JP2012201932A - Snめっき材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦係数が低く、耐食性、はんだ濡れ性および接触信頼性に優れたSnめっき材およびそのSnめっき材を低コストで製造する方法を提供する。
【解決手段】0.2g/L以上のSn酸化物を含むSnめっき浴を使用して電気めっきにより、銅や銅合金などからなる素材上にSnめっき層を形成し、Snめっき層の表面を乾燥させた後、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却することにより、Snめっき層から最表面の純Sn層とその下層の化合物層(素材が銅または銅合金からなる場合にはCu−Sn化合物層)を形成するとともに、最表面に複数の微小凹部を形成し、次いで、Snめっき層の表面に潤滑油を塗布する。
【選択図】なし

Description

本発明は、Snめっき材およびその製造方法に関し、特に、挿抜可能な接続端子などの材料として使用されるSnめっき材およびその製造方法に関する。
従来、挿抜可能な接続端子の材料として、銅や銅合金などの導体素材の最外層にSnめっきを施したSnめっき材が使用されている。特に、Snめっき材は、接触抵抗が小さく、接触信頼性、耐食性、はんだ付け性、経済性などの観点から、自動車、携帯電話、パソコンなどの情報通信機器、ロボットなどの産業機器の制御基板、コネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの端子やバスバーの材料として使用されている。
一般に、このようなSnめっきは、電気めっきによって行われており、Snめっき材の内部応力を除去してウイスカの発生を抑制するために、電気めっきの直後にリフロー処理(Sn溶融処理)が行われている。このようにSnめっき後にリフロー処理を行うと、Snの一部が素材や下地成分に拡散して化合物層を形成し、この化合物層の上に柔らかい溶融凝固組織になったSn層(以下「純Sn層」という)が形成される。この純Sn層は、優れた接触信頼性、耐食性およびはんだ付け性を得るために極めて重要な役割を果たす。
しかし、純Sn層は軟質で変形し易いため、リフロー処理を施したSnめっき材を挿抜可能な接続端子などの材料として使用すると、接続端子の挿入時に表面が削れて摩擦係数が高くなって挿入力が高くなるという問題がある。また、自動車などの接続端子では、端子の多極化が進んでおり、端子の数に比例して組立て時の挿入力が上昇し、作業負荷が問題になっている。
このような問題を解消するため、リフロー処理を施したSnめっき材では、軟質層である純Sn層の膜厚を薄くして、リフロー処理により硬質なCu−Sn化合物層などの化合物層を下地に形成することによって、摩擦係数の低減を図っている。しかし、純Sn層を薄くすると、素材や下地の成分が経時変化により最表面に速く拡散して耐熱性や接触信頼性が低下する。そのため、Cu−Sn化合物層の下層に拡散抑制層としてNi層を挿入する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、素材の表面に算術平均粗さRaが0.15μm以上の凹凸を形成して、凸部においてCu−Sn化合物層を露出させることによって、挿入力を低くする方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、Snを含む鋼合金の基材を加熱して酸化処理し、水素イオン濃度を所定の範囲に調整したフッ素化合物溶液に浸した後に、下地用金属をめっきすることにより直径10〜100μmの基材の複数の凹部を形成し、接触用金属をめっきし、潤滑物質を塗布して、充分な耐摩耗性のコンタクトを得る方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、Snめっき上にシラン化合物の皮膜を形成することによって、挿入力を低減する方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2003−147579号公報(段落番号0007) 特開2006−183068号公報(段落番号0012−0013) 特開2006−202569号公報(段落番号0012、0018) 特開2003−328153号公報(段落番号0005−0006)
しかし、特許文献1のように、Ni層を挿入する方法では、Niめっきの工程の分だけ工程数が多くなり、めっきラインの管理コストやイニシャルコストが増大する。また、純Sn層を0.2μm以下の薄い層にすると、挿入力を低くすることができるものの、Cu−Sn化合物層が露出する部分が生じて、はんだ付け性や耐食性が劣化する。
また、特許文献2のように、素材の表面に算術平均粗さRaが0.15μm以上の凹凸を形成してCu−Sn化合物層を露出させる方法では、Cu−Sn化合物層の露出により、特許文献1と同様にはんだ付け性や耐食性が劣化する。
また、特許文献3のように、Snを含む銅合金の基材の表面に凹凸を形成する方法では、基材の種類がSnを含む銅合金に限定され、また、素材の処理に多大なコストがかかり、素材の処理により生産性が低くなる。
さらに、特許文献4のように、プレス加工時に使用されないシラン化合物のような潤滑材を使用すると、プレス加工により連続的に成形するにつれて、プレス機の油として指定した油以外の物質が混入することになり、プレス成形品の形状や金型の管理面の負荷が増大してコストがかかる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、摩擦係数が低く、耐食性、はんだ濡れ性および接触信頼性に優れたSnめっき材およびそのSnめっき材を低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、0.2g/L以上のSn酸化物を含むSnめっき浴を使用して電気めっきにより素材上にSnめっき層を形成し、Snめっき層の表面を乾燥させた後、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却することにより、摩擦係数が低く、耐食性、はんだ濡れ性および接触信頼性に優れたSnめっき材を低コストで製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるSnめっき材の製造方法は、0.2g/L以上のSn酸化物を含むSnめっき浴を使用して電気めっきにより素材上にSnめっき層を形成し、Snめっき層の表面を乾燥させた後、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却することを特徴とする。
