JP2012202958A - 騒音源同定システム - Google Patents

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Katsumi Saruwatari
克己 猿渡
Masao Ishihama
正男 石濱
Ichiro Sakamoto
一朗 坂本
Takeharu Tanaka
丈晴 田中
Hiroyuki Houzu
寛之 宝渦
Takayuki Murakami
孝行 村上
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Abstract

【課題】 本発明は、車両通行路上の騒音源を同定する騒音源同定システムに関し、設置が容易な騒音源同定システムを提供する。
【解決手段】 ビームフォーミングによる音源計測用と音響インテンシティによる音源計測用に配列された複数のマイクロホンからなるマイクロホンアレイ20と、車両通行路の脇に設置され、マイクロホンアレイ20を、車両通行路を睨むように斜め下を向いた姿勢に支持する支持台10と、車両通行路を走行する車両から発せられた音をマイクロホンアレイ20で受音することにより得られた原音信号に基づいて車両通行路上の騒音源を検出する騒音源検出装置とを備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両通行路上の騒音源を同定する騒音源同定システムに関する。
例えば道路上を走行している自動車やオートバイなどの車両の中から、例えば改造マフラの装着等により規定以上の騒音を発している車両を同定することが要請されている。
図1は、標準マフラー装着車から発せられる音の音圧と、改造マフラー装着車から発せられる音の音圧を示した図である。
横軸は、マイクロホンをX=0.0mの位置に置いたときの、マイクロホンに対する車両先頭の相対位置を示している。また縦軸は音圧(dB)である。また、この図1中の2本のグラフのうちグラフ(A)は標準マフラー装着車から発せられた音の音圧、グラフ(B)は改造マフラー装着車から発せられた音の音圧を示している。
この図1から、改造マフラー装着車はマイクロホンの前を通過して5m位先に進んだときに最大音圧となっていることが分かる。これは車両のリア側にマフラーが装着されていることによるものである。マイクロホンから見たときの音圧がピークになる位置のずれ方は車両の長さ等によって異なる。二輪車の場合、車両の長さは概ね短く、また車体による防音も期待できないため、マイクロホン通過前又は通過直後でも大きな騒音を受ける可能性がある。
図2は、標準マフラー装着車や改造マフラー装着車から発せられた音の周波数分布を示した図である。横軸は、周波数(H)、縦軸は音圧(dB)である。
この図2のグラフを見ると、改造マフラー装着車から発せられる騒音には、100H付近の低音域の騒音と、1.6kH付近の高音域の騒音とが存在し、その車両あるいは改造マフラーの種類等に応じて低音域の騒音を発する車両と高音域の騒音を発する車両とがある。したがって騒音車両を同定するにあたっては、高音域の騒音を発する車両と低音域の騒音を発する車両との双方を同定する必要がある。
さらに、騒音車両の同定にあたり、例えば片側複数車線の道路などでは、2台の四輪車が近接して併走したり、四輪車と二輪車が併走したり、あるいは、2台の二輪車が互いに近接して併走する場合もあり、また、車線のレーンを跨いで走行する車両もある。また前後方向にも複数台の車両がかなり近接して走行する場合もある。したがってこのような場面で騒音車両を確実に同定するためには、車線ごとといった大雑把な位置の同定では不充分であり、騒音源位置をかなりピンポイント的に同定する必要がある。
マイクロホンから見たときの音源の方向を特定する手段として、ビームフォーミング法(以下、「BF法」と略記する)と音響インテンシティ法(以下「SI法」と略記する)が知られている(非特許文献1参照)。1.6kH帯の高音域では、BF法を用いて騒音源の方向をピンポイント的に高精度に同定でき、音圧もBF法で測定することができる。
しかしながら、BF法による音源同定は音の波長に依存するため、100H帯の低音域では、音の波長が長く(例えば100Hでは3m程度の波長)、騒音源を正確に同定することは不可能である。したがって音圧も、例えば併走している2台の車両それぞれの音圧を分離して測定することも困難である。
