JP2012206964A - PPAR−α活性調節剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、安全性に優れ、副作用の少ないPPAR−α活性調節剤、好ましくは、安全性に優れ、副作用の少ないPPAR−α、γ活性の二重調節剤を提供することにある。
【解決手段】
温州みかん等に含まれるクリプトキサンチンを含有することにより、安全性に優れ、副作用の少ないPPAR−α活性調節剤、好ましくは安全性に優れ、PPAR−γ活性を同時に活性化する副作用の少ないPPAR−α、γ活性の二重調節剤、該調節剤を含有する飲食品、化粧品、医薬品。
【選択図】図4

Description

本発明は、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(以下、PPARと略す。)のうち、少なくとも1種のサブタイプであるPPAR−αの活性を調節、すなわち活性化又は抑制するPPAR−α活性調節剤に関する。
PPARはほとんどの脊椎動物に発現している核内受容体であり、種々の遺伝子の発現や制御を通じて様々な生体反応をコントロールしている。PPARにはα、β/δ、γのサブタイプが存在し、それぞれに発現している組織や制御している遺伝子系が異なっている。例えばPPAR−αは筋肉や肝臓で高発現し、エネルギー代謝に関与している。これに対しPPAR−γの発現は脂肪細胞に特異的であり、その他の組織ではほとんど発現せず、脂肪細胞の分化・成熟や各種のサイトカイン産生に関与している(例えば、非特許文献1参照。)
PPARの重要性は、PPARの活性化等により、インスリン抵抗性の改善や血清脂質低下作用といったメタボリックシンドローム関連症状が緩和されることが見いだされたことにある。例えばピオグリタゾンに代表されるチアゾリジン誘導体は、インスリン抵抗性を高める作用を有することから糖尿病の治療薬として用いられているが、この作用はPPAR−γの活性化、すなわちPPAR−γのアゴニスト作用によるものであることが明らかとなっている(例えば、非特許文献2参照)。またPPAR−αアゴニストであるフェノフィブラートは強いコレステロール及び中性脂肪低下作用を有することから、高脂血症薬として臨床応用されている(例えば、非特許文献3参照)。
しかしながら、上記のようなPPARアゴニストの投与は、PPARの発現を増強するものであり、肥満や糖尿病といった病的状態における異常な発現を解消するような発現調節ではない。例えば肥満モデルマウスにおいては肝臓のPPAR−α及びPPAR−γの発現量の著しい増加が報告されているが、チアゾリジン誘導体であるトログリタゾンの投与はこれらの発現量を低下・正常化するのではなく、更に増強することが知られている(例えば非特許文献4)。すなわち、PPARは核内受容体としてさまざまな遺伝子の発現調節を通じて生体機能を制御しているため、異常な発現増加の更なる増強は、生体に望ましくない副次的な作用を生じる場合もあった。
例えばPPAR−γアゴニストのインスリン抵抗性増強作用は糖尿病患者にとって有益であるが、一方で肥満の誘発という副作用も知られている。そのため、PPAR−γアゴニストのインスリン抵抗性を損なうことなく肥満を予防するため、PPAR−γアゴニストとPPAR−αアゴニストを併用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また単剤で肥満を防ぎつつ血糖値と血清脂質をコントロールする物質の探索がなされた結果、有機合成法により得られる新規なカルボン酸誘導体がPPAR−αとPPAR−γを同時に活性化する(二重作動物質あるいはデュアルアゴニスト)ことが見出され、医薬品としての開発が進められている(例えば、特許文献2参照)。
PPARアゴニストの効果が注目される一方、そのリスクについて指摘された他の例としては、前記チアゾリジン誘導体であるロシグルタゾンの心臓疾患リスクや、前記フェノフィブラートに関する膀胱がん発症リスクなどがある(例えば、非特許文献5参照)。
PPARアゴニストの過剰な作用によるリスク懸念の高まりを受け、アメリカ食品医薬品局(FDA)はPPARアゴニストを医薬として開発中の製薬会社に対し、6ヶ月以上の臨床試験を開始する前に2年間のガン原性試験を実施して安全性を確認するよう求めている(例えば、非特許文献6参照)。
