JP2012204660A - 光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュール - Google Patents

光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】受光面を高抵抗化しつつ受光面側電極の接続抵抗を低減可能な選択エミッタ構造に類似の拡散層構造を有し、光電変換効率に優れた光起電力装置を得ること。
【解決手段】一面側に凹凸形状が形成された第1導電型の単結晶シリコン基板1と、前記単結晶シリコン基板1の一面側の全面において前記凹凸形状の凸部の頂部に分散配置され、第2導電型の不純物元素が第1の濃度で拡散した複数の第1の拡散層2aと、前記単結晶シリコン基板1の一面側において前記第1の拡散層2a以外の領域に形成され、前記第2導電型の不純物元素が前記第1の濃度よりも低い第2の濃度で拡散した第2の拡散層5と、前記第1の拡散層2aに電気的に接続して前記単結晶シリコン基板1の一面側に形成された受光面側電極7と、前記単結晶シリコン基板1の他面側に形成された裏面側電極8と、を備える。
【選択図】図1−9

Description

本発明は、光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュールに関するものである。
太陽電池等の光起電力装置の性能向上には、太陽電池を構成する基板内部に太陽光を効率良く取り込むことが大切である。このため、光入射側の基板表面にテクスチャ加工を施し、基板表面で一度反射した光を再度基板表面に入射させることで、より多くの太陽光を基板内部に取り込み、光電変換効率の向上を図っている。ここでテクスチャ加工とは、基板表面に意図的に数十nm〜数十μmの寸法の微細凹凸を形成する加工のことである。
太陽電池用の基板にテクスチャ形成を行う方法として、基板が単結晶基板の場合には、エッチング速度に結晶方位依存性を有する水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ水溶液による異方性エッチングが広く用いられる。たとえば、(100)基板表面に対してこの異方性エッチングを行うと、(111)面が露出したピラミッド状のテクスチャが基板表面に形成される。
また、単結晶基板にテクスチャを形成する場合、エッチングマスクを利用すると理想的な逆ピラミッドテクスチャを基板表面に形成することができ、写真製版法等によるエッチングマスクを用いた方法が実用化されている。しかし、写真製版法はプロセスコストが高く、また大型の基板には適用しにくいという欠点があった。
そこで、写真製版に替わるエッチングマスクの形成方法として、たとえば、シリコン基板の表面に開口部を有するエッチングマスク膜を形成し、このマスク膜表面に対してブラスト加工を実施することでマスク開口部に凹部からなるテクスチャを形成する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、シリコン基板の表面にエッチングマスクを形成し、このマスク表面に対してブラスト加工を実施することでマスク表面に開口部を形成し、引き続きエッチング加工を実施することでテクスチャを形成する方法を本発明者らは提案している(たとえば、特許文献2参照)。
一方、光電変換効率を高めるための太陽電池の構造として、受光面側電極直下の不純物濃度に対して、基板の受光面側におけるこれ以外の領域の不純物濃度を低くした選択エミッタ構造がある。選択エミッタ構造では、受光面側電極直下の不純物濃度が高いため、電極とシリコン基板との接触抵抗を低減できる。また、電極部分以外では不純物濃度が低いため、太陽電池の短波長光側の量子効率を良くすることができる。
このような選択エミッタ構造を形成するためには、たとえば酸化シリコン膜を形成した基板の受光面側にレジストパターンを形成した後、レジストパターンの開口部の酸化シリコン膜を除去して、受光面側電極に対応した開口部を酸化シリコン膜に形成する。その後、不純物を拡散することにより、酸化シリコン膜の開口部に高濃度の拡散層が形成され、他の部分に低濃度の拡散層が形成される。そして、高濃度の拡散層に合わせて電極ペーストが印刷された後、電極ペーストの焼成が行われて受光面側電極が形成される(たとえば、特許文献3参照)。
特開2002−43601号公報 国際公開第2009/128324号 特開2004−193350号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、選択エミッタ構造を形成するためにレジストマスクの印刷工程が必要となるため工程が複雑になる、という問題があった。