一方、SI法は、低音域でも、マイクロホンの間隔をその低音域に適合するように調整しておけば音の波長に依存せずにピンポイント的に音源の方向を指し示すことができる。また、音圧もSI法により測定することができる。しかしながら、SI法は、実際の測定現場では、音源の方向はピンポイントで指し示すものの、その指し示す方向がかなりふらつき、ピンポイントで指し示す方向に信頼性が薄い。したがって、高音域についてはBF法による音源同定が望ましく、BF法が不得意な低音域についてSI法を採用することが望ましい。
尚、ここでは改造マフラー装着による騒音車両を例に挙げて説明しているが、上記の事情は改造マフラー装着による騒音車両の同定のみに生じる問題ではなく、例えば異音を発する鉄道車両の走行音の音源探査やタイヤ路面騒音のデータベース化による路面損傷の評価など、低域と高域の音源が混在する場合の音源探査に共通の問題である。
音の環境と制御技術第I巻基礎技術 2000年2月24日初版第1刷発行 監修者時田保夫 発行者小野介嗣 発行所株式会社フジ・テクノシステム
上記のように、騒音源の同定には、BF法とSI法とが存在するが、それぞれ一長一短があり、それらを組み合わせることにより騒音源の高精度の同定が可能となる。
ところで、BF法およびSI法による騒音源同定のためには、複数本のマイクロホンが配列されたマイクロホンアレイが必要であるが、このマイクロホンアレイを、どこにどのように設置するかが問題となる。
車両が通る車道の真上に配置することが考えられるが、風雨に晒されて落下する危険性があり、落下した場合に車両と衝突する可能性や、落下後のマイクロホンアレイに車両が乗り上げる可能性があることなどを考慮すると、車道上に設置するには、よほどの強度や耐久性を持たせる必要があり、コスト高が避けられない。また、十分な強度や耐久性を持たせた場合、大きな重量となり、容易に移動することは難しく、固定的に設置せざるを得ず、様々な地点に移動しての利用は困難である。
本発明は、上記事情に鑑み、設置が容易な騒音源同定システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の騒音源同定システムは、
ビームフォーミングによる音源計測用と音響インテンシティによる音源計測用に配列された複数のマイクロホンからなるマイクロホンアレイと、
車両通行路の脇に設置され、マイクロホンアレイを、車両通行路を睨むように斜め下を向いた姿勢に支持する支持台と、
車両通行路を走行する車両から発せられた音をマイクロホンアレイで受音することにより得られた原音信号に基づいて車両通行路上の騒音源を検出する騒音源検出装置とを備えたことを特徴とする。
ここで、本発明の騒音源同定システムにおいて、上記支持台が、車両通行路脇への設置および撤収が自在なものであることが好ましい。
また、上記騒音源検出装置が、
原音信号から、騒音帯域内のうちの高周波抽出対象音域の音成分を表わす第1の音信号および騒音帯域内のうちの低周波抽出対象音域の音成分を表わす第2の音信号をそれぞれ抽出する高周波音域抽出フィルタおよび低周波音域抽出フィルタと、
第1の音信号に基づくビームフォーミング演算により車両通行路上の音源位置および音圧を算出する第1の音源算出部と、
第2の音信号に基づく音響インテンシティ演算により車両通行路上の音源位置および音圧を算出する第2の音源算出部と、
第1の音源算出部および第2の音源算出部で算出された音圧をマイクロホンアレイと車両通行路上の音源位置との間の距離に応じて補正する音圧補正部と、
第1の音源算出部および第2の音源算出部により算出された音源位置および音圧補正部により補正された音圧に基づいて、車両通行路上の騒音源を検出する騒音源検出部とを有することが好ましい。
この場合にさらに、上記騒音源検出部が、第1の音源算出部および第2の音源算出部により位置が算出された音源のうちの、音圧補正部による補正後の音圧であって、かつ第1の音源算出部および第2の音源算出部のそれぞれで算出されて互いに加算された音圧が閾値音圧を越える音圧である音源を、騒音源として検出するものであることが好ましい。
本発明の騒音源同定システムは、マイクロホンアレイを、上記の支持台上に、車両通行路を睨むように斜め下を向いた姿勢に設置するシステムであるため、設置場所として車両通行路から外れた安全な場所を選ぶことができ、簡易に設置することが可能である。
