JP2012189809A - 平版印刷版の現像装置及び平版印刷版の現像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質の平版印刷版を安定して作製することができる平版印刷版原版の現像装置及び平版印刷版原版の現像方法を提供する。
【解決手段】支持体と該支持体上に支持されている露光された画像記録層とを有する平版印刷版原版を搬送させて現像を行う平版印刷版原版の現像装置であって、第1の槽を有し、搬送される平版印刷版原版を第1の槽に溜めた現像液に浸漬させて画像記録層を現像する第1の現像部と、第1の現像部に対して平版印刷版原版の搬送方向の下流側に配され、現像液を溜める第2の槽を有する第2の現像部と、第2の槽に新鮮な現像液を補充する補充部と、第2の槽に溜めた現像液を第2の槽から前記第1の槽に送液する送液装置と、を備え、送液装置は、第2の槽に溜められた現像液を第1の槽に送液する。
【選択図】図1

Description

本発明は、平版印刷版の現像装置及び平版印刷版の現像方法に関する。
平版印刷版は、親水性の支持体と、該支持体上に形成された親油性の感光性樹脂層(画像記録層)とを備える平版印刷版原版(PS版)を用いて作製される。
平版印刷版を作製する方法としては、平版印刷版原版にリスフィルムなどの原画を用いて露光を行うか、又は、デジタルデータによるレーザ光走査で画像様に直接露光を行い、その後、画像記録層が露光された平版印刷版原版を現像装置で現像を行う。
このような現像装置は、例えば、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層を、pH10以上のアルカリ性の現像液によって溶解除去し、支持体表面を露出させて非画像部を形成する。そして、支持体と残存する画像部を親水性樹脂を主とするガム液で被覆することによって平版印刷版を作製する。
このように従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な画像記録層を現像液などによって溶解除去する工程が必要であるが、環境及び安全上、より中性域に近い現像液での処理を可能にすることや廃液を少なくすることが重要であり、近年、その要請は一層強くなってきている。このため、現在では、現像液の低アルカリ化が望まれるようになっている。
しかし、現像液の低アルカリ化は現像処理工程に大きな負荷を与える。例えば、低アルカリ性の現像液、通常のアルカリ性の現像液を使用する場合に比べて、画像記録層を除去がより困難であり、現像液が疲労してくると現像能力が低下し、平版印刷版上に画像記録層成分が残存することがある。
ここで、現像装置の現像部の構成としては、主に、平版印刷版を現像液に浸漬させずに、水平に搬送する水平搬送式と、槽に溜められた現像液に浸漬させつつ搬送する浸漬式とがある。
水平搬送式は、搬送される平版印刷版にスプレを用いて現像液を供給する。しかし、この水平搬送式の構成では、液はねにより液が飛散しやすく、飛散した液が乾燥し、カス化する問題がある。また、水平搬送式の構成は、非稼動時に処理液が乾燥しやすく、擦り材(ブラシ)、ローラ等も乾燥により、汚れやカスが生じやすい。このため、浸漬方式を採用した現像装置が使用される。しかし、この方式でも低アルカリ性又は非アルカリ性の現像液では画像記録層を十分に溶解させることが難しい。また、現像液が疲労すると槽に溜められた現像液にカスが浮遊することが多い。
そこで、現像処理工程を、平版印刷版の搬送方向に複数の現像部を設け、これら複数の現像部で分けて現像を行う方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、低アルカリ性又は非アルカリ性の現像液でも画像記録層を溶解させやすくなる。
特開2007−52279号公報
ところで、特許文献1に示すように、浸漬方式の現像装置では、現像液を正常に画像記録層の現像が行える状態に維持するため、現像液を溜めている槽に現像液を適宜補充する必要がある。搬送方向下流にある槽から直近上流に位置する槽に現像液をオーバーフローさせることによって、上流側の槽に現像液を送液する構成では、送液する現像液の量を正確に制御することが不可能であった。このため、現像液の状態を維持することができなくなり、平版印刷版を高品質で安定して作製することができなくなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高品質の平版印刷版を安定して作製することができる平版印刷版原版の現像装置及び平版印刷版原版の現像方法を提供することを目的とする。
(1)支持体と該支持体上に支持されている露光された画像記録層とを有する平版印刷版原版を搬送させて現像を行う平版印刷版原版の現像装置であって、
第1の槽を有し、搬送される前記平版印刷版原版を前記第1の槽に溜めた現像液に浸漬させて前記画像記録層を現像する第1の現像部と、
前記第1の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の下流側に配され、現像液を溜める第2の槽を有する第2の現像部と、
前記第2の槽に新鮮な現像液を補充する補充部と、
前記第2の槽に溜めた現像液を前記第2の槽から前記第1の槽に送液する送液装置と、を備え、
前記送液装置は、前記第2の槽に溜められた現像液を前記第1の槽に送液する平版印刷版原版の現像装置。
(2)支持体と該支持体上に支持されている露光された画像記録層とを有する平版印刷版原版を搬送させて現像を行う現像装置を用いた平版印刷版原版の現像方法であって、
前記現像装置は、第1の槽を有し、搬送される前記平版印刷版原版を前記第1の槽に溜めた現像液に浸漬させて前記画像記録層を現像する第1の現像部と、
前記第1の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の下流側に配され、現像液を溜める第2の槽を有する第2の現像部と、を備え、
前記第1の槽に溜めた現像液に前記平版印刷版を浸漬させて前記画像記録層を現像するステップと、
前記第1の槽に対して前記平版印刷版の搬送方向の下流側に配された第2の槽に前記現像液を補充するステップと、
送液装置を用いて、前記第2の槽に溜められた現像液を前記第1の槽に送液するステップと、を含む平版印刷版の現像方法。
本発明によれば、高品質の平版印刷版を安定して作製することができる平版印刷版原版の現像装置及び平版印刷版原版の現像方法を提供できる。
本発明の平版印刷版原版の現像装置の構成を示す概略図である。 本発明の平版印刷版原版の現像装置の他の構成例を示す概略図である。
最初に、本発明において好ましく使用可能な平版印刷版原版について記載する。
[平版印刷版原版]
本発明に好ましく使用可能な平版印刷版原版は、親水性支持体上に、(A)重合開始剤、(B)重合性化合物、(C)増感色素及び(D)バインダーポリマーを含有する画像記録層を有し、更に、好ましくは、画像記録層上に、保護層を有する。
(A)重合開始剤
画像記録層は重合開始剤(以下、開始剤化合物とも称する)を含有することが好ましい。本発明においては、ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。
開始剤化合物としては、当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、鉄アレーン錯体が挙げられる。なかでも、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オニウム塩化合物、トリハロメチル化合物及びメタロセン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましい。重合開始剤は、2種以上を適宜併用することもできる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、欧州特許24、629、欧州特許10、7792、米国特許4、410、621の各公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物は、300〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素と併用して用いることが特に好ましい。
オニウム塩化合物としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩が好ましく用いられる。特にジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が好ましく用いられる。
オニウム塩化合物は、750〜1400nmの波長域に極大吸収を有する赤外線吸収剤と併用して用いることが特に好ましい。
その他の重合開始剤としては、特開2007−206217号の段落番号〔0071〕〜〔0129〕に記載の重合開始剤を好ましく用いることができる。
重合開始剤は単独若しくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
画像記録層中の重合開始剤の含有量は画像記録層の全固形分に対し、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは1.0質量%〜10質量%である。
(B)重合性化合物
画像記録層は重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物は、好ましくは、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、より好ましくは、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、更に好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物などの化学的形態をもつ。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸を、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。これらは、特表2006−508380号公報、特開2002−287344号公報、特開2008−256850号公報、特開2001−342222号公報、特開平9−179296号公報、特開平9−179297号公報、特開平9−179298号公報、特開2004−294935号公報、特開2006−243493号公報、特開2002−275129号公報、特開2003−64130号公報、特開2003−280187号公報、特開平10−333321号公報等に記載されている。
不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル類の具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
また、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (A)
(ただし、R及びRは、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報、特開2003−344997号公報、特開2006−65210号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報、特開2000−250211号公報、特開2007−94138号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類や、米国特許7,153,632号公報、特表平8−505958号公報、特開2007−293221号公報、特開2007−293223号公報に記載の親水基を有するウレタン化合物類も好適である。
また、特表2007−506125号公報に記載の光−酸化可能な重合性化合物も好適であり、少なくとも1個のウレア基及び/又は第三級アミノ基を含有する重合可能な化合物が特に好ましい。具体的には、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2012189809
重合性化合物の構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。重合性化合物は、画像記録層の全固形分に対して、好ましくは5〜75質量%、更に好ましくは25〜70質量%、特に好ましくは30〜60質量%の範囲で使用される。
重合性化合物の中でも、本発明の係る現像液に含有される両性イオン系界面活性剤との相互作用性が高いウレタン結合又はウレア結合を分子内に有する重合性化合物が、本発明の効果を有効に発現するうえで特に好ましい。
(C)増感色素
画像記録層は増感色素を含有する。増感色素は、画像露光時の光を吸収して励起状態となり、重合開始剤に電子移動、エネルギー移動又は発熱などでエネルギーを供与し、重合開始機能を向上させるものであれば特に限定せず用いることができる。特に、300〜450nm又は750〜1400nmの波長域に極大吸収を有する増感色素が好ましく用いられる。
300〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素としては、メロシアニン類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類、スチリル類、オキサゾール類等を挙げることができる。
300〜450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素は下記一般式(IX)で表される色素である。
Figure 2012189809
一般式(IX)中、Aは置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又は=N(R)をあらわす。R、R及びRは、それぞれ独立に、1価の非金属原子団を表し、AとR又はRとRはそれぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
一般式(IX)について更に詳しく説明する。R、R及びRは、それぞれ独立に、1価の非金属原子団であり、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。
一般式(IX)におけるAで表される置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基としては、各々R、R及びRで記載した置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基と同様のものが挙げられる。
このような増感色素の具体例としては特開2007−58170号の段落番号〔0047〕〜〔0053〕、特開2007−93866号の段落番号〔0036〕〜〔0037〕、特開2007−72816号の段落番号〔0042〕〜〔0047〕に記載の化合物が好ましく用いられる。
また、特開2006−189604号、特開2007−171406号、特開2007−206216号、特開2007−206217号、特開2007−225701号、特開2007−225702号、特開2007−316582号、特開2007−328243号に記載の増感色素も好ましく用いることができる。
次に、750〜1400nmの波長域に極大吸収を有する増感色素(以降、「赤外線吸収剤」と称することもある)について述べる。赤外線吸収剤は染料又は顔料が好ましく用いられる。
染料としては、市販の染料及び例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記一般式(a)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2012189809
一般式(a)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、−X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子(N、S、O、ハロゲン原子、Se)を有するアリール基、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。Xa−は後述するZa−と同義であり、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
Figure 2012189809
