JP2012206050A - 水質浄化材 - Google Patents

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Abstract

【課題】河川や海域の水質を改善したり、養殖場での魚介類の増殖を促進したりすることのできる水質浄化材を提供する。
【解決手段】本発明にかかる水質浄化材は、ピッチコークスを必須成分とする、ことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、河川や海域の水質改善や、養殖場での魚介類の増殖促進に寄与する水質浄化材に関する。
近年、河川や海洋の汚染が世界的な傾向にあり、国土を海に囲まれ、ウォーターフロント開発が盛んに行なわれている我が国においても、海洋汚染が著しく、それに伴い、沿岸海域の自然環境が乱され、水質汚濁と汚染が進行し、海洋生物の種類とその量が急減している。
そこで、海洋や河川の汚染を防ぐため、例えば、石炭灰の造粒物からなる水質浄化材料(特許文献1参照)、ゼオライトの造粒物をポーラス状のブロックに成形してなる水質浄化体(特許文献2参照)、表面に炭化物が露出するように泥土と固化材の混合物に前記炭化物を一体に保持させて略球形に形成されていることを特徴とする炭化物含有粒状材を備える水質浄化装置(特許文献3)などが提案されている。
しかし、従来の方法では、浄化作用が乏しく、海洋の水質向上を期待することができない。
特開2004−113885号公報 特開2006−281146号公報 特開2010−240607号公報
本発明が解決しようとする課題は、河川や海域の水質を改善したり、養殖場での魚介類の増殖を促進したりすることのできる水質浄化材を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、ピッチコークスが、水質の改善、魚介類の増殖促進に有効であることの知見を得て、本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかる水質浄化材は、ピッチコークスを必須成分とする、ことを特徴とする。
本発明によれば、河川や海域の水質を改善したり、養殖場での魚介類の増殖を促進したりすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔水質浄化材〕
本発明の水質浄化材は、ピッチコークスを必須成分とする。
ここで、ピッチコークスは、コールタールや石油を蒸留して得られるピッチを原料にして製造されたコークスである。
ピッチコークスは、通常の各種ピッチコークスと同様の方法で製造することができる。
ピッチコークスとして、炭素率90%以上、硬度5.1kg以上のものを使用することが好ましい。より好ましくは、炭素率98〜99.9%である。十分な硬度を有することで、底質土壌に良くなじむ。炭素率が高いものほど、水質浄化作用に優れる。炭素率あるいは硬度を適切な範囲に設定することで、工業的かつ経済的生産に適し、目的とする機能を十分に発揮できるピッチコークスとなる。
前記ピッチコークスとしては、使用目的によっても異なるが、通常は平均粒径が0.5〜10mmの範囲のピッチコークス粒が使用される。好ましくは、平均粒径0.5〜3mmである。粒径が小さ過ぎると、取り扱いが困難となり、例えば、施工時に粉塵として飛散したり使用時に流亡してしまったりするおそれがある。粒径が大き過ぎると、表面積が小さくなる分、水質浄化作用の効率が低下するおそれがある。
本発明の水質浄化材は、上記ピッチコークス以外に、その他の成分を含んでいても良い。
その他の成分としては、例えば、木炭、竹炭などの炭が好適に挙げられ、特に、以下に説明する強化炭が好ましく挙げられる。
すなわち、例えば、通常の木炭に比べて機械的強度を向上させた強化木炭が使用できる。木炭の原料となる木材の代わりに、竹など各種の植物原料を炭化させてなる強化炭粒も使用できる。
比重2〜2.3、圧縮強度1〜3t/cmを有するものが好ましい。より好ましくは、比重1.85〜2.0、圧縮強度2〜3t/cmである。比重が高いほど、底質土壌に良くなじむ。圧縮強度が高いほど、水質浄化作用の向上に寄与する。但し、木炭などの植物を原料にして、工業的かつ経済的な生産を可能にするには、比重および圧縮強度には実用的に限界がある。強化炭として、針葉樹を細かく粉砕あるいは裁断したチップを、加圧して圧縮した後、1100〜1200℃で焼成して、製造されたものが使用できる。加圧時の圧力として約2000kPa程度が採用できる。このような製造方法を採用することで、前記した特性を備えた強化炭が容易に製造できる。チップを使用することで圧縮が容易になり、比重や圧縮強度を向上させ易い。加圧圧力を高めるほど、比重や圧縮強度は高まるが、実用的な限度がある。適切な焼成温度を選択することで、目的とする特性を備えた強化炭が効率的に生産できる。
強化炭は、平均粒径0.5〜3mmに粉砕されたものが好ましく使用される。より好ましくは、平均粒径0.5〜2mmである。粒径が小さ過ぎると取り扱いが困難となり、例えば、施工時に粉塵として飛散したり使用時に流亡してしまったりするおそれがある。粒径が大き過ぎると表面積が小さくなる分、水質浄化作用の効率が低下するおそれがある。
植物原料として、木炭の原料になるウバメガシなどの木材に比べて入手が容易で安価な竹を使用すれば、強化炭を経済的に生産できる。竹を使用する場合も、前記同様のチップを加圧圧縮してから焼成して炭化させる技術が有効である。竹材として、まだけ、はちく、もうそうちく、ほていちく、くろちく、めだけなどが挙げられる。
