JP2012207154A - プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[1]〜[5]を同時に満たすプロピレン系重合体(A)55質量部以上、98質量部以下と、エラストマー(B)2質量部以上、45質量部以下とを含有するプロピレン系樹脂組成物。
[1]MFRが100g/10分以上、1000g/10分以下
[2]融点が150℃以上、165℃以下
[3]全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1−結合に基づく位置不規則単位および1,3−結合に基づく位置不規則単位の合計が0.0%以上、1.0%以下
[4]分子量10000以下の成分が7質量%以下
[5]o−ジクロロベンゼンを用いたCFCにより測定した溶出温度に対する溶出成分量のピーク半値幅が6.0℃以下であり、ピークトップ温度が100℃以上、130℃以下
【選択図】なし
Description
特許文献1には、剛性と耐衝撃性とのバランスに優れたプロピレン系ブロック共重合体として、室温n‐デカンに可溶な部分(Dsol)と室温n‐デカンに不溶な部分(Dinsol)とから構成され、プロピレンと、エチレンおよび炭素数4以上のα‐オレフィンから選ばれる1種以上のオレフィンとから得られるプロピレン系重合体が開示されている。特許文献1に記載されたプロピレン系重合体は、DsolおよびDinsolの分子量分布が4.0以下であること、Dinsolの融点が156℃以上であること、Dinsolの2,1−結合量と、1,3−結合量との和が0.05モル%以下であることを要件とする重合体である。該プロピレン系重合体は、剛性および耐衝撃性のバランスには優れるが、その流動性については改良が望まれていた。
[2]示差走査熱量計(DSC)によって測定された融点が150℃以上、165℃以下
[3]13C−NMRスペクトルから求めた、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1−結合に基づく位置不規則単位および1,3−結合に基づく位置不規則単位の合計が0.0%以上、1.0%以下
[4]分子量10000以下の成分が7質量%以下
[5]o−ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定した溶出温度に対する溶出成分量のピーク半値幅が6.0℃以下であり、ピークトップ温度が100℃以上、130℃以下
前記プロピレン系重合体(A)が、メタロセン触媒存在下、プロピレンを単独重合もしくは、プロピレンと、エチレンおよび炭素数4〜10のα‐オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとを共重合して得られることが好ましい。
[ii]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下
前記エラストマー(B)が、2種類以上のエチレンと、炭素数3〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとの共重合体からなることが好ましい。
[II]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下
[III]エチレン含有量が50mol%以上、90mol%以下
[IV]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)55質量部以上、98質量部以下と、エラストマー(B)2質量部以上、45質量部以下(ただし、(A)および(B)の合計は100質量部である)とを含有する。
本発明のプロピレン系樹脂組成物が含有するプロピレン系重合体(A)は、下記[1]〜[5]を同時に満たす。
[2]示差走査熱量計(DSC)によって測定された融点が150℃以上、165℃以下
[3]13C−NMRスペクトルから求めた、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1−結合に基づく位置不規則単位および1,3−結合に基づく位置不規則単位の合計が0.0%以上、1.0%以下
[4]分子量10000以下の成分が7質量%以下
[5]o−ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定した溶出温度に対する溶出成分量のピーク半値幅が6.0℃以下であり、ピークトップ温度が100℃以上、130℃以下
なお、前記[4]および前記重量平均分子量において、プロピレン系重合体(A)の分子量は、標準ポリプロピレン(PP)換算の分子量である。
本発明に用いるプロピレン系重合体(A)は、前記[1]を満たすことにより流動性に優れる。なお、一般に重合体のMFRが大きい、言い換えると流動性に優れる程、重合体の数平均分子量、重量平均分子量が小さくなる。なお、本発明に用いられるプロピレン系重合体(A)は、比較的MFRが大きい。また、本発明に用いるプロピレン系重合体(A)は、前記[4]に示すように分子量10000以下の低分子量成分の量が少なく、前記[3]に示すように2,1−結合や1,3−結合に基づく位置不規則単位が少なく、さらに前記[5]に示すように立体規則性分布が狭いアイソタクチックポリプロピレンである。
上記一般式(1)において、Mは好ましくは周期律表第4族遷移金属であり、さらに好ましくはTi、Zr、Hfである。また、Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上のときは、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、炭化水素基の具体例としては前掲と同様のものなどが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類等が挙げられる。Qは少なくとも1つがハロゲン原子またはアルキル基であることが好ましい。
なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。イオン化イオン性化合物としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
有機アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも1個のA1−炭素結合を有する化合物が利用できる。このような化合物としては、例えば下記一般式で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
(式中、R1およびR2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が通常1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかも、m+n+p+q=3である。)