及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。画像記録層塗布液の保存安定性から、R及びRは、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましい。またRとRは互いに連結し環を形成してもよく、環を形成する際は5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar、Arは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアリール基を示す。好ましいアリール基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R、R、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。
Za−は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa−は必要ない。好ましいZa−は、画像記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン及びアリールスルホン酸イオンである。
好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号の段落番号〔0017〕〜〔0019〕、特開2002−023360号の段落番号〔0016〕〜〔0021〕、特開2002−040638号の段落番号[0012]〜[0037]に記載の化合物、好ましくは特開2002−278057号の段落番号〔0034〕〜〔0041〕、特開2008−195018号の段落番号〔0080〕〜〔0086〕に記載の化合物、特に好ましくは特開2007−90850号の段落番号〔0035〕〜〔0043〕に記載の化合物が挙げられる。
また特開平5−5005号の段落番号〔0008〕〜〔0009〕、特開2001−222101号の段落番号〔0022〕〜〔0025〕に記載の化合物も好ましく使用することが出来る。
赤外線吸収染料は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよく、顔料等の赤外線吸収染料以外の赤外線吸収剤を併用してもよい。顔料としては、特開2008−195018号の段落番号〔0072〕〜〔0076〕に記載の化合物が好ましい。
増感色素の好ましい含有量は、画像記録層の全固形分100質量部に対し、好ましくは0.05〜30質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.2〜10質量部である。
(D)バインダーポリマー
画像記録層はバインダーポリマーを含有する。バインダーポリマーとしては、画像記録層成分を支持体上に担持可能であり、現像液により除去可能であるものが用いられる。バインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアミド、ポリエステル、エポキシなどが用いられる。特に、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン、ポリビニルブチラールが好ましく用いられる。
本発明において、「(メタ)アクリル系重合体」とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アリルエステル、など)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体を重合成分として有する共重合体のことを言う。「ポリウレタン」とは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物とヒドロキシル基を2つ以上有する化合物の縮合反応により生成されるポリマーのことをいう。「ポリビニルブチラール」は、ポリ酢酸ビニルを一部又は全てを鹸化して得られるポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを酸性条件下で反応(アセタール化反応)させて合成されるポリマーのことを言い、更に、残存したヒドロキシ基と酸基等有する化合物を反応させ方法等により酸基等を導入したポリマーも含まれる。
本発明における(メタ)アクリル系重合体の好適な一例としては、酸基を有する繰り返し単位を有する重合体が挙げられる。酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、スルホンアミド基等が挙げられるが、特にカルボン酸基が好ましい。
酸基を有する繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位や下記一般式(I)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2012189809
一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは単結合又はn+1価の連結基を表す。Aは酸素原子又は−NR−を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。nは1〜5の整数を表す。
一般式(I)におけるRで表される連結基は、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びハロゲン原子からなる群から選択される1種以上の原子により構成されることが好ましく、Rで表される連結基を構成する原子の原子数は好ましくは1〜80である。具体的には、アルキレン基、置換アルキレン基、アリーレン基、置換アリーレン基などが挙げられ、これらの2価の基がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合、エステル結合の何れかで複数連結された構造を有していてもよい。Rとしては、単結合、アルキレン基、置換アルキレン基、又は、アルキレン基及び置換アルキレン基の少なくとも一方がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合及びエステル結合の少なくともいずれかによって複数連結された構造であることが好ましく、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5の置換アルキレン基、又は、炭素数1〜5のアルキレン基及び炭素数1〜5の置換アルキレン基の少なくとも一方アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合及びエステル結合の少なくともいずれかによって複数連結された構造であることが特に好ましく、単結合、炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数1〜3の置換アルキレン基、又は、炭素数1〜3のアルキレン基及び炭素数1〜3の置換アルキレン基の少なくとも一方がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合及びエステル結合の少なくともいずれかによって複数連結された構造であることが最も好ましい。
上記置換アルキレン基及び置換アリーレン基における置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基が特に好ましく、水素原子又はメチル基が最も好ましい。nは1〜3であることが好ましく、1又は2であることが特に好ましく、1であることが最も好ましい。
(メタ)アクリル系重合体の全繰り返し単位に占める酸基を有する繰り返し単位の割合(モル%)は、現像性の観点から、1〜70%が好ましい。現像性と耐刷性の両立を考慮すると、1〜50%がより好ましく、1〜30%が特に好ましい。
(メタ)アクリル系重合体の酸価は、10〜250mg−KOH/gであることが好ましい。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系重合体は更に架橋性基を有することが好ましい。ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に画像記録層中で起こるラジカル重合反応の過程で重合体を架橋させる基のことである。このような機能の基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和結合基が好ましい。エチレン性不飽和結合基としては、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基が好ましい。
重合体は、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、重合体間で直接に又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、重合体分子間に架橋が形成されて硬化する。又は、重合体中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、重合体分子間に架橋が形成されて硬化する。
(メタ)アクリル系重合体中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、重合体1g当たり、好ましくは0.01〜10.0mmol、より好ましくは0.05〜9.0mmol、特に好ましくは0.1〜8.0mmolである。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系重合体は、上記酸基を有する繰り返し単位、架橋性基を有する繰り返し単位の他に、(メタ)アクリル酸アルキル又はアラルキルエステルに対応する繰り返し単位、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体に対応する繰り返し単位、α−ヒドロキシメチルアクリレートに対応する繰り返し単位、スチレン誘導体に対応する繰り返し単位を有していてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜8の前述の置換基を有するアルキル基であり、メチル基がより好ましい。(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド誘導体としては、N−イソプロピルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−(4−メトキシカルボニルフェニル)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、モルホリノアクリルアミド等が挙げられる。α−ヒドロキシメチルアクリレートとしては、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。スチレン誘導体としては、スチレン、4−tertブチルスチレン等が挙げられる。
本発明におけるポリウレタンの好適な一例としては、特開2007−187836号の段落番号〔0099〕〜〔0210〕、特開2008−276155号の段落番号〔0019〕〜〔0100〕、特開2005−250438号の段落番号〔0018〕〜〔0107〕、特開2005−250158号の段落番号〔0021〕〜〔0083〕に記載のポリウレタンを挙げることが出来る。
本発明におけるポリビニルブチラールの好適な一例としては、特開2001−75279号の段落番号〔0006〕〜〔0013〕に記載のポリビニルブチラールを挙げることができる。
ポリウレタン、ポリビニルブチラールも、(メタ)アクリル系重合体と同様に、カルボン酸基等の酸基を有することが好ましく、更にエチレン性不飽和基等の架橋性基を有することがより好ましい。酸価及び架橋性基含有量の好ましい範囲は、前記(メタ)アクリル系共重合体と同様である。
本発明に係る現像液に含有される両性イオン系界面活性剤との相互作用性が高いウレタン結合を有しているポリウレタンが、本発明の効果を有効に発現するうえで特に好ましい。
バインダーポリマー中の酸基の一部が、塩基性化合物で中和されていても良い。塩基性化合物としては、塩基性窒素を含有する化合物やアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属の4級アンモニウム塩などが挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。バインダーポリマーの含有量は、良好な画像部の強度と画像形成性の観点から、画像記録層の全固形分に対して、5〜75質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%であるのが更に好ましい。
また、重合性化合物及びバインダーポリマーの合計含有量は、画像記録層の全固形分に対して、90質量%以下であることが好ましい。90質量%を超えると、感度の低下、現像性の低下を引き起こす場合がある。より好ましくは35〜80質量%である。
一般に、平版印刷版原版の画像記録層におけるバインダーポリマーに対する重合性化合物の比率が大きいほど、現像液の画像記録層への浸透性が向上し、現像性が向上する。本発明に係る平版印刷版原版の画像記録層における重合性化合物/バインダーポリマーの質量比は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.25〜4.5、特に好ましくは2〜4である。
画像記録層は連鎖移動剤を含有することが好ましい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683−684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与してラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。本発明の画像記録層には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類等)を好ましく用いることができる。好適な例としては、特開2007−58170号の段落番号〔0097〕〜〔0109〕に記載のチオール化合物が挙げられる。
連鎖移動剤の含有量は、画像記録層の全固形分100質量部に対し、好ましくは0.01〜20質量部、更に好ましくは1〜10質量部、特に好ましくは1〜5質量部である。
(その他の画像記録層成分)
画像記録層には、更に、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、現像性の促進及び塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性と耐刷性両立の為のマイクロカプセル、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための着色剤や焼き出し剤、画像記録層の製造中又は保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪誘導体などの疎水性低分子化合物、画像部の硬化皮膜強度向上のための無機微粒子や有機微粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上のための共増感剤、可塑性向上のための可塑剤等が挙げられる。これらの添加剤はいずれも公知のもの、例えば、特開2007−206217号の段落番号〔0161〕〜〔0215〕、特表2005−509192号の段落番号〔0067〕、特開2004−310000号の段落番号〔0023〕〜〔0026〕及び〔0059〕〜〔0066〕に記載の化合物を使用することができる。界面活性剤については、後述の現像液に添加してもよい界面活性剤を使用することもできる。
<画像記録層の形成>
画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。使用する溶剤としては、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、γ−ブチルラクトン等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。溶剤は単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布、乾燥後に得られる画像記録層塗布量(固形分)は、0.3〜3.0g/mが好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等が挙げられる。
<保護層>
