JP2012208397A - 光学フィルム、偏光板、液晶表示装置及び垂直配向剤 - Google Patents

光学フィルム、偏光板、液晶表示装置及び垂直配向剤 Download PDF

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Abstract

【課題】光学異方性層及び配向膜間の密着性に優れた光学異方性層を有する光学フィルムの提供。
【解決手段】支持体1とラビング処理された配向膜2と液晶化合物を含む光学異方性層3とをこの順で有する光学フィルムであって、光学異方性層が、少なくとも1種の下記一般式(I)で表されるオニウム化合物を含む。一般式(I)中、環Aは含窒素複素環の第4級アンモニウムイオンを表し;Xはアニオンを表し;L1は二価の連結基を表し;L2は単結合又は二価の連結基を表し;Y1は5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基を表し;ZはC220のアルキレン基を部分構造として有する2価の連結基を表し;P1及びP2はそれぞれ独立に重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基を表す。
Figure 2012208397

【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置の光学補償等に有用な光学フィルム、垂直配向剤、並びにそれを有する偏光板及び液晶表示装置に関する。
従来、液晶分子のハイブリッド配向状態を固定して形成された光学異方性層を、TNモード液晶表示装置の光学補償に利用することが提案されている。中でも、近年、高いΔn及び低い波長分散性を有するディスコティック液晶化合物が種々開発され、これらの化合物の光学補償部材への利用が期待されている(例えば、特許文献1及び2)。
ここで「ディスコティック液晶分子のハイブリッド配向」とは、ディスコティック液晶分子の円盤面と層面とのなす角度(以下、「チルト角」という)が、層厚み方向において変化(増加又は減少)している配向状態である。当該光学異方性層は、一般的には、配向膜の表面上でディスコティック液晶化合物を含有する組成物を配向させて形成されるので、該層には配向膜界面と空気界面とが存在する。ハイブリッド配向には、前記チルト角が、配向膜界面側で大きく、空気界面側で小さくなっている態様(即ち、チルト角が配向膜界面から空気界面に向けて減少している態様、以下、「逆ハイブリッド配向」という)、及び前記チルト角が、配向膜界面側で小さく、空気界面側で大きくなっている態様(即ち、チルト角が配向膜界面から空気界面に向けて増加している態様、以下「正ハイブリッド配向」という)の2態様がある。従来、ディスコティック液晶分子を用いた光学補償フィルムとしては、後者の態様、即ち、正ハイブリッド配向、が一般的である。
液晶化合物の逆ハイブリッド配向を固定した光学異方性層を有する光学フィルムについても、種々提案されている(例えば、特許文献3及び4)。ところで、例えば、配向膜のラビング処理面上で、ディスコティック液晶化合物の分子を、その円盤面を配向膜面に対して垂直に配向(以下、「垂直配向」という)させると、ディスコティック液晶分子は、ラビング処理によって形成された溝に、その円盤面をはめ込んだ状態で垂直配向するのが一般的である。よって、従来実現している逆ハイブリッド配向状態では、配向膜界面で垂直配向しているディスコティック液晶分子は、その円盤面を、ラビング方向に平行にして垂直配向しているものがほとんどである。その様な、配向膜面界面でディスコティック液晶分子がその円盤面をラビング方向に平行にして配向している、上記従来の逆ハイブリッド配向を固定した光学異方性層では、遅相軸は、ラビング方向に対して平行方向に発現することになる。一方、連続生産では、長尺フィルムの搬送方向に沿ってラビング処理が実施されるのが一般的である。よって、上記逆ハイブリッド配向を固定した光学異方性層を、長尺のフィルム状に連続的に生産する場合は、その遅相軸は、長手方向に対して平行になっている。しかし、かかる特性の光学異方性層を連続的に長尺状に生産しても、その後、長尺状の偏光子と、長手方向を一致させて貼合することはできず、そのことが、実用化の弊害となっている。
ディスコティック液晶化合物及び棒状液晶化合物を含めて、配向膜界面側のチルト角を大きくする、すなわち液晶化合物を垂直配向させる方法としては、例えば、配向制御剤を光学異方性層に含有させることが提案されている(例えば特許文献4及び5)。
特開2006−76992号公報 特開2006−2220号公報 特開2002−122736号公報 特許第4512468号 特開2006−106662号公報
上記した通り、従来、液晶分子を用いた光学補償フィルムとしては、正ハイブリッド配向を固定して形成した光学異方性層を有する光学補償フィルムが一般的である。本発明者が鋭意検討した結果、正ハイブリッド配向状態の液晶分子の配向は、ミクロレベルでみると若干の乱れがあり、このミクロレベルの配向乱れは、光学異方性層のミクロ配向軸ズレとなって現れ、光学補償部材として液晶表示装置に用いた場合に、正面コントラスト(CR)を低下させる一因となることがわかった。特に近年では、正面コントラストの上昇が顕著であり、従来は問題視されていなかった正面CRの低下原因に対しても、解決することが求められている。一方、従来の逆ハイブリッド配向を利用する態様には、上記した通り、製造上の問題点が存在する。
逆ハイブリッド配向を形成するためには、配向膜界面で液晶分子を垂直配向させる必要がある。配向膜界面で液晶分子を安定的に垂直配向させるためには、配向膜側界面に高い偏在性を示す配向制御剤を併用することが有効である。しかし、そのような特性の配向制御剤を使用すると、光学異方性層と配向膜との界面の密着性が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、配向膜界面において液晶分子が安定な垂直配向状態にあり、しかも配向膜と光学異方性層との密着性にも優れた光学フィルム、その製造に利用可能な垂直配向剤、並びにそれを有する偏光板及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 支持体とラビング処理された配向膜と液晶化合物を含む光学異方性層とをこの順で有する光学フィルムであって、
前記光学異方性層が、少なくとも1種の下記一般式(I)で表されるオニウム化合物を含むことを特徴とする光学フィルム:
Figure 2012208397
一般式(I)中、環Aは含窒素複素環の第4級アンモニウムイオンを表し;Xはアニオンを表し;L1は二価の連結基を表し;L2は単結合又は二価の連結基を表し;Y1は5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基を表し;ZはC220のアルキレン基を部分構造として有する2価の連結基を表し;P1及びP2はそれぞれ独立に重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基を表す。
[2] 前記少なくとも1種の一般式(I)で表されるオニウム化合物が、下記一般式(I−1)又は(I−2)で表される化合物である[1]の光学フィルム:
Figure 2012208397
一般式(I−1)及び(I−2)の各記号の定義は、一般式(I)中のそれぞれと同義であり;L3及びL4はそれぞれ独立に二価の連結基を表し;Y2及びY3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい6員環であり;mは1又は2を表し、mが2の場合、二つのL4および二つのY3は、互いに同一でも異なっていてもよく;pは1〜10の整数を表す。
[3] 前記少なくとも1種の一般式(I)で表されるオニウム化合物が、下記一般式(I−3)又は(I−4)で表される化合物の少なくともいずれかである[2]の光学フィルム:
Figure 2012208397
一般式(I−3)及び(I−4)の各記号の定義は、一般式(I−1)及び(I−2)中のそれぞれと同義であり;R’は、置換基を表し;bは1〜4の整数を表す。
[4] 前記配向膜が、変性又は未変性ポリビニルアルコールを主成分として含有する膜である[1]〜[3]のいずれかの光学フィルム。
[5] 前記光学異方性層が、さらに、少なくとも1種のフルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体を含有する[1]〜[4]のいずれかの光学フィルム。
[6] 前記液晶化合物の分子の配向膜側チルト角が、空気界面側チルト角より大きい配向状態に固定される[1]〜[5]のいずれかの光学フィルム。
[7] 前記光学異方性層の遅相軸方向が、前記配向膜のラビング方向と直交する[1]〜[6]のいずれかの光学フィルム。
[8] 前記液晶化合物が、ディスコティック液晶化合物である[1]〜[7]のいずれかの光学フィルム。
[9] 前記ディスコティック液晶化合物が、下記式(X)を円盤状コアとして有するディスコティック液晶化合物である[8]の光学フィルム:
Figure 2012208397
式(X)中、Rはそれぞれ式(X)の化合物が液晶性を示すために必要な有機置換基を表す。
[10] 前記オニウム化合物の添加量が、前記液晶化合物100質量部に対し、0.5〜3質量部である[1]〜[9]のいずれかの光学フィルム。
