JP2012189446A - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トールボット干渉法を用いた撮像装置において従来よりも容易に干渉パターンと遮蔽格子の相対位置を変更することができる撮像装置を提供すること。
【解決手段】 撮像装置1は、光源からの光を回折することで暗部と明部が配列方向に並んだ干渉パターン810を形成する回折格子310と、光源と検出器510との間の光路中に配置される光学ユニット710と、回折格子310を経た光を検出する検出器510と、を備え、光学ユニット710は、干渉パターン810と検出器510との相対位置が配列方向において変更するように光学ユニット710から出射する光の光軸の向きを変更することができ、検出器510は干渉パターン810と検出器510の相対位置の変化に対応して光を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 撮像装置1は、光源からの光を回折することで暗部と明部が配列方向に並んだ干渉パターン810を形成する回折格子310と、光源と検出器510との間の光路中に配置される光学ユニット710と、回折格子310を経た光を検出する検出器510と、を備え、光学ユニット710は、干渉パターン810と検出器510との相対位置が配列方向において変更するように光学ユニット710から出射する光の光軸の向きを変更することができ、検出器510は干渉パターン810と検出器510の相対位置の変化に対応して光を検出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は撮像装置及び撮像方法に関し、特にトールボット干渉法を用いて被検体を撮像する撮像装置及び撮像方法に関する。
トールボット干渉法は、X線を含む様々な波長の光の干渉を利用して被検体の位相像または微分位相像を得る方法である。
トールボット干渉法の概要を説明する。まず、光源からの光が被検体を透過し、それに伴って光の位相が変化する。被検体を透過した光は、回折格子に回折されることによって回折格子からトールボット距離と呼ばれる所定の距離だけ離れた位置に干渉パターンを形成する。この干渉パターンを検出器で検出し、その検出結果を演算部によって解析すると、被検体の微分位相像を得ることができ、更にその微分位相像を積分すると位相像を得ることができる。
干渉パターンから被検体の微分位相像を取得する方法の1つとして縞走査法がある。縞走査法は、前述の干渉パターン(干渉縞)と検出器の相対位置を変化させて干渉パターンの強度分布を複数回検出し、その複数回の検出結果から被検体の微分位相像を計算する手法である。
また、一般に、この干渉パターンは非常に周期が小さいため、干渉パターンを直接検出することが難しいことがある。そこで、干渉パターンが形成される位置に遮蔽格子を配置し、遮蔽格子によって干渉パターンの一部を遮ることでモアレを形成し、このモアレを検出器で検出する方法が提案されている。この場合も、干渉パターンを直接検出する場合と同様に、縞走査法を用いて被検体の微分位相像を得ることができる。
遮蔽格子を用いてモアレを形成する場合、干渉パターンと検出器の相対位置を変化させる代わりに、遮蔽格子と検出器の相対位置を変化させても良い。つまり、遮蔽格子を用いる場合は干渉パターンと遮蔽格子の相対位置を変化させることでモアレを変化させて、モアレの強度分布を複数回検出すれば縞走査法を行うことができる。
トールボット干渉法において縞走査法を行う方法として2つの方法が提案されている。1つは特許文献1に記載されているように回折格子と遮蔽格子の相対位置を変化させる方法で、もう1つは特許文献2に記載されているように光源もしくは光源からの光を細いビーム状に分割する光源格子を移動させる方法である。
特許文献1には1回の検出毎に干渉パターンの周期を検出回数で割った長さ分だけ回折格子と遮蔽格子の相対位置を変化させながら検出を行う縞走査法が記載されている。そのため、例えば光としてX線を用いたトールボット干渉法の場合、回折格子と遮蔽格子の相対位置の変化量(相対移動距離)は数μm程度となる。更に、格子の移動精度にはそれ以下、例えば相対位置の変化量の許容される誤差が変化量の10分の1だとするとサブミクロンオーダーの精度が要求される。