また、上記従来の技術によれば、電極印刷時に高濃度の拡散層を形成した領域に位置合わせを行う必要があり工程に負荷が掛かる、という問題を有する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、受光面を高抵抗化しつつ受光面側電極の接続抵抗を低減可能な選択エミッタ構造に類似の拡散層構造を有し、光電変換効率に優れた光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光起電力装置は、一面側に凹凸形状が形成された第1導電型の単結晶シリコン基板と、前記単結晶シリコン基板の一面側の全面において前記凹凸形状の凸部の頂部に分散配置され、第2導電型の不純物元素が第1の濃度で拡散した複数の第1の拡散層と、前記単結晶シリコン基板の一面側において前記第1の拡散層以外の領域に形成され、前記第2導電型の不純物元素が前記第1の濃度よりも低い第2の濃度で拡散した第2の拡散層と、前記第1の拡散層に電気的に接続して前記単結晶シリコン基板の一面側に形成された受光面側電極と、前記単結晶シリコン基板の他面側に形成された裏面側電極と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、受光面を高抵抗化しつつ受光面側電極の接続抵抗を低減可能な選択エミッタ構造に類似の拡散層構造を有し、光電変換効率に優れた光起電力装置が容易に得られる、という効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図1−3は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図1−4は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図1−5は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図1−6は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図1−7は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図1−8は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図1−9は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−1は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−2は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−3は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−4は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−5は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−6は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−7は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−8は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図2−9は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。 図3−1は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法において、第2の拡散層が形成された時点の基板の受光面側の状態を模式的に示す平面図である。 図3−2は、図3−1の一部を拡大して示す拡大図である。 図4は、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法において、第2の拡散層が形成された時点の基板の受光面側の状態を模式的に示す平面図である。
以下に、本発明にかかる光起電力装置およびその製造方法、光起電力モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
実施の形態
図1−1〜図1−9は、本発明の実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明するための要部断面図である。以下、図1−1〜図1−9を参照して本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法を説明する。まず、第1の工程では、単結晶シリコン基板1(以下、基板1と呼ぶ場合がある)の一面側の表面に不純物を拡散して第1の不純物拡散層2a(以下、第1の拡散層2aと呼ぶ)を形成する(図1−1)。
