JP2012208149A - 画像表示体及び情報媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光透過性の基材11の一方の面に複数の光散乱領域12aを、X軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配置し、その周囲に非光散乱領域12bを配置して画像表示体10を構成する。各光散乱領域12aに、Y軸方向に向きを揃えた複数の直線状の光散乱パターンを配置する。各光散乱領域12aの少なくとも一部を光反射層で覆い、各光散乱領域12aへの入射光からフラウンホーファー回折による回折光を発生させる。これにより、光散乱領域12aのマトリクス状配置に応じた部分を白色表示させる。
【選択図】図4
Description
ここで、回折格子のパラメータとしては、
(1)回折格子の空間周波数(格子線のピッチ)
(2)回折格子の方向(格子線の方向)
(3)回折格子の描画領域(回折格子パターンの配置)
の3つがある。
そして、
(1)に応じて、定点に対してその回折格子パターンが光って見える色が変化し、
(2)に応じて、その回折格子パターンが光って見える方向が変化し、
(3)に応じて、表示パターン(絵柄や文字等)が決定される。
そこで、基板の表面を数十乃至数百μm程度の微小領域に分割し、各領域にこれらのパラメータを様々に変化させた回折格子を形成することで、絵柄や文字等を表現することができる。
複製されたパターンは通常透明であるので、アルミニウム等の金属や誘電体の薄膜層を蒸着する等の方法により、光反射層を設けた後、紙やプラスチックフィルム等の基材上に接着層を介してステッカー又は転写箔として貼付され、さらに必要に応じて印刷層やパターン層の汚れや傷を防止するための保護層が設けられ、有価証券類やカード類が作製される。
本発明では、従来からある回折格子パターンとは異なる視覚効果を有し、且つより高い偽造防止効果を実現する画像表示体及び情報媒体を提供することを目的とする。
即ち、第1の発明は、光透過性の基材の少なくとも一方の面に、凹部及び凸部のうち少なくとも一方で構成された直線状の光散乱パターンを方向を揃えて複数配置した光散乱領域を備えており、前記基材の前記一方の面上に、前記光散乱領域の少なくとも一部を被覆する光反射層を備えており、前記基材の前記一方の面上に前記光散乱領域を、前記各光散乱パターンの延在方向及び前記光散乱パターンどうしの間隔方向に沿ってマトリクス状に複数配置してあることで画像を表示する画像表示体において、前記一方の面上での前記光散乱パターンの間隔方向における前記光散乱領域の長さは69μm以上であることを特徴とする画像表示体である。
更に、光散乱領域12aを備える面上に、光散乱領域12aの少なくとも一部を被覆するように光反射層13を形成している。なお、図2に示すように本実施形態の光散乱領域12aは、光散乱パターン12cを複数有している。図2の光散乱パターン12cは、基材11の一方の面に対する凹部のみから成るが、実際には凸部から成ってもよく、凸部と凹部の両方から成ってもよい。
フーリエ変換して得られる図3(b)の画像20のパターンは、変換前の光散乱パターン12cの配置パターンからのフラウンホーファー回折による回折光分布を示している。ゆえに、図3(b)のパターンより、図3(a)の光散乱領域12aは、X軸方向に指向性を持った回折光を射出していることがわかる。また、図3(b)のパターンがX軸方向の全体に亘って延在していることから、図3(a)の光散乱領域12aからの回折光は、空間周波数の分布が広いことがわかる。
ゆえに、図3(a)に示す光散乱領域12aにX軸に平行な方向から入射光を入射すると、Y軸に垂直かつX軸を含む面内において、広い範囲で指向性のある散乱光、すなわち白色を観察できる。
図3(b)の場合と同様に図3(d)の画像20のパターンを解釈すると、図3(c)の光散乱領域12aから射出する回折光はX軸方向に指向性を持っており、かつ空間周波数が一定の範囲を持って分布していることがわかる。
ゆえに、図3(c)に示す光散乱領域12aにX軸に平行な方向から入射光を入射すると、Y軸に垂直かつX軸を含む面内において、広い範囲で指向性のある散乱光、すなわち白色を観察できる。
観察者が画像表示体10を観察すると、光散乱領域12aから射出する指向性散乱光が観察できる角度において光散乱領域12aは白色に観察される。一方で、非光散乱領域12bは、光反射層13(図2参照)がある場合は光反射層13の色、又は入射光の0次回折光が観察でき、光反射層13が無い場合は入射光は光透過層13を透過するため、画像表示体10の表面には何も観察されないか、又は光透過層13自体の光学特性(基材11の色、屈折率、表面の細かな傷等による拡散性等)が観察される。非光散乱領域12bが光反射層13を備えているかに関わらず、観察者は光散乱領域12aと非光散乱領域12bとを色や質感等が異なるものとして観察できる。
