JP2012206035A - 遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置並びにその運転方法 - Google Patents

遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置並びにその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 遠心式薄膜真空蒸発装置に要求される条件を満たした高温の蒸気を、遠心式薄膜真空蒸発装置から排出される熱を利用して得ることにより、熱効率を改善させて省エネルギーでの運転を実現することのできる、新規な遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置並びにその運転方法の開発を技術課題とした。
【解決手段】 遠心式薄膜真空蒸発装置1から排出される熱を、熱媒体に取り込むことにより、加熱部40に供給される蒸気Sを生成する蒸気発生装置10の熱源として供することができるように構成されていることを特徴として成る。
【選択図】図1

Description

本発明は遠心式薄膜真空蒸発装置に関するものであり、特に省エネルギーでの運転を実現することのできる遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置並びにその運転方法に係るものである。
各種溶液の濃縮装置としては、単効用缶式濃縮装置、多重効用缶式濃縮装置、蒸気圧縮式濃縮装置等が普及している。そしてこれら装置の熱効率は、単効用缶式濃縮装置が0.8〜0.9程度、多重効用缶式濃縮装置が1.4程度、蒸気圧縮式濃縮装置が4〜7程度となっている。
ところで、熱変性を受けやすい物質の蒸発、濃縮等の加熱操作においては、低温で且つ短時間に所定の熱量を与えて目的の操作を行う必要があるため(例えば非特許文献1参照)、多重効用缶式濃縮装置、蒸気圧縮式濃縮装置を用いることができない。
まず多重効用缶式濃縮装置は、処理温度が70℃以上と高温であり、更に濃縮液の機内滞留時間が4分〜数時間と長くなるものであるため、熱変性を受けやすい物質を扱う場合には用いることができない。
なお薬品、食品等を扱う場合、装置の洗浄性が高いことが要求されるが、多重効用缶式濃縮装置の場合には装置構成が複雑であるため適していない。
また前記蒸気圧縮式濃縮装置は、熱効率が高く省エネルギーなシステムではあるものの、圧縮機の消費エネルギーが圧縮比(吐出圧力/吸込圧力)に比例して大きくなるものであり、更に低い圧力環境から吸込む場合にも消費エネルギーが大きくなってしまうものである。このような蒸気圧縮式濃縮装置の運転は、通常は、吸込圧力が20〜70kPa(abs)、温度換算した圧縮比が5〜15℃の温度上昇(吸込ガスの温度に対して吐出ガスの温度は5〜15℃上昇する)の条件下で行われるものであり、濃縮液温度は60〜90℃と高温となり、機内滞留時間は10〜60分と長くなってしまうものである。
以上のような理由により、熱変性を受けやすい物質を扱う場合には、蒸気圧縮式濃縮装置を用いることができない。
そこで熱変性を受けやすい物質の濃縮等を行うための装置が実用化されており、本出願人にあっても図2に示すような遠心式薄膜真空蒸発装置1を市場に提供している(例えば特許文献1参照)。この装置は、内部空間を真空状態とすることができるケーシング2内に、すり鉢状の蒸発板31を有する回転体3が具えられて成るものである。そして、加熱部40に蒸気Sを供給することによって蒸発板31を加熱し、蒸発板31の中心に供給された原料液L0が遠心力によって外周部に向けて移動する一秒程の間に、揮発性成分が濃縮液温50℃以下で蒸発して濃縮液L1が得られるものである。このため濃縮液温を50℃以下(12kPa(abs)以下)に保つためには、ケーシング2に接続されたコンデンサ8に40℃以下の冷却水が流されることとなる。
またケーシング2は接続部25において分割可能な構成とされており、洗浄性やメンテナンス性に優れているものである。
しかしながら上述のような遠心式薄膜真空蒸発装置1は、構造としては単効用缶に分類されるものであるため熱効率が低く、この点において改善の余地があったが、遠心式薄膜真空蒸発装置1に要求される条件を満たした高温の蒸気を生成するためには、ボイラ等の装置が必要であり、熱効率の改善には限界があるものと認識されていた。
「<食品工学基礎口座>6 濃縮と乾燥、株式会社 光琳、平成元年8月31日、P26、27」 実用新案登録第2590568号公報
本発明はこのような背景を認識して成されたものであって、特に遠心式薄膜真空蒸発装置に要求される条件を満たした高温の蒸気を、遠心式薄膜真空蒸発装置から排出される熱を利用して得ることにより、熱効率を改善させて省エネルギーでの運転を実現することのできる、新規な遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置並びにその運転方法の開発を技術課題とした。
すなわち請求項1記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置は、ケーシング内に、すり鉢状の蒸発板を有する回転体が具えられ、前記蒸発板の回転中心付近に形成された原料供給面には、原料液供給管がその先端を臨ませて具えられ、また前記蒸発板の最外周付近には堰板が具えられ、この堰板付近に濃縮液排出用のペアリングチューブがその先端を臨ませて具えられ、前記蒸発板の背面側に蒸気が供給される加熱部が形成され、前記原料供給面に供給された原料液が、蒸発板上を移動する過程で蒸発板から熱を受けることにより、揮発性成分が蒸発して濃縮され、その後、濃縮液が前記ペアリングチューブによって外部に排出されるように構成された遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置において、前記遠心式薄膜真空蒸発装置から排出される熱を、熱媒体に取り込むことにより、前記加熱部に供給される蒸気を生成する蒸気発生装置の熱源として供することができるように構成されていることを特徴として成るものである。
また請求項2記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置は、前記請求項1の要件に加え、前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供される熱は、前記原料液から蒸発した蒸気成分に含まれる熱であることを特徴として成るものである。
