JP2012190746A - 燃料電池スタックおよび燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層方向の厚みを薄くすることができ、セル面内の発電分布の均一化を図ることが可能な燃料電池スタックを提供する
【解決手段】燃料電池スタックは、固体電解質層21と、固体電解質層21の一方面に設けられた燃料極層22と、固体電解質層21の他方面に設けられた空気極層23とを備えた単セル2を、セパレータを介して複数積層してなり、単セル2とセパレータとの間に集電体4a、4cを有する。集電体4a、4cは、セパレータに接する第1層41と、第1層41および単セルに接する第2層42とを備える。第1層41は、単セル2に導入されたガスを単セル2の面方向に沿って流す第1ガス流路411を有する。第2層42は、第1ガス流路411を流れたガスを、単セル2の面方向と交差する方向に誘導する第2ガス流路421を有する。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池スタックは、固体電解質層21と、固体電解質層21の一方面に設けられた燃料極層22と、固体電解質層21の他方面に設けられた空気極層23とを備えた単セル2を、セパレータを介して複数積層してなり、単セル2とセパレータとの間に集電体4a、4cを有する。集電体4a、4cは、セパレータに接する第1層41と、第1層41および単セルに接する第2層42とを備える。第1層41は、単セル2に導入されたガスを単セル2の面方向に沿って流す第1ガス流路411を有する。第2層42は、第1ガス流路411を流れたガスを、単セル2の面方向と交差する方向に誘導する第2ガス流路421を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、電解質として固体電解質を利用した燃料電池スタックおよび燃料電池に関する。
燃料電池は、反応物質(燃料)と酸化剤(空気や酸素)とを電池内部に供給することによって電気エネルギーを発生させる変換器である。燃料電池の構造としては、固体電解質層の一方面に燃料極層、他方面に空気極層を配置した単セルを、セパレータを介して複数積層してスタック化し、さらにこの燃料電池スタックを複数積層してなる燃料電池が知られている。また、単セルの燃料極層および空気極層とセパレータとの間に、電気的な接続を向上させるために集電体が配設されることもある。
上記燃料電池スタック、燃料電池においては、特許文献1に記載されるように、セパレータの一方面に燃料ガスを流すためのガス流路を形成するとともに、セパレータの他方面に酸化剤ガスを流すためのガス流路を形成することが広く知られている。他にも、単セル自体にガス流路を形成する技術(特許文献2参照)や、気孔径を調整した集電体をガス流路として利用し、単セルにガスを供給する技術(特許文献3参照)なども提案されている。
しかしながら、セパレータにガス流路を形成する技術は、両面にガス流路を形成する必要があるため、セパレータが厚くなる。そのため、スタック化したときに、積層方向の厚みが厚くなるという問題がある。また、単セル自体にガス流路を形成する技術も、単セルが厚くなり、上記と同様の問題がある。
一方、気孔径を調整した集電体をガス流路とする技術は、集電体の気孔径のみでガスの流れが決定される。そのため、セル面内において、発電分布が不均一になるという問題がある。また、セパレータにガス流路を形成する技術も、均一な発電分布を実現するためにはセパレータへ複雑な加工が必要となり、高コストな加工技術(エッチング等)を要する。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、積層方向の厚みを薄くすることができ、セル面内の発電分布の均一化を図ることが可能な燃料電池スタックを提供することにある。
本発明は、固体電解質層と、該固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、上記固体電解質層の他方面に設けられた空気極層とを備えた単セルを、セパレータを介して複数積層してなる燃料電池スタックであって、上記単セルと上記セパレータとの間に集電体を有し、該集電体のうち、少なくとも1つ以上は、上記セパレータに接する第1層と、該第1層および上記単セルに接する第2層とを備え、上記第1層は、上記単セルに導入されたガスを上記単セルの面方向に沿って流す第1ガス流路を有し、上記第2層は、上記第1ガス流路を流れたガスを、上記単セルの面方向と交差する方向に誘導する第2ガス流路を有することを特徴とする燃料電池スタックにある(請求項1)。
本発明の燃料電池スタックは、上記のように、単セルとセパレータとの間に集電体を有し、集電体のうち、少なくとも1つ以上は、セパレータに接する第1層と、第1層および単セルに接する第2層とを備える。そして、第1層は、単セルに導入するためのガスを単セルの面方向に沿って流す第1ガス流路を有し、第2層は、第1ガス流路を流れたガスを、単セルの面方向と交差する方向に誘導する第2ガス流路を有する。
本発明によれば、集電体がガス流路を有している。そのため、セパレータや単セルへガス流路を形成しなくて済み、その分、積層方向の厚みを薄くすることができる。それ故、スタックの小型化を図ることが可能となる。
また、上記の集電体に供給されたガスは、第1層の第1ガス流路内をセルの面方向に沿って流れる。そしてその後、第1ガス流路を流れたガスは、第2層の第2ガス流路に誘導され、単セルに導入される。そのため、集電体に供給されたガスをセル全面に拡散させることができ、セル面内の発電分布の均一化を図ることができる。それ故、スタックに生じる熱応力を緩和でき、スタックの信頼性向上に寄与することができる。
以上のように、本発明によれば、積層方向の厚みを薄くすることができ、セル面内の発電分布の均一化を図ることが可能である。
また、上記の集電体に供給されたガスは、第1層の第1ガス流路内をセルの面方向に沿って流れる。そしてその後、第1ガス流路を流れたガスは、第2層の第2ガス流路に誘導され、単セルに導入される。そのため、集電体に供給されたガスをセル全面に拡散させることができ、セル面内の発電分布の均一化を図ることができる。それ故、スタックに生じる熱応力を緩和でき、スタックの信頼性向上に寄与することができる。
以上のように、本発明によれば、積層方向の厚みを薄くすることができ、セル面内の発電分布の均一化を図ることが可能である。
本発明の燃料電池スタックは、好ましくは、比較的スタック化が容易な平板型であるとよい。また、本発明の燃料電池スタックに含まれる上記単セルは、燃料極層、固体電解質層、空気極層のいずれの発電主要素を支持体として機能させてもよい。発電主要素以外のものを別途支持体として具備することもできる。
上記固体電解質層を構成する固体電解質としては、例えば、イットリア、スカンジア等の酸化物が固溶されたジルコニアやセリア系固溶体などの固体酸化物セラミックス、フッ素系炭化水素等の高分子にスルホン酸基等の電解質基が導入された固体高分子電解質、リン酸塩ガラス等のイオン導電性ガラスなどを例示することができる。固体電解質層を構成する固体電解質としては、好ましくは、酸素イオン導電性を示す固体電解質であり、より好ましくは、ジルコニア系の固体酸化物セラミックスである。但し、本発明は、固体電解質層として固体酸化物層を用いた固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」という。)スタックに限定されるものではない。固体電解質層の厚みは、10〜100μm程度が好ましい。
