となる1又は複数の無機粒子及び析出したシリカを備えるため、不定形かつ多孔質状である。従って、当該複合粒子によれば、光散乱能及び吸油能が高いため、紙の白紙不透明度及び印刷後不透明度を高めることができる。
当該複合粒子においては、メディアン径が3μm以上10μm以下であり、かつ、粒径2μm以下の粒子割合が20%以下であるとよい。当該複合粒子は、メディアン径が上記範囲であることに加えて、紙中に留まりにくい粒径2μm以下の粒子割合が20%以下であるため、歩留まり性をより高めることができる。
本発明の複合粒子内添紙は、上記複合粒子が内添されたものである。当該複合粒子内添紙によれば、上記複合粒子が内添されているため、この填料としての複合粒子の歩留まりが高く、不透明度を高めることができ、印刷適性にも優れる。
本発明の塗工紙は、基紙と、この基紙の少なくとも一方の面に形成される1層又は複数層の塗工層とを有する塗工紙であって、上記塗工層が上記複合粒子を含有することを特徴とする。当該塗工紙によれば、上記複合粒子を顔料として塗工層に用いているため、不透明度及び印刷適性に優れる。
なお、本発明におけるメディアン径、モード径及び粒径は、体積基準であり、具体的には、日機装社製マイクロトラック粒度分布測定装置(型番:MT−3300)を用い、測定回数:Avg/2、測定時間:10秒、分布表示:体積、粒径区分:標準、計算モードMT−3300II、測定上限2000μm、測定下限0.021μmの条件下で測定することができる。
以上説明したように、本発明の複合粒子の製造方法によれば、粒度分布が狭い複合粒子を得ることができる。従って、本発明の複合粒子によれば、填料として用いることで歩留まりが高く、填料又は塗工紙における顔料として用いることで紙の不透明度及び印刷後不透明度を高めることができる。また、当該複合粒子内添紙及び塗工紙によれば、填料又は顔料として当該複合粒子を用いているため、歩留まりや不透明度向上効果が高く、印刷適性にも優れている。
以下、本発明の複合粒子の製造方法、複合粒子、複合粒子内添紙及び塗工紙の実施の形態を詳説する。
<複合粒子の製造方法>
本発明の複合粒子の製造方法は、
(1)無機粒子として少なくとも2種類の粒子をケイ酸アルカリ水溶液中に懸濁させて、無機粒子の懸濁液を得る懸濁工程と、
(2)この懸濁液に鉱酸を添加し、無機粒子の表面にシリカを析出させて無機粒子を凝集させる凝集工程と
を有する。
<(1)懸濁工程>
本工程においては、無機粒子として少なくとも2種類の粒子をケイ酸アルカリ水溶液中に懸濁させて懸濁液を得る。ケイ酸アルカリ水溶液は特に限定されないが、ケイ酸ナトリウム溶液(3号水ガラス)が入手に容易である点で好ましいましい。
珪酸アルカリ溶液の濃度は水溶液中の珪酸分(SiO換算)で3〜10質量%が好適である。10質量%を超えると形成される複合粒子は生成するホワイトカーボンで被覆されてしまい、芯部の炭酸カルシウムの不定形性、光学的特性が発揮されなくなってしまう場合がある。また、3質量%未満では複合粒子中のシリカ成分が低下するため、シリカが被覆された複合粒子が形成しにくくなってしまう。
また、この懸濁液の固形分濃度としては、3〜35質量%が好ましい。この濃度を上記範囲で調整することにより、得られる複合粒子の粒径、粒度分布、シリカ含有率等を所望する範囲に制御しやすくなる。
上記無機粒子としては、メディアン径が0.5μm以上2μm以下であり、かつ、モード径がメディアン径より小さい無機粒子を用いることが好ましい。
当該複合粒子の製造方法に用いる無機粒子は、メディアン径が上記範囲であり、かつ、モード径がメディアン径より小さいため、相対的に粒径の小さい粒子を多く含む粒度分布となっている。このような粒度分布を有する無機粒子に、後の凝集工程においてシリカを被覆させると、無機粒子のうち粒径の小さいものは表面へのシリカの析出とともに複数の粒子の凝集が進む一方、粒径の大きいものはシリカの析出が主で、凝集は進みにくい傾向となる。従って、当該複合粒子の製造方法によれば、粒度分布が狭い複合粒子を得ることができる。つまり、当該複合粒子の製造方法によれば、製紙に用いられる填料や顔料として好適な複合粒子を効率的に得ることができる。
なお、用いる無機粒子においてモード径がメディアン径より大きいと、比較的大きい粒子も初期段階から凝集が生じ、粒径差による均一凝集性が発揮されない。従って、この場合は、得られる複合粒子の粒径が全体として大きくなるため、シャープな粒度分布を得ることができない場合が有る。
上記無機粒子のメディアン径の下限としては、0.5μmであることが好ましく、0.65μmがさらに好ましい。一方、このメディアン径の上限としては、2μmが好ましく、1μmがさらに好ましい。無機粒子のメディアン径が上記下限未満の場合は、十分な粒径の複合粒子を得ることができない場合が有る。逆に、このメディアン径が上記上限を超える場合は、得られる複合粒子の粒径が大きくなりすぎるため、例えば填料として使用した場合に紙力が低下するなどの不都合が生じるおそれが有る。
上記無機粒子のモード径は、上記メディアン径より小さいことが好ましいが、メディアン径より0.1μm以上小さいことがより好ましく、0.15μm以上0.3μm以下小さいことがさらに好ましい。モード径とメディアン径との差をこのような範囲とすることで、比較的小さい粒子の凝集性と、比較的大きい粒子の非凝集性がバランスよく調整され、得られる複合粒子の粒度分布をよりシャープにすることができる。この差が、0.1μm未満の場合は、粒径差による均一凝集性が十分に発揮されず、シャープな粒度分布の複合粒子が得られない場合がある。逆に、この差が、0.3μmより大きい場合は、小さい粒子が十分な粒径にまで凝集しにくく、結果として、同様に粒度分布がシャープになりにくい場合がある。
また、上記無機粒子のモード径の具体的下限としては、0.2μmが好ましく、0.5μmがさらに好ましい。無機粒子のモード径を上記下限未満とすると、小さい粒子が多量となることで、凝集が進行しても十分な粒度が得られないおそれがある。
このような粒径を有する無機粒子は、メディアン径の異なる複数種の粒子を混合することで容易に得ることができる。具体的には、上記無機粒子が、メディアン径が1μm以上3μm以下である粒子Aと、メディアン径が0.2μm以上1μm未満である粒子Bとを含むとよい。上記無機粒子として上記粒子Aと粒子Bとを用いることで、無機粒子を上述の粒度分布状態としやすくなる。
<粒子A>
粒子Aの好ましいメディアン径は、1μm以上3μm以下であるが、1.2μm以上2μm以下がさらに好ましい。粒子Aのメディアン径を上記範囲とすることで、凝集工程の際に、粒子Aを核として、効率的な凝集を進めることができる。粒子Aのメディアン径が上記上限を超えると、得られる複合粒子の粒径が大きくなりすぎる。逆に、この粒子Aのメディアン径が上記下限未満の場合は、十分な粒径の複合粒子を得にくくなる。
