JP2012201766A - 土壌改質組成物および土壌改質組成物を用いた土壌改質方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る土壌改質組成物は、土壌中に存在する微生物を活性化させるための土壌改質組成物であって、微生物の栄養素または/および酸素供給剤が、生分解性または/および水溶性を有する被覆材によって被覆されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
ここで、「フェントン法」とは、汚染土壌に鉄系物質と過酸化水素などを混合し、これらが反応する際の反応熱を用いて汚染物質を分解する方法であり、「ホットソイル法」とは、水と発熱反応を起こす生石灰などの物質と水を汚染土壌に混合し、これらが反応する際の反応熱を用いて汚染物質を揮発する方法である。
また、化学処理法は汚染土壌自体を改質するという長所はあるものの、激しい発熱反応を伴うことから作業時の安全対策を厳重にする必要があり、また、掘削除去法のような土壌の入れ替え程ではないにせよ、相応のコストがかかるという欠点がある。
さらに、「ホットソイル法」は、反応熱を用いて汚染土壌中の汚染物質を揮発する方法であることから、揮発した物質の臭気による周辺地域などの環境への配慮が必要になるという欠点がある。
従って、特許文献1の[0008]にも記載されているように添加した微生物による二次汚染の恐れがあるという欠点を有している。
従って、対象とする汚染土壌に合わせて微生物や微生物の栄養素の供給速度、供給量が適正なものとなるように、微生物や微生物の栄養素および担体の組み合わせを選択する必要があり、このような適正な組み合わせが選択できない場合には、汚染土壌の改質が不十分になってしまうという欠点がある。
また、建造物などの基礎の下に存在するような、いわゆる嫌気状態にある汚染土壌に対しても簡便に長期的かつ継続的な改質を行うことができる土壌改質組成物および土壌改質方法の提供を目的とするものである。
ここで、微生物の栄養素や酸素供給剤については、単独で用いても併用してもよい。また、本発明に用いられる微生物の栄養素や酸素供給剤は形態を問わず、固体、液体、粉体、ゲル状体など各種の形態のものを使用することができる。なお、栄養素や酸素供給剤の内容量については汚染度合などに応じて適宜調節すればよい。
そして、上記のように栄養素や酸素供給剤を分解性材料で被覆することによって、所定の時間が経過した後、被覆材による被覆状態が解消し、内容物である栄養素や酸素供給剤が土壌中へ供給されるのである。
このような被覆の形態としては、例えば図1のように繋ぎ目のないシームレスタイプのようなものや、図2のように凹型嵌合部を有する被覆材と凸型嵌合部を有する被覆材を作製し、かかるカプセル部材の中に内容物を入れて嵌合するカプセルタイプのようなものが挙げられる。
具体的には、図1のように被覆材の全部が分解性材料で形成されている形態、図3のように分解性材料と非分解性材料の混合比率を変化させた混合材料によって被覆材の全部が形成されている形態、図4のように分解性材料と非分解性材料の混合比率を変化させた混合材料を層状に配置した形態、図5のように被覆材の一の部分が分解性材料で形成されており、他の部分が非分解性材料で形成されている形態、図6のように図5の一の部分に用いる分解性材料の代わりに、上記した混合材料を用いた形態などが挙げられる。
なお、図3〜図6については、図示しやすいように図1に示すシームレスタイプによって模式したが、これに限定されず図2のようなカプセルタイプにおいても採用することができる。
その理由は、被覆材の厚みがあまりにも薄すぎると取扱い時に被覆材が壊れてしまい、土壌に投入する前に土壌改質組成物の内容物が出てしまう恐れがあるからであり、逆にあまりにも厚すぎると改質効果が発現するまでに時間がかかりすぎ、改質効果が不十分になる恐れがあるからである。
例えば、建造物などが立っておらず、かつ地表面付近に存在する土壌については、地表面から酸素の供給が多く行われる、いわゆる好気的な土壌環境にあることから、内容物の量が少なく被覆材の厚みが薄い土壌改質組成物を用いることによって土壌中の微生物の活動を調節する方法が挙げられる。
一方、地表面上に建造物などが立っている土壌や深度が高い土壌については、地表面からの酸素の供給がほとんど行われない、いわゆる嫌気的な土壌環境にあることから、内容物の量が多く被覆材の厚みが厚い土壌改質組成物を用いることによって土壌中の微生物の活動を調節する方法が挙げられる。