このSnめっき材の製造方法において、Snめっき浴が硫酸錫を含み、Sn酸化物がSnめっき浴を大気と接触させることによって生成されるのが好ましい。また、電気めっきにより形成されたSnめっき層の厚さが0.5μm以上であるのが好ましく、電気めっきにより形成されたSnめっき層の厚さに対する結晶粒度の比(結晶粒度/厚さ)が1.5以下であるのが好ましい。また、素材が銅または銅合金からなるのが好ましい。
また、上記のSnめっき材の製造方法において、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却することにより、Snめっき層から最表面の純Sn層とその下層の化合物層を形成することができる。この場合、純Sn層の厚さが0.2μm以上であり、化合物層の厚さが0.4μm以上であるのが好ましい。また、素材が銅または銅合金からなり、化合物層がCu−Sn化合物層であるのが好ましい。
さらに、上記のSnめっき材の製造方法において、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却したSnめっき材の表面の1575μmの領域に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数が50個以上であるのが好ましい。また、Snめっき層の表面の光学濃度が1.0以下であるのが好ましい。さらに、Snめっき層を加熱してSnを溶融させた後に冷却した後に、Snめっき層の表面に潤滑油を塗布するのが好ましい。この場合、Snめっき層の表面に塗布された潤滑油の量がSnめっき層の表面の面積(表面の粗さを考慮せずに平面としたときの面積)に対して20mg/dm以上であるのが好ましい。
また、本発明によるSnめっき材は、素材上に形成されたSnめっき層の表面の1575μmの領域に面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部が50個以上形成されていることを特徴とする。
このSnめっき材において、素材が銅または銅合金からなるのが好ましい。また、Snめっき層が、最表面側の純Sn層と、この純Sn層と素材との間に形成された化合物層とからなるのが好ましい。この場合、純Sn層の厚さが0.2μm以上であり、化合物層の厚さが0.4μm以上であるのが好ましい。また、素材が銅または銅合金からなり、化合物層がCu−Sn化合物層であるのが好ましい。また、Snめっき材の光学濃度が1.0以下であるのが好ましい。
また、上記のSnめっき材において、微小凹部が形成されたSnめっき層の表面に潤滑油が塗布されているのが好ましい。この場合、Snめっき材の摩擦係数が0.25以下であるのが好ましい。Snめっき層の表面に塗布された潤滑油の量がSnめっき層の表面の面積(表面を平面としたときの面積)に対して20mg/dm以上であるのが好ましい。
本発明によれば、摩擦係数が低く、耐食性、はんだ濡れ性および接触信頼性に優れたSnめっき材を低コストで製造することができる。
本発明によるSnめっき材の製造方法の実施の形態では、0.2g/L以上のSn酸化物を含むSnめっき浴を使用して電気めっきにより銅や銅合金などからなる素材上にSnめっき層を形成し、Snめっき層の表面を乾燥させた後、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却する。
このSnめっき材の製造方法において、電気めっきにより素材上にSnめっき層を形成した後に、Snめっき層の表面を乾燥させるのは、表面が濡れたままでは、表面が酸化し難く、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させる際にSnめっき層が均一に溶けて広がり易くなって、Snめっき層の表面に微小凹部を形成し難くなるからである。
また、Snめっき浴は、0.2g/L以上のSn酸化物を含み、1g/L以上のSn酸化物を含むのが好ましい。Snめっき浴がSn酸化物を含むと、電気めっきの際にSn酸化物がSn結晶の内部、表面および粒界に巻き込まれて、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させる際にSnめっき層が均一に溶けて広がるのを抑制すると考えられ、また、Snめっき浴中のSn酸化物の量が0.2g/Lより少ないと、Snを溶融させる際にSnめっき層が均一に溶けて広がり易くなってSnめっき層の表面に微小凹部を形成し難くなるからである。また、Snめっき浴が硫酸錫を含み、Snめっき浴に空気を吹き込んだり、Snめっき浴を攪拌または循環させて大気と接触させることによって、Sn酸化物がSnめっき浴中に生成されるのが好ましい。
また、電気めっきの際の電流密度を3〜12A/dmにするのが好ましく、電気めっきにより形成されるSnめっき層の厚さが0.5μm以上であるのが好ましく、0.8μm以上であるのがさらに好ましい。また、電気めっきにより形成されるSnめっき層の結晶粒度が1.7μm以下であるのが好ましく、1.5μm以下であるのがさらに好ましい。さらに、Snめっき層の厚さに対する結晶粒度の比(結晶粒度/厚さ)が1.5以下であるのが好ましく、1.1以下であるのがさらに好ましい。結晶粒度/厚さが1.5より大きいと、粒界が減少してSnめっき層の表面に微小凹部を形成し難くなるからである。
