JP2012201991A - 麻調織物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異色或いは濃色、淡色にそれぞれ着色された3本以上のフィラメント糸から構成され、淡色に着色されたフィラメント糸の周囲に異色或いは濃色に着色されたフィラメント糸と淡色に着色されたフィラメント糸とが捲回された仮撚スラブ加工糸からなる織物であって、織物を構成する仮撚スラブ加工糸は、1〜15cmの道中部、1〜10cmの異色或いは濃色スラブ部、1.5〜12cmの淡色スラブ部、5mm以下の異色或いは濃色点状ネップ部、5mm以下の淡色点状ネップ部をランダムに有する。
【選択図】なし
Description
道中部:長さ1.0〜15cm、割合40〜60%
異色或いは濃色スラブ部:長さ1.0〜10cm、割合10〜20%
淡色スラブ部:長さ1.5〜12cm、割合20〜40%
異色或いは濃色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合1〜2%
淡色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合3〜5%
道中部:長さ1.0〜15cm、割合40〜60%
スラブ部:長さ1.0〜12cm、割合30〜60%
点状ネップ部:長さ5mm以下、割合4〜7%
〈仮撚スラブ加工糸〉
本発明の麻調織物は、異色或いは濃色と淡色に染め分けられた仮撚スラブ加工糸にて構成されており、織物を構成する仮撚スラブ加工糸は、異色或いは濃色、淡色にそれぞれ着色された3本以上のフィラメント糸からなり、淡色に着色されたフィラメント糸の周囲に異色或いは濃色に着色されたフィラメント糸と淡色に着色されたフィラメント糸とが捲回された仮撚スラブ加工糸である。
道中部:長さ1.0〜15cm、割合40〜60%
異色或いは濃色スラブ部:長さ1.0〜10cm、割合10〜20%
淡色スラブ部:長さ1.5〜12cm、割合20〜40%
異色或いは濃色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合1〜2%
淡色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合3〜5%
R(%)=[(m−m’)/m’]×100
(mは試料の標準状態の質量(g)、m’は試料の絶乾状態の質量(g)、ここで標準状態の質量とは、予備乾燥(相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にする)後、標準状態(温度20±2℃、相対湿度65±4%)の試験室に放置し恒量になった状態の質量である。)
本発明の織物は、前記仮撚スラブ加工糸からなる織物であればよく、麻調の表現を損なわない範囲であれば、織組織、密度、目付は特に限定はなく、また他の繊維糸、フィラメント糸等が交織等により混在してもよい。
本発明の織物は、次のようにして製造された仮撚スラブ加工糸から製造することができる。本発明の織物の製造に用いる仮撚スラブ加工糸は、その製造方法を特に限定するものではないが、道中部、異色或いは濃色スラブ部、淡色スラブ部、濃色点状ネップ部、淡色点状ネップ部がランダムに出現させる必要があり、そのためには、スピンドル回転数を低速〜高速の2段階以上に変化させることが可能な仮
撚加工機を用い、例えば、淡色に染色可能な芯糸のフィラメント糸の複合仮撚加工における加撚域に、前記フィラメント糸とは異色或いは濃色に染色可能なフィラメント糸と淡色に染色可能なフィラメント糸とをそれぞれ効果糸として用い、二つの効果糸をオーバーフィード率を多段に変化させた状態で一つの糸ガイドから同時に供給して加撚状態下の芯糸に捲き付かせ、芯糸に効果糸が多重捲回したスラブ部と一重捲回した点状ネップ部をランダムに形成させ、仮撚スラブ加工糸を製造することができる。
図1において、1はマグネットテンサー、2は第1ヒーター、3はスピンドル、4は第1引取りローラー、5は第2ヒーター、6は第2引取りローラー、7は巻取機、8、10はフィードローラー、9、11は糸ガイド、Aは芯糸、Bは効果糸1、Cは効果糸2、Dは押え糸であり、芯糸Aの仮撚加工における芯糸Aの加撚域に、効果糸Bと効果糸Cとを、多段に変化させたオーバーフィード率で糸ガイド9から同時に供給して複合仮撚し、さらに必要に応じ捲回部の形態を安定させる押え糸Dを糸ガイド11から供給する複合仮撚加工により本発明における仮撚スラブ加工糸を得ることができる。
