JP2012196651A - 静電霧化装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電霧化装置の更なるコンパクト化や省電力化を実現する。
【解決手段】静電霧化装置は、基板10と、N型熱電材料を用いて基板10上に形成されたN型パターン3と、P型熱電材料を用いて基板10上に形成されたP型パターン4と、N型パターン3とP型パターン4の間に接続される放電電極6とを備えたものとする。そして、N型パターン3、放電電極6及びP型パターン4の間に、冷却用の通電経路を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置及びその製造方法に関する。
水を保持する放電電極に電圧を印加することにより、この水に静電霧化現象を生じさせ、帯電微粒子水を生成することのできる静電霧化装置が知られている。
このような静電霧化装置として、特許文献1には、ペルチェユニットを用いて放電電極を冷却して結露水を生じさせ、この結露水を用いて帯電微粒子水を発生させる構成のものが開示されている。この静電霧化装置によれば、放電電極に水を供給するための水タンク等を備える必要がなく、装置全体がコンパクト化される。
特許文献2には、静電霧化装置の更なるコンパクト化や省電力化を図ったものが記載されている。この静電霧化装置は、図11に示すようなものであり、N型の熱電素子100とP型の熱電素子101の間の通電を、放電電極102自体を通じて行うように設けている。これによれば、装置全体が更にコンパクト化される。また、放電電極102を効率的に冷却することができ、装置の省電力化が図られる。
特開2006−826号公報 特開2011−25225号公報
前述したように、特許文献2に記載の静電霧化装置によれば、装置の省電力化やコンパクト化が図られる。しかし、この静電霧化装置では、N型及びP型の熱電素子として、インゴットから切り出したブロック状の部材を使用しているため、特に放電電極を立設する方向での低背化、ひいては装置全体のコンパクト化に限界がある。また、このブロック状の熱電素子では、駆動電流の低減に限界があり、ひいては装置全体の省電力化にも限界がある。
本発明は前記問題点に鑑みて発明したものであって、更なるコンパクト化や省電力化を可能とする静電霧化装置及びその製造方法を提供することを、課題とする。
本発明の静電霧化装置は、前記課題を解決するものであり、下記構成を具備することを特徴とする。
本発明の静電霧化装置は、基板と、N型熱電材料を用いて前記基板上に形成されたN型パターンと、P型熱電材料を用いて前記基板上に形成されたP型パターンと、前記N型パターンと前記P型パターンの間に接続される放電電極とを備え、前記N型パターン、前記放電電極及び前記P型パターンの間に通電経路を設けたことを特徴とする。
更に、本発明の静電霧化装置においては、前記基板上に形成された第一と第二の放熱側電極パターンを備え、前記第一の放熱側電極パターン、前記N型パターン、前記放電電極、前記P型パターン及び前記第二の放熱側電極パターンの間に通電経路を設け、前記第一と第二の放熱側電極パターンは、前記N型パターンと前記P型パターンよりも肉厚に形成することが好ましい。
また、前記基板の材質を、前記N型パターンと前記P型パターンの材質よりも熱伝導性の高いものとすることも好ましい。
また、前記基板と前記放電電極との間に、前記基板よりも熱伝導性の低い低熱伝導部を介在させることも好ましい。
また、前記基板のうち前記放電電極と近接する部分に、熱リーク防止用の貫通部又は薄肉部を設けることも好ましい。
また、前記N型パターンと前記P型パターンを、放電電極に電気接続される部分に近づくほど幅狭となる形状に形成することも好ましい。
また、前記基板上の前記通電経路の一部又は全てを防水コーティング材で覆うことも好ましい。
また、前記基板は、多孔質体からなることも好ましい。
また、前記放電電極と対向して位置する対向電極を備えることも好ましい。
本発明の静電霧化装置の製造方法は、前記課題を解決するものであり、下記構成を具備することを特徴とする。
本発明の静電霧化装置の製造方法は、N型熱電材料を用いて基板上にN型パターンを形成する工程と、P型熱電材料を用いて前記基板上にP型パターンを形成する工程と、前記N型パターンと前記P型パターンをブリッジさせるように電気接合部を形成する工程と、前記電気接合部に放電電極を接合させる工程とを含むことを特徴とする。