本発明の作製方法において用いられる平版印刷版原版には、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、画像記録層上に保護層(酸素遮断層)が設けられる。保護層の材料としては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができ、必要に応じて2種類以上を混合して使用することもできる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらの中で、比較的結晶性に優れた水溶性ポリマーを用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的に最も良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、アセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールはポリ酢酸ビニルを加水分解することにより得られるが、ポリビニルアルコールの具体例としては加水分解度が69.0〜100モル%、重合繰り返し単位数が300〜2400の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−102、PVA−103、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−235、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−403、PVA−405、PVA−420、PVA−424H、PVA−505、PVA−617、PVA−613、PVA−706、L−8等が挙げられる。これらは単独又は混合して使用できる。ポリビニルアルコールの保護層中の含有率は、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは30〜90質量%である。
また、公知の変性ポリビニルアルコールも好ましく用いることができる。特に、カルボン酸基又はスルホン酸基を有する酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。具体的には、特開2005−250216号、特開2006−259137号に記載のポリビニルアルコールが好適に挙げられる。
ポリビニルアルコールと別の材料を混合して使用する場合、混合する成分としては、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はその変性物が酸素遮断性、現像除去性といった観点から好ましく、保護層中の含有量は3.5〜80質量%、好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等をポリマーに対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することがでる。また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤をポリマーに対して数質量%添加することができる。
更に、保護層には、酸素遮断性や画像記録層表面保護性を向上させる目的で、無機質の層状化合物を含有させることも好ましい。無機質の層状化合物の中でも、合成の無機質の層状化合物であるフッ素系の膨潤性合成雲母が特に有用である。具体的には、特開2005−119273号に記載の無機質の層状化合物が好適に挙げられる。
保護層の塗布量は、乾燥後の塗布量で、0.05〜10g/mが好ましく、無機質の層状化合物を含有する場合には、0.1〜5g/mが更に好ましく、無機質の層状化合物を含有しない場合には、0.5〜5g/mが更に好ましい。
<支持体>
平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状の親水性支持体であればよい。特に、アルミニウム板が好ましい。アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。これらの処理については、特開2007−206217号の段落番号〔0241〕〜〔0245〕に記載の方法を好ましく用いることができる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
支持体の色濃度は、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
支持体の厚さは、0.1〜0.6mmが好ましく、0.15〜0.4mmがより好ましく、0.2〜0.3mmが更に好ましい。
(支持体親水化処理、下塗り層)
平版印刷版原版においては、非画像部の親水性を向上させ印刷汚れを防止するために、支持体表面の親水化処理を行う又は支持体と画像記録層との間に下塗り層を設けることも好適である。
支持体表面の親水化処理としては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液に浸漬処理又は電解処理するアルカリ金属シリケート処理法、フッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、ポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられるが、ポリビニルホスホン酸水溶液に浸漬処理する方法が好ましく用いられる。
下塗り層としては、ホスホン酸、リン酸、スルホン酸などの酸基を有する化合物を有する下塗り層が好ましく用いられる。これらの化合物は、画像記録層との密着性を向上させる為に、更に重合性基を含有することが好ましい。重合性基としてはエチレン性不飽和結合基が好ましい。更にエチレンオキシ基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
これらの化合物は低分子化合物でも高分子ポリマーであってもよい。これらの化合物は必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
特開平10−282679号公報に記載の付加重合可能なエチレン性不飽和結合基を有するシランカップリング剤、特開平2−304441号公報に記載のエチレン性不飽和結合基を有するリン化合物などが好適に挙げられる。特開2005−238816号、特開2005−125749号、特開2006−239867号、特開2006−215263号公報に記載の架橋性基(好ましくは、エチレン性不飽和結合基)、支持体表面に相互作用する官能基、及び親水性基を有する低分子又は高分子化合物を含有することも好ましく用いられる。
下塗り層は、公知の方法で塗布される。下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mが好ましく、1〜30mg/mがより好ましい。
<バックコート層>
必要に応じて、支持体の裏面(画像記録層と反対側の面)にバックコートを設けることができる。バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物からなる層、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
以下に、本発明に係る平版印刷版の作製方法について記載する。
[平版印刷版の作製方法]
本発明に係る平版印刷版原版を、画像露光して現像処理を行うことで平版印刷版が作製される。
<画像露光工程>
平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通してレーザー露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。
光源の波長は300〜450nm又は750〜1400nmが好ましい。300〜450nmの場合は、この領域に吸収極大を有する増感色素を画像記録層に有する平版印刷版原版が用いられ、750〜1400nmの場合は、この領域に吸収を有する増感色素である赤外線吸収剤を含有する平版印刷版原版が用いられる。300〜450nmの光源としては、半導体レーザーが好適である。750〜1400nmの光源としては、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
次に、本発明の現像装置の構成を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の現像装置の構成を概略的に示した図である。
現像装置1は、予め画像記録部に露光が行われた平版印刷版原版10を搬送経路に沿って搬送しながら、該平版印刷版原版10に現像を行い、平版印刷版を作製するものである。
現像装置1は、搬送される平版印刷版原版10の搬送方向の上流側から順に、プレヒート部50と、第1の処理部2と、第2の処理部3と、第3の処理部4と、乾燥部52とを備えている。
プレヒート部50は、加熱ユニットを有している。プレヒート部50は、現像処理に先立って、平版印刷版原版10に加熱ユニットによってプレヒートを行う。プレヒートの加熱条件は、100℃、10秒間で行う。加熱時間、加熱温度は、版材により適宜変更できる。加熱時間は、5〜30秒に設定されることが好ましい。また、加熱温度は、60〜140℃で設定する事が好ましく、より好ましくは、80〜120℃である。なお、プレヒート部は必ずしも備わっている必要はなく、平版印刷版原版の構成に応じてプレヒート部を設けずに省略してもよい。
第1の処理部2は、槽20を有する。槽20には、所定の量の現像液L1が溜められている。第1の処理部2は、搬送される平版印刷版原版10を現像液L1に浸漬させることで、画像記録層の露光部を現像する。図1に示す構成では、第1の処理部2は、第1の現像部として機能する。
また、第1の処理部2は、搬送ローラ対22と、搬送ローラ対24とを備える。搬送ローラ対22は、第1の処理部2における搬送経路の上流側に配され、搬送される平版印刷版原版10を槽20に溜められた現像液L1に浸漬させつつ搬入する。搬送ローラ対24は、第1の処理部2における搬送経路の下流側に配され、平版印刷版原版10を第1の処理部2から搬出する。
第1の処理部2は、擦り部材26を備える。擦り部材26は、第1の処理部2における搬送経路の搬送ローラ対22と搬送ローラ対24との間に配されている。擦り部材26は、槽20に溜められた現像液L1に浸漬される平版印刷版原版の画像記録層を擦ることで画像記録層の非露光部を除去する。擦り部材26は、現像液L1に浸された状態で平版印刷版原版10を擦るため、現像液の飛散が殆ど生じない。これにより、現像液の飛散に起因する現像装置内の汚染やカスの発生を回避できる。
なお、画像記録層がオーバーコート層を有する場合には、擦り部材26によってオーバーコート層を同時に除去する。
擦り部材は、平版印刷版原板の画像記録面を擦ることができる部材であれば何でも良いが、特に、回転軸を中心に回転することで画像記録層を擦ることが可能な回転ブラシロールを用いることが好ましい。このような、回転ブラシロールとしては、例えば、公知のチャンネルブラシ、ねじりブラシ、植え込みブラシ、絨毯ブラシ、及びモルトンローラ等を使用することが好ましい。
回転ブラシロール等を用いて、処理液に浸漬した状態で擦る際には、液の飛散の観点から、擦り部材は、直径の1/3以上は処理液中に浸漬している状態が好ましく、より好ましくは、2/3以上、更に好ましくは3/4以上が浸漬している状態である。
チャンネルブラシとしては、実開昭62−167253号、実開平4−63447号、実開平4−64128号、特開平6−186751号の各公報に開示されているような、長尺のいわゆるチャンネルブラシ(帯状ブラシ)を、ローラ本体表面に螺旋状に巻付けたものが用いられる。ねじりブラシとしては、特開平3−87832号の各公報に開示されているようなシャフトに設けられた螺旋状の溝内にねじりブラシを挿入してシャフトへ螺旋状に巻き付けたものが用いられる。植え込みブラシとしては、シャフトローラに小穴をあけ、ブラシ材料を植え込む方法で作成されるものが用いられる。絨毯ブラシとしては、特開2001−5193号、特開2001−66788号の各公報に開示されているようなシャフトローラの周面に織物に毛材が織り込まれた細長の帯体を巻き付けたものが用いられる。モルトンローラとしては、特開平10−198044号の広報に開示されているようなローラー部に繊維製の編成物からなる筒状の摺接材を被せて装着側の端部を緊締したものが使用できる。
擦り部材として回転する部材を用いる場合、その擦り部材の回転数は、平版印刷版原板の非露光部の画像記録層の除去性を向上させるために、なるべく速いことが好ましいが、現像装置の耐久性、製造コスト、処理液の飛散及び平版印刷版原板の露光部の損傷等の観点から、30〜1000rpm、より好ましくは50〜500rpmが好ましい。
擦り部材としてブラシを用いる場合、そのブラシの本数は、一本以上有ればよく、複数本有していても良い。2本以上の場合は、一本以上を、平版印刷版原板の処理方向と逆の方向に回転させても良い。更に、回転する擦り部材を用いる場合には、擦り部材を回転軸方向に揺動させながら現像処理を行っても良い。擦り部材を回転軸方向に揺動させることで、平版印刷版原板の非画像部の除去をより効果的に行うことができ、より高品質の平版印刷版を作製することが可能となる。
擦り部材に用いるブラシの材質は、馬の毛、豚の毛等の天然繊維、人造繊維、金属繊維などが知られているが、耐薬品性より人造繊維が好ましい。人造繊維としては、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン12等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリオレフィン類、アセチルセルロース等のセルロース類、ポリウレタン等のポリウレタン類、ポリフェニレンサルファイト、エチレン・4弗化エチレン共重合体、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂類が用いられるが、弾性、剛性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、給水性、吸湿性等を考慮すると、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン12、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートが好ましく、より好ましくはナイロンナイロン6・6、ナイロン6・10、6・12、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンが用いられる。ポリエステル類ではとくにポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましい。ポリオレフィン類では特にポリプロピレンが好ましい。
ブラシの毛の太さは特に限定はされないが、0.01mmから1.0mmが好ましく、より好ましくは、0.1mmから0.5mmが好ましい。ブラシの太さが0.01mmより細いと擦り性が劣り、1.0mmより太いと、版面に擦り傷を付けやすくなるためである。また、ブラシの毛の長さは特に限定されないが、通常3mmから50mmの範囲で用いられる。3mmより短くすると平版印刷版原板へのあたりが不均一になって版面に擦り傷を付けやすくなるためである。また、50mmより長い場合には、長くすることによる現像処理上のメリットが見出されなくなり、経済的にも不利である。モルトンローラの場合は、編成物からなる筒状の摺接材を被せるため、毛材の太さや長さの規定は不要である。
第2の処理部3は、槽30を有する。槽30には、所定の量の現像液L2が溜められている。図1に示す構成では、第2の処理部3は、第2の現像部として機能する。
また、第2の処理部3は、搬送ローラ対32と、搬送ローラ対34とを備える。搬送ローラ対32は、第2の処理部3における搬送経路の上流側に配され、第1の処理部2から搬出された平版印刷版原版10を、第2の処理部3に搬入する。搬送ローラ対34は、第2の処理部3における搬送経路の下流側に配され、平版印刷版原版10を第2の処理部3から搬出する。平版印刷版原版10は、搬送ローラ対32と搬送ローラ対34の間を略水平に搬送される。
更に、第2の処理部3は、互いに平行に配置された一対のスプレ管31を有する。一対のスプレ管31は、両者の間で搬送経路を挟み込むように配置されている。また、一対のスプレ管31は、第2の処理部3における搬送経路の搬送ローラ対32と搬送ローラ対34との間に配されている。
一対のスプレ管31は、搬送される平版印刷版原版10に現像液L2を吹き付ける。こうして、第2の処理部3は、第1の処理部2で現像されずに残存する画像記録層の露光部を補足的に現像するとともに、平版印刷版原版10上に付着したカスを洗い流すことが可能である。処理部3は、槽30に溜められた現像液L2をスプレ管31へ送液する機構を備えており、スプレ管31から吐出した現像液L2は、槽30に戻り、循環される。
