JP2012201566A - 無機繊維結合セラミックス部品及びその製造方法 - Google Patents

無機繊維結合セラミックス部品及びその製造方法 Download PDF

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努 児玉
Kenji Matsunaga
賢二 松永
Hisao Tanaka
久男 田中
Shohei Mizutsu
翔平 水津
Shinji Kajii
紳二 梶井
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Abstract

【課題】信頼性や精度の高い複雑な形状も含みうる無機繊維結合セラミックス部品、及び短期間に低コストでクラックや欠け等の欠陥がなく、複雑形状の形成も可能な該部品の製造方法を提供する。
【解決手段】Si、M、C及びOを含む非晶質物質、並びにβ−SiC、MC及びCを含む結晶質微粒子とSiO及びMOを含む非晶質物質との集合体、のうち少なくとも1つからなる無機繊維と、Si及びOを含む非晶質物質、並びに結晶質のSiO及びMOを含む結晶質物質、のうち少なくとも1つからなる無機物質と、Cを主成分とする境界層と、から構成される無機繊維結合セラミックス、及び主としてSiCの焼結構造からなり、0.01〜1質量%のO、及び特定の金属原子を含有する無機繊維と、Cを主成分とする境界層と、から構成される無機繊維結合セラミックスを放電加工する無機繊維結合セラミックス部品の製造方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、緻密で耐熱性が高く破壊抵抗の大きい無機繊維結合セラミックス部品及びその製造方法に関し、特に、1200℃以上の高温に曝され、かつ高い緻密性、及び破壊抵抗を要求される薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑な形状を有した精密部品、たとえば、航空宇宙産業用の燃焼器部材や高効率発電用のガスタービン部材などに適用出来る無機繊維結合セラミックス部品及びその製造方法に関する。
一般的に緻密な耐熱性セラミックス材料は耐摩耗性や高い破壊強度等の特性を有しており、機械構造材料、特に高温機械部材として注目されている。しかしながら、耐熱性セラミックス材料は金属材料に比べ、硬度が高く脆性という特性を有するため、部品形状に加工する方法としては、切削による機械加工が困難であり、ダイヤモンド工具による研削加工が多用されているが、工具摩耗が激しく、高精度な加工が容易ではなく、コストが高いといった問題が多い。
そのため、導電性を有するセラミックスの部品加工に関しては、放電加工法を用いた複雑形状の部品加工が行われている。この放電加工法は、電極と被加工物との間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって被加工物表面の一部を除去する加工方法であり、主として、従来の機械加工技術では加工できなかった硬い材料に適用される。また、放電加工の電極は、被加工物に触れないので、被加工物に作用する加工負荷が非常に小さく、これまで機械加工が困難であった微細形状の加工が可能となる。しかしながら、放電加工を行ったセラミックスは、溶融、凝固を繰り返し行う為、加工表面に熱影響層、残留熱応力および微細亀裂が発生し、耐破壊強度が、放電加工前のものに比べ低下するという欠点が知られている。非特許文献1においては、炭化珪素セラミックスをワイヤ放電加工して、曲げ強度の比較を行ったところ、ワイヤ放電加工前に比べ30〜50%の強度低下が認められている。耐熱性構造材料においては、このような強度低下は重要な欠点となることから、セラミックスの部品加工に放電加工法を選択する大きな妨げとなっている。
一方、特許文献1には、高い表面精度と高い破壊抵抗を有する無機繊維結合セラミックスが開示されている。これらは、1300℃以上の高温においても優れた力学的特性を有し、且つ、カーボン繊維強化カーボン基複合材料やセラミックス繊維強化セラミックス基複合材料などの超高温材料と比較すると、緻密性が高く表面平滑性に優れ、炭化ケイ素や窒化ケイに代表される一般的な耐熱性セラミックスに比べ、破壊試験において即時破壊せず、応力−変位曲線が非線形挙動を示し、破壊抵抗が大きいという優れた特徴を有している。このような特徴から、高い寸法精度が必要とされる高温部材への適応が期待されている。
特開2001−181046号公報
金子健正他、「高強度絶縁性炭化珪素セラミックスのワイヤ放電加工特性(第2報)放電加工による曲げ強度特性への影響」、電気加工学会全国大会(2007)講演論文集、325頁
しかしながら、上記の特許文献1に記載された無機繊維結合セラミックスは、無機繊維の織物やシート状の積層物を高温高圧処理して製造されているため、繊維強化方向と繊維積層方向では材料の特性が異なる性質を有しているという特徴がある。特に繊維積層方向の破壊強度は繊維強化方向に比べて十分ではないため、この無機繊維結合セラミックスを中空、薄肉、細穴、及び湾曲などの複雑形状に部品加工するには、無機繊維結合セラミックスの力学的特性の異方性などを始めとする諸性質の十分な理解と高度な機械加工技術が必要であった。
