ところで、前述したバッテリユニットは重量物であるため慣性力が大きく、例えば車両の前突や後突といった前後方向の衝突時には、車体部材に対し前後方向に相対移動をしようとする。一方で、バッテリユニットと車体部材との結合は、前述したようにボルト結合とすることが好ましいが、この場合は、前後方向の衝突時に、バッテリユニットの相対移動に伴いボルト結合部に大きなせん断力が作用することになり、十分な対策を施さないとボルト結合部がせん断破壊してしまう虞がある。対策としては、ボルトやボルト穴の形成部材を高強度材料によって形成したり、また、ボルト結合の数を増やしたりといったことが挙げられるが、これらの対策はいずれも、車両重量の増加、コストの増大、及び生産性の低下を招くことになる。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車室フロアの下側でバッテリユニットが車体部材に結合された車両の下部車体構造において、バッテリユニットの結合に係る、少なくとも前突性能を、簡易な構造で向上させることにある。
ここに開示する技術は、車室フロアの下側に、バッテリモジュールと、電気部品と、該バッテリモジュール及び電気部品を支持する支持部材とを有するバッテリユニットが搭載された車両の下部車体構造に関する。
この下部車体構造では、前記バッテリユニットの車幅方向両側の端部それぞれには、車体部材の下面に結合される、少なくとも1の側方結合部が設けられ、前記側方結合部には、前記バッテリユニットを前記車体部材に対しボルトによって結合するためのボルト穴が形成されており、前記車体部材の下面には、前記側方結合部よりも車体前後方向の前側位置において、少なくともその一部が前記側方結合部に対し車体前後方向に相対するように配置された第1突設部が、下方に突出するように設けられ、前記ボルト穴は、前記ボルトの軸部と当該ボルト穴の後端縁との距離が、前記側方結合部の前端と前記第1突設部の後端との間隔よりも広くなるように、車体前後方向に長穴状に形成されている。
ここで、側方結合部は、バッテリユニットの車幅方向両側の端部それぞれにおいて複数個設けてもよく、そのように複数個の側方結合部を設けた場合には、第1突設部を、いずれか1の側方結合部の前側に配置してもよいし、2以上の側方結合部それぞれの前側に配置してもよい。
また、第1突設部を、「少なくともその一部が前記側方結合部に対し車体前後方向に相対するように配置」することは、第1突設部と側方結合部とを、車幅方向及び上下方向(高さ方向)のそれぞれについて、少なくともその一部が重なるように配置することを意味する。つまり、後述するように、バッテリユニットが車体部材に対し車体前後方向に相対移動したときには、第1突設部と側方結合部とが互いに当接するように、第1突設部を配置することである。
この構成によると、バッテリユニットは、その車幅方向両側端部に設けられた側方結合部が車体部材に対しボルト結合されることで、車室フロアの下側に搭載されている。ボルト結合は、バッテリユニットの脱着を容易にし、その組み付け性やメンテナンス性を高める。
そうして、前記の構成では、その側方結合部よりも車体前後方向の前側位置において、第1突設部が、車体部材の下面から下方に突出するように設けられており、この第1突設部は、少なくともその一部が側方結合部に対し車体前後方向に相対するように配置されている。このため、車両の前突時には、重量物であるバッテリユニットは、慣性力によって車体部材に対し相対的に前方に移動しようとするが、その相対移動に伴い、側方結合部は第1突設部に当接するようになる。この当接によって、第1突設部が荷重を負担し、バッテリユニットが、それ以上に前方に相対移動してしまうことが回避乃至抑制される。一方で、側方結合部に形成されたボルト穴は、そこに通されるボルトの軸部とボルト穴の後端縁との距離が、側方結合部の前端と第1突設部の後端との間隔よりも広くなるように、車体前後方向に長穴状に形成されているため、側方結合部が第1突設部に対して当接することによって、バッテリユニットの相対移動が回避乃至抑制された状態では、ボルトの軸部とボルト穴の後端縁とは当たらない。その結果、ボルト結合部にせん断力が作用することが回避乃至抑制され、バッテリユニットの結合に係る前突性能が高まる。
しかも、この構成は車体部材に第1突設部を設けることだけであるから、車両重量の大幅な増加やコストの増大、及び生産性の低下が回避される。
また、第1突設部は、側方結合部よりも前側位置において、車体部材の下面から下方に突設して設けているから、前突性能の向上のみならず、車体部材の下面に結合された側方結合部の路面干渉を防止する上でも有利になる。
前記第1突設部は、前記側方結合部の車幅方向外側端よりも外方に突出している、としてもよい。
こうすることで、車体部材の下面から下方に突設している第1突設部は、例えば脱輪時のように車体がロール方向に傾いたときの、側方結合部の路面干渉を防止する上で有利になる。
車体前後方向に相対する、前記側方結合部の前端縁と前記第1突設部の後端縁とは、互いに平行となるように形成されている、としてもよい。
これによって、前突時におけるバッテリユニットの相対移動に伴い、側方結合部と第1突設部とは、互いに平行な端縁同士が当接するようになるから、荷重が効果的に分散するようになり、バッテリユニットの、それ以上の相対移動がより確実に防止される。