本発明は、静電霧化装置の更なるコンパクト化や省電力化を実現することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1の静電霧化装置の特徴部分を示す概略側断面図である。 同上の静電霧化装置の特徴部分を示す概略平面図である。 (a)〜(d)は同上の静電霧化装置のパターニングの変形例を示す概略平面図である。 同上の静電霧化装置の製造工程の一例を示す工程フロー図である。 同上の静電霧化装置の製造工程の別例を示す工程フロー図である。 本発明の実施形態2の静電霧化装置の特徴部分を示す概略側断面図である。 本発明の実施形態3の静電霧化装置の特徴部分を示す概略側断面図である。 (a)、(b)は本発明の実施形態4の静電霧化装置の特徴部分を示す概略側断面図である。 本発明の実施形態5の静電霧化装置の特徴部分を示す概略側断面図である。 本発明の実施形態6の静電霧化装置の特徴部分を示す概略側断面図である。 従来の静電霧化装置の特徴部分を示す概略側断面図である。
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。なお、本発明の構成のうち、特許文献2等に開示される公知の構成と同様のものについては、詳しい説明を省略し、本発明の特徴的な構成について以下に詳述する。
図1、図2には、本発明の実施形態1の静電霧化装置を、模式的に示している。図3には、実施形態1の静電霧化装置に備えたP型及びN型パターン3,4の変形例を示している。図4、図5には、実施形態1の静電霧化装置の製造工程を示している。
実施形態1の静電霧化装置では、基板10の同一面上に、第一の放熱側電極パターン1、第二の放熱側電極パターン2、N型パターン3及びP型パターン4を、それぞれ薄膜状に形成している。なお、図中ではN型及びP型パターン3,4を斜線で示している。
基板10としては、一般的な回路基板を用いることができる。具体的には、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板、アルミナや窒化アルミニウムなどのセラミック基板、絶縁被膜処理を施した金属板(例えば、アルマイト処理済みのアルミプレートや、ガラスコート済みの金属板)などが基板10として採用可能である。
第一及び第二の放熱側電極パターン1,2の材質としては、電気伝導性と熱伝導性が共に優れた金属(例えば、真鍮、アルミニウム、銅)などを用いる。第一及び第二の放熱側電極パターン1,2の膜厚t1は、10μm〜1mm程度に形成する。また、図中では記載していないが、放熱フィン等の放熱用部材を隣接して設ける場合には、この放熱用部材と第一及び第二の放熱側電極パターン1,2との間に十分な間隔を設けるか、或いは絶縁コーティングを施すことで、絶縁性を確保する。
第一及び第二の放熱側電極パターン1,2の形成する方法としては、基板10に対する一般的なパターニング方法を用いることができる。具体的には、蒸着やスパッタリングを用いることができ、また、薄く切り出した電極板を接着剤等で基板10上に固定してもよいし、印刷工法を用いてもよい。
第一及び第二の放熱側電極パターン1,2は、矩形状をなす基板10表面の両端縁部に形成されている(図2参照)。第一の放熱側電極パターン1は、基板10表面の一方の端縁部に形成され、より具体的には、その端縁部の幅全体に亘って長方形状に形成されている。第二の放熱側電極パターン2は、基板10表面の他方の端縁部に形成され、第一の放熱側電極パターン1と同様に、その端縁部の幅全体に亘って長方形状に形成されている。
N型パターン3の材質としては、一般的なN型熱電材料を用いることができ、P型パターン4としても一般的なP型熱電材料を用いることができる。N型及びP型パターン3,4の膜厚t2は、50μm〜200μm程度に形成する。なお、このN型及びP型パターン3,4の膜厚t2は、第一及び第二の放熱側電極パターン1,2の膜厚t1よりも薄く設ける。
N型及びP型パターン3,4の形成する方法としても、基板10に対する一般的なパターニング方法を用いることができる。具体的には、加熱蒸着やイオンビーム蒸着、スパッタリング等を用いることができる。また、基板10上で熱電材料の印刷及び焼成を行う方法や、薄く切り出した熱電材料のバルク材を接着剤等で基板10上に固定する方法や、基板10上に設けた溝内に溶融した熱電材料を流し込む方法も、用いることができる。
