JP2012191731A - モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PWM制御されたモータにおいて、コイルに接続された端子の電圧が基準電圧を超えるときの回転子の位置を正しく行なってモータを制御する方法及びその装置を提供する。
【解決手段】制御装置を、前回の位置検出結果から基準位置を生成する手段と、この基準位置とモータの回転数から次回位置検出時刻を推定する手段と、次回位置検出推定時刻と前記PWM制御信号のオンの設定位置との位相差を算出する手段と、前記次回位置検出推定時刻がPWM制御信号のオンの設定位置にあるか否かを判定する手段と、次回位置検出推定時間がPWM制御信号のオンの設定位置にない場合は、次回位置検出推定時刻がPWM制御信号のオンの中央となるように前記位相差分だけ位相をずらすために任意のキャリア1個の周期を変更する手段としてとして機能させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によるセンサレスDCモータの制御装置において、回転子の位置検出の安定性を向上させ、位置検出の誤差によって生じる乱調、騒音、振動などを防止又は低減するモータの制御装置に関するものである。
図4は、PWM制御によるセンサレスDCモータの駆動回路を示す回路図である。
この図4において、モータ1は、PWM駆動信号を生成するインバータ2に接続され、このインバータ2はPWM制御信号を出力するPWM信号発生器9に接続されている。
前記PWM制御信号発生器9はPWM制御信号を生成するためのキャリア信号と出力電圧指令信号を出力する制御装置4に接続され、この制御装置4には、モータ1の位置検出信号を得るためのモータ1のU相端子7U、V相端子7V、W相端子7Wの電圧Uv、Vv、Wvと基準電圧Bを比較する比較器5U、5V、5Wの出力が接続されるとともに、直流電源3のプラス側が接続されている。
前記インバータ2は、図5に示すように直流電源3のプラス側とマイナス側の間にそれぞれ一対のスイッチング素子6Upと6Un、6Vpと6Vn、6Wpと6Wnが接続されており、それぞれのスイッチング素子6Up、6Un、6Vp、6Vn、6Wp、6Wnのゲート端子に前記PWM信号発生器9の対応する出力が接続されている。
前記インバータ2を構成するスイッチング素子6Upと6Unの接続点がモータ1のU相端子7Uに、スイッチング素子6Vpと6Vnの接続点がモータ1のV相端子7Vに、スイッチング素子6Wpと6Wnの接続点がモータ1のW相端子7Wに接続されている。
なお、前記スイッチング素子6Up、6Un、6Vp、6Vn、6Wp、6Wnは、バイポーラトランジスタ、FET、MOS−FET、サイリスタや絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどを含む総称であり、モータの出力や仕様によって適当なものが選択される。
以上のような構成において、モータ1のU相端子7U、V相端子7V、W相端子7Wの電圧Vu、Vv、Vwが比較器5U、5V、5Wによって基準電圧Bと比較され、その結果が回転子の位置情報として制御装置4に入力される。
制御装置4は、比較器5U、5V、5Wからの前記位置情報に基づいて、図7に示すようなPWM制御信号を生成するための、例えば三角波からなる適当な周期Cのキャリア信号及び電圧指令信号をPWM信号発生器9に出力する。
PWM信号発生器9は、モータ1を回転制御するPWM駆動信号のデューティ比を決定する各相毎の電圧指令信号Vcとキャリア信号とを比較し、キャリア信号が電圧指令信号Vc以上になると立上り、電圧指令信号Vc以下になると立下る図7に示すような矩形のPWM制御信号をインバータ2に出力する。
インバータ2は、PWM信号発生器9からのPWM制御信号に従って、スイッチング素子6Up、6Un、6Vp、6Vn、6Wp、6Wnをオン・オフ制御して、モータ1のU相端子7U、V相端子7V、W相端子7WにPWM駆動信号を出力してモータ1を回転させる。
以下、モータ1の回転制御について説明する。
