JP2012199252A - 電池用セパレータおよびこれを用いた電池 - Google Patents

電池用セパレータおよびこれを用いた電池 Download PDF

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Abstract

【課題】セパレータのより一層の薄膜化を可能としつつ、正負の活物質層間の短絡を有効に防止しうる手段を提供する。
【解決手段】電池用セパレータにおいて、セパレータの有する空孔率を、セパレータの厚さ方向に対して変化させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、電池用セパレータに関する。特に本発明は、電池用セパレータの信頼性および出力特性を向上させるための改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、例えば、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質を含む電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している(例えば、特許文献1を参照)。この際、正負の活物質層間の短絡を防止することを目的として、通常、電解質層にセパレータが配置されるのが一般的である。かようなセパレータとしては、従来、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンからなる微多孔質膜や不織布が用いられている。
例えば、PEとPPとの混合物からなる多孔質フィルムであって、フィルムの厚み方向におけるPEの含有率が変化しているセパレータが開示されている(特許文献2を参照)。当該文献2によれば、かようなセパレータは安全性が高く、しかも低電気抵抗で、機械的強度も大きく、電池用セパレータとして好適な多孔質フィルムであるとされている。
特開2003−7345号公報 特開平7−216118号公報
ところで、近年、自動車等への搭載用途を念頭に、より一層高い出力を発揮しうる電池の開発が求められている。かような状況下において、セパレータの改良もその重要性を増しつつある。具体的には、セパレータのより一層の薄膜化が求められているのが現状である。セパレータの薄膜化は、電池体積の減少、およびセパレータにおけるイオン拡散抵抗の低減といった効果を通じて、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
このような現状に鑑みセパレータの薄膜化を行う際に、セパレータが上述したようなポリオレフィン系材料から構成されていると、たとえ前記文献2に記載されているようにセパレータの厚み方向のPEの含有率を変化させたとしても、イオン拡散抵抗が充分には低減されず、薄膜化の効果を充分に得ようとするには、セパレータの厚さを極めて薄くする必要がある。
しかしながら、セパレータの本来の目的は、その名の通り、セパレータを介して対向する正極活物質層と負極活物質層とを分離して、これらの活物質層どうしの接触により生じる短絡を防止することにある。従って、セパレータを薄くしすぎると短絡が有効に防止されない虞があり、セパレータを配置する意義が失われてしまう。
上記のように、電池のセパレータにとって、薄膜化による高出力化への寄与と、一定の厚さを維持することによる短絡の防止とは、トレードオフの関係にある。なお、より一層の高出力化を達成すべく開発が進められているバイポーラ電池において、上記のような問題は顕著である。
そこで本発明は、トレードオフの関係にある上記の双方の要求を満足させる手段、すなわち、セパレータのより一層の薄膜化を可能としつつ、正負の活物質層間の短絡を有効に防止しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、セパレータの構成材料として一般的に用いられているポリオレフィン系の材料において薄膜化によるイオン拡散抵抗の向上効果が充分に得られない原因を鋭意探索した。その結果、ポリオレフィン系の材料は空孔率が一般的に小さいことが上述した問題の原因となっていることを見出した。そして、かような知見に基づき、本発明者らは、セパレータの有する空孔率を制御することを試みた。その結果、セパレータの空孔率を、セパレータの厚さ方向に対して変化させることで、上記の課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、電池用セパレータであって、セパレータの有する空孔率が、セパレータの厚さ方向に対して変化していることを特徴とする、セパレータである。
本発明の電池用セパレータにあっては、セパレータの空孔率が厚さ方向に向かって変化している。これにより、絶縁性の確保による短絡の防止と、リチウムイオン伝導性の確保による出力特性の向上とが両立しうる。
第1実施形態のセパレータを示す断面図である。 図1に示す形態の改変例を示す断面図である。 図1に示す形態の他の改変例を示す断面図である。 バイポーラ電池である、第2実施形態の電池の概要を示す断面図である。 第2実施形態のバイポーラ電池の有する1つの単電池層および前記単電池層を挟持する2枚の集電体からなる積層体の拡大断面模式図である。 本発明のセパレータの第1の改変例を示す断面図である。 本発明のセパレータの第2の改変例を示す断面図である。 本発明のセパレータの第3の改変例を示す断面図である。 第3実施形態の組電池を示す斜視図である。 第3実施形態の組電池を搭載する第4実施形態の自動車の概略図である。 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の第1は、電池用セパレータであって、セパレータの有する空孔率が、セパレータの厚さ方向に対して変化していることを特徴とする、セパレータである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」とも称する)を示す断面図である。
図1に示す本実施形態のセパレータ1は、3層のセパレータ層が積層されてなる構成を有する。具体的には、中央部に積層される第1のセパレータ層2と、前記第1のセパレータ層2の両側に積層された2枚の第2のセパレータ層3とから構成される。そして、これらのセパレータ層(2、3)はいずれも空孔100を有するが、前記第1のセパレータ層2の空孔率は、前記第2のセパレータ層3の空孔率よりも小さい。なお、セパレータ層(2、3)に冠せられる「第1の」および「第2の」との語は、各セパレータ層(2、3)が異なる空孔率を有することを意味するために便宜的に用いられているに過ぎず、第1や第2といった順序そのものに格別の意味はない。
「空孔率」とは、各セパレータ層(2、3)の全体積に占める空孔の体積の百分率である。