更にまた請求項3記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供される熱は、前記加熱部から排出されるドレンまたはドレンと蒸気との気液混合体に含まれる熱であることを特徴として成るものである。
更にまた請求項4記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記蒸気発生装置は、蒸気発生型のヒートポンプが具えられたものであることを特徴として成るものである。
更にまた請求項5記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置は、前記請求項4記載の要件に加え、前記蒸気発生装置は、蒸気になる前の水を予熱するための予熱器を、凝縮器と膨張弁との間に具えたものであることを特徴として成るものである。
更にまた請求項6記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、前記蒸気発生装置によって生成された蒸気に、補助蒸気を添加することができるように構成されていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項7記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置は、前記請求項4、5または6記載の要件に加え、前記ヒートポンプにおける蒸発器に供給される熱媒体を冷却するための冷却器を具えることを特徴として成るものである。
更にまた請求項8記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置は、前記請求項4、5、6または7記載の要件に加え、前記ヒートポンプにおける蒸発器に供給される熱媒体を加熱するための予熱器を具えることを特徴として成るものである。
また請求項9記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、ケーシング内に、すり鉢状の蒸発板を有する回転体が具えられ、前記蒸発板の回転中心付近に形成された原料供給面には、原料液供給管がその先端を臨ませて具えられ、また前記蒸発板の最外周付近には堰板が具えられ、この堰板付近に濃縮液排出用のペアリングチューブがその先端を臨ませて具えられ、前記蒸発板の背面側に蒸気が供給される加熱部が形成され、前記原料供給面に供給された原料液が、蒸発板上を移動する過程で蒸発板から熱を受けることにより、揮発性成分が蒸発して濃縮され、その後、濃縮液が前記ペアリングチューブによって外部に排出されるように構成された遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた装置において、前記遠心式薄膜真空蒸発装置から排出される熱を、熱媒体に取り込むことにより、前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供することを特徴として成るものである。
更にまた請求項10記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、前記請求項9記載の要件に加え、前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供される熱は、前記原料液から蒸発した蒸気成分に含まれる熱であることを特徴として成るものである。
更にまた請求項11記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、前記請求項9または10記載の要件に加え、前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供される熱は、前記加熱部から排出されるドレンまたはドレンと蒸気との気液混合体に含まれる熱であることを特徴として成るものである。
更にまた請求項12記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、前記請求項10または11記載の要件に加え、前記加熱部に供給される蒸気を、蒸気発生型のヒートポンプによって行うことを特徴として成るものである。
更にまた請求項13記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、前記請求項12記載の要件に加え、前記加熱部に供給される蒸気を生成する際には、蒸気になる前の水を予熱することを特徴として成るものである。
更にまた請求項14記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、前記請求項12または13記載の要件に加え、前記加熱部に供給される蒸気を生成する際には、補助蒸気を添加することを特徴として成るものである。
更にまた請求項15記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、前記請求項12、13または14記載の要件に加え、前記ヒートポンプにおける蒸発器に供給される熱媒体を冷却することを特徴として成るものである。
更にまた請求項16記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、前記請求項15記載の要件に加え、前記熱媒体の冷却は熱交換器が適用された冷却器により行うものであり、この冷却器に供給される循環再冷水の温度を40℃以下とすることを特徴として成るものである。
更にまた請求項17記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法は、前記請求項12、13、14、15または16記載の要件に加え、前記コンデンサから排出されてヒートポンプにおける蒸発器に供給される熱媒体を加熱することを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の要件を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、遠心式薄膜真空蒸発装置から排出された熱が、熱媒体に移動し、その後、遠心式薄膜真空蒸発装置に供給される蒸気を生成する際の熱源として利用されるため、装置全体のエネルギー効率を向上させることができる。この際、前記蒸気の状態を遠心式薄膜真空蒸発装置に適したものとすることができる。
また請求項2記載の発明によれば、原料液から蒸発した蒸気成分に含まれる熱により、蒸気発生装置の熱源となる熱媒体を昇温することができるため、省エネルギー性を高めることができる。