標準マフラー装着車から発せられる音の音圧と、改造マフラー装着車から発せられる音の音圧を示した図である。 標準マフラー装着車や改造マフラー装着車から発せられた音の周波数分布を示した図である。 一実施形態としての支持台と、その支持台に支持されたマイクロホンアレイを示した図である。 本実施形態における信号処理系統を示すブロック図である。 マイクロホンアレイのレイアウトを示す平面図である。 マイクロホンアレイを斜め下から眺めたときの模式斜視図である。 マイクロホンアレイを支持するフレームを横から見たときの、マイクロホンアレイとフレームとを示す図である。 ビームフォーミングの原理説明図である。 ビームフォーミングの原理説明図である。 SI法における1つのセンサを示した図である。 マイクロホンアレイと車道を側方から見たときの位置関係を示す図である。 マイクロホンアレイと車道を上方から見たときの位置関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図3は、一実施形態としての支持台と、その支持台に支持されたマイクロホンアレイを示した図である。
支持台10は、車道の脇の歩道、あるいはその道路に隣接した平地などに設置される。この支持台10はその下部に車輪11を備えており、設置や移動、撤収が自在に行なわれる。
この支持台10の上部には、マイクロホンアレイ20が設置されている。マイクロホンアレイ20自体の構造については後述することとし、この図3には複数本のマイクロホンを固定するフレーム25のみが模式的に示されている。このフレーム25は、詳細は後述するが、支持具23と支持棒24とを有する。このマイクロホンアレイ20は支持台10により、そのマイクロホンアレイ20を構成する複数本のマイクロホンが車道100を睨むように斜め下を向いた姿勢に支持されている。このマイクロホンアレイ20で受音することにより得られた音信号は、ここには図示しない騒音源検出装置に入力される。その騒音源検出装置では、その音信号に基づいて、車道を走行する自動車やオートバイなどの車両のうちの騒音を発している騒音源としての車両が検出される。
図4は、本実施形態における信号処理系統を示すブロック図である。
騒音源検出装置50は、コンピュータとそのコンピュータで実行されるプログラムの組合せで実現することができる。あるいは、この騒音源検出装置50の一部の処理をハードウェアで行なうように構成してもよい。
マイクロホンアレイ20は、図3に示すように車両を斜め下に睨む位置に設置された、BF法による音源計測用とSI法による音源計測用に配列された複数のマイクロホン21,22(図5〜図7参照)を有する。また、マイクロホンアレイ20での受音により得られた音信号は、騒音源検出装置50の、高周波音域抽出フィルタ51と低周波音域抽出フィルタ52に入力される。高周波音域抽出フィルタ51は、車道を走行する車両から発せられた音をマイクロホンアレイ20で受音することにより得られた音信号から、高周波騒音帯域(ここでは、500H〜2kHの帯域)の音成分を表わす第1の音信号を抽出するフィルタである。また、低周波音域抽出フィルタ52は、車道を走行する車両から発せられた音をマイクロホンアレイ20で受音することにより得られた音信号から、低周波騒音帯域(ここでは、100H〜500Hの帯域)の音成分を表わす第2の音信号を抽出するフィルタである。
また、この騒音源検出装置50は、さらに、第1の音源算出部53と、第2の音源算出部54と、音圧補正部55と、騒音源検出部56を有する。
第1の音源算出部53には、高周波音域抽出フィルタ51で抽出された、高周波騒音帯域の音成分を表わす第1の音信号が入力され、第1の音源算出部53では、その第1の音信号に基づくビームフォーミング演算による車道上の音源位置と音圧の算出が行なわれる。一方、第2の音源算出部54には、低周波音域抽出フィルタ52で抽出された、低周波騒音帯域の音成分を表わす第2の音信号が入力され、第2の音源算出部54では、その第2の音信号に基づく音響インテンシティ演算による車道上の音源位置と音圧の算出が行なわれる。
第1の音源算出部53で算出された音源位置と音圧のうちの音源位置の情報は、直接に騒音源検出部56に入力され、音圧は一旦音圧補正部55に入力される。
また、これと同様に、第2の音源算出部54で算出された音源位置と音圧のうちの音源位置の情報は騒音源検出部56に入力され、音圧は音圧補正部55に入力される。
音圧補正部55は、第1の音源算出部53および第2の音源算出部54で算出された音圧をマイクロホンアレイ20と車道上の音源位置との間の距離に応じて補正する。この距離に応じた音圧補正については後述する。
騒音源検出部56は、音圧補正部55で補正された音圧の入力を受け、第1の音源算出部53および第2の音源算出部54により算出された音源位置と、音圧補正部55により補正された音圧とに基づいて、車道上の騒音源を検出する。
以下、マイクロホンアレイ20の詳細と、騒音源検出装置50での騒音源検出処理の詳細について説明する。