一方で特許文献2には光源又は光源格子を移動させながら検出を行う縞走査法が記載されている。この方法の場合、1回の検出毎の光源又は光源格子の移動量は特許文献1に比較すると10倍程度大きくなり要求される移動精度も特許文献1の場合に比べて10倍程度大きくなる。しかし、それでも求められる移動精度は数μm程度となるため、精密に光源又は光源格子の位置を変化させることが求められる。
そこで、本発明はトールボット干渉法を用いた撮像装置において従来よりも容易に干渉パターンと検出器の相対位置を変化させることができる撮像装置を提供することを目的とする。
その目的を達成するために、本発明の一側面としての撮像装置は、光源からの光を回折することで暗部と明部が配列方向に並んだ干渉パターンを形成する回折格子と、前記干渉パターンを検出する検出器と、前記光源と前記検出器の間の光路中に配置される光学ユニットと、を備え、前記光学ユニットは、前記干渉パターンと前記検出器との相対位置が前記配列方向において変化するように、該光学ユニットから出射する前記光の光軸の向きを変更することができるように構成されており、前記検出器は前記干渉パターンとの相対位置の変化に対応して前記干渉パターンを検出することを特徴とする。
本発明はトールボット干渉法を用いた撮像装置において従来よりも容易に干渉パターンと検出器の相対位置を変化させることができる撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付の図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、光としてX線を用いて1次元の縞走査法を行うトールボット干渉法を行う撮像装置に関して説明する。但し、本明細書においてX線とはエネルギーが2以上100keV以下の光を指す。また、本実施形態の撮像装置は遮蔽格子を用いてモアレを形成し、そのモアレを検出する撮像装置である。
図1は本実施形態における撮像装置の構成を示した図である。図1に示した撮像装置1は、X線を発生させるX線源(光源)110と、X線の光軸の向きを変更することができる光学ユニット710、X線を回折する回折格子310、X線の一部を遮る遮蔽格子410、X線を検出する検出器510を備えている。また、撮像装置1は、演算部610と接続されており、演算部610では撮像装置の撮像結果に基づいて演算を行う。更に演算部610は演算部による演算結果に基づいた画像を表示する画像表示装置910と接続されて撮像システムを構成している。
以下、各構成について説明をする。
本実施形態の撮像装置は光源としてX線源を備えている。X線源としては、連続X線を出射するX線源を用いても、特性X線を出射するX線源を用いても良く、平行X線(平行光)を出射するX線源を用いても、発散X線(発散光)を出射するX線源を用いても良い。また、X線源110から出射したX線の経路上に、X線を細いビームに分割するための線源格子(光源格子)または波長選択フィルタを配置してもよい。但し、X線源110から出射されるX線は回折格子310で回折されることにより、干渉パターン810を形成する必要があるため、X線には干渉パターンを形成できる程度の空間的コヒーレンス性が求められる。
X線源110から出射したX線は光学ユニット710に入射する。光学ユニット710は出射する光の光軸の向きを変更することができるように構成されており、光軸の向きを変更することで縞走査法に必要な、干渉パターン(干渉縞)の走査を可能にする。但し、光軸とは光束の中心軸を指し、光軸の向きは光路上の上流から下流に向かっているとみなす。また、X線源の下流に光源格子を配置してX線を分割した場合、光学ユニット710は分割されたX線の夫々の光軸の向きを変更する。X線源を複数並べて撮像を行う場合も同様に夫々のX線源から出射した夫々のX線の光軸の向きを変更する。