本実施の形態における単結晶シリコン基板1は、民生用太陽電池向けとして多く使用されているものであり、単結晶シリコンインゴットからマルチワイヤーソーでスライスした後に、酸またはアルカリ溶液を用いたウエットエッチングでスライス時のダメージを除去したものである。たとえばダメージ除去後の基板1の厚みは200μm、寸法は15cm角とされる。なお、基板1の寸法はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、基板1の極性は、p型およびn型のうちのどちらでもよく、第1の拡散層2aとして基板1の極性の逆の型の拡散層を形成することでpn接合を形成する。第1の拡散層2aがn型の場合はリン(P)を、第1の拡散層2aがp型の場合はボロン(B)を拡散するのが一般的である。
本実施の形態では、一例として、比抵抗が1Ωcm〜3Ωcmのp型の単結晶シリコン基板1を使用する。第1の拡散層2aは、n型不純物拡散層であり、第1の濃度でリン(P)が拡散された高濃度拡散層(低抵抗領域)である。基板1を熱拡散路に投入し、オキシ塩化リン(POCl)を用いたリン(P)の熱拡散により、たとえばシート抵抗が20Ω/□〜40Ω/□の第1の拡散層2aを形成する。なお、この第1の拡散層2aのシート抵抗は、後述する第2の拡散層5の形成後の値である。
第2の工程では、第1の拡散層2aの表面に保護膜3aを被着する(図1−2)。保護膜としては、800℃〜1000℃の温度で酸化処理を行う熱酸化法により形成される熱酸化膜や、常圧化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により400℃〜700℃程度の温度で形成される低温酸化膜、プラズマCVD法などの化学堆積法やスパッタリング法などの物理堆積法により形成されるシリコン窒化膜等が使用可能である。また、これらの膜を組み合わせて使用してもよい。熱酸化法では基板1の全面に保護膜が形成されるが、CVD法やスパッタリング法では通常は片面のみの成膜となるため必要に応じて両面への成膜を行う。ただし、基板の裏面側のエッチング保護が不要の場合はこの限りではない。
第3の工程では、基板1の受光面側(第1の拡散層2a側)に形成された保護膜3aにブラスト加工処理を施して、保護膜3aに開口3bを形成する(図1−3)。すなわち、受光面側(第1の拡散層2a側)に形成された保護膜3aに、ブラスト加工処理により複数の開口3bを開ける。ブラスト加工としては、アルミナ(Al)、炭化シリコン(SiC)やガラス等の砥粒粉体をエアで吹き付ける通常の乾式ブラスト加工や、同じくアルミナ、炭化シリコン(SiC)やガラス等の砥粒粉体を水に分散させたミストをスプレー塗布するウェットブラスト等を使用可能である。
ブラスト加工処理に使用する砥粒のサイズにより、開口3bの開口穴径と開口ピッチとが変化する。ここでのブラスト加工処理には、たとえば#500〜#3000のサイズの砥粒が使用可能であり、#800〜#2000のサイズの砥粒を用いることが特に好ましい。これにより、後のエッチング工程において底辺長が10μm〜30μm程度のピラミッド形状の粗面構造を形成することができる。なお、粗面構造の形成が両面に必要な場合は、上記ブラスト加工処理を両面に行う必要がある。ここでは、基板1の受光面側のみに粗面構造を形成する場合について説明する。
第4の工程では、開口3bが形成された保護膜3aをマスクとして、基板1の受光面側(第1の拡散層2a側)の一面に対して異方性エッチングを施して、基板1の受光面側(第1の拡散層2a側)の粗面化を行う(図1−4)。異方性エッチングとしては、保護膜3aが耐性を有する条件で、アルカリ水溶液を用いたウエットエッチングを行う。
エッチング液には、シリコンを溶解し、保護膜3aに対する溶解能が小さいものであれば使用可能である。このようなエッチング液としては、たとえばアルカリ水溶液、およびエッチング異方性を付与するイソプロパノール等の添加剤を含むアルカリ水溶液のうちの何れか、またはこれらを組み合わせたものを用いることができる。このようなエッチング液を用いることにより、基板1の表面にランダムピラミッドと呼ばれる凹凸形状からなる粗面形状4を形成することができる。この時のランダムピラミッドのサイズは、先に示した通り、ブラスト加工処理工程で形成される開口3bの開口穴径と開口ピッチで決定される。