第3の処理部4は、槽40を有する。槽40には、所定の量の現像液L3が溜められている。図1に示す構成では、第3の処理部4は、第2の処理部3と同様に現像部として機能する。
また、第3の処理部4は、搬送ローラ対42と、搬送ローラ対44とを備える。搬送ローラ対42は、第3の処理部4における搬送経路の上流側に配され、第2の処理部3から搬出された平版印刷版原版10を、第3の処理部4に搬入する。搬送ローラ対44は、第3の処理部4における搬送経路の下流側に配され、平版印刷版原版10を第3の処理部4から搬出する。平版印刷版原版10は、搬送ローラ対42と搬送ローラ対44の間を略水平に搬送される。
更に、第3の処理部4は、互いに平行に配置された一対のスプレ管41を有する。一対のスプレ管41は、両者の間で搬送経路を挟み込むように配置されている。また、一対のスプレ管41は、第3の処理部4における搬送経路の搬送ローラ対42と搬送ローラ対44との間に配されている。
一対のスプレ管41は、搬送される平版印刷版原版10に現像液L3を吹き付けることで、第1の処理部2及び第2の処理部3で現像されずに残存する画像記録層の露光部を補足的に現像するとともに、平版印刷版原版10上に付着したカスを洗い流すことが可能である。第3の処理部4は、槽40に溜められた現像液L3をスプレ管41へ送液する機構を備えており、スプレ管41から吐出した現像液L3は、槽40に戻り、循環される。
乾燥部52は、第3の処理部4から搬出された平版印刷版原版10を乾燥する。乾燥温度(平版印刷版原版の表面における温度)は、約55℃であり、50〜60℃の範囲で設定されることが好ましい。但し、この設定温度は、平版印刷版原版の構成や現像液の処方に応じて適宜設定可能である。
また、現像装置1は、補充部60と、送液装置とを備える。
補充部60は、第2の処理部3の槽30に、パイプ等を介して新鮮な現像液を補充する。新鮮な補充液とは、版を処理していない未使用の現像液のことであり、未使用の現像液L2であることが好ましい。
送液装置は、第1の処理部2の槽20に溜めた現像液L1の状態に応じた量の現像液を、第2の処理部3の槽30から槽20に送液する。送液装置は、パイプ80と、回収部82と、タンク84と、ポンプ86とを備える。
パイプ80は、槽20と槽30との間に延設され、送液する現像液L2を流通せしめる閉路である。
回収部82は、槽30に溜められた現像液L2が一定の液面レベルを超えた場合に、回収口から超えた分に相当する量の現像液L2を回収し、パイプ80内に導く。
タンク84は、回収部82にパイプ80を介して連結されている。タンク84は、回収部82で回収された現像液L2を一時的に貯留する。
ポンプ86は、タンク84にパイプ80を介して連結されている。ポンプ86は、タンク84に貯留された現像液L2をパイプ80を介して第1の処理部2の槽20に送液する。ポンプ86は、駆動モータの回転数を制御することにより、回転数に応じた送液量で現像液L2を槽20に送液する。ポンプ86は、例えば、予め定められた容積の現像液を供給することが可能なものであり、例えば、ベローズポンプ、ダイアフラムポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプなどを採用することができる。
また、送液装置は、パイプに、現像液L2に含まれるカスなどの異物を除去するためのフィルタ部を備えていてもよい。こうすれば現像液からカスなどを除去し、現像液を常にクリーンな状態に維持することができる。更に、回収部82とタンク84とが一体に設けられていてもよい。
現像装置1は、補充部60によって新鮮な現像液L2を第2の処理部3の槽30に補充することができる。このため、槽30に溜められている現像液L2の状態が劣化してしまうことを抑えることができる。
また、現像装置1は、第1の槽に溜めた現像液の状態に応じて、送液装置によって槽30から槽20に現像液L2を補充する。第1の槽に溜められた現像液の状態とは、現像液L1の液面の高さ(液位)や現像液L1の疲労度である。
現像液L1、現像液L2、現像液L3は、本発明の効果が損なわれない限りにおいて、同一でも、異なる組成でも良い。現像液L1と現像液L2は同一のものを用いることが好ましい。この場合には、現像装置1は、第1の処理部2の槽20に溜められた現像液L1の成分が変化せず安定するように、送液装置によって槽20に送液する現像液L2の量を制御している。現像液L1、L2の温度はそれぞれ、任意の温度で使用できるが、好ましくは10℃〜50℃である。
また、槽20に溜められた現像液L1の現像性を回復させるため、第2の処理部3の槽30に補充される現像液L2として濃縮液を用いることもある。濃縮液を補充する場合は、タンク84が遮蔽され、蒸発量が小さい時である。この時の補充量は、好ましくは1.05〜6倍であるが、より好ましくは、1.1〜3倍、更に好ましくは、1.1〜2倍である。他方、現像液L2が外気と接触しやすく、蒸発が大きい場合がある。この場合、補充する液を希釈側にする事がある。この場合は、好ましくは、0.6〜0.95倍、より好ましくは、0.7〜0.9倍、更に好ましくは、0.8〜0.9倍である。
槽30から槽20への送液量は、送液量を多くした場合に局所的に温度の均一性が損なわれることを抑えるため、1L/min以下にすることが好ましい。
なお、槽30は、図示しない液循環用スプレを槽30に配備し、図示されない循環ポンプによって、溜められた現像液L1の循環を行うことで、該現像液L1の均一性を保持している。
現像装置1は、補充部60の補充によって増加した分に相当する量を回収部82から回収して、タンク84に貯留させた後、送液するシステムになっている。しかし、送液の方法はこれに限定されない。槽20に溜められた現像液L1の状態の変化を見込んで、予め設定された量の現像液を送液してもよい。
この現像装置1によれば、第2の処理部3に補充部60によって補充を行うことで、槽30に溜められる現像液L2の劣化を防止することができる。また、送液装置によって、現像液L2を槽30から槽20に送液することができる。このため、槽20に現像液を補充する機構を設ける必要がなく、現像液L1の状態に応じて所定の量だけ槽20に送液でき、また、ポンプ86によって送液する量を正確に制御することができる。このため、現像液の状態を維持することができ、平版印刷版を高品質で安定して作製することができる。
また、現像装置1は、閉路であるパイプ80を介して槽20に現像液L2を送液するため、蒸発などの影響によって送液される現像液L2が変質してしまうことを防止できる。槽に溜められた現像液をオーバーフローさせて、槽に現像液を供給する構成では、送液する現像液の量を制御することが不可能であり、また、現像液の変質が顕著である。
更に、現像装置1は、第1の処理部2と第2の処理部3との間に他の処理部が存在しても、送液を行うことが可能である。
次に、現像装置の構成の他の例を説明する。図2は、現像装置の他の構成例を示す概略図である。
この例の現像装置1は、図1に示す現像装置の構成と基本的に同じである。既に説明した構成や部材については、同じ参照番号を付すことで説明を省略又は簡略する。
現像装置1は、平版印刷版原版10の搬送経路に上流側から順に、第1の処理部2、第2の処理部3、第3の処理部4を備えている。
第2の処理部3の槽20には現像液L1が溜められている。第2の処理部3の槽30には水洗水Wが溜められている。第3の処理部4の槽40には現像液L2が溜められている。第1の処理部2が第1の現像部として機能し、第3の処理部4が第2の現像部として機能する。また、第2の処理部3が水洗部として機能する。
現像装置1は、搬送される平版印刷版原版10を第1の処理部2の槽20に溜められた現像液L1に浸漬させつつ搬送することにより現像を行う。その後、第2の処理部3で平版印刷版原版10に水洗処理を行い、第3の処理部4でスプレ管41から現像液L2を平版印刷版原版に吹き付けて、第1の処理部2で現像されなかった領域の画像記録層を補足的に現像する。
現像装置1は、第3の処理部4の槽40に現像液L2を補充する補充部60を備える。
また、現像装置1は、送液装置を備えている。送液装置は、槽20に溜めた現像液L1の状態に応じた量の現像液を、槽40から槽20に送液する。送液装置の構成は上述した構成と同じである。
図2に示すように、第1の処理部2と第3の処理部4との間に水洗部(第2の処理部3)が存在しても、送液装置によって槽20に送液を行うことが可能である。このため、現像装置1は、処理部の数やその配置に関らず、現像液の送液と補充を行うことが可能であり、現像液L1,L2が良好な状態となるように維持することができる。
なお、第2の処理部3は、水洗部以外の他の処理を行う処理部としてもよい。また、第3の処理部4の搬送経路の下流側に更に他の処理部が設けられていてもよい。
上述した現像装置1の構成は、適宜変更可能である。
例えば、第2の処理部3及び第3の処理部は水平搬送方式としたが、浸漬方式でも効果を発現できる。
例えば、現像装置は、3つの槽20、30、40を備えた構成としたが、これに限定されない。現像装置は1は、4つ以上の槽を備えていてもよい。
現像装置は、槽に溜められた現像液を汲み上げてノズルから吹き付けて処理する方式や、実質的に未使用の処理液を一版毎に必要な分だけ供給して現像する、所謂、使い捨て処理方式のいずれの方式が一般的に用いられる。液の飛散防止という観点では、平版印刷版原板を浸漬搬送させて現像処理する方式が優れている。
現像装置は、更に、露光装置を一体に備えていてもよい。
なお、本発明において、現像処理後の平版印刷版原版(以下、平版印刷版という)を、引き続いて、不感脂化処理することも任意に可能である。第1の処理部2及び第2の処理部3において、現像と同時に不感脂化処理を行っても良い。
次に、現像液について説明する。現像と同時に不感脂化処理を可能とする上で、以下の構成の現像液を好適に使用することができる。とりわけ、後述の界面活性剤及び、水溶性高分子化合物の少なくともいずれかを含有することが、不感脂化処理能を付与する上で好ましい。
本発明の平版印刷版の作製方法において使用される現像液は、水を主成分とする(水を60質量%以上含有する)水溶液であるのが好ましい。現像液のpHは、好ましくは2.0以上10.0未満であり、より好ましくは5.0以上10.0未満、更に好ましくは6.0以上10.0未満、最も好ましくは6.9以上9.9以下である。
なお、現像液は、アルカリ剤を含有しても良い。アルカリ剤を含有する場合は、pHが8.0以上10.0未満にあることが好ましい態様であり、より好ましいpHは、9.0以上10.0未満、更に好ましくは、9.2以上9.9以下である。アルカリ剤を含有しない場合は、pHが2.0以上9.0以下であることが好ましい態様であり、より好ましいpHは、4.0以上8.0以下、更に好ましくは、4.5以上7.5以下である。
また、本発明に用いられる現像液は界面活性剤を含有することが好ましい。この際、用いられる界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性イオン系等を挙げることができる。
前記アニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でも、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールエチレンオキサイド付加物、フェノールエチレンオキサイド付加物、ナフトールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。この中でも、アルキレンオキサイド鎖を有するものが好ましく、芳香環とエチレンオキサイド鎖を有するものがより好ましく、アルキル置換若しくは無置換のフェノールエチレンオキサイド付加物、又は、アルキル置換若しくは無置換のナフトールエチレンオキサイド付加物が更に好ましい。
アルキレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤としては、特に好ましくは、下記一般式(3)で表されるノニオン芳香族エーテル系界面活性剤が挙げられる。
X−Y−O−(A)n−(B)m−H (3)
式(3)中、Xは芳香族基を表し、Yは単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、A及びBは互いに異なる基であって、−CHCHO−又は−CHCH(CH)O−を表し、n及びmは各々0〜100の整数を表し、但しn及びmの和は2以上である。
式(3)中、Xで表される芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜100の有機基が挙げられる。有機基の例として下記一般式(3‐A)、(3‐B)について記載する有機基の例と同様である。式(3)において、A及びBがともに存在するとき、これらはランダムに存在してもブロックとして存在してもよい。また、n及びmの和は4〜100が好ましく、6〜50がより好ましく、8〜30が更に好ましく、10〜28が特に好ましい。
一般式(3)で表されるノニオン芳香族エーテル系界面活性剤のなかで、下記一般式(3‐A)又は(3‐B)で示される化合物が好ましい。
Figure 2012189809
式(3−A)及び(3−B)中、R10、R20は、各々水素原子又は炭素数1〜100の有機基を表し、t、uは各々1又は2を表し、Y1、Y2は各々単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、v、wは各々0〜100の整数を表し、但しv及びwの和は2以上であり、v′、w′は各々0〜100の整数を表し、但しv′及びw′の和は2以上である。
tが2であり、R10が炭素数1〜100の有機基であるとき、R10は同一でも異なっていてもよく、あるいはR10が一緒になって環を構成していてもよく、また、uが2であり、R20が炭素数1〜100の有機基であるとき、R20は同一でも異なっていてもよく、あるいはR20が一緒になって環を構成していてもよい。
炭素数1〜100の有機基の具体例としては、飽和でも不飽和でもよく、直鎖でも分岐鎖でもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基など)、アルコキシ基、アリーロキシ基、N‐アルキルアミノ基、N、N‐ジアルキルアミノ基、N‐アリールアミノ基、N、N‐ジアリールアミノ基、N‐アルキル‐N‐アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N‐アルキルカルバモイルオキシ基、N‐アリールカルバモイルオキシ基、N、N‐ジアルキルカルバモイルオキシ基、N、N‐ジアリールカルバモイルオキシ基、N‐アルキル‐N‐アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、N‐アルキルアシルアミノ基、N‐アリールアシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N‐アルキルカルバモイル基、N、N‐ジアルキルカルバモイル基、N‐アリールカルバモイル基、N、N‐ジアリールカルバモイル基、N‐アルキル‐N‐アリールカルバモイル基、ポリオキシアルキレン鎖、ポリオキシアルキレン鎖が結合している上記の有機基などが挙げられる。上記アルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。
好ましいR10、R20としては、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、N‐アルキルアミノ基、N、N‐ジアルキルアミノ基、N‐アルキルカルバモイル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、繰り返し単位数5〜20程度のポリオキシアルキレン鎖、炭素数6〜20のアリール基、繰り返し単位数5〜20程度のポリオキシアルキレン鎖が結合しているアリール基などが挙げられる。
一般式(3‐A)又は(3‐B)で示される化合物において、ポリオキシエチレン鎖の繰り返し単位数は好ましくは3〜50、より好ましくは5〜30である。ポリオキシプロピレン鎖の繰り返し単位数は好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。ポリオキシエチレン部とポリオキシプロピレン部はランダムに存在してもブロックとして存在してもよい。
以下に一般式(3)で示されるノニオン芳香族エーテル系活性剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012189809
Figure 2012189809
