JP2012201338A - 摩擦抵抗低減船およびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな動力を必要とせず、微細気泡(マイクロバブル)を船体の外表面に供給して、船体と水との間の摩擦抵抗を低減した摩擦抵抗低減船およびその運転方法を提供する。
【解決手段】プレート2の内側面と球状船首の外側面との間の間隔は隔壁部材3によって複数の流路4に区画され、流路4の途中は流路断面積が小さくなった絞り部6とされている。船の航行に伴って入口4aから流入した水は流路4の絞り部6で絞られた後、急激に流路断面積が大きくなるため負圧が発生する。
【選択図】図5

Description

本発明は、微細気泡(マイクロバブル)を船体の外表面に供給して、船体と水との間の摩擦抵抗を低減した摩擦抵抗低減船およびその運転方法に関する。
船体の航行の妨げとなる抵抗には造波抵抗と摩擦抵抗がある。造波抵抗を低減する構造として球状船首(バルバス・バウ)が知られている。また、摩擦抵抗を低減する手段として微細気泡(マイクロバブル)を船体の外表面に供給する手段が知られている。
微細気泡を船体の外表面に供給する場合、出来るだけ船首に近い部分に供給することが摩擦を低減する上で有利である。斯かる内容は特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている内容は、球状船首に穴を開け、この穴からコンプレッサで圧縮した空気を噴出すものである。気泡の径が小さいと水中での上昇速度が遅くなり、船体表面を包むようになり、摩擦抵抗の低減に有利となる。
しかしながら、特許文献1ではコンプレッサの圧力を利用して穴から噴出させているので気泡の径は大きい。噴出する気泡は破砕されてその径は小さくなるが船体表面の摩擦抵抗低減に効果的な気泡の径は1mm以下と言われており十分ではない。
微細気泡を発生する手段として、特許文献2に示すようなウィングを用いた構造が知られている。
この構造は、船体内側に空気と海水を混合するミックスチャンバーを設け、船の航行に伴ってウィングで負圧を発生せしめ、この負圧をミックスチャンバー内に作用させ、ミックスチャンバー内でケルビンーヘルムホルツ不安定現象(比重の大きな水が上になり比重の小さな空気が下になる現象)を起こさせ、この現象によって気泡を微細化し、これを船体表面に供給するものである。
特開2000−159184号公報 WO2009/139132号公報
前記したように特許文献1の構造では微細気泡を形成できない。またコンプレッサの圧力のみを利用して空気を噴出しているため、コンプレッサを駆動するための消費動力が大きくなり、省エネを十分達成することができない。
一方、特許文献2に開示されるようにウィングを用いたタイプでは、微細気泡を発生でき且つコンプレッサが必要といってもそれはウィングで発生する負圧では気液界面を十分に押し下げることができない場合のアシストとして必要なだけであるので、大きな動力は必要とされず省エネの観点からも有利である。
しかしながら、ウィングを用いた構造では以下の問題が残されている。
先ず、ウィングは船体外側面より外側に露出しており、負圧が発生するウィング内側面(船体表面と対向する面)とミキシングチャンバーとの間には間隔が存在する。一方、ウィング内側の負圧が発生する領域は全ての方向に向かって開放されており、発生した負圧はミキシングチャンバーに対し集中的に作用するのではなく、周囲全体に均等に作用するため、負圧が発生しても瞬時に周りから負圧を解消する水が入り込み、負圧が有効にミキシングチャンバーに作用しにくい。
航行に伴って船体はピッチングする。このピッチングによってウィングを装着した部分も上下動する。ウィングが上下動すると負圧発生箇所もずれてしまい、効率よく気泡が形成されない。