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、エラストマー(B)を含有する。
前記エラストマー(B)としては、通常エチレンと、α‐オレフィンとの共重合体が用いられ、エチレンと、炭素数3〜10のα‐オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
[ii]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下
前記エラストマー(B)としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよいが、剛性と常温・低温耐衝撃性および引張破断伸び発現の観点から、エラストマー(B)は、エチレンと、炭素数3〜10のα‐オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとの共重合体2種以上からなることが好ましい。なお、エラストマー(B)が二種類以上からなる場合には、それぞれの共重合体が、前記[i]および[ii]を満たす。
[I]エチレン含有量が15mol%以上、50mol%以下
[II]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下
[III]エチレン含有量が50mol%以上、90mol%以下
[IV]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下
また、前記エラストマー(B)としては、市販品を用いてもよい。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、前述のように前記プロピレン系重合体(A)55質量部以上、98質量部以下と、エラストマー(B)2質量部以上、45質量部以下(ただし、(A)および(B)の合計は100質量部である)とを含有する。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には、
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(分子量=847)、
アデカスタブLA−52〔分子量=847、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート〕、
アデカスタブLA−62(分子量=約900)、
アデカスタブLA−67(分子量=約900)、
アデカスタブLA−63(分子量=約2000)、
アデカスタブLA−68LD(分子量=約1900)(いずれも旭電化工業(株)製、商標)、
キマソーブ(CHIMASSORB)944(分子量=72500、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、商標)などを挙げることができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物に脂肪酸金属塩が含まれる場合には、前記プロピレン系重合体(A)およびエラストマー(B)の合計を100質量部とすると、脂肪酸金属塩は、通常は0.01質量部以上、2質量部以下、好ましくは0.05質量部以上、2質量部以下含まれる。本発明のプロピレン系樹脂組成物が、脂肪酸金属塩を前記範囲で含有すると、中和剤および分散剤としての機能を充分に発揮させることができ、しかも、成形品からの昇華量も少なくすることができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、伸び、耐衝撃性および低温耐衝撃性等の機械物性に優れ、かつ流動性に優れるため、各種用途に用いることができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、従来からプロピレン系樹脂組成物が用いられてきた各種用途、例えば日用雑貨、台所用品、包装用フィルム、家電製品、機械部品、電気部品、自動車部品等の様々な用途で用いることができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、自動車部品の原料として好適に用いることが可能である。自動車部品としては例えば、ドアトリム、インストルメントパネル等の自動車内装部品;サイドプロテクトモール、バンパー、ソフトフェイシア、マッドガード等の自動車外装部品が挙げられる。本発明のプロピレン系樹脂組成物の用途としては、自動車外装部品が流動性、伸び、耐衝撃性および低温耐衝撃性等の機械物性に優れるため好ましい。
各製造例、実施例、比較例における各物性は以下の方法で測定した。
プロピレン系重合体(A)のMFRおよびプロピレン系樹脂組成物のMFRはそれぞれ、ASTM D1238Eに準拠し、2.16kg荷重で測定した。測定温度は230℃とした。
プロピレン系重合体(A)のTmは、示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)を用いて測定を行った。ここで、第3stepにおける吸熱ピークを融点(Tm)と定義した。
第1step : 10℃/minで240℃まで昇温し、10min間保持する。
第2step : 10℃/minで60℃まで降温する。
第3step : 10℃/minで240℃まで昇温する。
サンプル20〜30mgを1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(2:1)溶液0.6mlに溶解後、炭素核磁気共鳴分析(13C‐NMR)を行った。ここで、2,1−挿入および1,3−挿入に基づく位置不規則単位を含む下記の部分構造は、下記(i)および(ii)で表される。
ウォーターズ社製GPC−150C Plusを用い以下の様にして測定した。分離カラムは、TSKgel GMH6−HTおよびSKgel GMH6−HTLであり、カラムサイズはそれぞれ内径7.5mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo‐ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(和光純薬工業)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用い、汎用較正法を用いてポリプロピレン(PP)に換算した。なお、PPのMark−Houwink係数はそれぞれ、文献(J. Polym. Sci., Part A−2, 8, 1803 (1970)、Makromol. Chem., 177, 213 (1976))に記載の値を用いた。なお、分子量1万以下の成分量は、当該GPC測定により算出した。