前記両性イオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、アルキルジメチルアミンオキシドなどのアミンオキシド系、アルキルベタインなどのベタイン系、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウムなどのアミノ酸系が挙げられる。
特に、置換基を有してもよいアルキルジメチルアミンオキシド、置換基を有してもよいアルキルカルボキシベタイン、置換基を有してもよいアルキルスルホベタインが好ましく用いられる。これらの具体例は、特開2008−203359号公報〔0255〕〜〔0278〕、特開2008−276166号公報〔0028〕〜〔0052〕等に記載されているものを挙げることができる。
現像液に用いられる両性イオン系界面活性剤としては、下記一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2012189809
式(1)及び(2)中、R及びR11は、各々独立に、炭素数8〜20のアルキル基又は総炭素数8〜20の連結基を有するアルキル基を表す。
、R、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はエチレンオキサイド基を含有する基を表す。
及びR14は、各々独立に、単結合又はアルキレン基を表す。
また、R、R、R及びRのうち2つの基は互いに結合して環構造を形成してもよく、R11、R12、R13及びR14のうち2つの基は互いに結合して環構造を形成してもよい。
上記一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物において、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解性が低下する。この場合、溶解を助けるアルコール等の有機溶剤を、溶解助剤として水に混合することにより、溶解性は良化するが、総炭素数値が大きくなりすぎた場合、適正混合範囲内で界面活性剤を溶解することはできない。従って、R〜R又はR11〜R14の炭素数の総和は好ましくは10〜40、より好ましくは12〜30である。
又はR11で表される連結基を有するアルキル基は、アルキル基の間に連結基を有する構造を表す。すなわち、連結基が1つの場合は、「−アルキレン基−連結基−アルキル基」で表すことができる。連結基としては、エステル結合、カルボニル結合、アミド結合が挙げられる。連結基は2以上あってもよいが、1つであることが好ましく、アミド結合が特に好ましい。連結基と結合するアルキレン基の総炭素数は1〜5であることが好ましい。このアルキレン基は直鎖であっても分岐であってもよいが、直鎖アルキレン基が好ましい。連結基と結合するアルキル基は炭素数が3〜19であることが好ましく、直鎖であっても分岐であってもよいが、直鎖アルキルであることが好ましい。
又はR12がアルキル基である場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、1〜3であることが特に好ましい。直鎖、分岐のいずれでも構わないが、直鎖アルキル基であることが好ましい。
又はR13がアルキル基である場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、1〜3であることが特に好ましい。直鎖、分岐のいずれでも構わないが、直鎖アルキル基であることが好ましい。
又はR13で表されるエチレンオキサイドを含有する基としては、−Ra(CH2CH2O)nRbで表される基を挙げることができる。ここで、Raは単結合、酸素原子又は2価の有機基(好ましくは炭素数10以下)を表し、Rbは水素原子又は有機基(好ましくは炭素数10以下)を表し、nは1〜10の整数を表す。
及びR14がアルキレン基である場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、1〜3であることが特に好ましい。直鎖、分岐のいずれでも構わないが、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物は、アミド結合を有することが好ましく、R又はR11の連結基としてアミド結合を有することがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物の代表的な例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012189809
Figure 2012189809
Figure 2012189809
式(1)又は(2)で表される化合物は公知の方法に従って合成することができる。また、市販されているものを用いることも可能である。市販品として、式(1)で表される化合物は川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLPB、ソフタゾリンLPB−R、ビスタMAP、竹本油脂社製のタケサーフC−157L等があげられる。式(2)で表される化合物は川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLAO、第一工業製薬社製のアモーゲンAOL等があげられる。
界面活性剤は2種以上用いてもよく、現像液中の界面活性剤の含有量は、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
本発明に係る現像液には、非画像部の不感脂化や版面保護性を補助することを目的として、皮膜形成性を有する水溶性高分子化合物を含有させることも好ましい。
水溶性高分子化合物としては、例えば、アラビアガム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルプロピルセルロース等)及びその変性体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、澱粉誘導体(例えば、デキストリン、マルトデキストリン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉酵素分解デキストリン、カルボキジメチル化澱粉、リン酸化澱粉、サイクロデキストリン等)、プルラン及びその誘導体等が挙げられる。
水溶性高分子化合物として使用することができるその他の澱粉誘導体としては、ブリティッシュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリン及びシャーディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉及び無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉及びカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スルフォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体等が挙げられる。
水溶性高分子化合物として使用することができる天然高分子化合物としては、水溶性大豆多糖類、澱粉、ゼラチン、大豆から抽出されるヘミセルロース、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉及びコーンスターチ等の澱粉類、カラジーナン、ラミナラン、海ソウマンナン、ふのり、アイリッシュモス、寒天及びアルギン酸ナトリウム等の藻類から得られるもの、トロロアオイ、マンナン、クインスシード、ペクチン、トラガカントガム、カラヤガム、キサンチンガム、グアービンガム、ローカストビンガム、キャロブガム、ベンゾインガム等の植物性粘質物、デキストラン、グルカン、レバン等のホモ多糖、並びに、サクシノグルカン及びサンタンガム等のヘトロ多糖等の微生物粘質物、にかわ、ゼラチン、カゼイン及びコラーゲン等の蛋白質が挙げられる。
なかでも、アラビアガム、デキストリンやヒドロキシプロピル澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類などを好ましく使用することができる。
水溶性高分子化合物の現像液中の含有量は、0.05〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
本発明で使用する現像液は、更にpH緩衝剤を含有することが好ましい。
本発明のpH緩衝剤としては、pH2.0〜10.0に緩衝作用を発揮する緩衝剤が好ましく、弱アルカリ性のpH緩衝剤がより好ましく用いられる。具体的には、(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、(c)有機アミン化合物及びその有機アミン化合物のイオン、及びそれらの併用などが挙げられる。すなわち、例えば(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオンの組み合わせ、(b)ホウ酸イオン、又は(c)有機アミン化合物及びその有機アミン化合物のイオンの組み合わせなどが、現像液においてpH緩衝作用を発揮し、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できる。特に好ましくは、(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオンの組み合わせ及び(c)有機アミン化合物及びその有機アミン化合物のイオンである。
炭酸イオン、炭酸水素イオンを現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩を現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。炭酸塩及び炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
pH緩衝剤として(a)炭酸イオンと炭酸水素イオンの組み合わせを採用するとき、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの総量は、現像液に対して0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下しにくく、5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、更に現像液の廃液処理時、中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたしにくい。
pH緩衝剤として(b)ホウ酸イオンを採用するとき、ホウ酸イオンの総量は、現像液に対して0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。ホウ酸塩の総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下しにくく、一方5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、更に現像液の廃液処理時の中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたしにくい。
本発明においては、水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオンの組合せも好ましく用いることができる。
水溶性のアミン化合物は、特に限定されないが、水溶性を促進する基を有する水溶性のアミン化合物が好ましい。水溶性を促進する基としてカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基などが挙げられる。水溶性のアミン化合物は、水溶性を促進する基を複数有していてもよい。また、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基は塩構造になっていてもよい。なかでも、水酸基を有するアミン化合物が特に好ましい。
カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例としては、グリシン、アミノ二酢酸、リシン、スレオニン、セリン、アスパラギン酸、パラヒドロキシフェニルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アラニン、アントラニル酸、トリプトフアン等のアミノ酸、スルフアミン酸、シクロヘキシルスルフアミン酸、タウリン等の脂肪酸アミンスルホン酸、アミノエタンスルフィン酸等の脂肪酸アミンスルフィン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。なかでも、グリシン、アミノ二酢酸及びその塩が好ましい。
ホスホン酸基(ホスフィン酸基も含む)を持つ水溶性のアミン化合物の具体例としては、2−アミノエチルホスホン酸、1−アミノエタン−1、1−ジホスホン酸、1−アミノ−1−フエニルメタン−1、1−ジホスホン酸、1−ジメチルアミノエタン−1、1−ジホスホン酸、エチレンジアミノペンタメチレンホスホン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。なかでも、2−アミノエチルホスホン酸及びその塩が好ましい。
水酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルモルフォリン、モノイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンN、N−ジエタノールアニリン等が挙げられる。 なかでも、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルモルフォリンが好ましい。
なかでも、特に、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアルキル基によって置換された、ジ又はトリアルカノールアミン化合物及びそのイオンであることが好ましい。少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアルキル基は、更にもうひとつのヒドロキシル基、ハロゲン、ニトロ基、ニトリル基、(ヘテロ)芳香族基、飽和又は不飽和炭化水素基から選ばれる置換基を有しても良い。アルキル基として炭素数15以下が好ましく、炭素数12以下がより好ましく、炭素数8以下が更に好ましい。
具体的なアルカノール基としては、HO−CH−*、HO−CH−CH−*、HO−CH−CH−CH−*、CH−CH(OH)−CH−*、CH−C(OH)(CH)−*、HO−CH−CH−CH−CH−*、CH−CH(CH)−CH(OH)−*、CH−CH(C)−CH(OH)−*、CH−C(CH)(OH)−CH−*、HO−CH−CH−CH−CH−CH−CH−*、HO−CH−CH−CH−CH(OH)−CH−CH−*、CH−CH−CH(OH)−CH−CH−CH−*、CH−CH(CH)−CH−CH(OH)−CH−*、CH−CH(C)−CH−CH(OH)−CH−*、HO−CH−CH−CH−CH−CH−CH−CH−CH−*、HO−CH−CH−CH−CH(OH)−CH−CH−CH−CH−*、CH−CH−CH(OH)−CH−CH−CH−CH−CH−*、CH−CH(CH)−CH−C(C)(OH)−CH−CH−CH−*、が挙げられる。(ここで*は、アミン基のNへの連結部を示す。)
ジ又はトリアルカノールアミンの具体例として、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、トリイソプロパノールアミン、が挙げられる。
水溶性のアミン化合物のイオンは、水溶性のアミン化合物の水溶液において発生させることができ、水溶性のアミン化合物の水溶液に更にアルカリ又は酸を加えてもよく、また、水溶性のアミン化合物の塩を添加することにより水溶液中に含有させることができる。
アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、及びこれらの組み合わせなどを用いることができる。酸としては、無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、亜燐酸などを用いることができ、特に燐酸、亜燐酸が好ましい。このようなアルカリ又は酸を添加することにより、pHを微調整することができる。
本発明に係わる現像液は、酸とアミンとの反応物からなる塩を含有することが好ましく、これにより、有機アミン化合物のイオンが生成される。
また、現像液は、リン酸及び亜リン酸の少なくともいずれかの酸と、ジ又はトリアルカノールアミンとの反応物からなる塩を含有することがより好ましい。