N型及びP型パターン3,4は、基板10表面の、第一及び第二の放熱側電極パターン1,2に挟まれる位置に形成されている。N型パターン3は、基板10表面の第一の放熱側電極パターン1を形成されている側の半部にて、第一の放熱側電極パターン1と接続されるように形成されている。図2に示すように、N型パターン3は、上底と下底を有する台形状に形成されている。前記下底は、基板10表面の幅全体に亘る寸法を有し、この部分において第一の放熱側電極パターン1に接続される。
P型パターン4は、基板10表面の第二の放熱側電極パターン2を形成している側の半部にて、第二の放熱側電極パターン2と接続されるように形成されている。P型パターン4は、N型パターン3と同様の寸法形状(上底及び下底を有する台形状)である。P型パターン4の下底は、基板10表面の幅全体に亘る寸法を有し、この部分において第二の放熱側電極パターン2に接続される。
N型及びP型パターン3,4は、基板10表面の中央部において、絶縁スペースを保ちながら互いの上底部分(幅狭部分)同士を付き合せた形状に、パターニングされる。
そして、本実施形態の静電霧化装置では、基板10表面のN型及びP型パターン3,4をブリッジさせる電気接合部5と、この電気接合部5に接合される放電電極6とを、更に備えている。
電気接合部5としては、半田、導電性接着剤、ろう材等を用いる。なお、半田を用いる場合には、N型及びP型パターン3,4の接合部分にNiやNi−Au等を被覆する。電気接合部5は、N型パターン3のうち基板10表面の中央部側に位置する端部と、P型パターン4のうち同じく基板10表面の中央部側に位置する端部との、両者にまたがるように塗布される。
放電電極6の材質としては、金属(真鍮、アルミニウム、銅、タングステン、チタン等)、導電性の樹脂、カーボン等を用いることができる。また、耐食性を向上させるため、放電電極6に金、白金等の表面処理を施してもよい。放電電極6は、基台部6aと、基台部6aの表面中央から突設される支柱部6bと、支柱部6bの突先に形成される球状の放電部6cとから成る。電気接合部5は、放電電極6の基台部6aの裏面側に接合される。なお、電気接合部5として半田を用いる場合、放電電極6の材質が半田接合の困難な金属であるときには、その表面にニッケルめっきを施して半田接合を可能にすればよい。
前記構成を具備する本実施形態の静電霧化装置では、N型パターン3とP型パターン4の間の電気接続が、放電電極6を介してなされる。即ち、熱電効果を生じさせるための通電経路が、基板10の一面上に配置される第一の放熱側電極パターン1、N型パターン3、放電電極6、P型パターン4及び第二の放熱側電極パターン2の、この順での接続によって形成される。
この通電経路への電圧印加は、経路全体に高電圧を印加する電圧印加部7と、経路中のN型及びP型パターン3,4間にオフセット電圧を印加するオフセット電圧印加部8とを用いて行うことができる。この場合、両電圧印加部7,8によって、N型パターン3からP型パターンへの通電により放電電極6を冷却することと、この放電電極6に対して静電霧化用の高電圧を印加することが、共に実現される。
以上のように、本実施形態の静電霧化装置によれば、熱電素子の対が基板10上のN型及びP型パターン3,4として薄膜状に形成されるので、図11に示す従来の静電霧化装置と比べても、装置全体が大幅に低背化される。また、薄膜状のN型及びP型パターン3,4を熱電素子として用いることで、駆動電流が低減され、装置全体の省電力化が図られる。
さらに、本実施形態では、前述したように第一及び第二の放熱側電極パターン1,2の膜厚t1を、N型及びP型パターン3,4の膜厚t2よりも厚く設け、これら放熱側電極パターン1,2における熱伝導性や放熱性を向上させている。これにより、N型及びP型パターン3,4間の通電による放電電極6の冷却性能が向上され、装置全体の更なる省電力化が図られる。
ペルチェ効果による冷却性能を更に向上させるためには、基板10の材質として、アルミナや窒化アルミニウムのような、N型及びP型パターン3,4の材質よりも熱伝導性の高いものを用いることが好ましい。これによれば、基板10自体が放熱板として機能し、冷却性能を向上させる。
