JP2012199065A - Fpcコネクタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型内にゲートから樹脂を注入してキャビティに充填することにより、FPCコネクタを射出成形するFPCコネクタの製造方法において、FPCコネクタの反りを十分に低減する。
【解決手段】ゲート5は、キャビティ4の長さ方向(矢印X方向)の端部4aと、この端部4aからキャビティ4の全長L4の15/100だけ内側の位置との間に、1つのみ配置されている。これにより、FPCコネクタの射出成形に際して、樹脂がキャビティ4内で一方の端部4a近傍から他方の端部4bに向かって流動するため、キャビティ4の長さ方向に配向する。また、ゲート5が1つのみであるため、ウェルドラインの存在に起因するFPCコネクタの反り増大を未然に防ぐことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、金型内にゲートから樹脂を注入してキャビティに充填することにより、FPCコネクタを射出成形するFPCコネクタの製造方法に関するものである。このFPCコネクタとは、各種の電気・電子機器に組み込まれるフレキシブルプリント基板(FPC)に用いられるコネクタを意味する。
この種のFPCコネクタは、接続時の高さを低くできる利点を有するため、小型化が進んでいるスマートフォン、デジタルカメラ、ゲーム機などに広く採用されている。近年、このFPCコネクタは、ピン挿通孔のピッチ間隔が狭くなってきており、FPCコネクタに微小な反りがあっても、リフロー工程ではんだ不良が生じる恐れがある。そのため、FPCコネクタの反りを低減することが強く望まれている。
従来、こうした要望に応えるべく、ゲートをキャビティの中央付近に設けることにより、樹脂の金型内への流入圧力を下げ、樹脂を均等に流す手法や、ゲートの数を複数にすることにより、樹脂の金型内への流入圧力を下げ、残留応力を小さくする手法が採用されている。
また、ゲートを、長手方向または奥行き方向の2等分線上に設けることなく、かつ、この2等分線上にウェルドライン(樹脂融合部)が発生することがないように配置する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−181847号公報(〔請求項1〕の欄)
しかしながら、樹脂の流入時にウェルドラインが発生すれば、たとえそれが2等分線上になくてもFPCコネクタの反りが増大すると考えられるため、特許文献1で提案された技術では、FPCコネクタの反りの低減が必ずしも十分ではないという不都合があった。
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、FPCコネクタの反りを十分に低減することが可能なFPCコネクタの製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、金型内にゲートから樹脂を注入してキャビティに充填することにより、FPCコネクタを射出成形するFPCコネクタの製造方法であって、前記ゲートは、前記キャビティの長さ方向の端部と、この端部から前記キャビティの全長の15/100だけ内側の位置との間に、1つのみ配置されていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記樹脂が液晶ポリエステルであることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記樹脂が、液晶ポリエステルに、ガラス繊維、タルクおよびマイカからなる群から選ばれる1種以上のフィラーを配合した液晶ポリエステル樹脂組成物であることを特徴としている。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記FPCコネクタは、ピン挿通孔の数が10以上であるとともに、これらピン挿通孔のピッチ間隔が0.6mm以下であることを特徴としている。
本発明によれば、FPCコネクタの射出成形に際して、樹脂がキャビティ内で一方の端部近傍から他方の端部に向かって流動するため、キャビティの長さ方向に配向する。また、ゲートが1つのみであるため、ウェルドラインの存在に起因するFPCコネクタの反り増大を未然に防ぐことができる。これらの結果、FPCコネクタの反りを十分に低減することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係るFPCコネクタを示す図であって、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)はその右側面図である。 本発明の実施の形態1に係るFPCコネクタの製造方法を示す図であって、(a)はキャビティの斜視図、(b)はキャビティの正面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図2には、本発明の実施の形態1を示す。なお、図2においては、わかりやすさを重視して図示しているため、寸法比率は必ずしも正確ではない。
この実施の形態1に係るFPCコネクタ1は、図1に示すように、長さL1(例えば、L1=18mm)、奥行きL2(例えば、L2=3mm)、高さL3(例えば、L3=1mm)のコネクタ本体2を有している。コネクタ本体2には、25個のピン挿通孔3が互いに平行に形成されており、これらのピン挿通孔3は、所定のピッチ間隔P1(例えば、P1=0.6mm)を有している。