以上のように、これまでに知られているPPARアゴニスト、特にPPAR−αとγのデュアルアゴニストは、過剰な作用による副作用の懸念もあることから実用化に向けた研究開発が停滞している。しかしながら、PPARアゴニスト効果と有用性は明らかであることから、これら過剰な作用による副作用が少ない、より安全なPPAR活性調節剤、特に二重調節剤が望まれていた。
特許第4588448号 特許第4131698号
Endocrinology.,137,354(1996) J.Biol.Chem.,270,p12953−12956(1995) New Current,7(6),9−19(1996) Endocrinol,141(11),4021−4031(2000) N.Engl.J.Med.,356,2457−2471(2007) 2008年2月13日 FDA勧告 Diabetes Mellitus:Deveroping Drugs and Therapeutic Biologics for Treatment and Prevention
本発明の目的は、安全性に優れ、副作用の少ないPPAR-α活性調節剤、特にPPAR−α、γ活性の二重調節剤を提供することにある。
本研究者らは鋭意検討の結果、温州みかん等に含まれるクリプトキサンチンがPPAR−α活性を調節し、さらにPPAR−γ活性をも同時に調節することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)を要旨とするものである。
(1)クリプトキサンチンを含有することを特徴とするPPAR−α活性調節剤。
(2)PPAR−γ活性調節作用を有することを特徴とする(1)記載のPPAR−α活性調節剤。
(3)クリプトキサンチンが温州みかん由来であることを特徴とする(1)又は(2)記載のPPAR−α活性調節剤。
(4)(1)、(2)又は(3)記載のPPAR−α活性調節剤を含有する飲食品。
(5)(1)、(2)又は(3)記載のPPAR−α活性調節剤を含有する化粧品。
(6)(1)、(2)又は(3)記載のPPAR−α活性調節剤を含有する医薬品。
本発明によれば、温州みかん等に含まれるクリプトキサンチンを含有することにより、安全性に優れ、副作用の少ないPPAR−α活性調節剤、特にPPAR−γ活性を同時に調節するPPAR−α活性調節剤が提供され、該調節剤を含有させることにより飲食品、化粧品、医薬品として利用することができる。
各種粉末飼料を与えた飼育期間中のモデルマウスの体重変動を示すグラフである。 各種粉末飼料を与えて8週間飼育した後のモデルマウスの各種血清脂質量を示すグラフである。 各種粉末飼料を与えて8週間飼育した後のモデルマウスの内臓脂肪質量を示すグラフである。 各種粉末飼料を与えて8週間飼育した後のモデルマウスの内臓脂肪面積を示すグラフである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明におけるクリプトキサンチンは、クリプトキサンチンであれば特に限定されるものではないが、例えばα−クリプトキサンチン、β−クリプトキサンチン及びこれらの脂肪酸エステルが挙げられる。該脂肪酸エステルの脂肪酸種も特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)などが挙げられる。
クリプトキサンチンは、例えば、温州みかん、柿、パパイヤ、マンゴーなどから抽出するものが好適に使用され、その中でも、日本古来の果物で安全に食することができ、生産量が多く、クリプトキサンチン含有量も高い、温州みかんを原料としたものが好ましい。
温州みかんは、生の果実だけでなく温州みかんの加工品及びその中間体も原料として用いることができる。加工品及びその中間体としては、温州みかんジュース、温州みかんからジュースを絞った後の残渣、残渣の乾燥物、残渣の酵素処理物、温州みかんからの溶媒抽出物などが挙げられる。中でも残渣にセルラーゼなどの酵素を作用させた温州みかん残渣の酵素処理物は、残渣に多量に含まれる食物繊維を水に可溶化・除去することにより残渣を減容し、相対的にクリプトキサンチン濃度を高めることが可能なため原料として好適である。またこの温州みかん搾汁残渣の酵素処理物の乾燥物はクリプトキサンチン濃度が高くなるためさらに好適である。
