JP2012241292A - 薄くて軽い保温性不織布 - Google Patents

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雄一郎 表
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秀樹 河端
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Abstract

【課題】本発明は、薄くて軽く柔軟性に富み、高い保温性効果を奏する不織布であり、衣料用材料、生活資材、工業用資材等広く適用が可能な超薄型保温性不織布を提供することを目的としている。
【解決手段】目付が50g/m以下、厚みが0.3mm以下の不織布の片面に金属層が形成されており、該不織布の保温性(前記金属層を非熱側として計測)が20%以上であることを特徴とする薄くて軽い保温性不織布である。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄くて軽く保温性に富んだ、衣料用資材、生活資材、工業用資材などに広く適用が可能な保温性不織布に関する。
従来、不織布に金属層を設けることによって、保温あるいは断熱と言った効果を有する材料が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3)。
例えば、特許文献1の場合、掛け布団、こたつ布団、膝掛け等の寝装・生活資材用途、若しくはダウンジャケットなど衣料用途に好適な、熱反射効果と断熱空気層の効果を有し、軽量かつコンパクトな布帛積層体を開示している。
特許文献2の場合は、不織布等の材料の表面を熱可塑性樹脂組成物で被覆し、その片面に金属層を形成したもので、例えば帆布のような構造体であり、テント、野積みシート、トラックの幌材の用途に使用ができると記載されている。
特許文献3の場合は、薄地の不織布一枚でも十分な保温性が得られ、軽量化が可能であり、かつ柔軟性に優れ、衣服や布団の中綿として用いるもので見掛けの厚さが4mmのものが記載されている。
特開2004−338169号公報 特開平11−200240号公報 実用新案登録第3120571号公報
この様に、従来の不織布に金属層を設けることによって、保温あるいは断熱と言った効果を有する材料は、軽量化コンパクト化は達成されているが、ある程度まで薄くすると、保温性がなくなるといった問題が生じ、保温性を低下させないで薄くする面においては、まだまだ改良の余地があった。
本発明は、かかる事情を背景として充分な保温性を有し、かつ薄い不織布の提供を課題として掲げた。
上記課題を解決するための手段、即ち本発明の構成は、目付が50g/m以下、厚みが0.3mm以下の不織布の片面に金属層が形成されており、該不織布の保温性(前記金属層を非熱板側として計測)が20%以上であることを特徴とする薄くて軽い保温性不織布である。
本発明の不織布は、金属層が形成されている面の光沢度のタテとヨコの平均値が9%以上であることが好ましい。
本発明の不織布は、サーマルボンド法によって形成されていることが望ましい。
本発明の不織布は、金属層が形成されている面の赤外線反射率が50%以上であることが好ましい。
本発明の不織布は、金属層が形成されている面の赤外線透過率が25%以下であることが好ましい。
本発明の不織布は、金属層が物理的蒸着法によって形成されていることが好ましい。
本発明の不織布は、少なくとも5質量%以上のポリフェニレンサルファイドからなることが望ましい。
本発明の不織布は、金属層を形成する金属がアルミニウムであることが望ましい。
本発明は、上記構成によって、片面に設けた金属層の面で、赤外線を好ましくは50%以上反射することができ、生地自身が紙の如く薄くてしなやかな形状を有しており、薄いにもかかわらず保温性が高く、軽くて柔軟性があるので、衣料用資材、生活資材、工業用資材など特に保温材として幅広く適用が可能な資材を提供することができる。
まず、本発明で使用する不織布について具体的に説明する。
本発明の不織布は、特に限定されるものではないが、スパンボンド不織布、トウ開繊不織布、メルトブロー不織布、抄紙法による不織布、カード機による不織布などが例示できるが、前記するカード機による不織布をサーマルボンドするのが、本発明の特徴である超薄型の不織布を形成する上で最も好ましい。
本発明に言うサーマルボンド法とは、少なくとも一部に熱可塑性の合成繊維を用いて、繊維ウエブを作り、熱で熱可塑性繊維を溶融させて繊維同士を結合させることによりウエブの形状を固定させる方法である。特にゴムローラーやペーパーローラー、金属ローラーなどの熱ロールカレンダーを用いて熱処理させることにより、超薄型で尚且つ、表面が均一になり、金属層の面での光沢度や赤外線の反射率が上がり、一方では赤外線の透過率が下がって、より効果的に保温性が向上する。