前記側方結合部は、前記車体部材の下面に当接すると共に、前記ボルト穴が形成された当接部と、当該当接部の前端から下向きに起立する前壁部と、を備え、前記前壁部は、前記第1突設部の後端面に対し、互いに平行となるように相対している、としてもよい。
これによって、前突時におけるバッテリユニットの相対移動に伴い、側方結合部と第1突設部とは、互いに平行にされた面同士が当接するようになるから、荷重がさらに効果的に分散し、バッテリユニットの、それ以上の相対移動がより一層、確実に防止される。その結果、ボルト結合部の破損が確実に回避されて、バッテリユニットの結合に係る前突性能がより一層高まる。
前記車体部材の下面には、前記側方結合部よりも車体前後方向の後側位置において、少なくともその一部が前記側方結合部に対し車体前後方向に相対するように配置された第2突設部が、下方に突出するように設けられ、前記ボルト穴は、前記ボルトの軸部と当該ボルト穴の前端縁との距離が、前記側方結合部の後端と前記第2突設部の前端との間隔よりも広くなるように、車体前後方向に長穴状に形成されている、としてもよい。
ここで、複数個の側方結合部を設けた場合には、第2突設部は、いずれか1の側方結合部の後側に配置してもよいし、2以上の側方結合部それぞれの後側に配置してもよい。また、同じ側方結合部の前側に第1突設部を配置し、その後側に第2突設部を配置してもよいし、第1突設部と第2突設部とを、異なる側方結合部に対し、その前側及び後側に配置してもよい。
また、第2突設部を、「少なくともその一部が前記側方結合部に対し車体前後方向に相対するように配置」することは、第1突設部の場合と同様に、第2突設部と側方結合部とを、車幅方向及び上下方向(高さ方向)のそれぞれについて、少なくともその一部が重なるように配置することを意味し、バッテリユニットが車体部材に対し車体前後方向に相対移動したときには、第2突設部と側方結合部とが互いに当接するように、第2突設部を配置することを意味する。
この構成は、前記とは逆に後突時に有利な構成である。つまり、車両の後突時には、バッテリユニットは、車体部材に対し相対的に後方に移動しようとするが、側方結合部よりも車体前後方向の後側位置において、車体部材の下面から下方に突出するように第2突設部を設けることによって、側方結合部が第2突設部に対し当接して、その第2突設部により荷重が負担されると共に、バッテリユニットが、それ以上に後方に相対移動してしまうことが回避乃至抑制される。一方で、側方結合部に形成されたボルト穴は、そこに通されるボルトの軸部とボルト穴の前端縁との距離が、側方結合部の後端と第2突設部の前端との間隔よりも広くなるように、前後方向に長穴状に形成されているため、側方結合部が第2突設部に対して当接することによって、バッテリユニットの相対移動が回避乃至抑制された状態では、ボルトの軸部とボルト穴の前端縁とは当たらない。その結果、ボルト結合部にせん断力が作用することが回避乃至抑制され、バッテリユニットの結合に係る後突性能が高まる。
車体前後方向に相対する、前記側方結合部の後端縁と前記第2突設部の前端縁とは、互いに平行となるように形成されている、としてもよい。
こうすることで、後突時において、側方結合部と第2突設部とが当接した際に荷重が効果的に分散し、バッテリユニットのそれ以上の相対移動がより確実に防止される。
前記側方結合部は、前記車体部材の下面に当接すると共に、前記ボルト穴が形成された当接部と、当該当接部の後端から下向きに起立する後壁部と、を備え、前記後壁部は、前記第2突設部の前端面に対し、互いに平行となるように相対している、としてもよい。
これによって、後突時に側方結合部と第2突設部とが当接した際に、荷重がさらに効果的に分散し、バッテリユニットのそれ以上の相対移動がより一層、確実に防止される結果、ボルト結合部の破損が確実に回避されて、バッテリユニットの結合に係る後突性能がより一層高まる。
前記第1突設部及び第2突設部はそれぞれ、前記バッテリユニットの下端よりも下側まで突出している、としてもよい。
この構成は、側方結合部のみならず、バッテリユニットの路面干渉を防止する上で有利になる。
前記車体部材は、車幅方向の外側位置で車体前後方向に延びる部材、及び、トルクボックスを少なくとも含み、前記側方結合部、並びに、前記第1及び第2突設部は共に、前記車体前後方向に延びる部材の近傍でかつ、前記トルクボックスの近傍に配置されている、としてもよい。
ここで、「車幅方向の外側位置で車体前後方向に延びる部材」には、フロントフロアフレームやサイドシルが含まれ、それぞれ高剛性の車体部材であると共に、フロントフロアフレーム(又はフロントサイドフレーム)とサイドシルとを結合するトルクボックスもまた、高剛性の車体部材である。
すなわち、そのような高強度の車体部材の近傍に第1及び第2突設部を設けることによって、前突時及び後突時に側方結合部が当接したときに、第1及び第2突設部が、バッテリユニットの相対移動に伴う荷重を確実に受け止めて、前述したバッテリユニットの相対移動をより一層確実に防止することが可能になる。
前記バッテリユニットよりも車体前後方向の前側位置には、パワーユニットとサスペンションクロスメンバとが配置されていると共に、前記パワーユニット、サスペンションクロスメンバ及びバッテリユニットは、車体前後方向にこの順番でかつ、車体前後方向に対向するように配置され、前記サスペンションクロスメンバの車幅方向両側の一部は、前記第1突設部に対し、車幅方向及び上下方向のそれぞれについて互いに重なりを持って配置され、前記第1突設部の前端面は、後方に向かって斜め下向きに傾斜し、前記バッテリユニットにおける前記バッテリモジュール及び電子部品の前端位置は、前記第1突設部の前端よりも車体前後方向の後側に設定されている、としてもよい。