上記燃料極層を構成する材料としては、例えば、SOFCスタックの場合、金属ニッケル、酸化ニッケル、これらとイットリア安定化ジルコニア等のジルコニア系の固体酸化物セラミックスとのサーメットなどを例示することができる。燃料極層の厚みは、500〜1000μm程度が好ましい。
上記空気極層を構成する材料としては、例えば、SOFCスタックの場合、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、ランタン−鉄系酸化物などの導電性を有するペロブスカイト型酸化物などを例示することができる。空気極層の厚みは、20〜80μm程度が好ましい。
上記セパレータを構成する材料としては、例えば、SOFCスタックの場合、セラミックス材料、金属(合金含む)材料などを例示することができる。セラミックス材料としては、例えば、ランタン−クロム系酸化物などを例示することができ、金属材料としては、例えば、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト系等のステンレス鋼、Cr基合金、Ni基合金などを例示することができる。セパレータを構成する材料は、好ましくは、金属材料であるとよい。燃料電池スタックの低コスト化を図ることができるからである。
また、上記セパレータは、基本的に、その表面に燃料ガスや酸化剤ガス等のガスを流すためのガス流路を有していないことが好ましい。表面を平坦にすることができるので、スタックの積層方向の厚みを薄くすることが可能となり、スタックの小型化を図ることができるからである。また、セパレータに流路加工を施さなくても済むので、スタックの低コスト化にも寄与することができる。上記セパレータの厚みは、100〜300μm程度が好ましい。なお、本発明の燃料電池スタックは、ガス流路を有さない集電体を含む態様を除外するものではない。そのため、ガス流路を有さない集電体を用いる場合には、セパレータ側にガス流路が形成されていてもよい。
本発明の燃料電池スタックにおいて、第1層および第2層を含む積層構造を有する集電体は、少なくとも1つ以上含まれておればよい。例えば、燃料極層とセパレータとの間に挟持される集電体の全てが、上記積層構造を有していてもよいし、空気極層とセパレータとの間に挟持される集電体の全てが、上記積層構造を有していてもよい。あるいは、燃料極層とセパレータとの間に挟持される集電体の全て、および、空気極層とセパレータとの間に挟持される集電体の全てが、上記積層構造を有していてもよい。この場合には、積層方向の厚みを薄くしやすく、セル面内の発電分布の均一化も図りやすくなる。なお、第1層、第2層は、さらに層状に形成されていてもよい。
上記集電体のうち、燃料極層側の集電体を構成する材料としては、例えば、SOFCスタックの場合、Ni、Ni合金(Ni−Cu系合金、Ni−Mo系合金など)等のフェルト、多孔質体などを例示することができる。一方、上記集電体のうち、空気極層側の集電体を構成する材料としては、例えば、SOFCスタックの場合、フェライトCr系金属(合金)、マルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼等のフェルト、多孔質体などを例示することができる。また、上記集電体の熱膨張係数は、9.5〜14.5×10−6/Kの範囲内にあることが好ましい。熱歪による部品間の接合部の剥離を防ぎやすくなるなどの利点があるからである。
また、上記第1層、第2層は、多孔質であることが好ましい。第1ガス流路、第2ガス流路以外の多孔質部位からもガス拡散が可能になるため、ガス拡散性が向上するからである。なお、第1層は、一部に緻密質な部分を含んでいてもよい。例えば、第1層を層状に構成し(第1層を2層構造にする等)、セパレータ面側の層を緻密質にすることもできる。このようにした場合には、セパレータ面側へガスが拡散し難くなる。そのため、単セルの面方向に沿って第1層中を流れたガスが、効率よく第2層へ誘導されやすくなる。さらに、セパレータにガスが接触し難くなるので、ガスに起因するセパレータの劣化を抑制しやすくなる。
上記集電体のうち、燃料極層側の集電体の厚みは、200〜1000μm程度が好ましい。上記集電体のうち、空気極層側の集電体の厚みは、200〜1000μm程度が好ましい。また、第1層の厚みは、100〜200μm程度が好ましい。母材機能としてガス拡散が必要なく、強度を確保しやすくなる範囲で薄くする方が有利なためである。第2層の厚みは、300〜500μm程度が好ましい。母材機能としてガス拡散が必要なため、できる限り厚くする方が有利だからである。
また、上記第1層における第1ガス流路は、多数の流路群から構成することができる。第1ガス流路の形状は、単セルに導入するためのガスを単セルの面方向に沿って流すことができれば、特に限定されるものではない。第1ガス流路の形状は、例えば、ガス導入側からガス排出側に向かって、直線状、波状等の曲線状、これらを組合せた形状などから構成することができる。
また、第1ガス流路は、例えば、ガス導入側で相対的に狭く、ガス排出側で相対的に広くなるように形成されていてもよい。この場合には、ガス流れ方向のガス流量を均質化することができる。そのため、ガス流れ方向における発電分布の均一化に寄与することができる。また、第1ガス流路は、例えば、ガスの流れの中央部で疎であり、ガスの流れの縁部で密とされていてもよい。この場合には、ガス流れ方向と垂直な方向のガス流量を均質化することができる。そのため、ガス流れ方向と垂直な方向における発電分布の均一化に寄与することができる。
上記第1ガス流路は、第1層の厚み方向に垂直な面に沿って形成することができる。上記第1ガス流路は、好ましくは、第2層との境界面側に接して形成されているとよい。第2層へのガス拡散性、流路の形成性に優れるからである。この場合、第1ガス流路は、略矩形状、略U字状、略V字状などの溝部から構成することができる。
上記第2層における第2ガス流路は、単セルの面方向と交差する方向に、第1ガス流路を流れたガスを誘導することが可能であればよい。好ましくは、第2ガス流路は、単セルの面方向と略垂直な方向に、第1ガス流路を流れたガスを誘導することができるとよい。第1ガス流路が最短距離となり、単セルにガスを誘導しやすくなるし、流路の形成性にも優れるからである。
上記第2ガス流路は、例えば、多数の穴部などから構成することができる。穴部の形状としては、例えば、丸穴、長穴、スリット状などの形状を例示することができる。好ましくは、均一なガス拡散性を確保しやすい、形成容易性などの観点から、穴部の形状は、略丸穴形状であるとよい。
また、第2ガス流路は、第2層を貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。第2層の材質を多孔質とすれば、多孔質部位を通じてガスを拡散させることができるからである。上記第2ガス流路は、好ましくは、上記第1層側の端部に、上記第1ガス流路に連通する連通口を有しているとよい(請求項2)。