更にまた請求項3記載の発明によれば、ドレンまたはドレンと蒸気との気液混合体に含まれる熱により、蒸気発生装置の熱源となる熱媒体を昇温することができるため、省エネルギー性を高めることができる。
更にまた請求項4記載の発明によれば、既存の濃縮装置には見られない、遠心式薄膜真空蒸発装置と蒸気発生型ヒートポンプとの新規な組合せによって構成された装置により、遠心式遠心式薄膜真空蒸発装置の特徴(熱劣化しやすい被処理液の濃縮が可能、洗浄性に優れており食品や医薬品を扱うことができる)を活かしながら、省エネルギーでの運用が可能となる。
更にまた請求項5記載の発明によれば、蒸気発生装置に供給された水が、凝縮器から排出された冷媒によって予熱された状態で凝縮器に供給されるため、凝縮器において生成される蒸気の温度を高めることができ、更によりいっそう省エネルギー性を高めることができる。
更にまた請求項6記載の発明によれば、遠心式薄膜真空蒸発装置から排出される蒸気成分中の総熱量が減少し、この熱を熱源とする蒸気発生装置の効率が低下した場合でも、遠心式薄膜真空蒸発装置に供給される蒸気の条件を一定に保つことができる。
更にまた請求項7記載の発明によれば、濃縮装置の起動時あるいは運転中において、何らかの理由で原料液の濃度、流量が変動する場合等、熱媒体に取り込まれる熱量が変動したり、あるいは過剰になる場合があり、このため熱媒体の温度が一定値に安定しない事態が起こり得るが、このような場合であっても熱媒体の温度を一定値に保つことができる。
更にまた請求項8記載の発明によれば、濃縮装置の起動時あるいは運転中において、何らかの理由で原料液の濃度、流量が変動する場合等、熱媒体に取り込まれる熱量が不足したり、あるいは変動したりする場合があり、このため熱媒体の温度が一定値に安定しない事態が起こり得るが、このような場合であっても熱媒体の温度を一定値に保つことができる。
また請求項9記載の発明によれば、原料液から蒸発した蒸気成分に含まれていた熱が、コンデンサにおいて熱媒体に移動し、その後、遠心式薄膜真空蒸発装置に供給される蒸気を生成する際の熱源として利用されるため、装置全体のエネルギー効率を向上させることができる。この際、前記蒸気の状態を遠心式薄膜真空蒸発装置に適したものとすることができる。
また請求項10記載の発明によれば、原料液から蒸発した蒸気成分に含まれる熱により、蒸気発生装置の熱源となる熱媒体を昇温することができるため、省エネルギー性を高めることができる。
更にまた請求項11記載の発明によれば、ドレンまたはドレンと蒸気との気液混合体に含まれる熱により、蒸気発生装置の熱源となる熱媒体を昇温することができるため、省エネルギー性を高めることができる。
更にまた請求項12記載の発明によれば、既存の濃縮装置には見られない、遠心式薄膜真空蒸発装置と蒸気発生型ヒートポンプとの新規な組合せによって構成された装置により、遠心式遠心式薄膜真空蒸発装置の特徴(熱劣化しやすい被処理液の濃縮が可能、洗浄性に優れており食品や医薬品を扱うことができる)を活かしながら、省エネルギーでの運用が可能となる。
更にまた請求項13記載の発明によれば、蒸気発生装置に供給された水が、凝縮器から排出された冷媒によって予熱された状態で凝縮器に供給されるため、凝縮器において生成される蒸気の温度を高めることができ、更によりいっそう省エネルギー性を高めることができる。
更にまた請求項14記載の発明によれば、遠心式薄膜真空蒸発装置から排出される蒸気成分中の総熱量が減少し、この熱を熱源とする蒸気発生装置の効率が低下した場合でも、遠心式薄膜真空蒸発装置に供給される蒸気の条件を一定に保つことができる。
更にまた請求項15記載の発明によれば、濃縮装置の起動時あるいは運転中において、何らかの理由で原料液の濃度、流量が変動する場合等、熱媒体に取り込まれる熱量が変動したり、あるいは過剰になる場合があり、このため熱媒体の温度が一定値に安定しない事態が起こり得るが、このような場合であっても熱媒体の温度を一定値に保つことができる。
更にまた請求項16記載の発明によれば、50℃以下の処理温度で1秒程度の短時間に濃縮する必要がある食品や医薬品等では、処理温度が50℃以下を保てるように、すなわち遠心式薄膜真空乾燥装置のケーシング内の真空圧力を保つためのコンデンサの冷却能力を維持することができる。
更にまた請求項17記載の発明によれば、濃縮装置の起動時あるいは運転中において、何らかの理由で原料液の濃度、流量が変動する場合等、熱媒体に取り込まれる熱量が不足したり、あるいは変動したりする場合があり、このため熱媒体の温度が一定値に安定しない事態が起こり得るが、このような場合であっても熱媒体の温度を一定値に保つことができる。
実施例1として説明する本発明の濃縮装置を示すブロック図である。 ケーシング及びケーシングに収容された回転体を示す横断面図及び縦断面図である。 実施例2として説明する本発明の濃縮装置を示すブロック図である。 実施例3として説明する本発明の濃縮装置を示すブロック図である。 実施例4として説明する本発明の濃縮装置を示すブロック図である。 実施例5として説明する本発明の濃縮装置を示すブロック図である。 実施例6として説明する本発明の濃縮装置を示すブロック図である。 実施例1乃至6として説明した濃縮装置の運転条件、H.P.COP、消費電力及び熱効率並びに他の濃縮装置の熱効率を示す表である。
以下本発明の「遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置並びにその運転方法」について、初めに濃縮装置Eを構成する遠心式薄膜真空蒸発装置1及び周辺機器について説明した後、これら装置の作動態様と併せて本発明の運転方法について説明する。
前記遠心式薄膜真空蒸発装置1は図1に示すように、内部空間を真空状態とすることができるケーシング2内に、蒸発板31を有する回転体3が具えられて成るものである。そして、蒸発板31を蒸気Sによって加熱し、蒸発板31の回転中心付近に供給された原料液L0が遠心力によって外周部に向けて移動する一秒程の間に、揮発性成分が蒸発し原料液L0の濃縮が行われるものである。
なお本発明の濃縮装置Eは、薬品、食品等、熱変性を受けやすい物質を処理対象とすることができるものであり、抗生物質溶液、酵素溶液、アミノ酸調味溶液、緑茶、紅茶、果汁等を原料液L0として扱うことができるものである。
以下、遠心式薄膜真空蒸発装置1の構成要素について詳しく図2を参照しながら説明する。
まず前記ケーシング2は、中空円柱状の容器を横倒し状態としたものであり、上部の適宜の個所に排気管21が接続されるとともに、下部の適宜の個所に排液口24が形成されて成るものである。