この構成により、前突時には先ず、パワーユニットに対して衝突荷重が入力され、パワーユニットの後退に伴い、そのパワーユニットの後方に対向するように配置されたサスペンションクロスメンバに衝突荷重が伝達する。そうして、サスペンションクロスメンバもまた、パワーユニットと共に後退するようになるが、サスペンションクロスメンバの車幅方向両側の一部は、第1突設部に対し、車幅方向及び上下方向のそれぞれについて互いに重なりを持って配置されているから、後退するサスペンションクロスメンバの車幅方向両側の一部は、第1突設部の前端面に当接する。この前端面は、後方に向かって斜め下向きに傾斜しているから、後退するサスペンションクロスメンバは、その傾斜した第1突設部の前端面に案内されるように、下方に移動するようになる。
一方で、サスペンションクロスメンバの後方には、このサスペンションクロスメンバに対向してバッテリユニットが配置されているものの、それを構成するバッテリモジュール及び電子部品の前端位置は、第1突設部の前端よりも後側に設定されている。このため、後退するサスペンションクロスメンバは、バッテリモジュール及び電子部品と当接する前に、第1突設部の前端面によって後方の斜め下向きに案内されるようになるから、前突時に、サスペンションクロスメンバと、バッテリユニットにおけるバッテリモジュール及び電気部品とが当たってしまうことを回避して、それらバッテリモジュール及び電気部品の破損が未然に回避される。
以上説明したように、前記車両の下部車体構造によると、車両の前突時に、バッテリユニットの側方結合部が第1突設部に対して当接することによって荷重が負担されると共に、バッテリユニットが、それ以上に前方に相対移動することが回避乃至抑制される一方で、側方結合部と第1突設部との当接状態では、ボルトの軸部とボルト穴の後端縁とは当たらないため、ボルト結合部にせん断力が作用することが回避乃至抑制され、バッテリユニットの結合に係る前突性能を高めることができる。
以下、車両の下部車体構造の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、例示である。図1は、電動車両(本実施形態では、電気自動車であり、以下、単に車両という)の車室フロアパネル1(車室フロアを構成する)の下側の構造を示す。この車両についての前、後、左、右、上及び下を、それぞれ単に前、後、左、右、上及び下という。また、図1〜図5において、車両前側を矢印Frで示す。
前記車室フロアパネル1は、フロントフロア部1aと、該フロントフロア部1aよりも上側の高さ位置に位置するリヤフロア部1bとから構成されている。フロントフロア部1aとリヤフロア部1bとの間には、図では明示しないが、段差状のキックアップ部が設けられ、このキックアップ部により、リヤフロア部1bの高さ位置がフロントフロア部1aよりも高くなっている。
リヤフロア部1bの上面には後席シート(図示せず)が配置されており、フロントフロア部1aの後部の上面が、該後席シートに着座した乗員の足置き場である。フロントフロア部1aの前部の上面には、運転席シート及び助手席シート(共に図示せず)が車幅方向に並んで配置される。
フロントフロア部1aの前端部は、ダッシュパネル(図示せず)の下端部に結合されている。フロントフロア部1aの車幅方向両端部は、前後方向に延びる左右一対のサイドシル12に結合されている。
フロントフロア部1aの下面における車幅方向両端部よりも車幅方向内側の部分(図6にのみ示すフロアトンネル部1cの車幅方向両外側)には、前後方向に延びる左右一対のフロントフロアフレーム7が車室フロアパネル1と一体に設けられている。各フロントフロアフレーム7は、後方に向かって車幅方向内側に僅かに傾斜している。すなわち、左右のフロントフロアフレーム7の間隔が後方に向かって小さくなっている。図4、6に示すように、左右のフロントフロアフレーム7の前端部70は、左右のフロントサイドフレーム8の後端部に、該後端部における中空断面内に挿入された状態でそれぞれ連結されている。
図1に戻り、左側のフロントサイドフレーム8の後端部と左側のサイドシル12の前端部との間、及び、右側のフロントサイドフレーム8の後端部と右側のサイドシル12の前端部との間には、フロントサイドフレーム8とサイドシル12とを結合するトルクボックス15がそれぞれ配設されている。前述の通り、フロントサイドフレーム8の後端部にフロントフロアフレーム7の前端部70が挿入されていることから、トルクボックス15は、フロントフロアフレーム7とサイドシル12とを結合すると言い換えてもよい。これらトルクボックス15は、フロントサイドフレーム8の高さ位置が変化する(後側に向かって徐々に低くなる)キック部8a(図5参照)の曲げ剛性を高めて、車両の前面衝突時に該部分で折れ曲がらないようにするものである。
リヤフロア部1bの後端部は、荷室フロアパネル3の前端部に繋がる。この荷室フロアパネル3には、図には明示しないスペアタイヤパンが、下側に膨出するように形成されている。リヤフロア部1b及び荷室フロアパネル3の下面における車幅方向両端部には、前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム9がそれぞれ設けられている。左右のリヤサイドフレーム9の前端部は、前記左右のサイドシル12の後端部にそれぞれ連結されている。リヤフロア部1bの下面の後端部には、車幅方向に延びかつ前記左右のリヤサイドフレーム9同士を連結するリヤクロスメンバ10が設けられている。左右のリヤサイドフレーム9の間隔は、左右のフロントフロアフレーム7の間隔よりも大きい。
