JP2012201510A - 炭酸マンガンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナトリウム等の不純物の混入を抑制でき、高純度の炭酸マンガンをより簡単且つ安価に得ることが可能な炭酸マンガンの製造方法を提供する。
【解決手段】マンガン溶液にアルカリ剤を添加してpH調整し、水酸化マンガンを作製する水酸化工程と、得られた水酸化マンガンを純水中で洗浄する洗浄工程と、洗浄後の水酸化マンガンに炭酸ガスを吹き込む炭酸化工程とを備える炭酸マンガンの製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】マンガン溶液にアルカリ剤を添加してpH調整し、水酸化マンガンを作製する水酸化工程と、得られた水酸化マンガンを純水中で洗浄する洗浄工程と、洗浄後の水酸化マンガンに炭酸ガスを吹き込む炭酸化工程とを備える炭酸マンガンの製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭酸マンガンの製造方法に関し、特に、マンガン溶液からの炭酸マンガンの製造方法に関する。
近年、電子機器やリチウムイオン二次電池のような電池材料に加えて合金その他様々な材料においてマンガンの使用が盛んに行われてきている。これらの機器・電池・材料等においては、マンガンだけでなく他の金属成分が組み合されて使用されている。このため、機器・電池等に使用されていたマンガンをリサイクルするにあたっては、これらの金属成分からマンガンのみを分離することが必要である。
マンガンの分離のための手法の一つとして酸性抽出剤を用いる方法があり、特開2008−231522号公報(特許文献1)に示されているように一般的に用いられている。しかしながら、酸性抽出剤を使用すると、抽出剤から水相に金属成分を取り出すために酸と接触させる必要がある。抽出剤に含まれるマンガンの多くを水相に移すためには、抽出剤に接触する水相を強酸性に変えておかなければならない。このように抽出工程を通じて得られたマンガン水溶液は強酸性である。
このようにして得られた酸性マンガン溶液から酸化マンガンか炭酸マンガンを得ようとするためにpH調整を実施する場合、例えば苛性ソーダや苛性カリのような水酸化物を用いると水相のナトリウムやカリウムイオン濃度が上昇し、目的の炭酸マンガン中に不純物が混入しやすくなると考えるのが一般的である。そこで考えられた手法が、特開2011−016668号公報(特許文献2)に示されている中和剤としてアンモニアを使用する方法である。しかしながら、アンモニアを使用するとその処理のために製造コストの増加を引き起こす。そこで、より安価に高純度なマンガン化合物を得る手法が求められてきた。
マンガン溶液から炭酸マンガンを安価に得ようとする場合、pH調整剤・炭酸供給剤として炭酸ナトリウムを用いて、炭酸マンガンの沈殿を生成させろ過により分離することが最も簡単な方法である。次に考えられる方法が、炭酸化反応が起こるpH領域までpHを上げる目的で苛性ソーダや苛性カリを用い、その後に炭酸塩により炭酸化する方法も考えられる。しかしながら、これらの方法では炭酸化時に液中に含まれるナトリウム成分が炭酸マンガンに混入する恐れがある。
特に前述のように抽出工程から得られた逆抽出液のように酸濃度が高い場合は、pH調整によって溶液に多くのナトリウムが増えてしまうため、さらにナトリウム分が炭酸マンガン中に混入しやすい条件になってしまう。こういったナトリウムの混入を取り除くために多量の洗浄水を使用すると、炭酸マンガンをろ液に流出させてしまうし、洗浄を続けても炭酸マンガンの内部に含まれているナトリウム分は減少しない。
そこで、本発明は、ナトリウム等の不純物の混入を抑制でき、高純度の炭酸マンガンをより簡単且つ安価に得ることが可能な炭酸マンガンの製造方法を提供する。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討した結果、マンガン溶液のpHを適正な範囲に調整して水酸化マンガンを生成させ、洗浄後、得られた水酸化マンガンに対して炭酸ガスを吹き込むことで、マンガン溶液中のナトリウム濃度を有意に低下させ、高純度の炭酸マンガンを簡単且つ安価に得ることができることを見いだした。