エッチングにおいては、エッチング液の濃度、エッチング液の温度、エッチング時間等のエッチング条件を制御することにより、ランダムピラミッドの頂点部分に未エッチング領域2bを残す様にエッチングの進行状態を制御する。このようなエッチングにより、凹部が基板1の内部に達するとともに、ランダムピラミッドの頂点部分にのみ未エッチング領域2bが残存した粗面形状4が形成される。そして、エッチングされずに残った微細な第1の拡散層2aは、未エッチング領域2bの下部周辺にのみ残存し、基板1の受光側の全面に分散配置される。
第5の工程では、たとえばフッ酸により保護膜3aを除去し、粗面形状4を露出させる(図1−5)。
第6の工程では、基板1の受光面側(第1の拡散層2a側)にn型不純物拡散層である第2の不純物拡散層5(以下、第2の拡散層5と呼ぶ)を形成する(図1−6)。すなわち、基板1を熱拡散路に投入し、オキシ塩化リン(POCl)を用いたリン(P)の熱拡散により、たとえばシート抵抗が80Ω/□〜120Ω/□の第2の拡散層5を形成する。リン(P)の熱拡散は、第1の濃度よりも低い第2の濃度で行われる。したがって、第2の拡散層5は、第1の濃度よりも低い第2の濃度でリン(P)が拡散された低濃度拡散層(高抵抗領域)である。
ここで、第2の濃度は、第1の濃度よりも低い。このため、低濃度拡散層である第2の拡散層5は粗面形状4の斜面にのみが形成され、ランダムピラミッドの頭頂部に残存している第1の拡散層2aはそのまま高濃度拡散層とされる。そして、高濃度拡散層(低抵抗領域)である微細な第1の拡散層2aは、基板1の受光側の全面に分散配置されている。
第7の工程では、粗面形状4が形成された基板1の受光面側(第1の拡散層2a側)にたとえばプラズマCVD法によりシリコン窒化膜からなる反射防止膜6を形成する(図1−7)。シリコン窒化膜の形成は、プラズマCVD法の代わりにスパッタリング法など他の手法により行っても構わない。
第8の工程では、基板1に電極となる金属ペーストをスクリーン印刷により塗布する(図1−8)。基板1の表側(受光面側)では、たとえば銀の混入した銀ペースト7aを線幅100μmのグリッド電極形状およびバス電極形状に櫛形に塗布する。基板1の裏面側では、アルミニウムの混入したアルミニウムペースト8aをスクリーン印刷により全面に塗布する。なお、図1−8においては、グリッド電極形状に塗布した銀ペースト7aおよびアルミニウムペースト8aのみを示している。
第9の工程では、金属ペーストの焼成処理を実施して受光面側電極7と裏面電極8とを形成する(図1−9)。焼成は、大気雰囲気中においてたとえば800℃〜900℃で実施する。焼成により銀ペースト7aは固化するとともに反射防止膜6を侵食し、第1の拡散層2aおよび第2の拡散層5と電気的な接続が形成される。このとき、粗面形状4の部分に電極が形成されることで、第1の拡散層2aおよび第2の拡散層5と受光面側電極7との接触面積が増えて接続抵抗が低減されるとともに機械的な接続強度も増す。その後、基板1の外周部のpn接合のショート部分をレーザカットで除去する。以上のようにして、本実施の形態にかかる光起電力装置であって、選択エミッタ構造に類似の拡散層構造を有する光起電力装置が作製される。
比較のため、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法を図2−1〜図2−6に示す。なお、図1−1〜図1−9と同じ部材については同じ符号を付す。まず、第11の工程では、基板1の一面側の表面に不純物を拡散して高濃度拡散層(低抵抗領域)である第1の拡散層2aを形成する(図2−1)。
第12の工程では、第1の拡散層2aの表面に保護膜3aを被着し、さらにその上に受光面側電極の形成領域にレジストパターン11を形成する(図2−2)。
第13の工程では、レジストパターン11をマスクとして基板1の受光面側(第1の拡散層2a側)に形成された保護膜3aにブラスト加工処理を施して、保護膜3aに開口3bを形成する(図2−3)。ここで、保護膜3aにおけるレジストパターン11で覆われている部分には開口3bは形成されず、開口未形成部3cとされる。
第14の工程では、レジストパターン11を除去した後、開口3bが形成された保護膜3aおよび開口未形成部3cをマスクとして、基板1の受光面側(第1の拡散層2a側)の一面に対して異方性エッチングとしてアルカリ水溶液を用いたウエットエッチングを施して、基板1の受光面側(第1の拡散層2a側)の粗面化を行う(図2−4)。このエッチングにより、開口未形成部3cの下部領域以外では、第1の拡散層2aは除去される。そして、基板1の表面における開口未形成部3cの下部領域には、受光面側電極の形成領域となる平坦な表面を有する第1の不純物拡散層2c(以下、第1の拡散層2cと呼ぶ)が残存する。また、基板1の表面におけるこれ以外の領域には、ランダムピラミッドと呼ばれる凹凸形状からなる粗面形状4が形成される。