この場合には、第1層の第1ガス流路を流れたガスが、連通口を介して第2層の第2ガス流路に誘導されやすくなる。そのため、セル面内のうち、必要な部分にガスを拡散させやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなるからである。さらに好ましくは、ガス拡散性を向上させる観点から、第2ガス流路は、単セル側の端部に、単セル側の集電体表面に連通する連通口を有しているとよい。
この場合には、第1層の第1ガス流路を流れたガスが、連通口を介して第2層の第2ガス流路に誘導されやすくなる。そのため、セル面内のうち、必要な部分にガスを拡散させやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなるからである。さらに好ましくは、ガス拡散性を向上させる観点から、第2ガス流路は、単セル側の端部に、単セル側の集電体表面に連通する連通口を有しているとよい。
また、上記集電体は、上記第1層の気孔率<上記第2層の気孔率の関係を満たすことが好ましい(請求項3)。
この場合には、第1層の第1ガス流路内をセルの面方向に沿って流れたガスが、第1層よりも第2層に優先して拡散しやすくなる。そのため、集電体に供給したガスをセル面全体に効率よく拡散させやすくなり、セル面内の発電分布の均一化に寄与しやすくなる。また、相対的に第1層中の気孔が少ないため、セパレータとの接触面積、電気導電経路が増加し、電気抵抗を低減することができる。そのため、メッシュ部材からなる集電体を用いた場合に比べ、電気的なスタッキングロスを低減させることができ、スタックの高出力化を図ることが可能になる。
この場合には、第1層の第1ガス流路内をセルの面方向に沿って流れたガスが、第1層よりも第2層に優先して拡散しやすくなる。そのため、集電体に供給したガスをセル面全体に効率よく拡散させやすくなり、セル面内の発電分布の均一化に寄与しやすくなる。また、相対的に第1層中の気孔が少ないため、セパレータとの接触面積、電気導電経路が増加し、電気抵抗を低減することができる。そのため、メッシュ部材からなる集電体を用いた場合に比べ、電気的なスタッキングロスを低減させることができ、スタックの高出力化を図ることが可能になる。
第1層の気孔率は、好ましくは、15〜50%、より好ましくは、20〜30%の範囲内にあるとよい。一方、第2層の気孔率は、好ましくは、50〜95%、より好ましくは、80〜90%の範囲内にあるとよい。さらには、上記集電体は、(第2層の気孔率)/(第1層の気孔率)≧2の関係を満たしていることが好ましい。第1層、第2層の気孔率が上記範囲内、上記関係を満たす場合には、セパレータとの接触面積、電気導電経路の増加による第1層の電気抵抗低減の効果と、第2層の良好なガス拡散性の確保とのバランスに優れる。なお、いずれか一方の気孔率が50%である場合、他方の気孔率は50%以外の数値から選択される。上記気孔率は、水銀ポロシメーターにより測定することができる。
また、上記燃料電池スタックは、上記単セルの積層方向から見た場合に、上記第1ガス流路と上記第2ガス流路とが重ねて配置されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、第1ガス流路および第2ガス流路の流路パターンが連動するので、第1層の第1ガス流路を流れたガスが、第2層の第2ガス流路に誘導されやすくなる。そのため、セル面内のうち、必要な部分にガスを拡散させやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなる。
この場合には、第1ガス流路および第2ガス流路の流路パターンが連動するので、第1層の第1ガス流路を流れたガスが、第2層の第2ガス流路に誘導されやすくなる。そのため、セル面内のうち、必要な部分にガスを拡散させやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなる。
また、上記第1ガス流路は、上記第1層における上記第2層との境界面側に形成された多数の溝部から構成されており、上記第2ガス流路は、上記第2層の厚み方向に形成された多数の穴部から構成されていることが好ましい(請求項5)。
この場合には、第1層の溝部から第2層の穴部にガスが誘導されやすくなる。また、第2層における第1層との境界面のうち、穴部以外の部分も溝部の開口に接する。そのため、この部分からもガスの拡散を図ることができ、ガス拡散性を向上させることが可能となる。それ故、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなる。
この場合には、第1層の溝部から第2層の穴部にガスが誘導されやすくなる。また、第2層における第1層との境界面のうち、穴部以外の部分も溝部の開口に接する。そのため、この部分からもガスの拡散を図ることができ、ガス拡散性を向上させることが可能となる。それ故、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなる。
また、上記多数の溝部の幅は、ガス導入側で相対的に狭く、ガス排出側で相対的に広くなるように形成されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、ガス流れ方向のガス流量を均質化することができる。そのため、ガス流れ方向における発電分布の均一化に寄与することができる。より好ましくは、上記効果をより大きくする観点から、多数の溝部の幅は、ガス導入側からガス排出側に向かって漸次広くなるように形成されているとよい。
この場合には、ガス流れ方向のガス流量を均質化することができる。そのため、ガス流れ方向における発電分布の均一化に寄与することができる。より好ましくは、上記効果をより大きくする観点から、多数の溝部の幅は、ガス導入側からガス排出側に向かって漸次広くなるように形成されているとよい。
また、具体的には、溝部の幅は、好ましくは、1mm〜5mmの範囲内、より好ましくは、1mm〜3mmの範囲内にあるとよい。溝部の幅が1mm以上であると、安価な加工方法でも高精度な構造体を形成できるなどの利点がある。一方、溝部の幅が5mm以下であると、セル面内に流れるガスの均一性を高めることができ、セル面内の発電分布を均一に保ちやすくなるなどの利点がある。また、溝部の幅のうち、ガス導入側端部の幅をx1、ガス排出側端部の幅をx2とした場合に、好ましくは、1<x2/x1≦4、より好ましくは、2≦x2/x1≦3の関係を満たしているとよい。1<x2/x1の関係を満たしていると、ガス導入側端部での消費燃料を絞ることでガス排出側端部まで均一にガスを供給しやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなるなどの利点がある。一方、x2/x1≦4の関係を満たしていると、ガス導入時に十分なガス供給口を確保しやすくなるため、内部での圧力損失を抑制しやすくなり、セルに十分なガスを供給でき、高いガス利用率を達成可能になるなどの利点がある。
