JP2012201023A - 光触媒発泡壁紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材と、オレフィン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂を含む発泡樹脂組成物を発泡させてなる発泡樹脂層と、フィルム層と、光触媒を含む光触媒層とをこの順に有する光触媒発泡壁紙。
【選択図】図1
Description
基材と、発泡樹脂層と、フィルム層と、光触媒を含む光触媒層とをこの順に有する光触媒発泡壁紙であって、
該発泡樹脂層がオレフィン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂を含む発泡樹脂組成物を発泡させてなるものである、光触媒発泡壁紙
を提供するものである。
本発明で用いられる基材2は、通常壁紙として用いられるものであれば、特に限定されず、例えば裏打紙、難燃紙、合成樹脂シート、織布、不織布、編布等を用途に応じて適宜選択することができる。なかでも、スルファニル酸グアナジンやリン酸グアナジン等の水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機質剤を混抄した無機質紙等の通常壁紙用裏打紙、またはこれを用いた裏打材等が、好ましく用いられる。裏打紙は、カール防止の観点より、水中伸度2%以下であるものが好ましく、1.8%以下であるものがより好ましく用いられる。なお、水中伸度はJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.27:2000に準拠して測定された値である。
また、基材2の厚さは、特に制限はないが、秤量が50〜300g/m2程度、好ましくは55〜160g/m2の範囲である。特に、壁紙施工時の下地の凹凸を拾う、いわゆる不陸が目立たなくするには、60〜160g/m2の範囲が好ましい。
基材2としては、JIS P8119に準拠して測定される表面平滑度が40秒以下である片艶裏打紙も、生産安全性の観点から、好ましく用いられる。ここで、表面平滑度が大きいほど、表面平滑性が高いことを示す。また、この片艶裏打紙は、カール防止の観点より、水中伸度1.5%以下であることが好ましく、1.2%以下であることがより好ましい。
また、ヤンキードライヤーによる乾燥条件は、特に限定されるものではないが、一般に、水分が30〜70質量%の湿紙シートを80〜140℃のヤンキードライヤーシェルに接触させ、水分が3〜10質量%程度になるまで乾燥させるのが好ましい。
本発明の発泡壁紙の基材として片艶裏打紙を用いる場合は、その上層部となる発泡樹脂層等は、片艶裏打紙のいずれの面にも制限なく設けられるが、艶を有さない面に上層部を設けると、糊の塗布量を削減することが可能となるので好ましい。
基材2としては、層間強度が12〜40N/mである裏打材−1も好ましく用いられる。該裏打材の層間強度は、好ましくは12〜25N/mであり、より好ましくは12〜20N/mである。裏打材の層間強度が上記範囲内にあれば、壁紙の施工時に、壁紙に糊を塗布して引っ張ることによって壁紙が破れることがなく、壁紙を良好に貼着することができる。また、壁紙の剥離が裏打材の層間で起こりやすくなり、剥離の際に剥離界面のばらつきが生じることもない。このように、新たな壁紙を貼付する際の施工性が良好となる。
発泡壁紙の両面に30mm幅のクラフトテープ(積水化学工業(株)製)を貼り付け、長さ250mm、幅15mmに裁断して試験片を得る。縦方向の層間強度を測定する場合は縦目に、横方向の層間強度を測定する場合は横目に試験片を作成する。次いで、クラフトテープを引っ張り、試験片の剥離挙動を目視にて評価する。クラフトテープを引っ張る機械としては、JIS P−8113(紙及び板紙の引っ張り強さ試験方法)に規定される試験機を用いる。
これらの制御方法を組み合わせることで、裏打材の層間強度を上記の好ましい範囲に制御することができる。
また、基材2としては、クラーク剛度が好ましくは75%以下であり、より好ましくは70%以下である裏打材−2も好ましく用いられる。裏打材のクラーク剛度が上記の範囲内にあれば、施工時の折れじわの発生を抑制することができる。ここで、クラーク剛度の測定は、JIS P−8143に準拠したものである。
これらの制御方法を組み合わせることで、裏打材のクラーク剛度を本発明で特定する範囲に制御することができる。
本発明において、光触媒発泡壁紙1は、好ましくは非発泡樹脂層3A及び/又は非発泡樹脂層3Bを有する。非発泡樹脂層3A及び3Bは、絵柄層5に用いられるインキ組成物が発泡樹脂層4を経由して基材2中に浸透することを抑制することができる。また、非発泡樹脂層3Aは、基材2と発泡樹脂層4との間に設けられて、発泡樹脂層4と基材2との接着力を向上させることができる。製造安定性の観点からは、非発泡樹脂層3A及び非発泡樹脂層3Bの両方を有することが好ましい。
非発泡樹脂層3A及び3Bは同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