かかる知見を基礎として完成した本発明は一側面において、マンガン溶液にアルカリ剤を添加してpH調整し、水酸化マンガンを作製する水酸化工程と、得られた水酸化マンガンを純水中で洗浄する洗浄工程と、洗浄後の水酸化マンガンに炭酸ガスを吹き込む炭酸化工程とを備える炭酸マンガンの製造方法である。
本発明の炭酸マンガンの製造方法は一実施態様において、水酸化工程が、マンガン溶液のpHを9以上に調整することを含む。
本発明の炭酸マンガンの製造方法は別の一実施態様において、洗浄工程は、洗浄後の水酸化マンガン中のナトリウム濃度が100massppm以下となるように洗浄することを含む。
本発明の炭酸マンガンの製造方法は別の一実施態様において、アルカリ剤が水酸化ナトリウムである。
本発明によれば、ナトリウム等の不純物の混入を抑制でき、高純度の炭酸マンガンをより簡単且つ安価に得ることが可能な炭酸マンガンの製造方法が提供できる。
本発明の実施の形態に係る炭酸マンガンの製造方法において、原料とするマンガン溶液のマンガン濃度は任意のものを使用できる。始めにマンガン溶液にアルカリ剤を加え、液中に水酸化物でマンガンが沈殿するまでpHを上げる。pH調整に使用されるアルカリ剤としては、苛性ソーダ、苛性カリ等が利用可能である。水酸化マンガンを高効率で得るために、pH調整は、マンガン溶液のpHを9以上、好ましくはpHを9.0〜9.5に調整するのが望ましい。
水酸化マンガンを生成させた後は、ろ過などにより、得られた水酸化マンガンと液側中に溶解するナトリウム分とを固液分離する。固液分離は通常はろ過で行う。さらに純水による洗浄を行い、ナトリウム分を取り除く操作を繰り返す。洗浄回数に特に制限はないが、水酸化マンガンを含むスラリー中のナトリウム濃度を100質量ppm以下に低減するように洗浄することが好ましい。これにより、最終的に得られる炭酸マンガンの不純物(ナトリウム)濃度を低減でき、高純度の炭酸マンガンが得られる。以下に制限されないが、洗浄工程は、例えば4回以上洗浄を繰り返すことにより、水酸化マンガンを含むスラリー中のナトリウム濃度を100質量ppm以下に低減できる。なお、マンガンの酸化を抑えたい場合は、デカンテーションを利用して空気との接触による酸化を防ぐことが好ましい。
洗浄後の水酸化マンガンのスラリーに炭酸ガスを吹き込み、炭酸マンガンを生成させる。炭酸ガスを使用することにより、従来の製造工程に比べてナトリウム等の不純物の混入を抑制でき、より簡単且つ安価に高濃度の炭酸マンガンを製造することができる。
炭酸ガスの吹き込み量としては、水酸化マンガン水溶液1〜100g/L、1Lに対して炭酸ガス(二酸化炭素)10〜1000ml/分、好ましくは50〜200ml/分で1〜1200分間とすることができる。反応後、ろ過等により得られた炭酸マンガンを固液分離し、得られた炭酸マンガンを乾燥させることにより、炭酸マンガンが製造できる。
このように本発明の実施の形態に係るマンガンの製造方法によれば、以下の効果を得られる。
(1)ナトリウム濃度の低い炭酸マンガンを容易に得られる。
(2)抽出後液からのマンガンの回収に当たり、酸性が強い液中から炭酸マンガンの生成においてもナトリウム等の不純物が少ない炭酸マンガンを容易に得られる。
(1)ナトリウム濃度の低い炭酸マンガンを容易に得られる。
(2)抽出後液からのマンガンの回収に当たり、酸性が強い液中から炭酸マンガンの生成においてもナトリウム等の不純物が少ない炭酸マンガンを容易に得られる。
以下に本発明の実施例を示すが、以下の実施例に本発明が限定されることを意図するものではない。
(実施例1)
図1に示す処理フローに沿って、炭酸マンガンを製造した。まず、マンガン水溶液(pH4.8、マンガン濃度50g/L、200ml)に、25%−NaOHを45ml添加した。このマンガン液スラリーをろ過により固液分離した。ろ液のpHは9、Na濃度は24.26g/Lであった。ろ別したMnスラリーは純水中にリパルプして、Naを洗浄した。洗浄操作は4回繰り返した。洗浄液のNa濃度は1回目から順に12.35g/L、0.109g/L、0.017g/L、0.008g/Lであった。4回洗浄後のスラリーを一部乾燥して得られた粉末のNa品位を測定したところ96massppmであった。