本発明の不織布を形成する合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維およびポリフェニレンサルファイド繊維を挙げることができる。合成繊維は、単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。これらの中でも、ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維の組み合わせがペーパライクな超薄型不織布を達成する上で特に好ましい。一方、天然繊維や再生繊維、半合成繊維を用いた場合、素材の持つ吸湿性により物理蒸着工程時に必要となる真空化が難しく、その結果、蒸着が出来なかったり、金属薄膜の接着性が不十分になったりする。しかし真空化を大きく阻害しない程度の混用は可能である。
本発明では、不織布の平滑性を高めるため、柔軟性を高めるため、及び不織布の成形性を向上させるために、熱融着性繊維を混綿することが好ましい。熱融着性繊維の融点は、混綿する融点の高い方の合成繊維より30℃以上融点が低い繊維を使用することが好ましい。しかし、紡糸性や消費性能から100℃以上のものを用いるのが好ましい。また、融点の高い合成繊維とそれより融点の低い合成繊維の使用比率は、任意に取ることができるが、実用上、重量比で95:5から30:70が好ましい。より好ましくは90:10から60:40である。また、熱融着性繊維は、融点の低い合成繊維単独からなる単相形態の繊維であっても、低融点成分と高融点成分とからなる複合繊維であってもよい。複合形態としては、芯鞘型複合形態や、サイドバイサイド型複合形態等が挙げられる。
複合繊維を用いた場合、骨格成分と熱接着成分との組合せ(高融点成分/低融点成分)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエステル共重合体、PET/ポリオレフィン系重合体、ポリアミド系重合体/ポリオレフィン系重合体、ポリプロピレン/ポリエチレン等が例示される。
これらの複合繊維を用いても低融点成分は、得られる不織布表面の平滑性を高めることや柔軟性を高める効果がある。
本発明の不織布の目付は、本発明の目的とする超薄型で軽い上に保温性を持たせる上で重要である。目付けは、5〜50g/mとするのが好ましい。より好ましくは30g/m以下である。50g/mより大きいと、衣料用資材や工業資材等に用いる場合、風合いが硬くなったり、成形性が低下する。5g/mより少ないと不織布が薄くなり過ぎて、保温性が低下する。
本発明の不織布を構成する単繊維の繊度は、ポリエステル繊維の場合、特に限定されないが、0.5〜7dtexであることが好ましく、1〜5dtexとすることが特に好ましい。単繊維の繊度が0.5dtexを下回ると不織布の形態保持性に影響がでてくる。また、7dtexを上回ると不織布のゴワゴワ感が顕著になってくる。
本発明の不織布の厚みの範囲としては、0.3mm以下にすることが、本発明の超薄型形状でありながら保温性を達成する上で重要であり、好ましくは0.2mm以下、更に好ましくは0.15mm以下である。
次に、前記不織布の片面に形成する金属層について説明する。
不織布の少なくとも片面に金属膜を形成することにより、赤外線反射率を高め、透過率を下げる。その結果、保温性を向上させることができる。
前記金属膜を形成する金属としては、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、金、銀、銅、スズ、プラチナ、クロム、ニッケル或はこれらの合金などがあげられるが、好ましくは波長1.0μmの赤外線における金属膜の反射率が93%以上の金属が好ましく用いられる。93%未満では十分な保温性を得ることが難しい。金属膜の反射率は、例えば新版物理定数表(朝倉書店、1988年)等に挙げられている。これらの金属は単独使用しても良く、2種以上の組み合わせにより使用することもできる。中でも、コスト、安全性、蒸着加工の安易性等を考えると、アルミニウム単独もしくはアルミニウムとその他の金属を組み合わせた合金が好ましい。尚、合金の場合は金属膜の厚み方向に合金組成比を変更した傾斜組織とすることもできる。
形成する金属膜の厚みは、10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、500nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましい。厚みが薄くなり過ぎると、赤外線反射および遮蔽による保温効果、実使用における耐久性が不十分になる場合がある。また、厚みが厚くなり過ぎると、基材不織布の風合いや通気度の悪化につながり、なおかつ金属の変色等の現象も起こりやすくなる。
