JP2012201725A - 酸変性エチレン系重合体の製造方法および酸変性エチレン系重合体水性分散体 - Google Patents

酸変性エチレン系重合体の製造方法および酸変性エチレン系重合体水性分散体 Download PDF

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Abstract

【構成】 下記のエチレン系重合体(A)100質量部に対して、少なくとも下記のモノマー(B)1〜40質量部及びメルカプタン類(C)0.01〜2質量部を配合し、有機過酸化物(D)0.05〜0.5質量部を用いてグラフト化した酸変性エチレン系重合体の製造方法。
(A)少なくともエチレンに由来する構造単位を有するエチレン系重合体
(B)少なくとも一種の不飽和基と、カルボキシル基、酸無水物基、カルボン酸エステル基から選ばれる少なくとも1種の官能基とを有するモノマー
【効果】 エチレン系重合体のMFR変化率の低下を30%以下にすることでゲル化を抑制し、従来と比較して酸変性率の高い酸変性エチレン系重合体を得ることができ、得られた酸変性エチレン系重合体を用いる事で、微細かつ良好な分散安定性を有するとともに、ポリエチレン等の非極性基材への接着強度に優れる酸変性エチレン系重合体水性分散体を提供することが出来る。
【選択図】なし

Description

本発明はポリエチレンもしくはエチレンを主成分の一つとしたポリオレフィン(以下、エチレン系重合体と略す)の酸変性エチレン系重合体の製造方法および酸変性エチレン系重合体の水性分散体に関するものである。
ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテン等のオレフィンの単独重合体やこれらのオレフィンを主成分とする他の共重合可能な単量体との共重合体(以下、これらを総称して「ポリオレフィン」と記す)は、比較的安価で、かつ、良好な成形性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、機械的特性、外観等を有するため、多方面の分野で使用されている。しかしながら、ポリオレフィン樹脂は飽和炭化水素で構成されているためそのままでは化学反応性に乏しく、また極性も低いため、接着性、塗装性、印刷性等が不十分であった。
なかでもポリエチレンは、一般にはポリエチ等の呼称で、包装フィルムや買い物袋、容器等に広く使用されているが、ポリオレフィンの中でも特に接着、塗装、印刷等が困難な素材であった。
そのためポリオレフィンへの接着、塗装、印刷等にはハロゲンや極性基を持たせた変性ポリオレフィンが使用される。前記ポリオレフィンのうち、ポリエチレンに対しては、ポリプロピレンやポリブテンから得た変性ポリオレフィンでは十分な性能が得られていない。
また、ポリオレフィンへの接着、塗装、印刷等に使用される変性ポリオレフィンは、芳香族有機溶剤ワニスとして使用される事がほとんどであった。しかし近年、有機ハロゲンや芳香族による環境問題もあり、変性ポリオレフィンワニスに替わる、変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体の使用が検討されている。
しかし、ポリオレフィンの酸変性反応等で良く用いられるラジカルの水素引き抜き反応を利用したグラフト化では、容易にエチレン系重合体の一部が架橋を引き起こす。このため、酸変性量を増加させると架橋によりメルトフローレート(以下、MFRと略す)変化率が30%以下に低下し、また架橋によるゲルが発生してしまう。
上記問題により、酸変性エチレン系重合体の水性分散体は、酸変性率とMFR変化率の値が小さい酸変性エチレン系重合体を使用する事となる。そのため分散体を得るには多量の乳化剤や分散剤を用いる必要があった(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし乳化分散が行い難いため、粗大粒子の問題や、塗膜からの乳化剤のブリードアウトなどが問題になっていた。
これら水性分散体の問題解決の手段として、MFR変化率の低下を抑制した酸変性を行う事により、高酸変性率の変性物を得る事が考えられる。MFR変化率の低下の抑制手法として、例えば、希薄溶液にて酸変性反応を行う事でポリエチレンの架橋反応を起り難くする方法や(例えば、特許文献4参照)、半減期1分となる分解温度が50〜115℃である有機過酸化物といった特定の有機過酸化物を使用する事で、MFR変化率の低下を抑制し、グラフト量を増やせるといった方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。しかし、グラフト量は少なく、乳化困難な酸変性物しか得られていない。
特開2005−320400号公報 特開2008−063557号公報 特開2008−169380号公報 特開昭50−004189号公報 特開2004−307537号公報
本発明は、前記状況に鑑み、MFR変化率の低下を30%以下にすることでゲル化を抑制しつつ、エチレン系重合体の高酸変性率の酸変性反応を行う事で、微細かつ良好な分散安定性を有するとともに、接着強度に優れる酸変性エチレン系重合体水性分散体を提供することを技術的課題とする。
本発明者は、エチレン系重合体に対して、不飽和カルボン酸類及びメルカプタン類を用いてグラフト化した酸変性エチレン系重合体を製造し、更に乳化分散し酸変性エチレン系重合体水性分散体とすることにより、前記課題を解決することを見出した。
具体的には、次のとおりの本発明によって解決できる。
すなわち、本発明は、
(1)下記のエチレン系重合体(A)100質量部に対して、少なくとも下記のモノマー(B)1〜40質量部及びメルカプタン類(C)0.01〜2質量部を配合し、有機過酸化物(D)0.05〜0.5質量部を用いてグラフト化した酸変性エチレン系重合体の製造方法、
(A)少なくともエチレンに由来する構造単位を有するエチレン系重合体、
(B)少なくとも一種の不飽和基と、カルボキシル基、酸無水物基、カルボン酸エステル基から選ばれる少なくとも1種の官能基とを有するモノマー、
(2)エチレン系重合体(A)がエチレン由来する構造単位を少なくとも40質量%含むことを特徴とする前記(1)に記載の酸変性エチレン系重合体の製造方法、
(3)メルカプタン類(C)がアルキルメルカプタン及び/又はアルキルメルカプトアルキレートであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の酸変性エチレン系重合体の製造方法、
(4)モノマー(B)が少なくとも一種の不飽和基と、カルボキシル基、酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の官能基とを有するモノマー(b1)1〜10質量部と、不飽和基とカルボン酸エステル基とを有するモノマーである(メタ)アクリル酸アルキルエステル(前記モノマー(b1)に該当するモノマーを除く)(b2)0〜30質量部からなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の酸変性エチレン系重合体の製造方法、
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の酸変性エチレン系重合体の製造方法により得られた酸変性エチレン系重合体、塩基性化合物および水性媒体を含有する酸変性エチレン系重合体水性分散体、
である。
本発明によれば、エチレン系重合体のMFR変化率の低下を30%以下にすることでゲル化を抑制し、従来と比較して酸変性率の高い酸変性エチレン系重合体を得ることができ、得られた酸変性エチレン系重合体を用いる事で、微細かつ良好な分散安定性を有するとともに、ポリエチレン等の非極性基材への接着強度に優れる酸変性エチレン系重合体水性分散体を提供することが出来る。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次のとおりである。
本発明で使用できるエチレン系重合体(A)は、ポリエチレン及びエチレンとα−オレフィン、環状オレフィンから選ばれる少なくとも一種からなる共重合体である。
α−オレフィン、環状オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ドデカデセン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン等が挙げられる。共重合体としてはランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。特に、エチレン−プロピレン、エチレン−1−ブテン共重合体が、ポリオレフィンを主体とする樹脂、基材との相溶性、接着性が良好となり、樹脂自体に柔軟性があるために好ましい。
本発明で用いるエチレン系重合体(A)はエチレンを40質量%以上100質量%以下である事が好ましい。エチレンが40質量%未満の場合に比べ、エチレンが40質量%以上の場合には、ポリエチレン等基材への接着性等が十分に発揮されるようになるため好ましい。0質量%以上60質量%以下は、上記α−オレフィン、環状オレフィンからなり、プロピレン、1−ブテンからなる事が好ましい。
エチレン系重合体(A)の分子量は、好ましくは、重量平均分子量が10000以上200000以下である。重量平均分子量が10000より小さい場合に比べ、重量平均分子量が10000以上200000以下である場合は、凝集力が上がり、接着、表面改質等を行う場合にその効果が向上するため好ましい。重量平均分子量が200000より大きい場合に比べ、重量平均分子量が10000以上200000以下の場合は、流動性が向上するため、モノマー(B)を均一に分散させやすく、反応の効率が向上し、未反応物の残留や副生成物の発生を抑制できるため好ましい。また重量平均分子量が200000より大きい場合であっても、熱減成等により分子量を適当な範囲に調整する等の公知の方法で分子量を10000以上200000以下とすることで、好ましいエチレン系重合体(A)として使用できる。