プロピレン系重合体(A)のCFCにより測定したピーク半値幅およびピークトップ温度は、以下の方法で行ったクロス分別クロマトグラフにより測定した溶出量を求め、ピーク半値幅は最大溶出量の半分の溶出量における溶出温度幅、ピークトップ温度は溶出量が最大となる温度と定義し求めた。
分離カラム:ShodexAT−806MS(3本)、
溶離液:o−ジクロロベンゼン、
試料濃度:0.15〜0.3wt/vol%、
注入量:0.5ml、
流速:1.0ml/minとした。
エチレン‐プロピレン共重合体(B−1−1)およびエチレン‐ブテン共重合体ゴム(B−2−1)のエチレンに由来する構成単位の含量は、各重合体をサンプルとし、以下の方法で測定した。
プロピレン(mol%) = (PP+1/2EP)×100/[(PP+1/2EP)+(1/2EP+EE) …(Eq−1)
エチレン(mol%) = (1/2EP+EE)×100/[(PP+1/2EP)+(1/2EP+EE) …(Eq−2)
なお、エチレンに由来する構成単位の含量(エチレン含量)は、mol%で表記した。
エチレン‐プロピレン共重合体(B−1−1)およびエチレン‐ブテン共重合体ゴム(B−2−1)の極限粘度は、各重合体をサンプルとし、以下の方法で求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
プロピレン系樹脂組成物の引張破断伸びは、該組成物から作成した試験片を用いて、JIS K7162に従い引張試験を行うことにより、下記の条件で測定した。
試験片 : JIS K7162−BA ダンベル ; 5mm(幅)×2mm(厚さ)×75mm(長さ)
引張速度 : 20mm/分
スパン間距離 : 58mm
プロピレン系樹脂組成物の曲げ強さ、及び曲げ弾性率は、該組成物から作成した試験片を用いて、JIS K7171に従って、下記の条件で測定した。
<測定条件>
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
曲げ速度:2mm/分
曲げスパン:64mm
プロピレン系樹脂組成物のシャルピー衝撃強度は、該組成物から作成した試験片を用いて、JIS K7111に従いシャルピー衝撃試験を行うことにより、下記の条件で測定した。
<試験条件>
温度:23℃、−30℃
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
ノッチは機械加工
プロピレン系樹脂組成物の加熱変形温度は、JIS K7191に従って、下記の条件で測定した。
<測定条件>
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
荷重:0.45MPa
<溶融混練条件>
単軸混練機:品番 ラボプラストミル10M100、東洋精機(株)製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:60rpm
ホッパー内に窒素フロー有り
<プレス成形条件>
プレス成形温度:200℃(加熱温度200℃、予熱時間:2分)
プレス成形時間:1分
プレス成形後、23℃程度の金型で1分間冷却
(1)固体触媒担体の製造
内容量30Lの攪拌機付き反応槽にトルエン17LとSiO2(AGCエスアイテック製サンスフェアH122)650gを入れ、スラリー化した。次に、槽内温度45℃に保ち、トリイソブチルアルミニウムトルエン溶液をトリイソブチルアルミニウム量として、64g装入し、15分間攪拌した。槽内温度50℃に保ち、MAO(メチルアルミノキサン)−トルエン溶液(20wt%溶液)2.2Lを約30分かけて導入し、30分間攪拌した。1時間で95℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、60℃まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
内容量14Lの攪拌機付き反応槽に(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー7.9L(固体成分として1030g)を入れ、攪拌しながら温度を30〜35℃に保った。グローブボックス内にて、1Lフラスコに[3−(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’−オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3−トリメチル−5−tert−ブチル−1,2,3,3a−テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライドを15.5g秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン0.5リットルで希釈後、反応槽に加え、反応槽内液量を10Lになるまでトルエンを加えた。60分間攪拌し担持を行った。
前記の(2)で調製した固体触媒成分1045gをあらかじめn−ヘプタン18Lを入れておいた内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに移液し、内温15〜20℃に保ち、トリイソブチルアルミニウム557gを入れ、n−ヘプタンにて液量を62Lに調整した。攪拌しながら、30〜35℃に保ち、エチレンを630g/hで3135g挿入し、300分間攪拌しながら反応させた。
内容量100Lの攪拌機付きベッセル重合器にプロピレンを119kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.4mol%になるように供給した。(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として13.0g/時間、トリエチルアルミニウム8.7ml/時間を連続的に供給した。重合温度70℃、圧力は3.0MPa/Gであった。
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例1と同様の方法で行った。
(1)本重合
内容量100Lの攪拌機付きベッセル重合器にプロピレンを119kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.56mol%になるように供給した。製造例1(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として10.0g/時間、トリエチルアルミニウム8.7ml/時間を連続的に供給した。重合温度70℃、圧力は3.0MPa/Gであった。
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例1と同様の方法で行った。
(1)本重合