また、上記多数の溝部のピッチは、上記ガスの流れの中央部で疎であり、上記ガスの流れの縁部で密とされていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、ガス流れ方向と垂直な方向のガス流量を均質化することができる。そのため、ガス流れ方向と垂直な方向における発電分布の均一化に寄与することができる。より好ましくは、上記効果をより大きくする観点から、多数の溝部のピッチは、ガスの流れの中央部から縁部に向かって連続的に疎から密へ変化するように形成されているとよい。
この場合には、ガス流れ方向と垂直な方向のガス流量を均質化することができる。そのため、ガス流れ方向と垂直な方向における発電分布の均一化に寄与することができる。より好ましくは、上記効果をより大きくする観点から、多数の溝部のピッチは、ガスの流れの中央部から縁部に向かって連続的に疎から密へ変化するように形成されているとよい。
また、具体的には、ガスの流れの中央部における溝部のピッチをy1、上記ガスの流れの縁部における溝部のピッチをy2とした場合に、ピッチ比率y1/y2は、1<y1/y2≦8、より好ましくは、2≦y1/y2≦5の関係を満たしているとよい。1<y1/y2の関係を満たしていると、セル中央部での消費燃料を絞ることでセル端部まで均一にガスを供給しやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなるなどの利点がある。一方、y1/y2≦8の関係を満たしていると、セル端部での消費燃料を絞ることでセル中央部まで均一にガスを供給しやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなるなどの利点がある。
また、上記多数の穴部の径は、ガス導入側で相対的に小さく、ガス排出側で相対的に大きくなるように形成されていることが好ましい(請求項8)。
この場合には、ガス流れ方向において、穴部に誘導されるガス流量を均質化することができる。そのため、ガス流れ方向における発電分布の均一化に寄与することができる。より好ましくは、上記効果をより大きくする観点から、多数の穴部の径は、ガス導入側からガス排出側に向かって漸次大きくなるように形成されているとよい。また、溝部の幅と穴部の径とは略同等の寸法に形成されているとよい。
この場合には、ガス流れ方向において、穴部に誘導されるガス流量を均質化することができる。そのため、ガス流れ方向における発電分布の均一化に寄与することができる。より好ましくは、上記効果をより大きくする観点から、多数の穴部の径は、ガス導入側からガス排出側に向かって漸次大きくなるように形成されているとよい。また、溝部の幅と穴部の径とは略同等の寸法に形成されているとよい。
また、具体的には、穴部の径は、好ましくは、1mm〜5mmの範囲内、より好ましくは、1mm〜3mmの範囲内にあるとよい。穴部の径が1mm以上であると、ガス導入時に十分なガス供給口を確保しやすくなるため、内部での圧力損失を抑制しやすくなり、セルに十分なガスを供給でき、高いガス利用率を達成可能になるなどの利点がある。一方、穴部の径が5mm以下であると、ガスをセル全体へ均一に供給しやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなるなどの利点がある。また、穴部の径のうち、ガス導入側端部にあるものの直径をz1、ガス排出側端部にあるものの直径をz2とした場合に、好ましくは、1<z2/z1≦4、より好ましくは、2≦z2/z1≦3の関係を満たしているとよい。1<z2/z1の関係を満たしていると、ガス導入側端部での消費燃料を絞ることでガス排出側端部まで均一にガスを供給しやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなるなどの利点がある。一方、z2/z1≦4の関係を満たしいていると、ガス導入時に十分なガス供給口を確保しやすくなるため、内部での圧力損失を抑制しやすくなり、セルに十分なガスを供給でき、高いガス利用率を達成可能になるなどの利点がある。
なお、上記集電体は、例えば、多孔質体、フェルトを機械加工、プレス加工、レーザー加工することなどにより製造することができる。
また、上記燃料電池スタックにおいて、燃料極層側の集電体に燃料ガスを、空気極層側の集電体に酸化剤ガスをそれぞれ流す場合、単セルの積層方向から見て、燃料ガスと酸化剤ガスとが平行に流れるように各集電体が配置されていることが好ましい。この場合には、単セルの積層方向から見て燃料ガスと酸化剤ガスとが直交して流れるように各集電体が配置されている場合に比べ、セル面内の発電を制御しやすく、セル面内の発電分布を均一化しやすくなる。それ故、スタックに生じる熱応力を緩和しやすく、スタックの信頼性向上に寄与することができる。各集電体は、単セルの積層方向から見て、燃料ガスと酸化剤ガスとが同方向に平行に流れるように各集電体が配置されていてもよいし(コフロー配置)、燃料ガスと酸化剤ガスとが反対方向に平行に流れるように各集電体が配置されていてもよい(カウンターフロー配置)。
本発明の燃料電池は、上述した燃料電池スタックを有している(請求項9)。
そのため、スタックの小型化を図ることができる。また、セル面内の発電分布の不均一に起因する熱応力が緩和されるので、熱応力による破壊などが生じ難く、信頼性を向上させることができる。
そのため、スタックの小型化を図ることができる。また、セル面内の発電分布の不均一に起因する熱応力が緩和されるので、熱応力による破壊などが生じ難く、信頼性を向上させることができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係る燃料電池スタック、燃料電池について、図1〜図4を用いて説明する。
本例の燃料電池スタック1は、平板型のスタックであり、図1に示すように、4つの単セル2が、セパレータ3を介して積層されている。単セル2は、図2に抜き出して示すように、固体電解質層21と、固体電解質層21の一方面に設けられた燃料極層22と、固体電解質層21の他方面に設けられた空気極層23とを備えている。なお、固体電解質層21には、イットリア安定化ジルコニア(厚み10μm)を用いた。燃料極層22には、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとのサーメット(厚み500μm)を用いた。空気極層23には、La0.8Sr0.2MnO3(厚み30μm)を用いた。
本発明の実施例に係る燃料電池スタック、燃料電池について、図1〜図4を用いて説明する。
本例の燃料電池スタック1は、平板型のスタックであり、図1に示すように、4つの単セル2が、セパレータ3を介して積層されている。単セル2は、図2に抜き出して示すように、固体電解質層21と、固体電解質層21の一方面に設けられた燃料極層22と、固体電解質層21の他方面に設けられた空気極層23とを備えている。なお、固体電解質層21には、イットリア安定化ジルコニア(厚み10μm)を用いた。燃料極層22には、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとのサーメット(厚み500μm)を用いた。空気極層23には、La0.8Sr0.2MnO3(厚み30μm)を用いた。
セパレータ3は、平板状のステンレス鋼(SUS430)から構成されている。セパレータ3の厚みは200μmとした。セパレータ3は、単セル2の燃料極層22側の面および空気極層23側の面のいずれも平坦面とされており、ガス流路は形成されていない。