モノマー(B)は、少なくとも一種の不飽和基と、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の官能基とを有するモノマーであり、モノマー(b1)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)とからなる事が好ましい。
モノマー(b1)は好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物及び不飽和二塩基酸のハーフエステル及び不飽和二塩基酸ハーフアミド、アコニット酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、4−ペンテン−1,2,4−トリカルボン酸等の不飽和三塩基酸、不飽和三塩基酸無水物及び不飽和三塩基酸のモノ、ジエステル及び不飽和三塩基酸のモノ、ジアミド、1−ペンテン−1,1,4,4−テトラカルボン酸、4−ペンテン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、3−ヘキセン−1,1,6,6−テトラカルボン酸等の不飽和四塩基酸、不飽和四塩基酸無水物及び不飽和四塩基酸のモノ、ジ、トリエステル及び不飽和四塩基酸モノ、ジ、トリアミドの群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である。なお、モノマー(b1)としては不飽和カルボン酸無水物が好ましく、単独重合性に乏しく、グラフト化反応が進行しやすいため、無水マレイン酸が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)は、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルであり、好ましくは、炭素数1以上18以下の直鎖、分岐、環状のアルキル基とのエステルであるアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルであり、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、アクリル酸2−ブチル、メタクリル酸2−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−オクタデシル、メタクリル酸n−オクタデシル等の群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)のホモポリマーのガラス転移点(Tg)が−40℃以下となるアクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸n−オクタデシルを用いた場合に、酸変性エチレン系重合体(E)の乳化分散性がさらに良好となるため好ましい。
モノマー(B)の使用量はエチレン系重合体(A)100質量部に対して1質量部以上40質量部以下であり、好ましくは6質量部以上32質量部以下であり、モノマー(b1)が1質量部以上10質量部以下となり(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)が0質量部以上30質量部以下となることが好ましい。
モノマー(b1)の使用量はエチレン系重合体(A)100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であり、1質量部よりも含有量が少ない場合に比べ、1質量部以上10質量部以下である場合には、酸変性エチレン系重合体に十分な極性を付与でき、乳化分散が行なえるようになる。2質量部以上10質量部以下である場合にさらに乳化分散性が良好となるため好ましい。また、10質量部よりも多い場合に比べ、1質量部以上10質量部以下である場合には、酸変性時の架橋が進行し難く、ゲル化が抑制され、乳化分散性が良好となるため好ましい。2質量部以上8質量部以下である場合にはさら乳化分散性が良好となるため好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)の使用量はエチレン系重合体(A)100質量部に対して0質量部以上30質量部以下であり、4質量部以上24質量部以下となることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)を用いない場合に比べ、30質量部以下を用いた場合には、グラフト化しているモノマー(b1)との共重合が進行し、エチレン系重合体(A)のグラフト鎖として効率良くカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物が導入され、乳化分散が行えるようになる。さらに4質量部以上24質量部以下である場合には、グラフト鎖にさらに効率良くカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物が導入され、乳化分散が行ないやすくなるため好ましい。また、30質量部よりも多い場合に比べ、30質量部以下である場合には、酸変性時の架橋が進行し難く、ゲル化が抑制され、乳化分散性が良好となるため好ましい。4質量部以上24質量部以下である場合には、更に乳化分散性が良好となるためより好ましい。
本発明では、本願発明の効果を阻害しない限り、上記モノマー(b1)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)以外のエチレン性不飽和化合物を同時に使用することもできる。ここでいうエチレン性不飽和化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン、ブタジエン、イソプレン等のアルカジエン、イソブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルのようなビニルエーテル等が挙げられる。これらエチレン性不飽和化合物は単独で用いても良いし、2種以上を併用することもできる。
メルカプタン類(C)は具体的には、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン酸プロピル、メルカプトプロピオン酸ブチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸n−オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸メトキシブチル、チオグリコール酸n−オクチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のアルキルメルカプトアルキレート類、ベンゼンチオール、トルエンチオール等のアリールメルカプタン類、チオサリチル酸等のチオカルボン酸類、メルカプトエタノール等のメルカプトアルコール類の少なくとも1種であり、これらは1種又は2種以上使用してもかまわない。チオール以外の反応性基を持たない事と、非芳香族化合物である事からアルキルメルカプタン、アルキルメルカプトアルキレートから選ばれる少なくとも1種のメルカプタン類である事が好ましい。また水素引き抜きによるグラフト化反応を進行させやすくするためには高温下の反応が好ましいため、沸点が150℃以上であるn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、メルカプトプロピオン酸n−オクチル等のメルカプタン類を使用することが更に好ましい。
メルカプタン類(C)の使用量はエチレン系重合体(A)100質量部に対して0.01質量部以上2質量部以下であり、0.1質量部以上1.0質量部以下となることが好ましい。0.01質量部よりも含有量が少ない場合に比べ、0.01質量部以上2質量部以下である場合には、酸変性反応時のエチレン系重合体の架橋が起こりにくくなり、MFR変化率の低下が抑制され、流動性の高い酸変性エチレン系重合体となる事により、乳化分散が行ないやすくなる。さらに0.1質量部以上1.0質量部以下である場合には、MFR変化率の低下がより抑制され、さらに乳化分散が行ないやすくなるため好ましい。また、2質量部よりも多い場合に比べ、0.01質量部以上2質量部以下である場合には、メルカプタンの連鎖移動効果によってエチレン系重合体にグラフト化していないモノマー(b1)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)が共重合することで発生する副生成物の発生を抑制できる。さらに0.1質量部以上1.0質量部以下である場合には、エチレン系重合体にグラフト化していないモノマー(b1)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)が共重合することで発生する副生成物の発生がさらに抑制されるため好ましい。