フロントサイドフレーム8のキック部8aに対応する前後位置(後述のバッテリユニット21の前側)には、車幅方向に延びかつ左右の前輪サスペンションアーム17を支持するサスペンションクロスメンバ16が配設されている。図示は省略するが、サスペンションクロスメンバ16の前部は、その左右両側が左右のフロントサイドフレーム8におけるキック部8aよりも前側の部分にそれぞれ結合されている。また、サスペンションクロスメンバ16の後端縁は、図1に端的に示されるように、車幅方向の中央部がその両端部よりも前方に位置するように湾曲して形成されており、その車幅方向の両端部に、左右のトルクボックス15の下面にそれぞれ結合される後側結合部16b(トルクボックス15の下面から下方に延びるボルト軸が挿通される貫通孔が形成されている部分)が設けられている。
前記サスペンションクロスメンバ16の直ぐ前側には、前記車両を駆動するパワーユニット71が設けられている。このパワーユニット71は、その詳細な構成は省略するが、モータを含むモータユニット72と、該モータユニットのモータの駆動力を前輪へ伝達するための動力伝達機構(減速機構及び差動機構)を含むトランスアクスル73とが車幅方向に並ぶように一体に結合されてなるものである。モータユニットのモータ軸(つまり駆動軸)の軸心、トランスアクスル(減速機構)におけるモータ軸と連結される入力軸の軸心、及び、パワーユニット71の出力軸(つまりトランスアクスル(差動機構)の出力軸)であるジョイントシャフト(等速ジョイントを介して前輪駆動軸に連結される)の軸心は、車幅方向に延びている。また、パワーユニット71全体としての軸心も車幅方向に延びている。
前記パワーユニット71の車幅方向両端部は、不図示のブラケットと、ゴムブッシュを含むマウント本体とを介して、左右のフロントサイドフレーム8にそれぞれ弾性支持されている。また、図1に示すように、パワーユニット71の車幅方向の中央部の下部は、トルクロッド101を介して前記サスペンションクロスメンバ16に連結されている。パワーユニット71の車幅方向両端部における前記弾性支持により、パワーユニット71全体が車幅方向に延びる軸回りに回動(揺動)することになるが、前記トルクロッド101は、パワーユニット71全体が前記軸回りに回動し過ぎるのを規制する。トルクロッド101の前端部は、ゴムブッシュ102を介して、車幅方向に延びる軸回りに回動可能にパワーユニット71の車幅方向中央部に連結され、トルクロッド101の後端部は、ゴムブッシュ103を介して、車幅方向に延びる軸回りに回動可能にサスペンションクロスメンバ16の車幅方向中央部に連結されている。
前記パワーユニット71、前記サスペンションクロスメンバ16及び後述のバッテリユニット21は、前側から後側に向かってこの順に並びかつ、詳細な図示は省略するが上下方向において互いに重なりを持って配置されている。すなわち、サスペンションクロスメンバ16とバッテリユニット21とが同じ高さ位置にあるとともに、これらがパワーユニット71の下部と同じ高さ位置(トルクロッド101と同じ高さ位置)にある。
図2は、前記車室フロアパネル1の下側に搭載されたバッテリユニット21を示す。尚、以下に説明するバッテリユニット21についての前、後、左、右、上及び下は、それぞれ、バッテリユニット21が前記車両に搭載された状態での前、後、左、右、上及び下のことであり、前記車両についての前、後、左、右、上及び下と同じである。
前記バッテリユニット21は、図1〜3に示すように、複数のバッテリモジュール221、222と、該複数のバッテリモジュール221、222を支持する支持部材としてのフレーム部材40、60と、上側カバー部材23及び下側カバー部材24とを有している。すなわち、車室フロアパネル1の下側に、複数のバッテリモジュール221、222がユニット化された状態で搭載されている。バッテリユニット21は、フロントフロア部1aの下側に搭載された第1搭載部21aと、該第1搭載部21aの後側に連続して設けられかつ前記リヤフロア部1bの下側に搭載された第2搭載部21bとを有している。そうして詳しくは後述するが、このバッテリユニット21では、複数のバッテリモジュール221、222を、第1搭載部21aと第2搭載部21bとのそれぞれに配置することによって、前側と後側とに分散して配置している。
前記上側カバー部材23及び下側カバー部材24は、前記複数のバッテリモジュール221、222の周囲を覆っている。すなわち、上側及び下側カバー部材23,24間に、バッテリモジュール221、222及びフレーム部材40,60が収容される空間が形成されている。但し、フレーム部材40,60の一部は、上側カバー部材23の周縁部と下側カバー部材24の周縁部との間から外側にはみ出しており、これにより、フレーム部材40,60の外側面の一部が外気に面している。