上述したように、第1のセパレータ層2は第2のセパレータ層3よりも空孔率が小さいが、空孔率の具体的な値について特に制限はない。一例を挙げると、第1のセパレータ層2の有する空孔率は、好ましくは20〜90%であり、より好ましくは30〜85%であり、さらに好ましくは40〜80%である。第1のセパレータ層の有する空孔率が小さすぎると、リチウムイオン拡散抵抗が増大する虞がある。一方、第1のセパレータ層の有する空孔率が大きすぎると、突刺しや破断強度の低下という問題が生じる虞がある。また、第2のセパレータ層3の有する空孔率は、上記の第1のセパレータ層2よりも大きければよく、特に制限されないが、好ましくは40〜99%であり、より好ましくは50〜95%であり、さらに好ましくは60〜95%である。第2のセパレータ層の有する空孔率が小さすぎると、リチウムイオン拡散抵抗が増大する虞がある。一方、第2のセパレータ層の有する空孔率が大きすぎると、構造強度が小さいために積層時に潰れてしまう虞がある。
各セパレータ層(2、3)の空孔率の測定には、材料の密度に対する目付けと厚みの測定、電子顕微鏡による直接観察法、水銀ポロシメータによる圧入法といった手法が用いられうるが、測定手段によって得られる値にばらつきが生じうる場合には、材料の密度に対する目付けと厚みの測定法により得られた値を本願の「空孔率」として採用するものとする。
各セパレータ層(2、3)の厚さは特に制限されず、電池の分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。ただし、電池の高出力化の観点から、セパレータ層の厚さは小さいほど好ましいことは上述した通りであり、一方、セパレータ層が薄すぎても正負極間の短絡を防止するという観点からは好ましくないことも上述した通りである。かような観点から、比較的空孔率の小さい第1のセパレータ層2の厚さは、1〜25μm程度であり、好ましくは3〜10μmである。一方、比較的空孔率の大きい第2のセパレータ層3の厚さは、1〜25μm程度であり、好ましくは3〜10μmである。また、セパレータ全体の厚さは、好ましくは3〜50μm程度であり、より好ましくは5〜20μmである。
各セパレータ層(2、3)を構成する材料についても、絶縁性材料であれば特に制限はなく、電池の分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、セパレータ層(2、3)は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、セルロース等の樹脂系材料、またはシリカ、アルミナなどの絶縁性のセラミックスなどから構成されうる。形状については、シート状のほかに、繊維状、燐片状、粒子状などの材料を接合した材料であってもよい。なお、第1のセパレータ層2の構成材料と第2のセパレータ層3の構成材料とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態のセパレータ1は、特別な手法を用いることなく製造可能である。以下、本実施形態のセパレータ1の製造方法の一例について説明するが、下記の形態のみには制限されず、その他の手法により製造されても、勿論よい。
まず、1枚の第1のセパレータ層2、および2枚の第2のセパレータ層3を準備する。
第1のセパレータ層2および第2のセパレータ層3については、商品が市販されている場合には当該商品を購入したものを用いてもよいし、自ら製造したものを用いてもよい。
各セパレータ層(2、3)を自ら製造する場合、セパレータ層の空孔率を制御する手法としては、例えば、キャスト法においてキャストする際の溶液中の溶媒とセパレータの構成材料(例えば、樹脂)との組成を変化させるといった手法や、一旦完成したセパレータに対して物理的に微小な空孔を発生させるといった手法が挙げられる。ただし、場合によっては、その他の手法が用いられてもよい。
次いで、上記で準備した第1のセパレータ層2の両面を、同じく上記で準備した2枚の第2のセパレータ層3によって挟持する。これにより、本実施形態のセパレータ1が完成する。なお、必要に応じて、その他の処理を施してもよい。例えば、第1のセパレータ層2と2枚の第2のセパレータ層3との積層体をプレスして、セパレータ1全体の厚さや空孔率を所望の値に制御してもよい。プレスする際には、加熱してもよい(いわゆる、ホットプレス)。また、挟持する際には、本発明の作用効果を阻害しない限り、接着剤などを用いて隣接する層どうしを接着させてもよい。
なお、図1に示す本実施形態のセパレータ1では、空孔率のより小さい第1のセパレータ層2の両側に、空孔率のより大きい第2のセパレータ層3が配置されているが、本発明の技術的範囲はかような形態のみには制限されず、例えば、図2に示すような、2枚の第2のセパレータ層3のうち、いずれか一方が省略された形態、すなわち、1枚ずつの第1のセパレータ層2および第2のセパレータ層3が積層されてなるセパレータ1もまた、本発明の範囲に含まれうる。
また、上記では本発明のセパレータが、空孔率の異なる複数のセパレータ層の積層により構成される形態を説明したが、場合によっては、図3に示すように、厚さ方向に連続的に空孔率が変化している1枚のセパレータ層により、本発明のセパレータが構成されていてもよい。かようなセパレータにおいて空孔率を制御する手法についても、上述したのと同様の手法が採用されうる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、本発明のセパレータ1を用いて、電池を構成する。
具体的には、本発明のセパレータ1は、電池の電解質層に用いられて、電解質を保持しつつ、正負極間の短絡を防止する機能を発揮する。上記の電池の具体的な構成については特に制限はなく、任意の電池の電解質層を構成するために用いられる。場合によっては、新たに開発された電池の電解質層を構成するために用いられてもよい。
以下、図面を参照しながら、非水電解質二次電池の1種であるバイポーラ型リチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)に採用される場合を例に挙げて、本実施形態のセパレータが電池に採用される形態を説明する。ただし、本発明の技術的範囲がバイポーラ電池に採用される形態のみに制限されないことは、上述した通りである。
図4は、バイポーラ電池の概要を示す断面図である。