[11] 前記フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体の添加量が、前記液晶化合物100質量部に対し、0.2〜2.0質量部である[5]〜[10]のいずれかの光学フィルム。
[12] 偏光膜と、[1]〜[11]のいずれかの光学フィルムと、を少なくとも有する偏光板。
[13] [12]の偏光板を少なくとも有する液晶表示装置。
[14] TNモードである[13]の液晶表示装置。
[15] 下記一般式(I)で表されるオニウム化合物を含むことを特徴とする垂直配向剤:
Figure 2012208397
一般式(I)中、環Aは含窒素複素環の第4級アンモニウムイオンを表し;Xはアニオンを表し;L1は二価の連結基を表し;L2は単結合又は二価の連結基を表し;Y1は5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基を表し;ZはC220のアルキレン基を部分構造として有する2価の連結基を表し;P1及びP2はそれぞれ独立に重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基を表す。
本発明によれば、配向膜界面において液晶分子が安定な垂直配向状態にあり、しかも配向膜と光学異方性層との密着性にも優れた光学フィルム、その製造に利用可能な垂直配向剤、並びにそれを有する偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明の光学フィルムの一例の断面模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本実施形態の説明において、「平行」あるいは「直交」とは、厳密な角度±5°未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。
また、角度について、「+」は時計周り方向を意味し、「−」は反時計周り方向を意味するものとする。
また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味し、更に屈折率の測定波長は、特別な記述がない限り、可視光域(λ=550nm)での値である。
また、本実施形態の説明において「偏光板」とは、特別な記述がない限り、長尺の偏光板、及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された偏光板の両者を含む意味で用いている。なお、ここでいう「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする。また、本実施形態の説明では、「偏光子」と「偏光板」とを区別して用いるが、「偏光板」は「偏光子」の少なくとも片面に該偏光子を保護する透明保護膜を有する積層体のことを意味するものとする。
また、本実施形態の説明において「分子対称軸」とは、分子が回転対称軸を有する場合は、当該対称軸を指すが、厳密な意味で、分子が回転対称性であることを要求するものではない。一般的に、ディスコティック液晶性化合物において、分子対称軸は、円盤面の中心を貫く円盤面に対して垂直な軸と一致し、棒状液晶性化合物において、分子対称軸は、分子の長軸と一致する。
また、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。なお、この測定方法は、後述する光学異方性層中のディスコティック液晶分子の配向膜側の平均チルト角、その反対側の平均チルト角の測定においても一部利用される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(III)よりRthを算出することもできる。
Figure 2012208397
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d・・・・・・・・・・・式(III)
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
なお、屈折率の測定波長は、特に断らない限り、可視光域のλ=550nmでの値であり、Re及びRthの測定波長については、特に断らない限り、550nmとする。
(チルト角の測定)
ディスコティック液晶性化合物を配向させた光学異方性層において、光学異方性層の一方の面におけるチルト角(ディスコティック液晶性化合物における物理的な対象軸が光学異方性層の界面となす角度をチルト角とする)θ1及び他方の面のチルト角θ2を、直接的にかつ正確に測定することは困難である。そこで本明細書においては、θ1及びθ2は、以下の手法で算出する。本手法は本発明の実際の配向状態を正確に表現していないが、光学フィルムのもつ一部の光学特性の相対関係を表す手段として有効である。
本手法では算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、光学異方性層の2つの界面におけるチルト角とする。
1.光学異方性層はディスコティック液晶性化合物を含む層で構成された多層体と仮定する。さらに、それを構成する最小単位の層(ディスコティック液晶性化合物のチルト角は該層内において一様と仮定)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層のチルト角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層のチルト角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。測定及び計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定は、KOBRA−21ADH及びKOBRA−WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメータAEP−100((株)島津製作所製)、M150及びM520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)で行うことができる。
(2)上記のモデルにおいて、各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(neは各々すべての層において同じ値、noも同様とする)、及び多層体全体の厚みをdとする。さらに各層におけるチルト方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面におけるチルト角θ1及び他方の面のチルト角θ2を変数としてフィッティングを行い、θ1及びθ2を算出する。
ここで、no及びneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合はアッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定することができる。
1.光学フィルム
本発明は、透明支持体、配向膜、及び光学異方性層を有する光学フィルムに関する。本発明の光学フィルムは、前記光学異方性層が、液晶化合物、及び下記式(I)で表されるオニウム化合物を含むことを特徴とする。なお、本明細書では、「式(I)で表されるオニウム化合物を含有する」とは、式(I)のオニウム化合物が未反応のまま含有される状態のみならず、末端の重合性基が重合し、他の成分と結合した状態で含有される状態も含まれるものとする。液晶化合物についても同様である。
上記した通り、逆ハイブリッド配向状態は、正ハイブリッド配向を固定した光学異方性層と比較してミクロな配向乱れが少なく、光学補償フィルム等の用途によっては、より有用性が高いと言える。逆ハイブリッド配向状態を得るためには、液晶分子を配向膜界面で垂直配向させる必要がある。配向膜界面で液晶分子を安定的に垂直配向させるためには、配向膜側界面に高い偏在性を示す配向制御剤を併用することが有効であるが、一方で、そのような特性の配向制御剤を使用すると、光学異方性層と配向膜との界面の密着性が低下するという問題がある。
本発明者の鋭意研究の結果、特定の構造を有する下記一般式(I)で表されるオニウム化合物を光学異方性層の形成に用いることで、配向膜界面において液晶分子を安定的に垂直配向させることができるとともに、光学異方性層と配向膜界面との密着性をも改善できることを見出した。
図1に本発明の光学フィルムの一例の断面模式図を示す。図1中、液晶分子LCはディスコティック液晶分子となっているが、これに限定されるものではない。
図1に示す光学フィルムは、ポリマーフィルム等からなる支持体1、配向膜2、及び光学異方性層3を有する。光学異方性層3中、液晶分子LCは、配向膜2との界面A近傍において、その円盤面と、配向膜2の表面とのなす角(チルト角)βaで配向している。また、光学異方性層3中、液晶分子LCは、空気界面Bの近傍において、その円盤面と、層面Bとのなす角(チルト角)βbで配向している。配向膜界面Aのチルト角βaと、空気界面Bのチルト角βbとは、βb<βa、の関係が成立していて、即ち、液晶分子LCは、逆ハイブリッド配向状態に固定されている。
逆ハイブリッド配向状態は、正ハイブリッド配向状態(βa<βb)よりも、液晶分子LCの配向乱れによるミクロ配向軸ズレを軽減できる。ミクロ配向軸ズレは、光学補償部材として液晶表示装置に用いた場合に、正面コントラストの低下の一因となる。本発明の光学フィルムは、正面コントラストを低下させることなく、光学補償に寄与するという利点がある。