温州みかんの搾汁残渣、残渣の酵素処理物をそのまま本発明のPPAR−α活性化剤として用いてもよいし、なんらかの加工を行ったものを用いてもよい。具体的にはこれらを固液分離した残渣、固液分離した残渣を乾燥させたもの、固液分離せず反応物そのままを乾燥させたものなどをPPAR−α活性化剤として用いてもよい。また、温州みかんの搾汁残渣,残渣の酵素処理物そのもの、又はその固液分離後の残渣に水を添加・攪拌した後、再度固液分離する水洗浄法の実施は、温州みかんの搾汁残渣及びその酵素処理物中に存在する酸や糖などの水溶性不純物を簡単に取り除けるため好ましい。
温州みかんの溶剤抽出物とは、温州みかんやその酵素処理物などから溶剤や超臨界二酸化炭素などを用いてクリプトキサンチンを含む成分を抽出したものである。抽出に用いる溶剤としては、原料である温州みかん又はその加工品より機能性成分であるβ−クリプトキサンチンを抽出することができればいかなるものでもよい。また、一種類の溶媒を単独で用いても、複数の溶媒を混合して用いてもよい。これらの条件を満たすものとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、ポリエチレングリコール等のポリエーテル類、ピリジン類等が使用できる。これらうち、エタノールはクリプトキサンチンの抽出効率が高いため好ましい。また、これらの有機溶媒で抽出する際には抽出効率をあげるために例えば水、界面活性剤等の添加物を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
上記抽出に引続き、クリプトキサンチンの純度を上げることもできるために、濃縮、脱塩、分配精製、カラムクロマトグラフィーなどを用いることができる。また粉末化や乳化といった、抽出物の形状を変える処理を用いることもできる。さらにこれらの方法を単独で行うばかりではなく、複数の方法を組み合わせて実施してもよい。
本発明におけるPPAR−α活性の調節とは、PPAR−α活性を活性化すること(すなわち、PPAR−αアゴニスト活性を示すこと)又はPPAR−α活性を抑制すること(すなわち、PPAR−αアンタゴニスト活性を示すこと)を意味し、同時に調節するとは同じ生体組織内においてPPAR−α活性及びPPAR−γ活性の両者を同時に活性化する作用(デュアルアゴニスト作用)、又は両者を同時に抑制する作用(デュアルアンタゴニスト作用)を意味する。
本発明におけるPPAR−α活性調節剤中のクリプトキサンチンの量は、特に限定されないが、例えば、成人1日当たりのクリプトキサンチン摂取量として、0.01〜5000μgとなるように摂取することが好ましく、10〜2000μgとなるように摂取することがより好ましい。
本発明の飲食品は、本発明のPPAR−α活性調節剤を配合した食料品、飲料品、嗜好品、サプリメント等、経口で摂取するものをいう。食料品、飲料品等の形態は特に限定されるものではなく、パン類、麺類等主菜となりうるもの、チーズ、ハム、ウインナー、魚介加工品等副菜となりうるもの、果汁飲料、炭酸飲料、乳飲料等の飲料、クッキー、ケーキ、ゼリー、プリン、キャンディー、ヨーグルト等の嗜好品等とすることができる。サプリメント等として用いる場合の形態も特に限定されるものではなく、打錠品(タブレット)、ハードカプセル、ソフトカプセル、微粉末、顆粒などのほか、トローチ、チュアブル錠、シート剤などが挙げられる。また固形状だけでなく液体状のドリンク剤や、半固体状のソフトゼリーなどの形態も含まれる。
本発明の化粧品の形態は特に限定されるものではなく、本発明の性格上、外用よりも経口で摂取するインナー美容品としての用途がより好ましい。インナー美容品の形態としては、打錠品(タブレット)、ハードカプセル、ソフトカプセル、微粉末、顆粒などのほか、トローチ、チュアブル錠、シート剤などが挙げられる。また固形状だけでなく液体状のドリンク剤や、半固体状のソフトゼリーなどの形態も含まれる。
本発明の医薬品の形態も特に限定されるものではなく、打錠品(タブレット)、ハードカプセル、ソフトカプセル、微粉末、顆粒などのほか、トローチ、チュアブル錠、シート剤などが挙げられる。また固形状だけでなく液体状のドリンク剤や、半固体状のソフトゼリーなどの形態も含まれる。
本発明の飲食品、化粧品、医薬品には、機能性を損なわない範囲内で他の機能性成分を含有させても良い。例えば、ビタミンA,B,C,Eなどのビタミン類、β-カロテン,リコペン,アスタキサンチンなどのカロテノイド類のほか、アントシアニン類、カテキン類、イソフラボン類などを含有させることができる。