上側カバー部材23は、第1部23a及び第2部23bに分割されており、第1部23aは第1搭載部21aに位置し、第2部23bは第2搭載部21bに位置する。第2部23bの上面は、フロントフロア部1a及びリヤフロア部1bの高さ位置に対応して、第1部23aの上面よりも上側の高さ位置に位置する。また、下側カバー部材24は、図1に示すように、第1部24a及び第2部24bに分割されており、第1部24aは第1搭載部21aに位置し、第2部24bは第2搭載部21bに位置する。下側カバー部材24の第1部24a及び第2部24bの下面は同じ高さ位置にある。
上側カバー部材23には、バッテリユニット21内(バッテリモジュール221、222が収容される空間)に空気を導入するための空気導入口37と、バッテリユニット21内の空気を排出するための空気排出口38とが形成されている。空気導入口37は、第1部23aにおける上面の前後方向の中央部に、上向きに開口するように2つ形成されており、各空気導入口37は、図示は省略するが、車室用の空調装置における空気吹出口用のダクト、正確には、運転席シート及び助手席シートの下側に配置されて、後席シートに着座した乗員の足下に空調空気を吹き出す吹出口まで調和空気を導くために、車室フロアパネル1上に配設されたダクトに接続されている。空気排出口38は、第2部23bにおける上面の前後方向の後端部であって、車幅方向の中央部に、上向きに開口するように形成されている。図示は省略するが、この空気排出口38は、車室フロアパネル1の下側であって、後席シートのシートバックに相当する車体前後位置付近に位置する。
バッテリユニット21内にはまた、図3に示すように、バッテリユニット21内の空気を排出するためのファン39が配設されており、詳細な図示は省略するが、空気排出口38とファン39とはダクトを介して互いに接続されている。空調装置から送られてきた調和空気は、空気導入口37を介してバッテリユニット21内に導入され、そこに配置されている各バッテリモジュール221、222の温度調整、つまり冷却又は暖機が行われる。また、ファン39の作動により、バッテリモジュール221、222の温度調整後の空気は、空気排出口38を通じてバッテリユニット21の外に排出される。
バッテリユニット21の前端部には、パワーユニット71の上側に配設された不図示のインバータとバッテリユニット21とを電気的に接続するためのインバータ接続用端子31が配設されている。インバータを介してバッテリユニット21からパワーユニット71におけるモータユニット72のモータへ電力が供給される。インバータ接続用端子31は、後述の如くフレーム部材40の前部41aに設けたインバータ接続用端子支持部44(図3参照)に支持されている。
図3に示すように、バッテリユニット21における複数のバッテリモジュール221、222の内、第1搭載部21aに搭載されるバッテリモジュール221と、第2搭載部21bに搭載されるバッテリモジュール222と、は、その形状が互いに異なる。第1搭載部21aに搭載されるバッテリモジュール221は、前後方向の長さが、車幅方向の幅や上下方向の高さと比較して大幅に長く、前後方向に細長い形状を有している。この長いバッテリモジュール221は、第1搭載部21aにおいて、車幅方向に間隔を空けて2つ配置されている。
これに対し、第2搭載部21bに搭載されるバッテリモジュール222は、第1搭載部21aに搭載される長いバッテリモジュール221に対して、その前後方向の長さが半分程度にされている。この短いバッテリモジュール222は、第2搭載部21bにおいて、車幅方向に4つ並んで配置されると共に、その各々について上下方向に3つ積層されており、第2搭載部21bには、短いバッテリモジュール222が合計で12個配置されている。
バッテリユニット21内にはまた、バッテリモジュール221、222に対する充放電制御等に関連するECUや、コンタクタ等の電気部品25が複数個、配置されており、これらの電気部品25は、第1搭載部21aにおける2つのバッテリモジュール221の間の位置、第1搭載部21aにおけるバッテリモジュール221よりも後方の位置、及び、第2搭載部21bにおけるバッテリモジュール222の上方位置にそれぞれ配置されている。また、前述したファン39も、第1搭載部21aにおけるバッテリモジュール221よりも後方の位置に配置されており、このファン39は、第1搭載部21aに搭載されたバッテリモジュール221と、第2搭載部21bに搭載されたバッテリモジュール222との間の位置に配置されている。
第1搭載部21aは、該第1搭載部21aにおける複数のバッテリモジュール221を支持するフレーム部材40を有し、第2搭載部21bは、該第2搭載部21bにおける複数のバッテリモジュール222を支持するフレーム部材60を有している。
第1搭載部21aのフレーム部材40は、前部41a、後部41b及び左右一対の側部41cを含む枠状に形成されている。フレーム部材40の前部41aは車幅方向に延びて、その両端部が前後方向に延びる左右の側部41cの前端部とそれぞれ連結されている。フレーム部材40の後部41bは、左右の側部41cよりも車幅方向外側まで延びており、両側部41cは、後部41bの車幅方向中間部に連結されている。すなわち、両側部41cは、第1搭載部21aの車幅方向両側の端部にそれぞれ設けられていて、第2搭載部21bの前端部から前側に向かって、フロントフロアフレーム7、7に沿うように傾斜しながら延びている。フレーム部材40の前部41aには、インバータ接続用端子31を支持するインバータ接続用端子支持部44が設けられている。フレーム部材40の後部41b及び両側部41cは、断面矩形で内部が中空とされている。