内容量100Lの攪拌機付きベッセル重合器にプロピレンを119kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.62mol%になるように供給した。製造例1(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として9.5g/時間、トリエチルアルミニウム8.7ml/時間を連続的に供給した。重合温度70℃、圧力は3.0MPa/Gであった。
(1)固体状チタン触媒成分の調製
無水塩化マグネシウム952g、デカン4420mlおよび2−エチルヘキシルアルコール3906gを、130℃で2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸213gを添加し、130℃にてさらに1時間攪拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた。
前記の様に調製された固体状チタン触媒成分はヘキサンスラリーとして保存されるが、このうち一部を乾燥して触媒組成を調べた。固体状チタン触媒成分は、チタンを2質量%、塩素を57質量%、マグネシウムを21質量%およびDIBPを20質量%の量で含有していた。
内容量14Lの攪拌機付き反応槽にあらかじめヘプタン2Lを装入し、トリエチルアルミニウム62.0mL、ジエチルアミノトリエトキシシラン17.6mL、前記(1)で調製した遷移金属触媒成分64gを装入し、ヘプタン量が9.1Lとなるようにヘプタンを追加した。内温10℃以下に保ち、10分攪拌した後、プロピレンを640gを約50分かけて装入した後、60分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を3回行った。得られた前重合触媒を内容量200L攪拌機付き反応槽に移液した後、遷移金属触媒成分濃度で0.8g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は遷移金属触媒成分1g当りポリプロピレンを10g含んでいた。
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を186NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として0.33g/時間、トリエチルアルミニウム2.2ml/時間、ジエチルアミノトリエトキシシラン0.88ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は69℃であり、圧力は3.4MPa/Gであった。
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例4と同様の方法で行った。
(3)本重合
内容量58Lのジャケット付循環式管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を235NL/時間、(2)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として0.43g/時間、トリエチルアルミニウム2.9ml/時間、ジエチルアミノトリエトキシシラン1.2ml/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状重合器の温度は66℃であり、圧力は3.5MPa/Gであった。
製造例1〜5で得られたプロピレン系重合体の物性を表1に示す。
グローブボックス内にて、5L4つ口フラスコにジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを2.0g秤取った。フラスコを外へ出し、トルエン0.46リットルと(1)で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー1.4リットルを窒素下で加え、30分間攪拌し担持を行った。得られたジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn−ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
前記(1)で調製した固体触媒成分404g、トリエチルアルミニウム218mL、ヘプタン100Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15〜20℃に保ちエチレンを606g挿入した後、180分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去し、ヘプタンで2回洗浄した。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で6g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この前重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを3g含んでいた。
充分に窒素置換し、10℃にした内容量30LのSUS製オートクレーブに液体プロピレン9kgを装入し、エチレンを分圧として0.6MPa装入した。充分に撹拌しながら45℃まで加温し、触媒挿入用ポットから、固体触媒成分として0.6g/ヘプタン300mlとトリエチルアルミニウム0.5mlの混合溶液を窒素でオートクレーブに加圧挿入した。60℃で、20分間重合を行った後、メタノールを添加し重合を停止した。重合終了後、プロピレンをパージし、充分窒素置換をし、プロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)を分別した。得られたプロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)を80℃で真空乾燥した。
製造例1で製造されたプロピレン系重合体(A−1)68質量部、製造例6で製造されたプロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)8質量部、エチレン−ブテン共重合体ゴム(B−2−1)(タフマーA0550S(三井化学(株)、商標)24質量部、耐熱安定剤IRGANOX1010(チバガイギー(株)商標)0.1質量部、耐熱安定剤IRGAFOS168(チバガイギー(株)商標)0.1質量部、耐熱安定剤IRGANOX1076(チバガイギー(株)商標)0.1質量部、ステアリン酸カルシウム0.1質量部をタンブラーにて混合後、二軸押出機にて溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を調製、射出成形機にて試験片(小型試験片)を作成した。成形品の機械物性を表3に示す。
同方向二軸混練機:品番 KZW15TW−45MG−NH、(株)テクノベル社製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:40rpm