図4に示す形態のバイポーラ電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図4に示す形態のバイポーラ電池10の電池要素21は、集電体11の一方の面に正極活物質層13が形成され他方の面に負極活物質層15が形成された複数のバイポーラ電極を有する。各バイポーラ電極は、電解質層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、一のバイポーラ電極の正極活物質層13と前記一のバイポーラ電極に隣接する他のバイポーラ電極の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各バイポーラ電極および電解質層17が積層されている。なお、図4に示す形態のバイポーラ電池10の電解質層17は、図1に示す形態(第1実施形態)のセパレータ1を含む。また、図4に示す形態のバイポーラ電池10において、電解質層17を構成する電解質は液体電解質である。すなわち、電解質層17は、第1実施形態のセパレータ1にゲル電解質が注入されてなる構成を有する。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。図5は、図4に示す形態のバイポーラ電池10の有する1つの単電池層19および前記単電池層19を挟持する2枚の集電体11からなる積層体の拡大断面模式図である。図5は、集電体11、正極活物質層13、電解質層17、負極活物質層15、および集電体11が、この順に積層された形態である。従って、バイポーラ電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する集電体11間を絶縁するための絶縁層31が設けられている。なお、電池要素21の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(11a、11b)には、片面のみに、正極活物質層13(正極側最外層集電体11a)または負極活物質層15(負極側最外層集電体11b)のいずれか一方が形成されている。
さらに、図4に示すバイポーラ電池10では、正極側最外層集電体11aが延長されて正極タブ25とされ、外装であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極タブ27とされ、同様にラミネートシート29から導出している。
以下、図4に示す形態のバイポーラ電池10を構成する部材について簡単に説明するが、下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[集電体(最外層集電体を含む)]
集電体11および最外層集電体(11a、11b)は、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体11の大きさは、バイポーラ電池10の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
活物質層は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層13は、正極活物質を含む。正極活物質としては、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物や、カーボンが好ましい。カーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。
正極活物質層13および負極活物質層15に含まれうる添加剤としては、例えば、バインダ、導電助剤、リチウム塩(支持電解質)、イオン伝導性ポリマー等が挙げられる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ等が挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層13または負極活物質層15の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイト、気相成長炭素繊維などが挙げられる。
リチウム塩(支持塩)としては、LIBETI(Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記イオン伝導性ポリマーは、バイポーラ電池10の電解質層17においてマトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。重合開始剤は、開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
正極活物質層13および負極活物質層15中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
[電解質層]
電解質層17は、本発明のセパレータ1を有し、当該セパレータ1に電解質が含まれてなる構成を有する。
電解質層17に含まれる電解質は、例えば、液体電解質である。液体電解質とは、マトリックスポリマーを含まず、可塑剤にリチウム塩が溶解してなる電解液である。液体電解質を構成する可塑剤およびリチウム塩の具体的な形態としては、上記で例示した形態が同様に採用されうる。
なお、場合によっては、固体電解質が用いられてもよい。固体電解質としては、ゲル電解質および真性ポリマー電解質が挙げられる。
ゲル電解質とは、マトリックスポリマーであるイオン伝導性ポリマーに、電解液を保持させたものをいう。イオン伝導性ポリマーとしては、上記の活物質層の欄において例示したポリアルキレンオキシド系のポリマーが挙げられる。かようなポリマーには、リチウム塩がよく溶解しうる。また、これらの高分子は、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。なお、本願では、リチウムイオン伝導性を有しない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも、ゲル電解質に含まれるものとする。用いられる電解液(リチウム塩および可塑剤)の種類等は特に制限されない。リチウム塩としては、上記の活物質層の欄において例示した化合物が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等のカーボネート類などが例示される。
一方、真性ポリマー電解質とは、液体成分を含まず、イオン伝導性ポリマー(マトリックスポリマー)にリチウム塩が溶解してなる電解質である。真性ポリマー電解質を構成するポリマーおよびリチウム塩の具体的な形態としては、上記で例示した形態が同様に採用されうる。
[絶縁層]
バイポーラ電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁層31が設けられる。この絶縁層31は、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、電池要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のバイポーラ電池10が提供されうる。
絶縁層31を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐食性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂が、絶縁層31の構成材料として好ましく用いられる。
[タブ]