ここで、本例の燃料電池スタック1は、図1、図2に示すように、単セル2とセパレータ3との間に集電体4a、4cを有し、集電体4a、4cは、セパレータ3に接する第1層41と、第1層41および単セル2に接する第2層42とを備えている。なお、本例は、集電体4a、4cの全てが第1層41および第2層42を有している場合の例であるが、これに限定されるものではない。単セル2の燃料極層22とセパレータ3との間に配置される集電体4aには、多孔質Niを用いた。一方、単セル2の空気極層23とセパレータ3との間に配置される集電体4cには、多孔質フェライトCr系金属を用いた。
また、集電体4a、4cは、いずれも(第1層41の気孔率)<(第2層42の気孔率)の関係、かつ、(第2層42の気孔率)/(第1層41の気孔率)≧2の関係を満たしている。具体的には、単セル2の燃料極層22とセパレータ3との間に配置される集電体4aについては、第1層41の気孔率は20%、第2層42の気孔率は90%とした。単セル2の空気極層23とセパレータ3との間に配置される集電体4cについては、第1層41の気孔率は20%、第2層42の気孔率は90%とした。なお、上記気孔率は、水銀ポロシメーターにより測定した値である。また、単セル2の燃料極層22とセパレータ3との間に配置される集電体4aにおいて、第1層41の厚みは、200μm、第2層42の厚みは、400μmとした。単セル2の空気極層23とセパレータ3との間に配置される集電体4cにおいて、第1層41の厚みは、200μm、第2層42の厚みは、400μmとした。
集電体4a、4cにおいて、第1層41は、単セル2に導入するためのガスを単セル2の面方向に沿って流す第1ガス流路411を有している。なお、単セル2に導入するためのガスとは、単セル2の燃料極層22とセパレータ3との間に配置される集電体4aの場合には燃料ガス(水素ガス等)であり、単セル2の空気極層23とセパレータ3との間に配置される集電体4cの場合には酸化剤ガス(空気、酸素ガス等)である。
図2、図3に示すように、本例において、第1ガス流路411は、第1層41における第2層42との境界面側に形成された多数の溝部412から構成されている。多数の溝部412は、互いに平行に形成されている。溝部412の幅は、ガス導入側からガス排出側にかけて一定の1.5mmとした。また、溝部412のピッチは、ガスの流れの中央部、ガスの流れの縁部ともに一定の2mmとした。
集電体4a、4cにおいて、第2層42は、第1ガス流路411を流れたガスを、単セル2の面方向と交差する方向に誘導する第2ガス流路421を有する。本例において「単セル2の面方向と交差する方向」は、単セル2の面方向と直交する方向とした。
図2、図3に示すように、本例において、第2ガス流路421は、第2層42の厚み方向に形成された多数の穴部422から構成されている。多数の穴部422は、単セル2の積層方向から見た場合に、第1ガス流路411と重ねて配置されており、第1ガス流路411と第2ガス流路421とは連動して形成されている。
また、第2ガス流路421は、第1層41側の端部に、第1ガス流路411に連通する連通口423を有している。一方、第2ガス流路は、単セル2側の端部に、単セル2側の集電体4a、4c表面に連通する連通口424を有している。つまり、第2ガス流路421は、第2層42の厚み方向に貫通する貫通穴として形成されている。なお、穴部422の形状は、単セル2の積層方向からみて略丸形状とした。多数の穴部422の径は、ガス導入側からガス排出側にかけて一定の2mmとした。また、ガス流れ方向の穴部の間隔は、一定の1.5mmとした。
図4に示すように、本例において、集電体4a、4cは、第1層41および第2層42の外部のガス導入側の縁部に接するガス導入流路43を有している。ガス導入流路43は、第1層41が有する第1ガス流路411と連通しており、後述するガス供給マニフォルド16から供給されたガスを第1ガス流路411へ導くための流路である。ガス導入流路43における第1層41および第2層42の一方の縁部には、ガス供給マニフォルド16と連通する供給口431が形成されている。ガス導入流路43は、第1層41および第2層42の一方の縁部から他方の縁部に向かって流路幅が漸次狭くなるように形成されている。
また、集電体4a、4cは、第1層41および第2層42の外部のガス排気側の縁部に接するガス排気流路44を有している。ガス排気流路44は、第1層41が有する第1ガス流路411と連通しており、第1ガス流路411から排気されたガスをまとめて、後述するガス排気マニフォルド17へ排気するための流路である。ガス排気流路44における第1層41および第2層42の他方の縁部には、ガス供給マニフォルド16と連通する排気口441が形成されている。ガス排気流路44は、第1層41および第2層42の一方の縁部から他方の縁部に向かって流路幅が漸次広くなるように形成されている。なお、空気極層23側に配置される集電体4cと、燃料極層22側に配置される集電体4aとは、積層方向から見たときに、第1層41を流れるガスの流れの中央部を中心に対称となるように、ガス導入流路43とガス排気流路44とが構成されている。
なお、単セル2の燃料極層22側に配置される集電体4aは、機械加工による切削により作製した。一方、単セル2の空気極層23側に配置される集電体4cは、機械加工による切削により作製した。
本例の燃料電池スタック1は、図1に示すように、上記の単セル2、セパレータ3、集電体4a、4c以外に、シール部材13、一対の絶縁体14、一対の固定部材15、ガス供給マニフォルド16、ガス排気マニフォルド17などを有している。
シール部材13は、単セル2の側端面に設けられている。本例では、シール部材13としてガラスシール材を用いた。
一対の絶縁体14は、マイカを使用し、板状に形成されている。一対の絶縁体14は、セパレータ3を介して積層された両端の単セル2の外側に積層されている。また、これら一対の絶縁体14の外側には、一対の固定部材15が積層されている。燃料電池スタック1は、一方の固定部材15から他方の固定部材15にかけて、発電に影響がでないように、積層方向と垂直な方向にスタック1を貫通する貫通孔(不図示)を4つ有している。これら貫通孔には、締結部材としてのボルト(不図示)が挿通されるとともに、ボルトの先端には、相手側の締結部材であるナット(不図示)が取り付けられている。これら締結部材の締結力により、燃料電池スタック1は一対の固定部材15間に挟持されている。
ガス供給マニフォルド16は、単セル2の一方の側端面に設けられている。ガス供給マニフォルド16は、その内部に、燃料ガス(矢印F)としての水素を、単セル2の燃料極層22側に配置された集電体4aの第1層41へ供給する燃料ガス供給路161と、酸化剤ガス(矢印A)としての空気を、単セル2の空気極層23側に配置された集電体4cの第1層41へ供給する酸化剤ガス供給路162とを有している。積層配置されたガス供給マニフォルド16間において、燃料ガス供給路161、酸化剤ガス供給路162はそれぞれ連通している。燃料ガス供給路161の上流側端部は、ガス供給システム(不図示)に接続されている。一方、酸化剤ガス供給路162の上流側端部は、空気供給システム(不図示)に接続されている。