有機過酸化物(D)のラジカル発生剤は炭素原子を化合物の骨格に有する過酸化物であればよく、水素引き抜き効果を持つラジカルを発生できる過酸化物が好ましく、具体的には、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アルキルパーオキシカーボネートが挙げられ、具体的には、ジイソブチリル パーオキサイド、クミル パーオキシネオデカネート、ジ−n−プロピル パーオキシジカーボネート、ジイソプロピル パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチル パーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチル パーオキシネオデカネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル) パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチル パーオキシネオデカネート、ジ(2−エトキシエチル) パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル) パーオキシジカーボネート、t−ヘキシル パーオキシネオデカネート、ジメトキシブチル パーオキシジカーボネート、t−ブチル パーオキシネオデカネート、t−ヘキシル パーオキシピバレート、t−ブチル パーオキシピバレート、ジ(3,3,5−トリメチルヘキサノイル) パーオキシド、ジ−n−オクタノイル パーオキサイド、ジラウロイル パーオキサイド、ジステアロイル パーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル パーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジコハク酸パーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシル パーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジ(4−メチルベンゾイル) パーオキシド、t−ブチル パーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジベンゾイル パーオキサイド、t−ブチル パーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサネート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサネート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン)プロパン、t−ヘキシル パーオキシ イソプロピル モノカーボネート、t−ブチル パーオキシ マレイックアシッド、t−ブチル パーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチル パーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチル パーオキシ−2−エチルヘキシル モノカーボネート、t−ヘキシル パーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル 4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレラート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミル パーオキサイド、ジ−t−ヘキシル パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル クミル パーオキサイド、ジ−t−ブチル パーオキサイド、p−メンタン ヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン ヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル ヒドロパーオキサイド、クメン ヒドロパーオキサイド、t−ブチル ヒドロパーオキサイド等が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
有機過酸化物(D)の使用量はエチレン系重合体(A)100質量部に対して0.05質量部以上0.5質量部以下、特に0.1質量部以上0.3質量部以下となることが好ましい。0.05質量部よりも含有量が少ない場合に比べ、0.1質量部以上0.5質量部以下である場合には、モノマー(b1)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)を付加させる反応の効率が向上するため好ましく、0.1質量部以上0.3質量部以下である場合には更に反応の効率が向上するため好ましい。また、0.5質量部よりも多い場合に比べ、0.5質量部以下である場合には、酸変性反応時におけるエチレン系重合体の架橋が抑制され、乳化分散が良好になり、接着、表面改質等を行う場合にその効果が向上するため好ましく、0.1質量部以上0.3質量部以下である場合には更に架橋が抑制され、前記効果が向上するため好ましい。
エチレン系重合体(A)を酸変性させる方法は、公知の方法で行うことが可能であり、例えばエチレン系重合体(A)を軟化点以上の温度にし、モノマー(B)及びメルカプタン類(C)を配合し、有機過酸化物(D)を用いてグラフト化した酸変性エチレン系重合体を得る溶融法や、エチレン系重合体(A)を有機溶剤に溶解し、モノマー(B)及びメルカプタン類(C)を配合し、有機過酸化物(D)を用いてグラフト化した酸変性エチレン系重合体を得る溶液法や、エチレン系重合体(A)とモノマー(B)とメルカプタン類(C)及び有機過酸化物(D)をバンバリーミキサー、ニーダー、押出機等を使用して、エチレン系重合体(A)の軟化点以上の温度で混錬する方法等が挙げられる。モノマー(B)とメルカプタン類(C)と有機過酸化物(D)の添加方法として、一括添加、溶液に希釈しての添加、分割添加、滴下による連続式の添加方法などは適宜選択でき、添加順序も適宜選択できる。酸変性反応は多段で行っても良く、その際には各反応器及び反応形式を適宜組み合わせて使用することができる。また、反応終了時に減圧工程を設け、残留したモノマー(B)とメルカプタン類(C)と有機過酸化物(D)、有機過酸化物(D)の分解物や有機溶剤を取り除くこともできる。
溶液法でモノマー(B)によりエチレン系重合体(A)を酸変性する場合、有機溶剤としては、たとえば、ヘキサン、へプタン、オクタン等の飽和脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロへプタン、メチルシクロヘプタン等の飽和脂環式炭化水素類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアルキレート類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのジアルキレングリコールアルキルエーテルアルキレート類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル等のエチレン性の二重結合を含まないエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のエチレン性の二重結合を含まないケトン類、n−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジオキサン等のエチレン性の二重結合を含まないエーテル類などが挙げられる。トルエン、キシレン、エチルベンゼン等のエチレン性の二重結合を含まない芳香族炭化水素類を使用することもできるが、近年の環境問題からできるだけ使用しないことが好ましい。これら有機溶剤は単独で用いてもよいし、混合して使用してもよい。
上記のようにして得られる酸変性エチレン系重合体は、使用する目的に応じて酸変性反応の際、安定性を調整するための安定剤を添加することができる。安定剤としてはソルビトール、ソルビトールアルキレート、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ニトロソフェニルヒドロキシ化合物、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のフォスファイト化合物類、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のペンタエリスリトールエステル類等の化合物が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン系重合体(A)を酸変性する反応温度に特に制限はないが、100℃〜200℃が好ましい。モノマー(B)、メルカプタン類(C)や有機過酸化物(D)が均一に分散できる様に、エチレン系重合体が溶融もしくは有機溶剤に溶解する温度以上であることが好ましく、具体的には100℃以上で行う事が好ましい。また熱減成によるエチレン系重合体の分子量低下を抑制させるため高温になり過ぎないことが好ましく、具体的には200℃以下で行う事が好ましい。
酸変性エチレン系重合体はモノマー(B)に由来するカルボキシル基を塩基性物質により中和し、乳化剤や保護コロイドを用いて水に分散し酸変性エチレン系重合体水性分散体とすることができる。また分散媒として水に有機溶剤が含まれた物を使用する事も出来る。乳化方法としては、酸変性エチレン系重合体を油溶性の溶剤に溶かした溶液を塩基性物質により中和し、乳化剤や保護コロイド及び水を混合し、ホモジナイザー処理した後、溶剤を留去し、水中油型エマルションを製造するいわゆる溶剤法、高温下で溶融エチレン系重合体樹脂と塩基性物質、乳化剤や保護コロイド及び水を混合し、ホモジナイザーを通して水中油型エマルションを製造するいわゆるメカニカル法、高温下で溶融エチレン系重合体樹脂と塩基性物質、乳化剤や保護コロイド及び一部の水を混合し、油中水型エマルションを形成し、その後、反転水を添加し水中油型エマルションに相転移させるいわゆる転相法が用いられる。また、高剪断型回転式乳化分散機を用いて水中油型エマルションを形成するメカニカル法も用いることが出来る。
酸変性エチレン系重合体は塩基性物質により中和した後、乳化剤や保護コロイドを用いず水に分散し乳化剤レスタイプの酸変性エチレン系重合体水性分散体とすることもできる。また分散媒として水に有機溶剤が含まれた物を使用する事も出来る。乳化方法としては、酸変性エチレン系重合体を油溶性の溶剤に溶かした溶液と塩基性物質と水を混合し、ホモジナイザー処理した後、溶剤を留去し、水中油型エマルションを製造するいわゆる溶剤法、高温下で溶融エチレン系重合体と塩基性物質と水を混合し、ホモジナイザーを通して水中油型エマルションを製造するいわゆるメカニカル法、高温下で溶融エチレン系重合体樹脂と塩基性物質と水を混合し、油中水型エマルションを形成し、その後、反転水を添加し水中油型エマルションに相転移させるいわゆる転相法が用いられる。また、高剪断型回転式乳化分散機を用いて水中油型エマルションを形成するメカニカル法も用いることが出来る。