第15の工程では、たとえばフッ酸により保護膜3aおよび開口未形成部3cを除去する(図2−5)。
第16の工程では、基板1の受光面側に低濃度拡散層(高抵抗領域)である第2の拡散層5を形成する(図2−6)。第1の拡散層2cは既に高濃度拡散層とされているため、低濃度拡散層である第2の拡散層5は粗面形状4の斜面にのみ形成され、第1の拡散層2cはそのまま高濃度拡散層とされる。
第17の工程では、粗面形状4が形成された基板1の受光面側にたとえばプラズマCVD法によりシリコン窒化膜からなる反射防止膜6を形成する(図2−7)。
第18の工程では、基板1に電極となる金属ペーストをスクリーン印刷により塗布する(図2−8)。基板1の表側(受光面側)では、たとえば銀の混入した銀ペースト7aを線幅100μmのグリッド電極形状およびバス電極形状に櫛形に塗布する。基板1の裏面側では、アルミニウムの混入したアルミニウムペースト8aをスクリーン印刷により全面に塗布する。なお、図2−8においては、グリッド電極形状に塗布した銀(Ag)ペースト7aおよびアルミニウムペースト8aのみを示している。ここで、銀ペースト7aは、高濃度拡散層である第1の拡散層2cに合わせて印刷する必要がある。
第19の工程では、金属ペーストの焼成処理を実施して受光面側電極7と裏面電極8とを形成する(図2−9)。その後、基板1の外周部のpn接合のショート部分をレーザカットで除去する。以上のようにして、選択エミッタ型光起電力装置が作製される。
上記の本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法とレジストパターンを用いる光起電力装置の製造方法とを比較すると、本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法ではレジストパターン11の形成は不要である。このため、本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法は、製造が簡略であり、且つ製造コストが安い。
図3−1は、上述した本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法において、第2の拡散層5が形成された時点(第6の工程、図1−6)の基板1の受光面側の状態を模式的に示す平面図である。図3−2は、図3−1の一部を拡大して示す拡大図である。図4は、上述したレジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法において、第2の拡散層5が形成された時点(第16の工程、図2−6)の基板1の受光面側の状態を模式的に示す平面図である。
図3に示すように本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法においては、高濃度拡散層(低抵抗領域)である微細な第1の拡散層2aが基板1の受光側の全面に微細に分散配置されている。このため、基板1の受光側のどの位置に受光面電極を形成しても、受光面電極が高濃度拡散層(低抵抗領域)である微細な第1の拡散層2a上に位置することになるため、第8の工程における金属ペーストの印刷時において印刷位置の位置合わせを厳密に行う必要がない。
一方、図4に示すようにレジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法においては、高濃度拡散層(低抵抗領域)である第1の拡散層2cが受光面側電極の形成領域のみに作り分けられている。このため、第18の工程における金属ペーストの印刷時において第1の拡散層2cに厳密に印刷位置を合わせる必要があり、負荷が大きい。したがって、本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法は、レジストパターンを用いる光起電力装置の製造方法に比べて、工程が簡略であり、負荷も少ない。
また、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法では、高濃度拡散層(低抵抗領域)である第1の拡散層2cにおいて電極幅以外の部分(受光面側電極7が形成されていない部分)は電子の再結合領域となり好ましくないが、金属ペーストの印刷の位置あわせ精度には限界がある。したがって、第1の拡散層2cに起因した特性低下は避けられない。