図1に示す通り、配向膜2の表面にはラビング方向Rに沿って、ラビング処理が施されている。従来、配向膜のラビング処理面で液晶化合物の分子を配向させると、該分子は、ラビング方向に対して、円盤面を平行にして配向するのが一般的である。しかし、本発明では、所定の液晶化合物の分子を、所定の2種の添加剤の存在下で配向させているので、配向膜界面A近傍のディスコティック液晶分子LCは、その円盤面を、ラビング方向Rに対して直交にしてチルト角βaで配向している。その結果、光学異方性層の遅相軸Sは、ラビング方向Rに対して直交した方向に発現する。
連続生産においては、長尺のポリマーフィルムである支持体を搬送しつつ、長手方向にラビング処理が施される。即ち、ラビング方向Rは、搬送方向(フィルムの長手方向)と一致する。これに連続的に、光学異方性層を形成すると、本発明では、図1に示す通り、光学異方性層の遅相軸Sがラビング方向Rと直交する方向に発現する。その結果、長尺状の偏光膜と一体化する際に、長手方向を一致させたままで貼り合せることができる。従来の逆ハイブリッドでは、配向膜界面において、例えば、ディスコティック液晶分子が、円盤面をラビング方向に平行にして配向してしまうため、連続生産に適さず、実用化の弊害になっていたが、本発明ではかかる弊害を解決することができる。
本発明の光学フィルムの一例では、配向膜界面における液晶分子のチルト角βaは、90〜70°(好ましくは90〜80°)であり;一方、空気界面におけるチルト角βbは、0〜30°(好ましくは0〜20°)である。それぞれの界面のチルト角が前記範囲である逆ハイブリッド配向は、TNモード液晶表示装置の視野角補償に適する。
図1に示す態様によれば、本発明の効果である光学異方性層と配向膜との密着性の改善効果が得られるとともに、従来の液晶化合物のハイブリッド配向状態を固定した光学異方性層の、ミクロな配向乱れ、それによって生じるミクロ配向軸ズレを軽減することができる。即ち、図1の態様によれば、密着性を改善できるとともに、液晶化合物のハイブリッド配向状態を固定した光学異方性層を有する光学フィルムに起因する正面コントラストの低下を軽減することができる。
但し、本発明は、図1に示す例に限定されるものではなく、例えば、液晶化合物の垂直配向状態を固定してなる光学異方性層を有する光学フィルム等であってもよい。
以下、本発明の光学フィルムの製造に用いられる材料及び製造方法について詳細に説明する。
(1)光学異方性層
本発明の光学フィルムは、液晶化合物を含む光学異方性層が、下記一般式(I)で表されるオニウム化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする。該オニウム化合物は、液晶化合物の配向膜界面における垂直配向を促進する垂直配向剤として作用するとともに、光学異方性層と配向膜との界面の密着性改善にも寄与する。前記光学異方性層は、また、必要に応じて、空気界面側の配向を制御する空気界面側配向制御剤(例えば、フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体)を含有していてもよい。
(1)−1 垂直配向剤(一般式(I)で表されるオニウム化合物)
一般式(I)で表されるオニウム化合物は、液晶化合物の配向膜界面における配向を制御することを目的として添加され、液晶化合物の分子の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させる作用がある。
Figure 2012208397
一般式(I)中、環Aは含窒素複素環からなる第4級アンモニウムイオンを表し、Xはアニオンを表し;L1は二価の連結基を表し;L2は単結合又は二価の連結基を表し;Y1は5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基を表し;Zは2〜20のアルキレン基を部分構造として有する2価の連結基を表し;P1及びP2はそれぞれ独立に重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基を表す。
環Aは含窒素複素環からなる第4級アンモニウムイオンを表す。環Aの例としては、ピリジン環、ピコリン環、2,2’−ビピリジル環、4,4’−ビピリジル環、1,10−フェナントロリン環、キノリン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラジン環、トリアゾール環、テトラゾール環などが挙げられ、好ましくは第4級イミダゾリウムイオン、及び第4級ピリジニウムイオンである。
Xは、アニオンを表す。Xの例としては、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、ビニルスルホン酸イオン、アリルスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン、p−ビニルベンゼンスルホン酸イオン、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオンなど)、硫酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロほう酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、p−ビニル安息香酸イオン、ギ酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、リン酸イオン(例えば、ヘキサフルオロリン酸イオン)、水酸化物イオンなどが挙げられる。好ましくは、ハロゲン陰イオン、スルホネートイオン、水酸化物イオンである。また、特に塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、メタンスルホン酸イオン、ビニルスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、p−ビニルベンゼンスルホン酸イオンが好ましい。
1は、二価の連結基を表す。L1の例としては、アルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NRa−(但し、Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子である)、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリーレン基との組み合わせからなる炭素原子数が1〜20の二価の連結基が挙げられる。L1は、炭素原子数が1〜10の−AL−、−O−AL−、−CO−O−AL−、−O−CO−AL−が好ましく、炭素原子数が1〜10の−AL−、−O−AL−がさらに好ましく、炭素原子数が1〜5の−AL−、−O−AL−が最も好ましい。なお、ALはアルキレン基を表す。
2は、単結合又は二価の連結基を表す。L2の例としては、アルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NRa−(但し、Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子である)、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリーレン基との組み合わせからなる炭素原子数が1〜10の二価の連結基、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−、−O−CO−AL−CO−O−などが挙げられる。なお、ALはアルキレン基を表す。L2は、単結合、炭素原子数が1〜10の−AL−、−O−AL−、−NRa−AL−O−が好ましく、単結合、炭素原子数が1〜5の−AL−、−O−AL−、−NRa−AL−O−がさらに好ましく、単結合、炭素原子数が1〜5の−O−AL−、−NRa−AL−O−が最も好ましい。
1は、5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基を表す。Y1の例としては、シクロヘキシル環、芳香族環または複素環などが挙げられる。芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ピレン環などが挙げられ、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環が特に好ましい。複素環を構成する複素原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環などが挙げられる。複素環は6員環であることが好ましい。Y1で表される5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基はさらに置換基を有していてもよい。