またケーシング2はメンテナンス等のために接続部25において分割可能な構成とされており、更に内部を目視することができる点検窓26が具えられている。
次に前記回転体3について説明するとこのものは、ケーシング2の外部に具えられたモータMによって回転駆動される回転軸30に、すり鉢状の蒸発板31が具えられて成るものである。
また前記すり鉢状の蒸発板31の最深部付近を、回転軸30の軸方向に直交するように形成して原料供給面31aとするものであり、この原料供給面31aに吐出口が臨むようにして原料液供給管5が具えられる。なおこの実施例では、原料液供給管5が二箇所に具えられるように構成されるものであり、それぞれの接続系統については後程説明を行う。なお二箇所に具えられている原料液供給管5を区別するときには、それぞれの符号を原料液供給管51、原料液供給管52と異ならせて扱うこととする。
また前記原料液供給管5の吐出口付近には、飛散防止板32が設けられる。
更に前記蒸発板31の開放端には、その全周に亘って堰板33が設けられるものであり、この堰板33と蒸発板31との接続部位に、吸液口60が臨むことができるペアリングチューブ6が回動可能に具えられる。
更に前記蒸発板31の背面側に外覆板4がジャケット状に具えられるものであり、蒸発板31と外覆板4との間に加熱部40が形成される。そしてこのような構成が採られることにより、蒸気供給口41から加熱部40(蒸発板4の背面側)に蒸気Sを供給した際に、蒸発板31が加熱されることとなる。
また前記加熱部40内には、吸液口70が蒸発板31と外覆板4との境界部付近に臨むようにして凝縮液回収管7が具えられるものであり、この凝縮液回収管7はドレン口42に接続される。
そして上述のような構成が採られることにより、蒸発板31の中心に供給された原料液L0が遠心力によって外周部に向けて移動する一秒程の間に、加熱部40に供給された蒸気Sの熱によって、原料液L0の揮発性成分が蒸発して濃縮が行われることとなるものである。
次に濃縮装置Eを構成する他の周辺機器及びその接続態様について説明する。なおここでは図1に示した実施例1及び図3に示した実施例2における周辺機器及びその接続態様について説明するものであり、実施例3乃至6における周辺機器及びその接続態様については各実施例の説明時に随時説明を行うものとする。
まず図1に示すように、原料液L0を収容するための原料液タンクT0が、原料液供給ポンプP0を介在させて原料液供給管51に接続される。
またペアリングチューブ6に、濃縮液排出ポンプP1を介在させて濃縮液タンクT1が接続される。
また前記濃縮液排出ポンプP1と濃縮液タンクT1とを結ぶ管路は分岐されるものであり、この分岐路は前記原料液タンクT0に接続される。そして前記分岐点と濃縮液排出ポンプP1との間に濃度センサ53が具えられ、また前記分岐点と濃縮液タンクT1との間にバルブV4が具えられ、更にまた前記分岐点と原料液タンクT0との間にバルブV3が具えられる。
更にケーシング2内で飛び散ってしまった原料液L0の排液口24と、原料液供給管52とが適宜の管路で接続されるとともに、この管路に戻しポンプP5が具えられる。
更にまたドレン口42には真空ポンプP3及びセパレータ9が接続される。
更にまたコンデンサ8における導入口81に排気管21が接続されるものであり、排出口82に蒸留液排出ポンプP2及び蒸留液タンクT2が接続される。なお前記コンデンサ8は、導入口81に供給された蒸気成分を凝縮するための機器であり、このためコンデンサ8の内部において適宜の管路内を冷却水Cが通過するように構成されている。
そして冷却水供給口83及び冷却水排出口84には、蒸気発生装置10における蒸発器103が接続され、この閉路内を熱源水ポンプP6によって循環する熱媒体が前記冷却水Cとして使用される。
またコンデンサ8における抜気口85には真空ポンプP4が接続される。
ここで前記蒸気発生装置10について説明すると、このものは一例としてヒートポンプ100に予熱器110を組み合わせて構成されるものである。
前記ヒートポンプ100は、凝縮器101と、膨張弁102と、蒸発器103と、圧縮機104とを具えてヒートポンプサイクルを形成するものであり、一例として二酸化炭素を冷媒とするものが採用される。なお前記冷媒として二酸化炭素を採用することにより、ヒートポンプ100によって昇温される水Wの温度をより高くすることができるものである。なお今後、他の冷媒を用いた同等の性能を有するヒートポンプ100が実用化された場合には、これを採用することもできる。
そして凝縮器101と膨張弁102との間に、熱交換器等が適用された予熱器110が配されるものであり、外部から供給された水Wは、予熱器110において冷媒との熱交換によって昇温(予熱)された状態で凝縮器101に供給される。次いで凝縮器101において、水Wは冷媒との熱交換によって更に昇温されて蒸気Sとなり、遠心式薄膜真空蒸発装置1における蒸気供給口41に供給されるように構成されている。
また凝縮器101と蒸気供給口41とを結ぶ管路に、バルブV1、V2が具えられた管路が接続されており、凝縮器101で生成された蒸気Sに対して、工場内の他の機器で生じた余剰蒸気や、適宜他の機器によって生成された補助蒸気S1を混入することができるようにように構成されている。なお後述する実施例4、5においては補助蒸気S1が用いられないため、このような補助蒸気S1の供給機構の図示(図5、6)は省略されているが、補助蒸気S1が用いられる場合にはこのような供給機構が具えられるものとする。
また濃縮装置Eの起動時あるいは運転中において、あるいは何らかの理由で原料液L0の濃度、流量が変動する場合等において、コンデンサ8における交換熱量が不足したり、変動したり、あるいは過剰になる場合がある。このとき冷却水C1の温度も一定値に安定しないため、安定させるために、前記熱源水ポンプP6と蒸発器103との間(冷却水C1の経路)に、冷却水C1を冷却するための冷却器120または冷却水C1を加熱するための予熱器121のいずれか一方または双方を具えるものとする。
なおこの実施例では、前記冷却器120及び予熱器121として熱交換器が採用されるものであり、前記蒸発器103における冷却水C1の入口付近に温度センサ105を具え、この温度センサ105の検出値に基づいて、冷却器120に流す循環再冷水W1の量あるいは予熱器121に流す補助蒸気S2の量を制御して、冷却水C1の温度を所定の値に安定させることが可能となる。