酸変性エチレン系重合体は水に分散する際にモノマー(B)に由来するカルボキシル基を塩基性物質により中和することもできる。塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属、アンモニウム、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミン、イソプロピルアミン、プロパノールアミン、2−メチル−2−アミノプロパノール、ジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の有機アミン化合物が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を用いることができる。
塩基性物質を加えるのは、カルボキシル基を中和し、イオン化して水への分散を良好にするためである。中和によって生成したカルボキシルアニオン間の電気反発によって、微粒子間の凝集が防がれ、水性分散液の安定性が付与される。
分散媒は水のみ、または有機溶剤と水との混合溶剤が使用できる。有機溶剤としては、常圧で20℃の水に2.5質量%以上可溶な溶剤が好ましく、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のセロソルブ類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、グリセリン等の多価アルコール類が挙げられ、これら有機溶剤は単独で用いてもよいし、混合して使用してもよい。なかでも水に5質量%以上可溶なアルコール類やセロソルブ類が好ましく、さらに1−ブタノール、2−ブタノール、2−ブトキシエタノールがより好ましい。
また近年の環境問題から有機溶剤はできるだけ含有しないことが好まれるため、水性分散体に残留している有機溶剤量は酸変性エチレン系重合体100質量部に対して50質量部以下となることが好ましい。50質量部よりも多い場合に比べ、50質量部以下である場合には、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体中の有機溶剤含有量が少なくなるため好ましい。
酸変性エチレン系重合体の乳化剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤や、ラウリル硫酸及びラウリル硫酸塩(以下、酸と塩を酸(塩)と略することがある)、ドデシルベンゼンスルホン酸(塩)、ジアルキルスルホコハク酸(塩)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸(塩)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸(塩)、脂肪酸(塩)、アルケニルコハク酸(塩)等のアニオン性界面活性剤、またカチオン性や両性の界面活性剤が挙げられる。ここで塩はナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩並びにトリエチルアミン塩などのアミン塩を示す。
酸変性エチレン系重合体の保護コロイドとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、澱粉、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。これら乳化剤や保護コロイドは1種もしくは2種以上を用いることができる。
水性分散液のpHは特に制限されるものではないが、好ましくは6〜11、さらに好ましくは7〜9である。水性分散液のpHが6〜11の方が、酸変性エチレン系重合体中のカルボキシル基が中和され、イオン化して水への分散を良好にするため水性分散液の貯蔵安定性が良好であり好ましく、pHが7〜9である場合には、酸変性エチレン系重合体中のカルボキシル基の中和が進み、水性分散液の貯蔵安定性が良好となるためさらに好ましい。他方、水性分散液のpHが6〜11であると、水分散液中に遊離の塩基性物質が過剰に存在しないため、塗膜の付着性、耐水性が良好となるため好ましく、pHが7〜9の場合には、水分散液中に遊離の塩基性物質がさらに減少し、塗膜の付着性、耐水性が良好となるためより好ましい。また、有機アミンを使用した場合には遊離の塩基を抑えることでアミン臭も抑えられ、水性塗料組成物等の塗料やインキ等の用途での使用の際、臭気による制限が少なくなるため好ましい。
また水性分散液の調製を前記溶剤法にて行う場合に、酸変性エチレン系重合体を溶解する溶剤として、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロへプタン等の脂環式炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミン等のエステル類、n−ブチルエーテル、イソブチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類を使用することができる。
酸変性エチレン系重合体水性分散体の固形分濃度は特に制限は無いが、取り扱いやすい分散液としては固形分濃度が1質量%以上50質量%以下にすることが好ましく、10質量%以上40質量%以下にすることがより好ましい。
酸変性エチレン系重合体水性分散体は、安定剤、添加剤、顔料、充填剤等を含有していてもよく、この場合、安定剤、添加剤、顔料、充填剤等が水に溶解していても分散していてもよい。
かくして得られた酸変性エチレン系重合体及び酸変性エチレン系重合体水性分散体は、例えば、塗料バインダー、インキ用バインダー、プライマーとして使用でき、特にエチレン系重合体系の樹脂や複合材料に対する塗装の際に、密着性、塗装性などが優れる。またヒートシール剤や接着剤および接着剤の改質剤として使用でき、特にエチレン系重合体系の樹脂や複合材料と他の樹脂や金属、ガラス等との接着において接着性が優れる。他にもフィルム、シート、構造材料、建築材料、自動車部品、電気・電子製品、包装材料等のエチレン系重合体系の樹脂や複合材料を作成する際に、エチレン系重合体系樹脂と他の樹脂との相溶化剤や、複合化する材料をエチレン系重合体へ分散させ易くする分散剤等の改質剤やガラス繊維のサイジング剤としても使用できる。
本発明の酸変性エチレン系重合体の製造方法および酸変性したエチレン系重合体の水性分散体の具体例を以下に示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下において「部」及び「%」は特記しない限りすべて質量基準である。
<エチレン系重合体、酸変性エチレン系重合体のMFR、MFR変化率>
実施例及び比較例における、エチレン系重合体及び酸変性エチレン系重合体のMFRは、フローテスター(株式会社島津製作所製:CFT−500D)を用いて測定することで得た値である。なお、加重は0.49MPa、ダイは内径×長さ=1mm×10mm、190℃にて測定を行った。なお、MFR変化率は以下の式によって求め、MFR変化率は、30%以下であるとゲル化が生じる可能性がある。
(MFR変化率)=
(酸変性エチレン系重合体(E)のMFR)/(エチレン系重合体(A)MFR)×100
<エチレン系重合体、酸変性エチレン系重合体の融点>
実施例及び比較例における、エチレン系重合体及び酸変性エチレン系重合体の融点は、示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツル株式会社製:DSC22)を用いて、昇温プログラム中に検知される主吸熱ピークのピークトップの温度とした。
<エチレン系重合体、酸変性エチレン系重合体の分子量>
実施例及び比較例における、エチレン系重合体及び酸変性エチレン系重合体の分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソ株式会社製:HLC−8120GPC、展開溶媒THF、標準物質ポリスチレン)を用いて測定し、重量平均分子量(Mw)を分子量とした。
なお、実施例及び比較例のエチレン系重合体(A)として、表1に該当するものを使用した。
実施例及び比較例のモノマー(b1)として、無水マレイン酸(MAn)、フマル酸(FA)を使用した。
実施例及び比較例用の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)として、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、i−ブチルアクリレート(iBA)、ステアリルメタクリレート(SMA)、ラウリルメタクリレート(LMA)を使用した。
実施例及び比較例用のメルカプタン類(C)として、n−ドデシルメルカプタン(NDM)、チオサリチル酸(TSA)、メルカプトエタノール(MET)、メルカプトプロピオン酸n−オクチル(MPAO)、n−オクチルメルカプタン(NOM)を使用した。
実施例・比較例用の有機過酸化物(D)として、ジ−t−ブチル パーオキサイド(日本油脂株式会社製:パーブチルD:PBD)、ジ−t−ヘキシル パーオキサイド(日本油脂株式会社製:パーヘキシルD:PHD)、t−ブチル パーオキシ 2−エチルヘキシルモノカーボネート(日本油脂株式会社製:パーブチルE:PBE)、ジセチルパーオキシジカルボネート(アクゾノーベル社製:DCPDC)を使用した。