置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のアルキル基、炭素原子数が2〜12(より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5)のアルケニル基、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のアルコキシ基などが挙げられる。アルキル基およびアルコキシ基は、炭素原子数が2〜12(より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5)のアシル基または炭素原子数が2〜12(より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5)のアシルオキシ基で置換されていてもよい。アシル基は−CO−R、アシルオキシ基は−O−CO−Rで表され、Rは脂肪族基(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基)または芳香族基(アリール基、置換アリール基)である。Rは、脂肪族基であることが好ましく、アルキル基またはアルケニル基であることがさらに好ましい。
1で表される2価の連結基は、5又は6員環を2以上有する2価の連結基であるのが好ましく、2以上の環が、連結基で連結された構造を有するのがより好ましい。連結基の例については、L1及びL2が表す連結基の例や−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−などが挙げられる。
Zは、炭素原子数2〜20のアルキレン基を部分構造として有し、−O−、−S−、−CO−、−SO2−との組み合わせからなる2価の連結基を表し、アルキレン基は置換基を有していてもよい。前記2価の連結基の例としては、アルキレンオキシ基、ポリアルキレンオキシ基が挙げられる。Zが表すアルキレン基の炭素原子数は、2〜16であるのがより好ましく、2〜12であるのがさらに好ましく、2〜8であるのが特に好ましい。
1及びP2は、それぞれ独立に重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基を表す。前記重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−8)が挙げられる。即ち、重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基は、(M−8)のように、エテニル基のみからなる置換基であってもよい。
Figure 2012208397
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、水素原子またはメチル基が好ましい。上記式(M−1)〜(M−8)の中、(M−1)、(M−2)、(M−8)が好ましく、(M−1)又は(M−8)がより好ましい。特に、P1としては(M−1)が好ましい。またP2としては、(M−1)又は(M−8)が好ましく、環Aが第4級イミダゾリウムイオンである化合物では、P2は(M−8)又は(M−1)であるのが好ましく、及び環Aが第4級ピリジニウムイオンである化合物では、P2は(M−1)であるのが好ましい。
一般式(I)で表されるオニウム化合物は、下記一般式(I−1)及び(I−2)で表されるオニウム化合物が含まれる。
Figure 2012208397
一般式(I−1)及び(I−2)の各記号の定義は、一般式(I)中のそれぞれと同義であり;L3及びL4はそれぞれ独立に二価の連結基を表し;Y2及びY3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい6員環であり;mは1又は2を表し、mが2の場合、二つのL4および二つのY3は、互いに同一でも異なっていてもよく;pは1〜10の整数を表す。
3は、二価の連結基を表し、L3の例としては、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−、−O−CO−AL−CO−O−である。なお、ALは、炭素原子数が1〜10のアルキレン基を表す。L3は、単結合、−O−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−、−O−CO−AL−CO−O−が好ましく、単結合または−O−がさらに好ましく、−O−が最も好ましい。
4は、二価の連結基を表し、L4の例としては、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−NH−CO−、−CO−NH−である。L4は、単結合、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−NH−CO−、−CO−NH−が好ましく、単結合、−O−CO−、−CO−O−がさらに好ましく、−O−CO−、−CO−O−が最も好ましい。
2及びY3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい6員環を表し、6員環は、脂肪族環、芳香族環(ベンゼン環)および複素環を含む。脂肪族6員環の例としては、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環およびシクロヘキサジエン環などが挙げられる。芳香族環の例としては、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ビフェニル環、ピレン環などが挙げられる。6員複素環の例としては、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環などが挙げられる。また、6員環に他の6員環または5員環が縮合していてもよい。Y2及びY3は、シクロヘキサン環、ピリジン環、ピリミジン環、ベンゼン環が好ましく、ピリミジン環、ベンゼン環がさらに好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のアルキル基、炭素原子数が1〜12のアルコキシ基などが挙げられる。アルキル基およびアルコキシ基は、炭素原子数が2〜12のアシル基または炭素原子数が2〜12のアシルオキシ基で置換されていてもよい。アシル基は−CO−R、アシルオキシ基は−O−CO−Rで表され、Rは脂肪族基(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基)または芳香族基(アリール基、置換アリール基)である。Rは、脂肪族基であることが好ましく、アルキル基またはアルケニル基であることがさらに好ましい。
式(I−1)及び(I−2)中、少なくとも1つのY3は、置換されたベンゼン環であるのが好ましく、1以上のハロゲン基、アルキル基又はアルコキシ基を有するベンゼン環であるのがより好ましく、2以上のアルキル基又はアルケニル基を有するベンゼン環であるのがさらに好ましい。
mは1又は2の整数を表し、mが2の場合、二つのL4及び二つのY3は、異なっていてもよい。
p2pは、分岐構造を有していてもよい鎖状アルキレン基を表す。Cp2pは、直鎖状アルキレン基(−(CH2p−)であることが好ましい。
pは、1〜10の整数を表し、1〜5であることがさらに好ましく、1〜2であることが最も好ましい。
一般式(I)で表されるオニウム化合物は、下記一般式(I−3)及び(I−4)で表されるオニウム化合物が含まれる。
Figure 2012208397
一般式(I−3)及び(I−4)の各記号の定義は、一般式(I−1)又は(I−2)中のそれぞれと同義であり;R’は、置換基を表し;bは、1〜4の整数を表す。
R’の例は、一般式(I−1)又は(I−2)中のY2及びY3で表される6員環が有する置換基の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。即ち、R’はハロゲン基、アルキル基又はアルコキシ基であるのが好ましい。
bは、1〜4の整数を表し、1〜3であることがより好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2012208397
Figure 2012208397
Figure 2012208397
Figure 2012208397
Figure 2012208397
Figure 2012208397
一般式(I)のオニウム化合物は、一般に含窒素ヘテロ環をアルキル化(メンシュトキン反応)することで合成することができる。
(1)−2 液晶化合物
光学異方性層には、液晶化合物が含まれる。
前記光学異方性層の形成に用いられる液晶化合物は、棒状液晶性化合物であっても、ディスコティック液晶化合物であってもよい。中でも、ディスコティック液晶化合物が好ましく、トリフェニレン化合物、及びベンゼンの1、3及び5位が置換された3置換ベンゼン化合物が好ましく、特に、例えば、以下の式(X)を円盤状コアとして有する3置換ベンゼン化合物が好ましい。
Figure 2012208397
式(X)中、Rはそれぞれ式(X)の化合物が液晶性を示すために必要な有機置換基を表し、式(1)のR1、R2及びR3と同義である。
式(X)で表されるディスコティック液晶化合物は、高いΔn及び低い波長分散性を示すので、当該化合物の分子の配向を固定して形成された光学異方性層を有する光学フィルムは、液晶表示装置の光学補償フィルムとしての有用性が高い。中でも、式(X)のディスコティック液晶化合物の分子を、「垂直配向」や「逆ハイブリッド配向」に固定して形成された光学異方性層を有する光学フィルムは、液晶表示装置の光学補償フィルムとしての有用性が特に高い。
前記式(X)の化合物については、特開2002−90545号公報、特開2006−276203号公報、及び特願2009−68293号の明細書に詳細な記載があり、具体例についても同様である。