また前記冷却器120及び予熱器121については、上述した熱交換器以外にも、ペルチェ素子及び電気ヒータ等を用いることもできる。
また図示は省略するが、前記蒸気発生装置10としては、ヒートポンプ100によって熱風を発生させ、この熱風を用いて水Wを加熱して蒸気Sを発生させる構成のものを採用することもできる。
また前記予熱器110については、ヒートポンプ100の性能や水Wの温度等の条件に応じて、設けなくてもよい場合もある(例えば後述する実施例4、5)。
実施例1及び2に示す濃縮装置E(E1、E2)は上述したように構成されるものであり、以下、濃縮装置Eの運転方法について説明する。
なお濃縮装置Eの運転に際しては、前記加熱部40から排出される蒸気SとドレンDとの気液混合体をワンパスとする方法と、循環使用する方法とが選択されるものであり、以下、ワンパスとする方法について実施例1乃至3として説明し、循環使用する方法について実施例4乃至6として説明する。
〔実施例1〕(図1参照、C1:37℃、C2:32℃、補助蒸気S1有、補助蒸気S2無、循環再冷水W1無、処理温度50℃、L0:アミノ酸調味溶液)
(1)〔起動操作〕
初めにケーシング2内を真空状態とするものであり、真空ポンプP4を起動してケーシング2内の空気を排出して一例として12.3kPa(abs)とする。
次いでモータMを起動して、回転体3を回転させる(400〜1500rpm)。
更に熱源水ポンプP6を起動して、熱媒体としての冷却水C1を循環させるとともに、予熱器121に補助蒸気S2を供給し、冷却水C1の温度を所望の値(この実施例では37℃)とする。
(2)〔蒸気の生成と供給〕
一方、蒸気発生装置10において蒸気Sを生成するものであり、圧縮機104を起動して冷媒を循環させると、冷媒は蒸発器103において、冷却水C1(この実施例では37℃)の熱を取り込むとともに、予熱器110及び凝縮器101において水Wに熱を移動させる。このとき、熱を移動させた後の冷却水C2の温度は32℃となる。
そして水Wは凝縮器101において、遠心式薄膜真空蒸発装置1に供給するのに適した蒸気S(120℃ 0.1MPaG 900kg/h)となって、遠心式薄膜真空蒸発装置1における蒸気供給口41に供給される。
なおこの実施例では、蒸気Sに対して補助蒸気S1(120℃、0.1MPaG、100kg/h)を加えることにより、遠心式薄膜真空蒸発装置1へ供給される蒸気量が1000kg/hとなるようにした。
そして蒸気供給口41に供給された蒸気Sは加熱部40内に至り、蒸発板31を加熱した後に凝縮してドレンDとなるものであり、真空ポンプP3の吸引作用によって凝縮液回収管7を通じてセパレータ9に送られた気液混合体は、ここで空気AとドレンDとに分けられて外部に放出される。なお一部の蒸気Sは凝縮することなく、ドレンDとともにドレン口42から排出されることとなる。
(3)〔原料液の供給と濃縮〕
そして原料液供給ポンプP0を起動して、原料液L0を原料供給管51から原料供給面31aに供給するものであり、原料液L0は遠心力によって蒸発板31上を外周部に向けて移動し、約一秒程で堰板33に至るものであり、この間に蒸発板31により加熱されて揮発性成分が蒸発し、濃縮液L1となる。
そして濃縮液L1は堰板33によって堰き止められるものであり、濃縮液排出ポンプP1の吸引作用により、ペアリングチューブ6から濃縮液タンクT1に送られる(バルブV3閉、バルブV4開)。
なおこの実施例では、ケーシング2内における、原料液L0が供給される空間の圧力が12.3kPa(abs)、すなわち処理温度が50℃となるようにした。
(4)〔排気された蒸気成分から冷却液への熱回収〕
一方、原料液L0から蒸発した蒸気成分は、真空ポンプP4の吸引作用によって排気管21からコンデンサ8に取り込まれるものであり、ここで冷却水C2(32℃)との間で熱交換が行われ、冷却水C2が昇温されて冷却水C1(37℃)となる一方、蒸気成分は蒸留液L2となり、蒸留液排出ポンプP2によって蒸留液タンクT2に収容される。
なおこの実施例では、前記原料液供給管5から蒸発板31への原料液L0の供給をワンパス方式としたため、蒸気発生装置10から遠心式薄膜真空蒸発装置1へ供給する蒸気Sを、常に同じ状態のものとすることができ、またコンデンサ8において冷却水C2に取り込まれる熱量が常時一定となるため、安定した運転を行うことができる。
〔実施例2〕(図3参照、C1:52℃、C2:47℃、補助蒸気S1無、補助蒸気S2無、循環再冷水W1無、処理温度65℃、L0:緑茶)
次いで図3に示す実施例2について説明する。この実施例2で示す濃縮装置E2と実施例1で示す濃縮装置E1とは装置構成を同一とするものであり、実施例2は運転条件を異ならせた実施例である。具体的には、蒸気発生装置10によって生成される蒸気Sを、遠心式薄膜真空蒸発装置1に供給するのに適した状態(120℃、0.1MPaG、1000kg/h)とし、蒸気Sへの補助蒸気S1の混入は行わないようにした。
また冷却水C1の温度が52℃、冷却水C2の温度が47℃となるようにし、更にケーシング2内における、原料液L0が供給される空間の圧力が25.0kPa(abs)、すなわち処理温度が65℃となるようにした。
〔実施例3〕(図4参照、C1:55℃、C2:50℃、補助蒸気S1無、補助蒸気S2無、循環再冷水W1無、処理温度50℃、L0:果汁)
次いで図4に示す実施例3について説明する。この実施例3で示す濃縮装置E3と実施例2で示す濃縮装置E2(濃縮装置E1も同様)との相違点は、実施例2においてはコンデンサ8によって昇温された冷却水C1の温度が52℃となるのに対し、実施例3においては遠心式薄膜真空蒸発装置1におけるドレン口42から排出される、蒸気SとドレンDとの気液混合体の熱を昇温器111によって冷却水C2に取り込むことにより、冷却水C1の温度が55℃となるようにしたものである。このため実施例3においては、遠心式薄膜真空蒸発装置1における排気管21に、真空ポンプP4を介在させてセパレータ91を接続するようにし、前記コンデンサ8及び蒸留液排出ポンプP2は用いない構成とした。
そしてこの実施例3では、蒸気発生装置10によって生成される蒸気Sを、遠心式薄膜真空蒸発装置1に供給するのに適した状態(120℃、0.1MPaG、1000kg/h)とし、蒸気Sへの補助蒸気S1の混入は行わないようにした。
また冷却水C2の温度が50℃となるようにし、更にケーシング2内における、原料液L0が供給される空間の圧力が12.3kPa(abs)、すなわち処理温度が50℃となるようにした。