スイッチング素子6Upのゲートには、制御装置4からPWM信号発生器9を介して、図8(a)に示す電気角0〜120度の期間にPWM制御信号が与えられ、スイッチング素子6Vpのゲートには、図8(b)に示すように、電気角120〜240度の期間にPWM制御信号が与えら、スイッチング素子6Wpのゲートには、図8(c)に示すように、電気角240〜360度の期間にPWM制御信号が与えられる。
スイッチング素子6Unのゲートには、図8(d)に示すように、スイッチング素子6Upの電気角180度遅れの期間にPWM制御信号が与えられ、スイッチング素子6Vnのゲートには、図8(e)に示すように、スイッチング素子6Vpの電気角180度遅れの期間にPWM制御信号が与えられ、スイッチング素子6Wnのゲートには、図8(f)に示すように、スイッチング素子6Wpの電気角180度遅れの期間にPWM制御信号が与えられる。
PWM制御による120度通電方式では、以上のスイッチング素子6Up、6Un、6Vp、6Vn、6Wp、6Wnに与えられるPWM制御信号は、始まりの電気角0〜30度と終わりの電気角90〜120度の期間がオン・オフを繰り返す櫛歯状波形で、中間の電気角30〜90度の期間は平坦なプラス波形となっており、以下で説明する閉回路を構成する1対のスイッチング素子の一方が櫛歯状波形に、他方が平坦なプラス波形となるように制御されている。
この櫛歯状の波形のデューティ比を変化させて印加電圧を制御して所望の回転数に制御する。
電気角0〜60度の期間には、スイッチング素子6Upと6Vnが導通して電源3のプラス側→スイッチング素子6Up→U相コイル8U→V相コイル8V→スイッチング素子6Vn→電源3のマイナス側の閉回路が構成されて電流が流れる。
同様にして、電気角60〜120度の期間には、スイッチング素子6Upと6Wnが導通してU相コイル8UからW相コイル8Wの方向に、電気角120〜180度の期間には、スイッチング素子6Vpと6Wnが導通してV相コイル8VからW相コイル8Wの方向に、電気角180〜240度の期間には、スイッチング素子6Vpと6Unが導通してV相コイル8VからU相コイル8Uの方向に、電気角240〜300度の期間には、スイッチング素子6Wpと6Unが導通してW相コイル8WからU相コイル8Uの方向に、電気角300〜360度の期間には、スイッチング素子6Wpと6Vnが導通してW相コイル8WからV相コイル8Vの方向にそれぞれ電流が流れる。
これによって、各コイル8U、8V、8Wによる回転磁界が発生して回転子を誘導し、モータが所定の方向に回転する。
以下、回転子の位置検出について説明する。
120度通電方式によるPWM駆動制御のセンサレスDCモータは、U相、V相、W相の固定子コイルのうちいずれか駆動信号が印加されていない固定子コイルに、図6に示すような誘起電圧Vが現れる。この誘起電圧Vを基準電圧Bと比較して基準電圧Bと一致する点(図6の点E、F)を検出することにより回転子の位置を検出し、この位置情報に基づいてPWM駆動信号を生成して所望の回転数にモータを制御するように構成されている(特許文献1)。
以下、U相端子7Uに現れる電圧Vuの波形について、図8(g)に基づいて説明する。
U相端子7Uには、電圧が印加されていない電気角120〜180度の期間と電気角300〜360度の期間に誘起電圧Vuが現れるが、V相コイル8VとW相コイル8Wの直列回路に電圧が印加されているので、3つのコイルの中性点10に櫛歯状の電圧が印加されており、これによりU相端子7Uにも図8(g)に示すような櫛歯波形が現れる。
同様に、V相端子7Vには電気角60〜120度の期間と電気角240〜300度の期間に図8(h)に示すように変化する櫛歯波形が現れ、W相端子7Wには電気角0〜60度の期間と電気角180〜240度の期間に図8(i)に示すように変化する櫛歯波形が現れる。
次に、回転子の位置検出について、U相端子7Uを例にとって説明する。
回転子の位置検出は、U相端子7Uに駆動電圧が印加されていないときのU相コイル8Uに現れる誘起電圧Vuによって検出することができるが、PWM制御の場合には前述のとおりU相端子7Uの電圧VuにはPWM駆動信号に影響された櫛歯状の電圧が現れる。