上記課題を解決するため本発明は、船体表面に微細気泡を供給することで摩擦抵抗を低減するようにした摩擦抵抗低減船であって、この摩擦抵抗低減船は球状船首を備え、この球状船首の外側に環状若しくは帯状のプレートを配置して前記球状船首外側面とプレート内側面との間に隙間を形成し、この隙間を隔壁部材によって複数の流路に区画し、各流路内には負圧を発生するための絞り部が設けられ、また前記球状船首の船体内側には気体供給源からの空気と海水とを混合するミキシングチャンバーが設けられ、前記流路の絞り部よりも下流側部分が前記ミキシングチャンバーと連通した構成とした。
また、上記の摩擦抵抗低減船を運転する方法としては、ミキシングチャンバー内で気液の混合を行うために、船の航行速度および喫水からの深さを考慮して前記気体供給源からミキシングチャンバーへ送り込む圧力を調整する。
本発明に係る摩擦抵抗低減船によれば、船体の航行に伴って発生する負圧は流路内で発生する。この流路は入口及び出口以外はミキシングチャンバーとの連通部分を除いて閉じている。したがって、流路内で発生した負圧はミキシングチャンバーに集中的に作用するため、従来のウィング方式に比べ、効率が大幅に向上する。
また、負圧は流路内で発生するため、航行に伴いピッチングによって船体が上下動しても、船体と一体的に負圧も上下動するため、ミキシングチャンバーに対する負圧は変動することがない。
また、本発明に係る運転方法によれば、航行速度および喫水からの深さに応じてミキシングチャンバーに送り込む空気の圧力をバルブなどで調整するようにしたので、運転条件に作用されず微細気泡を形成することができる。
本発明に係る摩擦抵抗低減船の側面図 図1の要部拡大図 図1の要部拡大断面図 図2のA方向矢視図 流路をプレートの外側から見た図 流路とミキシングチャンバーとの関係を示す断面図 ミキシングチャンバーへ空気を供給する配管の一例を示す図
以下に本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。本発明に係る摩擦抵抗低減船は造波抵抗を低減するための球状船首1を備え、この球状船首1の外側に環状のプレート2を取り付け、このプレート2の内側面と球状船首1の外側面との間に間隔を設けている。
尚、プレート2は環状とせずに、例えば球状船首1の下側半分を半周するような帯状としてもよい。また、プレート2と球状船首1とは必ずしも平行でなくてもよい。例えばプレート2と球状船首1の間隔は後方側において大きくなるようにしてもよい。
プレート2の内側面と球状船首1の外側面との間の間隔は隔壁部材3によって複数の流路4に区画されている。流路4の入口4aは船の航行方向を基準として前方となり出口4bは後方となる。入口4aには流路4内に異物が入り込むのを防止するプロテクター5を設けている。
また、流路4の途中は流路断面積が小さくなった絞り部6とされている。船の航行に伴って入口4aから流入した水は流路4の絞り部6で絞られた後、急激に流路断面積が大きくなるため負圧が発生する。
一方、プレート2に対応する船体内側にはミキシングチャンバー7を設けている。このミキシングチャンバー7は流路4ごとに設けてもまた複数の流路4に対し1つのミキシングチャンバー7を設けてもよい。
ミキシングチャンバー7は連通部8を介して流路4の絞り部6よりも下流側に連通している。ミキシングチャンバー7は配管を介してリザーバタンク9につながっており、このリザーバタンク9にはコンプレッサ10から加圧空気が供給される。ミキシングチャンバー7とリザーバタンク9をつなぐ配管は、主配管11とこれから分岐して各ミキシングチャンバー7に結合する分岐管11a、11b、11c、11dからなる。
各分岐管11a、11b、11c、11dには圧力調整または流量調整を行う調整バルブVa、Vb、Vc、Vdが設けられ、これら調整バルブVa、Vb、Vc、Vdのバルブの開度は制御装置12からの信号によって調整される。
制御装置12には速度センサ及び喫水センサからの信号が送られ、これらセンサからの信号を処理し最適なバルブ開度を各調整バルブVa、Vb、Vc、Vdに出力する。