なお前記ドレン口42からは、ドレンDのみが排出されることもあるが、この場合もドレンDの熱を昇温器111によって冷却水C2に取り込むことができる。
なお図示は省略するが、ここまで説明した実施例1、2と同様に、コンデンサ8及び蒸留液排出ポンプP2を用いる構成を採ることもできるものであり、この場合、蒸発器103と冷却水供給口83とを管路で結ぶとともに、冷却水排出口84と昇温器111とを管路で結ぶようにすればよい。
また図示は省略するが、ここまで説明した実施例1、2と同様に、冷却器120及び予熱器121を用いる構成を採ることもできるものであり、この場合、昇温器111と蒸発器103との間を結ぶ管路に、冷却器120及び予熱器121を具えるようにすればよい。
〔実施例4〕(図5参照、C1:16℃、C2:8.7℃、補助蒸気S1無、補助蒸気S2無、循環再冷水W1有、処理温度20℃、L0:抗生物質溶液)
次いで図5に示す実施例4について説明する。この実施例4で示す濃縮装置E4は、前記濃縮装置E1及び濃縮装置E2と基本構成を同一とするものであるが、相違点は、前記加熱部40から排出される蒸気SとドレンDとの気液混合体を循環使用する点である。
このため蒸気供給口41及びドレン口42と、凝縮器101との間に水タンク130が具えられるものであり、更に水タンク130とドレン口42との間にセパレータ131が具えられる。
また水タンク130と凝縮器101との間に水ポンプP7が具えられ、水タンク130とセパレータ131との間に液ポンプP8が具えられる。更にまたセパレータ131には排気用の管路が接続されており、この管路にバルブV5及び真空ポンプP9が具えられる。
そしてこのような構成が採られることにより、水タンク130内に水Wを充填し、この水Wを循環水W2として凝縮器101に送り込むことにより温水W3とし、更にこの温水W3を水タンク130に供給して蒸気Sが生成されることとなる。そしてこの蒸気Sが加熱部40に供給され、蒸発板31を加熱した後、一部が凝縮してドレンDとなり、蒸気SとドレンDとの気液混合体がセパレータ131を経由して水タンク130に戻されるとともに、再び循環水W2として供されることとなる。なおこの実施例4及び後述する実施例5においては、水タンク130についても蒸気発生装置10の構成要素となるものである。また水タンク130内への水Wの補給は適宜行われるものとする。
また前記予熱器121と蒸発器103との間にクッションタンク140及び熱源水ポンプP6が具えられている。
そしてこの実施例4においては一例として、循環水W2の温度が80℃、温水W3の温度が90℃となるようにした。
またこの実施例4では、水タンク130において生成される蒸気Sを、遠心式薄膜真空蒸発装置1に供給するのに適した状態(80℃、47kPa(abs)、900kg/h)とする。
なお蒸気Sへの補助蒸気S1の混入は行わないようにしたため、図5においてはバルブV1、V2が具えられる管路の記載を省略している。
またコンデンサ8から排出された冷却水C1の温度が18.7℃となったため、循環再冷水W1を冷却器120に供給することにより、蒸発器103に供給される時点の冷却水C1の温度が16.0℃となるようにした。なお循環再冷水W1は図示しないチラーによって生成されるものであり、このチラーの消費電力は46kWとなった。
また冷却水C2の温度が8.7℃となるようにし、更にケーシング2内における、原料液L0が供給される空間の圧力が2.3kPa(abs)、すなわち処理温度が20℃となるようにした。
〔実施例5〕(図6参照、C1:37℃、C2:30℃、補助蒸気S1無、補助蒸気S2無、循環再冷水W1有、処理温度40℃、L0:酵素溶液)
次いで図6に示す実施例5について説明する。この実施例5で示す濃縮装置E5は、前記濃縮装置E4と基本構成を同一とするものであるが、相違点は、冷却器120を削除するとともに、蒸発器103と冷却水供給口83との間を結ぶ管路に循環再冷水W1を供給することができるように構成された点である。
そしてこの実施例4では、水タンク130において生成される蒸気Sを、遠心式薄膜真空蒸発装置1に供給するのに適した状態(80℃、47kPa(abs)、600kg/h)とする。
なお蒸気Sへの補助蒸気S1の混入は行わないようにしたため、図6においてはバルブV1、V2が具えられる管路の記載を省略している。
また冷却水C2の温度が30℃となるようにし、この冷却水C2に32℃の循環再冷水W1を179L/minで混入して30.5℃の冷却水C3を得るようにした。
更にケーシング2内における、原料液L0が供給される空間の圧力が7.3kPa(abs)、すなわち処理温度が40℃となるようにした。
更に前記循環水W2の温度が80℃、温水W3の温度が90℃となるようにした。
〔実施例6〕(図7参照、C1:55℃、C2:50℃、補助蒸気S1無、補助蒸気S2無、循環再冷水W1無、処理温度50℃、L0:緑茶)
次いで図7に示す実施例6について説明する。この実施例6で示す濃縮装置E6は、前記実施例3で示した濃縮装置E3と基本構成を同一とするものであるが、相違点は、前記加熱部40から排出される蒸気SとドレンDとの気液混合体を循環使用する点である。
このためドレン口42と、予熱器110との間に水タンク130が具えられるものである。また水タンク130と予熱器110との間には水ポンプP7が具えられ、水タンク130と昇温器111との間には液ポンプP8が具えられる。
そしてこのような構成が採られることにより、水タンク130内に水Wを充填し、この水Wを循環水W2として凝縮器101に送り込むことにより蒸気Sを生成させ、この蒸気Sが加熱部40に供給され、蒸発板31を加熱した後、一部が凝縮してドレンDとなり、蒸気SとドレンDとの気液混合体が昇温器111を経由して水タンク130に戻されるとともに、再び循環水W2として供されることとなる。
そしてこの実施例6では、蒸気発生装置10によって生成される蒸気Sを、遠心式薄膜真空蒸発装置1に供給するのに適した状態(120℃、0.1MPaG、1000kg/h)とし、蒸気Sへの補助蒸気S1の混入は行わないようにした。
また冷却水C2の温度が50℃となるようにし、更にケーシング2内における、原料液L0が供給される空間の圧力が12.3kPa(abs)、すなわち処理温度が50℃となるようにした。
なお図示は省略するが、ここまで説明した実施例1、2、4、5と同様に、コンデンサ8及び蒸留液排出ポンプP2を用いる構成を採ることもできるものであり、この場合、蒸発器103と冷却水供給口83とを管路で結ぶとともに、冷却水排出口84と昇温器111とを管路で結ぶようにすればよい。