これに対して、本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法においては、高濃度拡散層(低抵抗領域)である微細な第1の拡散層2aの総面積がレジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法における第1の拡散層2cの面積と同等またはそれ以下であれば、基板1の受光面側において受光面側電極7が形成されていない領域の第1の拡散層2aに起因した特性低下は無視することができる。
また、本実施の形態にかかる光起電力装置においては、第1の拡散層2aは高濃度拡散層(低抵抗領域)であり、また第1の工程と第6の工程とにおいてリン(P)の拡散が2回行われるため、その他の領域に対してシート抵抗が低い状態となる。そして、第1の拡散層2aが基板1の受光側の全面に点在することによって、その上に形成された受光面側電極7との接続抵抗を低減し、光照射により生成した電子の収集効率を向上させて光電変換効率を向上させることができる。
なお、この第1の拡散層2aは受光面側電極の下部領域以外では電子の再結合領域となる。このため、基板1の受光面側の面積に対する第1の拡散層2a(未エッチング領域2b)の面積の面積比として光電変換効率が最大となる最適値が存在し、検討の結果、3%〜15%が最適であることを見出した。ただし、この値は高濃度拡散層(低抵抗領域)である第1の拡散層2aとその他の領域とのシート抵抗の大小関係(比)でも異なり、シート抵抗の比が大きい場合は少なめ、シート抵抗の比が小さい場合は大きめが最適値となる。
上述したように、本実施の形態によれば、レジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法よりも簡略な工程により、受光面を高抵抗化しつつ受光面側電極7の基板1との接続抵抗を低減可能な選択エミッタ構造に類似の拡散層構造を有し、選択エミッタ構造と同等以上の高い光電変換効率を有する光起電力装置が得られる。そして、本実施の形態によれば、光起電力装置の製造コストの低減および発電コストの低減が可能である。
つぎに、具体的な実施例に基づいて本発明を説明する。上述した本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法により実施例1および実施例2の光起電力装置を作製した。実施例1の光起電力装置は、第1の拡散層2aのシート抵抗を20Ω/□、基板1の受光面側におけるその他の領域(第2の拡散層5)のシート抵抗を120Ω/□として作製した。実施例2の光起電力装置は、第1の拡散層2aのシート抵抗を50Ω/□、基板1の受光面側におけるその他の領域(第2の拡散層5)のシート抵抗を80Ω/□として作製した。
ここで、実施例1および実施例2の光起電力装置については、それぞれ基板1の受光面側の面積に対する第1の拡散層2aの面積の面積比を変えて複数作製し、光電変換効率が最大となる面積比の最適値を検討した。その結果、実施例1の光起電力装置においては、最適な面積比は3%〜9%程度であった。また、実施例2の光起電力装置においては、最適な面積比は10%〜15%程度であった。
また、比較のため、上述したレジストパターンを用いる選択エミッタ型光起電力装置の製造方法により比較例の選択エミッタ型光起電力装置を作製した。比較例の選択エミッタ型光起電力装置は、第1の拡散層2cのシート抵抗を50Ω/□、基板の受光面側におけるその他の領域(第2の拡散層5)のシート抵抗を80Ω/□として作製した。比較例の選択エミッタ型光起電力装置においては、基板の受光面側の面積に対する第1の拡散層2cの面積の面積比を14%とした。
つぎに、上記の面積比を5%とした実施例1の光起電力装置、上記の面積比を12%とした実施例2の光起電力装置および比較例の選択エミッタ型光起電力装置の特性として、開放電圧Voc、短絡電流密度Jsc、曲線因子FF、光電変換効率を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2012204660
表1から分かるように、実施例1および、実施例2の光起電力装置においては、開放電圧Vocが比較例の光起電力装置よりも低いが、短絡電流密度Jscが増加することにより比較例よりも光電変換効率が向上していることがわかる。したがって、実施例1および実施例2の光起電力装置の方が比較例の選択エミッタ型光起電力装置よりも製造工程が簡略でありながら、良好な光起電力特性が得られると言える。
また、上記の実施の形態で説明した構成を有する光起電力装置を複数形成し、隣接する光起電力装置同士を電気的に直列または並列に接続することにより、光電変換効率に優れた太陽電池モジュールを安価に実現できる。この場合は、たとえば隣接する光起電力装置の一方の受光面側電極7と他方の裏面電極8とを電気的に接続すればよい。