強化炭として、木材や竹材などの植物原料をそのまま加圧圧縮してから焼成して炭化させたもののほか、木材や竹材を炭化して得られる通常の木炭や竹炭を、さらに加圧圧縮してから再焼成して得られた強化炭も使用できる。
上記のごとく炭を用いる場合の配合割合としては、ピッチコークスに対して3〜10重量%とすることが好ましい。より好ましくは、3〜5重量%である。炭を併用することにより、ピッチコークスに基づく水質浄化作用が高まる。炭とピッチコークスの割合を前記範囲に設定することで、高い水質浄化作用が得られる。
〔水質浄化材の利用形態〕
本発明の水質浄化材は、通常、粒子状であるが、これに限定されず、塗膜や成形体となっているものも含む。
粒子状の水質浄化材は、例えば、そのまま撒布して使用してもよいが、不織布からなる袋など、水透過性の容器に入れて用いるようにすれば、取り扱いが容易である。その際、炭素繊維からなる容器を用いれば、該炭素繊維による水質浄化機能も期待される。
水質浄化材が塗膜である形態としては、例えば、上記ピッチコークスや炭のほかに造膜成分を含む塗料を、基材表面に塗工したものが挙げられる。
前記造膜成分としては、例えば、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、塩化ゴムなどの合成樹脂などや、ロジン、ギルソナイト、エステルガムなどの天然樹脂などを挙げることができ、これらは1種または2種以上併用することができる。特に、近年の環境問題にも配慮した場合、造膜成分としては、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂などのエマルションタイプが好ましく、アクリル樹脂エマルションが特に好ましい。
水質浄化材が塗膜であれば、あらゆる物体の表面に水質浄化作用を付与することができる。
例えば、水流に流されないようにして水中で留め置き可能な支持体に、本発明にかかる水質浄化材を塗膜として形成する場合には、該支持体は水の流れによって流されることないので、一定の範囲の水質を浄化することができる。
ここで、「水流に流されないようにして水中で留め置き可能な支持体」とは、例えば、地面に打ち込み可能な杭(竹などの木杭や金属杭など)、護岸のために海岸、河岸、湖岸などに沿って設けられた工作物、漁網などの他、テトラブロックなどのコンクリートブロック、レンガなど、単に置くだけで自重により流されないようになっているものも含む。すなわち、自重により流されないようになっている場合、海流などで少し動くこともあるが、このような場合も含む概念である。
中でも、竹や木杭などは、重さはそれほど重くないため、運搬が容易であるとともに、その先端部が円錐、角錐といった形状を有しておれば、土中に打ち込むことにより水中に容易に留め置き可能であるため、好ましい。
上記のごとき支持体以外にも、例えば、浸漬塗装などを利用することにより、紙や繊維の表面に塗膜を形成することもできる。
本発明にかかる水質浄化材を塗膜として形成する際の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、エアスプレー塗装法、エアー霧化静電塗装法、エアレス静電塗装法、刷毛やローラーによる直接塗装法、浸漬塗装、凸版印刷法、平版印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法など、従来公知の方法が採用できる。
乾燥膜厚は、例えば、0.2〜0.4mmとすることができる。
水質浄化材が成形体である形態としては、例えば、上記ピッチコークスや炭を結合剤で固めたものが挙げられる。
水質浄化材が成形体であれば、所望の形状の水質浄化材とすることができる。
前記結合剤としては、上に述べた造膜成分と同様のものが例示でき、例えば、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、塩化ゴムなどの合成樹脂などや、ロジン、ギルソナイト、エステルガムなどの天然樹脂などを挙げることができ、これらは1種または2種以上併用することができる。また、セメントや骨材を用いても良く、セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、スラグセメント、シリカセメント、左官用セメントなどが挙げられ、骨材には、天然石や砕石、天然砂、砕砂などが挙げられる。
成形物の形状としては、特に限定されず、例えば、石のような形状や、レンガ状、ボード状、シート状など、種々の形状が採用できる。
その他、例えば、製紙の際に、ピッチコークスや炭を混入させておくことにより、水質浄化材として機能する紙を得ることができる。
上記のように、水質浄化材を塗膜や成形体として得る場合には、その材料として、ワックス、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、乾燥調整剤などの成分を、1種類または2種類以上併用して配合するようにしてもよい。
本発明にかかる水質浄化材は、その表面に酸化チタン膜がコーティングされていることが好ましい。これにより、水質浄化作用が向上する。
酸化チタン膜を得させるコーティング溶液としては、酸化チタン粒子を水に分散させたものが好ましく使用できる。