また図示は省略するが、ここまで説明した実施例1、2、4、5と同様に、冷却器120及び予熱器121を用いる構成を採ることもできるものであり、この場合、昇温器111と蒸発器103との間を結ぶ管路に、冷却器120及び予熱器121を具えるようにすればよい。
〔COP及び消費電力等の比較〕
以上述べた実施例1乃至6の運転条件並びにH.P.COP、消費電力及び熱効率を図8に示した表を用いて比較する。ここでH.P.COPとは、蒸気発生装置10におけるCOPを意味する。また熱効率とは、蒸発に使われるエネルギーを、濃縮装置Eに投入されるエネルギーで除した値を意味する。
まず実施例1の運転方法では、H.P.COP2.5、熱効率1.96となっており、単効用缶式濃縮装置の熱効率0.8〜0.9、多重効用缶式濃縮装置の熱効率1.4よりも高効率となっていることが確認できる。
なお実施例2乃至6は、実施例1とは異なった原料液L0を扱ったものであるが、ここで参考までに実施例1を基準とした消費電力等の比較を行う。
まず実施例1の運転方法において37℃であった冷却水C1の温度を、52℃とした実施例2では、H.P.COP3.0、熱効率3.0となっており、更に消費電力は実施例1よりも−44kW(−16.7%)となっていることが確認できる。
また実施例3では、H.P.COP3.1、熱効率3.1となっており、実施例1よりも−51kW(−19.4%)となっていることが確認できる。
また実施例4では、H.P.COP2.8、熱効率2.80(チラーの消費電力は算入せず。)となっており、更に消費電力は実施例1よりも−61kW(−23.2%)となっていることが確認できる。
また引用例5では、H.P.COP3.4、熱効率3.40となっており、更に消費電力は実施例1よりも−151kW(−57.4%)となっていることが確認できる。
また引用例6では、H.P.COP3.0、熱効率3.00となっており、更に消費電力は実施例1よりも−59kW(−22.4%)となっていることが確認できる。
なお上述した実施例1乃至6は、原料液供給管5から蒸発板31への原料液L0の供給をワンパス方式とした実施例であり、蒸発板31上での蒸発条件が常時一定となるものであるため、蒸気発生装置10から遠心式薄膜真空蒸発装置1へ供給される蒸気Sを、常に同じ条件とすることができ、またコンデンサ8から回収される熱量も常に一定となるため、安定した運転を行うことができるものである。
〔他の実施例〕
次に原料液供給管5から蒸発板31への原料液L0の供給を循環方式とする実施例について説明する。
具体的には、前記原料液供給管51から蒸発板31への原料液L0の供給を循環方式とするものであり、原料液供給管51から蒸発板31に供給された原料液L0は、蒸発板31上を外周部に向けて移動する際に加熱され、揮発性成分が蒸発して濃縮液L1となる。次いでこの濃縮液L1はペアリングチューブ6から吸引され、その濃度が濃度センサ53により計測されるものであり、計測された濃度が所望の濃度より低い場合には、バルブV4が閉鎖されるとともに、バルブV3が開放されて原料液タンクT0に戻される。そして原料液タンクT0に戻された濃縮液L1は原料液L0と混ざることとなり、再び原料液L0として蒸発板31に供給されることとなる。
そしてこのような循環が繰り返されると、濃縮液L1の濃度はやがて所望の濃度に達することとなり、濃度センサ53の計測値が所望の値になった段階でバルブV3が閉じられ、更にバルブV4が開放されることにより、濃縮液L1は濃縮液タンクT1に蓄積される。
このような循環方式での運転の際、原料液供給管51から蒸発板31に供給される原料液L0の濃度は処理が進むにしたがって高くなり、コンデンサ8に送られる蒸気成分、及びこの蒸気成分中の総熱量が減少することとなる。
この場合、冷却水C1の温度が十分に上昇しなくなるため、予熱器121に補助蒸気S2を供給し、冷却水C1の温度を上げた状態で蒸発器103に供給することにより、ヒートポンプ100の効率が低下してしまうことを回避することができる。
また上述のような循環方式での運転の際、原料液供給管51から蒸発板31に供給される原料液L0の濃度は処理が進むにしたがって高くなり、コンデンサ8に送られる蒸気成分、及びこの蒸気成分中の総熱量が減少することとなり、予熱器121に補助蒸気S2を供給しない場合、冷却水C1の温度が十分に上昇しなくなるため、この熱を熱源とするヒートポンプ100の効率は低下してしまう。その場合には実施例1と同様にバルブV1、V2を適宜開放し、蒸気発生装置10によって生成された蒸気Sに補助蒸気S1を適宜添加することにより、ヒートポンプ100の効率が低下した場合であっても、遠心式薄膜真空蒸発装置1に供給される蒸気Sの条件を一定に保つことができる。
E 濃縮装置
E1 濃縮装置
E2 濃縮装置
E3 濃縮装置
E4 濃縮装置
E5 濃縮装置
E6 濃縮装置
1 遠心式薄膜真空蒸発装置
2 ケーシング
21 排気管
24 排液口
25 接続部
26 点検窓
3 回転体
30 回転軸
31 蒸発板
31a 原料供給面
32 飛散防止板
33 堰板
4 外覆板
40 加熱部
41 蒸気供給口
42 ドレン口
5 原料液供給管
51 原料液供給管
52 原料液供給管
53 濃度センサ
6 ペアリングチューブ
60 吸液口
7 凝縮液回収管
70 吸液口
8 コンデンサ
81 導入口
82 排出口
83 冷却水供給口
84 冷却水排出口
85 抜気口
9 セパレータ
91 セパレータ
10 蒸気発生装置
100 ヒートポンプ
101 凝縮器
102 膨張弁
103 蒸発器
104 圧縮器
105 温度センサ
110 予熱器
111 昇温器
120 冷却器
121 予熱器
130 水タンク
131 セパレータ
140 クッションタンク
A 空気
D ドレン
L0 原料液
L1 濃縮液
L2 蒸留液
C 冷却水
C1 冷却水
C2 冷却水
C3 冷却水
M モータ
P0 原料液供給ポンプ
P1 濃縮液排出ポンプ
P2 蒸留液排出ポンプ
P3 真空ポンプ
P4 真空ポンプ
P5 戻しポンプ
P6 熱源水ポンプ
P7 水ポンプ
P8 液ポンプ
P9 真空ポンプ
S 蒸気
S1 補助蒸気
S2 補助蒸気
T0 原料液タンク
T1 濃縮液タンク
T2 蒸留液タンク
V1 バルブ
V2 バルブ
V3 バルブ
V4 バルブ
V5 バルブ
V6 ニードル弁
W 水
W1 循環再冷水
W2 循環水
W3 温水

Claims (17)