製造された仮撚スラブ加工糸にて任意の織組織に製織した後、織物を染色加工して、異色或いは濃色に染色可能なフィラメント糸を異色或いは濃色に、淡色に染色可能なフィラメント糸を淡色にそれぞれ染め分ける。例えば、芯糸に未改質のポリエステルフィラメント糸、効果糸にカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸とセルローストリアセテートフィラメント糸とを用いてなる仮撚スラブ加工糸で構成した織物であれば、この織物をカチオン染料と分散染料で常圧染色によって仮撚スラブ加工糸の構成フィラメントを染色し染め分けることができる。すなわち、効果糸の一方のカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸のフィラメントはカチオン染料で異色或いは濃色に染色され、芯糸の未改質のポリエステルフィラメント糸と効果糸の他方のセルローストリアセテートフィラメント糸のフィラメントは分散染料で淡色にされ、しかも常圧染色であればセルローストリアセテートフィラメントは未改質のポリエステルフィラメントより濃く染色される。淡色に染色するとは、単に異色或いは濃色ではない色に染色するの意味である。染色加工後は、必要に応じ、染色織物に皺加工等を施し、仕上加工する。
芯糸としてポリエステルフィラメント糸56dtex/36f(三菱レイヨン社製、ポリエチレンテレフタレート、ブライト、単糸三角断面)1本を用い、効果糸1としてポリエステルフィラメント糸84dtex/36f(三菱レイヨン社製、ポリエチレンテレフタレート、ブライト、単糸三角断面)1本と、効果糸2としてカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸33dtex/12f(三菱レイヨン社製、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびアジピン酸共重合ポリエチレンテレフタレート、ブライト、単糸円断面)1本を用い、さらに押え糸としてポリエステルフィラメント糸40dtex/12f(三菱レイヨン社製、ポリエチレンテレフタレート、ブライト、単糸円断面)1本を用い、仮撚加工機(三菱重工業社製、スピンドル回転数可変型)にて、図1に示す工程により下記の条件で、芯糸(A)の仮撚加工における芯糸(A)の加撚域に効果糸1(B)と効果糸2(C)を糸ガイド(9)を介し多段のオーバーフィード(OF)率で供給して複合仮撚し、さらに押え糸(D)を効果糸の供給位置より下流で糸ガイド(11)から供給して仮撚スラブ加工糸を作製した。なお、実施例中、ガイド距離とは芯糸と糸ガイドとの間の最短の距離をいう。
糸加工速度:50m/分
効果糸1、効果糸2OF率:25、55、40、70%
効果糸1、効果糸2ガイド距離:150mm
押え糸OF率:65%
押え糸ガイド距離:180mm
第1ヒーター温度:180℃
スピンドル回転数:95,000〜135,000rpm
第2ヒーター温度:180℃
道中部:長さ1.5〜10cm、割合50%
濃色スラブ部:長さ1.5〜5cm、割合15%
淡色スラブ部:長さ2.5〜7cm、割合30%
濃色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合1.5%
淡色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合3.5%
得られた染色織物は、濃色のこげ茶色と淡色のベージュ色の小さな点状ネップが適度な頻度でランダムに配置され、ナチュラルでランダムな適度の長さの濃色のこげ茶色と淡色のベージュ色のスラブが適度な頻度でランダムに配置されており、麻調のナチュラルな高級感のある杢調表現された麻調織物であった。
芯糸としてポリエステルフィラメント糸56dtex/36f(三菱レイヨン社製、ポリエチレンテレフタレート、ブライト、単糸三角断面)1本を用い、効果糸1としてセルローストリアセテートフィラメント糸84dtex/36f(三菱レイヨン社製、ブライト、単糸菊型断面、R率3.5%)1本と、効果糸2としてカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸33dtex/12f(三菱レイヨン社製、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびアジピン酸共重合ポリエチレンテレフタレート、ブライト、単糸円断面)1本を用い、さらに押さえ糸としてセルローストリアセテートフィラメント糸40dtex/9f(三菱レイヨン社製、ブライト、単糸菊型断面、R率3.5%)1本を用い、実施例1で用いたと同じ仮撚加工機にて、図1に示す工程により下記の条件で、芯糸(A)の仮撚加工における芯糸(A)の加撚域に効果糸1(B)と効果糸2(C)を糸ガイド(9)を介し多段のOF率で供給して複合仮撚し、さらに押え糸(D)を下記の条件で糸ガイド(11)から供給して仮撚スラブ加工糸を作製した。