非発泡樹脂層3A及び3Bを構成する樹脂としては、特に制限はないが、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂単体及び各種共重合体樹脂を挙げることができ、なかでもオレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のオレフィンの単独重合体及び各種共重合体、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ないしはアイオノマー、またはこれらの1種ないしそれ以上からなる混合樹脂を挙げることができる。なかでも特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)の少なくとも1種が好ましい。EVA及びEMMAは特に限定されず、公知又は市販のものを使用することができる。特に、EVAは、酢酸ビニル成分(VA成分)が15〜30質量%であるものが好ましい。また、EMMAは、メタクリル酸メチル成分(EMA成分)が15〜30質量%であるものが好ましい。
また、非発泡樹脂層3A及び3Bは、各種添加剤を必要に応じて含有することができる。例えば、無機充填剤を入れて増量効果を付与したり、難燃剤を入れて難燃性を付与することもできる。また、架橋する場合は、発泡樹脂層で用いられる架橋助剤を配合することもできる。
無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の粉末(粒子)のほか、マイカ、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、ケイ砂、シラスバルーンのような無機質中空体等が挙げられる。
ゴム類としては、例えばジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等が挙げられる。このなかでも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させてなるもので、本発明においてはオレフィン系樹脂の改質材として、使用される。オレフィン系樹脂の結晶化を抑え、柔軟性、透明性を高める役割がある。また、一般にオレフィン系樹脂にジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合のため、耐候性・耐熱性はジエン系ゴム無添加のオレフィン系樹脂より低下するが、本発明では、ジエン系ゴムの二重結合を水素で飽和させるため、オレフィン系樹脂の耐候性、耐熱性の低下も無く良好なものとなる。
ゴム類の添加量としては、特に限定されないが、通常はオレフィン系樹脂100質量部に対し、1〜90質量部程度とすれば良い。
非発泡樹脂層3A及び3Bは、上記のような樹脂等を含む非発泡樹脂組成物を、例えばエマルジョン化してエマルジョン組成物としたもの、又はペレット化したものを、コンマコーター法や、Tダイによる押出製膜法、カレンダー製膜法、接着剤を用いるドライラミネートによる方法等の公知の方法によって形成することができる。ここで、エマルジョン化は通常なされる方法ですることができ、エマルジョン組成物は例えば、非発泡樹脂組成物中の熱可塑性樹脂を乳化重合法等によりエマルジョン化した後に、その他の成分を所定量加えて得ることができる。
なお、ここで言う電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含むものである。紫外線源としては、例えば超高圧水銀燈、高圧水銀燈、低圧水銀燈、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源を用いることができる。また、電子線源としては、例えばコックロフトワルトン型、パンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いればよい。照射線量としては、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
非発泡樹脂層3A及び3Bの厚みは、優れた表面特性を得て、エンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保する目的より、3〜50μmが好ましく、より好ましくは10〜20μmである。
非発泡樹脂層3A及び3Bに市販のフィルムを用いる場合、その厚みは、3〜50μmであることが好ましく、10〜20μmがより好ましい。フィルムの厚みが上記範囲内であれば、該フィルムの製造上の制約をうけることなく、また、優れた表面特性を得ることができ、エンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保することができる。
発泡樹脂層4は、オレフィン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂を含む発泡樹脂組成物を発泡させてなるものである。前記発泡樹脂組成物は、好ましくは発泡剤、無機充填剤、その他の各種添加剤を必要に応じて含む。
発泡樹脂層4を設けることで、光触媒発泡壁紙1に難燃性を付与することができる。
発泡樹脂組成物に含まれるオレフィン系樹脂はオレフィン成分を含む樹脂であり、オレフィンの単独重合体樹脂や2種類以上のオレフィン同士の共重合体樹脂だけでなく、オレフィン成分と他のモノマー成分との共重合体樹脂も包含される。
オレフィン系樹脂の中でも、エチレン系樹脂であることが好ましい。エチレン系樹脂としては例えば、エチレン単独重合体樹脂(PE);エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA);エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、炭素原子数3〜5のエチレン−アルキルアクリレート共重合体樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)等のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂が挙げられる。