バイポーラ電池10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続されたタブ(正極タブ25および負極タブ27)が外装であるラミネートシート29の外部に取り出される。具体的には、正極用最外層集電体11aに電気的に接続された正極タブ25と、負極用最外層集電体11bに電気的に接続された負極タブ27とが、外装の外部に取り出される。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)のを構成する材料は特に制限されず、バイポーラ電池用のタブとして従来用いられている公知の材料が用いられうる。タブの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極タブ25と負極タブ27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。また、図4に示すように、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
バイポーラ電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、ラミネートシート29などの外装内に収容されることが好ましい。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
以上、バイポーラ電池に採用される形態を例に挙げて本実施形態のセパレータ1の適用例を説明したが、本実施形態のセパレータ1の採用により、電池における絶縁性の確保による短絡の防止と、リチウムイオン伝導性の確保による出力特性の向上とを両立させうる。
また、本実施形態のセパレータ1は、特にバイポーラ電池に採用されると、優れた作用効果を発揮しうる。すなわち、バイポーラ電池は高出力(大電流)を取り出すことを前提として開発が進められているが、高出力条件下での放電時には、電解質層の正極活物質層側近傍に位置するカチオン(例えば、リチウムイオン)が正極活物質中に取り込まれ、当該部位におけるカチオン濃度が急激に低下する。これに伴い、当該部位におけるリチウムイオン拡散抵抗が急激に増大し、電池全体の内部抵抗の上昇が引き起こされてしまう。これに対し、本実施形態のセパレータ1は、正極活物質層に隣接する部位(第2のセパレータ層3)の空孔率が比較的大きいため、前記カチオン(リチウムイオン)の供給源としても機能し、上述したような問題の発生が効果的に抑制されうるのである。また、中央部には空孔率の比較的小さい部位(第1のセパレータ層2)が配置されているため、電解質層の機械的強度もまた、充分大きく維持されている。なお、上述したようなイオン枯渇の問題は、同様のメカニズムにより、充電時の負極においても生じうるが、本実施形態のセパレータ1によれば、この問題の発生も同様に抑制されうる。
上述したように、図4に示す形態のバイポーラ電池10の電解質層17は、図1に示す形態のセパレータ1を含んでいるが、場合によっては、図2や図3に示す形態のセパレータ1や、後述する各図に示す形態のセパレータ1もまた、バイポーラ電池などの電池の電解質層17の構成材料として採用されうる。ここで、図2に示す形態のセパレータ1は、空孔率の異なる2枚のセパレータ層(2、3)が積層されてなる構成を有するが、バイポーラ電池に用いられる場合には、いずれのセパレータ層(2、3)が正極活物質層または負極活物質層と向き合うように配置されてもよい。
ただし、上述した作用効果が発揮されるメカニズムを考慮すると、充電性能を重視する場合には、負極活物質層15側の空孔率が大きくなるように、空孔率の小さい第1のセパレータ層2が正極活物質層と向き合い、空孔率の大きい第2のセパレータ層3が負極活物質層と向き合うように配置されることが好ましい。同様に、放電性能を重視する場合には、正極活物質層13側の空孔率が大きくなるように、空孔率の小さい第1のセパレータ層2が負極活物質層と向き合い、空孔率の大きい第2のセパレータ層3が正極活物質層と向き合うように配置されることが好ましい。
(製造方法)
なお、図4に示す形態のバイポーラ電池の製造方法は特に制限されず、電池の製造分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。以下、電解質層17が液体電解質を含む場合を例に挙げてバイポーラ電池を製造するための一手法を説明するが、下記の形態のみには制限されず、その他の手法が採用されても、勿論よい。
バイポーラ電池10を製造する際には、まず、集電体11の一方の面に正極活物質スラリーを塗布し、正極活物質を含む塗膜を形成する。一方、集電体11の他方の面に負極活物質スラリーを塗布して、負極活物質を含む塗膜を形成する。最外層集電体については、正極側最外層集電体11aの一方の面に正極活物質スラリーのみを塗布し、負極側最外層集電体11bの一方の面に負極活物質スラリーのみを塗布する。その後、必要に応じて乾燥処理を施すことによって、塗膜を乾燥させる。スラリーの塗布および塗膜の乾燥のための具体的な手段は特に制限されず、電池の製造分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。
活物質スラリーは、例えば、所望の活物質、および必要に応じて他の成分(例えば、バインダ、導電助剤、リチウム塩、イオン伝導性ポリマー、重合開始剤など)を、溶媒中で混合することにより、調製されうる。この活物質スラリー中に配合される各成分の具体的な形態については、上記の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、活物質スラリーに含まれる各成分の含有量については特に制限されず、上記の構成の欄の説明および電池の電解質層についての従来公知の知見を参照しつつ、適宜調節されうる。
溶媒の種類や混合手段は特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。溶媒の一例を挙げると、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどが用いられうる。バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を採用する場合には、NMPを溶媒として用いるとよい。
本工程において用いられる集電体11の具体的な形態については、上記の本発明の電極の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
活物質スラリーは、製造される電極における集電体と活物質層との所望の配置形態に応じて、塗布される。例えば、製造される電極がバイポーラ電極の場合には、集電体11の一方の面に正極活物質を含む塗膜を形成し、他方の面に負極活物質を含む塗膜を形成すればよい。これに対し、バイポーラ型でない電極を製造する場合には、正極活物質または負極活物質のいずれか一方を含む塗膜が一の集電体の両面に形成される。