図3には、N型及びP型パターン3,4のパターン形状の変形例を示している。N型及びP型パターン3,4の形状には、それぞれに通電入力用の部分を設けること以外の特別な制約はなく、図3(a)〜(d)のようなパターン形状であっても構わない。しかし、本実施形態のように、N型及びP型パターン3,4を、放電電極6に電気接続される部分に近づくほど幅狭となる形状(台形、扇型等)に形成した場合には、N型及びP型パターン3,4全体の熱伝導性を保ちながら、吸熱作用は放電電極6に集中させることができる。そのため、図2に示すようなパターン形状によれば、放電電極6に対する冷却性能が向上され、装置全体の省電力化が図られる。
図4には、本実施形態の静電霧化装置の製造工程の一例を示している。この例では、まず基板10の一面上の両端に、薄膜状の第一及び第二の放熱側電極パターン1,2を形成する。次いで、この第一の放熱側電極パターン1に下底部が接続される台形状のN型パターン3と、第二の放熱側電極パターン2に下底部が接続されるP型パターン4とを、基板10の一面上に形成する。このとき、N型及びP型パターン3,4は互いの上底部が距離をおいて突き合うように形成される。
次いで、N型及びP型パターン3,4の互いの上底部にまたがるように、導電性接着剤等の電気接合部5を、基板10の中央部に塗布する。そして、この電気接合部5上に放電電極6を配置し、放電電極6の基台部6aを電気接合部5に接合させる。
図5には、製造工程の別例を示している。この例は、図4の例と比べて、基板10上に第一及び第二の放熱側電極パターン1,2を形成する工程と、基板10上にN型及びP型パターン3,4を形成する工程の、順番が入れ替わったものである。
つまり、図5の例では、まず基板10の一面上にて、N型及びP型パターン3,4を台形状に形成する。このときのパターニングは、N型及びP型パターン3,4の互いの上底部が距離をおいて突き合うように行う。次いで、このN型パターン3の下底部に接続される第一の放熱側電極パターン1と、P型パターン4の下底部に接続される第二の放熱側電極パターン2とを、それぞれ基板10表面の端部にパターニングする。以後の工程は図4の例と同様である。
図6には、本発明の実施形態2の静電霧化装置の特徴部分を、模式的に示している。以下においては、本実施形態の静電霧化装置について説明するが、実施形態1と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態では、基板10の一面上に、さらに低熱伝導部20を設けている。低熱伝導部20としては、基板10よりも熱伝導性の低い部材を用い、好ましくは断熱部材を用いる。製造工程においては、基板10上にN型及びP型パターン3,4を形成する工程より前に、基板10上に低熱伝導部20を形成する工程を有する。
N型及びP型パターン3,4のうち冷却側の端部(図示例では冷却側の半部)は、この低熱伝導部20に乗り上げた形で成膜される。N型及びP型パターン3,4の冷却側の端部は、低熱伝導部20上において、互いを付き合せた形状にパターニングされる。N型及びP型パターン3,4のこの端部同士は、電気接合部5を介して放電電極6と接続される。
本実施形態においては、放電電極6やN型及びP型パターン3,4の冷却側端部への基板10を通じた外部からの熱リークが、放電電極6と基板10の間に介在される低熱伝導部20によって抑えられる。そのため、放電電極6の冷却効率が向上する。
なお、本実施形態においても、基板10として、N型及びP型パターン3,4よりも熱伝導性の高いもの(アルミナ基板、窒化アルミニウム基板等)を用いることが好ましい。これによれば、基板10を通じての熱リークを抑制しながら、この基板10を通じて効率的に放熱を行うことができる。
図7には、本発明の実施形態3の静電霧化装置の特徴部分を、模式的に示している。以下においては、本実施形態の静電霧化装置について説明するが、実施形態1と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態では、基板10のうち放電電極6と近接する部分に、熱リーク防止用の貫通部30を設けている。この貫通部30は、基板10のうち放電電極6の直下部分(即ち、放電電極6の基台部6aと対向する部分)に貫通形成したものである。
N型及びP型パターン3,4の冷却側の端部は、この貫通部30の周縁又はその近傍に至るまで形成される。N型及びP型パターン3,4の冷却側端部の間に形成される絶縁スペースは、この貫通部30と連通する。N型及びP型パターン3,4の冷却側の端部同士は、この端部同士をブリッジする電気接合部5を介して、放電電極6に接続される。