つまり、光散乱領域12aがマトリクス状に配置され光散乱領域12aと非光散乱領域12bが同一面上に並置されることにより、画像表示体10は画像を表示することができ、その配置パターンにより様々な画像を表示することが可能となる。即ち、光散乱領域12aは画像の画素に相当していると言える。
例えば、図4に示す画像表示体10の場合、観察者はアルファベットの「P」として観察することが出来る。この画像表示体10の場合は光散乱領域12aが大きいために表示してある画像「P」の構成単位である画素を観察できてしまうが、光散乱領域12aの大きさを小さくすればより高解像度の画像を表示でき、その大きさを人間の眼の分解能以下の大きさとすればより滑らかで自然な画像を表示できる。
図5(a)、図5(b)は同じ場面のものであり、XYZ空間において異なる方向から図示したものである。
本図では透過光を射出光32としてスクリーン22に投影しているが、本図は画像表示体10へ入射光31を入射し、画像表示体10から射出する回折光(射出光32)を観察者14が観察する様を模式的に表したものであり、スクリーン22に投影される回折光は、観察者14が観察する回折光に相当する。また、本図では光散乱領域12aが4つ配置してあるが、本図は概略図であり、本発明はこれに限らない。
前記したように、光散乱領域12aの大きさは人間の眼の分解能以下とされてあることにより滑らかな画像を表示できる。ゆえに、画像表示体10を観察者14が観察する場合、画像表示体10と観察者14の距離に対して光散乱領域12aの大きさは充分小さく、観察者14が観察する回折光はフラウンホーファー回折となる。
図示されてある射出角度θは、光散乱領域12aを設けた基材11の一方の面に垂直な入射光31を入射したときに得られる射出光32の射出角度を示しており、0次回折光と成す角度をθとしてある。回折光強度は相対的な値で示しており、0次回折光の強度を1としてある。なお、図示するグラフは説明のために用いる概略的なものであり、本発明の画像表示体の光散乱領域から射出する回折光の強度分布はこれに限らない。
また、光散乱領域12aがマトリクス状に複数配置してあることによる回折光の強度分布への寄与を、図6におけるZ軸座標値z=0においてg(θ)と表し、g(θ)をフーリエ変換したものをG(θ)と表すとする。なお、g(θ)、G(θ)は図8(a),(b)に概略を図示してある。
図より、S(θ)・G(θ)は一定周期毎に強度を持っていることがわかる。つまり、マトリクス状に配列されてある複数の光散乱領域12aから射出する射出光32を観察者14が観察した場合、明暗や色の変化が周期的に現れる様子を観察できることとなる。
D = λ/sinθ … (1)
ゆえに、G(θ)の周期が人間の瞳孔径以下であれば、明暗や色の変化が観察されることなく、指向性散乱による白色を安定して観察することが可能となる。
このとき、左右の眼の各々の見込み角は0.23乃至0.92°である。
また、可視光の波長範囲は400乃至700nmと前記してあるが、ここでは分光感度の最も高い555nmを代表値として考える。
しかし、本実施形態による画像表示体10及び情報媒体200を観察者14が観察するのは、前記したように一般的に室内照明下であり、波長の長さが700nmのコヒーレント光を入射して観察することはない。また、室内照明は通常、白色光であり、また、単一の点光源ということは少なく、複数の点光源、線光源、面光源から成るのが一般的である。
ゆえに、前記したような室内照明環境から鑑みると、分光感度の最も高い555nmを代表値として求めた69μm以上であれば、通常の室内照明環境下において、安定して白色を表示する画像表示体を提供することが可能となる。
完全なランダムパターンを電子ビーム露光装置で作製するためには、その構造パターンのデータを作成する必要がある。しかし、それを用いて画像を作成するためには画像の大きさ相当の構造パターンのデータを作成する必要があり、そのデータ量は莫大なものとなってしまうため非常に扱い難い。
そこで、本実施形態にあるように光散乱領域12aをマトリクス状に複数配置する方法が有効となる。その方法の場合、必要となるデータのデータ量は完全なランダムパターンを作成するよりも遙かに少なく、それを繰り返し配置することによって高精細、高解像な画像を作成することが可能となる。
ここで、隣接する光散乱領域12a間で光散乱パターン12cの配置パターンが連続的に繋がるとは、図1のX軸方向やY軸方向において隣接する2つの光散乱領域12a,12aの境界部分において継ぎ目が目立たないように、各光散乱領域12aの光散乱パターン12cが繋がることを言う。
光散乱領域12aの光散乱パターン12cが、例えば図10(a)に示すようなものである場合、図1のX軸方向に光散乱領域12aを2つ並べると、図10(b)に示すように、2つの光散乱領域12a,12aの境界部分において光散乱パターン12cが連続せず、継ぎ目が目立ってしまう。このような継ぎ目の部分では、射出光の分布が各光散乱領域12a内の射出光分布とは異なるものとなる。