本発明において、前記金属膜は、物理蒸着法により形成される。物理蒸着法を採用することにより薄く均一に金属層が形成され、赤外線反射および遮蔽による保温性を得ることが出来る。前記物理蒸着法としては、真空蒸着、分子線蒸着、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着などの蒸発系の方法と、スパッタリング系の方法が挙げられる。これらの中でも、生産効率の良さから、蒸発系の方法が好ましい。
無電解メッキ法などのメッキ処理により、生地全面に金属膜を形成する方法もあるが、これらの場合、不織布の内部にも金属の一部が侵入した厚い金属膜が形成されるため、風合いが硬くなり、特殊用途向けに制約される。
また、前記金属膜に、抗菌性や消臭性などのその他の機能を組み合わせても良い。
また、前記金属膜と不織布との間にさらに樹脂層を有することにより、不織布と金属膜との接着性を向上させ、摩擦耐久性などを良くする事も可能である。これらは、前記金属膜を物理蒸着法により形成する前に、不織布に樹脂層を形成する加工を施すことで可能となる。
前記接着性を向上させるために用いられる樹脂は、不織布の素材と金属膜との接着性に優れているポリマーを選択すればよい。例えば、ポリエステルを素材とする不織布の場合は、アクリル系樹脂、親水性を高めたエステル系樹脂、およびエステル系ウレタン樹脂などが好ましい。また、ナイロンを素材とする不織布の場合は、ウレタン樹脂やポリアミド樹脂などが好ましい。前記樹脂は、水性媒体に分散させた水分散液(エマルジョン、ディスパージョン)または水溶液(以下、これらを単に「水性液」という場合がある)、あるいは、有機溶剤に溶解または分散した溶液または分散液として使用することが好ましい態様であり、水性液として使用することがより好ましい態様である。
また、水性液を使用する場合、水性液には界面活性剤が添加されている場合がある。この場合、添加されている界面活性剤は、樹脂層形成後に水洗工程により除去されることが好ましい態様である。界面活性剤を除去することにより、不織布上に金属膜をより均一に形成することができる。
接着性をより向上する目的で、不織布にプラズマ処理やコロナ処理のような放電照射により、不織布表面を活性化する方法を用いてもよい。
本発明では無電解メッキ法などのメッキ処理で金属層を形成しても構わないが、メッキ法だと片面のみに処理するのに工夫がいる。そして、基材内部にも金属の一部が侵入した厚い金属膜が形成されて光の反射および透過特性が低下しやすい傾向にある。
不織布上に金属層を物理蒸着法により形成する場合、原料となる繊維および不織布製造工程における油剤が接着性に対し悪影響を及ぼすため、これらを除去した後、蒸着を行う必要性があるが、スパンボンド不織布の場合にあっては、油剤処理等の工程を経ることなくそのままシート化されるので、さらに接着性が向上することが判明している。
本発明の不織布の金属層が形成されている面の赤外線反射率は50%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上である。赤外線反射率は本発明不織布の基本性能としての保温性を示す指標でもあり、赤外線反射率が50%未満であると保温性能が低下してくる。
また本発明では非常に平滑な表面を作り、その面に金属層を設けることが重要である。不織布表面が平滑であることで非常に薄い不織布であっても、高い保温性を得ることが可能となる。平滑性の指標として本発明では金属層を設けた面の光沢度(タテとヨコの平均値)を採用する。光沢度は9%以上とするのが良く、好ましくは10%以上、更に好ましくは12%以上、特に15%以上とするのが良い。平滑性が大きくなるほど赤外線反射率が大きくなり、同時に保温性能が向上することになる。不織布の保温性からみると光沢度100以上でもかまわないが、鏡面にまで光沢度を上げるには繊維を完全に潰す必要があり、保温性や不織布物性、風合いが低下してしまうため、実用的には50以下が好ましい。
ここで本発明の不織布の例として、サーマルボンド不織布の製造方法ならびに平滑性を付与する方法を説明する。まず不織布の製造工程として、繊維を混綿し、次いでカーディングを行なって不織布ウエブを作成する。その後加熱することで繊維の一部を溶融させて不織布を熱接着させる。本発明では不織布の少なくとも片面を非常に平滑にする必要があるので、加熱は熱ローラで熱圧着する方法が好ましく用いられる。
本発明に用いる繊維は、合成繊維と、それより低融点の前記する熱融着繊維を混用して用いることが好ましいが、混綿の方法及びカードの方法は合成繊維の混合繊維をカーディングできるものであれば任意に用いることができる。