また、部品形状への機械加工は、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだ砥石を用いた研削加工法がほとんどであり、平面研削盤、薄切盤、マシニングセンター等の機械を用いて部品加工を行っている。しかしながら、ダイヤモンド砥石を用いた研削加工法では、上述したように、使用する砥石が高価であること、工具摩耗が激しいこと、複雑な形状の部品加工が困難であり、加工負荷が大きいため加工中に部品が破損してしまう、などの問題点が挙げられる。複雑な形状を有した精密な無機繊維結合セラミックス部品を、損傷させることなく寸法精度良く研削加工するには、例えば、薄肉形状部品の製造においては無機繊維結合セラミックスを構成している繊維材の積層方向にクラックの発生を抑制することが重要であり、積層方向にクラックが発生しない研削加工条件の検討が必須であった。このため正規部品を製造する前に、種々の条件で正規部品と同形状、或いはそれに近い形状の部品を予備加工して、積層方向にクラックが発生せず、かつ加工時間のかからない最適条件を選定していた。この条件選定には、予備素材を作製するための費用、及び期間が必要であった。また、選定された条件は部品への加工負担を抑制した条件である為、通常よりも加工時間が長くなり、製造コストに大きく影響した。また、従来の機械加工では製作できない形状の加工が可能になれば無機繊維結合セラミックス部品の適用範囲は大きく広がることになる。
従って、本発明は、耐熱性が高く破壊抵抗の大きい、信頼性や精度の高い薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑な形状も含みうる無機繊維結合セラミックス部品、及び短期間に低コストで且つクラックや欠け等の欠陥がなく、複雑形状の形成も可能な該無機繊維結合セラミックス部品の製造方法を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、無機繊維の表面にCを主成分とする境界層が形成された無機繊維結合セラミックスを放電加工することにより、耐熱性が高く破壊抵抗の大きい、信頼性や精度の高い薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑な形状も含みうる無機繊維結合セラミックス部品を製造することができることを見出した。
すなわち本発明は、
(A1)下記(a1)及び(a2)のうち少なくとも1つからなる無機繊維と、
(a1)Si、M、C及びOを含む非晶質物質(MはTi又はZrを示す。以下同じ。)、
(a2)β−SiC、MC及びCを含む結晶質微粒子と、SiO及びMOを含む非晶質物質との集合体、
(A2)前記無機繊維の間隙を充填する、下記(a3)及び(a4)のうち少なくとも1つからなる無機物質と、
(a3)Si及びOを含む非晶質物質、
(a4)結晶質のSiO及びMOを含む結晶質物質、
(A3)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする1〜100nmの境界層と、
から構成される無機繊維結合セラミックスAを放電加工することを特徴とする無機繊維結合セラミックスA部品の製造方法である。
また、本発明は、
(B1)主としてSiCの焼結構造を含む無機繊維であって、0.01〜1質量%のO、及び2A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有する無機繊維と、
(B2)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする1〜100nmの境界層と、
から構成される無機繊維結合セラミックスBを放電加工することを特徴とする無機繊維結合セラミックスB部品の製造方法である。
また、本発明は、前記製造方法により得られた無機繊維結合セラミックス部品に関する。
以上のように、本発明によれば、無機繊維の表面にCを主成分とする境界層が形成された無機繊維結合セラミックスを放電加工することにより、従来の機械加工法で発生していたクラックや欠け等の欠陥を防止し、信頼性や精度の高い薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑な形状の無機繊維結合セラミックス部品を製造することが可能であり、且つ、従来の機械加工法と同等な素材の破壊強度を有することを特徴とする無機繊維結合セラミックス部品の製造方法を提供することができる。
実施例1に係る無機繊維結合セラミックスAの断面を電子顕微鏡で撮影した断面組織写真である。 実施例1及び実施例2に係る無機繊維結合セラミックスA及び無機繊維結合セラミックスBのワイヤ放電加工後の断面を光学顕微鏡で撮影した断面組織写真である。 実施例2に係る無機繊維結合セラミックスBの断面を電子顕微鏡で撮影した断面組織写真である。 実施例2に係る無機繊維結合セラミックスをワイヤ放電加工法によって加工した波板形状部品の写真である。
本発明において、無機繊維結合セラミックス部品とは、特定の部品に限定される物ではなく、上記無機繊維結合セラミックスを放電加工して形状を持たせた物であり、用途も限定されるものではない。以下、無機繊維結合セラミックスA及びBについてそれぞれ説明する。
[無機繊維結合セラミックスA]
