JP2012199207A - 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法 Download PDF

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【課題】レーザーリペアを行なっても、駆動時間の経過に伴う輝度の低下、ダークスポットの発生・拡大といったディスプレイの劣化現象を抑制でき、かつ薄型な有機ELディスプレイとその製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に設けられたパターン状の第一の電極と、前記第一の電極の端部を被覆する第一の隔壁と、前記第一の電極上であって前記第一の隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで前記第一の電極に対向する第二の電極からなる有機EL素子基板を、シール剤を全面に介して対向基板と貼り合わせてなる有機ELディスプレイにおいて、前記第一の隔壁上には、更に第二の隔壁が形成され、前記第二の隔壁によって区画された領域には充填剤が充填されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法に関し、レーザーリペアを行なっても駆動時間の経過に伴う輝度の低下、ダークスポットの発生・拡大といったディスプレイの劣化現象を抑制できる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法に関するものである。
近年、情報機器の多様化に伴い、一般に使用されているCRT(陰極線管)に比べて消費電力が少ない平面表示素子に対するニーズが高まってきている。このような平面表示素子の一つとして、高効率・薄型・軽量・低視野角依存性等の特徴を有する有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略す)素子が注目され、この有機EL素子を用いたディスプレイの開発が進められている。
有機EL素子は、薄膜トランジスタ(TFT)を設けた基板上に、第一電極(アノード)、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの有機層と第二電極(カソード)が順に積層されたものが知られている。アノードとカソードの間に電位差を加え、この有機EL素子に駆動電流を流すと、アノードから注入されたホールと、カソードから注入された電子とが発光層の内部で再結合し、発光層を形成する有機分子を励起して励起子が生じる。この励起子が放射失活する過程で発光層から光が放たれ、この光が透明なアノードから透明絶縁基板を介して外部へ放出されて発光する。
上記の有機EL層及びカソードは、メタルマスクを用いた真空蒸着法により形成される。この蒸着工程で異物が有機EL素子の形成領域に付着することがある。このため、アノードとカソードとの間でショートが発生し、アノードとカソードとの間に電位差がなくなってしまう。すると、有機EL素子に駆動電流が流れなくなり、画素領域にダークスポット(滅点)が発生する。
そこで、液晶ディスプレイの製造で用いられるレーザーリペア法を有機EL表示装置にも適用して、所定の波長(例えば、1056nm)を有するレーザー光を滅点の原因となる異物に照射し異物を焼き切って吹き飛ばし、画素の一部を破壊することで画素を発光させている。例えば、特許文献1には、発光の単位である画素をさらに区画分割して複数の画素要素を形成することにより、電極の剥離や非発光領域の増大が隣接する画素要素まで及ばないようにして、周辺画素領域が正常に発光するようにする技術が開示されている。
しかしながら、例えば、特許文献2、3に開示されているように、カソード上に窒化シリコン等の保護膜がある構造では、封止性能の向上は期待できるが、レーザーリペアを実施する場合は保護膜がカソードを覆っているので異物は飛散しにくい。異物を飛散させるために無理にレーザー強度(エネルギー)をあげると、そのエネルギーによりカソード層等にダメージが加わり、それらが断裂して有機EL素子部分にピンホールが発生してしまう。このピンホールが形成されると、そこから水分が素子内に浸入して素子特性の劣化が起こり、ダークスポットという表示不良が発生する。また、レーザー照射によって保護膜層まで貫通し異物が飛散できたとしても、保護膜のバリア性が結果的に失われ、この貫通口から水分が浸入してダークスポットを拡大させてしまう問題があった。
特開2000−195677号公報 特開2005−347204号公報 特開2007−184251号公報