これらの中でも、環境保護の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、及びエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂がより好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、及びエチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(EMMA)の少なくとも1種を用いることがさらに好ましい。
エチレン系樹脂以外のオレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレン系樹脂、ブテン系樹脂、ペンテン系樹脂などが挙げられる。
オレフィン系樹脂は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
発泡樹脂組成物に含まれるアクリル系樹脂は(メタ)アクリル成分を含む樹脂であり、(メタ)アクリル成分(即ち、(メタ)アクリル酸又そのエステル)の単独重合体樹脂や2種類以上の(メタ)アクリル成分同士の共重合体樹脂だけでなく、(メタ)アクリル成分と他のモノマー成分との共重合体樹脂も包含される。
アクリル系樹脂としては例えば、アクリル酸メチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸エチル樹脂等の単独重合体樹脂;エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、炭素原子数3〜5のエチレン−アルキルアクリレート共重合体樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)等のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂が挙げられる。
アクリル系樹脂は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤、N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジドなどのアジド化合物などが挙げられる。低コストであるとともに、分解熱が小さく、難燃性かつ自己消化性に優れ、水に安定であり、無毒であり、熱分解型化学発泡剤が分解温度以下での加工処理が可能であることから、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド等のアゾ化合物の熱分解型発泡剤が好適である。
発泡樹脂層4に用いる無機充填剤は、特に制限はなく、様々なものを用いることができる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フライアッシュ、脱水汚泥、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、焼成タルク、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、シリカバルーン、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、製鉄スラグ、銅、鉄、酸化鉄、カーボンブラック、センダスト、アルニコ磁石、各種フェライト等の磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、三酸化アンチモン、マグネシウムオキシサルフェイト、水和アルミニウム、水和石膏、ミョウバン、等が挙げられる。なかでも、分解温度が低く、吸熱量が大きく、低コストであることから水酸化アルミニウムが好適である。なお、これら無機充填剤は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明において用いる無機充填剤の平均粒径は、5〜25μmが好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。
発泡樹脂層4は、発泡樹脂組成物を用いて未発泡樹脂層を形成する工程、及び該未発泡樹脂層を発泡させる工程、を経て形成される。
未発泡樹脂層の形成は、非発泡樹脂層3A及び3Bと同様の方法により行うことができる。また、架橋処理を行うことができるのも、非発泡樹脂層3A及び3Bと同様である。Tダイによる押出製膜法を採用する場合、非発泡樹脂層3A及び/又は非発泡樹脂層3Bと、未発泡樹脂層との形成は、別々に行ってもよいし、同時に行ってもよい。同時に押出製膜する場合、各層に対応する溶融樹脂を同時に押出製膜することにより、複数層の同時形成が可能となるマルチマニホールドタイプのTダイ等が用いられる。
なお、未発泡樹脂層の形成にTダイによる押出製膜法を採用した場合、発泡樹脂組成物に好ましく含有される無機充填剤が、押出成形機の押出口(いわゆるダイス)に残存しやすく、無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)がシート表面の異物となりやすい傾向がある。このような場合、非発泡樹脂層3A及び非発泡樹脂層3Bの両方を設けることが好ましい。このような構成にすれば、目やにの発生は、二層の非発泡樹脂層3A及び3Bで未発泡樹脂層を挟んで同時形成することで、抑制することが可能となり、優れた製造安定性が得られる。
また、発泡樹脂層4の厚みについては、特に制限されず、所望の特性等に応じて適宜設定することができるが、製膜状態において(即ち、未発泡樹脂層の厚みで)50〜300μmが好ましく、発泡後の状態において(即ち、発泡樹脂層4の厚みで)350〜1200μmが好ましい。また、発泡樹脂層4の形成にあたっての、発泡倍率も、特に制限されないが、通常は3〜7倍程度であればよい。発泡倍率が上記範囲内であれば、良好な表面強度、加工性等を得ることができる。