本発明の飲食品、化粧品、医薬品に含まれるクリプトキサンチンの量は、該組成物の形態により異なるが、例えば、飲食品、化粧品、医薬品100gに対しクリプトキサンチンが、それぞれ10pg〜10g含まれていれば好ましい。中でも経済性と効果の観点から、100pg〜1gがより好ましく、1ng〜500mgがいっそう好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
各種試料中のクリプトキサンチン含有量は、島津製作所製高速液体クロマトグラフィー(HPLC) LC−10Aを用い、ウォーターズ社製ResolveC18(φ3.9×150mm)カラムを接続し、水:メタノール(容量比)=50/50に溶解させた試料を注入した。移動相として、メタノール:酢酸エチル(容量比)=7:3、カラム温度30℃、流速1.0ml/minとし、検出波長を450nmとして測定した。クリプトキサンチン濃度はEXTRASYNTHESE社製品を標準試料として検量線を作成し、未知試料の吸光度から算出した。
実施例1
温州みかん搾汁残渣(みかんジュース粕、水分率約90質量%)1kgに食品加工用ペクチナーゼ酵素剤であるスミチームPX(新日本化学工業株式会社製、ペクチナーゼ5,000ユニット/g、アラバナーゼ90ユニット/g)1gとセルラーゼ/ヘミセルラーゼ酵素剤であるセルラーゼY−NC(ヤクルト薬品工業株式会社製、セルラーゼ30,000ユニット/g)1gを添加し、よくかき混ぜて室温で8時間静置反応を行った。この反応液を遠心分離して上清を除去した後、水を添加して撹拌し、再度遠心分離により上清を除去した。この沈殿物を凍結乾燥機により乾燥し、ナイフ式粉砕機(Retsch社、GM200)にて5分間粉砕後、300メッシュの篩を通過する粉砕物(組成物1)50gを得た。組成物1中のβ−クリプトキサンチン濃度はフリー体換算で1mg/gであった。
実施例2
前記の組成物1の50gに対し500mlのエタノールを添加し、室温で2時間撹拌後に固形分をろ過・除去したろ液を濃縮し、20gの濃縮物を得た(組成物2)。組成物2中のβ−クリプトキサンチン濃度はフリー体換算で2.5mg/gであった。
実施例3
1gの組成物2を5mgの乳化剤(三菱化学社製、ポリグリセリン酸エステル)と共に1Lの牛乳(明治乳業製、明治おいしい牛乳)と混合・分散して、クリプトキサンチン含有乳飲料を製造した(乳飲料100g中、β―クリプトキサンチン0.25mg含有)。
実施例4
2.5gの組成物1を1kgのヨーグルト(明治乳業製、明治ブルガリアヨーグルト)を混合して、クリプトキサンチン含有ヨーグルトを製造した(ヨーグルト100g中、β―クリプトキサンチン0.25mg含有)。
実施例5
次に示す製法により、ソフトカプセルを製造した。
成分 配合量(100g中)
1)組成物1 50g
2)ビタミンE 5g
3)ビタミンC誘導体 5g
4)オリーブ油 40g
製法:1)から4)を均一に混合後、ゼラチン、蜜蝋などからなるソフトカプセル包材内に200mg/錠で充填した。
実施例6
次に示す製法により、タブレットを製造した。
成分 配合量(100g中)
1)組成物2 5000mg
2)マルチトール 50.0g
3)結晶セルロース 30.0g
4)ショ糖脂肪酸エステル 5.0g
5)ビタミンC 10.0g
6)甘味料 適量
7)酸味料 適量
8)香料 適量
製法:1)から8)を均一に混合して、常法により顆粒状にした後、0.5g/錠で打錠した。
実施例7
次に示す製法により、ドリンクを製造した。
成分 配合量(100mL中)
1)組成物2 200mg
2)ハチミツ 320mg
3)環状オリゴ糖 600mg
4)甘味料 適量
5)酸味料 適量
6)保存料 適量
7)香料 適量
8)水 残余
製法:8)に1)から7)を順次添加し、100mLとした。
<試験例1>