また、このような嫌気的環境の土壌では、場合によっては継続的な改質を行う必要があることから、被覆材の厚みが段階的に異なる数種の土壌改質組成物を混合することによって、被覆材の被覆状態が解消される時期をずらして、内容物である栄養素や酸素供給剤が途切れることなく土壌中に供給されるようにして、土壌中の微生物の活動を維持する方法が挙げられる。
また、基礎の下に存在するような、地表面上に建造物などが立っているいわゆる嫌気状態にある汚染土壌に対しても簡便に長期的かつ継続的な改質を行うことができる。
まず、本発明に係る土壌改質組成物を説明する。
図1は本発明に係る土壌改質組成物の第1の実施形の断面を示す模式図であり、図2は本発明に係る土壌改質組成物の第2の実施形態を示す模式図であり、図3は本発明に係る土壌改質組成物の第3の実施形態の断面を示す模式図であり、図4は本発明に係る土壌改質組成物の第4の実施形態の断面を示す模式図であり、図5は本発明に係る土壌改質組成物の第5の実施形態の断面を示す模式図であり、図6は本発明に係る土壌改質組成物の第6の実施形態の断面を示す模式図である。
次に、本発明に係る土壌改質組成物の第1の実施形態の構成および作用を説明する。図1に示す本発明の第1の実施形態である土壌改質組成物1aは、微生物の栄養素や酸素供給剤である内容物2が被覆材3で被覆されており、被覆材3の全部が、分解性材料4で形成されることによって構成されている。なお、被覆材3の厚みは改質する土壌に合わせて、1mm〜25mmの間で調整される。
そして、土壌中に投入された後、時間の経過とともに被覆材3の分解や溶解が進むことによって所定の時間が経過した後、被覆状態が解消されて微生物の栄養素や酸素供給剤である内容物2が土壌中に供給されることになる。
次に、本発明に係る土壌改質組成物の第2の実施形態の構成および作用を説明する。図2に示す本発明の第2の実施形態である土壌改質組成物1bは、被覆材3が図2(a)に示すような凹型嵌合部5を有する被覆材3aと凸型嵌合部6を有する被覆材3bであり、かかる被覆材3の中に内容物2を入れて嵌合することによって、図2(b)のように土壌改質組成物1bが形成されているものである。
そして、土壌中に投入された後、時間の経過とともに被覆材3の分解や溶解が進むことによって所定の時間が経過した後、被覆状態が解消されて微生物の栄養素や酸素供給剤である内容物2が土壌中に供給されることになる。
次に、本発明に係る土壌改質組成物の第3の実施形態の構成および作用を説明する。図3に示す本発明の第3の実施形態である土壌改質組成物1cも内容物2が被覆材3によって被覆されているが、被覆材3の全部が、分解性材料4と非分解性材料7の混合比率を変化させた混合材料8で形成されている点において、第1の実施形態と異なっている。
ここで、分解性材料4と非分解性材料7の混合比率については、必ず分解性材料4が混合されていなければならないが、分解性材料4が混合されていればその混合比率は対象とする土壌に応じて調節されることになる。そして、例えば、分解性材料の混合比率が被覆材全体の90重量%の場合は1ヶ月後に被覆状態が解消され、分解性材料の混合比率が被覆材全体の50重量%の場合は3ヶ月後に被覆状態が解消され、分解性材料の混合比率が被覆材全体の10重量%の場合は6ヶ月後に被覆状態が解消されるなどのデータを予め把握しておくことによって、最適な時期に内容物の供給を土壌に行うことができる。なお、被覆材3の厚みは改質する土壌に合わせて、1mm〜25mmの間で調整される。
従って、本実施形態においては、第1の実施形態と比べると内容物2を土壌に供給したい時期をより細かく調節することができる。
次に、本発明に係る土壌改質組成物の第4の実施形態の構成および作用を説明する。図4に示す本発明の第4の実施形態である土壌改質組成物1dも内容物2が被覆材3によって被覆されているが、分解性材料4と非分解性材料7の混合比率を変化させた混合材料8aおよび8bを層状に配置して形成されている点において、第1の実施形態と異なっている。なお、被覆材3の厚みは改質する土壌に合わせて、1mm〜25mmの間で調整される。また、混合材料の層の数についても改質する土壌に合わせて調整される。
従って、本実施形態においては、層状に配置された混合材料8aおよび8bの混合比率によって被覆状態の解消速度が異なることから、第1の実施形態や第3の実施形態と比べると内容物2を土壌に供給したい時期をさらに細かく調節することができる。
次に、本発明に係る土壌改質組成物の第5の実施形態の構成および作用を説明する。図5に示す本発明の第5の実施形態である土壌改質組成物1eも、内容物2が被覆材3によって被覆されているが、被覆材3の一の部分が分解性材料4で形成されており、他の部分が非分解性材料7で形成されている点において、第1の実施形態と異なっている。