この櫛歯状の電圧が現れたU相端子7Uの電圧Vuと基準電圧Bを比較して、例えば、図8(g)の電気角330〜360度の期間に現れるU相端子7Uの電圧Vuが基準電圧Bと一致する点を回転子の位置として検出する。基準電圧Bは、例えば抵抗により電源3の電圧を1/2に分圧した電圧が使用される。
図9(a)(b)に電気角330〜360度の期間におけるU相端子7Uの電圧Vuの部分拡大図を示す。
U相端子7Uに現れる電圧Vuは、徐々に上昇する櫛歯状の電圧波形となる。
これを利用して回転子の位置を検出するために、U相端子7Uに現れる電圧Vuと基準電圧Bとを比較器5Uで比較し、U相端子7Uに現れる電圧Vuが基準電圧Bと一致した点を検出する。
また、U相端子7Uに現れる電圧Vuには、150〜180度の期間にも330〜360度のときとは極性が反対の電圧が現れており、電圧Vuと基準電圧Bとを比較器5Uで比較し、U相端子7Uに現れる電圧Vuが基準電圧Bと一致した点を検出する。
V相端子7V及びW相端子7Wについても、同様の電圧が電気角で120度ずつずれて発生し、同様の方法で位置検出が行なわれ、電気角の360度の間に位置検出が6回行なわれる。
特開昭59−139883号公報。
以上のPWM駆動制御のセンサレスDCモータでは、図8(g)(h)(i)に示すように、電圧が印加されていない端子にもPWM駆動信号の影響を受けた櫛歯状の波形が現れており、図9(a)に示すように、U相端子7Uの櫛歯状の電圧VuがU相コイル8Uに現れている期間に基準電圧Bと一致したときは正しく位置検出信号を得ることができる。
ところが、U相端子7Uの櫛歯状の電圧VuがPWM駆動信号の影響を受けて現れていない期間には、図9(b)に破線で示すU相コイル8Uの誘起電圧Vuが基準電圧Bに一致したとき、U相端子7Uの電圧Vuは0であり、その点を検出することができない。
この場合は、次にPWM制御信号がオンとなった立上りのタイミングでU相端子7Uの電圧Vuが基準電圧Bを超えるので、その超えた点をもって比較器が検出信号を出力する。
このため、U相端子7Uの電圧Vuが基準電圧Bを超える点がPWM駆動信号の影響を受けて現れない期間にあたる場合には、回転子の位置検出に誤差が生じてしまい、乱調、騒音、振動などの原因となるという問題点があった。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、モータ固定子の各相の端子の電圧Vuが基準電圧Bを超える点がPWM制御信号のオフの期間にあたるような場合にも、その点を予測することにより誤差を低減した回転子の位置の検出を行ない、乱調、騒音、振動を防止又は低減することができるモータ制御装置を提供するものである。
本発明の請求項1は、回転子と複数相のコイルからなる固定子とを有し、前記固定子にPWM制御による制御電圧を順次印加して回転制御を行い、制御電圧が印加されていない非通電相のコイルに誘起される電圧と基準電圧とを比較して一致した時刻を回転子の位置検出時刻とし、この回転子の位置検出時刻を制御装置に帰還して前記回転制御を行なうセンサレスDCモータの制御装置において、前記制御装置を、前回の位置検出時刻とモータの回転数から次回位置検出時刻を推定する手段と、この次回位置検出推定時刻と前記PWM制御信号のオンの設定位置との位相差を算出する手段と、次回位置検出推定時刻がPWM制御信号のオンの設定位置となるように前記位相差分だけ位相をずらすために推定した次回位置検出時間より前のキャリアの周期を変更する手段として機能させるようにしたことを特徴とするモータの制御装置である。