このFPCコネクタ1は、液晶ポリエステルを射出成形して製造されたものである。この液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示すポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよく、液晶ポリエステルエーテルであってもよく、液晶ポリエステルカーボネートであってもよく、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリエステルの典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合(重縮合)させてなるもの、複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合させてなるもの、およびポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部または全部に代えて、その重合可能な誘導体を用いてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、およびカルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」という。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」という。)と、下記式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」という。)とを有することがより好ましい。
(1)−O−Ar1 −CO−
(2)−CO−Ar2 −CO−
(3)−X−Ar3 −Y−
(Ar1 は、フェニレン基、ナフチレン基またはビフェニリレン基を表す。Ar2 およびAr3 は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基または下記式(4)で表される基を表す。XおよびYは、それぞれ独立に、酸素原子またはイミノ基(−NH−)を表す。Ar1 、Ar2 またはAr3 で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4 −Z−Ar5
(Ar4 およびAr5 は、それぞれ独立に、フェニレン基またはナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基またはアルキリデン基を表す。)
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基およびn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、通常1〜10である。前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、通常6〜20である。前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar1 、Ar2 またはAr3 で表される前記基ごとに、それぞれ独立に、通常2個以下であり、好ましくは1個以下である。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基および2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は通常1〜10である。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Ar1 がp−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、およびAr1 が2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Ar2 がp−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2 がm−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2 が2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、およびAr2 がジフェニルエーテル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミンまたは芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Ar3 がp−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノールまたはp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、およびAr3 が4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルまたは4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、全繰返し単位の合計含有量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、通常30モル%以上、好ましくは30〜80モル%、より好ましくは40〜70モル%、さらに好ましくは45〜65モル%である。繰返し単位(2)の含有量は、全繰返し単位の合計含有量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは15〜30モル%、さらに好ましくは17.5〜27.5モル%である。繰返し単位(3)の含有量は、全繰返し単位の合計含有量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは15〜30モル%、さらに好ましくは17.5〜27.5モル%である。繰返し単位(1)の含有量が多いほど、溶融流動性や耐熱性や強度・剛性が向上しやすいが、あまり多いと、溶融温度や溶融粘度が高くなりやすく、成形に必要な温度が高くなりやすい。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、通常0.9/1〜1/0.9、好ましくは0.95/1〜1/0.95、より好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計含有量に対して、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ジオールに由来する繰返し単位を有することが、溶融粘度が低くなりやすいので、好ましく、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子であるもののみを有することが、より好ましい。