本発明において、光触媒発泡壁紙1は、絵柄層5を有してもよい。絵柄層5は、基材2に装飾性を与えるものであり、図1に示されるように好ましくは発泡樹脂層4とフィルム層7との間に積層される層である。
絵柄層5は、一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等、周知の印刷方法により形成することができる。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワークなどの模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
絵柄層5は厚さ1〜20μm程度が好ましい。
本発明において、光触媒発泡壁紙1は、接着剤層6を有してもよい。フィルム層7と発泡樹脂層4との接着性が低い場合、例えば上記のエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂フィルムを用いた場合は、必要に応じて両層間に接着剤層6を設けることが好ましい。接着剤層6に用いられる接着剤としては、特に制限はないが、製造工程の観点より感熱接着剤が好ましい。感熱接着剤とは、一般に常温では固体であり、加熱により溶融又は軟化して接着性を発現し、冷却すると固化して強固に接着する性質を有する熱可塑性樹脂を主要成分とする接着剤のことをいう。これを適当な溶剤に溶解、もしくは加温により溶融させて、被接着体の一方又は両方の接着面に塗布し、両者を重ね合わせて加熱加圧することにより接着させるものである。具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン系共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、アイオノマー系樹脂、オレフィン−αオレフィン系共重合体樹脂などの易接着樹脂単体、及びオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、フィルム層の主成分となる熱可塑性樹脂とのブレンド品などが好ましく挙げられる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
本発明の光触媒発泡壁紙1は、フィルム層7を有する。発泡樹脂層4と光触媒層8の間にフィルム層7を設けることで、フィルム層7より下側(基材2側)に位置する発泡樹脂層4等に光触媒が埋没するのを防ぎ、発泡樹脂層4等を光触媒による分解から保護し、光触媒の活性の低下を抑制することができる。即ち、本発明の光触媒発泡壁紙1に優れた有機揮発性物質等の分解性能を付与するものである。さらに、耐汚染性、耐セロファンテープ性、耐擦傷性、耐薬品性などの表面性能を付与することも可能である。
本発明の光触媒発泡壁紙1は、光触媒を含む光触媒層8を有する。光触媒層8は光触媒発泡壁紙1に優れた有機揮発性物質等の分解性能を付与することができる。
光触媒としては、公知の光触媒を制限なく用いることができる。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛、硫化カドミウム、窒素(N)ドープした酸化チタン、硫黄(S)ドープした酸化チタンなどが好ましく挙げられる。これらのうち、室内などの用途を考慮すると、蛍光灯や白熱球などの室内灯から照射される可視光領域の光により光触媒作用を発現する可視光応答型光触媒が好ましく、酸化タングステン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、窒素(N)ドープした酸化チタン、硫黄(S)ドープした酸化チタンが好ましく、窒素(N)ドープした酸化チタン、硫黄(S)ドープした酸化チタンがより好ましい。
また、コーティング剤中の無機バインダーの含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。無機バインダーの含有量が上記範囲内であれば、コーティング剤の安定性が良好となり、光触媒の性能を阻害することがない。
本発明において、光触媒発泡壁紙1は光触媒層8とフィルム層7との間に、中間層(図示せず)を有してもよい。中間層は、シリカ粒子とバインダーを含有することが好ましいが、シリカ粒子は含有していなくてもよい。
中間層を設けることで、光触媒層8とフィルム層7の密着性が向上するとともに、エンボス加工による光触媒機能の低下をさらに抑制することができる。特に、シリカ粒子を含有する中間層を設けた場合には、バインダーから突出したシリカ表面上の光触媒粒子は、シリカ粒子の存在によりエンボス加工による埋没が抑えられ、光触媒機能の低下を抑制する効果に優れる。シリカ粒子のBET比表面積は140m2/g以上であることが好ましく、Sが大きいほどシリカ表面上に存在する光触媒粒子の量が増えるために好ましい。本発明のシリカ粒子の粒径は、好ましくは平均粒子径が1μm〜7μmであり、より好ましくは2.5μm〜5μmである。なお、ここで言う平均粒子径はレーザー法で測定したものである。
中間層コーティング液は、上述したシリカ粒子とバインダーに加えて、溶媒を含む。前記溶媒は、特に限定されず、例えば、水;エタノール、メタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類と水との混合溶媒のような水性媒体;などが挙げられる。これらの中でも特に、水が好ましい。