本発明の請求項2は、回転子と複数相のコイルからなる固定子とを有し、前記固定子にPWM制御による制御電圧を順次印加して回転制御を行い、制御電圧が印加されていない非通電相のコイルに誘起される電圧と基準電圧とを比較して一致した時刻を回転子の位置検出時刻とし、この回転子の位置検出時刻を制御装置に帰還して前記回転制御を行なうセンサレスDCモータの制御装置において、回転子の位置検出があったとき、当該位置検出時刻におけるPWM制御のキャリア信号の先頭の時刻を取得する基準時刻検出手段と、前記基準時刻検出手段の検出結果、及び前記位置検出時刻に基づいて、PWM制御のキャリア信号の先頭から位置検出までの時間を算出する位置検出時間算出手段と、モータの回転数と極数に基づいて2つの位置検出時刻の間の時間を算出する理論区間時間算出手段と、前記基準時刻検出手段、位置検出時間算出手段及び理論区間時間算出手段の検出結果に基づいて、前記基準時刻から将来における直近の位置検出までの時間を算出する次回位置検出推定時間算出手段と、前記次回位置検出推定時間算出手段での算出結果と、モータの制御指令電圧及びPWM制御のキャリア信号の周波数に基づいて将来における直近の位置検出推定時刻である次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間に到来するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により次回位置検出推定時刻とPWM信号のオン区間に到来しない場合に、次回位置検出推定時刻がPWM制御のキャリア波形の中心との位相差を算出する手段と、当該位相差に基づいてキャリア信号の一部の周期を変更する手段としてとして機能させるようにしたことを特徴とするモータの制御装置である。
本発明の請求項3は、回転子と複数相のコイルからなる固定子とを有し、前記固定子にPWM制御による制御電圧を順次印加して回転制御を行い、制御電圧が印加されていない非通電相のコイルに誘起される電圧と基準電圧とを比較して一致した時刻を回転子の位置検出時刻とし、この回転子の位置検出時刻を制御装置に帰還して前記回転制御を行なうセンサレスDCモータの制御装置において、前記モータの制御装置は、回転子の位置検出があったとき、当該位置検出時刻におけるPWM制御のキャリア信号の先頭の時刻を取得する基準時刻検出手段と、前記基準時刻検出手段の検出結果、及び前記位置検出時刻に基づいて、PWM制御のキャリア信号の先頭から位置検出までの時間を算出する位置検出時間算出手段と、モータの回転数と極数に基づいて2つの位置検出時刻の間の時間を算出する理論区間時間算出手段と、前記基準時刻検出手段、位置検出時間算出手段及び理論区間時間算出手段の検出結果に基づいて、前記基準時刻から将来における直近の位置検出までの時間を算出する次回位置検出推定時間算出手段と、前記次回位置検出推定時間算出手段での算出結果と、モータの制御指令電圧及びPWM制御のキャリア信号の周波数に基づいて将来における直近の位置検出推定時刻である次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間の中心の前側で到来するか、後側で到来するか、又はオン区間の中心で到来するかを判定する手段と、前記判定手段により次回位置検出推定時刻とPWM信号のオン区間に到来しない場合は、次回位置検出推定時刻がPWM制御のキャリア波形の中心との位相差を算出する手段と、前記判定手段の結果に応じて前記位相差の算出方法を変える手段と、当該位相差に基づいてキャリア信号の一部の周期を変更する手段としてとして機能させるようにしたことを特徴とするモータの制御装置である。
本発明の請求項4は、請求項3記載のモータの制御装置において、位相差の算出方法を変える手段は、次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間の中心の前側で到来する場合には、位相差=(キャリア周期C/2)−余剰時間Sにより算出し、次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間の中心の後側で到来する場合には、位相差=余剰時間S−(キャリア周期C/2)により算出し、次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間の中心で到来する場合には算出しないものである。