(実施例1)酸変性エチレン系重合体(E−1)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた300mlセパラフラスコに、エチレン系重合体(A−1) 100質量部、安定剤としてIrganox1010(商品名:チバガイギー社製(I−1010))0.1質量部およびIrgafos168(商品名:チバガイギー社製(I−168))0.1質量部、キシレン(Xy) 15質量部を入れ、窒素雰囲気下、180℃に保たれた油浴中で溶融を行い、攪拌を行いながら系内が170℃になるように油浴の温度を調整した。系内が溶融した後、攪拌を行い均一な状態としながら、無水マレイン酸(MAn) 2質量部と2−エチルヘキシルアクリレート(EHA) 6質量部とn−ドデシルメルカプタン(NDM) 0.2質量部とジ−t−ブチル パーオキサイド(PBD) 0.1質量部を添加した。系内を170℃に保ったまま、30分間反応を継続したあと、無水マレイン酸(MAn) 2質量部と2−エチルヘキシルアクリレート(EHA) 6質量部とn−ドデシルメルカプタン(NDM) 0.2質量部とジ−t−ブチル パーオキサイド(PBD) 0.1質量部を添加した。同様にして無水マレイン酸(MAn)と2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)とn−ドデシルメルカプタン(NDM)とジ−t−ブチル パーオキサイド(PBD)の添加を30分毎に合計5回行い、無水マレイン酸(MAn)の添加量の合計が10質量部、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)の添加量の合計が30質量部、n−ドデシルメルカプタン(NDM)の添加量の合計が1.0質量部、ジ−t−ブチル パーオキサイド(PBD)の添加量の合計が0.5質量部になるようにした。
添加終了後、系内を170℃に保ったまま1.5時間反応を行った後、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、キシレン、未反応の無水マレイン酸、2−エチルヘキシルアクリレート、ジ−t−ブチル パーオキサイドおよびジ−t−ブチル パーオキサイドが分解した低分子の化合物の除去を1時間行い、減圧終了後、反応物を取り出し、冷却することで、不飽和カルボン酸類で酸変性した酸変性エチレン系重合体(E−1)の固形物を得た。得られた酸変性エチレン系重合体(E−1)のMFR(190℃)は191g/10min.であり、原料エチレン系重合体(A−1)からはMFR変化率が147%と変化した。
(実施例2)酸変性エチレン系重合体(E−2)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた300mlセパラフラスコに、エチレン系重合体として(A−2) 100質量部、安定剤としてソルビトール(Sor) 0.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA) 5質量部を入れ、窒素雰囲気下、190℃に保たれた油浴中で溶融を行い、攪拌を行いながら系内が180℃になるように油浴の温度を調整した。系内が溶融した後、攪拌を行い均一な状態としながら、無水マレイン酸(MAn) 5質量部とチオサリチル酸(TSA) 0.3質量部とジ−t−ブチル パーオキサイド(PBD) 0.15質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA) 15質量部に溶解したモノマー溶液を1時間掛けて滴下した。なお溶剤は滴下前添加分5質量部と滴下モノマー希釈分15質量部併せて20質量部使用した。
滴下終了後、系内を180℃に保ったまま1時間反応を行った後、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、未反応の無水マレイン酸、ジ−t−ブチル パーオキサイドおよびジ−t−ブチル パーオキサイドが分解した低分子の化合物の除去を1時間行い、減圧終了後、反応物を取り出し、冷却することで、不飽和カルボン酸類で酸変性した酸変性エチレン系重合体(E−2)の固形物を得た。得られた酸変性エチレン系重合体(E−2)のMFR(190℃)は5.1g/10min.であり、原料エチレン系重合体(A−2)からはMFR変化率が36%に減少した。
(実施例3)酸変性エチレン系重合体(E−3)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた300mlセパラフラスコに、エチレン系重合体として(A−3) 100質量部、安定剤としてソルビトール(Sor) 0.1質量部を入れ、窒素雰囲気下、180℃に保たれた油浴中で溶融を行い、攪拌を行いながら系内が170℃になるように油浴の温度を調整した。系内が溶融した後、攪拌を行い均一な状態としながら、無水マレイン酸(MAn) 1質量部とメルカプトエタノール(MET) 0.01質量部とジ−t−ブチル パーオキサイド(PBD) 0.05質量部を添加した。
添加後、系内を170℃に保ったまま1時間反応を行った後、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、未反応の無水マレイン酸、ジ−t−ブチル パーオキサイドおよびジ−t−ブチル パーオキサイドが分解した低分子の化合物の除去を1時間行い、減圧終了後、反応物を取り出し、冷却することで、不飽和カルボン酸類で酸変性した酸変性エチレン系重合体(E−3)の固形物を得た。得られた酸変性エチレン系重合体(E−3)のMFR(190℃)は344g/10min.であり、原料エチレン系重合体(A−3)からはMFR変化率が41%に減少した。
(実施例4)酸変性エチレン系重合体(E−4)の製造。
エチレン系重合体(A)、モノマー(b1)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)、メルカプタン類(C)、有機過酸化物(D)の種類と使用量を表2に従って変える以外は実施例2と同様にして、酸変性エチレン系重合体(E−4)を得た。なお溶剤は滴下前添加分5質量部と滴下モノマー希釈分15質量部併せて20質量部使用した。得られた酸変性エチレン系重合体(E−4)のMFR(190℃)は0.5g/10min.であり、原料エチレン系重合体(A−4)からはMFR変化率が63%に減少した。
(実施例5)酸変性エチレン系重合体(E−5)の製造。
エチレン系重合体(A)、モノマー(b1)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)、メルカプタン類(C)、有機過酸化物(D)の種類と使用量を表2に従って変え、溶剤をキシレンからエチルシクロヘキサン(ECH)に変える以外は実施例1と同様にして、酸変性エチレン系重合体(E−5)を得た。得られた酸変性エチレン系重合体(E−5)のMFR(190℃)は6.1g/10min.であり、原料エチレン系重合体(A−2)からはMFR変化率が44%に減少した。
(実施例6)酸変性エチレン系重合体(E−6)の製造。
エチレン系重合体(A)、モノマー(b1)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)、メルカプタン類(C)、有機過酸化物(D)の種類と使用量を表2に従って変え、エチレン系重合体(A)に添加する溶剤をプロピオン酸ブチル(PAB)5質量部とし、酸変性中のフラスコ内の温度を170℃とし、モノマー類を溶解する溶剤をプロピオン酸ブチル15質量部とした以外は実施例2と同様にして、酸変性エチレン系重合体(E−6)を得た。なお溶剤は滴下前添加分5質量部と滴下モノマー希釈分15質量部併せて20質量部使用した。得られた酸変性エチレン系重合体(E−6)のMFR(190℃)は13g/10min.であり、原料エチレン系重合体(A−2)からはMFR変化率が93%に減少した。
(実施例7〜実施例9、比較例1、比較例2、比較例4〜比較例7)酸変性エチレン系重合体(E−7)〜(E−11)、(E−13)〜(E−16)の製造。
エチレン系重合体(A)、モノマー(b1)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)、メルカプタン類(C)、有機過酸化物(D)の種類と使用量、反応温度を表2に従って変え、溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)とした以外は実施例6と同様にして、酸変性エチレン系重合体(E−7)〜(E−11)、(E−13)〜(E−15)を得た。また実施例8ではラウリルメタクリレート(LMA)とその他モノマーとしてスチレン(St)を併用し、比較例7ではメルカプタン類(C)に替わる連鎖移動剤としてαメチルスチレンダイマー(MSD)を使用した。得られた酸変性エチレン系重合体(E−7)〜(E−11)、(E−13)〜(E−16)のMFR(190℃)と原料エチレン系重合体(A)からのMFR変化率を表2に示す。
(比較例3)酸変性エチレン系重合体(E−12)の製造。
エチレン系重合体(A)、モノマー(b1)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)、メルカプタン類(C)、有機過酸化物(D)の種類と使用量を表2に従って変え、エチレン系重合体(A)に添加する溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)30質量部とし、酸変性中のフラスコ内の温度を140℃とし、モノマー類を溶解する溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)20質量部とした以外は実施例2と同様にして、酸変性エチレン系重合体(E−12)を得た。なお溶剤は滴下前添加分30質量部と滴下モノマー希釈分20質量部併せて50質量部使用した。得られた酸変性エチレン系重合体(E−12)のMFR(190℃)は9.2g/10min.であり、原料エチレン系重合体(A−2)からはMFR変化率が66%に減少した。
表2中の略号の説明:
(部):質量部
I−1010:Irganox1010
I−168:Irgafos168
Sor:ソルビトール
MAn:無水マレイン酸
FA:フマル酸
EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
iBA:i−ブチルアクリレート
SMA:ステアリルメタクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