ガス排気マニフォルド17は、単セル2の他方の側端面に設けられている。ガス排気マニフォルド17は、その内部に、発電に使用されなかった燃料ガスをスタック1外へ排気する燃料ガス排気路171と、発電に使用されなかった酸化剤ガスをスタック1外へ排気する酸化剤ガス排気路172とを有している。積層配置されたガス排気マニフォルド17間において、燃料ガス排気路171、酸化剤ガス排気路172はそれぞれ連通している。燃料ガス排気路171の下流側端部は、燃料ガス排気システム(不図示)に接続されている。一方、酸化剤ガス排気路172の下流側端部は、酸化剤ガス排気システム(不図示)に接続されている。
上記の燃料電池スタック1は、次のようにして作動させることができる。ガス供給マニフォルド16の燃料ガス供給路161の上流側端部(In)から、水素ガス(燃料ガス)を供給する。水素ガスは、燃料ガス供給路161を流れ、各単セル2の燃料極層22側に配置された集電体4aに達する。集電体4aに達した水素ガスは、集電体4aの供給口431からガス導入流路43内に流入し、第1層41の縁部から第1ガス流路411(多数の溝部412内)内に流入する。第1ガス流路411内に流入した水素ガスは、第1ガス流路411内をセルの面方向に沿って流れる。その後、第1ガス流路411を流れた水素ガスは、第2層42の第2ガス流路421(多数の穴部422)に誘導され、各単セル2の燃料極層22に供給される。
一方、ガス排気マニフォルド17の酸化剤ガス供給路162の上流側端部(In)から、空気(酸化剤ガス)を供給する。空気は、酸化剤ガス供給路162を流れ、各単セル2の空気極層23側に配置された集電体4cに達する。集電体4cに達した空気は、集電体4cの供給口431からガス導入流路43内に流入し、第1層41の縁部から第1ガス流路411(多数の溝部412内)内に流入する。第1ガス流路411内に流入した空気は、第1ガス流路411内をセルの面方向に沿って流れる。その後、第1ガス流路411を流れた空気は、第2層42の第2ガス流路421(多数の穴部422)に誘導され、各単セル3の空気極層23に供給される。
各単セル2に供給された水素ガス、空気は、電池反応に供されて消費される。一方、各単セル2に供給されなかった水素ガスは、燃料極層22側に配置された集電体4aにおいては、第1層41の第1ガス流路411(多数の溝部412)の下流側端部からガス排気流路44に流入し、ガス排気流路44内を流れ、排気口441よりガス排気マニフォルド17内に流入する。ガス排気マニフォルド17内に流入した水素ガスは、燃料ガス排気路171を流れ、燃料ガス排気路171の下流側端部(Out)から排気される。同様に、各単セル2に供給されなかった空気は、空気極層23側に配置された集電体4cにおいては、第1層41の第1ガス流路411(多数の溝部412)の下流側端部からガス排気流路44に流入し、ガス排気流路44内を流れ、排気口441よりガス排気マニフォルド17内に流入する。ガス排気マニフォルド17内に流入した空気は、酸化剤ガス排気路172を流れ、酸化剤ガス排気路172の下流側端部(Out)から排気される。
上記により、燃料電池スタック1は、各単セル2の燃料極層22と空気極層23と間に起電力が生じ、発電装置として機能することができる。発電による電力は、燃料極層22側においては、燃料極層22とセパレータ3との間に配設された集電体4aを介して燃料電池スタック1の下方に配置されている単セル2の燃料極層22側の端部に取り出される。一方、空気極層23側においては、空気極層23とセパレータ3との間に配設された集電体4cを介して燃料電池スタック1の上方に配置されている単セル2の空気極層23側の端部に取り出される。燃料電池スタック1全体の電力は、スタック両端部の間で取り出される。なお、本例の燃料電池スタック1は、600〜900℃の温度で好適に作動させることができる。
以上説明した本例によれば、集電体4a、4cがガス流路を有している。そのため、セパレータ3や単セル2へガス流路を形成しなくて済み、その分、積層方向の厚みを薄くすることができる。それ故、スタック1の小型化を図ることが可能となる。また、集電体4a、4cに供給されたガス(水素ガス、空気)は、第1層41の第1ガス流路411内をセルの面方向に沿って流れた後、第2層42の第2ガス流路421に誘導され、単セル2に導入される。そのため、集電体4a、4cに供給されたガスをセル全面に拡散させることができ、セル面内の発電分布の均一化を図ることができる。それ故、スタック1に生じる熱応力を緩和でき、スタック1の信頼性向上に寄与することができる。以上のように、本例によれば、積層方向の厚みを薄くすることができ、セル面内の発電分布の均一化を図ることが可能である。
また、本例の場合、スタック1中に含まれる集電体4a、4cの全てに上記のガス流路が形成されている。そのため、積層方向におけるスタック1の薄層化効果、セル面内の発電分布の均一化効果が大きい。また、第2ガス流路421は、第2層42の厚み方向に貫通している。そのため、第1層41の第1ガス流路411を流れたガスが、第1ガス流路411に連通する連通口423を介して第2層42の第2ガス流路421に誘導されやすい上、単セル2側の集電体4a、4c表面に連通する連通口424を介して単セル2へ導入されやすくなる。それ故、セル面内のうち、必要な部分にガスを拡散させやすくなり、セル面内の発電分布の均一化を図りやすくなる。
また、本例の場合、図4に示すように、各集電体4a、4cは、単セルの積層方向から見て、水素ガスと空気とが同方向に平行に流れるように各集電体4a、4cが配置されている(コフロー配置)。そのため、ガス流れ方向と垂直な方向におけるセル面内の発電を制御しやすく、同方向におけるセル面内の発電分布を均一化することができる。それ故、スタック1に生じる熱応力を緩和しやすく、スタック1の信頼性向上に寄与することができる。
次に、本例の燃料電池(モジュール)について説明する。本例の燃料電池(不図示)は、上記した本例の燃料電池スタック1を有している。具体的には、本例の燃料電池は、燃料電池スタック1が5つ積層配置されており、各燃料電池スタック1間が直列に接続されている。
本例の燃料電池によれば、電池の小型化を図ることができる。また、セル面内の発電分布の不均一に起因する熱応力が緩和されるので、熱応力による破壊などが生じ難く、信頼性を向上させることができる。なお、本例では、燃料電池スタック1を3つ積層配置したが、これに限定されることはなく、必要とする電圧値を考慮して、複数個積層配置することができる。
(実施例2)
本例は、図5に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、集電体4a、4cの構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1における集電体4a、4cは、図5に示すように、第1層41における多数の溝部412の幅が、ガス導入側で相対的に狭く、ガス排出側で相対的に広くなるように形成されている。また、第2層42における多数の穴部422の直径は、ガス導入側で相対的に小さく、ガス排出側で相対的に大きくなるように形成されている。そして、多数の溝部412と多数の穴部422とは、単セル2の積層方向から見た場合に、重ねて配置されている。