請求項1及び2記載の発明によれば、次回位置検出推定時間がPWM制御信号のオンの設定位置となるようにキャリアの周期を変更することにより、常にPWM制御信号のオンの設定位置で正しく回転子の位置検出ができるので回転子の位置検出の誤差がなく、乱調、騒音、振動などを防止又は低減できるという効果を有する。
請求項3及び4記載の発明によれば、判定手段の結果に応じて前記位相差の算出方法を変える手段を設けたので、位相差の算出が簡単になり、また位相差の算出が必要ない場合には算出しないので、制御装置への負担を軽減することができるという効果を有する。
本発明による方法を説明するための、推定した次回位置検出時間が三角波の後半に属する場合のキャリアとPWM制御信号の波形図であり、(a)は処理前の波形図、(b)は処理後の波形図である。 本発明による方法を説明するための、推定した次回位置検出時間が三角波の前半に属する場合のキャリアとPWM制御信号の波形図であり、(a)は処理前の波形図、(b)は処理後の波形図である。 本発明のPWM制御信号の位置を移動させる工程を示すフローチャートで、メインのフローチャートである。 本発明のPWM制御信号の位置を移動させる工程を示すフローチャートで、理論区間時間の算出処理のフローチャートである。 本発明のPWM制御信号の位置を移動させる工程を示すフローチャートで、次回位置検出までのキャリア数と余剰時間の算出処理のフローチャートである。 本発明のPWM制御信号の位置を移動させる工程を示すフローチャートで、余剰時間>キャリア周期/2である場合のパラメータ設定処理のフローチャートである。 本発明のPWM制御信号の位置を移動させる工程を示すフローチャートで、余剰時間<キャリア周期/2である場合のパラメータ設定処理のフローチャートである。 本発明のPWM制御信号の位置を移動させる工程を示すフローチャートで、余剰時間=キャリア周期/2である場合のパラメータ設定処理のフローチャートである。 PWM制御によるセンサレスDCモータの制御回路を示す回路図である。 インバータの詳細を示す回路図である。 従来の回転子の位置検出において、回転子の位置と誘起電圧の関係を示す図である。 制御装置4からPWM信号発生器9へ出力されるキャリア波形を示す波形図である。 PWM制御信号と各相の端子に現れる電圧を示す波形図であり、(a)はスイッチング素子6Upの駆動信号、(b)はスイッチング素子6Vpの駆動信号、(c)はスイッチング素子6Wpの駆動信号、(d)はスイッチング素子6Unの駆動信号、(e)はスイッチング素子6Vnの駆動信号、(f)はスイッチング素子6Wnの駆動信号、(g)はU相の電圧Vu、(h)はV相の電圧Vv、(i)はW相の電圧Vwのそれぞれの波形図である。 従来の方法により回転子の位置検出を行なう期間の端子に現れる電圧波形の拡大図で、(a)は位置検出が正常な場合の波形図、(b)は位置検出が異常な場合の波形図ある。
前述したように、各相の端子には櫛歯状の電圧が現れておりPWM制御信号のオンの期間に基準電圧Bを超えたときは正確な検出信号を得ることができるが、PWM制御信号のオフの期間には端子に現れる電圧が基準電圧Bを超える点を正確に検出することができない。
本発明では、PWM制御信号のオフ期間に検出すべき位置がくると推定される場合に、PWM制御信号のオンの期間を移動して、回転子の位置検出を正しく行なう。PWM制御信号のオンの期間の移動は、推定した次回位置検出時間より前のキャリアの周期を変更することにより行なう。
次に、本発明の実施例を説明する。
本発明のモータの制御装置の回路は、基本的な構成は図4に示した従来例と共通であり、この従来例と共通な部分については説明を省略する。
本発明のモータの制御装置が従来の回路構成と相違するのは、制御装置4を、前回の位置検出結果から基準位置を生成する手段と、この基準位置とモータの回転数から次回位置検出時刻を推定する手段と、この次回位置検出推定時刻と前記PWM制御信号のオンの設定位置との位相差を算出する手段と、前記次回位置検出推定時刻がPWM制御信号のオンの設定位置にあるか否かを判定する手段と、次回位置検出推定時間がPWM制御信号のオンの設定位置にない場合は、次回位置検出推定時刻がPWM制御信号のオンの中央となるように前記位相差分だけ位相をずらすために次回位置検出推定時刻より前の任意のキャリア1個の周期を変更する手段として機能させる点である。