  1. ケーシング内に、すり鉢状の蒸発板を有する回転体が具えられ、前記蒸発板の回転中心付近に形成された原料供給面には、原料液供給管がその先端を臨ませて具えられ、また前記蒸発板の最外周付近には堰板が具えられ、この堰板付近に濃縮液排出用のペアリングチューブがその先端を臨ませて具えられ、前記蒸発板の背面側に蒸気が供給される加熱部が形成され、前記原料供給面に供給された原料液が、蒸発板上を移動する過程で蒸発板から熱を受けることにより、揮発性成分が蒸発して濃縮され、その後、濃縮液が前記ペアリングチューブによって外部に排出されるように構成された遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置において、前記遠心式薄膜真空蒸発装置から排出される熱を、熱媒体に取り込むことにより、前記加熱部に供給される蒸気を生成する蒸気発生装置の熱源として供することができるように構成されていることを特徴とする遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置。
  2. 前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供される熱は、前記原料液から蒸発した蒸気成分に含まれる熱であることを特徴とする請求項1記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置。
  3. 前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供される熱は、前記加熱部から排出されるドレンまたはドレンと蒸気との気液混合体に含まれる熱であることを特徴とする請求項1または2記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置。
  4. 前記蒸気発生装置は、蒸気発生型のヒートポンプが具えられたものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置。
  5. 前記蒸気発生装置は、蒸気になる前の水を予熱するための予熱器を、凝縮器と膨張弁との間に具えたものであることを特徴とする請求項4記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置。
  6. 前記蒸気発生装置によって生成された蒸気に、補助蒸気を添加することができるように構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置。
  7. 前記ヒートポンプにおける蒸発器に供給される熱媒体を冷却するための冷却器を具えることを特徴とする請求項4、5または6記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置。
  8. 前記ヒートポンプにおける蒸発器に供給される熱媒体を加熱するための予熱器を具えることを特徴とする請求項4、5、6または7記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置。
  9. ケーシング内に、すり鉢状の蒸発板を有する回転体が具えられ、前記蒸発板の回転中心付近に形成された原料供給面には、原料液供給管がその先端を臨ませて具えられ、また前記蒸発板の最外周付近には堰板が具えられ、この堰板付近に濃縮液排出用のペアリングチューブがその先端を臨ませて具えられ、前記蒸発板の背面側に蒸気が供給される加熱部が形成され、前記原料供給面に供給された原料液が、蒸発板上を移動する過程で蒸発板から熱を受けることにより、揮発性成分が蒸発して濃縮され、その後、濃縮液が前記ペアリングチューブによって外部に排出されるように構成された遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた装置において、前記遠心式薄膜真空蒸発装置から排出される熱を、熱媒体に取り込むことにより、前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供することを特徴とする遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法。
  10. 前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供される熱は、前記原料液から蒸発した蒸気成分に含まれる熱であることを特徴とする請求項9記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置濃縮装置の運転方法。
  11. 前記加熱部に供給される蒸気を生成する際の熱源として供される熱は、前記加熱部から排出されるドレンまたはドレンと蒸気との気液混合体に含まれる熱であることを特徴とする請求項9または10記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法。
  12. 前記加熱部に供給される蒸気を、蒸気発生型のヒートポンプによって行うことを特徴とする請求項10または11記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法。
  13. 前記加熱部に供給される蒸気を生成する際には、蒸気になる前の水を予熱することを特徴とする請求項12記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法。
  14. 前記加熱部に供給される蒸気を生成する際には、補助蒸気を添加することを特徴とする請求項12または13記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法。
  15. 前記ヒートポンプにおける蒸発器に供給される熱媒体を冷却することを特徴とする請求項12、13または14記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法。
  16. 前記熱媒体の冷却は熱交換器が適用された冷却器により行うものであり、この冷却器に供給される循環再冷水の温度を40℃以下とすることを特徴とする請求項15記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法。
  17. 前記コンデンサから排出されてヒートポンプにおける蒸発器に供給される熱媒体を加熱することを特徴とする請求項12、13、14、15または16記載の遠心式薄膜真空蒸発装置が具えられた濃縮装置の運転方法。
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