本実施例の光学ユニット710は、入射したX線の光軸を傾ける、第1の光学素子720と第2の光学素子730を有しており、更に、夫々の光学素子を回転させる駆動部760を有している。第1の光学素子と第2の光学素子は光軸上に並んでおり、第1の光学素子を経たX線が第2の光学素子に入射する。第1の光学素子720を図3(a)に示した。第1の光学素子720は枠部分740により保持されている。第1の光学素子720上のa−a’に示した部分の断面図を図3(b)に示した。図3(b)に示したように、本実施例に用いられる第1の光学素子720の断面は基板721の上に三角形の構造物722が配列した様な形状を有しており、この形状により光学素子に入射した光の光軸が傾く。第2の光学素子730も光学素子720と同じ形状を有している。
第1の光学素子の枠部分740と第2の光学素子の枠部分750は駆動部760と接続されており、駆動部760が枠部分740と750を夫々動かすことで、第1の光学素子720と第2の光学素子730が夫々に回転する。この回転により第1の光学素子と第2の光学素子から出射するX線の光軸の向きを変更できる。光学ユニット710に入射したX線は第1の光学素子720によって光軸が傾き、更に第2の光学素子730によって光軸が傾いて光学ユニット710から出射する。そのため、光学ユニット710から出射するX線の光軸は、第1の光学素子720による入射X線の光軸の傾きと、第2の光学素子730による入射X線の光軸の傾きの合成により決まる。図4(a)はその様子を図示したものであり、111の矢印が光軸の向きを表している。図4(b)は第1の光学素子720と第2の光学素子730の回転と、その回転により合成されるベクトルを表している。第1の光学素子720と第2の光学素子730上の矢印は夫々の光学素子が光軸を変化させる方向を示しており、光学ユニット710に入射したX線の光軸は上述の通り、合成ベクトルの影響を受けて光学ユニット710から出射する。
光学ユニット710の役割は出射光の光軸の向きを変更することにある。そのための光学ユニット710の構成や光学素子720や730の構造はこれに限定されない。光学素子として、例えばキャピラリーレンズや楔形の光学素子を使用しても良い。
また、本実施例のように光学ユニットが第1の光学素子と第2の光学素子を有すると、X線源側から見て直交する2つの軸上(縦軸と横軸)の任意の向きに光学ユニットから出射する光軸の向きを変更させることができる。そのため、2次元に縞走査を行う際の光学素子の調整も容易である。 また、光学ユニットから出射するX線の光軸の向きの調整は光学素子の回転によるものでなくても良い。例えば、光学素子の交換や挿脱により光軸の向きを調整しても良い。光学素子の交換にはターレットを用いることができる。また、光学素子の回転、交換、挿脱を組み合わせて光学ユニットから出射する光軸の向きを調整しても良く、例えば光学素子の回転と挿脱を組み合わせれば2次元の縞走査を1つの光学素子で行うこともできる。
光学ユニット710から出射したX線の光軸の向きが変更されることによって、コヒーレントなX線の波面が変化するため、干渉パターンが形成される位置が検出器上で変化する。一方、遮蔽格子410の位置は固定しているため、干渉パターンと遮蔽格子の相対位置が変化し、モアレも変化する。そのため縞走査法が成立する。遮蔽格子を用いずに干渉パターンを直接検出する撮像装置の場合も同様に、干渉パターンが形成される位置が検出器上で変化することで干渉パターンと検出器の相対位置が変化し、縞走査法が成立する。
図1ではX線源110から出射したX線の光路上においてX線源110と被検体の間に光学ユニット710を配置したが、光学ユニットの配置場所はこれに限定されず、光源と遮蔽格子との間の光路中に配置することができる。但し、X線を用いる場合はX線の光軸の向きの変更し易さから、X線源と位相格子の間に光学ユニットを配置することが好ましい。
光学ユニット710を出射したX線は、被検体210を透過すると被検体の屈折率及び形状に応じて位相が変化する。図1では、被検体210をX線源110と回折格子310の間に配置しているが、回折格子310と遮蔽格子410の間に配置しても良い。また、図1では光学ユニット710を出射したX線を被検体に照射しているが、被検体を透過して位相が変化したX線を光学ユニット710に入射させても良い。
X線源110からのX線は回折格子により回折され、トールボット距離と呼ばれる所定の距離をおいて明部と暗部が配列方向に並んだ干渉パターン810形成する。但し、本明細書では、X線(光)の強度が大きい所を明部、小さい所を暗部とする。