粒子Aの種類としては、特に限定されず、例えば重質炭酸カルシウム粒子、軽質炭酸カルシウム粒子、再生粒子、カオリン、タルク、水和ケイ素、ホワイトカーボン等を用いることができるが、これらの中でも、再生粒子及び重質炭酸カルシウム粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であるとよい。
上記再生粒子及び重質炭酸カルシウム粒子は、粒度分布が広くかつ不定形である。従って、当該複合粒子の製造方法によれば、上述の粒径の違いによるシリカの析出の差、ひいては凝集性の差を効果的に活用することができるため、粒度分布の狭い複合粒子を得やすくなる。また、不定形である再生粒子や有する重質炭酸カルシウムは、凝集工程において、この表面のくぼみ部分に粒子Bが固定され、得られる複合粒子の強度を高めることができる。さらに、当該製造方法によれば、重質炭酸カルシウム粒子が表面に多数のナイフエッジを有する点や、再生粒子の白色度が十分ではない点を、表面をシリカで被覆することで改善することができ、これらの無機粒子の活用の幅を広げることができる。
<重質炭酸カルシウム粒子>
この重質炭酸カルシウムは、天然の石灰石を粉砕・分級する方法で調製することができるし、粉粒体として入手できる市販の重質炭酸カルシウムを必要に応じて粉砕・分級して用いることもできる。ここでいう粉砕には、例えば、ロールミル、ジェットミル、乾式ボールミル、衝撃式粉砕機等の乾式粉砕機による粉砕、湿式ボールミル、振動ミル、攪拌槽型ミル、流通管型ミル、コボールミル等の湿式粉砕機による粉砕が挙げられ、これらの粉砕機を適宜組み合わせて使用することもできる。
また、分級方法としては、例えば、共振振動ふるい、ローヘッドスクリーン、電磁スクリーン等のふるい分け、ミクロンセパレーター、サイクロン等の乾式分級、デカンタ型遠心分離機、液体サイクロン、ドラッグ分級機等の湿式分級が挙げられ、これらの分級機を適宜組み合わせて使用することができる。
この重質炭酸カルシウムとしては、通称マーブル(Marble)とよばれるマグマ活動による熱変成をうけた硬い石灰石から得られるものが好ましい。日本国内で産出する重質炭酸カルシウムの原料となる石灰石のほとんど全てはこのタイプに属している。このMarble系原石を用いて製造される重質炭酸カルシウムの粒子は不定形をしており、粒子表面には多数のナイフエッジが存在しているため、プラスチツクワイヤーに対する磨耗が大きく、プラスチツクワイヤーを使用した中性抄紙の填料としては不適であるとされている。しかしながら、当該製造方法によれば、この不定型さ及びナイフエッジの存在が逆に、凝集により得られる複合粒子のシャープさを高めていると考えられる。
<再生粒子>
上記再生粒子は、製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程を経て得られたものである。このような工程を経て得られた再生粒子は、過燃焼が抑えられており、スラリー化の際の増粘を抑制することができる。また、上記再生粒子は、不定形状かつ多孔質形状であるため、上述のように凝集の際、比較的粒径の小さい二酸化チタン粒子を孔部分等に固定することが可能である。なお、この再生粒子の好ましい製造方法については、後に詳述する。
<粒子B>
粒子Bの好ましいメディアン径は、0.2μm以上1μm未満であるが、0.3μm以上0.7μm以下がさらに好ましい。また、粒子Bのメディアン径が、粒子Aのメディアン径の1/5以上1/2以下であることが好ましい。粒子Bのメディアン径を上記範囲とすることで、凝集の際に、粒子Aを核として粒子Bが効率的に凝集することができる。
粒子Bのメディアン径が上記下限未満の場合は、凝集が効率的に進まず、十分な粒径でかつ、粒度分布がシャープな複合粒子を得にくくなる。逆に、粒子Bのメディアン径が上記上限を超える場合は、得られる複合粒子の粒径が大きくなりすぎ、かつ、粒度分布もブロードになる傾向がある。
粒子Bの配合割合としては、無機粒子全体に対して、20質量部以上70質量部以下が好ましい。また、粒子Aと粒子Bとの質量比において、80:20〜30:70の範囲であることが好ましい。このような、配合比とすることで、無機粒子全体の粒度分布を広くしつつ、相対的に粒径が小さい粒子を適当量存在させることができる。つまり、このような配合比とすることで、所望するサイズを有し、粒度分布が狭い複合粒子を効率的に得ることができる。加えて、相対的に小さい粒子である粒子Bを上記範囲で配合することで、粒子界面による光の屈折及び反射を十分に活用でき、得られる複合粒子の白紙不透明度等を高めることができる。この効果は、粒子Bとして、例えば屈折率の高い二酸化チタン粒子等を用いたときに、より顕著に奏される。
粒子Bの種類としては特に限定されず、例えば、二酸化チタン粒子、カオリン、タルク、水和ケイ素、ホワイトカーボン等を用いることができる。これらの中でも、二酸化チタン粒子が好ましい。
<二酸化チタン粒子>
二酸化チタン粒子は、屈折率が高く、光散乱能に優れる。従って、二酸化チタン粒子を粒子Bに用いることで、得られる複合粒子を填料として用いた際、通常歩留まりの低い二酸化チタン粒子を紙中に留まらせることができ、不透明度を高めることができる。
上記二酸化チタン粒子としては、特に限定されず、製紙用として公知のものを用いることができる。この二酸化チタン粒子の結晶形態としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型等のいずれも使用することができるが、ルチル型又はアナターゼ型を用いることが好ましい。
なお、これらの無機粒子は、所望する粒径となるように予め粉砕しておくことが好ましい。粉砕方法としては、乾式粉砕機や湿式粉砕機による粉砕が可能であり、乾式粉砕機、湿式粉砕機を複数段設けることやこれらを適宜組み合わせて粉砕することができる。湿式粉砕前に乾式粉砕等の手段によりにより予め小粒子化しておくことが粉砕効率上、より好ましい。
乾式粉砕機としては、例えば、数mmのものを数十μmにまで粉砕する粉砕機としてロールクラッシャ、ローラーミル、スタンプミル、エッジランナ、カッタミル、ロッドミルなどを例示することができる。また数μm以下に粉砕する粉砕機としてローラーミル、ジェットミル、乾式ボールミル、衝撃式粉砕機などが使用できる。
湿式粉砕機としては、湿式ボールミル、振動ミル、攪拌槽型ミル、流通管型ミル、コボールミルなどが使用できる。湿式粉砕では無機粒子に水を加えてスラリー化するが、この際、均一に分散するために分散剤を添加してもよい。分散剤を添加することによって、スラリーを高濃度化しても粘度上昇を防止することができる、分散剤として使用されるポリアクリル酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、リン酸塩、オレフィン、無水マレイン酸共重合体、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の一種以上を必要に応じて使用することが好ましい。ほか、湿式粉砕による粘度上昇を防止し、粉砕効率やハンドリング性を向上させることができる。