また、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却することにより、Snめっき層から最表面の純Sn層とその下層の化合物層(素材が銅または銅合金の場合にはCu−Sn化合物層)を形成することができる。この場合、純Sn層の厚さが0.2〜1.5μmであるのが好ましく、0.4〜1.5μmであるのがさらに好ましい。純Sn層の厚さが0.2μmより薄いとSnめっきとしての特性を発揮できず、1.5μmより厚いとコストが高くなるからである。また、化合物層の厚さが0.4〜1.5μmであるのが好ましく、0.6〜1.5μmであるのがさらに好ましい。化合物層の厚さが0.4μmより薄いと純Sn層の下に硬質の化合物層を形成して挿入力を低下させる効果を十分に得ることができず、1.5μmより厚いと曲げ加工時にSnめっき材が割れ易くなるからである。
また、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却したSnめっき材の表面の1575μmの領域に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数が50個以上であるのが好ましい。深さが0.1μmより浅い微小凹部や、微小凹部の数が50個未満では、Snめっき層の表面に潤滑油を十分に保持することができないからである。
また、Snめっき層の表面の光学濃度が1.0以下であるのが好ましい。光学濃度が1.0より高いと、Snめっき層の表面に潤滑油を十分に保持して摩擦係数を低下させる効果を発揮することができないからである。
また、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却した後に、Snめっき層の表面に潤滑油を塗布するのが好ましい。このように微小凹部が形成されたSnめっき層の表面に潤滑油を塗布すると、微小凹部によって潤滑油が保持されて、Snめっき材の摩擦係数を大幅に低くすることができ、Snめっき材を挿抜可能な接続端子の材料として使用した場合に挿入力を飛躍的に低減することができるからである。この場合、Snめっき層の表面に塗布された潤滑油の量がSnめっき層の表面の面積に対して20mg/dm以上であるのが好ましい。潤滑油の量が20mg/dm未満であると、潤滑油が不足して摩擦係数を低下させる効果を発揮することができないからである。
また、本発明によるSnめっき材は、銅や銅合金などからなる素材上に形成されたSnめっき層の表面の1575μmの領域に面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部が50個以上形成されている。
このSnめっき材において、Snめっき層が、最表面側の純Sn層と、この純Sn層と素材との間に形成された化合物層(素材が銅または銅合金の場合にはCu−Sn化合物層)とからなるのが好ましい。この場合、純Sn層の厚さが0.2μm以上であり、化合物層の厚さが0.4μm以上であるのが好ましい。
また、上記のSnめっき材において、Snめっき材の光学濃度が1.0以下であるのが好ましい。また、微小凹部が形成されたSnめっき層の表面に潤滑油が塗布されているのが好ましい。この場合、Snめっき材の摩擦係数が0.25以下であるのが好ましい。また、Snめっき層の表面に塗布された潤滑油の量がSnめっき層の表面の面積に対して20mg/dm以上であるのが好ましい。
なお、潤滑油として、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、合成油などの基油に各種の添加物が添加された潤滑油を使用することができるが、端子やバスバーをプレス成形する際に使用するプレス油を使用するのが管理面から好ましい。
以下、本発明によるSnめっき材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、素材(被めっき材)として、(ミツトヨ株式会社製のビッカース硬度計により荷重0.5kgfで測定した)ビッカース硬さが105で長さ100mm×幅60mm×厚さ0.4mmの純銅板(無酸素銅C1020)を用意し、前処理として、電解脱脂を行った後に水洗し、その後、酸洗した後に水洗した。
また、硫酸Sn(SnSO)60g/Lと硫酸(HSO)75g/Lとクレゾールスルホン酸30g/Lとβナフトール1g/Lを含有する1Lの水溶液に空気を1L/分の流量で150分間吹き込んで酸化Sn1g/Lを生成させてめっき浴を作製した。なお、電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって、生成した物質がSnと酸素(O)で構成される物質であることを確認した。また、めっき浴中の酸化Snの生成量は、空気の吹き込み量(L/分)と吹き込み時間(分)を調整して酸化Snを生成させた後に、ろ紙(ADVANTEC社製のGA−100(保留粒子径1.0mm))によりろ過して液中の固体分を採取し、扇風機で24時間乾燥させて重量を測定することによって定量した。
次に、前処理済の素材とSn板を40mm離間させて1Lビーカーに配置し、作製しためっき浴1Lをビーカーに入れ、ビーカー中のスターラーを300rpmで回転させてめっき浴を攪拌し、液温20℃に制御し、素材およびSn板をそれぞれ陰極および陽極として、電流密度7A/dmで43秒間通電して、素材の両面のそれぞれ長さ50mm×幅60mmの領域にSnめっき層を形成した。
このように素材上にSnめっき層を形成したSnめっき材を水洗し、Snめっき材の表面をドライヤーで50℃に加熱して1分間乾燥させた後、1分以内にSnめっき材のリフロー処理を行った。このリフロー処理(Sn溶融処理)は、近赤外線ヒーター(ハイベック社製)によって大気雰囲気においてSnめっき材を加熱して、Snめっき層の表面が溶融した後、10秒以内に温度20℃の水槽内に浸漬して冷却した。
このようにリフロー処理を行ったSnめっき材の表面に、プレスや切断加工などの塑性加工に使用する潤滑油(JX日鉱日石エネルギー株式会社製のユニプレスPA5)50mg/dmを塗布した。なお、潤滑油の塗布量は、電子天秤を用いて測定した。