本実施形態に用いられる回折格子310は位相型の回折格子である。回折格子として振幅型の回折格子を用いることもできるが、位相型の回折格子の方がX線量(光量)の損失が少ないので有利である。
本実施形態に用いられる回折格子310は位相型の回折格子である。回折格子として振幅型の回折格子を用いることもできるが、位相型の回折格子の方がX線量(光量)の損失が少ないので有利である。
本実施形態の回折格子310の断面形状を図2(a)に示した。回折格子310は、基板320上に矩形の断面を持つ構造物330が周期p1で配列しており、1次元の周期をもつ。X線源側から見た時、構造物330が存在する個所が位相進行部340、構造物330が存在しない個所が位相遅延部350であり、位相進行部340を透過したX線と位相遅延部350を透過したX線で、位相が一定量シフトしている。一般的に、位相のシフト量がπラジアン又はπ/2ラジアンの回折格子が良く用いられるが、その他のシフト量の回折格子を用いることもできる。回折格子310を構成する材料はX線の透過率が高い物質が好ましく、例えば、シリコンを用いることができる。また、基板320と構造物330は同じ材料から構成されていても良い。また、回折格子310は位相進行部340と位相遅延部350が周期的に配列されていれば良く、図2に示した構造以外の構造をとることもできる。
干渉パターンの周期は回折格子310の周期p1と位相のシフト量、撮像装置の拡大率によって決まる。拡大率とは発散光を用いた場合、回折格子によって形成されるパターンがどれだけ拡大されて遮蔽格子上(遮蔽格子を用いない場合は検出器上)に形成されるかを示すものである。拡大率をM、光源と回折格子の距離をL1、回折格子と遮蔽格子(遮蔽格子を用いない場合は回折格子と検出器)の距離をL2とすると、
M=(L1+L2)/L1 ・・・(式1)
で表される。
但し、平行光を用いてトールボット干渉法を行う場合、拡大率MはL1、L2に係らず1である。
M=(L1+L2)/L1 ・・・(式1)
で表される。
但し、平行光を用いてトールボット干渉法を行う場合、拡大率MはL1、L2に係らず1である。
位相シフト量がπラジアンの位相型回折格子を用いた場合、遮蔽格子上に形成される干渉パターンの周期は、回折格子の周期に1/2と拡大率Mをかけた値になる。また、位相シフト量が1/2πラジアンの位相型回折格子を用いた場合、遮蔽格子上に形成される干渉パターンの周期は回折格子の周期に拡大率Mをかけた値になる。
拡大率が1〜2程度であれば、干渉パターンの周期は通常数μmから大きくとも数十μ程度であるため、干渉パターンを直接検出するためには分解能が非常に高い検出器を用いることが求められる。しかし、特にX線を検出する検出器の場合、一般的に用いられる検出器の解像度は数十μmから数百μm程度であるため干渉パターンを認識することが難しい。そのため、上述のように本実施形態の撮像装置では、遮蔽格子410を用いてモアレを形成し、このモアレを検出する方法を用いる。
本実施形態の遮蔽格子410はX線を遮蔽する遮蔽部440とX線を透過する透過部450が周期的に配列した構造を有している。遮蔽部440と透過部450の周期p2は干渉パターン810の周期と同じか、僅かに異なる値をとることができとることができ、形成したいモアレの周期によって決めることができる。
なお通常モアレとは1回の撮像画像内で明暗の周期が明瞭にできるような場合を指すことが多いが、本明細書においてはその周期が無限長か、もしくは無限長に限りなく近いものも含む。すなわち特許文献1の実施例で示されているように、干渉パターンの周期と遮蔽格子の周期を同じにし、干渉パターンの明部と暗部の配列方向と、遮蔽格子の遮蔽部と透過部の配列方向を揃えても良い。この場合、被検体が置かれていないときにはほぼモアレが発生しないが、本明細書では1枚の撮像画像内では周期が明瞭に現れないモアレとみなし、このような構成の撮像装置に本発明を適用しても、本発明の本質をなんら変えるものではない。