<(2)凝集工程>
本工程においては、上記懸濁液に鉱酸を添加し、無機粒子の表面にシリカを析出し被覆させ、無機粒子の少なくとも一部を凝集させる。
なお、当該製造方法においては、懸濁工程で得られた懸濁液中の無機粒子に対して、凝集剤等を用いて凝集させてからシリカの析出により凝集を進めるより、無機粒子に対して直接シリカを析出させて凝集させることが、シャープな粒度分布を有する複合粒子を得られる点で好ましい。このように、直接シリカを析出させると得られる複合粒子がシャープな粒度分布となる理由は定かではないが、懸濁液中に様々な粒径の無機粒子を存在させておくことで、これらの粒子の中で体積(表面積)が小さい粒子に優先的にシリカの析出が生じ、本発明の作用効果である凝集性の差が効果的に奏されるためであると考えられる。
上記鉱酸としては希硫酸、希塩酸、希硝酸等の鉱酸の希釈液等が挙げられるが、価格、ハンドリングの点で希硫酸が好ましい。さらに、希硫酸を使用する場合の添加時の濃度としては、0.2〜4.0モル%が好ましい。過度の濃度の鉱酸添加は、得られる複合粒子に変質が生じるおそれがある。
また、鉱酸添加量が多いほど短時間内にシリカが析出するので、それらの条件に合わせて添加速度を調整することが好ましい。なお、5分以内の添加は、均一な反応系の構成が不十分になる。
この凝集工程における反応温度としては、60℃以上100℃以下が好ましい。本発明者らの鋭意検討の結果から、本発明に使用する無機粒子との反応温度はシリカの生成、結晶成長速度及び形成された複合粒子の力学的強度に影響を及ぼす。反応温度が60℃未満ではシリカの生成・成長速度が遅く、形成された複合粒子の被覆性に劣り、被覆の剥落が生じやすく、填料内添紙の抄造時にかかる剪断力で被覆が壊れやすい。逆に100℃を超えると、水系反応であるためオートクレーブを使用しなければならないため反応工程が複雑になってしまう。なお、最適反応温度は65〜95℃である。
この凝集工程においては、上述のように鉱酸の添加によりシリカゾルを生成させ、上記懸濁液を中性〜弱アルカリ性、好ましくはpHを8〜11の範囲に調整することにより複合粒子を得ることができる。この際、上記懸濁液の温度が60℃以上100℃以下であるとともに、上記複合粒子におけるシリカ含有率が2質量%以上30質量%以下となる範囲で鉱酸を添加するとよい。このような温度及び鉱酸添加量に制御すること、より好適には、凝集工程の保持時間を30〜120分、より好適には45分から100分保つことにより粒径の小さいものはシリカの被覆とともに複数の粒子の凝集が進んでいる一方、粒径の大きい無機粒子に対しては、表面、特に析出しやすい先端部分へのシリカ析出に留まり、他の粒子との凝集が生じるほどの被覆が生じないによって、上述の粒度分布の狭い複合粒子を効率的に得ることができる。保持時間が30分を下回ると、粒径の小さな無機粒子(粒子B等)の凝集が不十分になり、120分を上回ると、過度のシリカ被覆が生じ、過大な粒径の複合粒子が生じる場合がある。
<複合粒子>
本発明の複合粒子は、上記製造方法にて得られたものである。当該複合粒子は、粒度分布幅が狭いため、填料として用いた際に高い歩留まり性を有し、得られる紙の印刷適性も高めることができる。また、当該複合粒子は、核となる1又は複数の無機粒子及び析出したシリカを備えるため、不定形かつ多孔質状である。従って、当該複合粒子によれば、光散乱能及び吸油能が高いため、紙の白紙不透明度及び印刷後不透明度を高めることができる。
特に元来ポーラスな構造を有する再生粒子又は形状が複雑でナイフエッジを有する重質炭酸カルシウムと高い白色度と不透明性を有しながら微細なために歩留まりが低い二酸化チタンを組み合わせた無機微粒子に対し、シリカを析出させる組み合わせが、本発明の課題である粒度分布が狭い複合粒子を効率的に得ることができる。
当該複合粒子のメディアン径は、3μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上7μm以下がさらに好ましい。当該複合粒子のメディアン径をこのような範囲とすることで、填料又は顔料として用いたときの不透明度等を効率的に高めることができる。当該複合粒子のメディアン径が上記下限未満の場合は、填料として用いたときに歩留まりが十分に向上しないおそれがあり、また、不透明度向上能も十分ではない。一方、このメディアン径が上記上限を超えると填料として用いた場合、パルプ繊維間の強度を低下させる結果、紙力が低下したり、ワイヤー磨耗度が高まる場合があり、また、粒径が大きいことで、スラリー又は塗工液中での均一分散性が低下し、不透明度及び印刷後不透明度が低下するおそれがある。
当該複合粒子の粒径が2μm以下の粒子割合は、好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは、10%以上18%以下である。当該複合粒子によれば、紙中に留まりにくい粒径2μm以下の粒子の割合を抑えているため、歩留まり性を高めることができる。特に当該複合粒子によれば、好適な例として、粒子Bに、通常歩留まりが悪い二酸化チタン粒子を用いた場合にもいても、このように得られる複合粒子における小さい粒径を少なくし、二酸化チタン粒子の諸性能を効果的に活用することができる。
当該複合粒子におけるシリカの含有率としては、2質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%以下がさらに好ましい。シリカの含有率をこのような範囲とすることで、粒径の小さい無機粒子に対しては、複数の粒子が柔軟に凝集するほど十分な表面へのシリカ析出量となり、粒径の大きい無機粒子に対しては、表面、特に析出しやすいナイフエッジ等の先端部分へのシリカ析出に留まり、他の粒子との凝集が生じるほどの被覆が生じない。従って、当該複合粒子によれば、粒度分布の広い無機粒子をこのような質量比のシリカで被覆することで、粒度分布の狭い凝集体状態に制御されやすくなり、結果として複合粒子の歩留向上、吸油度や不透明度を高め、ワイヤー磨耗度の低減を図ることができる。
シリカの含有率が上記下限未満の場合は、無機粒子を十分に凝集させることができず、得られる複合粒子の粒度分布が狭まりにくく、その結果、填料として用いた際の歩留まりが向上しないおそれがある。逆に、シリカ含有率が上記上限を超える場合は、粒径の比較的大きい無機粒子の凝集までもが進みやすくなる。その結果、得られる複合粒子において粒径が大きい粒子が増え、同様に粒度分布が狭まりにくく、不透明度向上能が十分ではなく、また、粒径の大きい粒子が多いため、紙力が低下したり、紙粉が生じやすくなるおそれがある。
<用途、品質等>