塗膜が重合開始剤を含む場合には、さらに重合工程を行うことで、塗膜中のイオン伝導性ポリマーが架橋性基によって架橋される。重合工程における重合処理も特に制限されることはなく、従来公知の知見を適宜参照すればよい。例えば、塗膜が熱重合開始剤(AIBNなど)を含む場合には、塗膜に熱処理を施す。また、塗膜が光重合開始剤(BDKなど)を含む場合には、紫外光などの光を照射する。なお、熱重合のための熱処理は、上記の乾燥工程と同時に行われてもよいし、当該乾燥工程の前または後に行われてもよい。さらには、活物質層の塗膜の重合処理を、後述する電解質層を重合させるための重合処理と兼ねて行ってもよい。
上述したような活物質スラリーの塗布および乾燥により形成される塗膜の表面は、通常、凹凸を有するのが一般的である。かような凹凸は、正負の活物質間の短絡発生の原因となりうる。従って、上述の操作に続き、集電体11の表面に塗膜が形成されてなる積層体に、例えばプレス機を用いてプレス処理を施し、バイポーラ電極の活物質層の表面を平坦化させる。これにより、バイポーラ電極が完成する。
プレス処理の具体的な手段やプレス条件は特に制限されず、プレス処理後の活物質層の表面の表面粗さの所望の値などを考慮して、適宜調節されうる。プレス処理の具体的な形態としては、例えば、ホットプレス機やカレンダーロールプレス機などが挙げられる。
その後、本発明のセパレータ1を準備し、各バイポーラ電極の正極活物質層13と、隣接するバイポーラ電極の負極活物質層15とが、セパレータ1を介して向かい合うように、前記セパレータ1および複数のバイポーラ電極を積層する。なお、バイポーラ電極の積層時には、
バイポーラ電極を積層する際、積層体の最上面および最下面には、活物質が形成されていない面が露出するように、正極または負極の一方のみの活物質層が形成された最外層集電体(11a、11b)を積層する。
また、バイポーラ電極の積層中には、正極活物質層13、電解質層17および負極活物質層15からなる単電池層19を包囲するように、隣接する集電体11の間に絶縁層31を挟み込む。積層後、積層体の縁部をホットプレスして絶縁層31を集電体11と熱融着させることにより、積層された状態のバイポーラ電池の電池要素21が完成する。
その後、正極タブ25および負極タブ27を最外層集電体(11a、11b)に接合する。最外層集電体とタブとを接合する手法は特に制限されず従来公知の溶接方法などが用いられうる。溶接方法としては、例えば、超音波溶接、スポット溶接などが例示される。なかでも、低温での接合が可能であることから、超音波溶接が好ましく用いられる。場合によっては、上述したように、最外層集電体(11a、11b)を延長してタブ(25、27)としてもよい。
一方、電池要素21の作製とは別に、電解質層17においてセパレータ1に含ませるための電解液組成物を調製する。具体的には、可塑剤にリチウム塩を添加し、溶解させて、電解液組成物とする。なお、電解質としてゲル電解質を採用したい場合には、この電解液組成物に、イオン伝導性ポリマーを添加し、混合する。この際、必要に応じて、重合開始剤(熱重合開始剤や光重合開始剤)を添加してもよい。当該組成物に含まれる各成分の具体的な形態については、上記の構成の欄において説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、当該組成物中の各成分の含有量は特に制限されず、上記の構成の欄の説明および電池の電解質層についての従来公知の知見を参照しつつ、適宜調節されうる。
続いて、正極タブ25および負極タブ27が導出するように電池要素21をラミネートシート29中に封入する。ラミネートシート29の好ましい形態については上述した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
電池要素21をラミネートシート29中に封入した後、上記で調製した電解液組成物を、当該ラミネートシート29中に注入する。これにより、当該電解液組成物は、電池要素21(具体的には、セパレータ1および活物質層(13、15))へと浸透する。場合によっては、電池要素21のラミネートシート29への封入前に、電解液組成物の注入を行ってもよい。
ここで、上記の電解質組成物に重合開始剤が含まれる場合には、当該組成物注入後の任意のタイミングにおいて、開始剤の種類に応じた重合処理を施し、当該組成物に含まれるイオン伝導性ポリマーを重合させる。重合処理を施すタイミングは特に制限されず、組成物の注入直後であってもよいし、後述するラミネートシート29の封止後であってもよい。重合処理が熱処理である場合には、ラミネートシート29の封止後に処理を行うと、処理が簡便である。また、重合処理が光(例えば、UV)照射処理である場合には、電池要素21のラミネートシート29への封入前に当該処理を行う必要があるのが一般的である。
最後に、ラミネートシート29を封止する。これにより、バイポーラ電池10が完成する。ラミネートシート29は、例えば、ヒートシール、インパルスシール、超音波融着、高周波融着などによって、封止されうる。
(第1の改変例)
図6は、本発明のセパレータの第1の改変例を示す断面図である。
図6に示す本改変例のセパレータ1も、3層のセパレータ層が積層されてなる構成を有する点では上記の第1実施形態のセパレータ1と同様である。具体的には、中央部に積層される第3のセパレータ層4と、前記第3のセパレータ層4の両側に積層された2枚の第4のセパレータ層4とから構成される。そして、前記第3のセパレータ層4は、上記の第1実施形態のセパレータ層(2、3)と同様のシート状材料から構成されている。一方、前記第4のセパレータ層5は、粒子状材料から構成されている。従って、第3のセパレータ層4の空孔率は、第4のセパレータ層5の空孔率よりも小さくなっている。なお、セパレータ層(4、5)に冠せられる「第3の」および「第4の」との語が、各セパレータ層(4、5)が異なる材料から構成されることを意味するために便宜的に用いられているに過ぎず、第3や第4といった順序そのものに格別の意味はないことは、上記の第1実施形態と同様である。
本改変例において、第4のセパレータ層5は粒子状材料から構成されるが、当該粒子状材料を構成する材料については特に制限はなく、第3のセパレータ層4と同様に、上記の第1実施形態のセパレータ層(2、3)と同様の構成材料が採用されうる。また、粒子状材料の平均粒子径は特に制限されないが、通常は1〜30μm程度であり、好ましくは3〜20μmである。ただし、これらの範囲を外れる粒子径を有する粒子状材料が用いられてもよいことは勿論である。なお、本願において、粒子状材料の平均粒子径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察により、測定されうる。さらに、粒子状材料については、商品が市販されている場合には、当該商品を購入したものを用いてもよいし、自ら調製した物を用いてもよい。粒子状材料を自ら調製する手法としては、例えば、大粒径品の粉砕といった手法や粉末状の前駆体の焼成といった手法が挙げられる。
なお、図6に示す本改変例のセパレータ1では、空孔率のより小さい第3のセパレータ層4の両側に、空孔率のより大きい第4のセパレータ層5が配置されているが、本発明の技術的範囲はかような形態のみには制限されず、例えば、2枚の第4のセパレータ層5のうち、いずれか一方が省略された形態、すなわち、1枚ずつの第3のセパレータ層4および第4のセパレータ層5が積層されてなるセパレータ1もまた、本発明の範囲に含まれうる。