ディスコティック液晶性化合物は、重合により固定可能なように、重合性基を有するのが好ましい。例えば、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、但し、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。即ち、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012208397
式中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン又は窒素原子を表し;L1、L2及びL3は、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し;H1、H2及びH3は、それぞれ独立に一般式(I−A)又は(I−B)の基を表し;R1、R2及びR3は、それぞれ独立に下記一般式(I−R)を表す;
Figure 2012208397
一般式(I−A)中、YA1及びYA2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;*は上記一般式(1)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;**は上記一般式(1)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す;
Figure 2012208397
一般式(I−B)中、YB1及びYB2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;*は上記一般式(1)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;**は上記一般式(1)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す;
一般式(I−R)
*−(−L21−Q2n1−L22−L23−Q1
一般式(I−R)中、*は、一般式(1)におけるH1〜H3側と結合する位置を表す;L21は単結合又は二価の連結基を表す;Q2は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基(環状基)を表す;n1は、0〜4の整数を表す;L22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、**−NH−、**−SO2−、**−CH2−、**−CH=CH−又は**−C≡C−を表す;L23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す;Q1は重合性基又は水素原子を表す。
前記式(II)で表される3置換ベンゼン系ディスコティック液晶性化合物の各符号の好ましい範囲、及び前記式(II)の化合物の具体例については、特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0077]、特開2006-76992号公報の[0052]の[化13]〜[化43]、特開2007−2220号公報の[0040]の[化13]〜[0063]の[化36]の記載を参照することができる。但し、本発明に使用可能なディスコティック液晶性化合物は、前記式(II)の3置換ベンゼン系ディスコティック液晶性化合物に限定されるものではない。
また、ディスコティック液晶化合物の例にはトリフェニレン化合物が含まれ、トリフェニレン化合物としては、特開2007−108732号公報の段落[0062]〜[0067]に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、ディスコティック液晶化合物の例にはベンゼンの1、3位が置換された2置換ベンゼン化合物が含まれ、2置換ベンゼン化合物としては、特願2009−68293号の段落[0020]〜[0064]に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
その他、本発明に利用可能なディスコティック化合物の例には、ベンゼン誘導体(C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載)、トルキセン誘導体(C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載)、シクロヘキサン誘導体(B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載)及びアザクラウン系又はフェニルアセチレン系のマクロサイクル(J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)記載)が含まれる。
また、光学異方性層の形成に利用可能な棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。棒状液晶性化合物を重合によって配向を固定することがより好ましい。液晶性化合物には活性光線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有するものが好適に用いられる。その部分構造の個数は好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶性化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物を用いることができる。
光学異方性層中の液晶分子の配向状態については特に制限はないが、垂直配向状態又は逆ハイブリッド配向状態が好ましい。また、ディスコティック液晶分子を垂直配向や逆ハイブリッド配向させた時、ディスコティック分子の配向は、その円盤面と配向膜をラビング処理した方向が平行になるように配向(以下「平行配向」ともいう)する場合と、円盤面の法線方向とラビング方向が平行になるように配向(以下「直交配向」ともいう)する場合が考えられるが、「平行配向」になることがほとんどである。また実際の生産では連続生産が用いられるためにフィルム長尺方向に沿ってラビング処理が施されるのが一般的である。従って、長尺状の偏光子と長尺方向を一致させて貼り合わせることを考えた場合、「平行配向」ではなく、「直交配向」が望まれる。
(1)−3 フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体
フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体は、主に液晶化合物(例えば、前記一般式(1)で表されるディスコティック液晶化合物)の空気界面における配向を制御することを目的として添加され、ディスコティック液晶化合物の分子の空気界面近傍におけるチルト角を減少させる作用がある。
フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体は特開2008−257205号公報の[0051]〜[0052]に記載のフルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される構成単位と[0055]〜[0056]に記載のモノマーより誘導される構成単位とからなる共重合体(好ましい例[0054])、特開2008−257205号、特開2008−111110号、特開2007−272185号、及び特開2007−217656号の各公報に記載の化合物が挙げられる。
(1)−4 組成物の調製
光学異方性層は、液晶化合物、一般式(I)で表されるオニウム化合物を少なくとも含む組成物から形成される。組成物中、液晶化合物が主成分として用いられる。配合量については特に制限はないが、前記一般式(I)で表されるオニウム化合物、及びフルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体の各化合物のディスコティック液晶化合物に対する質量比を、乱れのない配向状態を得るために調整するのが好ましい。この観点では、式(I)のオニウム化合物の添加量は、液晶化合物100質量部に対し、0.5〜3質量部であるのが好ましく、1〜3質量部であるのがより好ましい。
一方、フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体を含む化合物の添加量は、液晶化合物100質量部に対し、0.2〜2.0質量部であるのが好ましく、0.3〜1.0質量部であるのがより好ましい。
前記フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体の添加量が、0.2質量部未満であると、熟成温度に対するチルト角の変動が大きくなり製造適性上好ましくないことがあり、また、乾燥時の風ムラにより面状が悪化することがある。2.0質量部を超えると、液晶化合物が配向不良を引き起こしやすくなることがある。
前記組成物は塗布液として調製することができる。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン)、炭化水素(例えば、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれ、アルキルハライド及びケトンが好ましい。前記有機溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種類を併用してもよい。塗布液の表面張力が25mN/m以下(より好ましくは22mN/m以下)であると、均一性の高い光学異方性層を形成できるので好ましい。