当該複合粒子は、製紙の際の内添填料又は塗工用顔料として、単独で又は通常の炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の顔料と混合して好適に用いることができる。
当該複合粒子を内添填料や塗工用顔料として使用する場合、例えば、上記通常の内添用填料や塗工用顔料の合計量に対して、当該複合粒子を5〜100質量%、好適には10〜100質量%添加して使用することができる。
当該複合粒子は、好ましくは鉱物由来の湿式粉砕を経た重質炭酸カルシウムや再生粒子を含むために、粒度分布が広かったものが、微小粒子のシリカゾルによる凝集化と比較的粒径の粒子へのシリカゾル付着とにより粒子の硬度が相対的に低くなり、かつ、粒度分布幅が狭くなっている。従って、当該複合粒子を製紙用の填料や顔料として使用した場合に抄紙機や塗工機等の磨耗性トラブルを回避できる。また、当該複合粒子は、例えば元来高密度な重質炭酸カルシウム等の表面をシリカで被覆したものであることから比表面積が大きくなり、これを内添用の填料や塗工用顔料として使用すると、白色度と不透明度が高く、填料歩留りの高い紙を得ることもできる。
当該複合粒子の吸油度は、30mL/100g以上100mL/100g以下、より好ましくは50mL/100g以上90mL/100g以下の範囲が好ましい。このような吸油度を有する複合粒子を内添填料として使用すると、紙層中においてこの複合粒子が紙層中に含浸されるインクのビヒクル分や有機溶剤等を吸収するため用紙の印刷不透明度が低下するのを抑制し、また、インクのビヒクル分や有機溶剤等を吸収することで、インク乾燥性やニジミの防止効果を顕著に発揮することができる。吸油度が30mL/100g未満の場合には上記の効果が十分でなく、複合粒子がインクの吸収・乾燥性を阻害する傾向が生じる場合がある。また吸油度が100mL/100gを超えると、インクの吸収性が高いためインクの沈みこみ、いわゆる発色性が劣る不都合が生じる場合がある。
なお、当該複合粒子は製紙用以外に、例えばゴム、プラスチック、塗料、インキ等のフィラーなどとして用いることができる。当該複合粒子をフィラーとして用いることで高い白色度と隠蔽性を付与することができる。
<複合粒子内添紙>
本発明の複合粒子内添紙は、上記複合粒子が内添されたものである。当該複合粒子内添紙によれば、上記複合粒子が内添されているため、この填料としての複合粒子の歩留まりが高く、不透明度や印刷不透明度を高めることができるとともに、製紙の際、ワイヤーの磨耗を抑えることができる。
本発明の複合粒子を内添填料として用いて複合粒子内添紙を製造する方法は、通常の填料内添紙の製造方法と同様であり、例えば当該複合粒子と上記比率で他の填料と混合したスラリーをパルプ原料スラリーに添加し、さらに必要に応じて紙力増強剤、サイズ剤、歩留向上剤等の添加剤を加えた紙料スラリーとし、これを抄紙することにより得られる。パルプ原料(固形分)に対する填料添加率は、1〜50質量%、好適には3〜30質量%である。
紙料スラリーに添加する添加剤としては公知のものを用いることができ、例えば紙力増強剤としては澱粉類、植物性ガム、水性セルロース誘導体、ポリアクリルアミド等を、サイズ剤としてはロジン、澱粉、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリビニルアルコール、アルキルケテンダイマー、ASA(アルケニル無水コハク酸)、中性ロジン等を、また歩留向上剤としてはポリアクリルアミド及びその共重合体、第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。資料スラリーには、さらに必要に応じて染料、顔料等の色料を添加してもよい。
これら添加剤を紙料スラリーに添加、混合し、公知の抄紙機で抄造することにより複合粒子内添紙を製造することができる。当該複合粒子内添紙の坪量は特に限定されないが、通常10〜300g/m程度である。
<塗工紙>
本発明の塗工紙は、基紙と、この基紙の少なくとも一方の面に形成される1層又は複数層の塗工層とを有する塗工紙であって、上記塗工層が上記複合粒子を含有することを特徴とする。当該塗工紙によれば、上記複合粒子を顔料として塗工層に用いているため、不透明度及び印刷後不透明度に優れる。
本発明の複合粒子を用いて塗工紙を製造する方法は、通常の塗工紙の製造方法と同様であり、例えば本発明の複合粒子を上記比率で他の顔料と混合し、分散剤を添加して得たスラリーを接着剤や他の添加剤を混合して塗料を調整し、これを中質紙、上質紙等の紙材上に塗工することにより得られる。
当該複合粒子を用いて塗工紙を製造する場合においても、当該複合粒子の吸油度は、30〜100mL/100gの範囲が好ましい。これは、接着剤と混合して使用する場合、その塗工液中において複合粒子が接着剤を吸収し、その真密度が低下するため沈降が抑制され、さらに複合粒子が塗工層中で偏った沈降を呈さなくなり、塗工層中で均一に分散される効果が顕著に現れるためである。この吸油度が30mL/100g以下の場合には上記の効果が不十分であり、複合粒子の真比重と塗工液の比重との差により複合粒子が沈降して塗工層中に不均一な分散状態になるので好ましくない。逆に、吸油度が100mL/100gを越える場合では、塗工層に塗工顔料として配合した場合には、ラテックス、澱粉等のバインダーを吸収し、塗工層強度が低下する問題が生じる。
また、無機粒子として重質炭酸カルシウムを用いた場合、この重質炭酸カルシウムの表面をシリカにて被覆しているため、角ばった形状を有する重質炭酸カルシウムの形状が丸みを帯び、重質炭酸カルシウムに起因するブレードや塗工用ロール、塗工液を吐出する設備等の磨耗を低減できる。さらには、損紙や古紙としてリサイクルされた場合においても、得られる再生パルプに残留する無機粒子によるワイヤーや設備の磨耗を低減できる。
塗工液に含有される接着剤としては、公知のものを用いることができ、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、若しくはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又はアルカリ非溶解性の重合体ラテックス等が使用される。
さらに上記のような合成接着剤のほかに、例えばカチオン化澱粉、酸化澱粉、酸素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂等の水溶性合成接着剤等を適宜選択して併用できる。また、必要に応じて、顔料スラリーや塗料中には消泡剤、耐水化剤、流動性変性剤、着色剤、蛍光増白剤等の各種添加剤が添加される。また、分散剤としてはケイ酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。