前記フレーム部材40の各側部41cの車幅方向外側の面には、側方結合部48が、所定の間隔を開けて4つずつ設けられている。各側方結合部48は、左右のフロントフロアフレーム7に、ボルト482によって締結固定される(図1、4参照。尚、図4ではボルト482の軸部の断面のみを示している)。この内、最も前側の左右2つの側方結合部48(以下、この側方結合部を特に、第1側方結合部481と呼ぶ)は、図1に示すように、フロントフロアフレーム7とフロントサイドフレーム8との連結部(フロントフロアフレーム7とフロントサイドフレーム8とが重なり合った部分であって、トルクボックス15の近傍に位置する)に固定される。すなわち、最も前側の第1側方結合部481は、フロントフロアフレーム7におけるトルクボックス15の近傍に結合されている。このように、バッテリユニット21をボルト結合によって車体に取り付けることにより、バッテリユニット21の脱着が容易になり、バッテリユニット21の組み付け性やメンテナンス性を高めることができる。
前記フレーム部材40の後部41bの左右両端部49は、左側のリヤサイドフレーム9と左側のサイドシル12との連結部、及び、右側のリヤサイドフレーム9と右側のサイドシル12との連結部にそれぞれ締結固定される。
前記第2搭載部21bのフレーム部材60は、車幅方向に延びる前部及び後部、並びに、前記前部及び後部の車幅方向両端部同士をそれぞれ連結する左右一対の側部を含む枠状に形成されている。このフレーム部材60の前部は、前記第1搭載部21aのフレーム部材40の後部41bと連結されて一体化されている。フレーム部材60の両側部の間隔は、フレーム部材40の両側部41cの間隔よりも大きい。すなわち、第2搭載部21bの車幅方向の長さが、第1搭載部21aの車幅方向の長さよりも大きくされている。
そうして、図1に示すように、前述した第1搭載部21aのフレーム部材40の各側部41cにおいて、最も前側に位置する第1側方結合部481の近傍には、第1突設部51と、第2突設部52との2つの突設部が、フロントフロアフレーム7乃至トルクボックス15に対して設けられている。
第1突設部51は、図4〜6に示すように、第1側方結合部481よりも前側に配置されており、フロントフロアフレーム7とフロントサイドフレーム8との結合部、及び、トルクボックス15の下面から下方に突出するように設けられている。第1突設部51は、この実施形態では、前側に配置される前縦壁511と、第1側方結合部481に隣り合って配置される後縦壁512と、前縦壁511と後縦壁512との間に配置される車幅方向左右の縦壁513、514と、これらの各縦壁の下端縁を互いに連結する底壁515とを含みかつ、全体として概略矩形の箱状に構成されている。第1突設部51は、例えば溶接やボルト結合によって、フロントフロアフレーム7(フロントサイドフレーム8)、及び、トルクボックス15に固定されている。
第1突設部51は、より詳細には、その車幅方向内方側の一部が、第1側方結合部481に前後方向に相対するように配置されており、第1突設部51の車幅方向外方側は、第1側方結合部481の外側端よりも外方に突出するように形成されている。また、第1突設部51は、図5、6から明らかなように、第1側方結合部481よりも下方に突出して設けられていると共に、バッテリユニット21及びバッテリモジュール221(及び222)の下端よりも下側まで突出して設けられている。
ここで、第1側方結合部481の形状について、図4、5を参照しながら詳細に説明すると、この第1側方結合部481は、フロントフロアフレーム7の下面に当接する当接部48aと、この当接部48aの前端から下向きに起立する前壁部48bと、当接部48aの後端から下向きに起立する後壁部48cとを備えており、その横断面が逆U字状となるように構成されている。当接部48aは、図4に端的に示されるように、フレーム部材40の側部41cに取り付けられる基端から、車幅方向外方の先端に向かうに従って、その前端縁及び後端縁が互いに近づくように傾斜することによって、次第に幅狭となるように形成されている。これによって、前壁部48bもまた、車幅方向内方の基端から車幅方向外方の先端に向かうに従って、後方に傾斜している一方、後壁部48cは、車幅方向内方の基端から車幅方向外方の先端に向かうに従って、前方に傾斜している。
第1突設部51の後縦壁512は、この第1側方結合部481の傾斜した前壁部48bに対し平行となるように、車幅方向内方側から車幅方向外方側に向かうに従って後方に傾斜していると共に、その後面が、前壁部48bの前面と平行に対向するように構成されている。
また、第1突設部51の前縦壁511は、図5に端的に示されるように、後方に向かって斜め下向きに傾斜している。そうして、この第1突設部51に対し、前述したサスペンションクロスメンバ16の車幅方向両端部(後側結合部16bの辺り)が、車幅方向及び上下方向のそれぞれについて互いに重なりを持つように配置されている(図4、5参照)。