NDM:n−ドデシルメルカプタン
TSA:チオサリチル酸
MET:メルカプトエタノール
MPAO:メルカプトプロピオン酸n−オクチル
NOM:n−オクチルメルカプタン
PBD:ジ−t−ブチル パーオキサイド
PHD:ジ−t−ヘキシル パーオキサイド
PBE:t−ブチル パーオキシ 2−エチルヘキシルモノカーボネート
DCPDC:ジセチルパーオキシジカルボネート
Xy:キシレン
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
ECH:エチルシクロヘキサン
PAB:プロピオン酸ブチル
St:スチレン
MSD:αメチルスチレンダイマー
(*1)ゲル化したため、測定不可。
(実施例10)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−1)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例1で得られた酸変性エチレン系重合体(E−1)100質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。次にN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA) 8.8質量部を90℃のイオン交換水50質量部に溶解した水溶液を、溶融した酸変性エチレン系重合体(E−1)に5分間かけて滴下して加えた後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水250質量部を少量ずつ加えた。粘度は上昇したが、そのままイオン交換水を加え続けると粘度は低下した。イオン交換水を加えた後、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−1)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−1)は固形分26.1%、粘度20mPa・s(25℃)、pH8.5、粒子径(メジアン径)220nmであった。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例11)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−2)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例2で得られた酸変性エチレン系重合体(E−2)100質量部とトルエン(tol)100質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(DBSA)(Newcol−210 日本乳化剤株式会社製) 3質量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(PEGS)(Newcol−1807 日本乳化剤株式会社製) 12質量部を加え、次にN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA) 4.8質量部とブチルセロソルブ(BC) 20質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ合計300質量部加えた後、撹拌して予備乳化を行った。この予備乳化液を90℃で高圧ホモジナイザー (A.P.V.Gaulin Inc製)に30MPaの加圧下で2回通過させて乳化を行った。乳化後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、トルエンおよびブチルセロソルブを系外へ留去した。留去物が150質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−2)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−2)は固形分29.9%、粘度420mPa・s(25℃)、pH8.9、粒子径(メジアン径)90nmであった。トルエンは830ppm、ブチルセロソルブは45300ppm残留していた。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例12)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−3)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例3で得られた酸変性エチレン系重合体(E−3)100質量部とトルエン(tol)100質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(DBSA) 3質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(PEGL)(Newcol−2305 日本乳化剤株式会社製) 12質量部を加え、次にN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA) 1.2質量部とブチルセロソルブ(BC) 50質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ合計550質量部加えた後、撹拌して予備乳化を行った。この予備乳化液を90℃に保ったまま、ユニバーサルホモジナイザー(日本精機社製)を用いて毎分10,000回転にて30秒間乳化操作を行なった。乳化後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、トルエンおよびブチルセロソルブを系外へ留去した。留去物が300質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−3)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−3)は固形分20.3%、粘度1850mPa・s(25℃)、pH8.0、粒子径(メジアン径)490nmであった。トルエンは420ppm、ブチルセロソルブは110500ppm残留していた。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例13)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−4)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例4で得られた酸変性エチレン系重合体(E−4)100質量部とトルエン(tol)200質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(DBSA) 3質量部、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート(PEGSO)(Newcol−82 日本乳化剤株式会社製) 12質量部を加え、次にトリエチルアミン(TEA) 5.9質量部とブチルセロソルブ(BC) 40質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ加えた。粘度は上昇したが、そのままイオン交換水を加え続けると粘度は低下した。90℃のイオン交換水を450質量部加えた後、撹拌して予備乳化を行った。この予備乳化液を90℃で高圧ホモジナイザー (A.P.V.Gaulin Inc製)に30MPaの加圧下で2回通過させて乳化を行った。乳化後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、トルエンおよびブチルセロソルブを系外へ留去した。留去物が300質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−4)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−4)は固形分25.5%、粘度980mPa・s(25℃)、pH8.8、粒子径(メジアン径)440nmであった。トルエンは620ppm、ブチルセロソルブは81800ppm残留していた。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例14)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−5)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例5で得られた酸変性エチレン系重合体(E−5)100質量部とメチルシクロヘキサン(MCH)200質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(DBSA) 1質量部、ソルビタンラウレート(SL)(Newcol−20 日本乳化剤株式会社製) 5質量部を加え、次に90%2−メチル−2−アミノプロパノール(AMP)水溶液 8.4質量部とイソプロパノール(IPA) 15質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ加えた。粘度は上昇したが、そのままイオン交換水を加え続けると粘度は低下した。90℃のイオン交換水を430質量部加えた後、撹拌して予備乳化を行った。この予備乳化液を90℃で高圧ホモジナイザー (A.P.V.Gaulin Inc製)に30MPaの加圧下で2回通過させて乳化を行った。乳化後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、メチルシクロヘキサンおよびイソプロパノールを系外へ留去した。留去物が300質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−5)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−5)は固形分24.6%、粘度50mPa・s(25℃)、pH8.2、粒子径(メジアン径)160nmであった。