以上説明した第1の改変例によっても、上記の第1実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、本改変例によっても、電池における絶縁性の確保による短絡の防止と、リチウムイオン伝導性の確保による出力特性の向上とを両立させうる。
(第2の改変例)
図7は、本発明のセパレータの第2の改変例を示す断面図である。
図7に示す本改変例のセパレータ1は、セパレータ本体6の内部に、前記セパレータ本体6の両側から突出するように、粒子状材料7が充填されてなる構成を有する。そして、セパレータ本体6は、上記の第1実施形態のセパレータ層(2、3)と同様のシート状材料から構成されている。一方、粒子状材料7は、上記の改変例1の第4のセパレータ層5を構成するのと同様の材料から構成されている。本改変例においては、セパレータ本体6の両側に、粒子状材料7が突出していることから、言ってみれば、セパレータ本体6の両側に、セパレータ本体6よりも空孔率の大きいセパレータ層が位置しているとも言える。
本改変例において、粒子状材料7の平均粒子径は特に制限されないが、通常は1〜30μm程度であり、好ましくは5〜20μmである。ただし、これらの範囲を外れる粒子径を有する粒子状材料が用いられてもよいことは勿論である。
なお、図6に示す本改変例のセパレータ1では、セパレータ本体6の両側から、粒子状材料7が突出しているが、本発明の技術的範囲はかような形態のみには制限されず、例えば、セパレータ本体6の片側のみから、粒子状材料7が突出する形態もまた、本発明の範囲に含まれうる。
以上説明した第2の改変例によっても、上記の第1実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、本改変例によっても、電池における絶縁性の確保による短絡の防止と、リチウムイオン伝導性の確保による出力特性の向上とを両立させうる。
(第3の改変例)
図8は、本発明のセパレータの第3の改変例を示す断面図である。
図8に示す本改変例のセパレータ1は、まず、セパレータ本体6を有する。このセパレータ本体6は、上記の第1実施形態のセパレータ層(2、3)と同様のシート状材料から構成されている。そして、本改変例のセパレータ1は、前記セパレータ本体6の両側の表面に、セパレータ本体6と同様の材料からなる凸部8が形成されてなる構成を有する。本改変例においては、セパレータ本体6の両側に、凸部8が形成されていることから、言ってみれば、セパレータ本体6の両側に、セパレータ本体6よりも空孔率の大きいセパレータ層が位置しているとも言える。なお、セパレータ本体6の構成材料と凸部8の構成材料とは、同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
本改変例において、凸部8の形状やサイズなどの具体的な形態は特に制限されず、所望の電池性能や短絡の可能性などを考慮して適宜決定されうる。セパレータ1の厚さ方向から見た凸部の形状は、円、楕円、正方形、長方形、三角形、六角形、不定形など、特に制限されない。さらに、凸部8は点在している必要はなく、場合によっては、線状に隆起した凸部8がセパレータ本体6の表面に設けられてもよい。
また、セパレータ1の厚さ方向から見た凸部8の幅も特に制限されないが、1〜20μm程度であり、凸部8の厚さ(高さ)は、1〜20μm程度である。
セパレータ本体6の表面に凸部8を形成する手法については特に制限されないが、例えば、凸部8の構成材料をセパレータ本体6の表面にスプレーにより噴霧するという手法や、種々の手法によりセパレータ本体6の表面に凸部8をパターニングするという手法が用いられうる。
なお、図8に示す本改変例のセパレータ1では、セパレータ本体6の両側の表面に凸部8が形成されているが、本発明の技術的範囲はかような形態のみには制限されず、例えば、セパレータ本体6の片側のみの表面に凸部8が形成される形態もまた、本発明の範囲に含まれうる。
以上説明した第3の改変例によっても、上記の第1実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、本改変例によっても、電池における絶縁性の確保による短絡の防止と、リチウムイオン伝導性の確保による出力特性の向上とを両立させうる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の第2実施形態のバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図9は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図9に示すように、組電池40は、上記の第2実施形態に記載のバイポーラ電池が複数個接続されることにより構成される。各バイポーラ電池10の正極タブ25および負極タブ27がバスバーを用いて接続されることにより、各バイポーラ電池10が接続されている。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個のバイポーラ電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
本実施形態の組電池40によれば、上記の第2実施形態のバイポーラ電池10を用いて組電池化することで、信頼性および出力特性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成するバイポーラ電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記の第2実施形態のバイポーラ電池10、または第3実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、輸送機関を構成する。バイポーラ電池10または組電池40をモータ用電源として用いる輸送機関としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車のほか、列車、二輪車、船舶、航空機などが挙げられる。
参考までに、図10に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したような特性を有する。このため、組電池40を搭載する自動車50は信頼性および出力特性に優れ、長期間にわたって使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、以上の説明ではバイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)を例に挙げて説明したが、本発明の電池の技術的範囲がバイポーラ電池のみに制限されることはなく、例えば、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。参考までに、図11に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60の概要を示す断面図を示す。なお、図11に示すリチウムイオン二次電池60においては、負極活物質層15が正極活物質層13よりも一回り小さいが、かような形態のみには制限されない。正極活物質層13と同じかまたは一回り大きい負極活物質層15もまた、用いられうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
