JP2012192761A - 車両用シート - Google Patents

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【課題】シェルが撓み変形しやすく、優れたクッション性能を発揮する車両用シートを提供すること。
【解決手段】シートフレーム10に取り付けられたシェル20と、このシェル20に支持されたクッション材30と、を備える車両用シート1において、前記シェル20には、ある方向に屈曲した一または複数の屈曲部分、および、当該ある方向の反対方向に屈曲した一または複数の屈曲部分を有するスリット21が複数形成されている。かかる構成において、前記ある方向および前記ある方向の反対方向は、シートの幅方向であり、前記スリット21はシートの幅方向に並んで形成されていればさらによい。
【選択図】図2

Description

本発明は、サポート性能を高めるためのシェルを備えた車両用シートに関する。
下記特許文献1には、いわゆる三層構造の車両用シートが記載されている。かかる車両用シートは、一般的な車両用シートが備えるシートフレーム(シートの骨格)およびクッション材(パッド)に加え、乗員に対するサポート性能を高めることなどを目的として用いられるシェルを備える。このシェルは、シートフレームに取り付けられるとともに、表面がクッション材によって覆われている。
このような三層構造の車両用シートのクッション性能を向上させるための一つの方策として、シェルを撓みやすく構成することが考えられる。例えば、下記特許文献2に記載されるようなスリットをシェルに形成すれば、シェルが撓みやすくなり、シートのクッション性能が向上すると思われる。
特表2008−540224号公報 特開2010−94192号公報
しかし、特許文献2に記載される構成は、スリットが略直線状であるため、スリットを挟む両側の部分が大きく変形しない。つまり、このような略直線状のスリットを形成したとしても、シェルを大きく撓ませることができないから、シートのクッション性能はさほど向上しない。
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、シェルが撓み変形しやすく、優れたクッション性能を発揮する車両用シートを提供することである。
上記課題を解決するために本発明にかかる車両用シートは、シートフレームに取り付けられたシェルと、このシェルに支持されたクッション材と、を備え、前記シェルには、ある方向に屈曲した一または複数の屈曲部分、および、当該ある方向の反対方向に屈曲した一または複数の屈曲部分を有するスリットが複数形成されていることを要旨とする。
屈曲部分を有するスリットが形成された場合、この屈曲部分の内側に位置する部分は、スリットの方向に突出した部分となるため、撓み変形しやすい。本発明にかかる車両用シートのシェルには、ある方向に屈曲した一または複数の屈曲部分と、当該ある方向とは反対方向に屈曲した一または複数の屈曲部分を有するスリットが複数形成されているため、スリットの一方側および他方側に少なくとも一つずつの当該撓み変形しやすい部分が存在することになる。したがって、シェルが撓み変形しやすい、優れたクッション性能を発揮する車両用シートとなる。
この場合、前記ある方向および前記ある方向の反対方向は、シートの幅方向であり、前記スリットはシートの幅方向に並んで形成されていればよい。
シートに人が着座すると、シェルはその幅方向中央が沈む。したがって、ある方向およびある方向の反対方向がシートの幅方向であれば、曲率が小さい部分(大きく曲がる部分)は、上記撓み変形しやすい部分が大きく撓み、曲率が大きい部分(平面に近い部分)上記撓み変形しやすい部分があまり撓まないようにシェルが変形する。つまり、乗員の身体(臀部(特に挫骨部)や背)にフィットするようにスリットを挟む部分が変形するため、乗り心地がよい。
また、前記スリットは、乗員の着座部となるシートクッション部分を構成するシェルに形成されていればよい。
シートクッションは、乗員の体重による荷重をより多く受ける部分であるため、上記スリットを設けておく意義が大きい。
本発明によれば、シェルに形成されたスリットの一方側および他方側に少なくとも一つずつの当該撓み変形しやすい部分が存在することになるため、シェルが撓み変形しやすい、優れたクッション性能を発揮する車両用シートとすることができる。
本発明の実施形態にかかる車両用シートの分解斜視図である。 図1に示したシェルに形成されたスリットを拡大した斜視図である。 図2に示したスリットの形状を説明するための図であり、スリットを一つの線として示した模式図である。 図4(a)はスリットが形成された部分が変形した状態を示した斜視図であり、図4(b)はスリットが形成された部分が変形したことによって撓み変形しやすい部分がどのように撓むかを乗員の身体とともに模式的に示した図である。 スリットの変形例を示した図である(スリットを一つの線として示している)。
以下、本発明の実施形態にかかる車両用シート1について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、単に上下方向とは車両用シート1の上下方向(図1において示したZ方向)をいい、単に前後方向とは車両用シート1の前後方向(図1において示したY方向)をいい、単に幅方向とは車両用シート1の幅方向(図1において示したX方向)をいう。