このようにリフロー処理を行った後に潤滑油を塗布したSnめっき材の製造条件を表1に示す。
Figure 2012201932
リフロー処理前のSnめっき材について、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。
Snめっき層の厚さ(電析厚さ)は、蛍光X線膜厚計(セイコーインスツル株式会社製)を用いて測定し、電析Snの結晶粒度は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により得られる二次電子像(SEI)を用いてSnめっき層の表面を倍率5000倍に拡大して切断法(JIS H0501)によって求めた。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は0.9μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは0.9であった。これらの結果を表2に示す。
Figure 2012201932
また、リフロー処理後のSnめっき材について、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。
微小凹部の面積については、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により得られる二次電子像(SEI)を用いて表面を倍率3000倍に拡大して、表面に形成された凹部の面積が10μm以下であるか否かを判定した。また、微小凹部の深さは、原子間力顕微鏡(AFM)(日本電子株式会社製のJSPM5400)を用いて計測し、微小凹部の数は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により得られる二次電子像(SEI)を用いて表面を倍率3000倍に拡大して35μm×45μm(=1575μm)の領域で計測した。その結果、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数は200個であった。
表面の光学濃度は、反射濃度計(マクベス社製のRD918)を用いて測定した。この光学濃度の数値が低い程、表面の光沢度が低いことを意味している。その結果、表面の光学濃度は0.5であった。
純Sn層の厚さは、電解式膜厚計(中央製作所製のTH11)を用いて測定した。また、Cu−Sn化合物層の厚さは、純Sn層と同様に電解式膜厚計を用いて測定し、純Sn層の厚さの測定後に再測定を行って計測表示される値をCu−Sn化合物層の厚さとした。その結果、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。なお、集束イオンビーム(FIB)を用いてめっき断面を露出させ、走査イオン顕微鏡(SIM)で断面観察を行ったところ、純Sn層およびCu−Sn化合物層の厚さはいずれも電解式膜厚計で測定した厚さと同じであった。
これらの結果を表3に示す。なお、表3において、リフロー処理後のSnめっき材の表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数が0〜9個の場合を×、10〜49個の場合を△、50〜99個の場合を○、100個以上の場合を◎で示している。
Figure 2012201932
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。
雄端子と雌端子の嵌合時の挿入力は、端子接圧が一定の場合に表面の摩擦係数と相関があることから、摩擦係数を測定して挿入力を評価した。摩擦係数(μ)は、リフロー処理後のSnめっき材から切り出した平板状の試験片に潤滑油を塗布して雄端子とし、Cu−1.0質量%Ni−0.9質量%Sn−0.05質量%Pのからなるビッカース硬さ180の銅合金板に厚さ1.0μmのSnめっき層を形成た後にリフロー処理して厚さ0.6μmの純Sn層の下層に厚さ0.8μmのCu−Sn層が形成されたリフローSnめっき材(微小凹部数0個)を卓上プレス機によりインデント加工(R=1.5mm)して(潤滑油を塗布しない)雌端子とし、電気接点シミュレータとステージコントローラとロードセルとロードセルアンプを組み合わせた装置(株式会社山崎精機研究所製)を使用して、ステージに固定した平板状の雄端子にインデント加工した雌端子を負荷荷重300gf、摺動速度60mm/分で7mm滑らせ、摺動距離1mmから5mmまでの4mmの区間でロードセルアンプによって検出された摺動時の力の平均値(F)を負荷荷重(N)で除して、μ=F/Nから算出した。その結果、摩擦係数は0.15であった。
はんだ濡れ性の評価は、潤滑油塗布後のSnめっき材から幅10mm、長さ60mmの試験片をプレスで打ち抜いて、ソルダーチェッカ(株式会社レスカ製のSAT−5200)を用いて、85℃で相対湿度85%の環境下に24時間放置した後に、非活性フラックスを塗布し、260℃に保持したPbフリーはんだ(Sn−3質量%Ag−0.5質量%Cu)槽に浸漬速度4mm/sで長さ4mmの部分を10秒間浸漬して、めっき面を外観観察することにより、試験片のはんだに浸漬した表面積に対するはんだで濡れた部分の面積(はんだ濡れ率)を求めることによって行った。その結果、はんだ濡れ率は95%であり、はんだ濡れ性は良好であった。
接触信頼性の評価は、潤滑油塗布後のSnめっき材から切り出した試験片を大気雰囲気下において120℃の恒温槽内に120時間保持した後に恒温槽から取り出し、20℃の測定室において試験片の表面の接触抵抗値を(高温放置後の接触抵抗値)測定することによって行った。接触抵抗値の測定は、マイクロオームメータ(株式会社山崎精機研究所製)を使用して、開放電圧20mV、電流10mA、直径0.5mmのU型金線プローブ、最大荷重100gf、摺動有り(1mm/100gf)の条件で5回測定して、(最大荷重100gfが加えられたときの)平均値を求めた。その結果、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。