液晶ポリエステルは、それを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
液晶ポリエステルは、その流動開始温度が、通常270℃以上、好ましくは270〜400℃、より好ましくは280〜380℃である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上しやすいが、あまり高いと、溶融温度や溶融粘度が高くなりやすく、その成形に必要な温度が高くなりやすい。
なお、流動開始温度は、フロー温度または流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kgf/cm2 )の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mmおよび長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポアズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(例えば、小出直之編「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」第95〜105頁、(株)シーエムシー出版、1987年6月5日発行を参照)。
次に、このFPCコネクタ1の製造方法について説明する。
まず、所定の金型を用意する。この金型は、開閉自在の上下一対の金型部を有しており、これらの金型部を閉じたときには、図2に示すように、FPCコネクタ1の形状に対応するキャビティ4が内部に形成されるようになっている。この金型には、上側の金型部にゲート5が1つのみ形成されている。このゲート5は、図2(a)に示すように、キャビティ4の奥行き方向(矢印Y方向)の2等分線M1上に位置すると同時に、図2(b)に示すように、キャビティ4の長さ方向(矢印X方向)において、キャビティ4の一方の端部4aから所定の距離L5だけ内側(他方の端部4b側)に位置している。ここで、距離L5は、キャビティ4の全長L4の15/100(15%)以下となっている。つまり、不等式0≦L5/L4≦15/100が成り立っている。
次いで、この金型において、上下一対の金型部を閉じてキャビティ4を形成した状態で、ゲート5から液晶ポリエステルを注入してキャビティ4に充填する。すると、液晶ポリエステルは、キャビティ4内で一方の端部4a近傍から他方の端部4bに向かって流動するため、キャビティ4の長さ方向(矢印X方向)に配向する。
その後、液晶ポリエステルを冷却する。すると、液晶ポリエステルは、キャビティ4の長さ方向に配向した状態のまま固化する。
最後に、上下一対の金型部を開き、液晶ポリエステル樹脂を取り出す。これにより、液晶ポリエステルからなるFPCコネクタ1が得られる。
このように、FPCコネクタ1の製造に際しては、液晶ポリエステルがキャビティ4の長さ方向に配向した状態のまま固化してFPCコネクタ1が形成されるので、FPCコネクタ1の長さ方向の反りを十分に低減することができる。したがって、FPCコネクタ1のリフロー工程において、はんだ不良が生じる事態を回避することが可能となる。
また、金型のゲート5が1つのみであるため、FPCコネクタ1の製造に際しては、キャビティ4に液晶ポリエステルを注入してもウェルドラインが生じない。その結果、ウェルドラインの存在に起因するFPCコネクタ1の反り増大を未然に防ぐことができる。
しかも、キャビティ4に充填されるFPCコネクタ1の原料が液晶ポリエステルであり、この液晶ポリエステルは、汎用樹脂に比べて配向性に優れる特性を有している。そのため、FPCコネクタ1の原料として液晶ポリエステルを用いることにより、FPCコネクタ1の反りを一層低減することが可能となる。
[発明のその他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態1では、キャビティ4に充填する樹脂として液晶ポリエステルを用いた場合について説明したが、液晶ポリエステル以外の樹脂(例えば、ポリアミドなど)を代用することも可能である。
また、液晶ポリエステルに、フィラー(充填材)、添加剤、液晶ポリエステル以外の樹脂などの他の成分を配合した液晶ポリエステル樹脂組成物を代用することもできる。液晶ポリエステルにフィラーを配合した場合、このフィラーによって液晶ポリエステルが補強されるので、FPCコネクタ1の反りを一層低減することが可能となる。
フィラーは、繊維状フィラーであってもよく、板状フィラーであってもよく、繊維状および板状以外で、球状その他の粒状フィラーであってもよい。また、フィラーは、無機フィラーであってもよく、有機フィラーであってもよい。繊維状無機フィラーの例としては、ガラス繊維;パン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維;シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維等のセラミック繊維;およびステンレス繊維等の金属繊維が挙げられる。また、チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、ウォラストナイトウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー、炭化ケイ素ウイスカー等のウイスカーも挙げられる。繊維状有機フィラーの例としては、ポリエステル繊維およびアラミド繊維が挙げられる。板状無機フィラーの例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、ガラスフレーク、硫酸バリウムおよび炭酸カルシウムが挙げられる。マイカは、白雲母であってもよく、金雲母であってもよく、フッ素金雲母であってもよく、四ケイ素雲母であってもよい。粒状無機フィラーの例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、窒化ホウ素、炭化ケイ素および炭酸カルシウムが挙げられる。フィラーの含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、通常0〜100質量部である。