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、レーザーリペアを行なっても、駆動時間の経過に伴う輝度の低下、ダークスポットの発生・拡大といったディスプレイの劣化現象を抑制でき、かつ薄型な有機ELディスプレイとその製造方法を提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、基板上に設けられたパターン状の第一の電極と、前記第一の電極の端部を被覆する第一の隔壁と、前記第一の電極上であって前記第一の隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで前記第一の電極に対向する第二の電極からなる有機EL素子基板を、シール剤を全面に介して対向基板と貼り合わせてなる有機ELディスプレイにおいて、前記第一の隔壁上には、更に第二の隔壁が形成され、前記第二の隔壁によって区画された領域には充填剤が充填されていることを特徴とする有機ELディスプレイである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記第一の隔壁及び第二の隔壁はマトリックス状であり、マトリックス数が第一の隔壁より第二の隔壁の方が少ないことを特徴とする請求項1に記載する有機ELディスプレイである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記充填剤は少なくともシリコーンオイルに吸湿剤を含有させたものからなる部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載する有機ELディスプレイである。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記対向基板は平板状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する有機ELディスプレイである。
次に、本発明の請求項5に係る発明は、基板上に設けられたパターン状の第一の電極と、前記第一の電極の端部を被覆する第一の隔壁と、前記第一の隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一の電極に対向する第二の電極からなる有機エレクトロルミネッセンス素子基板を、対向基板と貼り合わせてなる有機ELディスプレイの製造方法において、少なくとも、前記第一の隔壁上に更に第二の隔壁を形成する第二隔壁形成工程と、前記第二の隔壁によって区画された領域に充填剤を注入する充填剤注入工程と、前記充填剤注入工程の後にシール剤を全面に介して前記有機EL素子基板と前記対向基板とを貼り合せる工程とを、具備することを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法である。
本発明の有機ELディスプレイは、第二電極(カソード)上に充填剤としてシリコーンオイルを用いているので、保護膜(有機膜や無機膜)に比べ、レーザーリペアを実施する際に低エネルギーで異物を焼き切って吹き飛ばすことが出来る。よって、カソード等に加わるダメージを抑制でき、ピンホールの発生を低減できる。また、第二電極上に保護膜を形成した場合にはレーザー照射のエネルギーによって膜にクラックが生じることがあり、その結果クラックから水分が浸入しダークスポットを拡大させてしまっていたが、第二電極上に充填剤(シリコーンオイル)を用いることでシリコーンオイル層内に異物を閉じ込
めることが出来る。また、充填剤に吸湿剤を含有させることで、レーザー照射で貫通してしまった第二電極の貫通口からの水分劣化を抑制することが出来る。
また、本発明の有機ELディスプレイでは、隔壁を発光層塗り分け用の第一隔壁と、充填剤形成用の第二隔壁として作成し、第一の隔壁より第二の隔壁の方が少ないようにしてマトリックス形成することで、充填剤をディスペンス方式やノズル方式などで形成することが出来る。
また、対向基板に平板状の基材を用い、シール剤を全面に形成しそれを介して貼り合わせることで薄型のディスプレイを提供することが出来る。
その結果、本発明によれば、レーザーリペアを行なっても駆動時間の経過に伴う輝度の低下や、ダークスポットの発生・拡大といったディスプレイの劣化現象を抑制でき、かつ薄型の有機ELディスプレイを提供することが出来る。
本発明の有機ELディスプレイの、一実施形態例を断面で示す模式図である。 本発明の有機ELディスプレイの、一実施形態での他の例を断面で示す模式図である。 本発明の有機ELディスプレイの、一実施形態に係る有機EL素子基板の斜視図である。 従来の有機ELディスプレイの、一構成例を断面で示す模式図である。
本発明の有機ELディスプレイを一実施形態に基づいて、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、本発明の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さ、寸法等は、実際のものとは異なる。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の有機ELディスプレイの、一実施形態例を断面で示す模式図である。本発明の有機ELディスプレイは、図1に示すように、基板1、薄膜トランジスタ(TFT)2、平坦化膜層3、第一電極4、第一隔壁5、第二隔壁6、有機EL発光媒体層7、第二電極8、充填剤9、吸湿剤10、シール剤11、及び封止基板12を含む。
図2は、本発明の有機ELディスプレイの、一実施形態での他の例を断面で示す模式図であり、図1で示す基材の他に保護膜13を含む。
以下、有機ELディスプレイを構成する各部の材料について説明する。
[基板]