図1に示す処理フローに沿って、炭酸マンガンを製造した。まず、マンガン水溶液(pH4.8、マンガン濃度50g/L、200ml)に、25%−NaOHを45ml添加した。このマンガン液スラリーをろ過により固液分離した。ろ液のpHは9、Na濃度は24.26g/Lであった。ろ別したMnスラリーは純水中にリパルプして、Naを洗浄した。洗浄操作は4回繰り返した。洗浄液のNa濃度は1回目から順に12.35g/L、0.109g/L、0.017g/L、0.008g/Lであった。4回洗浄後のスラリーを一部乾燥して得られた粉末のNa品位を測定したところ96massppmであった。
4回洗浄後のスラリーを再度純水中にリパルプして、二酸化炭素を100ml/分の条件で120分間吹き込んだ。二酸化炭素吹込み後に殿物をろ過して殿物を液相より分離した。殿物は、乾燥後、XRD分析を行ったところ、殿物は主に炭酸マンガンであることが分かった。得られた沈殿物のXRDパターンを図2に示す。
炭酸マンガン中のナトリウム不純物品位を測定したところ70massppmであった。
炭酸マンガン中のナトリウム不純物品位を測定したところ70massppmであった。
(比較例1)
マンガン水溶液(pH6、マンガン濃度35g/L)を1L用意し、100g/L−炭酸ソーダ溶液を1L加えた。添加後のpHは10.5であった。このマンガン液スラリーをろ過により固液分離した。次に純水中にリパルプすることで、Naの洗浄を行った。洗浄操作を6回繰り返し、洗浄液のNa濃度を測定したところ0.005mg/Lであった。
炭酸マンガン中のナトリウム不純物濃度を測定したところ3500massppmであった。
マンガン水溶液(pH6、マンガン濃度35g/L)を1L用意し、100g/L−炭酸ソーダ溶液を1L加えた。添加後のpHは10.5であった。このマンガン液スラリーをろ過により固液分離した。次に純水中にリパルプすることで、Naの洗浄を行った。洗浄操作を6回繰り返し、洗浄液のNa濃度を測定したところ0.005mg/Lであった。
炭酸マンガン中のナトリウム不純物濃度を測定したところ3500massppmであった。
Claims (4)
- マンガン溶液にアルカリ剤を添加してpH調整し、水酸化マンガンを作製する水酸化工程と、
得られた水酸化マンガンを純水中で洗浄する洗浄工程と、
洗浄後の水酸化マンガンに炭酸ガスを吹き込む炭酸化工程と
を備える炭酸マンガンの製造方法。 - 前記水酸化工程が、マンガン溶液のpHを9以上に調整することを含む請求項1に記載の炭酸マンガンの製造方法。
- 前記洗浄工程は、洗浄後の水酸化マンガン中のナトリウム濃度が100massppm以下となるように洗浄することを含む請求項1又は2に記載の炭酸マンガンの製造方法。
- 前記アルカリ剤が水酸化ナトリウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭酸マンガンの製造方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2011064465A JP2012201510A (ja) | 2011-03-23 | 2011-03-23 | 炭酸マンガンの製造方法 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101541616B1 (ko) | 2013-12-26 | 2015-08-04 | 주식회사 포스코 | 망간화합물 제조공정에서 마그네슘 불순물의 제거 방법 |
| KR101568023B1 (ko) | 2013-12-26 | 2015-11-11 | 주식회사 포스코 | 망간화합물 제조공정에서의 마그네슘 제거 방법 |
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2011
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