メチルシクロヘキサンは2850ppm、イソプロパノールは130ppm残留していた。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例15)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−6)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例6で得られた酸変性エチレン系重合体(E−6)100質量部とメチルシクロヘキサン(MCH)100質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。乳化剤としてポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム(PEGPSA)(Newcol−707SF 日本乳化剤株式会社製) 3質量部、ポリエチレングリコールオレイルエーテル(PEGO)(Newcol−1204 日本乳化剤株式会社製) 12質量部を加え、次にN,N−ジメチルエタノールアミン 4.8質量部とブチルセロソルブ(BC) 20質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ加えた。粘度は上昇したが、そのままイオン交換水を加え続けると粘度は低下した。90℃のイオン交換水を300質量部加えた後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、メチルシクロヘキサンおよびブチルセロソルブを系外へ留去した。留去物が150質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−6)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−6)は固形分30.1%、粘度280mPa・s(25℃)、pH8.8、粒子径(メジアン径)150nmであった。メチルシクロヘキサンは2130ppm、ブチルセロソルブは43800ppm残留していた。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例16)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−7)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例7で得られた酸変性エチレン系重合体(E−7)100質量部とメチルシクロヘキサン(MCH)50質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム (DBSA)1質量部、ソルビタンステアレート(SS)(Newcol−60 日本乳化剤株式会社製) 5質量部を加え、次に28%アンモニア水溶液(NH3) 5.6質量部とn−ブタノール(nBuOH) 30質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ加えた。粘度は上昇したが、そのままイオン交換水を加え続けると粘度は低下した。90℃のイオン交換水を320質量部加えた後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、メチルシクロヘキサンおよびn−ブタノールを系外へ留去した。留去物が150質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−7)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−7)は固形分29.8%、粘度1560mPa・s(25℃)、pH8.1、粒子径(メジアン径)220nmであった。メチルシクロヘキサンは2380ppm、n−ブタノールは1050ppm残留していた。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例17)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−8)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例8で得られた酸変性エチレン系重合体(E−8)100質量部とトルエン(tol)100質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。乳化剤としてソルビタンステアレート(SS) 10質量部を加え、次にN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA) 5.8質量部と2−ブタノール(2BuOH) 20質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ加えた。粘度は上昇したが、そのままイオン交換水を加え続けると粘度は低下した。90℃のイオン交換水を290質量部加えた後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、トルエンおよび2−ブタノールを系外へ留去した。留去物が150質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−8)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−8)は固形分30.2%、粘度120mPa・s(25℃)、pH8.1、粒子径(メジアン径)130nmであった。トルエンは1880ppm、2−ブタノールは680ppm残留していた。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例18)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−9)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例9で得られた酸変性エチレン系重合体(E−9)100質量部とトルエン(tol)100質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(DBSA) 1質量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(PEGS) 5質量部を加え、次にN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA) 4.8質量部とブチルセロソルブ(BC) 20質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ加えた。粘度は上昇したが、そのままイオン交換水を加え続けると粘度は低下した。90℃のイオン交換水を380質量部加えた後、撹拌して予備乳化を行った。この予備乳化液を90℃で高圧ホモジナイザー (A.P.V.Gaulin Inc製)に30MPaの加圧下で2回通過させて乳化を行った。乳化後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、トルエンおよびブチルセロソルブを系外へ留去した。留去物が150質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−9)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−9)は固形分30.5%、粘度1780mPa・s(25℃)、pH8.5、粒子径(メジアン径)120nmであった。トルエンは760ppm、ブチルセロソルブは44100ppm残留していた。またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(実施例19)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−10)の製造。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた1000mlセパラフラスコに、実施例9で得られた酸変性エチレン系重合体(E−9)100質量部とトルエン(tol)200質量部を加え、150℃に保たれた油浴中で溶融した。溶融後、油浴を120℃とした。次にN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA) 4.8質量部とブチルセロソルブ(BC) 30質量部を添加した後、強く攪拌しながら、90℃のイオン交換水を少量ずつ加えた。粘度は上昇したが、そのままイオン交換水を加え続けると粘度は低下した。90℃のイオン交換水を300質量部加えた後、撹拌して予備乳化を行った。この予備乳化液を90℃で高圧ホモジナイザー (A.P.V.Gaulin Inc製)に30MPaの加圧下で2回通過させて乳化を行った。乳化後、オイルバスの温度を100℃に設定し、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、トルエンを系外へ留去した。留去物が300質量部となった所で、冷却を行い、内温が30℃になった所で、内容物を100メッシュのナイロン濾布にて濾過し、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−10)を得た。
得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−10)は固形分30.1%、粘度3200mPa・s(25℃)、pH8.4、粒子径(メジアン径)350nmであった。トルエンは1860ppm、ブチルセロソルブは63300ppm残留していた。