基板1としては絶縁性を有し寸法安定性に優れた基板であれば如何なる基板も使用することができる。例えば、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシート、または、これらプラスチックフィルムやシートに酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは積層させた透光性基材を用いることができる。また、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、シート、板や、前記プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属膜を積層させた非透光性基材などを用いることができる。光取出しをどちらの面から行うかに応じて基材の透光性を選択すればよい。これらの材料からなる基板は、有機EL素子内への水分の侵入を避けるために、無機膜を形成したり、フッ素樹脂を塗布したりして、防湿処理や疎水性処理を施してあることが好ましい。特に、有機発光媒体への水分の侵入を避けるために、基板における含水率およびガス透過係数を小さくすることが好ましい。
[薄膜トランジスタ(TFT)]
また、基板1として、必要に応じて、薄膜トランジスタ(TFT)を形成した駆動用基板を用いても良い。アクティブ駆動型有機EL素子とする場合には、TFT2上に、平坦化膜層3が形成してあるとともに、平坦化膜層3上に有機EL素子の第一電極4が設けられており、かつ、TFT2と第一電極4とが平坦化膜層3に設けたコンタクトホールを介して電気接続してあることが好ましい。このように構成することにより、TFTと、有機EL素子との間で、優れた導電性を得ることができる。基板上に設ける薄膜トランジスタは、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
[平坦化膜層]
平坦化膜層3の材料については、SiO、スピンオンガラス、SiN(Si)、TaO(Ta)等の無機材料、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フォトレジスト材料、ブラックマトリックス材料等の有機材料等を用いることができる。これらの材料に合わせてスピンコーティング、CVD、蒸着法等を選択できる。必要に応じて、平坦化膜層として感光性樹脂を用いフォトリソグラフィーの手法により、あるいは一旦全面に平坦化膜層を形成後、下層の薄膜トランジスタに対応した位置にドライエッチング、ウェットエッチング等でコンタクトホールを形成する。コンタクトホールはその後導電性材料で埋めて平坦化層上層に形成される画素電極との導通を図る。平坦化層の厚みは下層のTFT、コンデンサ、配線等を覆うことができればよく、厚みは数μm、例えば3μm程度あればよい。
[第一電極]
基板1の上に第一電極4を成膜し、必要に応じてパターニングをおこなう。本発明の一実施形態では第一電極は第一隔壁によって区画され、各画素に対応した画素電極となる。第一電極の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができる。第一電極を陽極とする場合にはITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。下方から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション構造の場合は透光性のある材料を選択する必要がある。必要に応じて、第一電極の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。第一電極の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。第一電極のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。基板として予めTFTを形成した物を用いる場合は下層の画素に対応して導通を図ることができるように形成する。
[第一隔壁]
次に、第一電極4の端部を被覆する隔壁を形成する。隔壁は第一隔壁5と第二隔壁6の二層構造を有するもので、第一隔壁5は画素と画素を区画するものでマトリックス状に形成する。第一隔壁5の材質としては、有機発光媒体層7を構成するインキや第二電極8との親和性に優れたものが好ましく使用できる。一般に、親水性の無機材料である。例えば、無機酸化物、無機窒化物である。無機酸化物としては、例えば、珪素酸化物、アルミニウム酸化物等が例示できる。この第一隔壁5は、第一電極4上にその皮膜(第一隔壁形成層)5を形成した後、ドライエッチング法で発光領域に対応した開口部を形成する。第一隔壁5の厚みは、0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.5μm〜3μmである。第一隔壁5の幅は5μm〜100μmの範囲が好ましい。
[第二隔壁]