これらの結果を表4に示す。なお、表4において、はんだ濡れ率が90%以上ではんだ濡れ性が良好な場合を○、はんだ濡れ率が90%未満ではんだ濡れ性が良好でない場合を×で示し、高温放置後の接触抵抗値が2mΩ以下で接触信頼性が良好な場合を○、高温放置後の接触抵抗値が2mΩより高く接触信頼性が良好でない場合を×で示している。
Figure 2012201932
[実施例2]
Snめっき層を形成する際の通電時間を34秒間としてSnめっき層を薄くした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは0.8μm、電析結晶粒度は0.8μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは1.0であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は220個、表面の光学濃度は0.5、純Sn層の厚さは0.4μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.6μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.14、はんだ濡れ率は90%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.2mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[実施例3]
Snめっき層を形成する際の通電時間を64秒間としてSnめっき層を厚くした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.5μm、電析結晶粒度は1.5μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは1.0であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は120個、表面の光学濃度は0.7、純Sn層の厚さは1.0μm、Cu−Sn化合物層の厚さは1.0μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.19、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は0.9mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[実施例4]
潤滑油の塗布量を20mg/dmと少なくした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は0.9μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは0.9であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は200個、表面の光学濃度は0.5、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.19、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[実施例5]
潤滑油の塗布量を300mg/dmと多くした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は0.9μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは0.9であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は200個、表面の光学濃度は0.5、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.14、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[実施例6]
空気の吹き込み時間を30分間としてめっき浴中の酸化Snの生成量を0.2g/Lと少なくした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は1.1μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは1.1であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は80個、表面の光学濃度は0.8、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.24、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[実施例7]
空気の吹き込み時間を600分間としてめっき浴中の酸化Snの生成量を4g/Lと多くした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は0.9μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは0.9であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は240個、表面の光学濃度は0.4、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.15、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[実施例8]