上記pH緩衝剤として、c)有機アミン化合物及びその有機アミン化合物のイオンを用いる場合には、その含有量は、現像液中のモル濃度で0.005〜5mol/Lが好ましく、0.01〜2mol/Lがより好ましく、0.01〜1mol/Lが特に好ましい。水溶性のアミン化合物のイオンの総量がこの範囲にあると現像性、処理能力が低下せず、一方廃液処理が容易である。
pH緩衝剤が、リン酸及び亜リン酸の少なくともいずれかの酸と、ジ又はトリアルカノールアミンとの反応物からなる塩である場合、その含有量は、現像液中のモル濃度で少なくとも0.02mol/Lが好ましく、少なくとも0.1mol/Lがより好ましく、少なくとも0.15mol/Lが特に好ましい。また、5mol/L以下が好ましく、2.5mol/L以下がより好ましく、1mol/L以下が特に好ましい。アミンの酸に対する物質量比は、0.1以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、0.75以上が最も好ましい。また、20以下が好ましく、12以下がより好ましく、5以下が更に好ましい。
本発明に係る現像液は有機溶剤を含有しても良い。含有可能な有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、アイソパーE、H、G(エッソ化学(株)製)等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)、極性溶剤が挙げられる。極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)等が挙げられる。
現像液に含有される有機溶剤は2種以上を併用することもできる。有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能である。安全性、引火性の観点から、有機溶剤の濃度は40質量%未満が望ましく、10質量%未満が好ましく、5質量%未満がより好ましい。
本発明に係る現像液は酵素を含有しても良い。本発明に用いられる酵素は、光重合性画像記録層を有する平版印刷版原版の現像処理における現像カスの発生を抑制する作用を示すものであれば、その種類については特に限定されず、八木達彦ら編「酵素ハンドブック(第3版)」(朝倉書店)に記載されているような群の酵素であれば任意に用いることができる。特に、モノマー(エチレン性不飽和化合物)を分解・可溶化させるという目的からは、国際生化学分子生物学連合(IUBMB)酵素委員会の酵素番号(EC番号)のEC3.群に属する加水分解酵素を用いることが好ましい。エチレン性不飽和化合物は多くの場合、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ハロゲン原子などから構成されることから、カルボン酸エステル結合を加水分解する酵素、リン酸エステルを加水分解する酵素、硫酸エステルを加水分解する酵素、エーテル結合を加水分解する酵素、チオエーテル構造を加水分解する酵素、ペプチド結合を加水分解する酵素、炭素−窒素結合を加水分解する酵素、炭素−炭素結合を加水分解する酵素、炭素−ハロゲン結合を加水分解する酵素等が好ましい酵素として挙げられ、より好ましくは、エステル結合、アミド結合、3級アミノ基、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合よりなる群から選択される少なくとも1つを加水分解する酵素である。
これらの中でも、特にEC3.1群(エステル加水分解酵素)、EC3.4群(ペプチド結合加水分解酵素)に属するものが好ましく、EC3.1.1.3(トリアシルグリセロールリパーゼ)、EC3.4.11.1(ロイシンアミノペプチダーゼ(leucyl aminopeptidase))、EC3.4.21.62(サブチリシン(subtilisin))、EC3.4.21.63(オルリジン(oryzin))、EC3.4.22.2(パパイン(papain))、EC3.4.22.32(stem bromelain)、EC3.4.23.18(aspergillo pepsin I)、EC3.4.24.25(ビブリオリシン)、EC3.4.24.27(テルモリシン(thermolysin))、及び、EC3.4.24.28(バシロリシン(bacillolysin))が好ましい。更に、EC3.1.1.3、EC3.4.21.14、EC3.4.21.62、EC3.4.21.63が最も好ましい。
更に、前述した通り、本発明において、現像液のpHは、好ましくは2.0〜10.0であり、より好ましくは5.0〜10.0、更に好ましくは6.0〜10.0、最も好ましくは6.9〜9.9である。
これらの観点から、酵素としては、アルカリ酵素が好ましく用いられる。ここでアルカリ酵素とは至適pH領域がアルカリ性にある酵素であり、至適pH領域を6.9〜9.9に有する酵素が好ましく、至適温度領域を20℃〜60℃に有する酵素が好ましく、25℃〜50℃に有する酵素がより好ましい。
具体的には、アルカリプロテアーゼ、アルカリリパーゼ等、アルカリ条件下において主にモノマーのエステル基を加水分解が可能な酵素が好ましい。アルカリプロテアーゼとしては、Bacillus subtilis、Aspergillus oryzae、Bacillus stearothermophilus、パパイヤラテックス、パパイヤ、Ananas comosus M、Pig pancreas、Bacillus licheniformis、Aspergillus melleus、Aspergillus sp.、Bacillus lentus、Bacillus sp.、Bacillus clausii、アルカリリパーゼとしては、Candida cylindracea、Humicola lanuginosa、Psudomonas、Mucor sp.,Chromobacterium viscosum、Rhizopus japonics、Aspergillus niger、Mucor javanicus、Penicillium camemberti、Rhizopus oryzae、Candida rugosa、Penicillium roqueforti、Rhizopus delemar、Psendomonas sp.、Aspergillus sp.、Rhizomucor miehei、Bacillus sp.、Alcaligenes sp.等の微生物起源のものがある。
より具体的な態様として、リパーゼPL、リパーゼQLM、リパーゼSL、リパーゼMY、リパーゼOF(以上、明糖産業(株)製)、ニューラーゼF3G、リパーゼA「アマノ」6、リパーゼAY「アマノ」30G、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼR「アマノ」、リパーゼAS「アマノ」、ウマミザイムG、パパインW−40、プロテアーゼA「アマノ」G、プロテアーゼN「アマノ」G、プロテアーゼNL「アマノ」、プロテアーゼP「アマノ」3G、プロテアーゼS「アマノ」G、プロメラインF、プロレザーFG−F、ペプチターゼR、サモアーゼPC10F、プロチンSD−AC10F、プロチンSD−AY10、プロチンSD−PC10F、プロチンSD−NY10、膵臓性消化酵素TA、プロザイム、プロザイム6、セミアルカリプロティナーゼ、リパーゼAYS「アマノ」、リパーゼPS「アマノ」SD、リパーゼAK「アマノ」、リパーゼPS「アマノ」IM、プロテアーゼN「アマノ」、プロテアーゼS「アマノ」、アシラーゼ「アマノ」、D−アミノアシラーゼ「アマノ」等(以上、天野エンザイム(株)製)や、アルカラーゼ、エスペラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ、リポラーゼ、ライペックス、NS44020、NS44120、NS44060、NS44114、NS44126、NS44160等(以上ノボザイムズジャパン社製)、アルカリ性プロテアーゼ(タケダ化学工業(株)製)、アロアーゼXA−10(ヤクルト薬品工業(株))、アルカリプロテアーゼGL、プロテックス 6L、ピュラフェクト、ピュラフェクト OX、プロペラーゼ、プロテックス OXG、プロテックス 40L(以上ジェネンコア協和(株))、スミチームMP(新日本化学工業(株))、ビオブラーゼ OP、ビオブラーゼ AL−15KG、ビオブラーゼ 30G、ビオブラーゼ APL−30、ビオブラーゼ XL−416F、ビオブラーゼ SP−20FG、ビオブラーゼ SP−4FG、プロテアーゼ CL−15(以上ナガセケムテックス(株))、オリエンターゼ(エイチビィアイ(株))、エンチロンSA(洛東化成工業(株))等が挙げられる。
これら酵素の導入方法としては、現像液中に直接投入しても、平版印刷版処理時に投入しても構わない。また、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行ってもよい。
用いられる酵素の含有量としては、現像液全量に対して0.01重量%〜20重量%が好ましく、0.1重量%〜10重量%が更に好ましく、0.2重量%〜5重量%が最も好ましい。
現像液には上記成分の他に、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機酸、無機酸、無機塩などを含有させることができる。具体的には、特開2007−206217号の段落番号〔0266〕〜〔0270〕に記載の化合物を好ましく用いることができる。
本発明に係る現像液は、露光された平版印刷版原版の現像液及び必要に応じて現像補充液として用いることができる。また、前述の如き自動現像処理機に好ましく適用することができる。自動現像処理機を用いて現像する場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液又は新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。
本発明の平版印刷版の作製方法においては、必要に応じて、露光前、露光中、露光から現像までの間に、平版印刷版原版の全面を加熱してもよい。この様な加熱により、画像記録層中の画像形成反応が促進され、感度、耐刷性の向上、感度の安定化といった利点が生じる。更に、画像強度、耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対して全面加熱若しくは全面露光を行うことも有効である。通常、現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、未露光部が硬化してしまう等の問題を生じ得る。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は100〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じ得る。
以下に実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、後述するポリマーにおいて、繰り返し単位の比はモル比である。
〔平版印刷版原版(1)の作製〕
<支持体(1)の作製>
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を10質量%水酸化ナトリウム水溶液に60℃で25秒間浸漬してエッチングし、流水で水洗後、20質量%硝酸水溶液で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dmの陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後、30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中で、電流密度2A/dmの条件で陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/mになるように2分間陽極酸化処理した。更に1質量%ポリビニルホスホン酸水溶液に60℃で10秒間浸漬した後、20℃でカルシウムイオン濃度が75ppmの硬水、次いで、純水で各4秒間洗浄し、乾燥して親水化処理を行い支持体(1)を作製した。カルシウムの付着量は、1.8mg/mであった。支持体の表面粗さを測定したところ、0.28μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
<画像記録層(1)の形成>
支持体(1)上に、下記組成の画像記録層塗布液(1)をバー塗布した後、90℃で60秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/mの画像記録層(1)を形成した。
<画像記録層塗布液(1)>
・下記バインダーポリマー(1)(質量平均分子量:5万) 0.34g
・下記重合性化合物(1) 0.68g
(PLEX6661−O、デグサジャパン製)
・下記増感色素(1) 0.06g
・下記重合開始剤(1) 0.18g
・下記連鎖移動剤(1) 0.02g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(質量平均分子量:6万、共重合モル比:83/17)):10質量部、
シクロヘキサノン:15質量部)
・熱重合禁止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記フッ素系界面活性剤(1)(質量平均分子量:1万) 0.001g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
Figure 2012189809
Figure 2012189809
<保護層(1)の形成>
画像記録層(1)上に、下記組成の保護層塗布液(1)を、乾燥塗布量が1.5g/mとなるようにバーを用いて塗布した後、125℃で70秒間乾燥して保護層(1)を形成し、平版印刷版原版(1)を得た。
<保護層塗布液(1)>
・下記雲母分散液(1) 0.6g
・スルホン酸変性ポリビニルアルコール 0.8g
(ゴーセランCKS−50、日本合成化学(株)製、鹸化度:
99モル%、平均重合度:300、変性度:約0.4モル%)
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(モル比:1/1))0.001g
(質量平均分子量:7万)
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)0.002g
・水 13g
(雲母分散液(1)の調製)
水368gに合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)の32gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになるまで分散し、雲母分散液(1)を得た。
〔平版印刷版原版(2)の作製〕
<支持体(2)の作製>
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を10質量%水酸化ナトリウム水溶液に60℃で25秒間浸漬してエッチングし、流水で水洗後、20質量%硝酸水溶液で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dmの陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後、30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中で、電流密度2A/dmの条件で陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/mになるように2分間陽極酸化処理した。このように処理されたアルミニウム板の表面粗さを測定したところ、0.28μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
上記アルミニウム板に、バーコーターを用いて下記下塗り層塗布液(1)を塗布し、80℃で20秒間乾燥して支持体(2)を作製した。乾燥後の下塗り層塗布質量は12mg/mであった。
<下塗り層塗布液(1)>
下記ポリマー(SP1) 0.87g
下記ポリマー(SP2) 0.73g
純水 500.0g
メタノール 500.0g
Figure 2012189809
<画像記録層(2)の形成>
支持体(2)上に、下記組成の画像記録層塗布液(2)をバー塗布した後、125℃で34秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.4g/mの画像記録層(2)を形成した。
<画像記録層塗布液(2)>