肥満モデルマウスであるTSOD(Tsumura Suzuki Obese, Diabetes)に、粉末飼料(商品名:CRF−1、日本チャールズリバー製)に組成比が10質量%となるように組成物1を添加した餌を与え、体重をモニターしながら8週間飼育後、血清、内臓脂肪、肝臓、大腿筋を採取した。採取した血清はコレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸を測定した。内臓脂肪は重量を測定すると共にホルマリン固定、HE染色して標本を作製し脂肪細胞面積を比較した。また内臓脂肪、肝臓、大腿筋からRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ法により遺伝子の発現を比較した。
<比較例1>
肥満モデルマウスであるTSODに、粉末飼料(商品名:CRF−1、日本チャールズリバー製)にカルボキシメチルセルロースを10質量%添加した餌を与え、体重をモニターしながら8週間飼育後、血清、内臓脂肪、肝臓、大腿筋を採取した。採取した血清などの試料は、試験例1と同様に解析し、試験例1と比較した。
<比較例2>
肥満モデルマウスの遺伝的に対照な正常マウスであるTSNO(Tsumura Suzuki Non−Obese, Diabetes)に、粉末飼料(商品名:CRF−1、日本チャールズリバー製)にカルボキシメチルセルロースを10質量%添加した餌を与え、体重をモニターしながら8週間飼育後、血清、内臓脂肪、肝臓、大腿筋を採取した。採取した血清などの試料は、試験例1と同様に解析した。
<結果1.体重>
比較例1(TSODマウス/通常飼料)においては、比較例2(TSNOマウス/通常飼料)に比べ体重が著しく増加した。これに対し、試験例1(TSODマウス/組成物1添加飼料)においては、飼育初期の体重は比較例1と同等であったが飼育2週目以降は体重増加が抑制され、比較例1に比べ有意に低値となっていた(図1)。なお、試験例1と比較例1の餌の摂取量に差はなかった。
<結果2.血清脂質>
比較例1の血清脂質(コレステロール、中性脂肪、有利脂肪酸)は、比較例2に比べ有意に増加していたが、試験例1の血清脂質は、比較例1に比べ有意に低下していた(図2)。
<結果3.内臓脂肪>
比較例1の内臓脂肪重量(図3)及び面積(図4)は、比較例2に比べ有意に増加していたが、試験例1では比較例1に比べ有意に低下していた。
<結果4.DNAマイクロアレイ>
試験例1、比較例1、比較例2におけるPPAR−αとPPAR−γの発現量をDNAマイクロアレイ法で測定し、比較例2(TSNOマウスにβ−クリプトキサンチン非含有飼料を供与)の発現量を1とした相対量を表1に示した。その結果、比較例1(TSODマウスにβ-クリプトキサンチン非含有飼料を供与)のPPAR−αとPPAR−γの発現量は肝臓で増加し、内臓脂肪と筋肉では低下していた。しかしながら試験例1(TSODマウスにβ−クリプトキサンチン含有飼料を供与)では比較例2に比べ肝臓のPPAR−αとPPAR−γが減少し、内臓脂肪と筋肉のPPAR−αとPPAR−γが増加していた。つまりβ−クリプトキサンチンはTSODマウスの肝臓においてはデュアルアンタゴニスト、内臓脂肪と筋肉ではデュアルアゴニストとして作用していた。
これらの変化は、β−クリプトキサンチンが肥満マウスにおける異常なPPARの発現を、それを増強する方向ではなく正常化する方向に調節したことを示しており、この調整機能がβ−クリプトキサンチンの肥満抑制効果の一因であると考えられる。
以上の結果より、組成物1、すなわちβ−クリプトキサンチンの摂取により体重、内臓脂肪の減少、血清脂質の低減、内臓脂肪細胞の肥大化抑制など、種々の肥満パラメーターが正常化の傾向を示した。一方、PPAR−α発現とPPAR−γの発現が共に肥満を抑制する方向に変化していたことから、β-クリプトキサンチンがPPAR−α及びPPAR−γの二重調節剤として働き、TSODマウスの肥満を抑制したと考えられる。

Claims (6)

  1. クリプトキサンチンを含有することを特徴とするPPAR−α活性調節剤。
  2. PPAR−γ活性調節作用を有することを特徴とする請求項1記載のPPAR−α活性調節剤。
  3. クリプトキサンチンが温州みかん由来であることを特徴とする請求項1又は2記載のPPAR−α活性調節剤。
  4. 請求項1、2又は3記載のPPAR−α活性調節剤を含有する飲食品。
  5. 請求項1、2又は3記載のPPAR−α活性調節剤を含有する化粧品。
  6. 請求項1、2又は3記載のPPAR−α活性調節剤を含有する医薬品。

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