糸加工速度:50m/分
効果糸1、効果糸2OF率:25、55、40、70%
効果糸1、効果糸2ガイド距離:150mm
押え糸OF率:65%
押え糸ガイド距離:170mm
第1ヒーター温度:180℃
スピンドル回転数:95,000〜135,000rpm
第2ヒーター温度:180℃
道中部:長さ1.5〜10cm、割合50%
濃色スラブ部:長さ1.5〜5cm、割合15%
淡色スラブ部:長さ2.5〜7cm、割合30%
濃色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合1.5%
淡色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合3.5%
実施例2で作製した仮撚スラブ加工糸を、経糸と緯糸に用い、図2に示すマット組織の織物を製織した。この織物を常法の染色加工および皺加工により、カチオン染料にて効果糸2のフィラメントを濃色のこげ茶色に染色し、分散染料にて芯糸および効果糸1のフィラメントを淡色のベージュ色に染色し、仕上げ巾143cm、経糸密度79本/インチ、緯糸密度62本/インチの染色織物を作製した。得られた染色織物は、濃色のこげ茶色と淡色のベージュ色の小さな点状ネップが適度な頻度でランダムに配置され、ナチュラルでランダムな適度の長さの濃色のこげ茶色と淡色のベージュ色のスラブが適度な頻度でランダムに配置されており、麻調のナチュラルな高級感のある杢調表現されたものであり、またマット組織によりスラブやネップの見え方がマイルドでより上品でナチュラルな杢調を呈し、皺加工によりナチュラル凹凸表面となり、さらにセルローストリアセテートフィラメント糸による快適な着用感を有する高級麻調織物であった。
芯糸としてポリエステルコンジュゲートフィラメント糸56dtex/12f(三菱レイヨン社製、シックアンドシン型、ブライト、単糸円断面)1本を用い、効果糸1としてセルローストリアセテートフィラメント糸84dtex/20f(三菱レイヨン社製、ブライト、単糸菊型断面、R率3.5%)1本と、効果糸2としてカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸33dtex/12f(三菱レイヨン社製、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびアジピン酸共重合ポリエチレンテレフタレート、ブライト、単糸円断面)1本を用い、さらに押さえ糸としてセルローストリアセテートフィラメント糸40dtex/9f(三菱レイヨン社製、ブライト、単糸菊型断面、R率3.5%)1本を用い、実施例1で用いたと同じ仮撚加工機、同じ工程、同じ条件で、芯糸(A)の仮撚加工における芯糸(A)の加撚域に効果糸1(B)と効果糸2(C)を糸ガイド(9)を介し多段のOF率で供給して複合仮撚し、さらに押え糸(D)を供給して仮撚スラブ加工糸を作製した。
道中部:長さ1.5〜10cm、割合50%
濃色スラブ部:長さ1.5〜5cm、割合15%
淡色スラブ部:長さ2.5〜7cm、割合30%
濃色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合1.5%
淡色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合3.5%
芯糸としてポリエステルフィラメント糸110dtex/48f(三菱レイヨン社製、ポリエチレンテレフタレート、セミダル、単糸円断面)1本を用い、効果糸としてカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸56dtex/24f(三菱レイヨン社製、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびアジピン酸共重合ポリエチレンテレフタレート、セミダル、単糸円断面)1本を用い、実施例1で用いたと同じ仮撚加工機にて、下記の条件で、芯糸の仮撚加工における加撚域に効果糸を供給して仮撚スラブ加工糸を作製した。
糸加工速度:50m/分
効果糸OF率:95%
効果糸ガイド距離:150mm
第1ヒーター温度:170℃
スピンドル回転数:110,000rpm
第2ヒーター温度:180℃
得られた仮撚スラブ加工糸は、糸繊度220dtexで、カチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸を混率51重量%で含むもので、道中部とスラブ部からなるものであった。得られた仮撚スラブ加工糸を、経糸と緯糸に用い、綾組織の織物を製織した。この織物を常法の染色加工により、効果糸をカチオン染料にて濃色のこげ茶色に染色し、芯糸を分散染料にて淡色のベージュ色に染色し、仕上げ巾143cm、経糸密度97本/インチ、緯糸密度60本/インチの染色織物を作製した。得られた染色織物は、スラブの形状や出現頻度が規則的で、点状ネップも見られずナチュラルな杢調表現に欠けるものであった。