・下記赤外線吸収剤(IR−1) 0.038g
・下記重合開始剤(S−1) 0.061g
・下記重合開始剤(I−1) 0.094g
・上記連鎖移動剤(1) 0.015g
・下記エチレン性不飽和化合物(M−1) 0.425g
(A−BPE−4、新中村化学工業(株))
・下記バインダーポリマー(B−1)(質量平均分子量:11万)0.311g
・下記バインダーポリマー(B−2)(質量平均分子量:10万)0.250g
・下記バインダーポリマー(B−3)(質量平均分子量:12万)0.062g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.010g
(プルロニックL44、(株)ADEKA製)
・下記添加剤(T−1) 0.079g
・下記重合禁止剤(Q−1) 0.0012g
・下記エチルバイオレット(EV−1) 0.021g
・上記フッ素系界面活性剤(1)(質量平均分子量:1万) 0.0081g
・メチルエチルケトン 5.886g
・メタノール 2.733g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.886g
下記式中、Meはメチル基を表す。
Figure 2012189809
Figure 2012189809
Figure 2012189809
Figure 2012189809

<保護層(2)の形成>
画像記録層(1)上に、上記組成の保護層塗布液(1)を、乾燥塗布量が1.5g/mとなるようにバーを用いて塗布した後、125℃で70秒間乾燥して保護層(1)を形成し、平版印刷版原版(2)を得た。
〔平版印刷版原版(3)の作製〕
<支持体(3)の作製>
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミニウム表面を砂目立てし、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に60℃で20質量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板を15質量%硫酸水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。その後、珪酸ナトリウム1質量%水溶液にて20℃で10秒処理した。このように処理されたアルミニウム板の表面粗さを測定したところ、0.54μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
上記アルミニウム板に、バーコーターを用いて下記下塗り層塗布液(2)を塗布し、80℃で20秒間乾燥して支持体(3)を作製した。乾燥後の下塗り層塗布質量は15mg/mであった。
<下塗り層塗布液(2)>
下記ポリマー(SP3) 2.7g
純水 900.0g
メタノール 100.0g
Figure 2012189809
<画像記録層(3)の形成>
支持体(3)上に、上記組成の画像記録層塗布液(1)のバインダーポリマー(1)(質量平均分子量:5万)を下記バインダーポリマー(2)(質量平均分子量:3.5万)に変えた画像記録層塗布液(3)をバー塗布した後、90℃で60秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/mの画像記録層(3)を形成した。
Figure 2012189809
<保護層(1)の形成>
画像記録層(3)上に、上記組成の保護層塗布液(1)を、乾燥塗布量が1.5g/mとなるようにバーを用いて塗布した後、125℃で70秒間乾燥して保護層(1)を形成し、平版印刷版原版(3)を得た。
〔平版印刷版原版(4)の作製〕
<支持体(4)の作製>
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。このアルミニウム板を25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を0.3質量%の塩酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dmの条件下に交流電流により60秒間電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。このアルミニウム板を15%硫酸水溶液溶液中で、25℃、電流密度10A/dm、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に1%ポリビニルホスホン酸水溶液に60℃で10秒間浸漬した後、20℃でカルシウムイオン濃度が75ppmの硬水、次いで、純水で各4秒間洗浄し、乾燥して親水化処理を行い支持体(4)を作製した。カルシウムの付着量は、2.0mg/mであった。支持体の表面粗さを測定したところ、0.44μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
<画像記録層(4)の形成>
前記支持体上に、下記組成の画像記録層塗布液(4)をバー塗布した後、90℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/mの画像記録層(4)を形成した。
画像記録層塗布液(4)
・上記バインダーポリマー(1)(質量平均分子量:5万) 0.04g
・下記バインダーポリマー(3)(質量平均分子量:8万) 0.30g
・上記重合性化合物(1) 0.68g
・下記増感色素(2) 0.03g
・下記増感色素(3) 0.015g
・下記増感色素(4) 0.015g
・上記重合開始剤(1) 0.13g
・連鎖移動剤:メルカプトベンゾチアゾール 0.01g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(質量平均分子量:6万、共重合モル比:83/17)):10質量部、シクロヘキサノン:15質量部)
・熱重合禁止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・上記フッ素系界面活性剤(1)(質量平均分子量:1万) 0.001g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
・N,Nジメチルアミノプロピルメタクリルアミド 0.015g
Figure 2012189809
Figure 2012189809
<保護層(2)の形成>
前記画像記録層(4)上に、下記組成よりなる保護層塗布液(2)を、乾燥塗布量が1.2g/mとなるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で乾燥して保護層(2)を形成し、平版印刷版原版(4)を得た。
<保護層塗布液(2)>
・PVA−205 0.658g
(部分加水分解ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=86.5−89.5モル%、粘度=4.6−5.4mPa・s(20℃、4質量%水溶液中))
・PVA−105 0.142g
(完全加水分解ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=98.0−99.0モル%、粘度=5.2−6.0mPa・s(20℃、4質量%水溶液中))
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(モル比1/1))(質量平均分子量7万)
0.001g
・界面活性剤(商品名「エマレックス710」、日本エマルジョン(株)製)
0.002g
・水 13g
<現像液A>
・下記界面活性剤−1(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLPB−R)
15g
・下記界面活性剤−2(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLAO)
4g
・キレート剤 エチレンジアミンコハク酸 三ナトリウム
(InnoSpec specialty chemicals社製:ENVIOMET C140) 0.68g
・2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール 0.025g
・2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.025g
・シリコーン系消泡剤(GE東芝シリコーン(株)社製:TSA739)0.15g
・グルコン酸ナトリウム 1.5g
・炭酸ナトリウム 1.06g
・炭酸水素ナトリウム 0.52g
・水 77.04g
・リパーゼ(ノボザイムズジャパン製:NS44126) 0.3g
*pHは9.8であった。
Figure 2012189809
<現像液B>
・界面活性剤−3 ポリオキシエチレンナフチルエーテル(日本乳化剤(株)製:ニューコールB−13)
3g
・キレート剤 エチレンジアミンコハク酸 三ナトリウム
(InnoSpec specialty chemicals社製:オクタクエストE30)
0.68g
・2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール 0.025g
・2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.025g
・シリコーン系消泡剤(GE東芝シリコーン(株)社製:TSA739)0.15g
・グルコン酸ナトリウム 1.5g
・炭酸ナトリウム 1.06g
・炭酸水素ナトリウム 0.52g
・水 77.04g
・リパーゼ(ノボザイムズジャパン製:NS44126) 0.3g
*pHは9.8であった。
<現像液C>
・ノニオン系界面活性剤(BASF製:プルロニックPE9400(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイドのブロックコポリマー)) 2.5g
・ノニオン系界面活性剤(CLARIANT製:エマルゾーゲンTS160(2,4,6−tris−(1−phenylethyl)−phenol−ethoxylate) 2.5g
・1−フェノキシ−2−プロパノール 1.0g
・トリエタノールアミン 0.6g
・リン酸(85%) 0.3g
・グルコン酸ナトリウム 1.0g
・クエン酸3ナトリウム 0.5g
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05g
・ポリスチレンスルホン酸(商品名「Versa TL77(30質量%溶液)」、Alco chemical社製) 1.0g
・水 90.55g
*上記組成の処理液に、更に、水酸化ナトリウム、及びリン酸を添加し、pHを6.9となるように調整した。
<現像液D>
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉 (日澱化学製、ペノンJE66) 8.71g
アラビアガム(CNI製、リソガム#60030) 1.58g
リン酸エステル化澱粉(日澱化学製、ペトロコートPN11) 0.79g
リン酸第一アンモニウム 0.10g
ラウリルジフェニルエーテルジスルホン酸2Na塩(三洋化成製、エレミノールMON2)0.17g
ジオクチルスルホコハク酸2Na塩(日本油脂製、ラピゾールB80) 0.10g
ベンジルアルコール 0.87g
エチレングリコール 0.79g
EDTA・4Na (日本キレスト製、キレスト400) 0.08g
シリコーン系消泡剤(GE東芝シリコーン(株)社製:TSA739) 0.014g
ベンズイソチアゾロン(ゼネカ製、プロキセルGXL) 0.012g
水 86.78g
*上記組成の処理液に、更に、水酸化ナトリウム、及びリン酸を添加し、pHを4.5となるように調整した。
<画像露光>
平版印刷版原版(1)、(3)、(4)は、FUJIFILM Electronic Imaging Ltd.製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー405nm±10nm発光/出力30mWを搭載)を用いて画像露光を行った。画像露光は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA20)を用い、50%の平網を版面露光量0.05mJ/cmで実施した。平版印刷版原版(2)は、Creo社製Trendsetter3244VX(水冷式40W赤外線半導体レーザー(830nm)搭載)にて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2、400dpiの条件で50%平網の画像露光を行った。
〔実施例1、2及び比較例1、2〕
実施例1、2は、上記平版印刷版原版(1)を上記の通り画像露光し、次いで、図2に示す構成と同じ現像装置を用いて平版印刷版原板を現像処理した。
比較例1、2は、平版印刷版原版(1)を上記の通り画像露光し、次いで、補充部及び送液装置を備えていない現像装置を用いて平版印刷版原版を現像処理した。比較例1、2の現像装置は、補充部及び送液装置以外の構成については、以下で別途説明しない限りにおいて実施例1、2と同じ構成とした。また、現像装置の構成の説明は図2の構成を適宜参照するものとする。
プレヒート部50は、加熱ユニットを有しており、加熱条件は、100℃、10秒間で行った。
実施例及び比較例の現像液の液温が25℃に保たれ、平版印刷版原板10が第1の処理部の槽20の上流側の搬送ローラ対22から搬入されて、槽20の下流側の搬送ローラ対24から搬出されるまでの通過時間が20秒となるように搬送速度を設定した。
擦り部材26は、回転軸を中心に回転する部材を用い、その回転方向を搬送方向に対して順転方向に駆動するよう設定した。擦り部材26の外径はφ50mmとした。
第1の処理部2の槽20から搬出された平版印刷版原版10は乾燥部52を通過して乾燥させた。乾燥温度(版面)は、約55℃であった。(なお、版面温度は、50〜60℃の範囲で設定されることが好ましいが、この設定温度は、処理液に応じて設定されるべきものであるので、この範囲に限定されるものではない。)
実施例1、2及び比較例1、2について、平版印刷版原版を500m通版させて、現像後の平版印刷版原版上の汚れ、及び、現像装置内の汚染状況を評価した。結果を表1に示す。
平版印刷版原版上の汚れの評価では、平版印刷版原版を10枚サンプリングして、この時の平版印刷版原版上に付着するカスの個数を評価した。
現像装置の汚染状況については、槽20、30、40のそれぞれから現像液及び水洗水を抜いた際の汚れを目視し、及び簡単に除去できるかという観点で評価した。なお、以下の説明では簡易化のため、槽20、30、40を第1浴、第2浴、第3浴ともいう。
実施例1は、図2に示す構成の現像装置1において、槽20に現像液A、第2浴に水洗水、第3浴に現像液Aを溜めている。
実施例2は、実施例1と同じ構成の現像装置1を使用し、槽40に溜める現像液として現像液Aの濃縮液を用いている。
比較例1は、実施例1、2と同じ構成の現像装置1を使用し、槽20に現像液A、槽30に水洗水、槽40に現像液Dを溜めている。槽40から槽20への送液は行わない。
比較例2は、実施例1、2と同じ構成の現像装置1を使用し、槽20に現像液A、槽30に水洗水、槽40に現像液Aを溜めている。槽40から槽20への送液は行わない。
Figure 2012189809
(評価基準)
平版印刷版原版上の汚れ(版上付着カスの個数)の評価基準としては、10枚サンプリングしてこの時の単位面積当たりのカスの個数を評価し、1個未満を「○」とし、1〜5個/mを「△」とし、6個以上/mを「×」とした。
現像装置の汚れの評価基準としては、液抜き段階では、汚れほとんどなく、かつ僅かな汚れも水で容易に落ちる状態を「◎」とし、液抜き段階では、汚れあるが、水で容易に汚れが落ちる状態を「○」とし、水だけでは、完全に汚れの除去が不可能。擦りで、汚れ除去可能な状態を「△」とし、擦っても汚れが落ちない状態を「×」とした。
(処理可能量)
作製した平版印刷版を小森コーポレーション(株)製のリスロン印刷機に取り付け、インキとして大日本インキ化学工業(株)製の「バリウスG」の墨インキを、湿し水として富士フイルム(株)製の「IF‐102」を水で4容量%の濃度に希釈した溶液を用いて毎時6000枚の印刷速度で印刷を行い、1000枚目の印刷物において、非画像部の汚れ性を評価した。非画像部にインキ汚れが発生するまでの平版印刷版原版の処理量(処理寿命)を処理可能量として評価した。
評価結果によれば、実施例1、2は、長期使用でも、現像装置内は汚染がなく、また平版印刷版原版上にカス等の付着による汚れが発生しなかった。実施例1、2は、第3浴に