以上のように、本発明にかかる光起電力装置は、選択エミッタ構造に類似の拡散層構造を有し、光電変換効率に優れた光起電力装置の実現に有用である。
1 単結晶シリコン基板(基板)
2a 第1の不純物拡散層(第1の拡散層)
2b 未エッチング領域
2c 第1の不純物拡散層(第1の拡散層)
3a 保護膜
3b 開口
3c 開口未形成部
4 粗面形状
5 第2の不純物拡散層(第2の拡散層)
6 反射防止膜
7a 銀ペースト
7 受光面側電極
8 裏面電極
8a アルミニウムペースト
11 レジストパターン

Claims (8)

  1. 一面側に凹凸形状が形成された第1導電型の単結晶シリコン基板と、
    前記単結晶シリコン基板の一面側の全面において前記凹凸形状の凸部の頂部に分散配置され、第2導電型の不純物元素が第1の濃度で拡散した複数の第1の拡散層と、
    前記単結晶シリコン基板の一面側において前記第1の拡散層以外の領域に形成され、前記第2導電型の不純物元素が前記第1の濃度よりも低い第2の濃度で拡散した第2の拡散層と、
    前記第1の拡散層に電気的に接続して前記単結晶シリコン基板の一面側に形成された受光面側電極と、
    前記単結晶シリコン基板の他面側に形成された裏面側電極と、
    を備えることを特徴とする光起電力装置。
  2. 前記第1の拡散層のシート抵抗が20Ω/□〜50Ω/□であり、
    前記第2の拡散層のシート抵抗が80Ω/□〜120Ω/□であり、
    前記第1の拡散層の合計の面積が前記単結晶シリコン基板の一面側の面積に対して3%〜15%であること、
    を特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 第1導電型の単結晶シリコン基板の一面側の全面に第2導電型の不純物元素を第1の濃度で拡散させて第1の拡散層を形成する第1の工程と、
    前記第1の拡散層の表面に保護膜を被着する第2の工程と、
    前記保護膜にブラスト加工処理を施して前記保護膜の全面に複数の開口を形成する第3の工程と、
    前記開口が形成された前記保護膜をエッチングマスクとして前記保護膜が耐性を有する条件で前記単結晶シリコン基板の一面側に対して異方性エッチングを施すことにより、前記単結晶シリコン基板の一面側に凹凸形状を形成するとともに前記保護膜の下部領域に前記異方性エッチングが施されていない前記第1の拡散層を残存させて前記第1の拡散層を前記単結晶シリコン基板の一面側の全面に分散配置する第4の工程と、
    前記保護膜を除去する第5の工程と、
    前記単結晶シリコン基板の一面側に第2導電型の不純物元素を前記第1の濃度よりも低い第2の濃度で拡散させて、前記単結晶シリコン基板の一面側における前記第1の拡散層以外の領域に第2の拡散層を形成する第6の工程と、
    前記単結晶シリコン基板の一面側に電極を形成する第7の工程と、
    前記単結晶シリコン基板の他面側に電極を形成する第8の工程と、
    を含むことを特徴とする光起電力装置の製造方法。
  4. 前記第4の工程では、前記保護膜の下部領域の前記第1の拡散層に前記異方性エッチングが施されていない未エッチング領域が残存するようにエッチング条件を調整すること、
    を特徴とする請求項3に記載の光起電力装置の製造方法。
  5. 前記第4の工程では、アルカリ水溶液および添加剤を含むアルカリ水溶液のうち少なくとも一方をエッチング液に用いてウエットエッチングを行うこと、
    を特徴とする請求項3または4に記載の光起電力装置の製造方法。
  6. 前記第1の拡散層のシート抵抗を20Ω/□〜50Ω/□とし、前記第2の拡散層のシート抵抗を80Ω/□〜120Ω/□とし、前記未エッチング領域の面積を前記単結晶シリコン基板の一面側の面積に対して3%〜15%とすること、
    を特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の光起電力装置の製造方法。
  7. 前記保護膜が、シリコン熱酸化膜、化学堆積もしくは物理堆積法により形成したシリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜のうちの何れか1つまたはその組み合わせであること、
    を特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の光起電力装置の製造方法。
  8. 請求項1または2に記載の光起電力装置の少なくとも2つ以上が電気的に直列または並列に接続されてなること、
    を特徴とする光起電力モジュール。
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