遮蔽格子410の断面形状を図2(b)に示した。遮蔽格子410は、X線透過率が高い基板420上に矩形の断面を持つ構造物430が周期p2で配列されている。構造物430は入射したX線を遮るために、X線透過率が低い材質で作られ、充分な高さh2が必要となる。X線源側から見た時、構造物430が存在する個所がX線を遮る遮蔽部440、構造物430が存在しない個所がX線を透過する透過部450である。尚、遮蔽部はX線を完全に遮らなくても良い。但し、干渉パターンに遮蔽格子を重ねることでモアレが形成される程度にX線を遮る必要がある。その条件を満たせば、構造物430の材質や高さh2は問わない。また、遮蔽格子は透過部と遮蔽部が周期的に配列されていれば良く、図2(b)に示した構造以外の構造をとることもできる。
検出器510は、X線の強度情報を検出することのできる撮像素子(例えばCCDやフィルム)を有し、光学ユニット710を出射したX線の光軸の向きの変化に伴う干渉パターンと検出器の相対位置の変化に対応して干渉パターンの強度情報を検出する。但し、本明細書では、干渉パターンの強度情報を直接検出することはもちろん、本実施形態の撮像装置のように干渉パターンと遮蔽格子が形成するモアレを検出することも、干渉パターンの強度情報を検出するという。また、本実施形態の撮像装置では、干渉パターンと検出器510の相対位置の変化に伴って、干渉パターンと遮蔽格子の相対位置も変化する。本実施形態では干渉パターンと検出器(遮蔽格子)の相対位置の変化の前後に強度情報を検出するが、相対位置の変化毎に強度情報の検出を行わなくても良いし、相対位置の変化中(光学ユニットから出射する光軸の向きが動いている間)に検出を行っても良い。但し、相対位置の変化中に検出を行うと、検出されるモアレの強度分布がぼける可能性がある。本実施形態の撮像装置は縞走査法を行うため、干渉パターンと検出器(遮蔽格子)の相対位置を2回以上変化させて3回以上検出を行う。また、縞走査法では一連の検出による干渉パターンと検出器(遮蔽格子)の相対位置の変化量(相対移動距離)が干渉パターンの周期と等しくなるように検出毎に干渉パターンと検出器(遮蔽格子)の相対位置を変化させている。本実施形態でも光学ユニット710による光軸の向きの変更によって生じる干渉パターンの移動量(移動距離)が干渉パターンの周期と等しくなるように光学素子720と730を回転させて光学ユニット710から出射する光軸の向きを調整すればよい。但し、干渉パターンの移動量とは、遮蔽格子上(遮蔽格子を用いない場合は検出器上)での干渉パターンの明部と暗部の配列方向における干渉パターンの移動量のことを指す。光学素子720と730の回転角度は光学素子720と730が光軸を傾ける角度、光学素子と回折格子310の距離L1、回折格子と遮蔽格子410の距離L2、干渉パターンの周期によって適宜決めればよい。
本実施形態の撮像装置は縞走査法を行うが、本発明は縞走査法を行う撮像装置にのみ適用されるわけではない。縞走査法を行わない撮像装置であっても干渉パターンと検出器(遮蔽格子)の相対位置を変化させる必要がある撮像装置であれば本発明を適用することができる。
本実施形態の撮像装置1には演算部610が接続されている。
演算部610は、撮像装置1による撮像結果に基づいて演算処理を行う。その結果被検体の位相像または微分位相像が得られる。更に演算部610には画像表示装置910が接続され、撮像システムを構成している。画像表示装置910は演算部610の演算結果に基づく画像を表示することができる。
演算部610は、撮像装置1による撮像結果に基づいて演算処理を行う。その結果被検体の位相像または微分位相像が得られる。更に演算部610には画像表示装置910が接続され、撮像システムを構成している。画像表示装置910は演算部610の演算結果に基づく画像を表示することができる。
以上が本実施形態における撮像装置の各構成の説明である。
以下具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では1次元トールボット干渉法を用い、2つの光学素子を有する光学ユニットを用いて縞走査を行ったときに得られる被検体の微分位相像をシミュレーションにより計算した。実施例1の撮像装置は実施形態と同様に図1に示した構成である。
実施例1では1次元トールボット干渉法を用い、2つの光学素子を有する光学ユニットを用いて縞走査を行ったときに得られる被検体の微分位相像をシミュレーションにより計算した。実施例1の撮像装置は実施形態と同様に図1に示した構成である。