<実施例1>
<セパレータの作製>
以下の手法により、図1に示す形態のセパレータを作製した。
まず、第1のセパレータ層として、第1のポリプロピレン微多孔膜(空孔率:35%、厚さ:10μm)を1枚準備した。一方、第2のセパレータ層として、第2のポリプロピレン微多孔膜(空孔率:55%、厚さ:5μm)を2枚準備した。
続いて、2枚の第2のポリプロピレン微多孔膜で第1のポリプロピレン微多孔膜を挟持して、本実施例のセパレータを完成させた。
得られたセパレータをポンチを用いて約75mm角に打ち抜き、試験用セパレータとした。
<正極の作製>
正極活物質であるマンガン酸リチウム(LiMn)(平均粒子径:1μm)(85質量部)、導電助剤であるアセチレンブラック(10質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(5質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極活物質スラリーを調製した。
一方、正極用の集電体として、アルミニウム箔(厚さ:20μm)を準備した。準備した集電体の一方の表面に、上記で調製した正極活物質スラリーをドクターブレード法により塗布し、塗膜を形成させた。次いでこの塗膜を130℃にて10分間乾燥させた。その後、厚さ30μmの塗膜をプレスすることにより、厚さ20μmの正極活物質層を有する正極を完成させた。
得られた正極をポンチを用いて約68mm角に打ち抜き、電流取り出し端子(アルミニウムリード)が接続された集電タブを接続して、試験用正極とした。
<負極の作製>
負極活物質であるグラファイト(平均粒子径:1μm)(90質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量部)を混合し、次いでスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、負極活物質スラリーを調製した。
一方、負極用の集電体として、銅箔(厚さ:20μm)を準備した。準備した集電体の一方の表面に、上記で調製した負極活物質スラリーをドクターブレード法により塗布し、塗膜を形成させた。次いでこの塗膜を130℃にて10分間乾燥させた。その後、厚さ30μmの塗膜をプレスすることにより、厚さ20μmの負極活物質層を有する負極を完成させた。
得られた負極をポンチを用いて約70mm角に打ち抜き、電流取り出し端子(ニッケルリード)が接続された集電タブを接続して、試験用負極とした。
<試験用セルの作製>
電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等体積混合液にリチウム塩であるLiPFを1Mの濃度に溶解させたものを準備した。また、上記で作製したセパレータを準備した。
上記で準備した試験用正極、試験用セパレータ、および試験用負極を、各電極の活物質層どうしが向き合うようにこの順に積層して、電池要素とした。その後、正極および負極にそれぞれ接続された電流取り出し用端子が外部に露出するように前記電池要素をラミネートフィルム中に入れ、次いで上記で準備した電解液を注液し、さらに真空に封止して、試験用セルを完成させた。
<実施例2>
以下の手法により、図2に示す形態のセパレータを作製した。
まず、第1のセパレータ層として、第1のポリプロピレン微多孔膜(空孔率:35%、厚さ:10μm)を1枚準備した。一方、第2のセパレータ層として、第2のポリプロピレン微多孔膜(空孔率:55%、厚さ:10μm)を1枚準備した。
続いて、これらのポリプロピレン微多孔膜を積層して、本実施例のセパレータを完成させた。
上記で作製したセパレータを、第1のセパレータ層が正極活物質層と向き合い、第2のセパレータ層が負極活物質層と向き合うように積層したこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<実施例3>
第1のセパレータ層が負極活物質層と向き合い、第2のセパレータ層が正極活物質層と向き合うように積層したこと以外は、上記の実施例2と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<実施例4>
以下の手法により、図6に示す形態のセパレータを作製した。
まず、セパレータ本体として、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:35%、厚さ:10μm)を準備した。
一方、溶媒としてのNMP中に、粒子状材料である球状アルミナ粒子(平均粒子径:5μm)を10質量%となるように添加し、バインダであるPVdFを0.5質量%となるように添加して、粒子状材料スラリーを調製した。
上記で準備したセパレータ本体の両面に、同じく上記で調製した粒子状材料スラリーを塗布し、乾燥させて、粒子状材料から構成されるセパレータ層(第4のセパレータ層)を形成した。この第4のセパレータ層の空孔率を電子顕微鏡により観察したところ、約60%と、セパレータ本体の有する空孔率よりも大きかった。
上記で作製したセパレータを用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<比較例1>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:35%、厚さ:20μm)を単独で用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<比較例2>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:45%、厚さ:20μm)を単独で用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<比較例3>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:55%、厚さ:20μm)を単独で用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<比較例4>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:35%、厚さ:10μm)を単独で用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<充放電試験>