これにより、本実施形態においては、貫通部30が前記絶縁スペースと一連の断熱層として機能し、基板10を通じた放電電極6への外部からの熱リークを抑える。そのため、放電電極6の冷却効率が向上する。
なお、本実施形態においても、基板10として、N型及びP型パターン3,4よりも熱伝導性の高いもの(アルミナ基板、窒化アルミニウム基板等)を用いることが好ましい。これによれば、基板10を通じての熱リークを抑制しつつ、この基板10を通じて効率的に放熱を行うことができる。
なお、図示はしないが、基板10の中央部分に貫通部30ではなく薄肉部を設けてもよい。この薄肉部は、基板10に掘り込み孔を凹設することにより、適宜厚みで形成することができる。この薄肉部を設けることによっても、放電電極6からの熱リークが抑えられる。
図8には、本発明の実施形態4の静電霧化装置の特徴部分を、模式的に示している。以下においては、本実施形態の静電霧化装置について説明するが、実施形態1と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態では、球状の放電部6cのみで放電電極6を形成し、静電霧化装置の更なる低背化を図っている。そして、この放電電極6等を配置している基板10の一面側を、防水コーティング材40で覆っている。図8(a)に示す防水コーティング材40は、放電電極6を除いて、基板10の一面全体を覆っている。また、図8(b)に示す防水コーティング材40は、放電電極6まで含んで基板10の一面全体を覆っている。防水コーティング材40のうち放電電極6(即ち放電部6c)を覆う部分は、その表面の結露水に静電霧化が生じる程度の厚みに設ける。
基板10の一面に防水コーティング材40を施す工程は、実施形態1にて述べた工程を行った後(即ち、電気接合部5に対して放電電極6を接合させる工程の後)に、行われる。
このように、基板10の一面上に形成される通電経路の一部又は全てを防水コーティング材40で覆うことにより、結露水が基板10上の通電経路中に付着してマイグレーションや腐食を生じることが抑えられる。なお、実施形態1のような形状の放電電極6を備える静電霧化装置においても、同様の防水コーティング材40を施してよいことは、勿論である。
図9には、本発明の実施形態5の静電霧化装置の特徴部分を、模式的に示している。以下においては、本実施形態の静電霧化装置について説明するが、実施形態1と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態では、実施形態4と同様に放電電極6を球状の放電部6cのみで形成し、更なる低背化を図っている。そして、多孔質体50を用いて基板10を形成し、結露水の余剰分が基板10の一面側から吸収されるように設けている。
余剰な結露水が基板10内に吸収されることで、放電電極6の放電部6cには必要以上の水が供給されにくくなり、静電霧化現象が安定する。また、基板10内に吸収された水は、N型及びP型パターン3,4の放熱側や第一及び第二の放熱側電極パターン1,2によって加熱され、外気にむけて蒸発する。このときの蒸発熱により、基板10を通じての放熱が効果的に行われ、放電電極6の冷却効率が向上する。つまり、基板10を多孔質としたことで、放電電極6での静電霧化の安定性と、放電電極6の冷却効率とが、共に向上する。
図10には、本発明の実施形態6の静電霧化装置の特徴部分を、模式的に示している。以下においては、本実施形態の静電霧化装置について説明するが、実施形態1と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態では、放電電極6の放電部6cと対向する位置に、対向電極60を配置している。対向電極60の材質としては、金属(SUS、銅、白金等)や、導電性の樹脂や、樹脂に導電性材料を用いて電極をパターニングしたものを用いる。また、耐食性を向上させるために、耐食性の高い材料(金、白金等)を更にコーティングしてもよい。
図示の対向電極60の形状は、平板の中央部分に貫通孔を設けたものであるが、静電霧化を安定化させるものであれば、ドーム型等の適宜形状が採用可能である。
また、図示はしていないが、対向電極60を所定位置に固定するための構造としては、対向電極60を支持する取付台を基板10側に固定させる構造であってもよいし、或いは、この静電霧化装置を搭載する機器側に対向電極60を配置する構造であってもよい。搭載する機器側に対向電極60を配置する構造とすれば、静電霧化装置側に取付台を設ける必要がなく、装置全体のコンパクト化や軽量化が図られる。