ここで、分解性材料4については単独で用いても併用してもよく、土壌に応じて調節されることになる。また、図5に示すように、分解性材料4で形成される被覆材3の一の部分の形態については、針状4aになっていても蓋状4bになっていてもよく、またこれらを併用してもよい。なお、本実施形態においても、被覆材3の厚みは改質する土壌に合わせて1mm〜25mmの間で調整される。
従って、本実施形態においては、第1の実施形態のような内容物2がほぼ一度に供給される形態に比べ、内容物2が少しずつ土壌中に供給されることとなる。
次に、本発明に係る土壌改質組成物の第6の実施形態の構成および作用を説明する。図6に示す本発明の第6の実施形態である土壌改質組成物1fも、内容物2が被覆材3によって被覆されているが、被覆材3の一の部分が混合材料8で形成されており、他の部分が非分解性材料7で形成されている点において第5の実施形態と異なっている。
ここで、混合材料8の混合比率については、第3の実施形態と同様に必ず分解性材料が混合されていなければならないが、分解性材料4が混合されていればその混合比率は改質の対象となる土壌に応じて調節されることになる。そして、第3の実施形態と同様に、分解性材料の混合比率と被覆状態が解消される時間との関係を予め把握しておくことによって、最適な内容物の供給を土壌に行うことができる。なお、被覆材3の厚みは改質する土壌に合わせて1mm〜25mmの間で調整される。
従って、本実施形態においては、被覆材3の一の部分が混合材料8で形成されていることから、第5の実施形態と比べ、内容物2がより少しずつ土壌中に供給されることとなる。
次に、本発明に係る土壌改質方法を説明する。図7は本発明に係る土壌改質方法の第1の実施形態を示す模式図であり、図8は本発明に係る土壌改質方法の第2の実施形態を示す模式図であり、図9は本発明に係る土壌改質方法の第3の実施形態を示す模式図であり、図10は本発明に係る土壌改質方法の第4の実施形態を示す模式図である。
次に、本発明に係る土壌改質方法の第1の実施形態を説明する。ここで、図7に示す本実施形態は、地表面上に建造物が立っていない土壌を対象とするものである。
この際、土壌改質組成物1aを混合した土壌9を元の場所に埋め戻した際に、表層部10となる土壌9については、地表面から酸素の供給がなされることから、中層部11、深層部12に混合される土壌改質組成物1aよりも内容物2の量が少ない土壌改質組成物1aが用いられる。また、被覆材3の厚みについても、表層部10から中層部11、深層部12になるにつれて被覆材が厚い土壌改質組成物1aが用いられる。
次に、本発明に係る土壌改質方法の第2の実施形態を説明する。ここで、図8に示す本実施形態は、地表面上に建造物が立っていない土壌であり、かつ継続的な改質が必要な土壌を対象とするものである。
この際、土壌改質組成物1aを混合した土壌9を元の場所に埋め戻した際に、表層部10、中層部11、深層部12の各層の土壌9には、各層において複数の被覆材3の厚みを有する数種の土壌改質組成物1aが混合される。
次に、本発明に係る土壌改質方法の第3の実施形態を説明する。ここで、図9に示す本実施形態は、地表面上に建造物が立っている土壌を対象とするものである。
この際、土壌改質組成物1aを混合した土壌9を元の場所に埋め戻した際に、表層部10となる土壌9については、地表面からの酸素の供給がほとんどないことから、中層部11、深層部12に混合される土壌改質組成物1aと同程度の量の内容物2が被覆された土壌改質組成物1aが用いられる。また、被覆材3の厚みについても、各層においてほとんど変わらない厚みの土壌改質組成物1aが用いられる。
次に、本発明に係る土壌改質方法の第4の実施形態を説明する。ここで、図10に示す本実施形態は、地表面上に建造物が立っている土壌であり、かつ継続的な改質が必要な土壌を対象とするものである。
この際、土壌改質組成物1aを混合した土壌9を元の場所に埋め戻した際に、表層部10となる土壌9については、地表面からの酸素の供給がほとんどないことから、中層部11、深層部12に混合される土壌改質組成物1aと同程度の量の内容物2が被覆された土壌改質組成物1aが用いられる。そして、表層部10、中層部11、深層部12の各層の土壌9には、各層において複数の被覆材3の厚みを有する数種の土壌改質組成物1aが混合される。