図5は、マイクロホンアレイのレイアウトを示す平面図、図6は、そのマイクロホンアレイを斜め下から眺めたときの模式斜視図、図7は、マイクロホンアレイを支持するフレームを横から見たときの、マイクロホンアレイとフレームとを示す図である。
図7にはマイクロホン21,22を支持するフレーム25が示されている。このフレーム25は、図3に示すように支持台10に設置するときは斜めの姿勢に固定されるが、この図7では、このフレーム25は水平に示されている。このフレーム25は、図7に示す姿勢において(以下、図7を参照した説明において、この表現は省略する)水平に広がる支持具23と、その支持具23から、下方に突き出した複数本の支持棒24とからなる。支持具23には複数本のマイクロホン21が下方からの音を受音する向きに固定されている。また、複数本の支持棒24のそれぞれにも、ハッチングを付して示した各マイクロホン22が、下方からの音を受音する向きに固定されている。これらの支持棒24に固定された複数本のマイクロホン22どうしも、支持具23が広がる平面と平行な平面を成すように配列されている。
ハッチングを付したマイクロホン22は、その一本一本が、その一本のマイクロホン22の周囲の、支持具23に直接に固定された3本のマイクロホン21と組になって正四面体の各頂点の位置に配置されており、その正四面体の各頂点に配置された4本のマイクロホン21,22がSI法における1つのセンサとして作用する。支持具23に直接に固定されたマイクロホン21の中には、SI法における複数センサに兼用されているマイクロホンもある。
尚、図5,図6に示す、マイクロホンどうしを結ぶ線分は、正四面体の各辺を示している線分であり、実在する部材ではない。
BF用としては、このマイクロホンアレイ20を構成する全てのマイクロホン21,22が採用される。支持棒24に固定されているマイクロホン22については、そのマイクロホン22が支持具23に直接固定されていたときの音信号と等価な音信号となるように、音信号に遅延補正が施される。あるいは、BF法では支持具23に直接に固定されているマイクロホン21だけを用いてもよい。
図3に示す支持台10上には、図5〜図7に示すように配列された複数本のマイクロホン21,22がフレーム25に固定された状態で、隣接する車道100を睨むように斜め下向きに設置される。
図8,図9は、ビームフォーミングの原理説明図である。ここでは原理説明のために、マイクロホンアレイ20を構成する複数のマイクロホン21(図5〜図7に示すマイクロホン21,22を含め、マイクロホン21で代表させている。)は一直線上に並んでいるものとして説明する。
図8に示すように、音源29がこのマイクロホンアレイ20の正面に存在するときは、各マイクロホン21で受音して得られる音信号をそのまま加算器26で加算することにより、この図8に示した感度分布21Aのように正面の音源29について強く反応した音信号(A)が得られる。
一方、図9に示すように音源29が斜めの位置に存在するときは、各マイクロホン21で得られた音信号を図8のようにそのまま加算すると、図9に示す音信号(B)のように減衰した音信号となってしまう。この斜めの位置にある音源29に強く反応した音信号を得るためには、各マイクロホン21に音が届く遅延分を補償する遅延器27を置き、各マイクロホン21で受音して得られた音信号を各遅延器27で遅延させてから互いに加算する。各遅延器27における遅延時間は、例えば図9の一番上に示す遅延器27Aの場合、音が(d1−d2)の距離だけ進む間に要する時間と同じ時間である。他の遅延器27についても同様である。このようにして各マイクロホン21で得られた音信号をそれぞれ遅延させてから互いに加算すると、図9のように斜めの位置にある音源29に強く反応した音信号(図8に示す音信号(A)を参照)を得ることができる。この複数の遅延器27による遅延パターンを様々に調整すると、様々な位置にある音源に強く反応した音信号を得ることができ、音源が存在する方向を知ることができる。また、そのときの音信号のレベルから音圧を求めることができる。尚、ここでは複数のマイクロホン21が一直線上に並ぶ例について説明したが、マイクロホン21が二次元的に広がる面上に配置されていれば、同様の演算により音源位置の二次元的な方向を知ることができる。さらに、図5〜図7に示すようにマイクロホン21,22が異なる位置に配置されている場合であっても、その異なる高さ分を音の進行速度を考慮して遅延器で遅延させる補正を行なうことにより、全てのマイクロホンが同一平面上にある場合と同等に取り扱うことができる。