車両用シート1は、シートフレーム10と、このシートフレーム10に取り付けられたシェル20と、このシェル20の表面を覆うように取り付けられたクッション材30と、を備える。すなわち、大きく分けて三つの部材で構成されたいわゆる三層構造のシートである。これら三つの部材は、図示されない表皮(シートカバー)で覆われている。
シートフレーム10は、車両用シート1の骨格を構成する金属製の部材である。シートフレーム10の形状などは特に限定されない。シートフレーム10におけるシートクッション(着座部)を構成する部分は、車両のフロア面に設けられたスライドレールにスライド自在に取り付けられている。これにより、車両用シート1全体が車両のフロア面に対して前後方向にスライド自在に取り付けられた状態となる。
シェル20は、シートフレーム10に取り付けられた硬質材料からなる板状の部材である。シェル20のシートフレーム10への取付方法は特に限定されない。シェル20の表面は、車両用シート1に着座する者を支持するように中央部分が窪んだ形状となっている。具体的には、車両用シート1のシートクッションを構成する部分のシェル20は、その後方寄りの中央部分が、人間の臀部に合わせた形状に窪み、幅方向外側の部分が上方に迫り出している(いわゆるサイドサポート部22が形成されている)。また、シートバック(背もたれ部分)を構成する部分のシェル20は、中央部分が人間の背中に合わせた形状に窪み、幅方向外側の部分が前方に迫り出している(いわゆるサイドサポート部22が形成されている)。このシェル20におけるシートクッションを構成する部分には、スリット21が形成されている。以下、このスリット21の詳細については後述する。
クッション材30は、例えば発泡体からなる弾性変形可能な柔らかい部材であり、上記シェル20の表面を覆うように取り付けられている。つまり、クッション材30は、車両用シート1の最も表面側(シートクッションであれば上側、シートバックであれば前側)に位置する。
以下、シェル20に形成されたスリット21について説明する。図2に拡大して示すように、スリット21は平面形状が略S字状である(蛇行した形状である)。つまり、図2において矢印D1で示した方向(ある方向)に屈曲した屈曲部分211、および、図2において矢印D2で示した方向(ある方向の反対方向)に屈曲した屈曲部分212を有する。ある方向に屈曲した屈曲部分211とは、図3に示すようにスリット21を一つの線として考えた場合、その線によって描かれる山の頂点(P1)が、山の裾を結ぶ直線(L1)の一方側(図3における左側)に位置するような形状をいう。また、ある方向の反対方向に屈曲した屈曲部分212とは、同様にスリット21を一つの線として考えた場合、その線によって描かれる山の頂点(P2)が、山の裾を結ぶ直線(L2)の他方側(図3における右側)に位置するような形状をいう。
図2に示したような略S字状のスリット21であれば、ある方向に屈曲した屈曲部分211は一つであり、ある方向の反対方向に屈曲した屈曲部分212も一つである。ただし、かかる屈曲部分211,212は、それぞれの方向について少なくとも一つ存在する形状であればよい。つまり、ある方向に屈曲した一または複数の屈曲部分211と、ある方向の反対方向に屈曲した一または複数の屈曲部分212を有する形状のスリット21であればよい。
したがって、スリット21の形状は図5に示すような種々の形状が考えられる(図5では、スリット21を一つの線として示している)。例えば、Sが連続した波状(図5(a))、屈曲部分が鋭角であるZ(ジグザグ)状(図5(b))、このZが連続した形状(図示せず)、凹凸形状(図5(c))、この凹凸が連続した形状など、様々な形状が考えられる。以下の説明では、当該スリット21の一例として略S字状を挙げて説明する。
このような形状のスリット21は、次のように機能する。スリット21におけるある方向に屈曲した屈曲部分211の内側の部分(図2においてAで示した部分)は、当該屈曲部分211の裾(スリット21の一方端)と、ある方向とは反対方向に屈曲した屈曲部分212の頂点を結んだ軸(図2においてAxで示した軸)からスリット21の方向に突出している。つまり、スリット21から離れたベースとなる部分Mに対して、Aで示した部分が突出した形状となっているため、かかるAで示した部分は軸Axを撓み軸(支点)として撓み変形しやすい。
同様に、スリット21におけるある方向とは反対方向に屈曲した屈曲部分212の内側の部分(図2においてBで示した部分)は、当該屈曲部分212の裾(スリット21の他方端)と、ある方向に屈曲した屈曲部分211の頂点を結んだ軸(図2においてBxで示した軸)からスリット21の方向に突出している。つまり、スリット21から離れたベースとなる部分Mに対して、Bで示した部分が突出した形状となっているため、かかるBで示した部分は軸Bxを撓み軸(支点)として撓み変形しやすい。