2 第1ヒーター
3 スピンドル
4 第1引取りローラー
5 第2ヒーター
6 第2引取りローラー
7 巻取機
8、10 フィードローラー
9、11 糸ガイド
A 芯糸
B 効果糸1
C 効果糸2
D 押え糸
Claims (8)
- 異色或いは濃色、淡色にそれぞれ着色された3本以上のフィラメント糸から構成され、淡色に着色されたフィラメント糸の周囲に異色或いは濃色に着色されたフィラメント糸と淡色に着色されたフィラメント糸とが捲回された仮撚スラブ加工糸からなる織物であって、織物を構成する仮撚スラブ加工糸は、下記の長さの道中部、異色或いは濃色スラブ部、淡色スラブ部、異色或いは濃色点状ネップ部、淡色点状ネップ部をランダムに有し、かつ道中部、各スラブ部および各ネップ部が下記の割合で存在することを特徴とする麻調織物。
道中部:長さ1.0〜15cm、割合40〜60%
異色或いは濃色スラブ部:長さ1.0〜10cm、割合10〜20%
淡色スラブ部:長さ1.5〜12cm、割合22〜40%
異色或いは濃色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合1〜2%
淡色点状ネップ部:長さ5mm以下、割合3〜5% - 仮撚スラブ加工糸における異色或いは濃色に着色されたフィラメント糸が、カチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸であり、淡色に着色されたフィラメント糸が、ポリエステルフィラメント糸或いはR率が8%以下のセルロース系フィラメント糸である請求項1に記載の麻調織物。
- 仮撚スラブ加工糸におけるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸の混率が10〜50重量%、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸がスラブ糸の混率が50〜90重量%である請求項2に記載の麻調織物。
- カチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびアジピン酸共重合ポリエステルからなるフィラメント糸であり、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸が、セルロースアセテートフィラメント糸である請求項2または請求項3に記載の麻調織物。
- 異色或いは濃色、淡色にそれぞれ染め分け可能な染色性の異なる3本以上のフィラメント糸から構成され、淡色に染色可能なフィラメント糸の周囲に異色或いは濃色に染色可能なフィラメント糸と淡色に染色可能なフィラメント糸とを捲回させる複合仮撚加工によって形成された仮撚スラブ加工糸にて、織物を構成し、該織物を染色して、織物における仮撚スラブ加工糸を構成する異色或いは濃色に染色可能なフィラメント糸を異色或いは濃色に、淡色に染色可能なフィラメント糸を淡色にそれぞれ染め分けることを特徴とする麻調織物の製造方法。
- 仮撚スラブ加工糸として、淡色に染色可能な芯糸のフィラメント糸の仮撚加工における加撚域に、前記フィラメント糸とは異色或いは濃色に染色可能なフィラメント糸と淡色に染色可能なフィラメント糸とを効果糸としてオーバーフィード状態で供給して芯糸に効果糸が多重捲回したスラブ部と一重捲回したネップ部を形成した仮撚スラブ加工糸を用いる請求項5に記載の麻調織物の製造方法。
- 異色或いは濃色に染色可能なフィラメント糸として、カチオン染料可染性或いは分散染料易染性ポリエステルフィラメント糸を用い、淡色に染色可能なフィラメント糸として、未改質のポリエステルフィラメント糸或いはR率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を用いる請求項5または請求項6に記載の麻調織物の製造方法。
- カチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびアジピン酸共重合ポリエステルからなるフィラメント糸を用い、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸として、セルロースアセテートフィラメント糸を用いる請求項7に記載の麻調織物の製造方法。
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