添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤および着色剤が挙げられる。添加剤の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、通常0〜5質量部である。
液晶ポリエステル樹脂組成物は、液晶ポリエステルおよび必要に応じて用いられる他の成分を押出機で溶融混練し、ペレット状に押し出すことにより、調製することが好ましい。この押出機としては、シリンダーと、シリンダー内に配置された1本以上のスクリューと、シリンダーに設けられた1箇所以上の供給口とを有するものが、好ましく用いられ、さらにシリンダーに設けられた1箇所以上のベント部を有するものが、より好ましく用いられる。
また、上述した実施の形態1では、ゲート5をキャビティ4の奥行き方向の2等分線M1上に設ける場合について説明したが、キャビティ4の形状などを考慮して、ゲート5をキャビティ4の奥行き方向の2等分線M1から外れた位置に設けてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<液晶ポリエステルの製造>
まず、以下の2種類の製造方法(第1および第2の製造方法)により、2種類の液晶ポリエステル(LCP1およびLCP2)を製造した。
(1)第1の製造方法
まず、攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)および無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込んだ。
そして、反応器内を窒素ガスで十分に置換した後、1−メチルイミダゾールを0.18g添加し、窒素ガス気流下で30分かけて150℃まで昇温し、この温度を保持して30分間還流させた。次に、1−メチルイミダゾールを2.4g添加した後、留出する副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温した。その後、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなして、内容物を取り出した。
続いて、このようにして得られた固形分を室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕した後、窒素雰囲気下で、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、さらに250℃から295℃まで5時間かけて昇温し、さらに、295℃で3時間保持することにより、固相重合を行った。
最後に、これを冷却することにより、液晶ポリエステル(以下、「LCP1」という。)を得た。LCP1の流動開始温度は、327℃であった。
なお、この流動開始温度は、フローテスター((株)島津製作所製の「CFT−500型」)により、試料(液晶ポリエステル)約2gを用いて測定した値である。すなわち、このフローテスターを用いて、内径1mm、長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに試料約2gを充填し、9.8MPa(100kgf/cm2 )の荷重下において、昇温速度4℃/分で溶融させながら押し出し、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポアズ)を示す温度を測定し、この温度を流動開始温度とした。
(2)第2の製造方法
まず、攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸239.2g(1.44モル)、イソフタル酸159.5g(0.96モル)および無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込んだ。
そして、反応器内を窒素ガスで十分に置換した後、1−メチルイミダゾールを0.18g添加し、窒素ガス気流下で30分かけて150℃まで昇温し、この温度を保持して30分間還流させた。次に、1−メチルイミダゾールを2.4g添加した後、留出する副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温した。その後、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなして、内容物を取り出した。
続いて、このようにして得られた固形分を室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕した後、窒素雰囲気下で、室温から220℃まで1時間かけて昇温し、さらに220℃から240℃まで0.5時間かけて昇温し、さらに240℃で10時間保持することにより、固相重合を行った。
最後に、これを冷却することにより、液晶ポリエステル(以下、「LCP2」という。)を得た。LCP2の流動開始温度は、286℃(つまり、LCP1の流動開始温度より41℃低い温度)であった。この流動開始温度は、LCP1と同じ手順で測定した値である。
<液晶ポリエステル樹脂組成物の調製>