本例は、図5に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、集電体4a、4cの構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1における集電体4a、4cは、図5に示すように、第1層41における多数の溝部412の幅が、ガス導入側で相対的に狭く、ガス排出側で相対的に広くなるように形成されている。また、第2層42における多数の穴部422の直径は、ガス導入側で相対的に小さく、ガス排出側で相対的に大きくなるように形成されている。そして、多数の溝部412と多数の穴部422とは、単セル2の積層方向から見た場合に、重ねて配置されている。
具体的には、第1層41の溝部412は、ガス導入側からガス排出側に向かって溝部412の幅が漸次被広くなるように形成されている。溝部412の幅のうち、ガス導入側端部の幅をx1、ガス排出側端部の幅をx2とした場合、x1は1.5mm、x2は3mmとした(x2/x1=2)。また、第2層42の穴部422は、ガス導入側からガス排出側に向かって穴部422の直径が漸次広くなるように形成されている。穴部422の直径のうち、ガス導入側端部にあるものの直径をz1、ガス排出側端部にあるものの直径をz2とした場合、z1は1.5mm、z2は3mmとした(z2/z1=2)。その他の構成は、実施例1と同様である。
このように構成した場合には、ガスが不足しやすいガス排出側において必要なガスを確保しやすくなる。そのため、第1層41におけるガス流れ方向のガス流量、第2層42における穴部422に誘導されるガス流量をそれぞれ均質化することが可能となり、ガス流れ方向における発電分布の均一化に寄与することができる。本例の場合は、第1層41の溝部412の幅および第2層42の穴部422の直径の両方が、ガス導入側からガス排出側に向かって漸次広くなるように形成されているので、ガス流量が均質化されやすく上記効果に優れる。その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図6に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、集電体4a、4cの構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1における集電体4a、4cは、図6に示すように、第1層41における多数の溝部412のピッチが、ガスの流れの中央部で疎であり、ガスの流れの縁部で密とされている。また、第2層42における多数の穴部422のピッチが、ガスの流れの中央部で疎であり、ガスの流れの縁部で密とされている。そして、多数の溝部412と多数の穴部422とは、単セル2の積層方向から見た場合に、重ねて配置されている。
本例は、図6に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、集電体4a、4cの構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1における集電体4a、4cは、図6に示すように、第1層41における多数の溝部412のピッチが、ガスの流れの中央部で疎であり、ガスの流れの縁部で密とされている。また、第2層42における多数の穴部422のピッチが、ガスの流れの中央部で疎であり、ガスの流れの縁部で密とされている。そして、多数の溝部412と多数の穴部422とは、単セル2の積層方向から見た場合に、重ねて配置されている。
具体的には、第1層の溝部412のピッチは、ガスの流れの中央部から縁部に向かって連続的に疎から密へ変化するように形成されている。ガスの流れの中央部における溝部412のピッチをy1、ガスの流れの縁部における溝部412のピッチをy2とした場合、y1は1.5mm、y2は4.5mmであり、ピッチ比率y1/y2は3とした。その他の構成は、実施例1と同様である。
このように構成した場合には、ガスが不足しやすいガス流れの縁部において必要なガスを確保しやすくなる。そのため、第1層41におけるガス流れ方向と垂直な方向のガス流量、第2層42におけるガス流れ方向と垂直な方向の穴部422に誘導されるガス流量をそれぞれ均質化することが可能となり、ガス流れ方向と垂直な方向における発電分布の均一化に寄与することができる。その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、図7に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、集電体4a、4cの構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1における集電体4a、4cは、図7に示すように、第1層41における第1ガス流路411としての多数の溝部412が、直線状ではなく、波状の曲線状に形成されている。そして、この波状の溝部412に連動させて、第2層42における多数の穴部422が形成されている。つまり、多数の溝部412と多数の穴部422とは、単セル2の積層方向から見た場合に、重ねて配置されている。具体的には、溝部412の幅は、ガス導入側からガス排出側にかけて一定の2mmとした。また、穴部422の直径は、ガス導入側からガス排出側にかけて一定の2mmとした。その他の構成は、実施例1と同様である。
本例は、図7に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、集電体4a、4cの構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1における集電体4a、4cは、図7に示すように、第1層41における第1ガス流路411としての多数の溝部412が、直線状ではなく、波状の曲線状に形成されている。そして、この波状の溝部412に連動させて、第2層42における多数の穴部422が形成されている。つまり、多数の溝部412と多数の穴部422とは、単セル2の積層方向から見た場合に、重ねて配置されている。具体的には、溝部412の幅は、ガス導入側からガス排出側にかけて一定の2mmとした。また、穴部422の直径は、ガス導入側からガス排出側にかけて一定の2mmとした。その他の構成は、実施例1と同様である。
このように構成した場合には、第1層41の波状の溝部412により、セル面方向の隅々までガスが流れる。そしてその後、波状の溝部412を流れたガスは、第2層42に重ねて配置された波状の穴部422に誘導され、単セル2に導入される。そのため、集電体4a、4cに供給されたガスをセル全面に拡散させやすく、セル面内の発電分布の均一化を図るのに有利である。その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例5)
本例は、図8に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、各集電体4a、4cに流すガスの方向を変更した例である。
すなわち、本例は、図4に示した、単セル2の空気極層23側に配置した各集電体4cへ供給する空気の流れが、図8の矢印に示すように反対向きとなるように構成されている。つまり、各集電体4a、4cは、単セル2の積層方向から見て、水素ガスと空気とが反対方向に平行に流れるように各集電体4a、4cが配置されている(カウンターフロー配置)。