第二隔壁6は第一隔壁5上に形成し、第二隔壁6内に充填剤9を形成する。第二隔壁6の材質としては、限定されるものではないが例えば、樹脂バインダーに、モノマー又はオリゴマーと、このモノマーやオリゴマーを重合させる光重合開始剤とを含有する感光性材料が例示できる。樹脂バインダーとしては、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基を含有している樹脂が好ましく使用できる。具体的には、クレゾール−ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。また、モノマー又はオリゴマーとしては、ビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは側鎖にビニル基あるいはアリル基を有する分子を用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸及びその塩、、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど、比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることができる。そして、この感光性材料を前記第一隔壁5形成層上にスリットコート法などで塗布してその皮膜(第二隔壁形成層)を設け、露光・現像して形成する。第二隔壁の厚みは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは1μm〜5μmである。第二隔壁の幅は5μm〜50μmの範囲が好ましい。行列数は第二隔壁6内に充填剤9を形成できる数であればよく、第一隔壁5の行列数より少なければ限定されるものではない。
[有機発光媒体層]
次に、有機発光媒体層7を形成する。本発明における有機発光媒体層7としては、発光物質を含む単層膜、あるいは多層膜で形成することができる。多層膜で形成する場合の構成例としては、正孔輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や正孔輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成、さらには、必要に応じて正孔(電子)注入機能と正孔(電子)輸送機能を分けたり、正孔(電子)の輸送をプロックする層などを挿入することにより、さらに多層形成することがより好ましい。なお、本発明中の有機発光層とは有機発光材料を含む層を指し、電荷輸送層とは正孔輸送層等それ以外の発光効率を上げるために形成されている層を指す。
正孔輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
有機発光材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリスピロなどの高分子材料や、これら高分子材料に前記低分子材料の分散または共重合した材料や、その他既存の高分子・低分子発光材料を用いることができる。
電子輸送材料の例としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。形成には真空蒸着等を用いることができる。
有機発光媒体層7の膜厚は、単層または積層により形成する場合においても1000nm以下であり、好ましくは50〜150nmである。特に、有機EL素子の正孔輸送材料は、基体や第一電極の表面突起を覆う効果が大きく、50〜100nm程度厚い膜を成膜することがより好ましい。
有機発光媒体層7の形成方法としては、各層を構成する材料に応じて、真空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、マイクログラビア、凹版オフセットなどのコーティング法、印刷法やインクジェット法などを用いることができる。有機発光媒体層を構成する材料を溶液化する際には、形成方法に応じて、溶剤の蒸気圧、固形分比、粘度などを制御することが好ましい。溶剤としては、水、キシレン、アニソール、シクロヘキサノン、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、トルエン、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの単独溶媒でも、混合溶媒でも良い。また、塗工性向上のために、必要に応じて界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤などの添加剤を適量混合することがより好ましい。塗布液の乾燥方法としては、発光特性に支障のない程度に溶剤を取り除ければ良く、加熱しても、減圧しても、加熱減圧しても良い。
[第二電極]
次に、第二電極8を形成する。第二電極を陰極とする場合には有機発光媒体層7への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的にはMg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。第二電極側から光を取り出す、いわゆるトップエミッション構造とする場合には透光性を有する材料を選択することが好ましい。第二電極8の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。第二電極の厚さに特に制限はないが、50nm〜1000nm程度が望ましい。
[充填剤]