以上のようにして得られたLCP1およびLCP2を55:45の質量比で混合した後、この混合樹脂100質量部に対して、マイカ((株)ヤマグチマイカ製のマイカ「AB−25S」)を43質量部配合した。そして、(株)池貝製の2軸押出機「PCM−30」を用いて溶融混練することにより、ペレット状の液晶ポリエステル樹脂組成物を調製した。
<反り解析用データの取得>
こうして調製された液晶ポリエステル樹脂組成物について、反り解析用データとして、ヤング率、ポアソン比、線膨張係数(流動方向および垂直方向)、熱伝導率、比熱、粘度および比容積を取得した。
その結果、この液晶ポリエステル樹脂組成物は、ヤング率が5000MPa、ポアソン比が0.31、流動方向の線膨張係数が6.12×10-6、垂直方向の線膨張係数が6.31×10-6、熱伝導率(25℃)が0.38W/(m・K)であった。また、比熱については、比熱の温度依存性を把握すべく、51〜344℃の範囲内の12水準の温度において測定したところ、890〜1519J/kg・℃の比熱が得られた。また、粘度については、粘度の温度・せん断速度依存性を把握すべく、325℃、345℃、365℃の3水準の温度および100〜50000s-1の範囲内の8水準のせん断速度において測定したところ、2.3〜865.1Pa・sの粘度が得られた。さらに、比容積については、比容積の温度・圧力依存性を把握すべく、25.0〜360.0℃の範囲内の50水準の温度および0MPa、50MPa、100MPa、150MPa、200MPaの5水準の圧力において測定したところ、0.6135〜0.7054cm3 /gの比容積が得られた。
<実施例1>
こうして取得された反り解析用データを用いて、キャビティの長さ方向の端部から全長の6/100だけ内側の位置(図2において、L5/L4=6/100となる位置)にゲートが1つだけ形成された金型により、所定のサイズ(長さ18mm、奥行き3mm、高さ1mm)のFPCコネクタを射出成形した場合に、そのFPCコネクタの長さ方向の反り量(単位:mm)がどのようになるかを数値解析によって算出した。この数値解析は、Moldflow Corporation 製の解析ソフトウエア“Moldflow Plastics Insight 2011”を用いて行った。その結果を表1に示す。
<実施例2>
金型のゲートの位置をキャビティの長さ方向の端部から全長の9/100だけ内側にしたことを除き、実施例1と同様にして、FPCコネクタの長さ方向の反り量を数値解析によって算出した。その結果を表1に示す。
<実施例3>
金型のゲートの位置をキャビティの長さ方向の端部から全長の14/100だけ内側にしたことを除き、実施例1と同様にして、FPCコネクタの長さ方向の反り量を数値解析によって算出した。その結果を表1に示す。
<比較例1>
金型のゲートの位置をキャビティの長さ方向の端部から全長の25/100だけ内側にしたことを除き、実施例1と同様にして、FPCコネクタの長さ方向の反り量を数値解析によって算出した。その結果を表1に示す。
<比較例2>
金型のゲートの位置をキャビティの長さ方向の端部から全長の50/100だけ内側(つまり、キャビティの長さ方向の中央部)にしたことを除き、実施例1と同様にして、FPCコネクタの長さ方向の反り量を数値解析によって算出した。その結果を表1に示す。
<比較例3>
金型のゲートの位置をキャビティの長さ方向の端部から全長の25/100および75/100だけ内側にしてゲートの個数を2としたことを除き、実施例1と同様にして、FPCコネクタの長さ方向の反り量を数値解析によって算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2012199065

<FPCコネクタの反りの評価>
表1から明らかなように、キャビティの長さ方向の中央部にゲートを1つだけ形成した比較例2(反り量:0.048mm)を基準として考えると、比較例1(反り量:0.052mm)および比較例3(反り量:0.050mm)はいずれも、これより反り量が増大し、実施例1(反り量:0.037mm)、実施例2(反り量:0.040mm)および実施例3(反り量:0.045mm)ではいずれも、これより反り量が減少する結果となった。したがって、キャビティの長さ方向の端部から全長の15/100だけ内側の位置より外側にゲートを1つだけ形成すれば、キャビティの長さ方向の中央部にゲートを1つだけ形成する場合に比べて、FPCコネクタの反りを抑制できることが実証された。
本発明は、スマートフォン、デジタルカメラ、ゲーム機など各種の電気・電子機器に組み込まれるフレキシブルプリント基板に適用することができる。
1……FPCコネクタ
2……コネクタ本体
3……ピン挿通孔
4……キャビティ
4a、4b……端部
5……ゲート

Claims (4)

  1. 金型内にゲートから樹脂を注入してキャビティに充填することにより、FPCコネクタを射出成形するFPCコネクタの製造方法であって、
    前記ゲートは、前記キャビティの長さ方向の端部と、この端部から前記キャビティの全長の15/100だけ内側の位置との間に、1つのみ配置されていることを特徴とするFPCコネクタの製造方法。
  2. 前記樹脂が液晶ポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載のFPCコネクタの製造方法。
  3. 前記樹脂が、液晶ポリエステルに、ガラス繊維、タルクおよびマイカからなる群から選ばれる1種以上のフィラーを配合した液晶ポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載のFPCコネクタの製造方法。
  4. 前記FPCコネクタは、ピン挿通孔の数が10以上であるとともに、これらピン挿通孔のピッチ間隔が0.6mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のFPCコネクタの製造方法。
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