上記の各実施例および各比較例について、それぞれ10個ずつ同一の試験用コインセルを作製した。次いで、それぞれの試験用セルに対して30mAの定電流で10回ずつ充放電試験を行い、短絡を生じなかったセルを選別した。また、選別したセルについて、30mAの定電流で充放電を行った際の放電容量を測定した。さらに、2.5Vの定電位に保持した後に300mAの定電流で4.2Vまで充電した場合と、4.2Vの定電位に保持した後に300mAの定電流で放電した場合の容量をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に示す。短絡を生じなかったセルを選別した際の歩留まりもともに示す。
Figure 2012199252
各実施例と各比較例との比較から、本発明のセパレータを採用することにより、短絡を有効に防止しつつ、充電時および放電時のいずれの電池性能にも優れる電池が提供されうる。
1 セパレータ
2 第1のセパレータ層、
3 第2のセパレータ層、
4 第3のセパレータ層、
5 第4のセパレータ層、
6 セパレータ本体、
7 粒子状材料、
8 凸部、
10 バイポーラ電池、
11 集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 電池要素、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 ラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
35 負極集電体、
40 組電池、
50 自動車、
60 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池、
100 空孔。
参考例1>
<セパレータの作製>
以下の手法により、図1に示す形態のセパレータを作製した。
続いて、2枚の第2のポリプロピレン微多孔膜で第1のポリプロピレン微多孔膜を挟持して、本参考例のセパレータを完成させた。
上記で作製したセパレータを、第1のセパレータ層が正極活物質層と向き合い、第2のセパレータ層が負極活物質層と向き合うように積層したこと以外は、上記の参考例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
参考例4>
以下の手法により、図6に示す形態のセパレータを作製した。
上記で作製したセパレータを用いたこと以外は、上記の参考例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<比較例1>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:35%、厚さ:20μm)を単独で用いたこと以外は、上記の参考例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<比較例2>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:45%、厚さ:20μm)を単独で用いたこと以外は、上記の参考例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<比較例3>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:55%、厚さ:20μm)を単独で用いたこと以外は、上記の参考例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<比較例4>
セパレータとして、ポリプロピレン微多孔膜(空孔率:35%、厚さ:10μm)を単独で用いたこと以外は、上記の参考例1と同様の手法により、試験用セルを作製した。
<充放電試験>
上記の各参考例、各実施例および各比較例について、それぞれ10個ずつ同一の試験用コインセルを作製した。次いで、それぞれの試験用セルに対して30mAの定電流で10回ずつ充放電試験を行い、短絡を生じなかったセルを選別した。また、選別したセルについて、30mAの定電流で充放電を行った際の放電容量を測定した。さらに、2.5Vの定電位に保持した後に300mAの定電流で4.2Vまで充電した場合と、4.2Vの定電位に保持した後に300mAの定電流で放電した場合の容量をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に示す。短絡を生じなかったセルを選別した際の歩留まりもともに示す。
Figure 2012199252

Claims (11)

  1. 電池用セパレータであって、
    セパレータの有する空孔率が、セパレータの厚さ方向に対して変化していることを特徴とする、セパレータ。
  2. セパレータの厚さ方向に対して、セパレータの少なくとも一方の表面側の空孔率がセパレータの中央部の空孔率よりも大きい、請求項1に記載のセパレータ。
  3. 空孔率の異なる複数のセパレータ層が積層されてなり、この際、より空孔率の小さい第1のセパレータ層がセパレータの中央部に積層され、より空孔率の大きい第2のセパレータ層がセパレータの少なくとも一方の表面に積層されてなる、請求項2に記載のセパレータ。
  4. 空孔率の異なる複数のセパレータ層が積層されてなり、この際、シート状材料から構成され、より空孔率の大きいシート状セパレータ層がセパレータの中央部に積層され、粒子状材料から構成され、より空孔率の大きい粒子状セパレータ層がセパレータの少なくとも一方の表面に積層されてなる、請求項2に記載のセパレータ。
  5. シート状材料から構成されるセパレータ本体の内部に、粒子状材料が、前記セパレータ本体の少なくとも一方の表面から突出するように充填されてなる、請求項2に記載のセパレータ。
  6. シート状材料から構成されるセパレータ本体の少なくとも一方の表面に凸部が形成されてなる、請求項2に記載のセパレータ。
  7. 正極活物質を含む正極活物質層と、電解質を含むセパレータからなる電解質層と、負極活物質を含む負極活物質層と、がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有する電池であって、
    前記電解質層を構成するセパレータが請求項1〜6のいずれか1項に記載のセパレータである、電池。
  8. 非水電解質電池である、請求項7に記載の電池。
  9. バイポーラ型リチウムイオン二次電池である、請求項7または8に記載の電池。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の電池を用いた組電池。
  11. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の電池、または請求項10に記載の組電池を搭載した輸送機関。
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