Snめっき層を形成する際の電流密度を3A/dmと低くし且つ通電時間を100秒間と長くした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は1.3μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは1.3であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は60個、表面の光学濃度は0.8、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.24、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[実施例9]
Snめっき層を形成する際の電流密度を12A/dmと高くし且つ通電時間を25秒間と短くした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は0.8μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは0.8であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は260個、表面の光学濃度は0.4、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.14、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[比較例1]
めっき浴中に酸化Snを生成させず、Snめっき層を形成する際の電流密度を2A/dmと低くし且つ通電時間を150秒間と長くし、リフロー処理前にSnめっき材の表面を乾燥しないで表面が濡れたまま1分以内にリフロー処理を行い、潤滑油を塗布しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は1.8μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは1.8であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は0個、表面の光学濃度は1.4、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.36、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[比較例2]
めっき浴中に酸化Snを生成させず、Snめっき層を形成する際の電流密度を2A/dmと低くし且つ通電時間を150秒間と長くし、リフロー処理前にSnめっき材の表面を乾燥しないで表面が濡れたまま1分以内にリフロー処理を行った以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は1.8μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは1.8であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は0個、表面の光学濃度は1.4、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.28、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[比較例3]
潤滑油を塗布しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は0.9μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは0.9であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は200個、表面の光学濃度は0.5、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.36、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[比較例4]
Snめっき層を形成する際の通電時間を17秒間としてSnめっき層を非常に薄くした以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは0.4μm、電析結晶粒度は0.4μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは1.0であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は0個、表面の光学濃度は1.2、純Sn層の厚さは0.1μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.5μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.22、はんだ濡れ率は70%ではんだ濡れ性が悪く、高温放置後の接触抵抗値は5.5mΩで接触信頼性が良好でなかった。これらの結果を表4に示す。
[比較例5]
リフロー処理前にSnめっき材の表面を乾燥しないで表面が濡れたまま1分以内にリフロー処理を行った以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は0.9μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは0.9であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は10個、表面の光学濃度は1.2、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.27、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。
[比較例6]
空気を吹き込まないでめっき浴中に酸化Snを生成させなかった以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。このSnめっき材の製造条件を表1に示す。