また、前記組成物は、硬化性であるのが好ましく、当該態様では、重合開始剤を含有しているのが好ましい。前記重合開始剤は、熱重合開始剤であっても光重合開始剤であってもよいが、制御が容易である等の観点から、光重合開始剤が好ましい。光の作用によりラジカルを発生させる光重合開始剤の例としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が好ましい。
また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、及びチオキサントン等が含まれる。光重合開始剤は複数種を組み合わせてもよく、使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。液晶化合物の重合のための光照射は紫外線を用いることが好ましい。
前記組成物は、重合性液晶化合物とは別に、非液晶性の重合性モノマーを含有していてもよい。重合性モノマーとしては、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が2以上の多官能モノマー、例えば、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレートを用いると、耐久性が改善されるので好ましい。前記非液晶性の重合性モノマーは、非液晶性成分であるので、その添加量が、液晶化合物に対して15質量%を超えることはなく、0〜10質量%程度であるのが好ましい。
(1)−5 光学異方性層の形成
前記光学異方性層の形成方法の一例は、以下の通りである。
配向膜のラビング処理面に、塗布液として調製された前記液晶化合物、一般式(I)で表されるオニウム化合物を少なくとも含有する組成物を塗布する。塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
前記組成物の塗膜を乾燥して、液晶化合物の分子を所望の配向状態にする。この際に、加熱することが好ましい。特に、50〜120℃で加熱すると、例えば、ディスコティック液晶化合物の分子を、逆ハイブリッド配向状態であって、しかも遅相軸をラビング方向に対して直交方向に発現させることができ、配向状態を安定的に形成することができる。50℃未満で加熱すると、配向に乱れが多くなり、一方、120℃を超えて加熱すると、逆ハイブリッド配向は得られても、遅相軸はラビング方向に対して平行に発現する配向状態になる傾向がある。70〜100℃で加温するのがさらに好ましい。また、加温する時間は、60〜300秒程度であるのが好ましく、90〜300秒程度であるのがより好ましい。
液晶化合物の分子を所望の配向状態とした後、重合により硬化させ、その配向状態を固定して、光学異方性層を形成する。照射する光は、X線、電子線、紫外線、可視光線または赤外線(熱線)を用いることができる。中でも、紫外線を利用するのが好ましい。光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)あるいはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)が好ましく用いられる。露光量は、50〜6000mJ/cm2程度であることが好ましく、100〜2000mJ/cm2 程度であることがさらに好ましい。短時間で配向を制御するためには、加熱しながら光を照射することが好ましい。加熱温度は、40〜140℃程度であることが好ましい。
この様にして形成する光学異方性層の厚みについては特に制限されないが、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。
(2)配向膜
本発明では、配向膜の材料として、変性又は未変性のポリビニルアルコールを使用する。垂直配向膜として公知の材料のみならず、水平配向膜として公知の材料から選択することもできる。変性又は未変性ポリビニルアルコールは、水平配向膜としても用いられているが、上記式(I)のオニウム化合物を光学異方性層形成用組成物中に添加することで、オニウム化合物と当該配向膜との作用、及びオニウム化合物と液晶化合物との作用等により、液晶分子を配向膜界面で垂直配向させることができる。変性ポリビニルアルコールの中でも、重合性基を有する単位を含む変性ポリビニルアルコールを含有する配向膜を用いると、光学異方性層との密着性をさらに改善できるので好ましい。ビニル部分、オキシラニル部分またはアジリジニル部分を有する基で、少なくとも一個のヒドロキシル基が置換されたポリビニルアルコールが好ましく、例えば、特許第3907735号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールが好ましい。
本発明で使用可能な配向膜は、ラビング処理を施されたラビング処理面を有する。本発明では、一般的なラビング処理方法を利用することができる。例えば、配向膜の表面を、ラビングロールで摺ることによって実施できる。長尺状のポリマーフィルムからなる支持体上に連続的に配向膜を形成する態様では、製造適性の観点では、ラビング処理の方向(ラビング方向)は、ポリマーフィルムの長手方向と一致しているのが好ましい。
(3)支持体
支持体については特に制限はない。種々のポリマーフィルムを用いることができる。一例は、透明で、光学異方性が小さいポリマーフィルムであるが、これに限定されるものではない。ここで支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。また、光学異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることを意味し、10nm以下であることがさらに好ましい。透明支持体は、長尺状であってロール形態に巻き上げられた形状であっても、最終製品の大きさである、例えば、長方形のシート状であってもよい。ロール状に巻き上げられた長尺のポリマーフィルムを、支持体として用い、配向膜及び光学異方性層を連続的に形成してから、必要な大きさに切断することが好ましい。
支持体として使用可能なポリマーフィルムの例には、セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、環状ポリオレフィン等のフィルムが含まれる。セルロースアシレートフィルムが好ましく、セルロースアセテートフィルムがさらに好ましい。セルロースアシレートフィルムを用いると、正面コントラストの低下がより抑えられる。
支持体として用いられるポリマーフィルム厚みについては特に制限はないが、一般的には、20〜500μmであることが好ましく、30〜200μmであることがさらに好ましい。
支持体用のポリマーフィルムは、溶液製膜法及び溶融製膜法のいずれの方法で製造されたフィルムであってもよい。セルロースアシレートフィルムについては、ソルベントキャスト法により製造されたフィルムが好ましい。また、透明支持体として用いられるポリマーフィルムには、その上に設けられる配向膜との接着を改善するため、表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理、ケン化処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
2.偏光板
本発明は、偏光膜と、本発明の光学フィルムとを少なくとも有する偏光板にも関する。本発明の偏光板の一態様は、偏光膜の一方の表面に本発明の光学フィルムが積層され、他方の表面に保護フィルムが積層された偏光板である。本態様では、本発明の光学フィルムの支持体の裏面(配向膜及び光学異方性層が形成されていない側の面)が、偏光膜の一方の表面に貼合されているのが好ましい。他方の表面に貼合される保護フィルムについては特に制限はなく、上記支持体として利用可能なポリマーフィルムの例から選択するのが好ましい。保護フィルムの好ましい一例は、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロースアシレートフィルムである。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜があり、本発明にはいずれを使用してもよい。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
長尺状の偏光膜と、長尺状の本発明の光学フィルムとを、連続的に貼合して、偏光板を作製することができる。光学フィルムの製造において、支持体の長手方向に沿ってラビング処理をすることが製造適性の観点では好ましいことは上記した通りである。本発明の光学フィルムでは、光学異方性層の遅相軸はラビング方向に直交する方向にあり、即ち、長手方向に対して直交した方向にある。よって、長尺状の偏光膜と貼り合せる際に、長手方向を一致させて本発明の光学フィルムを積層することで、光学異方性層の遅相軸と、偏光膜の吸収軸とが直交した偏光板を、容易に連続的に作製することができる。
3.液晶表示装置