X線源は17.5keVの単色光且つ平行光を出射するX線源を用いる。回折格子は図2(a)に示した断面形状を有し、X線を十分透過させる基板上にシリコンからなる構造物が周期p1=8μmで並んだ形状をした1次元の縞格子を用いた。また、位相進行部を透過したX線と位相遅延部を透過したX線の位相差がπになるように構造物の高さh1は22.6μmとした。
上述のような回折格子を用いた場合、回折格子から約11.3cmの位置に干渉パターンが形成されるため、この位置に遮蔽格子を配置した。このとき、干渉パターンの周期は4μmであり、遮蔽格子の周期p2も4μmとした。干渉パターンが遮蔽格子により一部遮られることでモアレが形成され、このモアレの強度分布を検出器で検出する。
実施例1の光学ユニットは第1の光学素子と第2の光学素子を有する。2つの光学素子は同じ材料、構造であり、図3(a)に示した光学素子720ように円形で、その断面は図3(b)に示したような形状を持つ。
実施例1の光学素子はシリコンからなる基板上に、シリコンからなる断面が三角形の構造物が周期p3=5μmで並んだ構造を有しており、構造物の高さh3=28μmである。
このp3とh3の比率は材料と干渉パターンの周期や縞走査法における検出回数など撮像装置の構成によって適宜決めればよい。例えば、入射した光の光軸を本実施例の光学素子と同様の光学素子を、タンタルを用いて製造する場合、構造物のp3が5μm、h3も5μmにすればよい。
図5は本実施例の撮像装置によって縞走査法を行った際のシミュレーション結果を示した図である。縞走査における検出の回数は4回とし、4回の検出によって、遮蔽格子上での干渉パターンの移動量が4μmになるように、第1の光学素子と第2の光学素子を回転させて光学ユニットから出射する光の光軸の向きを変更した。被検体の微分位相像又は微分位相像を正確に得るためには1回の検出毎の干渉パターンの移動量は等間隔であることが好ましいため、一回の検出毎に干渉パターンを干渉パターンの明部と暗部の配列方向に1μmずつ移動させた。上述の光学素子を用いて干渉パターンをこのように移動させるには2つの光学素子をたがいに反対方向に70.5度回転させればよい。実施例では図4(a)に示したような光学ユニットを用いて、図4(b)に示したように第1の光学素子と第2の光学素子を回転させて干渉パターンの位置を動かした。但し、上述のように夫々の検出毎の回転角度は70.5度である。
図4(b)に示したように第1の光学素子と第2の光学素子を回転させることで、縞走査に必要な4枚のモアレ(図5(a)〜(d))の強度分布を検出できた。これら4枚の検出結果から微分位相像を算出したものを図5(e)に示す。
本実施例による干渉パターンと遮蔽格子の相対位置変化の容易性についても言及する。
干渉パターンの移動距離は光学素子の回転角度で決定される。また、光学素子の回転角度は光学素子を保持する枠部分を移動させることで行っているため、1回の検出毎の干渉パターンの移動距離は光学素子の枠部分の移動距離により調整される。つまり、半径rの光学素子を角度θ(ラジアン)回転させるためには外周部をrθ動かすこととなる。
以上の点を踏まえて、位置制御に必要な精度を計算する。本実施例では1回の検出毎に2つの光学素子をたがいに反対方向に70.5度回転させている。
本実施例では光学素子の半径は1.0cm=10000μmなので、1回の検出で移動させる距離D1は
D1=10000μm×(70.5/180)π≒12000μm
である。
D1=10000μm×(70.5/180)π≒12000μm
である。
ここで、従来技術と比較するために干渉パターンの位置の移動に要求される精度を仮に1回の移動距離の1/10であるとすると、要求される光学素子の移動距離の精度は約1200μmとなる。また、発散光を用いる場合も、拡大率Mを考慮して光学素子を設計すれば、撮像毎の光学素子の回転角度は70.5度となり、要求される精度は変わらない。また、本実施例と同じ光学素子を用いて発散光を用いる場合に要求される精度は、回転角度が異なるため多少異なるが、おおよそ本実施例と変わらないと言える。
特許文献1に記載されている縞走査法を行う場合、上述のように1回の検出毎に遮蔽格子の周期を検出回数で割った長さ分だけ回折格子と遮蔽格子の相対位置を移動させながら検出を行う。本実施例と同じ回折格子と遮蔽格子を用い、回折格子のみを移動させて4回検出を行う場合、1回の検出毎の回折格子の移動距離D2は