塗工液の塗工方法としては、塗工量に応じて、エアーナイフ、ブレード、ゲートロール、ロッド、バー、キャスト、グラビア、カーテン等の公知の塗工機(コーター)で行うことができる。塗工量は片面当たり乾燥質量で通常数〜数10g/m程度である。
このようにして得られた乾燥後の塗工紙は、一般に印刷適性(例えば、高平滑や高光沢)を付与する目的で、カレンダに通紙して加圧仕上げが施される。この場合のカレンダ装置としては、例えばスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトコンパクトカレンダなどの金属又はドラムと弾性ロールの組み合わせになる各種カレンダが、オンマシン又はオフマシン仕様で適宜使用できる。
<再生粒子の製造方法>
ここで、本発明に好適に用いることができる再生粒子の製造方法について、原料並びに脱水、熱処理及び粉砕の各工程の順に詳説する。なお、熱処理工程と粉砕工程との間に、配合・スラリー化工程を有することが好ましく、さらに必要に応じてその他の工程を設けることができる。
(原料)
再生粒子の原料としては、主原料として製紙スラッジが用いられ、製紙スラッジの中でも、脱墨フロスが好適に用いられる。脱墨フロスとは、古紙パルプを製造する古紙処理工程において、主に、古紙に付着したインクを取り除く脱墨工程でパルプ繊維から分離されるものをいう。製紙における古紙パルプ製造工程では、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産する目的から、使用する古紙の選定、選別を行い、一定品質の古紙を使用する。そのため古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類やその比率、量が基本的に一定になる。しかも古紙中に未燃物の変動要因となるビニールやフィルムなどのプラスチック類が含まれていた場合も、これらの異物は脱墨フロスを得る脱墨工程に至る前段階で除去される。従って、脱墨フロスは、工場排水工程や製紙原料調成工程等の、他の工程で発生する製紙スラッジと比べて、極めて安定した品質の再生粒子を製造するための原料となる。
(脱水工程)
脱水工程は、脱墨フロス等の原料の水分を所定割合まで除去する工程である。例えば、古紙パルプを製造する脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスは、種々の操作を経て、公知の脱水設備により脱水される。
脱水工程の一例としては、以下の工程が挙げられる。まず一の脱水手段であるスクリーンによって、脱墨フロスから水を分離して脱水する。このスクリーンにおいて水分率を70%〜90%に脱水した脱墨フロスは、別の脱水手段である例えばスクリュープレスに送り、さらに所定の水分率まで脱水する。
脱水後の原料(脱墨フロス)は、60%以下、好ましくは30%以上50%未満、より好ましくは30%以上45%以下、特に好ましくは30%超40%以下の含水状態とするとよい。
脱水後の原料の水分率が60%を超えると、熱処理工程における処理温度の低下をまねき、加熱のためのエネルギーロスが多大になるとともに、原料の燃焼ムラが生じやすくなり均一な燃焼を進め難くなる。また、排出される排ガス中の水分が多くなり、ダイオキシン対策における再燃焼処理効率の低下と、排ガス処理設備の負荷が大きくなる不都合を有する。他方、脱水後の原料の水分率が30%未満と低いと、脱水処理エネルギーの削減に反する。
上述のように、原料(脱墨フロス)の脱水を多段工程で行い急激な脱水を避けると、無機物の流出が抑制でき脱墨フロスのフロックが硬くなりすぎるおそれがない。脱水処理においては、脱墨フロスを凝集させる凝集剤等の脱水効率を向上させる助剤を添加してもよいが、凝集剤には、鉄分を含まないものを使用することが好ましい。鉄分が含有されると、鉄分の酸化により再生粒子の白色度が低下するおそれがある。
脱水工程のための設備は、再生粒子の他の工程の設備に隣接することが生産効率の面で好ましいが、予め古紙パルプ製造工程に隣接して設備を設け、脱水を行ったものを搬送することも可能であり、トラックやベルトコンベア等の搬送手段によって定量供給機まで搬送し、この定量供給機から熱処理工程に供給することもできる。
脱水後の原料は、熱処理工程に供給する前に、粉砕機(又は解砕機)等により、平均粒子径40mm以下、好ましくは平均粒子径3mm〜30mm、より好ましくは平均粒子径5mm〜20mmに粒子径を揃えると好適であり、また、粒子径50mm以下の割合が70質量%以上となるように粒子径を揃えると好適である。平均粒子径が3mm未満では過燃焼になりやすい。逆に、平均粒子径が40mmを超えると原料芯部まで均一に燃焼を図るのが困難になる。
上記脱水工程における平均粒子径及び粒子径の割合は、攪拌式の分散機で充分分散させた試料溶液を用いて測定した値である。なお、後述する各熱処理工程における粒子径は、JIS−Z8801−2:2000に基づき、金属製の板ふるいにて測定した値である。
(熱処理工程)
熱処理工程は、脱水された原料の更なる水分除去のための乾燥と、比較的低温の第1の燃焼とを一連で行う第1熱処理工程、及び第1熱処理工程で得られた熱処理物を再度、第1熱処理工程より高温で熱処理(燃焼)する第2熱処理工程を含む。このように順に温度を上げていく2段階の熱処理工程を経ることで、原料の過燃焼を抑え、得られる再生粒子をスラリー化した際の増粘を抑制することができる。また、熱処理温度としては、比較的低温で行うことで、同様に原料の過燃焼を抑え、得られる再生粒子をスラリー化した際の増粘を抑制することができる。熱処理温度の上限としては、具体的には780℃が好ましく、750℃がさらに好ましい。
(第1熱処理工程)
脱水工程を経た原料は、第1熱処理工程として、例えば本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉を用いて、熱処理される。
この内熱キルン炉においては、熱風発生炉にて生成された熱風が、排出口側から原料の流れと向流するように送り込まれる。この内熱キルン炉の一方側には排ガスチャンバーが、他方側には排出チャンバーが設けられている。排出チャンバーを貫通して熱風が内熱キルン炉の他方側から吹き込まれ、上記一方側から装入され、内熱キルン炉の回転に伴って上記他方側へ順次移送される原料の乾燥及び燃焼を行うようになっている。
このように第1熱処理工程においては、原料を、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉によって乾燥・燃焼することにより、供給口から排出口に至るまで、緩やかに乾燥と有機分の燃焼とを行うことができ、熱処理物の微粉化が抑制され、凝集体形成、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する原料の燃焼度合いの制御と、粒揃えとを、安定的に行うことができる。なお、乾燥を別工程に分割し、例えば吹上げ式の乾燥機によって乾燥させることもできる。