次に音響インテンシティ(SI)についてその原理を説明する。
図10は、SI法における1つのセンサを示した図である。ここには、例えば4mの高さに配置された3本のマイクロホンch1,ch2,ch3と、3.7511mの高さに配置された1本のマイクロホンch4が示されている。これら4本のマイクロホンch1〜ch4は、正四面体の4つの各頂点に配置されている。この場合、SIのx,y,z成分は以下の式により求められる。ここで、x,yは、3本のマイクロホンch1〜ch3で作る平面内の座標、zは高さ方向の座標である。
Figure 2012202958
Figure 2012202958
Figure 2012202958
ここで、ωは、音の角周波数、ρは空気密度、dはマイクロホンどうしの間隔(正四面体の一辺の長さ)である。また、Gij(i,j=1,2,3,4)は各マイクロホンch1〜ch4間のクロススペクトルでありImはその虚数部を表わしている。例えば、G12は、2本のマイクロホンch1,ch2でそれぞれ得られた音信号のクロススペクトルである。他も同様である。
上記の(1)〜(3)の3本の式から音源位置が同定される。また、音圧pは次式で求められる。
Figure 2012202958
ここでReは実数部を表わす。
このSI法におけるセンサにおいて、そのセンサを構成するマイクロホンの間隔を低周波騒音帯域に設定すると、高周波騒音帯域についてはマイクロホンの間隔が広過ぎてSIの計測を行なうことができない。ただし、ここではSIは低周波騒音帯域のみ計測可能であればよく、マイクロホンの間隔は低周波騒音帯域に合わせて設定されている。
次に、マイクロホンアレイ10と車道100との幾何学的な位置関係を説明する。
図11は、マイクロホンアレイと車道を側方から見たときの位置関係を示す図である。また図12は、マイクロホンアレイと車道を上方から見たときの位置関係を示す図である。
ここでは、見おろし角度α(車道との間の角度)を中心とした見おろし方向の角度±θの領域(図11参照)、および水平方向の広がり角度±θの領域(図12参照)について車道100を通過する車両から発せられた音を受音して騒音を発している車両が特定される。
図11に示すように、マイクロホンアレイ20は、車道100からH[m]の高さに設置されており、真下からH離れたポイントからH+Hの範囲が検出領域である。見下ろし角±θの中心(車道との間の角度αのポイント)は、マイクロホンアレイ20の真下からH+Hの距離にある。
このとき、H,Hは、それぞれ、
Figure 2012202958
Figure 2012202958
となる。
マイクロホンアレイ20の真下の位置からkの距離にあるポイントの、マイクロホンアレイ20からの距離mは、
Figure 2012202958
となる。
その点の測定音圧をPとすると、図4の音圧補正部55では、この音圧Pが
=P/m ・・・(8)
と補正される。この補正された音圧Pは、その音源が1[m]の距離に存在する場合の音圧を表わしている。
また、図12に示すように、真上から見たときの検出領域は、上辺H’,下辺H’の台形状となる。H’,H’は、それぞれ、
Figure 2012202958
Figure 2012202958
となる。音圧Pを補正するにあたっては、図12の左右方向の位置も考慮してマイクロホンアレイ20と音源位置との間の正確な距離に応じて補正してもよい。ただし、車両は、この台形の検出領域を図12における左右方向に走行しているため、図12の左右方向については考慮しなくても大きな差異は生じない。このため、本実施形態における音圧補正部55(図4参照)では、(8)式による補正が採用されている。
図4に示す第1の音源算出部53では、前述したBF法により、図11,図12に示す検出領域内を二次元的に複数の区画(例えば縦横それぞれ30区画など)に分けた各区画を狙うように遅延パターンを決定して、各区画ごとの音圧が算出される。そして音圧がピークの区画(音源位置)とそのピークの音圧が算出される。
音圧補正部55では、第1の音源算出部53で得られた音圧と第2の音源算出部54で得られた音圧が前述の(8)式に基づいて補正される。ただし、騒音源検出部56で必要なのは、第1の音源算出部53で得られた音圧と第2の音源算出部54で得られた音圧とを互いに加算した後の音圧である。そこで、この音圧補正部55では、第1の音源算出部53で得られた補正前の音圧と第2の音源算出部54で得られた補正前の音圧が互いに加算され、その加算後の音圧が(8)式に従って補正される。あるいは加算前の各音圧をそれぞれ補正してから加算してもよい。このようにして得られた、加算後であってかつ補正後の音圧が騒音源検出部56に入力される。