即ち、仮にリザーバタンク9内が大気圧であったとすると、配管内の気液の界面は喫水面と等しくなる。この状態から、気液の界面がミキシングチャンバー7内まで下がっていないと、船舶の航行に伴って絞り部6の下流で負圧が発生しても、負圧の絶対値が不足し微細気泡を発生することができない。
そこで、制御装置12からの信号は、速度センサからの信号によって微細気泡が発生する負圧を計算し、喫水センサからの信号によって配管内の気液の界面の位置を割り出し、各調整バルブの二次側圧がどれだけになれば気液の界面がミキシングチャンバー7内まで下がるかを計算し、それに応じた開度信号を各調整バルブに出力する。
開度計算の一例を示せば、全開に対する開度をD(%)、速度をV(ノット)、喫水深さをH(m)とした場合、開度(D)=k×H/V(kは船の形状で決まる定数)で求めることができる。
また、ミキシングチャンバー7にはCCDカメラなどの微細気泡発生の有無を検知する検知部材13を設けることが好ましい。制御装置12の計算は速度センサと喫水センサからの信号に基づいているが、配管内の状況や実際の取付角度などは考慮していないため、計算通りにはいかないことも考えられる。
そこで、検知部材13によって微細気泡が発生を発生していないことを検知した場合には、更に開度を大きくするフィードバック制御を行うことが好ましい。
また、信号の出力と微細気泡の発生との間にはタイムラグが生じる。一方船舶の特徴として、ピッチングやローリングは一定の間隔で上下動を繰り返す。そこで、船首が下降行程にあるときは更に喫水面からの距離が大きくなることを見越して開度を計算値よりも大きくし、逆に船首が上昇行程にあるときは更に喫水面からの距離が小さくなることを見越して開度を計算値よりも小さく設定するアクティブ制御を行うようにしてもよい。
以上において、船の航行に伴って流路4の入口4aから海水が流路4に取り入れられ、流路4内に取り入れられた海水は絞り部6で絞られ、この絞り部6の下流側において急激に解放されるため絞り部6の下流側で負圧が発生する。ここで、流路4は入口4a及び出口4b以外は連通部8を介してミキシングチャンバー7にのみ連通している。その結果、発生した負圧はミキシングチャンバー7に集中的に作用し、ミキシングチャンバー7内において効果的にケルビンーヘルムホルツ不安定現象が発生し、気泡が微細化され、出口4bから船体表面に沿って流れる。
1…球状船首、2…プレート、3…隔壁部材、4…流路、4a…流路の入口、4b…流路の出口、5…プロテクター、6…絞り部、7…ミキシングチャンバー、8…連通部、9…リザーバタンク、10…コンプレッサ、11…主配管、11a、11b、11c、11d…分岐管、12…制御装置、13…検知部材、Va、Vb、Vc、Vd…調整バルブ。

Claims (2)

  1. 船体表面に微細気泡を供給することで摩擦抵抗を低減するようにした摩擦抵抗低減船であって、この摩擦抵抗低減船は球状船首を備え、この球状船首の外側に環状若しくは帯状のプレートを配置して前記球状船首外側面とプレート内側面との間に隙間を形成し、この隙間を隔壁部材によって複数の流路に区画し、各流路内には負圧を発生するための絞り部が設けられ、また前記球状船首の船体内側には気体供給源からの空気と海水とを混合するミキシングチャンバーが設けられ、前記流路の絞り部よりも下流側部分が前記ミキシングチャンバーと連通していることを特徴とする摩擦抵抗低減船。
  2. 請求項1に記載の摩擦抵抗低減船を運転する方法であって、ミキシングチャンバー内で気液の混合を行うために、船の航行速度および喫水からの深さを考慮して前記気体供給源からミキシングチャンバーへ送り込む圧力を調整することを特徴とする摩擦抵抗低減船の運転方法。
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