第1熱処理工程における熱処理温度(例えば、内熱キルン炉の出口温度(熱風温度))は、300℃以上600℃未満、好ましくは400℃以上550℃未満、より好ましくは400℃以上500℃以下が好適である。第1熱処理工程においては、容易に燃焼可能な有機物を緩やかに燃焼させ、燃焼し難い残カーボンの生成を抑える目的から、上記範囲の温度で熱処理するのが好ましい。過度に温度が低いと、有機物の燃焼が不十分であり、他方、過度に温度が高いと過燃焼が生じ、炭酸カルシウムの分解によって酸化カルシウムが生成しやすくなる。また、温度が600℃以上の場合は、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する脱水物の粒揃えが進行するよりも早くに乾燥・燃焼が局部的に進むため、粒子表面と粒子内部との未燃率の差を少なくし、均一にするのが困難になる。
第1熱処理工程は、原料に含有される燃焼容易な有機物を緩慢に燃焼させ、残カーボンの生成を抑制するため、上記条件下で、30分〜90分の滞留(熱処理)時間で熱処理させるのが好ましい。熱処理時間が30分未満では、十分な燃焼が行われず残カーボンの割合が多くなる。他方、熱処理時間が90分を超えると、脱水物の過燃焼による炭酸カルシウムの熱分解が生じ、また、得られる再生粒子が極めて硬くなる。有機物の燃焼及び生産効率の面では、40分〜80分の滞留時間で熱処理させるのが好ましい。恒常的な品質を確保するためには、50分〜70分の滞留時間で熱処理燃焼させるのが好ましい。
(第2熱処理工程)
第1熱処理工程を経た原料は、第2熱処理工程として、例えば本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱ジャケットを有する外熱キルン炉を用いて、熱処理される。このように、第1及び第2熱処理工程を経ることで、原料中の有機分が燃焼除去され、無機物が熱処理物として排出されることができる。
第2熱処理工程においては、第1熱処理工程で燃焼しきれなかった残留有機物、例えば残カーボンを燃焼させるため、第1熱処理工程において供給される原料の粒子径よりも小さい粒子径に調整された熱処理物を用いることが好ましい。第1熱処理工程後の熱処理物の粒揃えは、平均粒子径10mm以下となるように調整するのが好ましく、平均粒子径1〜8mmとなるように調整するのがより好ましく、平均粒子径1〜5mmとなるように調整するのが特に好ましい。第2熱処理工程における外熱キルン炉入口での平均粒子径が1mm未満では過燃焼の危惧があり、平均粒子径10mm超では、残カーボンの燃焼が困難であり、芯部まで燃焼が進まず得られる再生粒子の白色度が低下するおそれがある。
外熱キルン炉の外熱源としては、外熱キルン炉内の温度制御が容易で、かつ長手方向の温度制御が容易な電気加熱方式の熱源が好適であり、従って、電気ヒーターによる外熱キルン炉が好ましい。外熱源に電気を使用することにより、炉内の温度を細かく、かつ均一にコントロールすることができ、凝集体の形成、硬い・柔らかい等のさまざまな性質を有する熱処理物の燃焼度合いの制御と、粒揃えとを、安定的に行うことができる。また、電気炉は、電気ヒーターを炉の流れ方向に複数設けることで、任意に温度勾配を設けることが可能であるとともに、熱処理物の温度を一定時間、一定温度に保持することができ、第1熱処理工程を経た熱処理物中の残留有機分、特に残カーボンを第2熱処理工程で炭酸カルシウムの分解を来たすことなく限りなくゼロに近づけることができ、例えば重質炭酸カルシウムと比べて低いワイヤー磨耗度で、高白色度の再生粒子を得ることができる。
第2熱処理工程における熱処理温度は、好ましくは550℃〜780℃、より好ましくは600℃〜750℃である。第2熱処理工程では、先に述べたように、第1熱処理工程で燃焼しきれなかった残留有機物、特に残カーボンを燃焼させる必要があるため、第1熱処理工程よりも高温で熱処理するのが好ましく、熱処理温度が550℃未満では、十分に残留有機物の燃焼を図ることができないおそれがあり、熱処理温度が780℃を超えると、熱処理物中の炭酸カルシウムの脱炭酸が進行し、粒子が硬くなるおそれがある。
第2熱処理工程としての外熱キルン炉における滞留(熱処理)時間としては、好ましくは60分以上、より好ましくは60分〜240分、特に好ましくは90分〜150分、最適には120分〜150分が、残カーボンを完全に燃焼させるに望ましい。特に残カーボンの燃焼は炭酸カルシウムの分解をできる限り生じさせない高温で、緩慢に燃焼させる必要があり、滞留時間が60分未満では、残カーボンの燃焼には短時間で不十分であり、他方、滞留時間が240分を超えると、炭酸カルシウムが分解するおそれがある。また、熱処理物の安定生産を行うにおいては、滞留時間を60分以上、過燃焼防止、生産性確保のためには、滞留時間を240分以下とするのが好適である。
第2熱処理工程としての外熱キルン炉から排出される熱処理物の平均粒子径は、10mm以下、好ましくは1mm〜8mm、より好ましくは1mm〜4mmに調整すると好適である。この調整は、例えば、熱処理物を一定のクリアランスを持った回転する2本ロールの間を通過させること等により行うことができる。
第2熱処理工程を経た熱処理物は、好適には凝集体であり、例えば冷却機により冷却された後、振動篩機などの粒径選別機により選別され、燃焼品サイロに一時貯留される。この後、配合・スラリー化工程及び粉砕工程で目的の粒子径に調整された後、再生粒子として填料等の用途先に仕向けられる。
なお、以上では、脱墨フロスを原料として用いた場合を例示したが、脱墨フロスを主原料に、抄紙工程における製紙スラッジ等の他の製紙スラッジを適宜混入させたものを原料とすることなどもできる。
(配合・スラリー化工程)
配合・スラリー化工程は、上記第2熱処理工程から排出される熱処理物に酸及び/又は塩を配合し、その熱処理物を水中に懸濁させてスラリー化させる工程である。
この熱処理物は、後工程である粉砕工程において、効果的な粉砕を図るために、ミキサー等を使用して水中に懸濁させ、スラリーとした後に粉砕するのが好ましい。この際のスラリー濃度(スラリー全体に対する添加された熱処理物の質量比)の下限としては、15%が好ましく、20%がさらに好ましい。また、このスラリー化濃度の上限としては、50%が好ましく、40%がさらに好ましい。スラリー化濃度が上記下限未満であると最終的に得られた粒子を固形状とする際に、多大なエネルギーが生じるなど生産効率が低下する。逆に、スラリー化濃度が上記上限を超えると、のちの粉砕工程において効果的な粉砕が困難となる、また凝固、固化が生じやすくなるなどのおそれがある。