本発明は、本発明の偏光板を有する液晶表示装置にも関する。本発明の光学フィルムは、TN型液晶表示装置の光学補償に適している。従って、本発明の液晶表示装置の好ましい態様は、TN型液晶表示装置である。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置とについては、従来からよく知られている。液晶セルのΔn・dは300〜500nm程度である。本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムを、液晶セル側にして配置されるのが好ましい。光学補償に利用される光学異方性層中にマクロな乱れがあると、それは例えば、液晶表示装置の正面コントラストの低下の一因となる。本発明の光学フィルムが有する光学異方性層は、ディスコティック液晶分子の逆ハイブリッド配向を固定した層であるので、正ハイブリッドを固定した層と比較して、マクロな配向乱れが非常に小さい。よって、本発明によれば、液晶表示装置の正面コントラストを低下させることなく、本発明の光学フィルムにより十分な光学補償を達成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
1.光学フィルムの作製
(1)透明支持体の作製
<支持体の準備>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアシレート溶液組成(質量部) 内層 外層
────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアシレート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション上昇剤 1.3 1.3
────────────────────────────────────
Figure 2012208397
得られた内層用ドープ及び外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、−10℃に冷却したドラム上に流延した。セルロースアシレート100質量部に対し、残留溶剤量が290質量部のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を115%として搬送しながら給気温度70℃で乾燥させ、残留溶剤量が40質量部となったところで、給気温度140℃で乾燥させた。その後、給気温度140℃の温度で10分間乾燥し、残留溶剤が0.2質量%のセルロースアシレートフィルム(外層膜厚:3μm、内層膜厚:74μm(総膜厚:80μm)、長さ:2000m、幅:1490mm)を作製した。
作製したセルロースアシレートフィルムについて、エリプソメータ(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長632.8nmにおける面内方向のレターデーション値(Re)および厚み方向のレターデーション値(Rth)を測定した。遅相軸は搬送方向に直交であり、Reは15nm、Rthは100nmであった。
(アルカリ鹸化処理)
セルロースアシレートフィルムを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを作製した。
────────────────────────────────────
アルカリ溶液組成
────────────────────────────────────
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
────────────────────────────────────
この様にして作製したセルロースアシレートフィルムを支持体として用いた。
(2)配向膜の形成
上記作製した支持体の、鹸化処理を施した面に、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を形成した。
────────────────────────────────────
配向膜形成用塗布液の組成
────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
光重合開始剤(イルガキュアー2959、チバ・ジャパン製) 0.3質量部
────────────────────────────────────
Figure 2012208397
形成した配向膜の表面に、フィルムの長手方向に沿ってラビング処理を行った。
(3)光学異方性層の形成
下記組成の光学異方性層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布量4ml/m2で塗布した。下記表に示す熟成温度で120秒間加熱し、液晶化合物を配向させた。その後、その温度を維持して、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光長1.6m)により、照度600mW/cm2の紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させ、液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の光学フィルムを得た。
────────────────────────────────────
光学異方性層塗布液組成
────────────────────────────────────
下記表に示す液晶化合物 100.0質量部
下記表に示すオニウム化合物 下記表に示す質量部
下記表に示すフルオロ脂肪族基を有する
繰り返し単位を含む共重合体 下記表に示す質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3.0質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 341.8質量部
────────────────────────────────────
(4)光学フィルムの評価
(4)−1 配向評価
作製した各光学フィルムについて、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶化合物分子のチルト角、及び空気界面のディスコティック液晶化合物の分子のチルト角をそれぞれ測定した。下記表に結果を示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表し、水平とは、チルト角0°〜30°を表す。上記以外の範囲については、測定角度を示す。
また、各光学フィルムについて、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて、前記方法に従って、光学異方性層の遅相軸の方向を決定した。
下記表に、光学異方性層の遅相軸と配向膜のラビング方向との関係を示す。
(4)−2 密着性評価
作製した各光学フィルムの液晶層を有する側の表面に、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れて、合計100個の1mm四方の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ「No.31B」を圧着して、密着試験を行った。剥がれの有無を目視で観察し、下記の4段階評価を行った。
◎:100個の升目中に剥がれが全く認められなかったもの
○:100個の升目中に剥がれが認められたものが2升以内のもの
△:100個の升目中に剥がれが認められたものが3〜10升のもの
×:100個の升目中に剥がれが認められたものが10升を超えたもの
結果を下記表に示す。
2.液晶表示装置の作製と評価
(1)偏光板の作製
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒間浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒間浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した。その後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光膜を得た。
市販のセルロースアセテートフィルムを1.5モル/Lで、55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、0.005モル/Lで35℃の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し、希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
前記の方法で作製した光学フィルムと、鹸化処理を行った市販のセルロースアセテートフィルムとを組み合わせて前記の偏光膜を挟むようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合せて偏光板を得た。ここで、光学フィルムの光学異方性層が、外側にくるように配置した。また市販のセルロースアセテートフィルムとしてはフジタックTF80UL(富士フイルム(株)製)を用いた。このとき、偏光膜及び偏光膜両側の保護膜はロール形態で作製されているため各ロールフィルムの長手方向が平行となっており連続的に貼り合わした。従って光学フィルムのロール長手方向(セルロースアセテートフィルムの流延方向)と偏光子吸収軸とは平行な方向となった。
(2)TNモード液晶表示装置の作製
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AL2216W、日本エイサー(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板を、光学フィルムが液晶セル側となるように、即ち、光学異方性層を最も液晶セル側にして、粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。このとき、観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とを直交にして配置した。