したがって、図10(a)の光散乱パターン12cを有する光散乱領域12aでは、図1のX軸方向やY軸方向にマトリクス状に配置した場合に、マトリクス全体での射出光の強度分布を均一化することができない。
一方、光散乱領域12aの光散乱パターン12cが、例えば図11(a)に示すようなものである場合、図1のX軸方向に光散乱領域12aを2つ並べると、図11(b)に示すように、2つの光散乱領域12a,12aの境界部分において光散乱パターン12cが連続し、継ぎ目が目立たなくなる。
このように、隣接する光散乱領域12a,12aの境界部分において、両領域12a,12aの光散乱パターン12cが連続すれば、図1のX軸方向やY軸方向に複数の光散乱領域12aをマトリクス状に配置することで、一つの大きな光散乱領域を構成することができるようになる。
ところで、図12(a)に示す光散乱パターンは、フーリエ変換すると図12(b)の周波数スペクトルを示すような射出光の強度分布を有している。そして、図12(a)の光散乱パターンからそれぞれ異なる部分領域を抽出して拡大したのが、図13(a)及び図14(a)にそれぞれ示す光散乱パターンである。これらの光散乱パターンをそれぞれフーリエ変換すると、図13(b)及び図14(b)にそれぞれ示すように、図12(b)に示すのと同じ周波数スペクトルが得られる。即ち、図13(a)及び図14(a)の光散乱パターンは、図12(a)の光散乱パターンと同じ射出光の強度分布を有している。
このため、図11(a)の光散乱領域12aのように、図1のX軸方向やY軸方向に光散乱パターン12cが連続的に繋がる配置パターンを有している場合は、その光散乱領域12aをマトリクス配列することで、図12(a)に示すような、どの領域を部分的に切り取っても射出光の強度分布が同じである光散乱パターンを構成することができる。
即ち、図11(a)の光散乱パターン12cを有する光散乱領域12aならば、光散乱パターン12cの内容を図13(a)や図14(a)の光散乱パターンのようにすることで、図1のX軸方向やY軸方向にマトリクス状に配置した場合に、マトリクス全体での射出光の強度分布を均一化することができる。
これにより、光散乱領域12aがX軸方向やY軸方向に並べて配置してあることによる回折光の強度分布への寄与を、低減することができる。
このように、本実施形態の画像表示体10では、従来からある回折格子パターンとは異なる白色表示という視覚効果を有するので、偽造又は模造が困難であり、これにより、より高い偽造防止効果を実現することができる。
図15に示す本実施形態の情報媒体200は、磁気カードであって、基材51を含んでいる。基材51には、印刷層52と帯状の磁気記録層53とが形成されている。更に、基材51には、画像表示体10が偽造防止用又は個人識別用ラベルとして貼り付けられている。
11…光透過層
12a…光散乱領域
12b…非光散乱領域
12c…光散乱パターン
13…光反射層
14…観察者
20…フーリエ変換画像
22…スクリーン
31…入射光
32…射出光
32a…0次回折光
32b…回折光
51…基材
52…印刷層
53…磁気記録層
200…情報媒体
Claims (6)
- 光透過性の基材の少なくとも一方の面に、凹部及び凸部のうち少なくとも一方で構成された直線状の光散乱パターンを方向を揃えて複数配置した光散乱領域を備えており、
前記基材の前記一方の面上に、前記光散乱領域の少なくとも一部を被覆する光反射層を備えており、
前記基材の前記一方の面上に前記光散乱領域を、前記各光散乱パターンの延在方向及び前記光散乱パターンどうしの間隔方向に沿ってマトリクス状に複数配置してあることで画像を表示する画像表示体において、
前記一方の面上での前記光散乱パターンの間隔方向における前記光散乱領域の長さは69μm以上であることを特徴とする画像表示体。 - 前記間隔方向における前記光散乱領域の長さは87μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示体。
- 前記各光散乱領域はそれぞれ前記光散乱パターンを同一の配置パターンで有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示体。
- 前記延在方向及び前記間隔方向において、隣接する2つの前記光散乱領域の前記光散乱パターンが連続し、該連続する光散乱パターンの任意の部分によって、射出光の強度分布が同じ配置パターンが得られることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像表示体。
- 前記間隔方向における前記光散乱領域の長さは145μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の画像表示体。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の画像表示体と、前記画像表示体を支持した物品とを具備してあることを特徴とする情報媒体。
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