上記酸及び/又は塩は、カルシウムイオンの存在下でカルシウム塩を析出し得るものである。当該酸及び/又は塩によれば、過燃焼によって生じた酸化カルシウムやメタカオリンに起因しスラリー中に溶け出したカルシウムイオンと反応し、カルシウム塩を析出させることで、カルシウムイオンとスラリー中に共存する珪酸イオンやアルミン酸イオンとの反応を抑え、硬化物質の生成を抑制させることができる。この結果、この酸及び/又は塩を用いることで、スラリーの凝固、固化を抑えることができる。
(粉砕工程)
粉砕工程は、上記工程にて得られたスラリーを粉砕し、微粒子化することで再生粒子を得る工程である。この粉砕工程においては、公知の粉砕装置等を用いることができる。この粉砕工程を経て、スラリーを適宜必要な粒子径に微細粒化することで、得られる再生粒子を塗工用の顔料、内添用の填料として好適に使用することができる。
(その他の工程)
再生粒子の製造方法においては、原料の凝集工程、造粒工程や、各工程間における分級工程、スラリーを炭酸化する炭酸化工程等を設けてもよい。
(炭酸化工程)
得られた再生粒子のスラリーは、そのままではpHが12以上とアルカリ性を呈し、例えば、塗工用顔料用途における塗工液調整工程で他の薬品と反応して品質低下をまねくおそれがある。従って、熱処理物又は再生粒子中の酸化カルシウムを炭酸カルシウムに戻してpHを低減させるために、第1熱処理燃焼工程や第2熱処理工程において排出された排ガス中の二酸化炭素を利用して、例えば7〜9にpH調整すると好適である。
なお、この炭酸化工程は、配合・スラリー化工程と粉砕工程との間、粉砕工程と同時、又は粉砕工程の後に行ってもよい。なお、この二酸化炭素の吹き込みは、他の酸及び/又は塩の配合に替えて、又は加えて、炭酸の配合として、配合・スラリー化工程とすることもできる。
炭酸化に際しては、反応槽の底部にガス吹き込み口を設けるとともに、槽内のpHを測定するpH計を設け、バッチ処理で、スラリーのpHが所定の値以下になるまで槽中のスラリーに対してガスを吹き込むことで実施することができる。また、VFポンプのような歯車が噛み合う部分にガス吹き込み口を設け、スラリーに対して粉砕とガスの吹き込みを同時に実施することができる。
炭酸化のための二酸化炭素としては、CO分離工程として、例えばPSA型分離装置等の二酸化炭素分離装置を用いて排ガスから二酸化炭素を分離して用いることができる。また、排ガスを直接利用したり、市販の二酸化炭素ガスを利用、併用したりすることもできる。
二酸化炭素の吹き込み速度は、一定とすることも、また可変とすることも可能であり、可変とする場合、pHの推移に応じて適宜調整すること等ができる。
本形態において、再生粒子のいっそうの品質安定化を図るためには、被処理物の粒子径を、各工程で均一に揃えるための分級を行うことが好ましく、粗大や微小粒子を前工程にフィードバックすることで、より品質の安定化を図ることができる。
また、乾燥工程の前段階において、脱水処理を行った脱墨フロス(脱水物)を造粒することが好ましく、さらには造粒物の粒子径を均一に揃えるための分級を行うことがより好ましく、粗大や微小の造粒粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。造粒においては、公知の造粒設備を使用できるが、回転式、攪拌式、押し出し式等の設備が好適である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例における各測定値は、以下の方法にて測定した値である。
[メディアン径(μm)、モード径(μm)、粒径が2μm以下の粒子の割合(体積%)及びピーク高さの変化]
レーザー回折粒度分布測定装置〔マイクロトラック/日機装社〕(型番:MT−3300)を使用し、測定回数:Avg/2(2回の測定の平均)、測定時間:10秒、分布表示:体積、粒径区分:標準、計算モードMT−3300II、測定上限2000μm、測定下限0.021μmの条件下で測定した。測定試料の調製は、0.1%ヘキサメタ燐酸ソーダ水溶液に粒子を添加し、超音波で1分間分散した。
なお、ピーク高さの変化は、無機粒子全体の粒度分布におけるピーク(粒度分布における最頻値を占める粒子の頻度割合(体積%))と、得られる複合粒子のピーク(体積%)とを比較した。複合粒子のピークの方が高いものを上昇、複合粒子のピークの方が低いものを低下とした。このピークの高さが上昇したものが、粒度分布がシャープになっているといえる。
[シリカ被覆率(質量%)]
堀場製作所製のX線マイクロアナライザーを用い、加速電圧(15KV)にて元素分析を行い、含有する構成成分からクレー、炭酸カルシウム、タルク等の含有割合を推定し、シリカ被覆後のシリカ成分の含有率から、シリカ被覆率(質量%)を算出した。
[白色度(%)]
Tappi−534pm−76法に基づいて粒子の白色度を測定した。
[吸油度(mL/100g)]
JIS−K5101記載の練り合わせ法に準じて測定した。すなわち105℃〜110℃で2時間乾燥した試料2g〜5gをガラス板に取り、精製アマニ油(酸価4以下のもの)をビュレットから少量ずつ試料の中央に滴下しその都度ヘラで練り合わせ、滴下練り合わせの操作を繰り返し、全体が初めて1本の棒状にまとまったときを終点として、精製アマニ油の滴下量を求め、下記式(1)によって吸油度を算出した。
吸油度(mL/100g)
=[アマニ油量(mL)×100]/紙料(g) ・・・(1)
[坪量(g/m)]
JIS−P8142に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
[灰分歩留(%)]
手抄で得られた複合粒子内添紙の灰分(JIS−P8251に準拠して測定)を、手抄に供した紙料中の灰分で除して算出した。
[白紙不透明度(%)]
JIS−P8149に記載の方法に準拠して測定した。
[印刷後不透明度(%)]
J.TAPPI 45に準拠して新聞用オフセット印刷インキ(墨)を使用し、RI印刷試験機(明製作所製)でインキ量を変えてベタ印刷を行った。印刷面反射率が9%の時の印刷前の裏面反射率(印刷面の反対面)に対する印刷後の裏面反射率の比率から、下記式(2)を用いて印刷不透明度(Y)を算出した。なお、反射率測定には分光白色度測機(スガ試験機製)を使用した。
Y={(印刷後裏面反射率)/(未印刷の裏面反射率)}×100 ・・・ (2)
[ワイヤー磨耗度(mg/h):金属磨耗性]
内添紙及び塗工紙における金属磨耗性評価のため、表1に記載の複合粒子のワイヤー磨耗性を測定した。
ワイヤー磨耗性は、得られた無機粒子の固形分濃度10%の分散液を、ワイヤー摩耗試験機(日本フィルコン社製)を使用して、ポンプ循環させながら、試験条件(加重=650g,ワイヤー=プラスチックワイヤ/SS−40…日本フィルコン社製を使用,試験時間=3時間)で摩耗度試験を行い、減量したワイヤーの質量(mg/h)をもってワイヤー摩耗度(mg/h)とした。数値が大きい程、ワイヤー摩耗性が大きいことを示す。
[塗工適性]
基材に塗工液を塗被し、欠陥の発生を塗工機に設置した反射型欠陥検出器による欠陥検出個数で決定した。
◎:流れ10,000mに0〜1個