対向電極60は接地させてあってもよいし、この対向電極60に高電圧を印加させる構造であってもよい。対向電極60を備える場合の電圧印加については、特許文献2等に開示されているので、本文中での詳しい説明は省略する。
以上、添付図面に基づいて説明したように、本発明の実施形態1〜6の静電霧化装置は、基板10と、N型熱電材料を用いて基板10上に形成されたN型パターン3と、P型熱電材料を用いて基板10上に形成されたP型パターン4と、N型パターン3とP型パターン4の間に接続される放電電極6とを備える。そして、N型パターン3、放電電極6及びP型パターン4の間に通電経路を設けている。
このように、P型とN型の熱電素子を基板10上の薄膜のパターンとして形成し、この基板10上のパターンに実装する形で放電電極6を配置することで、装置全体が大幅に低背化される。したがって、例えば小型の携帯機器に対しても、この静電霧化装置を搭載しやすくなる。また、P型とN型の熱電素子を基板10上のパターンとして形成したことで、駆動電流も低減される。そのため、電池駆動の機器に対しても、この静電霧化装置を搭載しやすくなる。
そして、本発明の実施形態1〜6の静電霧化装置においては、基板10上に形成された第一と第二の放熱側電極パターン1,2を備え、第一の放熱側電極パターン1、N型パターン3、放電電極6、P型パターン4及び第二の放熱側電極パターン1の間に通電経路を設けている。そして、第一と第二の放熱側電極パターン1,2は、N型パターン3とP型パターン4よりも肉厚に形成している。
これにより、電極と放熱部を兼ねた部分(第一と第二の放熱側電極パターン1,2)と、P型とN型の熱電素子(N型及びP型パターン3,4)とを、基板10上の薄膜のパターンとして形成することができ、装置全体がさらにコンパクト化されるとともに、製造も容易なものとなる。そして、この基板10上のパターンのうち、第一と第二の放電側電極パターン1,2を比較的肉厚に設けて熱伝導性と放熱性を確保することにより、放電電極6の冷却効率の向上も図られる。
また、本発明の実施形態1〜6の静電霧化装置において、基板10の材質としては、N型パターン3とP型パターン4の材質よりも熱伝導性の高いものを好ましく用いている。
このような熱伝導性の高い基板10を用いることで、基板10自体も放熱部として機能させ、これにより放電電極6の冷却効率の向上を図っている。
また、本発明の実施形態2の静電霧化装置においては、基板10と放電電極6との間に、基板10よりも熱伝導性の低い低熱伝導部20を介在させている。
このような低熱伝導部20の介在により、放電電極6と基板10の間の熱リークを抑制し、放電電極6の冷却効率の向上を図っている。
また、本発明の実施形態3の静電霧化装置においては、基板10のうち放電電極6と近接する部分に、熱リーク防止用の貫通部30又は薄肉部を設けている。
このような貫通部30や薄肉部を基板10に形成することで、放電電極6と基板10の間の熱リークを抑制し、放電電極6の冷却効率の向上を図っている。
また、本発明の実施形態1〜6の静電霧化装置においては、N型パターン3とP型パターン4を、放電電極6に電気接続される部分に近づくほど幅狭となる形状に形成している。
このような平面視形状にパターニングすることで、N型及びP型パターン3,4全体の熱伝導性は保ちつつ、吸熱作用は放電電極6に集中させることができる。そのため、放電電極6の冷却性能の向上が図られる。
また、本発明の実施形態4の静電霧化装置においては、基板10上の通電経路の一部又は全てを防水コーティング材40で覆っている。
これにより、結露等で生じた水が基板10上の通電経路中に付着してマイグレーションや腐食を生じることが抑えられる。
また、本発明の実施形態5の静電霧化装置において、基板10は、多孔質体50からなる。
これにより、結露等で余分に生じた水は、基板10をなす多孔質体50に吸収される。そして、多孔質体50に吸収された水は、加熱によって蒸発し、基板10を通じての放熱性を向上させる。つまり、基板10を多孔質体50としたことで、余剰な水分を吸収して静電霧化を安定させることと、放電電極6の冷却効率を向上させることが、共に実現される。
また、本発明の実施形態6の静電霧化装置においては、放電電極6と対向して位置する対向電極60を備えている。