まず、本発明に係る無機繊維結合セラミックスA部品に用いられる無機繊維結合セラミックスAについて説明する。無機繊維結合セラミックスAにおいて、(A1)無機繊維を構成する(a1)非晶質物質としては、Si、M、C及びOを含む非晶質物質が挙げられ、実質的にSi、M、C及びOからなる非晶質物質であることが好ましい。以下、MはTi又はZrを示す。
また、(A1)無機繊維を構成する(a2)結晶質微粒子と非晶質物質との集合体としては、β−SiC、MC及びCを含む結晶質微粒子と、SiO及びMOを含む非晶質物質との集合体であることが好ましい。
(A1)無機繊維は、これら(a1)非晶質物質及び(a2)結晶質微粒子と非晶質物質との集合体の混合物であってもよい。(A1)無機繊維を構成する各元素の割合は、Si:30〜60質量%、M:0.5〜35質量%、好ましくは1〜10質量%、C:25〜40質量%、O:0.01〜30質量%であることが好ましい。(A1)無機繊維の相当直径は一般に5〜20μmである。
無機繊維結合セラミックスAにおいて、(A2)無機物質を構成する(a3)非晶質物質としては、Si及びOを含む非晶質物質が挙げられ、実質的にSi及びOからなる非晶質物質であることが好ましく、この非晶質物質には、Mが含まれても良い。
また、(A2)無機物質を構成する(a4)結晶質物質としては、SiO及びMOを含む結晶質物質が挙げられ、実質的に結晶質のSiO及びMOからなる結晶質物質であることが好ましい。
さらに、(A2)無機物質は、(a5)結晶質微粒子を構成要素として含んでいることが好ましく、(A2)無機物質を構成する(a5)結晶質微粒子としては、100nm以下の粒径のMCを含む結晶質微粒子が挙げられ、実質的に100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子であることが好ましい。
(A2)無機物質を構成する各元素の割合は、Si:20〜65質量%、M:0.3〜40質量%、好ましくは1〜15質量%、C:30〜55質量%、O:0〜5質量%であることが好ましい。(A2)無機物質は、(A1)無機繊維の間隙を充填するように存在し、無機繊維同士を結合するように作用する。
無機繊維結合セラミックスAにおいて、(A1)無機繊維の表面に形成された(A3)境界層は、実質的にCを主成分とする1〜100nmの境界層であり、この境界層には、100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子が分散されても良い。この境界層は、無機繊維結合セラミックスAが破壊される際の滑り層として作用し、亀裂を直進的に進行させないための働きをしている。また、放電加工において被加工材にはある程度の導電率が要求される特性であるが、このCを主成分とする境界層が導電性を有していることから、この無機繊維結合セラミックスAを放電加工するにあたり重要な効果を発揮している。
この無機繊維結合セラミックスAは、上記に示した構造を反映して、破壊靭性に優れ、かつ非常に緻密であり、1500℃における強度は室温強度の80%以上の極めて高い力学的特性を維持している。
[無機繊維結合セラミックスA部品の製造方法]
次に、本発明に係る無機繊維結合セラミックスA部品の製造方法について説明する。本発明に係る無機繊維結合セラミックスA部品の製造方法において、原料となる(A0)無機繊維は、例えば、ジメチルジクロロシランを出発原料とし、これに金属ナトリウムで脱塩素縮合して合成されるポリジメチルシランを、450℃以上で加熱重縮合して合成されるポリカルボシランを前駆体とする。このポリカルボシランを溶融紡糸し、空気中100〜200℃で不融化処理し、さらに引き続いて窒素中1000〜1300℃で焼成することによって、(a01)Si、M、C及びOを含む非晶質物質、(a02)β-SiC、MC及びCを含む結晶質微粒子と、SiO及びMOを含む非晶質物質との集合体、又は(a03)上記(a01)の非晶質物質と上記(a02)の集合体との混合物を含有する無機質物質で構成される(A0)無機繊維を得ることができる。
このような(A0)無機繊維は、例えば特開昭62−289614号公報に記載の方法に従って製造することができ、市販品、例えばチラノ繊維(登録商標:宇部興産(株)製)を用いることもできる。この(A0)無機繊維の相当直径は一般に5〜20μmである。
次に、(A0)無機繊維を酸化性雰囲気下に、500〜1500℃、好ましくは800〜1200℃の温度範囲で加熱する。酸化性雰囲気としては、空気、純酸素、オゾン、水蒸気、及び炭酸ガスが挙げられる。前記加熱によって、(A0)無機繊維の表面が酸化されて、(A0)無機繊維の表面に(a04)Si及びOを含む非晶質物質、(a05)結晶質のSiO及びMOの少なくとも一つを含む結晶質物質、又は(a06)上記(a04)の非晶質物質と上記(a05)の結晶質物質との混合物を含有する無機質物質で構成される(A02)無機物質が形成される。この(A02)無機物質の厚さは一般に10〜600nmである。