次に、充填剤9を形成する。充填剤9としてはシリコーンオイルが用いられる。シリコーンオイルとしては公知のシリコーンオイルであれば特に制限なく利用できる。抵抗値は10Ωcm以上であることが好ましく、より好ましくは10Ωcm〜1019Ωcmであり、さらに好ましくは1010〜1019Ωcmである。粘度は1×10−6−1〜1×10−3−1、より好ましくは1×10−6−1〜1×10−4−1である。具体的には、信越化学社製KF−96、Dow corning社製DOW CORNING 200、GE東芝シリコーン社製 TSF451などのジメチルシリコーンオイルが使用できる。また、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性シリコーンオイル(例えば、信越化学社製 KF−393、X22−3710)なども使用できる。充填剤9は次で述べる吸湿剤10を含有させた後に脱水処理を行い、含有水分量が100ppm以下、より好ましくは10ppm以下にすることが好ましい。充填剤の形成はディスペンス法やノズル塗布法などを利用することができる。
[吸湿剤]
充填剤9に含有する吸湿剤10は水分等を除去可能なものであって、例えば、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩等の無機化合物、アクリル系又はメタクリル系の吸水性高分子等の有機物、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択される金属又はそれらの合金、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライト等の一般的な吸湿剤、など使用することができ、一種又は二種以上を使用することができる。水分の除去用には、水分を物理吸着する一般的な吸湿剤よりも、水分を化学吸着するアルカリ金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属酸化物を吸湿剤とすることが好ましい。吸湿剤は充填剤に対して5〜70体積%の範囲とすることが好ましく、20〜50体積%とすることがより好ましい。吸湿剤の形状は特に限定されないが、表面積が大きく且つできるだけ細かい粉末状であることが好ましい。より好ましくは粒径2μm以下であることが好ましい。
[シール剤]
次にシール剤11を介して封止基板12を接着して有機EL素子を封止することができる。シール剤としては液状接着剤、シート状接着剤が挙げられる。液状接着剤としては、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型シール剤、2−シアノアクリル酸エステルなどの湿気硬化型等の接着剤、エポキシ系などの熱及び化学硬化型(二液混合)等の接着剤、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤等を挙げることが出来る。液状接着剤を使用して封止部材と有機EL素子とを接着する場合、貼合部は、貼合安定性、貼合部内への気泡混入防止、可撓性封止部材の平面性保持等を考慮し、10〜1×10−5Paの減圧条件で行うことが好ましい。シート状の接着剤としては、常温(25℃程度)では非流動性を示し、且つ、加熱すると50℃〜100℃の範囲で流動性を発現し、シート状に成形された接着剤を言う。使用する接着剤としては、例えば分子の末端又は側鎖にエチレン性二重結合を有する化合物と、光重合開始剤とを主成分とする光硬化性樹脂が挙げられる。使用に際しては、例えば、予め、封止部材側に貼合して常温(25℃程度)以下にして使用することが好ましい。
シール剤11の塗布方式は液状接着剤を使用する場合は例えばノズル塗布法式、シート状接着剤を使用する場合はラミネート方式を使用することができる。シート状接着剤は予め封止基板側にラミネート転写しても良いし、有機EL素子基板側にピック&プレースして真空ラミネートしても良い。
[封止基板]
封止基板12としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m/day以下であることが好ましい。
[保護膜]
封止性能が不足する場合は、充填剤層9上を保護膜13で覆ってからシール剤を形成したり、シール剤/保護膜/シール剤構造にすることで封止性能を高めることができる。保護膜13としては例えばCVD法を用いて、窒化珪素膜を3μm成膜するなど、無機薄膜による封止を行なうことができる。保護膜13の厚みは、500nm〜10μmであることが好ましい。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
従来から知られた手法により、ガラス基板上にTFT、平坦化絶縁層をパターン形成し、第一電極となるITO(Al:反射電極)をスパッタリングにて100nm積層した。この基板上にSiO膜をCVD法で2μm積層した後にドライエッチング法を用いて発光領域に対応して開口部を形成し、マトリックス状の第一隔壁(縦961列、横241列)を形成した。なお発光画素数は320×240で、1ピクセルは40μm×150μmである。次にスリットコート法により感光性ポリイミド樹脂を2μm積層し、露光・現像工程を経て、第一隔壁上に第二隔壁を積層した。第二隔壁は縦5列、横21列で均等になるようにマトリックス配列した。
次に第一隔壁に区画された領域である開口部に、有機発光媒体層として高分子正孔輸送層(乾燥後の膜厚50nm)と高分子発光層(乾燥後の膜厚80nm)をインクジェット法を用いて形成した。次に蒸着法を用いて、第二電極としてBa(膜厚5nm)とAl(膜厚400nm)をこの順に形成した。