D2=p2/(4×M)=4/(4×1)=1μm(但しX線は平行光。)
であり、要求される干渉パターンの移動距離の精度はその1/10の0.1μmとなる。
D2=p2/(4×M)=4/(4×1)=1μm(但しX線は平行光。)
であり、要求される干渉パターンの移動距離の精度はその1/10の0.1μmとなる。
特許文献2に記載されている縞走査法は光源を移動させて縞走査を行う。この場合、X線源が被検体や格子群から離れているため、1回の走査距離は特許文献1よりも大きくなる。実施例1と同じ回折格子と遮蔽格子を用い、X線源のみを移動させて4回検出を行う場合、1回の撮像毎のX線源の移動量D3は
D3=(p2/4)×(L1/L2)=(4/4)×(100/11.3)=8.8μm
となり、位置制御に要求される精度はD3/10≒1μm程度となる。
D3=(p2/4)×(L1/L2)=(4/4)×(100/11.3)=8.8μm
となり、位置制御に要求される精度はD3/10≒1μm程度となる。
本実施例の方法を用いれば、特許文献1や2に記載されている従来例よりも縞走査の位置調整が容易である。また、2次元で縞走査を行う場合、特許文献1や2に記載されている従来例では2次元方向に遮蔽格子やX線源を移動させる必要があるが、本実施例の方法を用いれば光学ユニットが有する光学素子の回転角度を調整すればよい。更に、光学素子は格子や光源に比べて大きさが小さいため、走査のための機構も小さくて済む。
(実施例2)
実施例2では、タングステンの制動X線の白色スペクトルを出射するX線源を用い、CCDのMTF(Modulation Transfer Function)によるモアレのぼやけ要因を考慮して、より現実に即した条件下でシミュレーションを行った。その他の構成は実施例1と同じである。
実施例2では、タングステンの制動X線の白色スペクトルを出射するX線源を用い、CCDのMTF(Modulation Transfer Function)によるモアレのぼやけ要因を考慮して、より現実に即した条件下でシミュレーションを行った。その他の構成は実施例1と同じである。
図6は実施例2の撮像装置を用いて縞走査法を行い、上記モアレのぼやけ要因を考慮してシミュレーションを行った結果を示した図である。図6(a)〜(d)は4回の検出結果(モアレの強度分布)であり、図6(e)はこれら4枚の検出結果から微分位相像を算出した結果である。X線が白色スペクトルであり、MTFのぼやけ要因があるため像の輪郭が実施例1より曖昧になっているが、縞走査による位相回復は可能であることが分かった。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば今回の実施例では1次元の縞走査法に用いたが、2次元の縞走査を行う場合でも、格子や光源を2次元に移動させることなく、光学素子の回転、交換、挿脱によって対応することが可能である。
また、光学素子の数を増やす、もしくは1枚にすることでこのほかの撮像条件に対応することが可能となる。また、干渉パターンの周期が検出器で検出できる程度の大きさであれば、遮蔽格子を用いずに干渉パターンの強度情報を直接検出しても良い。
110 X線源
210 被検体
310 回折格子
410 遮蔽格子
510 検出器
610 演算装置
710 光学ユニット
810 干渉パターン
210 被検体
310 回折格子
410 遮蔽格子
510 検出器
610 演算装置
710 光学ユニット
810 干渉パターン
Claims (9)
- 光源からの光を回折することで暗部と明部が配列方向に並んだ干渉パターンを形成する回折格子と、
前記回折格子を経た前記光を検出する検出器と、
前記光源と前記検出器との間の光路中に配置される光学ユニットと、
を備え、
前記光学ユニットは、前記干渉パターンと前記検出器との相対位置が前記配列方向において変化するように、該光学ユニットから出射する前記光の光軸の向きを変更することができるように構成されており、
前記検出器は前記相対位置の変化に対応して前記光を検出することを特徴とする撮像装置。 - 前記光学ユニットは前記光源と前記回折格子の間の前記光路中に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記光学ユニットは入射した前記光の光軸を傾ける光学素子と、