このように、スリット21が有するある方向に屈曲した屈曲部分211の内側に位置する部分と、ある方向の反対方向に屈曲した屈曲部分212の内側に位置する部分は、撓み変形しやすい。スリット21の屈曲部分211,212が増えれば、その分、撓み変形しやすい部分が増加する。つまり、ある方向に屈曲した一または複数の屈曲部分211と、ある方向の反対方向に屈曲した一または複数の屈曲部分212を有する形状のスリット21であれば、スリット21の一方側と他方側に一または複数の撓み変形しやすい部分が存在することになる。
本実施形態では、スリット21は、その長さ方向が前後方向となるように形成されている。換言すれば、上記ある方向(D1方向)およびある方向の反対方向(D2方向)が幅方向(X方向)となるように形成されている。また、スリット21は、幅方向および前後方向に並んで複数形成されている。
以上の構成を備える車両用シート1によれば、次のような効果が奏される。
本実施形態にかかる車両用シート1は、屈曲部分211,212を有するスリット21が形成されたシェル20を有し、このスリット21の屈曲部分211,212の内側に位置する部分(図2においてAやBで示した部分)は、スリット21の方向に突出した部分となるため、撓み変形しやすい。本発明にかかる車両用シート1のシェル20には、反対方向に屈曲した一または複数の屈曲部分211,212を有するスリット21が複数形成されているため、スリット21の一方側および他方側に少なくとも一つずつの当該撓み変形しやすい部分が存在することになる。したがって、シェル20が撓み変形しやすい、優れたクッション性能を発揮する車両用シート1となる。
また、本実施形態では、上記ある方向およびある方向の反対方向が幅方向となるように形成されている。また、スリット21は、幅方向および前後方向に並んで複数形成されている。かかる構成によって、以下に示す理由から、シートの乗り心地を向上させることができる。
シートに人が着座すると、シェル20はその幅方向中央が沈む。したがって、ある方向(D1方向)およびある方向の反対方向(D2方向)がシートの幅方向(X方向)であれば、図4に示すように、曲率が小さい部分(大きく曲がる部分)では、Bで示した撓み変形しやすい部分が大きく撓み、曲率が大きい部分(平面に近い部分)では、Aで示した撓み変形しやすい部分があまり撓まないようにシェル20が変形する。つまり、乗員の身体Fに合わせて撓み変形しやすい部分が変形し、乗員の身体Fにシェル20がフィットする(シェル20の表面を覆っているクッション材30(図4では省略)がフィットする)ため、乗り心地がよい。また、通常乗員の身体を挟むサイドサポート部22近傍は曲率が小さくなるため、上記撓み変形しやすい部分が大きく撓む。したがって、当該大きく撓んだ部分の弾性力によって乗員の身体がより大きな力でサイドサポート部22に挟み込まれて支持される。つまり、シートのサポート性能が向上する。
さらに、本実施形態では、シェル20におけるシートクッションを構成する部分にスリット21を形成している。シートクッションは、乗員の体重による荷重をより多く受ける部分であるため、上記スリット21を形成する意義が大きい(シートクッションは、スリット21によるクッション性能の向上、乗り心地の向上などといった上記効果が、より大きく得られる部分である)。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態では、シェル20におけるシートクッションを構成する部分にスリット21が形成されていることを説明したが、シェル20におけるシートバック(背もたれ部)を構成する部分にスリット21が形成された構成としてもよい。
また、図2や図4(a)においてAxやBxで示した撓み軸部分を薄くすることにより、スリット21の屈曲部分211,212の内側に位置する部分(図2や図4(a)においてAやBで示した部分)が、より撓み変形しやすくなるように構成してもよい。
1 車両用シート
1a シートクッション
10 シートフレーム
20 シェル
21 スリット
211 ある方向に屈曲した屈曲部分
212 ある方向の反対方向に屈曲した屈曲部分
30 クッション材

Claims (3)

  1. シートフレームに取り付けられたシェルと、このシェルに支持されたクッション材と、を備える車両用シートにおいて、
    前記シェルには、ある方向に屈曲した一または複数の屈曲部分、および、当該ある方向の反対方向に屈曲した一または複数の屈曲部分を有するスリットが複数形成されていることを特徴とする車両用シート。
  2. 前記ある方向および前記ある方向の反対方向は、シートの幅方向であり、前記スリットはシートの幅方向に並んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記スリットは、乗員の着座部となるシートクッション部分を構成するシェルに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015080645A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 株式会社岡村製作所 椅子
JP2015089777A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 株式会社タチエス 車両用シート

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