補充部による第1浴への補充分を見込んで現像液を補充するとともに、送液装置を用いて第1浴から第3浴に現像液を送液するため、比較例1よりも遥かに、汚染度は軽減される。このため、実施例1、2では、第3浴内はきれいなまま保持され、平版印刷版原版上に汚れは発生しない。
比較例1は、最終浴である第3浴が現像処理を繰り返し行うことによって、次第に汚染されてきて、平版印刷版原版上にも2個/m程度の割合でカスによる汚れが発生する事がわかった。比較例1は、第1浴が汚染され、汚染された処理液が第2浴に持ち込まれ、第2浴が汚染される。更に汚染された第2浴の水が、第3浴に持ち込まれて、第3浴の処理液Dが汚染される。このため、第3浴は汚染され、平版印刷版原版に画像記録層のカス等に由来する汚染が確認される。
このように、現像装置内の汚染状況、平版印刷版原版上の汚れの発生状況から考えて、実施例1、2のように最終浴をフレッシュに近い状態に保つことが重要であると考えられる。
また、第3浴から第1浴に送液される液量は、常時送液されるわけではないが、送液時は、1分あたり100cc送液しており、第3浴への補充量120cc/minよりも若干少なく設定している。
〔実施例3a〜3d〕
実施例3a〜3dはそれぞれ、実施例1で使用した現像装置において、第3浴から第1浴へ送液する現像液の量を変化させた場合の送液される現像液の温度とその温度のばらつき(温度差)を評価したものである。評価結果を表2に示す。
Figure 2012189809
温度の安定性の評価基準としては、温度差が0.5℃未満であるときを「○」とし、温度差が0.5℃〜1℃未満を「○△」とし、温度差が1℃〜2℃未満を「△」とし、温度差が2℃以上のときを「×」とした。
表2は、実施例1の実施態様にて、第3浴から第1浴への送液量を変化させたときの結果である。温度の不安定性の評価としては、第3浴から第1浴内へのパイプの回収口から5cm離れた場所とタンク中央部の温度差をとった。1L/minを超える送液量では、温度の不均一性が大きくなることがわかった。
〔実施例4〜8〕
実施例4〜8は、実施例1の現像装置を用いて、第1浴と第3浴に溜める現像液の種類を変えた場合の平版印刷版原版上の汚れ及び第3浴それぞれの汚染を評価したものである。評価の結果を表3に示す。
Figure 2012189809
実施例4から8のいずれについても、良好な結果が得られた。
〔実施例10、参考例1〕
次に、実施例10と参考例1とに基づいて、本発明の現像装置の効果を検証する。
実施例10は、図2に記載された現像装置と基本的に同じ構成であり、第1浴から第3浴それぞれに現像液を溜めたものを用いた。
参考例1は、補充部及び送液装置を備えていない点を除き、実施例10と同じ構成の現像装置を用いた。参考例1は、第2浴に溜められた現像液をオーバーフローさせ、パイプを介することなく、第1浴に送液するものである。
平版印刷版原版上の汚れ、及び現像装置内の第3浴汚れの評価基準は、上述したものと同じである。1浴への処理液安定性の評価基準は、液面がコントロールされているとき「○」とし、液面低下の問題が生じるとき「△」とした。
Figure 2012189809
評価の結果によれば、実施例10は、版上汚れ、装置内3浴汚れがほとんどなく、良好である。また、実施例10は、第3浴から現像液がパイプを介して送液され、第1浴に現像液の供給量を正確にコントロールできる。第3浴から第1浴への処理液送液も精度よく行える。
参考例1は、配管を用いずに後浴のオーバーフロー分を第1浴に流し込むため、供給量が安定しない。この実験の中でも、槽間に設けたオーバーフローの流路に処理液が固着し、送液が不十分となり、第1浴の液面が低下する問題が生じた。このため、第1浴内での現像時間が短くなり、処理量が1300mを越えた時点で現像不良となった。
本明細書は、以下の内容を開示する。
(1) 支持体と該支持体上に支持されている露光された画像記録層とを有する平版印刷版原版を搬送させて現像を行う平版印刷版原版の現像装置であって、
第1の槽を有し、搬送される前記平版印刷版原版を前記第1の槽に溜めた現像液に浸漬させて前記画像記録層を現像する第1の現像部と、
前記第1の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の下流側に配され、現像液を溜める第2の槽を有する第2の現像部と、
前記第2の槽に新鮮な現像液を補充する補充部と、
前記第2の槽に溜めた現像液を前記第2の槽から前記第1の槽に送液する送液装置と、を備え、
前記送液装置は、前記第2の槽に溜められた現像液を前記第1の槽に送液する平版印刷版原版の現像装置。
(2)(1)に記載の平版印刷版原版の現像装置であって、
前記第1の現像部から搬送された前記平版印刷版原版を水洗する水洗部を備え、
前記水洗部は、前記第1の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の下流側で、かつ、前記第2の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の上流側に配されている平版印刷版原版の現像装置。
(3)(1)又は(2)に記載の平版印刷版原版の現像装置であって、
前記送液装置は閉路を有し、前記閉路を介して、現像液を前記第1の槽に送液する平版印刷版原版の現像装置。
(4)支持体と該支持体上に支持されている露光された画像記録層とを有する平版印刷版原版を搬送させて現像を行う現像装置を用いた平版印刷版原版の現像方法であって、
前記現像装置は、第1の槽を有し、搬送される前記平版印刷版原版を前記第1の槽に溜めた現像液に浸漬させて前記画像記録層を現像する第1の現像部と、
前記第1の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の下流側に配され、現像液を溜める第2の槽を有する第2の現像部と、を備え、
前記第1の槽に溜めた現像液に前記平版印刷版を浸漬させて前記画像記録層を現像するステップと、
前記第1の槽に対して前記平版印刷版の搬送方向の下流側に配された第2の槽に新鮮な現像液を補充するステップと、
送液装置を用いて、前記第2の槽に溜められた現像液を前記第1の槽に送液するステップと、を含む平版印刷版の現像方法。
(5)(4)に記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記第1の槽から搬送された後、前記第2の槽に搬送する前に、前記平版印刷版を水洗するステップを含む平版印刷版の現像方法。
(6)(4)又は(5)に記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記画像記録層は、(A)重合開始剤、(B)重合性化合物、(C)増感色素及び(D)バインダーポリマーを含み、
前記画像記録層上に保護層が形成され、
前記現像液は、界面活性剤及び親水性高分子化合物の少なくともいずれかを含み、pHが2.0以上10.0未満であり、
前記第1の槽において、前記保護層及び非露光部の前記画像記録層のうち少なくとも一部を除去するステップを含む平版印刷版の現像方法。
(7)(6)に記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記界面活性剤が両性イオン系界面活性剤、及び、ノニオン系界面活性剤の少なくともいずれかである平版印刷版の現像方法。
(8)(7)に記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記両性イオン界面活性剤が、下記一般式(1)又は(2)で表される両性イオン系界面活性剤の少なくとも1つであり、前記ノニオン系界面活性剤が、下記一般式(3)で表されるノニオン芳香族エーテル系界面活性剤の少なくとも1つである請求項10に記載の平版印刷版の現像方法。
Figure 2012189809

式(1)及び(2)中、R及びR11は、各々独立に、炭素数8〜20のアルキル基又は総炭素数8〜20の連結基を有するアルキル基を表し、R、R、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はエチレンオキサイド基を含有する基を表し、R及びR14は、各々独立に、単結合又はアルキレン基を表し、R、R、R及びRのうち2つの基は互いに結合して環構造を形成してもよく、R11、R12、R13及びR14のうち2つの基は互いに結合して環構造を形成してもよい。
X−Y−O−(A)n−(B)m−H (3)
式(3)中、Xは芳香族基を表し、Yは単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、A及びBは互いに異なる基であって、−CHCHO−又は−CHCH(CH)O−を表し、n及びmは各々0〜100の整数を表す。但しn及びmの和は2以上である。
(9)(4)〜(8)のうちいずれか1項に記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記現像液が、更に、pH緩衝剤を含む平版印刷版の作製方法。
(10)(9)に記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記pH緩衝剤が、炭酸イオン及び炭酸水素イオンである平版印刷版の現像方法。
(11)(9)に記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記pH緩衝剤が、水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオンである平版印刷版の現像方法。
(12)(4)〜(11)のいずれか1つに記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記重合性化合物が、ウレタン結合又はウレア結合を有する平版印刷版の現像方法。
(13)(6)〜(12)のいずれか1つに記載の平版印刷版の現像方法であって、
前記バインダーポリマーの質量に対する前記重合性化合物の質量の比が、1.25〜4.5である平版印刷版の現像方法。
1 平版印刷版の処理装置
2 第1の処理部
3 第2の処理部
4 第3の処理部
20、30、40 槽
60 補充部
80 パイプ
84 タンク
86 ポンプ

Claims (13)

  1. 支持体と該支持体上に支持されている露光された画像記録層とを有する平版印刷版原版を搬送させて現像を行う平版印刷版原版の現像装置であって、
    第1の槽を有し、搬送される前記平版印刷版原版を前記第1の槽に溜めた現像液に浸漬させて前記画像記録層を現像する第1の現像部と、
    前記第1の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の下流側に配され、現像液を溜める第2の槽を有する第2の現像部と、
    前記第2の槽に新鮮な現像液を補充する補充部と、
    前記第2の槽に溜めた現像液を前記第2の槽から前記第1の槽に送液する送液装置と、を備え、
    前記送液装置は、前記第2の槽に溜められた現像液を前記第1の槽に送液する平版印刷版原版の現像装置。
  2. 請求項1に記載の平版印刷版原版の現像装置であって、
    前記第1の現像部から搬送された前記平版印刷版原版を水洗する水洗部を備え、
    前記水洗部は、前記第1の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の下流側で、かつ、前記第2の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の上流側に配されている平版印刷版原版の現像装置。
  3. 請求項1又は2に記載の平版印刷版原版の現像装置であって、
    前記送液装置は閉路を有し、前記閉路を介して、現像液を前記第1の槽に送液する平版印刷版原版の現像装置。
  4. 支持体と該支持体上に支持されている露光された画像記録層とを有する平版印刷版原版を搬送させて現像を行う現像装置を用いた平版印刷版原版の現像方法であって、
    前記現像装置は、第1の槽を有し、搬送される前記平版印刷版原版を前記第1の槽に溜めた現像液に浸漬させて前記画像記録層を現像する第1の現像部と、
    前記第1の現像部に対して前記平版印刷版原版の搬送方向の下流側に配され、現像液を溜める第2の槽を有する第2の現像部と、を備え、
    前記第1の槽に溜めた現像液に前記平版印刷版を浸漬させて前記画像記録層を現像するステップと、
    前記第1の槽に対して前記平版印刷版の搬送方向の下流側に配された第2の槽に新鮮な現像液を補充するステップと、
    送液装置を用いて、前記第2の槽に溜められた現像液を前記第1の槽に送液するステップと、を含む平版印刷版の現像方法。
  5. 請求項4に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記第1の槽から搬送された後、前記第2の槽に搬送する前に、前記平版印刷版を水洗するステップを含む平版印刷版の現像方法。
  6. 請求項4又は5に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記画像記録層は、(A)重合開始剤、(B)重合性化合物、(C)増感色素及び(D)バインダーポリマーを含み、
    前記画像記録層上に保護層が形成され、
    前記現像液は、界面活性剤及び親水性高分子化合物の少なくともいずれかを含み、pHが2.0以上10.0未満であり、
    前記第1の槽において、前記保護層及び非露光部の前記画像記録層のうち少なくとも一部を除去するステップを含む平版印刷版の現像方法。
  7. 請求項6に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記界面活性剤が両性イオン系界面活性剤、及び、ノニオン系界面活性剤の少なくともいずれかである平版印刷版の現像方法。
  8. 請求項7に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記両性イオン界面活性剤が、下記一般式(1)又は(2)で表される両性イオン系界面活性剤の少なくとも1つであり、前記ノニオン系界面活性剤が、下記一般式(3)で表されるノニオン芳香族エーテル系界面活性剤の少なくとも1つである請求項10に記載の平版印刷版の現像方法。
    Figure 2012189809

    式(1)及び(2)中、R及びR11は、各々独立に、炭素数8〜20のアルキル基又は総炭素数8〜20の連結基を有するアルキル基を表し、R、R、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はエチレンオキサイド基を含有する基を表し、R及びR14は、各々独立に、単結合又はアルキレン基を表し、R、R、R及びRのうち2つの基は互いに結合して環構造を形成してもよく、R11、R12、R13及びR14のうち2つの基は互いに結合して環構造を形成してもよい。
    X−Y−O−(A)n−(B)m−H (3)
    式(3)中、Xは芳香族基を表し、Yは単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、A及びBは互いに異なる基であって、−CHCHO−又は−CHCH(CH)O−を表し、n及びmは各々0〜100の整数を表す。但しn及びmの和は2以上である。
  9. 請求項4〜8のうちいずれか1項に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記現像液が、更に、pH緩衝剤を含む平版印刷版の作製方法。
  10. 請求項9に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記pH緩衝剤が、炭酸イオン及び炭酸水素イオンである平版印刷版の現像方法。
  11. 請求項9に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記pH緩衝剤が、水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオンである平版印刷版の現像方法。
  12. 請求項4〜11のいずれか1項に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記重合性化合物が、ウレタン結合又はウレア結合を有する平版印刷版の現像方法。
  13. 請求項6〜12のいずれか1項に記載の平版印刷版の現像方法であって、
    前記バインダーポリマーの質量に対する前記重合性化合物の質量の比が、1.25〜4.5である平版印刷版の現像方法。
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