本例は、図8に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、各集電体4a、4cに流すガスの方向を変更した例である。
すなわち、本例は、図4に示した、単セル2の空気極層23側に配置した各集電体4cへ供給する空気の流れが、図8の矢印に示すように反対向きとなるように構成されている。つまり、各集電体4a、4cは、単セル2の積層方向から見て、水素ガスと空気とが反対方向に平行に流れるように各集電体4a、4cが配置されている(カウンターフロー配置)。
このように構成した場合にはガス流れ方向と垂直な方向におけるセル面内の発電を制御しやすく、同方向におけるセル面内の発電分布を均一化することができる。それ故、スタック1に生じる熱応力を緩和しやすく、スタックの信頼性向上に寄与することができる。その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例6)
本例は、図9に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、各集電体4a、4cにおける第1層41および第2層42の外部のガス導入側の縁部に接するガス導入流路43の形状、ガス排気側の縁部に接するガス排気流路44の形状を変更した例である。
本例は、図9に示すように、実施例1の燃料電池スタック1において、各集電体4a、4cにおける第1層41および第2層42の外部のガス導入側の縁部に接するガス導入流路43の形状、ガス排気側の縁部に接するガス排気流路44の形状を変更した例である。
すなわち、本例において、ガス導入流路43は、図9に示すように、ガス導入流路43における第1層41および第2層42の縁部の中央部に、ガス供給マニフォルド16と連通する供給口431を有している。そして、上記中央部から両縁部に向かって流路幅が漸次狭くなるように形成されている。一方、ガス排気流路44は、ガス排気流路44における第1層41および第2層42の両縁部に、ガス供給マニフォルド16と連通する排気口441を一つずつ有している。そして、上記中央部から両縁部に向かって流路幅が漸次広くなるように形成されている。なお、単セル2の燃料極層22側に配置する集電体4aの流路パターンと、空気極層23側に配置する集電体4cの流路パターンは、図面の左右が反対であるだけで、基本的なパターンは同じである。各集電体4a、4cは、単セル2の積層方向から見て、水素ガスと空気とが反対方向に平行に流れるように各集電体4a、4cが配置されている(カウンターフロー配置)。
このように構成した場合にはガス流れ方向と垂直な方向におけるセル面内の発電を制御しやすく、同方向におけるセル面内の発電分布を均一化することができる。それ故、スタック1に生じる熱応力を緩和しやすく、スタック1の信頼性向上に寄与することができる。その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
以上、実施例について説明したが、本発明は、上記実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変形を行うことができる。
1 燃料電池スタック
2 単セル
21 固体電解質層
22 燃料極層
23 空気極層
3 セパレータ
4a、4c 集電体
41 第1層
411 第1ガス流路
412 溝部
42 第2層
421 第2ガス流路
422 穴部
423 連通口
424 連通口
43 ガス導入流路
431 供給口
44 ガス排気流路
441 排気口
13 シール部材
14 絶縁体
15 固定部材
16 ガス供給マニフォルド
161 燃料ガス供給路
162 酸化剤ガス供給路
17 ガス排気マニフォルド
171 燃料ガス排気路
172 酸化剤ガス排気路
2 単セル
21 固体電解質層
22 燃料極層
23 空気極層
3 セパレータ
4a、4c 集電体
41 第1層
411 第1ガス流路
412 溝部
42 第2層
421 第2ガス流路
422 穴部
423 連通口
424 連通口
43 ガス導入流路
431 供給口
44 ガス排気流路
441 排気口
13 シール部材
14 絶縁体
15 固定部材
16 ガス供給マニフォルド
161 燃料ガス供給路
162 酸化剤ガス供給路
17 ガス排気マニフォルド
171 燃料ガス排気路
172 酸化剤ガス排気路
Claims (9)
- 固体電解質層と、該固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、上記固体電解質層の他方面に設けられた空気極層とを備えた単セルを、セパレータを介して複数積層してなる燃料電池スタックであって、
上記単セルと上記セパレータとの間に集電体を有し、
該集電体のうち、少なくとも1つ以上は、上記セパレータに接する第1層と、該第1層および上記単セルに接する第2層とを備え、
上記第1層は、上記単セルに導入するためのガスを上記単セルの面方向に沿って流す第1ガス流路を有し、
上記第2層は、上記第1ガス流路を流れたガスを、上記単セルの面方向と交差する方向に誘導する第2ガス流路を有することを特徴とする燃料電池スタック。 - 請求項1に記載の燃料電池スタックにおいて、上記第2ガス流路は、上記第1層側の端部に、上記第1ガス流路に連通する連通口を有していることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項1または2に記載の燃料電池スタックにおいて、上記集電体は、上記第1層の気孔率<上記第2層の気孔率の関係を満たすことを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、上記単セルの積層方向から見た場合に、上記第1ガス流路と上記第2ガス流路とが重ねて配置されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、上記第1ガス流路は、上記第1層における上記第2層との境界面側に形成された多数の溝部から構成されており、上記第2ガス流路は、上記第2層の厚み方向に形成された多数の穴部から構成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項5に記載の燃料電池スタックにおいて、上記多数の溝部の幅は、ガス導入側で相対的に狭く、ガス排出側で相対的に広くなるように形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項5に記載の燃料電池スタックにおいて、上記多数の溝部のピッチは、上記ガスの流れの中央部で疎であり、上記ガスの流れの縁部で密とされていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項5〜7のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、上記多数の穴部の径は、ガス導入側で相対的に小さく、ガス排出側で相対的に大きくなるように形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池スタックを有することを特徴とする燃料電池。
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