○:流れ10,000mに2〜4個
△:流れ10,000mに5〜7個
×:流れ10,000mに8個以上
〔再生粒子の製造〕
原料として脱墨フロスを用い、水分率が45質量%、平均粒径が10mm、また、50mm以下の粒子の割合が90質量%となるように脱水工程を行った。この脱水物にシャワー水による洗浄を経て、第1熱処理工程、その後、第2熱処理工程を以下の条件で行い熱処理物を得た。
第1熱処理工程条件
燃焼形式:内熱キルン
燃焼温度:500℃
酸素濃度:10%
滞留時間:50分
第2熱処理工程条件
燃焼形式:外熱キルンと内熱キルンの併用
入口の平均粒子径:5mm
燃焼温度:700℃
酸素濃度:14%
滞留時間:140分
出口の平均粒子径:5mm
得られた熱処理物100質量部に対して、配合・スラリー化工程として、硫酸カルシウム二水和物0.3質量部を添加し、この添加物を水中に懸濁させて、濃度(スラリーの全質量に対する熱処理物の質量比)35質量%のスラリーを得て、粉砕装置にて粉砕した。この粉砕物を分級し、メディアン径2.0μmの再生粒子を得た。
<実施例1>複合粒子1の製造
無機粒子として、メディアン径1.6μmの重質炭酸カルシウム(CaCO)粒子50質量部と、メディアン径0.5μmの二酸化チタン(TiO)粒子50質量部とを用い、この無機粒子の混合スラリー(濃度10質量%)200gを調整した。この混合スラリーに珪酸ナトリウム水溶液60gを添加し、ホモミキサーを使用して回転数3,000rpmで20分間、分散処理を行い懸濁液(スラリー)を調製した。次にこのスラリーを攪拌機、温度センサー、還流冷却器の付いた1Lの四口フラスコに入れ、攪拌しながら油浴にて75℃に昇温した。次に容器内のスラリーを75℃に保ちながら、1規定の硫酸150mLを定量ポンプを使用して、滴下速度2.5mL/分で1時間かけて滴下し複合粒子1を得た。このときの反応液のpHは8.8であった。さらに、No.2ろ紙を用いてろ過・水洗し再度ろ過することにより、複合粒子1のウェットケーキが得られた。
<実施例2〜9及び比較例1〜4>複合粒子2〜9及び複合粒子i〜ivの製造
無機粒子として、表1に示す種類及びメディアン径のものを用い、表1に示す配合量としたこと以外は実施例1と同様の操作をし、実施例2〜9及び比較例1〜4を行い、複合粒子2〜9及び複合粒子i〜ivを得た。なお、各無機粒子は、所望するメディアン径となるように、粉砕機で粉砕して用いた。
得られた各複合粒子の評価結果を表1に示す。
Figure 2012188468
<実施例10>内添紙の製造
複合粒子1をコーレスミキサーでスラリー化し、固形分濃度10%のスラリーを調製した。NBKP(フリーネス=CSF520mL)10質量部、LBKP(フリーネス=CSF480mL)90質量部を配合したパルプスラリーに、上記スラリーを固形分で15質量部、硫酸バンドを0.5質量部、カチオン化澱粉0.7質量部、中性ロジンサイズ剤1.0質量部、歩留向上剤0.1質量部をそれぞれ添加し、固形分濃度0.9%の紙料を調製した。この紙料を手抄き抄紙機でパルプシートを作成し、乾燥後、ラボスーパーカレンダに通紙して実施例10の内添紙を得た。
<実施例11〜18及び比較例5〜8>
複合粒子1の代わりに、表2に示す複合粒子を用いたこと以外は、実施例10と同様の操作を行い、各内添紙を得た。
得られた各内添紙の評価結果を表2に示す。
Figure 2012188468
<実施例19>塗工紙の製造
顔料として複合粒子1を20質量部、SBRラテックス(PA4098:日本A&L社)11質量部、澱粉(スターコート:日本食品加工社)2質量部及び分散剤(アロンA−6028:東亜合成化学工業)0.3質量部を水に配合し、コーレスミキサーでスラリー化し、固形分50質量%の塗工液を調製した。
この塗工液を坪量64g/mの上質原紙の片面に乾燥質量12g/mとなるように片面ずつロールテストコーターで塗工し、その後乾燥及びさらにテストスーパーカレンダ仕上げ(線圧160kg/cm×2回通紙)して塗工紙を得た。
<実施例20〜21及び比較例9〜12>
複合粒子1のかわりに表3に示す各複合粒子を用いたこと以外は、実施例19と同様の操作を行い、実施例20〜21及び比較例9〜12の各塗工紙を得た。
得られた各塗工紙の評価結果を表3に示す。
Figure 2012188468
表2及び表3の結果から、本発明の複合粒子が内添された複合粒子内添紙及び本発明の複合粒子が塗布された塗工紙は、優れた不透明度及び印刷後不透明度を有することがわかる。また、表2の結果から、本発明の複合粒子は高い歩留まり性を有することがわかる。
本発明の製造方法により得られる複合粒子は、製紙における内添填料や塗工液における顔料として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 無機粒子を複合させて得られる複合粒子の製造方法であって、
    上記無機粒子として少なくとも2種類の粒子をケイ酸アルカリ水溶液中に懸濁させて、無機粒子の懸濁液を得る懸濁工程と、
    この懸濁液に鉱酸を添加し、無機粒子の表面にシリカを析出させて無機粒子を凝集させる凝集工程と
    を有することを特徴とする複合粒子の製造方法。
  2. 上記無機粒子のメディアン径が0.5μm以上2μm以下であり、かつ、モード径がメディアン径より小さい請求項1に記載の複合粒子の製造方法。
  3. 上記無機粒子が、
    メディアン径が1μm以上3μm以下である粒子Aと、
    メディアン径が0.2μm以上1μm未満である粒子Bと
    を含む請求項1又は請求項2に記載の複合粒子の製造方法。
  4. 上記粒子Aが、
    製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程を経て得られた再生粒子、及び
    重質炭酸カルシウム粒子
    からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    上記粒子Bが二酸化チタン粒子である請求項3に記載の複合粒子の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法により得られた複合粒子。
  6. メディアン径が3μm以上10μm以下であり、かつ、粒径2μm以下の粒子割合が20%以下である請求項5に記載の複合粒子。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の複合粒子が内添された複合粒子内添紙。
  8. 基紙と、この基紙の少なくとも一方の面に形成される1層又は複数層の塗工層とを有する塗工紙であって、
    上記塗工層が請求項5又は請求項6に記載の複合粒子を含有することを特徴とする塗工紙。
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