これにより、放電電極6での静電霧化が安定するとともに、生成した帯電微粒子水が所定方向にむけて勢いよく放出されやすくなる。
また、本発明の実施形態1〜6の静電霧化装置の製造方法は、N型熱電材料を用いて基板10上にN型パターン3を形成する工程と、P型熱電材料を用いて基板10上にP型パターン4を形成する工程と、N型パターン3とP型パターン4をブリッジさせるように電気接合部5を形成する工程と、電気接合部5に放電電極6を接合させる工程とを含む。
このように、P型とN型の熱電素子を基板10上の薄膜のパターンとして形成し、このパターン上に電気接合部5を介して放電電極6を実装することで、大幅に低背化された静電霧化装置が製造される。この静電霧化装置は、例えば小型の携帯機器に対しても搭載しやすいものとなる。また、この静電霧化装置においては駆動電流も低減され、電池駆動の携帯機器に対しても搭載させやすいものとなる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記各例の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、各例において適宜の設計変更を行うことや、各例の構成を適宜組み合わせて適用すること(例えば、実施形態1〜5の静電霧化装置において対向電極60を配置すること等)が可能である。
1 第一の放熱側電極
2 第二の放熱側電極
3 N型パターン
4 P型パターン
5 電気接合部
6 放電電極
10 基板
20 低熱伝導部
30 貫通部
40 防水コーティング材
50 多孔質体
60 対向電極

Claims (10)

  1. 基板と、N型熱電材料を用いて前記基板上に形成されたN型パターンと、P型熱電材料を用いて前記基板上に形成されたP型パターンと、前記N型パターンと前記P型パターンの間に接続される放電電極とを備え、前記N型パターン、前記放電電極及び前記P型パターンの間に通電経路を設けたことを特徴とする静電霧化装置。
  2. 前記基板上に形成された第一と第二の放熱側電極パターンを備え、前記第一の放熱側電極パターン、前記N型パターン、前記放電電極、前記P型パターン及び前記第二の放熱側電極パターンの間に通電経路を設け、前記第一と第二の放熱側電極パターンは、前記N型パターンと前記P型パターンよりも肉厚に形成したことを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  3. 前記基板の材質を、前記N型パターンと前記P型パターンの材質よりも熱伝導性の高いものとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電霧化装置。
  4. 前記基板と前記放電電極との間に、前記基板よりも熱伝導性の低い低熱伝導部を介在させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  5. 前記基板のうち前記放電電極と近接する部分に、熱リーク防止用の貫通部又は薄肉部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  6. 前記N型パターンと前記P型パターンを、放電電極に電気接続される部分に近づくほど幅狭となる形状に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  7. 前記基板上の前記通電経路の一部又は全てを防水コーティング材で覆うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  8. 前記基板は、多孔質体からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  9. 前記放電電極と対向して位置する対向電極を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  10. N型熱電材料を用いて基板上にN型パターンを形成する工程と、P型熱電材料を用いて前記基板上にP型パターンを形成する工程と、前記N型パターンと前記P型パターンをブリッジさせるように電気接合部を形成する工程と、前記電気接合部に放電電極を接合させる工程とを含むことを特徴とする静電霧化装置の製造方法。
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