上記酸化工程を経ることにより、原料となる(A0)無機繊維は、内面層が(A0)無機繊維、表面層が(A02)無機物質から構成される(A01)無機繊維となる。得られた(A01)無機繊維は、内面層が、(a01)Si、M、C及びOを含む非晶質物質、(a02)β-SiC、MC及びCを含む結晶質微粒子と、SiO及びMOを含む非晶質物質との集合体、又は(a03)上記(a01)の非晶質物質と上記(a02)の集合体との混合物を含有する無機質物質で構成され、表面層が(a04)Si及びOを含む非晶質物質、(a05)結晶質のSiO及びMOの少なくとも一つを含む結晶質物質、又は(a06)上記(a04)の非晶質物質と上記(a05)の結晶質物質との混合物を含有する無機質物質で構成され、かつ、表面層の厚さT(単位μm)が下記式(1)を満足する(A01)無機繊維である。内面層としては、例えば(a01)実質的にSi、M、C及びOからなる非晶質物質、(a02)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCとの固溶体、MC1−x、及びCのうち1以上からなる結晶質微粒子が分散されたSiO及びMOの非晶質物質、並びに(a03)これら(a01)非晶質物質及び(a02)結晶質微粒子が分散された非晶質物質の混合物の少なくとも一つからなるものを用いることができる。また、表面層の前記(a04)非晶質物質は、さらにMを含んでも良い。
このように形成された内面層が(A0)無機繊維及び表面層が(A02)無機物質からなる(A01)無機繊維は、無機繊維結合セラミックスを形成する(A1)無機繊維及び(A2)無機物質と構成元素(物質)及びその割合が同じである。
次に、予備成形体(I)を作製する。まず、前述のように製造された内面層及び表面層が(A02)無機物質からなる(A01)無機繊維を織物、繊維を一方向に配向したシート、繊維束、又は連続繊維を切断したチョップ状短繊維の少なくとも1種類の形状に裁断加工し、その形状物を積層して、予備成形体(I)を形成する。
次に、予備成形体(I)を不活性ガス雰囲気下において加圧焼結することによって、本発明に用いられる無機繊維結合セラミックスAを構成する(A1)無機繊維、(A2)無機物質、及び1〜100nmの(A3)境界層が形成される。不活性ガスとしては、アルゴン及び窒素が挙げられる。焼結温度は、1400〜2000℃、好ましくは1500〜1900℃の範囲の温度である。焼結温度が1400℃より低いと、無機繊維同士の結合が不十分であり、優れた力学的特性を発現することができない。一方、焼結温度が2000℃を超えると、無機繊維の熱分解反応が進行し、均質な無機繊維結合セラミックスAを得ることが困難になる。
加圧焼結方法としては、成形と焼結を同時に行うホットプレス法、及び熱間等方加圧処理法(HIP法)が挙げられる。
ホットプレス法で焼結を行う場合には、カーボンからなる押型に、離型剤としてカーボン製のシート又は窒化ホウ素をスプレーしたものを用い、不活性ガス雰囲気中において20〜60MPa、好ましくは30〜50MPaの圧力で予備成形体(I)を加圧しながら、同時に加熱し無機繊維結合セラミックスAを得ることができる。
HIP法で焼結を行う場合は、ガラス製、又は金属製のカプセル中に予備成形体(I)をセットし、そのカプセル内を真空封入して、不活性ガス雰囲気中において20〜80MPa、好ましくは30〜70MPaの圧力で予備成形体(I)を封入したカプセルに等方圧をかけながら、同時に加熱することによって無機繊維結合セラミックスAを得ることができる。ガラス製のカプセルは、特に限定はないが、耐熱性に優れた溶融石英が好ましい。金属製のカプセルとしては、融点が1400℃以上の金属であり、タンタル、ニオブ等の高融点金属が好ましい。
加圧焼結処理により得られた無機繊維結合セラミックスAを素材から最終部品形状に近い形状まで加工する粗加工は、平面研削盤、薄切盤、又はマシニングセンターによって行う。そして、無機繊維結合セラミックスA素材、又はその素材を最終部品形状に近い形状まで加工した粗加工材の薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑形状部の仕上げ加工を、放電加工法によって加工する。もちろん、放電加工法を必要としない単純形状部の加工は、従来の機械加工法で行ってもかまわない。放電加工法には形彫放電加工、ワイヤ放電加工、及び細穴放電加工があり、部品形状によって選択する。この放電加工法を用いることにより、クラックや欠け等の欠陥が発生していない精密な無機繊維結合セラミックスA部品を製造することができる。
[無機繊維結合セラミックスB]
次に、本発明に係る無機繊維結合セラミックスB部品に用いられる無機繊維結合セラミックスBについて説明する。無機繊維結合セラミックスBにおいて、(B1)無機繊維としては、主としてSiCの焼結構造からなる無機繊維が挙げられ、実質的に0.01〜1質量%のO、及び2A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有し、最密充填に極めて近い構造に結合していることが好ましい。
SiCの焼結構造からなる無機繊維は、主としてβ−SiCの多結晶焼結構造からなり、β−SiC及びCの結晶質微粒子を含むことが好ましい。Cの微結晶及び/又は極微量のOを含有するβ−SiC結晶粒子同士が粒界第2相を介すことなく焼結した領域ではSiC結晶間の強固な結合が得られる。仮に繊維中で破壊が起こる場合は、少なくとも30%以上の領域でSiCの結晶粒内で進行する。場合によっては、SiC結晶間の粒界破壊領域と粒内破壊領域が混在する。