本発明の中間層コーティング液を用いて中間層を形成するに際しては、例えば、スピンコート、ディップコート、ドクターブレード、スプレーまたはハケ塗りなど従来公知の方法により中間層コーティング液を塗布し、その後、中間層コーティング液中の溶媒を除去しうる温度で加熱すればよい。
本発明において、光触媒発泡壁紙1は、意匠性に優れたものとするために凹凸模様9を有することが好ましい。図1に示される凹凸模様9は、好ましくは製造過程にある壁紙がいずれかの手段によってエンボス可能な温度となっているときに、光触媒層8の上面、すなわち最外層側からエンボス版で加熱加圧することにより形成することができる。エンボス版で加熱加圧することにより形成される凹凸は、その最深部分は、発泡樹脂層4の上面に達するものである。凹凸模様9の形成には、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機が好ましく用いられ、凹凸模様9の形状としては、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などがある。
本発明の光触媒発泡壁紙1は、例えば以下の製造方法によって製造されるが、これによって制限されるものではない。
フィルム層7の一方の面に必要に応じて接着剤層6を構成する樹脂を塗布し、さらに光触媒層コーティング剤を塗布・乾燥させて、光触媒層8を有するシートを得る。また、基材2上に塩化ビニル樹脂、可塑剤、その他発泡剤、無機充填剤、添加剤を含む発泡樹脂組成物をコンマコーター法にてコーティングし、さらに絵柄層5を形成するインキ組成物をグラビア印刷により塗布した後、加熱発泡炉を用いて220〜250℃程度で前記発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層4を形成して基材シートを得る。次いで、該基材シートを冷却した後、150℃程度まで再加熱してから、前記光触媒層8を有するシートの最外層側よりエンボス版が形成された冷却ロール(光触媒層を有するシート側)と加圧ロール間を通すことで両シートを熱圧着し、凹凸模様9を形成した後、冷却することで、光触媒層8から発泡樹脂層4にかけて凹凸模様9を形成した本発明の光触媒発泡壁紙を得ることができる。なお、前記のように、接着剤層6は必要に応じて、所望の層間に設けることができる。
[実施例1]
公知のTダイ押出機を用いて、いずれもエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用して、非発泡樹脂層A/未発泡樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に、各層の厚みが10μm/80μm/10μmになるように製膜して3層から成る積層体Aを得た。
前記非発泡樹脂層A及び前記非発泡樹脂層Bには以下の(a−1)非発泡樹脂組成物を用い、前記未発泡樹脂層には以下の(b−1)発泡樹脂組成物を用いた。
(a−1)非発泡樹脂組成物:
・エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学(株)製、商品名:エバテートCV5053)
(b−1)発泡樹脂組成物:
・エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学(株)製、商品名:エバテートCV5053)、100質量部
・発泡剤(永和化成製、商品名:ADCA#3)、4質量部
・炭酸カルシウム(白石工業製、商品名:ホワイトンH)、30質量部
・二酸化チタン(顔料)(デュポン製、商品名:タイピュアR−108)、20質量部
・光安定剤((株)ADEKA製、商品名:OF−101)、1質量部
・架橋剤(JSR(株)製、商品名:オブスターJVA−702)、1質量部
次いで、グラビア印刷により、積層体Bの非発泡層樹脂層B面に水性インキ(大日精化工業(株)製、商品名:ハイドリック)を用いて布目模様(絵柄層)を印刷し、積層体Cを得た。
上記の積層体Cを、加熱発泡炉を用いて230℃で加熱することにより、未発泡樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成させて積層体Eを得た後、当該積層体Eを上記の積層体Dと同時にエンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面に凹凸模様を有する壁紙を得た。
非発泡樹脂層Bに以下の(a−2)非発泡樹脂組成物を用い、未発泡樹脂層には以下の(b−2)発泡樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。
(a−2)非発泡樹脂組成物:
・エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポン ポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレルN1535)
(b−2)発泡樹脂組成物:
・エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポン ポリケミカル(株)製、商品名:ニュクレルN1535)、100質量部
・発泡剤(永和化成製、商品名:ADCA#3)、4質量部
・炭酸カルシウム(白石工業製、商品名:ホワイトンH)、30質量部
・二酸化チタン(顔料)(デュポン製、商品名:タイピュアR−108)、20質量部
・光安定剤((株)ADEKA製、商品名:OF−101)、1質量部
・架橋剤(JSR(株)製、商品名:オブスターJVA−702)、1質量部