第2突設部52は、第1側方結合部481よりも後側に配置されており、フロントフロアフレーム7とフロントサイドフレーム8との結合部の下面から下方に突出するように設けられている。第2突設部52は、この実施形態では、第1突設部51と同様に、第1側方結合部481に隣り合って配置される前縦壁521と、後側に配置される後縦壁522と、前縦壁521と後縦壁522との間に配置される車幅方向左右の縦壁523、524と、これらの各縦壁の下端縁を互いに連結する底壁525とを含みかつ、全体として概略矩形の箱状に構成されている。第2突設部52もまた、例えば溶接やボルト結合によって、フロントフロアフレーム7(フロントサイドフレーム8)に固定されている。また、第2突設部52も、車幅方向内方側の一部が、第1側方結合部481に前後方向に相対するように配置されていると共に、その車幅方向外方側は、第1側方結合部481の外側端よりも外方に突出するように形成されている。また、第2突設部52も、第1側方結合部481よりも下方に突出して設けられていると共に、バッテリユニット21及びバッテリモジュール221(及びバッテリモジュール222)の下端よりも下側まで突出して設けられている(図5、6参照)。
そうして、第2突設部52の前縦壁521は、前述した第1側方結合部481の傾斜した後壁部48cに対し平行となるように、車幅方向内方側から車幅方向外方側に向かうに従って前方に傾斜していると共に、その前面が、後壁部48cの後面と平行に対向するように構成されている。
ここでまた、第1側方結合部481の当接部48aには、ボルト482が挿通されるボルト穴48dが貫通して形成されている。このボルト穴48dは、図4に示すように、前後方向に延びる長穴状に形成されており、その大きさは、ボルト482の軸部とボルト穴48dの後端縁との距離L1が、第1側方結合部481の前壁部48bと第1突設部51の後縦壁512との距離L2よりも長く(L1>L2)かつ、ボルト482の軸部とボルト穴48dの前端縁との距離L3が、第1側方結合部481の後壁部48cと第2突設部52の前縦壁521との距離L4よりも長く(L3>L4)なるように設定されている。ここで、L1=L3としてもよいし、L1≠L3としてもよい。同様に、L2=L4としてもよいし、L2≠L4としてもよい。尚、図示は省略するが、第1側方結合部481以外の側方結合部48においても、ボルト穴は長穴状に形成されている。
このような構成の第1突設部51及び第2突設部52はそれぞれ、車両の前突時及び後突時において、各側方結合部48のボルト結合部の破損を防止し、バッテリユニット21の結合に係る前突性能及び後突性能の向上に寄与する。つまり、多数のバッテリモジュール221、222を含むバッテリユニット21は重量物であるため、車両の、例えば前突時には、バッテリユニット21は比較的大きな慣性力により、フロントフロアフレーム7、フロントサイドフレーム8及びトルクボックス15といった車体部材に対して相対的に前方に移動しようとする。
このときに、第1側方結合部481の前側に第1突設部51を設けているため、バッテリユニット21と共に相対移動する第1側方結合部481の前壁部48bは、第1突設部51の後縦壁512に当接するようになる。これによって、第1突設部51が荷重を負担し、バッテリユニット21が、それ以上に前方へと相対移動することが回避乃至抑制される。
特に、第1側方結合部481の前端縁と第1突設部51の後端縁とは互いに平行となるように、第1側方結合部481の前壁部48b、及び、第1突設部51の後縦壁512がそれぞれ形成されていると共に、前壁部48bの前面と後縦壁512の後面とは平行に対向しているため、それらの面同士で当接するようになるから、第1側方結合部481と第1突設部51とが当接したときに荷重が効果的に分散して、第1突設部51によって荷重を確実に受け止めることが可能になる。その結果、バッテリユニット21の相対移動を、より一層確実に回避乃至抑制することが可能になる。
その一方で、第1側方結合部481に設けたボルト穴48dは、前後方向に長穴状に形成されていると共に、前述の通り、ボルト482の軸部とボルト穴48dの後端縁との距離L1が、第1側方結合部481の前壁部48bと第1突設部51の後縦壁512との距離L2よりも長く設定されている(L1>L2)。このことにより、第1側方結合部481と第1突設部51とが互いに当接して、バッテリユニット21の相対移動が回避乃至抑制された状態では、ボルト482の軸部とボルト穴48dの後端縁とは互いに当接しないため、ボルト結合部にせん断力が作用することが未然に回避される。その結果、ボルトやボルト穴を高強度材料によって形成したり、側方結合部の数を増やしたりといった対策を行わなくても、車両の前突時にバッテリユニット21が相対移動することに伴う、ボルト結合部の破損を回避することが可能になる。
これとは逆に、車両の後突時には、バッテリユニット21が、車体部材に対し相対的に後方に移動しようとするが、第1側方結合部481の後側に第2突設部52を設けているため、バッテリユニット21の後方への相対移動に伴い、第1側方結合部481の後壁部48cが、第2突設部52の前縦壁521に当接するようになる。このときもまた、第1側方結合部481の後壁部48cの後面と、第2突設部52の前縦壁521の前面との平行な面同士が当接するから、前記と同様に、バッテリユニット21が、それ以上に後方へと相対移動することが、確実に、回避乃至抑制される。
一方で、第1側方結合部481に設けたボルト穴48dにおいて、ボルト482の軸部とボルト穴48dの前端縁との距離L3を、第1側方結合部481の後壁部48cと第2突設部52の前縦壁521との距離L4よりも長く設定している(L3>L4)ことにより、第1側方結合部481と第2突設部52とが互いに当接して、バッテリユニット21の相対移動が回避乃至抑制された状態では、ボルト482の軸部とボルト穴48dの前端縁とは互いに当接せず、ボルト結合部にせん断力が作用することが未然に回避される。その結果、車両の後突時にも、バッテリユニット21が相対移動することに伴いボルト結合部が破損してしまうことを回避することができる。