(B1)無機繊維は、2A族、3A族及び3B族の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有する。2A族、3A族及び3B族の金属元素の中では、特にBe、Mg、Y、Ce、B、Alが好ましく、これらはいずれもSiCの焼結助剤として知られているもので、また有機ケイ素ポリマーのSi−H結合と反応し得るキレート化合物やアルコキシド化合物が存在するものである。この金属の割合が過度に少ないと繊維材の十分な結晶性が得られず、その割合が過度に高くなると、粒界破壊が多くなり力学的特性の低下を招くことになる。(B1)無機繊維を構成する元素の割合は、通常、Si:55〜70質量%、C:30〜45質量%、O:0.01〜1質量%、2A族、3A族及び3B族の金属元素:0.05〜4.0質量%、好ましくは、0.1〜2.0質量%である。
また、無機繊維結合セラミックスBにおいて、(B1)無機繊維の表面に形成された(B2)境界層としては、実質的にCを主成分とする1〜100nmの境界層であることが好ましい。この境界層は、無機繊維結合セラミックスが破壊される際の滑り層として作用し、亀裂を直進的に進行させないための働きをしている。また、放電加工において被加工材にはある程度の導電率が要求される特性であるが、このCを主成分とする境界層が導電性を有しているため、この無機繊維結合セラミックスBを放電加工するにあたり重要な効果を発揮している。
この無機繊維結合セラミックスBは、上記に示した構造を反映して、破壊靭性に優れ、かつ非常に緻密であり、1600℃においても室温強度と同等の極めて高い力学的特性を維持している。
[無機繊維結合セラミックスB部品の製造方法]
次に、本発明に係る無機繊維結合セラミックスB部品の製造方法について説明する。本発明に係る無機繊維結合セラミックスB部品の製造方法において、原料となる(B0)無機繊維は、ケイ素原子に対する炭素原子の割合がモル比で1.5以上であるポリシラン或いはその加熱反応物に、2A族、3A族及び3B族の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する金属元素含有有機ケイ素重合体を調製する第1行程、金属元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸して紡糸繊維を得る第2行程、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中50〜170℃で加熱して不融化繊維を調製する第3行程、不融化繊維を不活性ガス中で無機化する第4行程によって得ることができる。
それぞれの工程について詳しく説明する。
第1工程
第1工程では、前駆重合体である金属含有有機ケイ素重合体を調整する。
ポリシランは、例えば「有機ケイ素化合物の化学」化学同人(1972年)に記載の方法に従い、1種類以上のジクロロシランを、ナトリウムを用いた脱塩素反応させることにより得られる、鎖状又は環状の重合体であり、その数平均分子量は通常300〜1000である。本発明においてポリシランは、ケイ素の側鎖として、水素原子、低級アルキル基、フェニル基又はシリル基を有することができるが、何れの場合も、ケイ素原子に対する炭素原子の割合がモル比で1.5以上であることが必要である。この条件を満足しないと、繊維中の炭素の全てが不融化の際に導入された酸素と共に、焼結に至るまでの昇温過程で炭酸ガスとして脱離し、繊維間の境界炭素層が形成されないので好ましくない。
本発明においてポリシランは、上記の鎖状又は環状のポリシランを加熱して得られる、ポリシラン結合単位に加えて一部にカルボシラン結合を含む有機ケイ素重合体を包含する。このような有機ケイ素重合体はそれ自体公知の方法で調製することができる。調製法の例としては、鎖状又は環状のポリシランを400〜700℃の比較的高い温度で加熱反応する方法、このポリシランにフェニル基含有ポリボロシロキサンを加えて250〜500℃の比較的低い温度で加熱反応する方法を挙げることができる。こうして得られる有機ケイ素重合体の数平均分子量は通常1000〜5000である。
フェニル基含有ポリボロシロキサンは、特開昭53−42300号公報及び同53−50299号公報に記載の方法に従って調製することができる。例えば、フェニル基含有ポリボロシロキサンは、ホウ酸と1種類以上のジオルガノクロロシランとの脱塩酸縮合反応によって調製することができ、その数平均分子量は通常500〜10000である。フェニル基含有ポリボロシロキサンの添加量は、ポリシラン100重量部に対して通常15重量部以下である。
ポリシランに対して、2A族、3A族及び3B族の金属元素を含有する化合物の所定量を添加し、不活性ガス中、通常250〜350℃の範囲の温度で1〜10時間反応することにより、金属元素含有有機ケイ素重合体を調製することができる。上記金属元素は、最終的に得られる無機繊維結合セラミックスBを構成する(B1)無機繊維中の金属元素の含有割合が0.05〜4.0質量%になる割合で使用され、具体的割合は本発明の教示に従って当業者が適宜に決定することができる。また、上記の金属元素含有有機ケイ素重合体は、ポリシランのケイ素原子の少なくとも一部が、金属原子と酸素原子を介してあるいは介さずに結合された構造を有する、橋かけ重合体である。