以下、本発明の実施例として、キャリアの周期を変更する工程について、図1(a)(b)、図2(a)(b)、図3(a)〜(f)に基づいてU相を例として詳しく説明する。
なお、工程(S0)〜(S6)までは、推定される次回位置検出時刻が三角波のどこに属するかに拘らず共通である。また、Sはステップを表し、それに続く数字はステップの番号を表す。
(S0)制御装置4が比較器5Uから位置検出信号の入力を受けたことをもってキャリアの周期を変更する処理が開始される。
(S1)制御装置4が比較器5Uから位置検出信号の入力を受けた時刻である位置検出時刻Ti1を取得する。
(S2)制御装置4は、当該位置検出信号の入力時点のキャリア信号におけるキャリアの先頭の時刻(以下、基準時刻と呼ぶ)Ti0を取得し、基準時刻Ti0と位置検出時刻Ti1から位置検出時間t1を算出する。
(S3)制御装置4は、直近の位置検出から推測される次の位置検が行なわれるまでの時間間隔である理論区間時間t2を算出する。
この理論区間時間t2の算出は、図3(b)に示すとおりである。
(S31)比較器5Uから入力される位置検出信号の時間間隔に基づいて算出されるモータの回転数とモータの局数から理論周波数=(回転数×(極数/2))を算出する。
(S32)理論周波数からさらに理論電気角周期=(1/理論周波数)を算出する。
(S33)理論区間時間t2=理論電気角周期×(60/360)を算出する。
(S4)制御装置4において、理論区間時間t2が算出されると、次にこれまでに算出された位置検出時間t1及び理論区間時間t2より、次回位置検出位置推定時間t3=t1+理論区間時間t2を算出する。
(S5)次回位置検出推定時間t3が算出されると、次に制御装置4は、基準時刻Ti0から次回位置検出推定時刻Ti3までのキャリア数と後述する余剰時間Sを算出する。
この余剰時間Sの算出は、図3(c)に示すとおりである。
(S51)PWM信号を生成するキャリア信号の周期Cは一定であるため、キャリア数N=次回位置検出推定時間t3/キャリア周期Cを算出する。ここで算出するキャリア数Nは、余りを除いた整数値をとる。
(S52)余剰期間S=次回位置検出推定時間t3−(キャリア周期C×キャリア数N)を算出する。余剰時間は工程S51でのキャリア数Nの算出結果の余りに該当する。
(S6)余剰時間Sが算出されると、次に制御装置4は、この余剰時間Sとキャリア周期C/2とを比較する。その比較結果に基づいて以下に説明する3通り(S7、S8、S9)のいずれかのパラメータ処理が行なわれる。
(S7)工程S6の比較により余剰時間Sがキャリア周期C/2より大きい場合、換言すると、図1(a)にあるように次回位置検出予測時刻Ti3がキャリアの頂点より後ろにある場合、図3(d)に示す以下の処理が行なわれる。
(S71)余剰時間Sがキャリア周期C/2より大きい場合、余剰時間Sからキャリア周期C/2を減じることにより位相差Dを算出する。
(S72)変更キャリア周期C´=(キャリア周期C+(余剰時間S−キャリア周期C/2))を算出する。
(S73)次キャリア変更フラグをTRUEに設定、つまり次キャリア変更の実行フラグを設定する。
(S8)工程S6の比較により余剰時間Sがキャリア周期C/2より小さい場合、換言すると、図2(a)にあるように次回位置検出予測時刻Ti3がキャリアの頂点より前にある場合、図3(e)に示す以下の処理が行なわれる。
(S81)余剰時間Sがキャリア周期C/2より小さい場合、キャリア周期/2から余剰時間Sを減じることにより位相差Dを算出する。
(S82)変更キャリア周期C´=(キャリア周期C−(余剰時間S−キャリア周期C/2))を算出する。
(S83)次キャリア変更フラグをTRUEに設定、つまり次キャリア変更の実行フラグを設定する。