また、リフロー処理前のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、Snめっき層の厚さ(電析厚さ)を測定し、電析Snの結晶粒度を求め、電析結晶粒度/電析厚さを算出した。その結果、電析厚さは1.0μm、電析結晶粒度は1.4μmであり、電析結晶粒度/電析厚さは1.4であった。これらの結果を表2に示す。
また、リフロー処理後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数を計測し、光学濃度を測定し、純Sn層の厚さおよびCu−Sn化合物層の厚さを測定した。その結果、微小凹部の数は30個、表面の光学濃度は1.1、純Sn層の厚さは0.6μm、Cu−Sn化合物層の厚さは0.8μmであった。これらの結果を表3に示す。
また、潤滑油塗布後のSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、表面の摩擦係数を算出し、はんだ濡れ性を評価し、接触信頼性を評価した。その結果、摩擦係数は0.27、はんだ濡れ率は95%ではんだ濡れ性が良好であり、高温放置後の接触抵抗値は1.0mΩで接触信頼性が良好であった。これらの結果を表4に示す。

Claims (21)

  1. 0.2g/L以上のSn酸化物を含むSnめっき浴を使用して電気めっきにより素材上にSnめっき層を形成し、Snめっき層の表面を乾燥させた後、Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却することを特徴とする、Snめっき材の製造方法。
  2. 前記Snめっき浴が硫酸錫を含み、前記Sn酸化物がSnめっき浴を大気と接触させることによって生成されることを特徴とする、請求項1に記載のSnめっき材の製造方法。
  3. 前記電気めっきにより形成されたSnめっき層の厚さが0.5μm以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のSnめっき材の製造方法。
  4. 前記電気めっきにより形成されたSnめっき層の厚さに対する結晶粒度の比(結晶粒度/厚さ)が1.5以下であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  5. 前記Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却することにより、前記Snめっき層から最表面の純Sn層とその下層の化合物層を形成することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  6. 前記純Sn層の厚さが0.2μm以上であり、前記化合物層の厚さが0.4μm以上であることを特徴とする、請求項5に記載のSnめっき材の製造方法。
  7. 前記素材が銅または銅合金からなり、前記化合物層がCu−Sn化合物層であることを特徴とする、請求項5または6に記載のSnめっき材の製造方法。
  8. 前記素材が銅または銅合金からなることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  9. 前記Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却したSnめっき材の表面の1575μmの領域に形成された面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部の数が50個以上であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  10. 前記Snめっき層の表面の光学濃度が1.0以下であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  11. 前記Snめっき層の表面を加熱してSnを溶融させた後に冷却した後に、前記Snめっき層の表面に潤滑油を塗布することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  12. 前記Snめっき層の表面に塗布された潤滑油の量が前記Snめっき層の表面の面積に対して20mg/dm以上であることを特徴とする、請求項11に記載のSnめっき材の製造方法。
  13. 素材上に形成されたSnめっき層の表面の1575μmの領域に面積10μm以下で深さ0.1μm以上の微小凹部が50個以上形成されていることを特徴とする、Snめっき材。
  14. 前記Snめっき層が、最表面側の純Sn層と、この純Sn層と素材との間に形成された化合物層とからなることを特徴とする、請求項13に記載のSnめっき材。
  15. 前記純Sn層の厚さが0.2μm以上であり、前記化合物層の厚さが0.4μm以上であることを特徴とする、請求項13または14に記載のSnめっき材。
  16. 前記素材が銅または銅合金からなり、前記化合物層がCu−Sn化合物層であることを特徴とする、請求項14または15に記載のSnめっき材。
  17. 前記素材が銅または銅合金からなることを特徴とする、請求項13乃至15のいずれかに記載のSnめっき材。
  18. 前記Snめっき材の光学濃度が1.0以下であることを特徴とする、請求項13乃至17のいずれかに記載のSnめっき材。
  19. 前記微小凹部が形成されたSnめっき層の表面に潤滑油が塗布されていることを特徴とする、請求項13乃至18のいずれかに記載のSnめっき材。
  20. 前記Snめっき材の摩擦係数が0.25以下であることを特徴とする、請求項19に記載のSnめっき材。
  21. 前記Snめっき層の表面に塗布された潤滑油の量が前記Snめっき層の表面の面積に対して20mg/dm以上であることを特徴とする、請求項19または20に記載のSnめっき材。
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