(3)TNモード液晶表示装置の評価
作製した液晶表示装置について、輝度計(TOPCON製BM−5)を用いて、正面の黒状態の輝度、および白状態の輝度を測定し、正面コントラストを算出した。正面コントラストを以下の基準で評価した。
◎:1200以上2000未満
○:800以上1200未満
△:400以上800未満
×:400未満
結果を下記表に示す。
また、上下左右方向の視野角特性を評価した。具体的には、黒表示時の上下左右視野角コントラストを測定機(Ez−contrast160D、ELDIM社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎・・・CR>10となる上下左右の極角の和が350以上
○・・・CR>10となる上下左右の極角の和が250以上350未満
△・・・CR>10となる上下左右の極角の和が150以上250未満
×・・・CR>10となる上下左右の極角の和が0以上150未満
結果を下記表に示す。
Figure 2012208397
Figure 2012208397
Figure 2012208397
Figure 2012208397
Figure 2012208397
上記表に示す結果から、所定の式(I)で表されるオニウム化合物を用いた実施例1〜24はいずれも、光学異方性層と配向膜との間の密着性に優れていることが理解できる。
特に、液晶化合物として3置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物を用いた実施例1〜10、及び実施例13〜21では、逆ハイブリッド配向であるとともに、遅相軸をラビング方向に対して直交方向に発現する光学異方性層が得られたことが理解できる。
一方、重合性基を有してない、又は片末端のみにしか有してない、式(I)の範囲外のオニウム化合物(CI−1〜CI−5)を利用した比較例1〜5、及び比較例8〜9では、実施例と比較して、光学異方性層と配向膜との密着性が顕著に劣っていることが理解できる。
オニウム化合物を全く添加していない比較例6及び7では、密着性が実施例と同様に高かったことを勘案すると、オニウム化合物を添加すると、該オニウム化合物が配向膜界面近傍に偏在し、そのことが光学異方性層と配向膜との密着性を低下することの一因であると推測できる。一方で、オニウム化合物の配向制御能を活用するためには、配向膜近傍に偏在させたりすることが必要である。オニウム化合物を配向膜側界面制御剤に利用した従来技術では、安定的に逆ハイブリッド配向状態を得ることと、光学異方性層及び配向膜間の高い密着性を得ることを、同時に達成するのは困難であったと言える。
本発明の実施例によれば、従来のオニウム化合物を用いた比較例では困難である、逆ハイブリッド配向状態の安定的な形成と、光学異方性層及び配向膜間の高い密着性の双方を同時に達成している。
また、上記表に示す結果から、実施例1〜10、及び実施例13〜21では、逆ハイブリッド配向状態を固定してなる光学異方性層を有する光学フィルムを液晶表示装置の光学補償に利用しているので、光学フィルムによる正面CRの低下の影響をほとんど受けずに、視野角が補償されていることが理解できる。
なお、実施例11、及び実施例22〜24は、逆ハイブリッド配向状態を達成できなかったので、TNモード液晶表示装置の視野角補償フィルムとしては適切でなかった。
また、比較例7は、配向膜界面側で水平配向し、空気界面側で高いチルト角で配向した正ハイブリッド配向状態を固定してなる光学異方性層を有する液晶表示装置の光学補償に利用しているので、正面CRが逆ハイブリッド配向状態の実施例と比較して低かった。
参考例:
配向膜としてポリイミド膜を用いた以外は、実施例8と同様にして光学異方性層を形成し、光学フィルムを得た。しかし、液晶分子の配向が乱れ、所望の配向状態を得られず、また光学異方性層と該配向膜との密着性も劣っていた。この結果から、配向膜として変性ポリビニルアルコール、特に重合性基を有する繰り返し単位を有する変性ポリビニルアルコールを主成分とする配向膜を利用するのが好ましいことが理解できる。
1 支持体
2 配向膜
3 光学異方性層

Claims (15)

  1. 支持体とラビング処理された配向膜と液晶化合物を含む光学異方性層とをこの順で有する光学フィルムであって、
    前記光学異方性層が、少なくとも1種の下記一般式(I)で表されるオニウム化合物を含むことを特徴とする光学フィルム:
    Figure 2012208397
    一般式(I)中、環Aは含窒素複素環の第4級アンモニウムイオンを表し;Xはアニオンを表し;L1は二価の連結基を表し;L2は単結合又は二価の連結基を表し;Y1は5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基を表し;ZはC220のアルキレン基を部分構造として有する2価の連結基を表し;P1及びP2はそれぞれ独立に重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基を表す。
  2. 前記少なくとも1種の一般式(I)で表されるオニウム化合物が、下記一般式(I−1)又は(I−2)で表される化合物である請求項1に記載の光学フィルム:
    Figure 2012208397
    一般式(I−1)及び(I−2)の各記号の定義は、一般式(I)中のそれぞれと同義であり;L3及びL4はそれぞれ独立に二価の連結基を表し;Y2及びY3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい6員環であり;mは1又は2を表し、mが2の場合、二つのL4および二つのY3は、互いに同一でも異なっていてもよく;pは1〜10の整数を表す。
  3. 前記少なくとも1種の一般式(I)で表されるオニウム化合物が、下記一般式(I−3)又は(I−4)で表される化合物の少なくともいずれかである請求項2に記載の光学フィルム:
    Figure 2012208397
    一般式(I−3)及び(I−4)の各記号の定義は、一般式(I−1)及び(I−2)中のそれぞれと同義であり;R’は、置換基を表し;bは1〜4の整数を表す。
  4. 前記配向膜が、変性又は未変性ポリビニルアルコールを主成分として含有する膜である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記光学異方性層が、さらに、少なくとも1種のフルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記液晶化合物の分子の配向膜側チルト角が、空気界面側チルト角より大きい配向状態に固定される請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 前記光学異方性層の遅相軸方向が、前記配向膜のラビング方向と直交する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 前記液晶化合物が、ディスコティック液晶化合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 前記ディスコティック液晶化合物が、下記式(X)を円盤状コアとして有するディスコティック液晶化合物である請求項8に記載の光学フィルム:
    Figure 2012208397
    式(X)中、Rはそれぞれ式(X)の化合物が液晶性を示すために必要な有機置換基を表す。
  10. 前記オニウム化合物の添加量が、前記液晶化合物100質量部に対し、0.5〜3質量部である請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  11. 前記フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体の添加量が、前記液晶化合物100質量部に対し、0.2〜2.0質量部である請求項5〜10のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  12. 偏光膜と、請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学フィルムと、を少なくとも有する偏光板。
  13. 請求項12に記載の偏光板を少なくとも有する液晶表示装置。
  14. TNモードである請求項13に記載の液晶表示装置。
  15. 下記一般式(I)で表されるオニウム化合物を含むことを特徴とする垂直配向剤:
    Figure 2012208397
    一般式(I)中、環Aは含窒素複素環の第4級アンモニウムイオンを表し;Xはアニオンを表し;L1は二価の連結基を表し;L2は単結合又は二価の連結基を表し;Y1は5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基を表し;ZはC220のアルキレン基を部分構造として有する2価の連結基を表し;P1及びP2はそれぞれ独立に重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基を表す。
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