前記光学素子を回転させる駆動部と、を有し、
前記駆動部による前記光学素子の回転により前記光学ユニットから出射する前記光の光軸の向きが変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記光学ユニットは入射した前記光の光軸を傾ける第1の光学素子と、
該第1の光学素子を経て入射した前記光の光軸を傾ける第2の光学素子と、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを回転させる駆動部と、を有し、
前記駆動部は前記第1の光学素子と前記第2の光学素子を夫々回転させることが可能であり、
前記光学ユニットから出射する前記光の光軸の向きは、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子による前記光の光軸の傾きの合成により決まることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記光学ユニットは入射した前記光の光軸を傾ける光学素子と、
前記光学素子を前記光路へ挿脱する駆動部と、を有し、
前記駆動部による前記光学素子の前記光路への挿脱により前記光学ユニットから出射する光軸の向きを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記光はX線であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記回折格子と前記検出器との間の前記光路中に遮蔽格子を備え、
前記遮蔽格子は前記干渉パターンの一部を遮り、
前記検出器は前記干渉パターンと前記遮蔽格子の相対位置の変化に対応して前記遮蔽格子を経た前記光を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。 - 前記検出器の検出結果に基づいて被検体の位相像または微分位相像を算出する演算部を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 請求項8に記載の撮像装置と、
前記撮像装置の演算結果に基づいた画像を表示する画像表示装置と、を備えることを特徴とする撮像システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011053169A JP2012189446A (ja) | 2011-03-10 | 2011-03-10 | 撮像装置及び撮像方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2012189446A true JP2012189446A (ja) | 2012-10-04 |
Family
ID=47082787
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2011053169A Withdrawn JP2012189446A (ja) | 2011-03-10 | 2011-03-10 | 撮像装置及び撮像方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2012189446A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017072399A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社日立ハイテクサイエンス | X線検査装置及びx線検査方法 |
| WO2020066135A1 (ja) * | 2018-09-25 | 2020-04-02 | 株式会社島津製作所 | X線位相イメージング装置 |
-
2011
- 2011-03-10 JP JP2011053169A patent/JP2012189446A/ja not_active Withdrawn
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