<JIS小型試験片/射出成形条件>
射出成形機:品番 EC40、東芝機械(株)製
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:13秒(一次充填時間:1秒)
冷却時間:15秒
実施例1において、プロピレン系重合体(A−1)71質量部、製造例6で製造されたプロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)7質量部、エチレン−ブテン共重合体ゴム(B−2−1)(タフマーA0550S(三井化学(株)商標)22質量部、を使用した以外は同様に行った。成形品の機械物性を表3に示す。
実施例1において、プロピレン系重合体(A−2)68質量部、製造例6で製造されたプロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)8質量部、エチレン−ブテン共重合体ゴム(B−2−1)(タフマーA0550S(三井化学(株)商標)24質量部、を使用した以外は同様に行った。成形品の機械物性を表3に示す。
実施例1において、プロピレン系重合体(A−2)71質量部、製造例6で製造されたプロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)7質量部、エチレン−ブテン共重合体ゴム(B−2−1)(タフマーA0550S(三井化学(株)商標)22質量部、を使用した以外は同様に行った。成形品の機械物性を表3に示す。
実施例1において、プロピレン系重合体(A−3)68質量部、製造例6で製造されたプロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)8質量部、エチレン−ブテン共重合体ゴム(B−2−1)(タフマーA0550S(三井化学(株)商標)24質量部、を使用した以外は同様に行った。成形品の機械物性を表3に示す。
実施例1において、プロピレン系重合体(A’−1)68質量部、製造例6で製造されたプロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)8質量部、エチレン−ブテン共重合体ゴム(B−2−1)(タフマーA0550S(三井化学(株)商標)24質量部、を使用した以外は同様に行った。成形品の機械物性を表3に示す。
実施例1において、プロピレン系重合体(A’−2)68質量部、製造例6で製造されたプロピレン−エチレン共重合体(B−1−1)8質量部、エチレン−ブテン共重合体ゴム(B−2−1)(タフマーA0550S(三井化学(株)商標)24質量部、を使用した以外は同様に行った。成形品の機械物性を表3に示す。
Claims (6)
- 下記[1]〜[5]を同時に満たすプロピレン系重合体(A)55質量部以上、98質量部以下と、
エラストマー(B)2質量部以上、45質量部以下(ただし、(A)および(B)の合計は100質量部である)とを含有するプロピレン系樹脂組成物。
[1]ASTM−D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が100g/10分以上、1000g/10分以下
[2]示差走査熱量計(DSC)によって測定された融点が150℃以上、165℃以下
[3]13C−NMRスペクトルから求めた、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1−結合に基づく位置不規則単位および1,3−結合に基づく位置不規則単位の合計が0.0%以上、1.0%以下
[4]分子量10000以下の成分が7質量%以下
[5]o−ジクロロベンゼンを用いたクロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定した溶出温度に対する溶出成分量のピーク半値幅が6.0℃以下であり、ピークトップ温度が100℃以上、130℃以下 - 前記プロピレン系重合体(A)が、メタロセン触媒存在下、プロピレンを単独重合もしくは、プロピレンと、エチレンおよび炭素数4〜10のα‐オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとを共重合して得られる、請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記エラストマー(B)が、エチレンと、炭素数3〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体であり、下記[i]〜[ii]を同時に満たす、請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
[i]エチレン含有量が15mol%以上、90mol%以下
[ii]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下 - 前記エラストマー(B)が、2種類以上のエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとの共重合体からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記エラストマー(B)が、エチレン−プロピレン共重合体(B−1)および、エチレンと、炭素数4〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとの共重合体(B−2)の2種類の共重合体を含む、請求項4に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記エチレン−プロピレン共重合体(B−1)が、下記[I]〜[II]を同時に満たし、
前記エチレンと、炭素数4〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとの共重合体(B−2)が、下記[III]〜[IV]を同時に満たし、
プロピレン系樹脂組成物が、前記エチレン−プロピレン共重合体(B−1)を1質量部以上、40質量部以下、前記エチレンと、炭素数4〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のα‐オレフィンとの共重合体(B−2)を1質量部以上、40質量部以下を含有する、請求項5に記載のプロピレン系樹脂組成物。
[I]エチレン含有量が15mol%以上、50mol%以下
[II]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下
[III]エチレン含有量が50mol%以上、90mol%以下
[IV]極限粘度[η]が0.8dl/g以上、4.0dl/g以下
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