酸化チタン粒子としては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト酸化チタンや、これらの粒子の複合物、さらに、これら粒子に、銅、白金、パラジウム、銀、金などの金属を複合あるいはドープした粒子や、これら粒子の表面をシランやシリコーンや加水分解性金属塩で一部被覆、変性処理した粒子などが挙げられる。
また、酸化チタン粒子を水に加えると、酸化チタン粒子同士が凝集しやすく、分散性が悪いので、酸やアルカリを加えることで分散性を良くするようにしてもよい。
コーティング溶液としては、酸化チタンゾルと、過酸化チタンゾルの混合ゾルも好ましい。このコーティング溶液は、中性、親水性、かつ、常温で安定であり、水以外の溶媒を要しない。
コーティング溶液中に分散する酸化チタン粒子としては、例えば、平均粒子径10〜100nmのものが好ましく挙げられる。より好ましくは、平均粒子径が10〜60nmである。
上記のごときコーティング溶液を、水質浄化材の表面(その形態に応じて、粒子表面、塗膜表面、成形体表面など)に対して、従来公知の方法、例えば、エアスプレー塗装法、エアー霧化静電塗装法、エアレス静電塗装法、刷毛やローラーによる直接塗装法、浸漬塗装、凸版印刷法、平版印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などによりコーティングするようにすればよい。
本発明にかかる水質浄化材は、例えば、河川、湖沼、海の水中や底などに配置して用いることができる。また、牡蠣や真珠貝などの貝類の養殖筏などに配置し、貝類の養殖などに利用することもできる。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下において、化学的酸素要求量(COD)の測定は、「パックテスト」(型式:WAK−COD KR−COD、主試薬:過マンガン酸カリウム)(共立理化学研究所社製)を用いて行った。
〔実施例1〕
COD15ppmの汚水1リットルを準備し、そこに、水質浄化材として、平均粒径2mm、炭素率99.9%のピッチコークス粒50gを添加した。
〔実施例2〕
水質浄化材として、ピッチコークス粒50gに代え、「マジカルタンソ」(商品名、日の丸カーボテクノ社製)50gを用いたこと以外は、実施例1と同様とした。
ここで、上記「マジカルタンソ」は、平均粒径2mm、炭素率99.9%のピッチコークス粒90重量%と、平均粒径2mm、比重2〜2.3、圧縮強度2〜3t/cmの強化炭10重量%との粒状混合物である。
〔実施例3〕
実施例1において、ピッチコークス粒50gに対して、ミラクルチタンM2(商品名、大野石油店社製)をスプレー塗装したこと以外は、実施例1と同様とした。
ここで、上記「ミラクルチタンM2」は、二酸化チタンおよびペルオキソチタン(IV)酸を含む水溶液である。
〔実施例4〕
実施例2において、マジカルタンソ50gに対して、ミラクルチタンM2(商品名、大野石油店社製)をスプレー塗装したこと以外は、実施例1と同様とした。
〔比較例1〕
水質浄化材として、ピッチコークス粒50gに代え、平均粒径2mm、比重2〜2.3、圧縮強度2〜3t/cmの強化炭50gを用いたこと以外は、実施例1と同様とした。
〔比較例2〕
木炭粒50gに対して、ミラクルチタンM2(商品名、大野石油店社製)をスプレー塗装したこと以外は、実施例3と同様とした。
〔比較例3〕
石炭粒50gに対して、ミラクルチタンM2(商品名、大野石油店社製)をスプレー塗装したこと以外は、実施例3と同様とした。
〔性能評価〕
汚水に水質浄化材を添加してから5日後に、再度、CODを測定して、その値が、初期のCOD15ppmからどの程度低減したかをもって、水質浄化能力を評価した。念のため、ブランクとして、水質浄化材を添加せずに汚水を5日放置したものについても、CODを測定したが、当然ながら、CODに変化は見られなかった。
実施例、比較例、ブランクの結果を下記表1にまとめた。
Figure 2012206050
上記表1に示す結果から、実施例1〜4にかかる本発明の水質浄化材は、明らかな水質浄化能力が認められた。実施例1と実施例2との対比から、ピッチコークス単独よりも強化炭を併用した場合の方が、水質浄化能力は高いことが分かり、また、実施例1と実施例3との対比や実施例2と実施例4との対比から、酸化チタンコーティングを施したほうが水質浄化能力が高いことが分かった。
これに対して、上記実施例1〜4と比較例1との対比から、強化炭単独では、十分な水質浄化作用が得られないことが分かった。
さらに、石炭や木炭に酸化チタンをコーティングした比較例2、3では、初期値よりもCODが高くなっており、むしろ、水質を汚染してしまっていることが分かる。
本発明にかかる水質浄化材は、例えば、河川や海域の水質を改善したり、養殖場での魚介類の増殖を促進したりすることに好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. ピッチコークスを必須成分とする、水質浄化材。
  2. 前記ピッチコークスに対し3〜10重量%の割合で炭を含む、請求項1に記載の水質浄化材。
  3. 粒子状である、請求項1または2に記載の水質浄化材。
  4. 成形体である、請求項3に記載の水質浄化材。
  5. 表面に酸化チタン膜がコーティングされている、請求項1から4までのいずれかに記載の水質浄化材。
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