こうしたバッテリユニット21の結合に係る前突性能や後突性能は、単に、第1及び第2突設部51、52を設けることだけで実現しているため、車両重量の大幅な増加やコストの増大、及び生産性の低下を回避することができる。
また、その第1及び第2突設部51、52を、フロントフロアフレーム7及びフロントサイドフレーム8の結合部や、トルクボックス15といった、剛性が比較的高い車体部材の近傍に設けているため、前述したバッテリユニット21の相対移動に伴う荷重をより確実に受け止めることが可能となり、バッテリユニット21の相対移動の回避乃至抑制を、より確実に行うことが可能になる。このことは、ボルト結合部の破損を回避する上で、極めて有利になる。
これらの第1及び第2突設部51、52は、図5、6に示すように、第1側方結合部481よりも下方に突出して設けられており、より正確には、バッテリユニット21の下面よりも下方に突出して設けられている。このため、第1側方結合部481が路面干渉することは勿論のこと、バッテリユニット21が路面干渉することも、第1及び第2突設部51、52によって回避乃至防止することが可能である。さらに、これら第1及び第2突設部51、52は、図4に端的に示すように、第1側方結合部481よりも車幅方向の外方にまで延びて形成されているため、例えば脱輪時のように車体がロール方向に傾いたときの、第1側方結合部481の路面干渉を回避乃至防止することも可能である。
さらに、第1側方結合部481よりも前側に第1突設部51を配置する一方で、第1側方結合部481よりも後側に第2突設部52を配置することによって、例えば第1突設部51が路面干渉を回避することができなかったとき(空振りしたとき)でも、第2突設部52によってバッテリユニット21の路面干渉を回避乃至防止することが可能になる。
また、車両の前突時には、パワーユニット71に衝突荷重が入力して、このパワーユニット71が後退する。パワーユニット71の後方にはサスペンションクロスメンバ16が配置されているため、パワーユニット71の後退に伴い、サスペンションクロスメンバ16に荷重が伝達され、サスペンションクロスメンバ16もまた、そのパワーユニット71と共に後退するようになる。そうして、サスペンションクロスメンバ16の後方には、バッテリユニット21が配置されているものの、サスペンションクロスメンバ16の車幅方向両側の端部が、第1突設部51の前縦壁511に対し、前後方向に相対して配置されていると共に、バッテリユニット21の前端は、第1突設部51の前端よりも後側に位置しているから、サスペンションクロスメンバ16が後退したときには、バッテリユニット21に当たるよりも先に、その車幅方向両側の端部がそれぞれ第1突設部51の前縦壁511に当接するようになる。
そして、第1突設部51の前縦壁511は、後方に向かって斜め下向きに傾斜していることから、この前縦壁511に当接したサスペンションクロスメンバ16の左右の両側端部がこの傾斜面に沿って案内されることで、サスペンションクロスメンバ16は、後方の下方へと移動をするようになる。その結果、サスペンションクロスメンバ16に対し概略同じ高さ位置に配置されているバッテリユニット21との干渉が回避され、前突時のバッテリユニット21の保護が可能になる。
特に、図5に二点鎖線で示すように、バッテリユニット21におけるバッテリモジュール221や電気部品25の前端の位置は、第1突設部51の前端位置よりも後側になるように設定されているため、後退したサスペンションクロスメンバ16が、これらバッテリモジュール221及び電気部品25に対して当接することが確実に回避される。このことは、バッテリモジュール221や電気部品25を保護する上で、極めて有利になる。尚、例えばバッテリユニット21におけるフレーム部材40の前部41aは、第1突設部51の前端位置と同じ位置か、又は、それよりも前側に配置してもよい。その場合でも、サスペンションクロスメンバ16の後端縁が湾曲していることから、そのサスペンションクロスメンバ16の車幅方向両側の端部がそれぞれ、第1突設部51の前縦壁511に、先に当接して、サスペンションクロスメンバ16が後方の下方へと移動をするため、サスペンションクロスメンバ16の車幅方向の中央部が、バッテリユニット21に当接することを可及的に回避することが可能である。
また、前記の構成では、側方結合部48をフロントフロアフレーム7に結合しているが、側方結合部48が結合される車体部材としては、フロントフロアフレーム7に限らず、例えば車室フロアパネル1であってもよく、フレーム部材40の後部41bの左右両端部49のようにサイドシル12であってもよい。そして、各側方結合部48を、車体部材におけるフロアクロスメンバの近傍、又は車体部材におけるトルクボックス15の近傍に結合するようにすればよい。その場合に、第1突設部51や第2突設部52は、その側方結合部48の位置に対応するように、車室フロアパネル1や、サイドシル12等に設ければよい。
さらに、第1突設部51や第2突設部52の取り付け個数は、特に制限がなく、それぞれ2個以上設けてもよい。また、第1突設部51や第2突設部52の取り付け対象となる側方結合部48についても、車両の衝突時におけるボルト結合部の破損防止の観点からは、特に制限はない。