第1工程で添加される2A族、3A族及び3B族の金属元素を含有する化合物としては、前記金属元素のアルコキシド、アセチルアセトキシド化合物、カルボニル化合物、シクロペンタジエニル化合物等を用いることができ、例えば、ベリリウムアセチルアセトナート、マグネシウムアセチルアセトナート、イットリウムアセチルアセトナート、セリウムアセチルアセトナート、ほう酸ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート等を挙げることができる。これらはいずれも、ポリシラン或いはその加熱反応物との反応時に生成する有機ケイ素ポリマー中のSi−H結合と反応して、それぞれの金属元素がSiと直接あるいは他の元素を介して結合した構造を生成し得るものである。
第2工程
第2工程においては、金属元素含有有機ケイ素重合体の紡糸繊維を得る。前駆重合体である金属元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸及び乾式紡糸のようなそれ自体公知の方法によって紡糸し、紡糸繊維を得ることができる。
第3工程
第3工程においては、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中50〜170℃で加熱して不融化繊維を調製する。不融化の目的は、紡糸繊維を構成するポリマー間に酸素原子による橋かけ点を形成させて、後続の無機化工程において不融化繊維が溶融せず、かつ隣接する繊維同士が融着しないようにすることである。酸素含有雰囲気を構成するガスとしては、空気、酸素、オゾンが例示される。不融化時間は不融化温度に依存するが、通常、数分〜30時間である。不融化繊維中の酸素の含有量は8〜16質量%になるようにコントロールすることが望ましい。この酸素の大部分は、次工程の無機化後も繊維中に残存し、最終の焼結に至るまでの昇温過程において、無機繊維中の余剰炭素をCOガスとして脱離させる重要な働きをする。なお、酸素含有量が8質量%より少ない場合は、無機繊維中の余剰炭素が必要以上に残存し、昇温過程においてSiC結晶の回りに偏析して安定化するためβ−SiC結晶同士が粒界第2相を介すことなく焼結することを阻害し、また、16質量%よりも多い時は、無機繊維中の余剰炭素が完全に脱離して繊維間の境界炭素層が生成しない。これらは、いずれも得られる材料の力学的特性に悪影響を及ぼす。
前記不融化繊維は、さらに不活性雰囲気中で予備加熱することが好ましい。不活性雰囲気を構成するガスとしては、窒素、アルゴンなどを例示することができる。加熱温度は通常150〜800℃であり、加熱時間は数分〜20時間である。不融化繊維を不活性雰囲気中で予備加熱することによって、繊維への酸素の取り込みを防止しつつ、繊維を構成するポリマーの橋かけ反応をより進行させ、前駆重合体からの不融化繊維の優れた伸びを維持しつつ、強度をより向上させることができる、これにより、次工程の無機化を作業性よく安定に行うことができる。
第4工程
第4工程においては、不融化繊維を、連続式又は回分式で、アルゴンのような不活性ガス雰囲気中、1000〜1700℃の範囲内の温度で加熱処理して、無機化する。
次に、第1工程〜第4工程により得られた(B0)無機繊維より予備成形体(II)を作製する。(B0)無機繊維を織物、繊維を一方向に配向したシート、繊維束、又は連続繊維を切断したチョップ状短繊維の少なくとも1種類の形状に裁断加工し、その形状物を積層して、予備成形体(II)を形成する。
次に、予備成形体(II)を不活性ガス雰囲気下において加圧焼結することによって、本発明に用いられる無機繊維結合セラミックスBを構成する(B1)無機繊維、1〜100nmの(B2)境界層が形成される。不活性ガスとしては、アルゴン及び窒素が挙げられる。焼結温度は、1500〜2200℃、好ましくは、1700〜2000℃の範囲の温度である。
加圧焼結方法としては、成形と焼結を同時に行うホットプレス法、及び熱間等方加圧処理法(HIP法)が挙げられる。
ホットプレス法で焼結を行う場合には、カーボンからなる押型に、離型剤としてカーボン製のシート又は窒化ホウ素をスプレーしたものを用い、不活性ガス雰囲気中において20〜70MPa、好ましくは30〜60MPaの圧力で予備成形体(II)を加圧しながら同時に加熱し、無機繊維結合セラミックスBを得ることができる。
HIP法で焼結を行う場合は、ガラス製、又は金属製のカプセル中に予備成形体(II)をセットし、そのカプセル内を真空封入して、不活性ガス雰囲気中において20〜100MPa、好ましくは30〜80MPaの圧力で予備成形体(II)を封入したカプセルに等方圧をかけながら、同時に加熱することによって無機繊維結合セラミックスBを得ることができる。ガラス製のカプセルは、特に限定はないが、耐熱性に優れた溶融石英が好ましい。金属製のカプセルとしては、融点が1400℃以上の金属であり、タンタル、ニオブ等の高融点金属が好ましい。
加圧焼結処理により得られた無機繊維結合セラミックスBを素材から最終部品形状に近い形状まで加工する粗加工は、平面研削盤、薄切盤、又はマシニングセンターによって行う。そして、無機繊維結合セラミックスB素材、又はその素材を最終部品形状に近い形状まで加工した粗加工材の薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑形状部の仕上げ加工を、放電加工法によって加工する。もちろん、放電加工法を必要としない単純形状部の加工は、従来の機械加工法で行ってもかまわない。放電加工法には形彫放電加工、ワイヤ放電加工、及び細穴放電加工があり、部品形状によって選択する。この放電加工法を用いることにより、クラックや欠け等の欠陥が発生していない精密な無機繊維結合セラミックスB部品を製造することができる。