非発泡樹脂層Bに上記(a−2)非発泡樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。
非発泡樹脂層Bに以下の(a−3)非発泡樹脂組成物を用い、未発泡樹脂層には以下の(b−3)発泡樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。
(a−3)非発泡樹脂組成物:
・低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名:ペトロセン202)
(b−3)発泡樹脂組成物:
・低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名:ペトロセン202)、50質量部
・超低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名:LUMITAC54−1)、50質量部
・発泡剤(大塚化学(株)製、商品名:ユニフォームウルトラAZ3050)、4質量部
・軽質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:Brilliant−15、平均粒径:0.15μm)、40質量部
・二酸化チタン(顔料)(デュポン製、商品名:タイピュアR−108)、30質量部
・発泡助剤((株)ADEKA製、商品名:アデカスタブOF−101)、5質量部
・架橋助剤(JSR(株)製、商品名:オプスターJUA702)、1質量部
非発泡樹脂層A及び非発泡樹脂層Bに上記(a−3)非発泡樹脂組成物を用い、未発泡樹脂層に上記(b−3)発泡樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。
実施例1と同様の非発泡樹脂組成物と発泡樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で積層体Cを作製した。次いで、積層体Cの絵柄層上に、可視光型酸化チタン光触媒コーティング剤(住友化学(株)製、商品名:TC−S4115)を乾燥後の厚みが1μmとなるように塗布、乾燥して光触媒層を形成し、積層体Fを得た。該積層体Fを加熱発泡炉を用いて230℃で加熱することにより、未発泡樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成させた後、エンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面に凹凸模様を有する壁紙を得た。
実施例及び比較例で得られた壁紙について、以下の方法で評価した。
(光触媒湿式分解性能試験)
実施例及び比較例で得られた光触媒発泡壁紙を5cm×10cmの大きさに裁断し、壁紙試験片とした。該試験片を、内容量5リットル(L)のテドラーバック内に挿入し、5Lの合成空気〔(窒素:酸素)容積比:4/1、RH50%〕をテドラーバック内に送り込み、ブラックライト2mW/cm2で16時間初期化処理を行った。
その後、テドラーバック内のアセトアルデヒド濃度が20ppmとなるように1体積%のアセトアルデヒド0.94mlをテドラーバック内に送り込み、ブラックライト1mW/cm2を照射して、アセトアルデヒドによる湿式分解性能試験を実施した。テドラーバック内のアセトアルデヒド濃度(ppm)の経時変化はガスクロマトグラフィーにより測定した。測定結果を表2及び図2に示す。
2 基材
3A、3B 非発泡樹脂層
4 発泡樹脂層
5 絵柄層
6 接着剤層
7 フィルム層
8 光触媒層
9 凹凸模様
Claims (10)
- 基材と、オレフィン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂を含む発泡樹脂組成物を発泡させてなる発泡樹脂層と、フィルム層と、光触媒を含む光触媒層とをこの順に有する光触媒発泡壁紙。
- 前記光触媒が、可視光応答型光触媒である請求項1に記載の光触媒発泡壁紙。
- 前記フィルム層を構成する樹脂が、オレフィン系樹脂である請求項1又は2に記載の光触媒発泡壁紙。
- 前記フィルム層を構成するオレフィン系樹脂が、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂である請求項3に記載の光触媒発泡壁紙。
- 前記発泡樹脂組成物が、前記オレフィン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の光触媒発泡壁紙。
- 前記発泡樹脂組成物が、前記オレフィン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂として、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の光触媒発泡壁紙。
- 前記発泡樹脂組成物が、前記オレフィン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂として、エチレン単独重合体樹脂を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の光触媒発泡壁紙。
- 前記基材と前記発泡樹脂層との間に、非発泡樹脂層Aをさらに有する、請求項1〜7のいずれかに記載の光触媒発泡壁紙。
- 前記発泡樹脂層と前記フィルム層との間に、非発泡樹脂層Bをさらに有する、請求項1〜8のいずれかに記載の光触媒発泡壁紙。
- 凹凸模様を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の光触媒発泡壁紙。
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