次に、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製のメチルフェニルシリコーン(品番SH550)に粒径0.6μmのゼオライトを35体積%で混合し、攪拌機で90分間ミキシングを行なった後、グローブボックス内で250℃4時間加熱して脱水処理した。その後、第二隔壁で区画された領域にディスペンス法で塗布した。以上のようにして、有機EL素子基板を形成した。
次に、対向基板は平板ガラスを使用した。平板ガラスに紫外線硬化型シート状接着剤(膜厚25nm)を転写した後、真空ラミネート装置で85℃5分加熱加圧して、上記した有機EL素子基板と貼り合せ、6000mJ/cmでUV照射し、実施例1の有機ELディスプレイを得た。
<実施例2>
実施例1で、紫外線硬化型接着剤を平板ガラス側に転写せず、シリコーン充填まで形成した上記有機EL素子基板上に熱硬化型シート状接着剤(膜厚10nm)を真空ラミネートした後、真空ラミネート装置で85℃5分加熱加圧して貼り合せた。さらに、保護膜としてCVD法でSiNx膜を3μm形成した後、紫外線硬化型接着剤(膜厚25nm)を転写した平板ガラスと真空ラミネート装置で貼り合せ(85℃5分)、6000mJ/cmUV照射し,実施例2の有機ELディスプレイを得た。
<比較例1>
実施例1で第二電極まで形成した後、CVD法でSiNx膜(3μm)積層した後、紫外線硬化型接着剤(膜厚25nm)を転写した平板ガラスと真空ラミネート装置で貼り合せ(85℃5分)、6000mJ/cmUV照射し、比較例1の有機ELディスプレイを得た。
[評価]
実施例1,2及び比較例1で得られた有機ELディスプレイのレーザーリペアを行なった。滅点画素で5μm以下の異物があるものに対してレーザーリペアを行なった。リペアできるまで強度をあげてレーザー照射した結果、ダークスポット(非発光部)サイズは、表1に示すようになった。また、レーザーリペア実施後、60℃90%RHの恒温恒湿槽に1500h放置し、ダークスポットの拡大の度合いを調べた。その結果も表1に示す。
表1から分かるように、実施例1,2の有機ELディスプレイでは、比較例1の有機ELディスプレイと比較して、ダークスポットサイズが小さく、恒温恒湿層に放置してもダークスポットサイズの拡大が小さい結果となった。よって、実施例1、2ではレーザーリペアを効果的に行なうことが出来ていて、ダークスポットといった素子の劣化現象を抑制できる有機ELディスプレイを実現できていることが分かる。
1・・・基板 2・・・TFT 3・・・平坦化膜層 4・・・第一電極
5・・・第一隔壁 6・・・第二隔壁 7・・・有機発光媒体層 8・・・第二電極 9・・・充填剤 10・・・吸湿剤 11・・・シール剤 12・・・封止基板 13・・・保護膜

Claims (5)

  1. 基板上に設けられたパターン状の第一の電極と、前記第一の電極の端部を被覆する第一の隔壁と、前記第一の電極上であって前記第一の隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで前記第一の電極に対向する第二の電極からなる有機EL素子基板を、シール剤を全面に介して対向基板と貼り合わせてなる有機ELディスプレイにおいて、
    前記第一の隔壁上には、更に第二の隔壁が形成され、前記第二の隔壁によって区画された領域には充填剤が充填されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  2. 前記第一の隔壁及び第二の隔壁はマトリックス状であり、マトリックス数が第一の隔壁より第二の隔壁の方が少ないことを特徴とする請求項1に記載する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  3. 前記充填剤は少なくともシリコーンオイルに吸湿剤を含有させたものからなる部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  4. 前記対向基板は平板状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  5. 基板上に設けられたパターン状の第一の電極と、前記第一の電極の端部を被覆する第一の隔壁と、前記第一の隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一の電極に対向する第二の電極からなる有機エレクトロルミネッセンス素子基板を、対向基板と貼り合わせてなる有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法において、
    少なくとも、前記第一の隔壁上に更に第二の隔壁を形成する第二隔壁形成工程と、前記第二の隔壁によって区画された領域に充填剤を注入する充填剤注入工程と、前記充填剤注入工程の後にシール剤を全面に介して前記有機エレクトロルミネッセンス素子基板と前記対向基板とを貼り合せる工程とを、具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法。
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