本発明の無機繊維結合セラミックス部品は、前記のようにして得られた耐熱性が高く破壊抵抗の大きく、信頼性や精度の高い、薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑な形状も含みうるセラミック部品である。
以下に本発明を更に詳しく説明するために実施例を示す。実施例に係る力学的特性は、次のように測定した。
[力学的特性の評価]
テンシロン万能試験機(オリエンテック製:RTC−1310A)を用いて、上部及び下部支点間距離をそれぞれ10mm及び30mmとして4点曲げ強度を求めた。曲げ試験片の形状は、幅4mm、厚さ3mm、長さ40mmとした。曲げ試験におけるクロスヘッドの移動速度は0.5mm/minとした。
(実施例1)
繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産(株)製)を1000℃の空気中で15時間加熱処理し表面層と内面層からなる無機繊維を作製した。繊維表面には上記式(1)でa=0.030に相当する平均約300nmの均一な表面層が形成されていた。次に、この無機繊維の繻子織物シートを作製し、90mm×90mmに切断した後、150枚を積層して、カーボンダイス中にセットし、アルゴン雰囲気下、温度1800℃、圧力40MPaでホットプレス成形し、無機繊維結合セラミックスAを得た。得られた無機繊維結合セラミックスAの断面を電子顕微鏡で観察したところ、ボイドや層間クラックがなく非常に緻密であり、Cを主成分とする境界層が繊維表面に均一に生成していた。図1に実施例1に係る無機繊維結合セラミックスAの断面を電子顕微鏡で撮影した断面組織写真を示す。
この無機繊維結合セラミックスA素材から薄切盤及び平面研削盤を用いた研削加工法により採取した曲げ試験片の室温強度を測定したところ、平均260MPaであり、更に、1400℃における曲げ強度を測定したところ、室温強度とほぼ同等の平均245MPaであった。
次に、ワイヤ放電加工による無機繊維結合セラミックスAの強度に及ぼす影響を調べるために、ホットプレス後の無機繊維結合セラミックスAからワイヤ放電加工機(三菱電機(株)製:DWC90SZ)を用いて曲げ試験片を採取した。ワイヤ電極線には直径0.2mmの真鍮ワイヤを使用し、加工送り速度を0.5mm/min、平均加工電圧を64Vとしてワイヤ放電加工を行った。ワイヤ放電加工後の無機繊維結合セラミックスAの断面を光学顕微鏡で観察し、層間クラックの有無を調べたが、クラックは確認されなかった。図2に、実施例1に係る無機繊維結合セラミックスAのワイヤ放電加工後の断面を工学顕微鏡で撮影した断面組織写真を示す。また、ワイヤ放電加工により採取した曲げ試験片の室温での4点曲げ強度を測定したところ、その平均強度は255MPaであり、研削加工法により採取した無機繊維結合セラミックスAの素材強度と同等であり、ワイヤ放電加工による強度変化がないことを確認した。
(実施例2)
まず、窒素ガス気流下にナトリウム400gを含有する無水キシレンを加熱環流させながら、ジメチルジクロロシラン1Lを滴下し、引き続き10時間加熱環流し沈殿物を生成させた。この沈殿をろ過し、メタノール、次いで水で洗浄して、白色のポリジメチルシラン420gを得た。次に、ジフェニルジクロロシラン750g、及びホウ酸124gを窒素ガス雰囲気下にn−ブチルエーテル中、100〜120℃で加熱し、生成した白色樹脂状物をさらに真空中400℃で1時間加熱処理することによって、フェニル基含有ポリボロシキサン530gを得た。前述で得られたポリジメチルシラン100部にこのフェニル基含有ポリボロシロキサン4部を添加し、窒素ガス雰囲気中、350℃で5時間熱縮合して、高分子量の有機ケイ素重合体を得た。この有機ケイ素重合体100部を溶解したキシレン溶液にアルミニウム−トリ−(sec−ブトキシド)を7部加え、窒素ガス気流下、310℃で架橋反応させることによって、ポリアルミノカルボシランを合成した。これを245℃で溶融紡糸し、空気中140℃で5時間加熱処理した後、更に窒素中300℃で10時間加熱して不融化繊維を得た。この不融化繊維を窒素中1500℃で連続焼成し、炭化ケイ素系連続無機繊維を合成した。次に、この無機繊維の繻子織物シートを作製し、90mm×90mmに切断した後、150枚を積層して、カーボンダイス中にセットし、アルゴン雰囲気下、温度1900℃、圧力50MPaでホットプレス成形し、無機繊維結合セラミックスBを得た。得られた無機繊維結合セラミックスB素材の断面を電子顕微鏡で観察したところ、繊維が最密充填構造の6角柱に近い形まで変形し、ボイドや層間クラックがなく非常に緻密であった。また、Cを主成分とする境界層が繊維表面に均一に生成していた。図3に、実施例2に係る無機結合セラミックスBの断面を電子顕微鏡で撮影した組織写真を示す。
この無機繊維結合セラミックスB素材から薄切盤及び平面研削盤を用いた研削加工法により採取した曲げ試験片の室温強度を測定したところ、平均300MPaであり、更に、1500℃における曲げ強度を測定したところ、室温強度とほぼ同等の平均290MPaであった。