(S9)工程S6の比較により余剰時間Sがキャリア周期C/2と等しい場合、換言すると、次回位置検出予測時刻Ti3がキャリアの頂点にある場合、図3(f)に示す以下の処理が行なわれる。
(S91)次キャリア周期変更フラグをFALSEに設定、つまり次キャリア周期変更の実行フラグを非設定とする。
(S10)S7〜S9でパラメータの設定が行なわれると、制御装置4は、次キャリア変更フラグを判定し、判定結果に基づいてTRUEの場合は以下の処理を実行し、FALSEの場合は以下の処理をせずに終了(S13)する。
(S11)パラメータの設定において、キャリア変更フラグが「TRUE」である場合には、制御装置4は、変更キャリア周期C´の基づいて、図1(b)又は図2(b)に示すように、直近の位置検出時点のキャリアの次のキャリアについて1つのキャリアの周期を変更する。
(S12)次キャリア変更フラグを「FALSE」に設定する。
(S13)制御装置4によるキャリアの周期の変更処理を終了する。
そして、この周期を変更されたキャリアによりPWM制御信号のオンの期間が形成され、このPWM制御信号のオンの期間の中心で推定した次回位置検出時間Ti3が到来して正しく位置検出を行なう。
以上で説明したキャリアの周期変更の処理は、U相の電気角150〜180度の期間、電気角330〜360度の期間、V相の電気角90〜120度の期間、電気角270〜300度の期間、W相の30〜60度の期間、210〜240度の期間のそれぞれの相の誘起電圧により位置検出を行い、電気角360度の間に6回の上述のキャリア周期変更の処理が行なわれる。
これにより正しく又は誤差を低減した6回の位置信号に従って、センサレスDCモータが駆動制御され、乱調、騒音、振動を防止又は低減する。
以上の実施例では、推定した次回位置検出時刻Ti3がキャリアの前半にある場合にキャリア周期を小さくし、後半にある場合にはキャリア周期を大きくするようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、常に小さくするようにしても良いし、常に大きくするようにしても良い。この場合、推定した次回位置検出時刻Ti3がキャリアの中心に一致した場合も含めて一つのフローで同一の計算によって処理することができ、フローは単純化することができるが、常にキャリア周期の変更処理を行なうため、制御装置4への負荷は増大する。
1…モータ、2…インバータ、3…直流電源、4…制御装置、5U、5V、5W…比較器、6Up、6Un、6Vp、6Vn、6Wp、6Wn…スイッチング素子、7U…U相端子、7V…V相端子、7W…W相端子、8U…U相コイル、8U…V相コイル、8W…W相コイル、9…PWM信号発生器。

Claims (4)

  1. 回転子と複数相のコイルからなる固定子とを有し、前記固定子にPWM制御による制御電圧を順次印加して回転制御を行い、制御電圧が印加されていない非通電相のコイルに誘起される電圧と基準電圧とを比較して一致した時刻を回転子の位置検出時刻とし、この回転子の位置検出時刻を制御装置に帰還して前記回転制御を行なうセンサレスDCモータの制御装置において、
    前記制御装置を、
    前回の位置検出時刻とモータの回転数から次回位置検出時刻を推定する手段と、
    この次回位置検出推定時刻と前記PWM制御信号のオンの設定位置との位相差を算出する手段と、
    次回位置検出推定時刻がPWM制御信号のオンの設定位置となるように前記位相差分だけ位相をずらすために推定した次回位置検出時間より前のキャリアの周期を変更する手段として機能させるようにしたことを特徴とするモータの制御装置。
  2. 回転子と複数相のコイルからなる固定子とを有し、前記固定子にPWM制御による制御電圧を順次印加して回転制御を行い、制御電圧が印加されていない非通電相のコイルに誘起される電圧と基準電圧とを比較して一致した時刻を回転子の位置検出時刻とし、この回転子の位置検出時刻を制御装置に帰還して前記回転制御を行なうセンサレスDCモータの制御装置において、
    回転子の位置検出があったとき、当該位置検出時刻におけるPWM制御のキャリア信号の先頭の時刻を取得する基準時刻検出手段と、