またエマルションを40℃で1週間保管し、経時安定性を確認したところ、特に変化は見られず、安定なエマルションであった。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(比較例8〜比較例14)酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−11)〜(F−17)の製造。
表3のように酸変性エチレン系重合体(E)として酸変性エチレン系重合体(E−10)〜(E−16)を使用し、乳化剤の使用量を表3に従って変えた以外は実施例18と同様にして、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−11)〜(F−16)を調整した。酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−14)、(F−16)に関しては分散が不十分でエマルションが得られなかったが、酸変性エチレン系重合体水性分散体(F−11)〜(F−13)、(F−15)、(F−17)に関してはエマルションを得た。得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体の性状を表3に示す。
(粒子径)
動的光散乱法/レーザードップラー法による粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラック UPA150)によるメジアン径の測定値である。
(粘度)
ブルックフィールド回転粘度計(トキメック株式会社製:VISCOMETER)を用いた25℃の測定値である。
(接着強度試験)
酸変性エチレン系重合体水性分散体を、ポリエチレン板に乾燥後の塗膜厚みが10μmになるようにバーコーターにてコートした。室温で30分間風乾した後、2液性ポリウレタン樹脂塗料(ウタナール(L)ホワイト 大橋化学工業株式会社製)を塗膜厚みが100μmになるように塗布した。塗布後、100℃で30分間乾燥しサンプルを得た。乾燥後1日経過した後に、1cm間隔で塗膜を切り出し、引張り試験機(新東科学株式会社製 トライボギア Type:HEIDON−14DR)を用い、引張り速度100mm/分、引張り角度180度で塗膜の接着強度を測定することで、接着性を評価し、得られた結果は表3に示す。接着性は接着強度の数値が高いほど良好である。なお、酸変性エチレン系重合体水性分散体が得られなかった(F−14)、(F−16)は接着強度試験を行なわなかった。
表3中の略号の説明:
tol:トルエン
MCH:メチルシクロヘキサン
BC:ブチルセロソルブ
IPA:イソプロパノール
nBuOH:n−ブタノール
2BuOH:2−ブタノール
DMEA:N,N−ジメチルエタノールアミン
TEA:トリエチルアミン
AMP:90%2−メチル−2−アミノプロパノール水溶液
NH3:28%アンモニア水溶液
DBSA:ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(Newcol−210 日本乳化剤株式会社製)
PEGS:ポリオキシエチレンステアリルエーテル(Newcol−1807 日本乳化剤株式会社製)
PEGL:ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル(Newcol−2305 日本乳化剤株式会社製)
PEGSO:ポリオキシエチレンソルビタンオレエート(Newcol−82 日本乳化剤株式会社製)
SL:ソルビタンラウレート(Newcol−20 日本乳化剤株式会社製)
PEGPSA:ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム(Newcol−707SF 日本乳化剤株式会社製)
PEGO:ポリエチレングリコールオレイルエーテル(Newcol−1204 日本乳化剤株式会社製)
SS:ソルビタンステアレート(Newcol−60 日本乳化剤株式会社製)
安定性 ○:1週間後変化なし、 △:1週間後少量の上層沈殿が見られる。×:1週間後多量の上層沈殿が見られる。
(*1):分散不良。
(*2):乳化不良。
表2に示すように、酸変性エチレン系重合体(E)中のモノマー(b1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b2)グラフト量は、生成する酸変性エチレン系重合体水性分散体(F)の使用目的に応じて様々な値に設定できる。
表3の示した酸変性エチレン系重合体水性分散体(F)の粒子径は、乳化性を示す指標として見ることが出来る。その結果、エチレンを含まないポリプロピレンを酸変性した比較例1では、MFR変化率はほとんど低下せず、比較例8にて良好な分散物は得られる。しかしポリプロピレンの酸変性物であるため、ポリエチレンに対する接着性がほとんど見られない。メルカプタン類(C)を使用しない比較例2では酸変性エチレン系重合体(E)のMFR変化率の低下が顕著であり、比較例9での分散も不十分な状態であった。これは架橋によるMFR変化率の低下とともにゲル化も進行しており、分散困難なゲルにより粗大粒子が発生したものと考えられる。比較例3では使用溶剤を増やす事で、また比較例4ではMFR変化率の低下を抑制しやすいといわれているジセチルパーオキシジカルボネート(DCPDC)を使用する事で、MFR変化率の低下はある程度抑制できている。しかし同時に酸基のグラフト化も不十分となり、比較例10、11といった分散性が不十分な状態の酸変性ポリエチレン系重合体(E)しか得られていない。メルカプタン類(C)の使用量が過剰な比較例5では、MFR変化率はむしろ増大し流動性の高い酸変性エチレン系重合体(E)を得る事が出来る。しかし比較例12にて水性分散体とすると、粒子径が大きく、不安定なエマルションとなった。これはメルカプタン類が過剰に存在したため、エチレン系重合体(A)から水素引き抜きによるラジカルが発生しても、多量に存在するメルカプタン類によってラジカルの連鎖移動が発生し、モノマーによるグラフト化の進行が起り難いため、エチレン系重合体に酸を付加できず、結果として乳化困難な酸変性物となっているためである。また、有機過酸化物が過剰な比較例6では、メルカプタン類によるMFR変化率の抑制効果が追い付かず、エチレン系重合体(A)のMFR変化率の低下が過剰に進行し、分散不可なゲル状態となった。またαメチルスチレンダイマー(MSD)はラジカル重合において、メルカプタン類(C)と同様な連載移動剤として知られているが、本発明の酸変性反応において、メルカプタン類(C)の代替として使用した場合、メルカプタン類(C)の様なMFR変化率の抑制の効果はほとんど見られず、水性分散体とした比較例14もメルカプタン類(C)を使用しない比較例8と同様の結果となった。しかし、実施例では、いずれの場合もMFR変化率が30%以下にはならない事でMFR変化率の低下抑制がなされている。また、MFR変化率の低下を抑制できた事で、流動性を保ち、架橋によるゲル発生も抑制されており、良好な乳化性を示している。また良好な酸変性エチレン系重合体水性分散体(F)が得られた事で、ポリエチレン基材と良好な接着性を示す水性分散体が得られた。
本発明の酸変性エチレン系重合体の製造方法および酸変性エチレン系重合体水性分散体により、MFR変化率の低下を抑制した酸変性エチレン系重合体を得ることができ、得られた酸変性エチレン系重合体を微細な粒子径を持つ良好な水性分散体とする事が出来る。また、本発明の製造方法により得られた酸変性エチレン系重合体水性分散体はポリエチレンに対する接着性が優れるため、塗料、インキ用バインダー、塗料用バインダー、プライマーなどにも使用でき、特にポリエチレン系の樹脂や複合材料に対する塗装の際に、密着性、塗装性などが優れるものと考えられえる。また接着剤、ヒートシール剤、ガラス繊維のサイジング剤などにも使用できる。以上のような汎用のエチレン系重合体系樹脂水性分散体が使用される広範な範囲において様々な用途に使用することができるものと考えられえる。

Claims (5)

  1. 下記のエチレン系重合体(A)100質量部に対して、少なくとも下記のモノマー(B)1〜40質量部及びメルカプタン類(C)0.01〜2質量部を配合し、有機過酸化物(D)0.05〜0.5質量部を用いてグラフト化した酸変性エチレン系重合体の製造方法。
    (A)少なくともエチレンに由来する構造単位を有するエチレン系重合体
    (B)少なくとも一種の不飽和基と、カルボキシル基、酸無水物基、カルボン酸エステル基から選ばれる少なくとも1種の官能基とを有するモノマー
  2. エチレン系重合体(A)がエチレンに由来する構造単位を少なくとも40質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の酸変性エチレン系重合体の製造方法。
  3. メルカプタン類(C)がアルキルメルカプタン及び/又はアルキルメルカプトアルキレートであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸変性エチレン系重合体の製造方法。
  4. モノマー(B)1〜40質量部が、少なくとも一種の不飽和基と、カルボキシル基、酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の官能基とを有するモノマー(b1)1〜10質量部と、不飽和基とカルボン酸エステル基とを有するモノマーであるアクリル酸エステル(前記モノマー(b1)に該当するモノマーを除く)(b2)0〜30質量部からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の酸変性エチレン系重合体の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の酸変性エチレン系重合体の製造方法により得られた酸変性エチレン系重合体、塩基性化合物および水性媒体を含有する酸変性エチレン系重合体水性分散体。
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