第1の音源算出部53で得られた音圧と第2の音源算出部54で得られた音圧を互いに加算する理由は以下の通りである。
前述した通り、高周波音域抽出フィルタ51および低周波音域抽出フィルタ52では、それぞれ、500H〜2kH、および50H〜500Hの各帯域の音信号が抽出される。
したがって、第1の音源算出部53および第2の音源算出部54で算出される音圧は、それぞれ500H〜2kH、および50H〜500Hの各帯域の音圧である。これに対し、騒音源として判定するために必要な音圧は、全域の音圧である。このため、ここでは、第1の音源算出部53で算出された音圧と第2の音源算出部54で算出された音圧が互いに加算される。
騒音源検出部56には、第1の音源算出部53や第2の音源算出部54で算出された音源位置を表わす情報と、音圧補正部55で補正された後の、加算後の音圧が入力される。騒音源検出部56には、閾値音圧の情報が格納されており、その加算後かつ補正後の音圧が閾値音圧よりも高い音圧のときに、その音圧の音源を騒音源として検出する。
尚ここでは、50H〜500H帯を低周波騒音帯域、500H〜2kH帯を高周波騒音帯域としているが、これらの帯域は様々な騒音車両についてデータを積み重ねた上で決定されるものであり、ここでは一例として述べたに過ぎない。
また、ここでは、マフラー改造車両を念頭に置いた実施形態について説明したが、本発明はマフラー改造車両の同定のみでなく、例えば異音を発する鉄道車両の走行音の音源探査やタイヤ路面騒音のデータベース化による路面損傷の評価など、低音域と高音域の音源が混在する場合の音源探査に広く適用することができる。
10 支持台
11 車輪
20 マイクロホンアレイ
21,22,ch1,ch2,ch3,ch4 マイクロホン
23 支持具
24 支持棒
25 フレーム
26 加算器
27 遅延器
29 音源
50 騒音源検出装置
51 高周波音域抽出フィルタ
52 低周波音域抽出フィルタ
53 第1の音源算出部
54 第2の音源算出部
55 音圧補正部
56 騒音源検出部
100 車道

Claims (4)

  1. ビームフォーミングによる音源計測用と音響インテンシティによる音源計測用に配列された複数のマイクロホンからなるマイクロホンアレイと、
    車両通行路の脇に設置され、前記マイクロホンアレイを、該車両通行路を睨むように斜め下を向いた姿勢に支持する支持台と、
    前記車両通行路を走行する車両から発せられた音を前記マイクロホンアレイで受音することにより得られた原音信号に基づいて該車両通行路上の騒音源を検出する騒音源検出装置とを備えたことを特徴とする騒音源同定システム。
  2. 前記支持台が、車両通行路脇への設置および撤収が自在なものであることを特徴とする請求項1記載の騒音源同定システム。
  3. 前記騒音源検出装置が、
    前記原音信号から、騒音帯域内のうちの高周波抽出対象音域の音成分を表わす第1の音信号および騒音帯域内のうちの低周波抽出対象音域の音成分を表わす第2の音信号をそれぞれ抽出する高周波音域抽出フィルタおよび低周波音域抽出フィルタと、
    前記第1の音信号に基づくビームフォーミング演算により前記車両通行路上の音源位置および音圧を算出する第1の音源算出部と、
    前記第2の音信号に基づく音響インテンシティ演算により前記車両通行路上の音源位置および音圧を算出する第2の音源算出部と、
    前記第1の音源算出部および前記第2の音源算出部で算出された音圧を前記マイクロホンアレイと前記車両通行路上の音源位置との間の距離に応じて補正する音圧補正部と、
    前記第1の音源算出部および前記第2の音源算出部により算出された音源位置および前記音圧補正部により補正された音圧に基づいて、前記車両通行路上の騒音源を検出する騒音源検出部とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の騒音源同定システム。
  4. 前記騒音源検出部が、前記第1の音源算出部および前記第2の音源算出部により位置が算出された音源のうちの、前記音圧補正部による補正後の音圧であって、かつ前記第1の音源算出部および前記第2の音源算出部のそれぞれで算出されて互いに加算された音圧が閾値音圧を越える音圧である音源を、騒音源として検出するものであることを特徴とする請求項3記載の騒音源同定システム。
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