内容物として過酸化カルシウムを主成分とした粒状の酸素供給剤を用い、被覆材として生分解性を有する材料であるPVAを用いた。そして、撹拌装置付きの容器に過酸化カルシウム製剤0.04gを入れ、撹拌をしながら10重量%濃度のPVA水溶液を0.004gスプレーした。その後50℃において120分乾燥を行い、最後にふるいを用いて粒径が略5.1mmである実施例1の土壌改質組成物を得た。
内容物として栄養剤である粉末状のLB培地成分を用い、被覆材として生分解性を有する材料であるPVAを用いた。そして、撹拌装置付きの容器にLB培地成分0.314gを入れ、撹拌をしながら10重量%濃度のPVA水溶液を0.03gスプレーした。その後50℃において120分乾燥を行い、最後にふるいを用いて粒径が略10.2mmである実施例2の土壌改質組成物を得た。
内容物として過酸化カルシウムを主成分とした粒状の酸素供給剤を用い、被覆材として水溶性を有する材料であるポリエチレンイミンを用いた。そして、撹拌装置付きの容器に過酸化カルシウム製剤0.04gを入れ、撹拌をしながら10重量%濃度のポリエチレンイミン水溶液を0.004gスプレーした。その後50℃において120分乾燥を行い、最後にふるいを用いて粒径が略5.1mmである実施例3の土壌改質組成物を得た。
内容物として栄養剤である粉末状のLB培地成分を用い、被覆材として水溶性を有する材料であるポリエチレンイミンを用いた。そして、撹拌装置付きの容器にLB培地成分0.314gを入れ、撹拌をしながら10重量%濃度のポリエチレンイミン水溶液を0.03gスプレーした。その後50℃において120分乾燥を行い、最後にふるいを用いて粒径が略10.2mmである実施例4の土壌改質組成物を得た。
内容物として過酸化カルシウムを主成分とした粒状の酸素供給剤と栄養剤である粉末状のLB培地成分を併用し、被覆材として生分解性を有する材料であるPVAと水溶性を有する材料であるポリエチレンイミンを併用した。
そして、撹拌装置付きの容器に過酸化カルシウム0.02gとLB培地0.02gを入れ、撹拌をしながら10重量%濃度のPVA水溶液と10重量%濃度のポリエチレンイミン水溶液の混合溶液を0.004gスプレーした。その後50℃において120分乾燥を行い、最後にふるいを用いて粒径が略5.1mmである実施例5の土壌改質組成物を得た。
1b 土壌改質組成物
1c 土壌改質組成物
1d 土壌改質組成物
1e 土壌改質組成物
1f 土壌改質組成物
2 内容物
3 被覆材
3a 被覆材
3b 被覆材
4 分解性材料
4a 分解性材料
4b 分解性材料
5 凹型嵌合部
6 凸型嵌合部
7 非分解性材料
8 混合材料
8a 混合材料
8b 混合材料
8c 混合材料
8d 混合材料
9 土壌
10 表層部
11 中層部
12 深層部
13 建造物
Claims (6)
- 土壌中に存在する微生物を活性化させるための土壌改質組成物であって、
前記微生物の栄養素または/および酸素供給剤が、
生分解性材料、水溶性材料、アルカリ溶解性材料、酸溶解性材料、熱溶解性材料から選ばれる少なくとも1種以上の材料を有する被覆材によって被覆されていることを特徴とする土壌改質組成物。 - 前記被覆材の厚みが、
1mm〜25mmであることを特徴とする請求項1に記載の土壌改質組成物。 - 前記被覆材の一の部分が、
生分解性材料、水溶性材料、アルカリ溶解性材料、酸溶解性材料、熱溶解性材料から選ばれる少なくとも1種以上の材料で形成されており、
他の部分が、
非生分解性材料、非水溶性材料、非アルカリ溶解性材料、非酸溶解性材料、非熱溶解性材料から選ばれる少なくとも1種以上の材料で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の土壌改質組成物。 - 前記被覆材が、
生分解性材料、水溶性材料、アルカリ溶解性材料、酸溶解性材料、熱溶解性材料から選ばれる少なくとも1種以上の材料と、
非生分解性材料、非水溶性材料、非アルカリ溶解性材料、非酸溶解性材料、非熱溶解性材料から選ばれる少なくとも1種以上の材料の混合比率を変化させた混合材料を、
層状に配置したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の土壌改質組成物。 - 請求項1から4に記載の土壌改質組成物を用いること特徴とする土壌改質方法。
- 請求項1から4に記載の土壌改質組成物を用いる土壌改質方法であって、地表面から深さ方向に進むにつれて、被覆材の厚みが厚い土壌改質組成物を用いることを特徴とする土壌改質方法。
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