    前記基準時刻検出手段の検出結果、及び前記位置検出時刻に基づいて、PWM制御のキャリア信号の先頭から位置検出までの時間を算出する位置検出時間算出手段と、
    モータの回転数と極数に基づいて2つの位置検出時刻の間の時間を算出する理論区間時間算出手段と、
    前記基準時刻検出手段、位置検出時間算出手段及び理論区間時間算出手段の検出結果に基づいて、前記基準時刻から将来における直近の位置検出までの時間を算出する次回位置検出推定時間算出手段と、
    前記次回位置検出推定時間算出手段での算出結果と、モータの制御指令電圧及びPWM制御のキャリア信号の周波数に基づいて将来における直近の位置検出推定時刻である次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間に到来するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により次回位置検出推定時刻とPWM信号のオン区間に到来しない場合に、次回位置検出推定時刻がPWM制御のキャリア波形の中心との位相差を算出する手段と、
    当該位相差に基づいてキャリア信号の一部の周期を変更する手段としてとして機能させるようにしたことを特徴とするモータの制御装置。
    ータの制御装置。
  3. 回転子と複数相のコイルからなる固定子とを有し、前記固定子にPWM制御による制御電圧を順次印加して回転制御を行い、制御電圧が印加されていない非通電相のコイルに誘起される電圧と基準電圧とを比較して一致した時刻を回転子の位置検出時刻とし、この回転子の位置検出時刻を制御装置に帰還して前記回転制御を行なうセンサレスDCモータの制御装置において、
    前記モータの制御装置は、
    回転子の位置検出があったとき、当該位置検出時刻におけるPWM制御のキャリア信号の先頭の時刻を取得する基準時刻検出手段と、
    前記基準時刻検出手段の検出結果、及び前記位置検出時刻に基づいて、PWM制御のキャリア信号の先頭から位置検出までの時間を算出する位置検出時間算出手段と、
    モータの回転数と極数に基づいて2つの位置検出時刻の間の時間を算出する理論区間時間算出手段と、
    前記基準時刻検出手段、位置検出時間算出手段及び理論区間時間算出手段の検出結果に基づいて、前記基準時刻から将来における直近の位置検出までの時間を算出する次回位置検出推定時間算出手段と、
    前記次回位置検出推定時間算出手段での算出結果と、モータの制御指令電圧及びPWM制御のキャリア信号の周波数に基づいて将来における直近の位置検出推定時刻である次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間の中心の前側で到来するか、後側で到来するか、又はオン区間の中心で到来するかを判定する手段と、
    前記判定手段により次回位置検出推定時刻とPWM信号のオン区間に到来しない場合は、次回位置検出推定時刻がPWM制御のキャリア波形の中心との位相差を算出する手段と、
    前記判定手段の結果に応じて前記位相差の算出方法を変える手段と、
    当該位相差に基づいてキャリア信号の一部の周期を変更する手段としてとして機能させるようにしたことを特徴とするモータの制御装置。
  4. 位相差の算出方法を変える手段は、次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間の中心の前側で到来する場合には、位相差=(キャリア周期C/2)−余剰時間Sにより算出し、次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間の中心の後側で到来する場合には、位相差=余剰時間S−(キャリア周期C/2)により算出し、次回位置検出推定時刻がPWM信号のオン区間の中心で到来する場合には算出しないことを特徴とする請求項3記載のモータの制御装置。
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