次に、ワイヤ放電加工による無機繊維結合セラミックスBの強度に及ぼす影響を調べるために、ホットプレス後の無機繊維結合セラミックスBからワイヤ放電加工機(三菱電機(株)製:DWC90SZ)を用いて曲げ試験片を採取した。ワイヤ電極線には直径0.2mmの真鍮ワイヤを使用し、加工送り速度を2.0mm/min、平均加工電圧を55Vとしてワイヤ放電加工を行った。ワイヤ放電加工後の無機繊維結合セラミックスBの表面を光学顕微鏡で観察し、層間クラックの有無を調べたが、クラックは確認されなかった。図2に、実施例2に係る無機繊維結合セラミックスBのワイヤ放電加工後の断面を工学顕微鏡で撮影した断面組織写真を示す。また、ワイヤ放電加工により採取した曲げ試験片の室温での4点曲げ強度を測定したところ、その平均強度は295MPaであり、研削加工法により採取した無機繊維結合セラミックスBの素材強度と同等であり、ワイヤ放電加工による強度変化がないことを確認した。
(実施例3)
実施例1及び実施例2で得られた無機繊維結合セラミックスA素材及び無機繊維結合セラミックスB素材より、薄切盤及び平面研削盤を用いて、幅13mm、高さ13mm、長さ25mmに粗加工した後、ワイヤ放電加工によって薄肉部、及び湾曲部を有した幅0.4mm、高さ13mmの波板形状の部品採取を実施した。図4に、実施例2に係る無機繊維結合セラミックスBをワイヤ放電加工法により加工した波板形状部品の写真を示す。なお、実施例1に係る無機繊維結合セラミックスAを放電加工法により加工した部品も同様であり写真は省略する。この様な薄肉、湾曲形状の部品は従来の機械加工法では加工中の負荷が大きく、部品にクラックや欠け等の欠陥が生じる可能性が高いため非常に困難であったが、放電加工を用いることで信頼性や精度の高い無機繊維結合セラミックス部品を製造することが可能であることを確認した。
(比較例1)
実施例1及び実施例2で得られた無機繊維結合セラミックスA素材及び無機繊維結合セラミックスB素材より、ダイヤモンド砥石を使用した研削加工法を用いて、実施例3と同一の波板形状の部品採取を実施したが、研削加工中の負荷により、無機繊維結合セラミックスA素材及びB素材が層間方向に破損した。
本発明は、緻密で耐熱性が高く破壊抵抗の大きい無機繊維結合セラミックスを、短期間に低コストで且つクラックや欠け等の欠陥がなく、更に従来の機械加工法と同等な素材の破壊強度を有し、信頼性や精度の高い薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑な形状に放電加工することを特徴とする無機繊維結合セラミックス部品の製造方法に関する。
本発明に係る無機繊維結合セラミックス部品は、特に、1200℃以上の高温に曝され、かつ高い緻密性、及び破壊抵抗を要求される薄肉、中空、細穴、及び湾曲などの複雑な形状を有した精密部品、たとえば、航空宇宙産業用の燃焼器部材や高効率発電用のガスタービン部材などに適用できる。
1 無機繊維結合セラミックスAを構成する無機繊維
2 無機繊維結合セラミックスAを構成する無機物質
3 無機繊維結合セラミックスA及びBを構成する繊維境界層
4 無機繊維結合セラミックスBを構成する無機繊維

Claims (6)

  1. (A1)下記(a1)及び(a2)のうち少なくとも1つからなる無機繊維と、
    (a1)Si、M、C及びOを含む非晶質物質(MはTi又はZrを示す。以下同じ。)、
    (a2)β−SiC、MC及びCを含む結晶質微粒子と、SiO及びMOを含む非晶質物質との集合体、
    (A2)前記無機繊維の間隙を充填する、下記(a3)及び(a4)のうち少なくとも1つからなる無機物質と、
    (a3)Si及びOを含む非晶質物質、
    (a4)結晶質のSiO及びMOを含む結晶質物質、
    (A3)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする1〜100nmの境界層と、
    から構成される無機繊維結合セラミックスを放電加工することを特徴とする無機繊維結合セラミックス部品の製造方法。
  2. 前記(a3)は、さらにMを含む非晶質物質であることを特徴とする請求項1記載の無機繊維結合セラミックス部品の製造方法。
  3. 前記(A2)は、さらに(a5)100nm以下の粒径のMCを含む結晶質微粒子が分散されていることを特徴とする請求項1又は2記載の無機繊維結合セラミックス部品の製造方法。
  4. 前記(A3)は、さらに100nm以下の粒径のMCを含む結晶質微粒子が分散されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の無機繊維結合セラミックス部品の製造方法。
  5. (B1)主としてSiCの焼結構造からなる無機繊維であって、0.01〜1質量%のO、及び2A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有する無機繊維と、
    (B2)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする1〜100nmの境界層と、
    から構成される無機繊維結合セラミックスを放電加工することを特徴とする無機繊維結合セラミックス部品の製造方法。
  6. 請求項1乃至5いずれか記載の製造方法により得られた無機繊維結合セラミックス部品。
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