前記の不織布を熱圧着する際は、上記不織布を加熱シリンダーと冷却シリンダーとの間で圧力40〜1000N/cmでプレスして低融点成分と高融点成分を融着一体化させ、続いて冷却シリンダーを通して冷却、固定化することが好ましい。加熱シリンダー処理時に不織布に適度な温度、圧力が加わることで、不織布表面がアイロン掛けしたような状態となり平滑性が向上する。熱プレス後の不織布表面は、加熱シリンダーを通した面の方が平滑性が高くなるため、金属層はより光沢のある加熱シリンダーの面に施すのが好ましい。このとき、フッ素樹脂でコーティングされたガラスクロスベルトで挟んで加熱シリンダーに巻回して走行させながら加熱したり、過熱シリンダーにフッソ樹脂コーティングすることで、溶融成分が熱シリンダーに付着せずに加工が円滑に行われるので好ましい。
上記プレス時の圧力は、40〜1000N/cmが好ましく、より好ましくは80〜800N/cm、さらに好ましくは120N/cm以上である。この圧力が40N/cm未満では溶融成分の溶け込みが不十分となるだけでなく、不織布表面の平滑効果が不足する。また1000N/cmを超えると不織布が硬化して柔軟性が低下してしまう。
なお、加熱シリンダーによる不織布の加熱温度は、不織布中の低融点成分が溶融する温度以上であり、高融点成分の融点未満の温度とする。好ましくは融点のより低い繊維の融点より10℃高い温度と、融点の高い合成繊維の融点より10℃低い温度との間の温度で行なうことが好ましい。加熱シリンダーによる加熱温度が低過ぎると、上記溶融成分の溶け込みに長時間を要し、またプレス圧力を大きくする必要が生じ、反対に高過ぎると、溶融樹脂の劣化や不織布の強神度が低下しやすい。
また、別に金属層を形成させる前後でカレンダー加工やエンボス加工を施す事により、さらに不織布表面の平滑性を向上させてもよい。
本発明の不織布の金属層が形成されている面の赤外線透過率は好ましくは25%以下、更に好ましくは20%以下、特に10%以下である。赤外線透過率は本発明不織布の基本性能としての保温性を示す指標でもあり、赤外線透過率が25%を超えると保温性能向上に影響が出てくる。
これらの薄くてソフトで柔軟性に富んだ保温性不織布は、それらの特長により様々な用途に適用する事が可能である。例えば、衣料用資材としては、ダウンウェアに用いられるダウンパック材に用いたり、ジャケットやパンツの表地と裏地の間に積層させたり、スーツ用の芯地用材料に用いたりする事ができる。また、防水衣や防寒衣として用いられるコーティング生地、ラミネート生地の裏面に貼り付けたり、ボンディング生地の中間層に用いたりする事も可能であり、この事により衣料用資材の風合いを損ねる事なく保温性を向上させる事が可能である。
生活資材としては、布団等の綿と生地の中間層に用いたり、積層カーテンの中間層に用いたり、椅子やベッド、クッション等のクッション材と表生地の中に積層させたりする事により保温性を向上させる事や、缶、瓶、紙、プラスチック等で作られた包装材料と重ねたり貼り合わせたりする事も可能である。このように他の保温材と組み合わせにより、カイロ用カバーやペットボトルホルダー等の保温用グッズに用いる事も可能である。
また、本発明の不織布は成形性が良好なため、不織布単体のみならず、フィルムや各種プラスチック樹脂と積層したり、貼付けたりして産業用資材に用いることができる。電子機器では基板や筐体に用いたり、工業資材や土木建築資材としては、自動車、電車、飛行機等の内装材に用いたり、機械等の保温シートとして用いたり、床材や壁材の断熱材料として用いる事も可能である。また、緊急時に備えた携帯用のエマージェンシーシート等に用いても非常に有用である。また、高い赤外線反射率を利用して遮熱シート等の用途に用いてもかまわない。
以下、具体的な実施例に基づいて本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではなく、前、後記の趣旨に適合する範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。なお、実施例において用いた測定方法は下記のとおりである。
(不織布の目付)
JIS−L−1096 8.4.2「織物の標準状態における単位面積当たりの質量」に準拠して測定した。
(不織布の厚み)
JIS−L−1096 8.5.1「織物の厚さ」に準拠して測定した。
(保温率の測定方法)
カトーテック社製のサーモラボIIを用い、20℃、65%RH環境下で、BT−BOXのBT板(熱板)を30℃(人の皮膚温度を想定)に設定し、その熱板の上に金属層側を非熱板側として、試料を置き、熱移動量が平衡になったときの消費電力量Wを測定する。また、試料を置かない条件での消費電力量W0を計測する。これらの消費電力量から以下に示す式により保温率を求めた。
保温率(%)=((W0−W)/W0)×100
BT板は、10cm×10cmのサイズであるが、測定試料は20cm×20cmのサイズとする。測定方法としてドライコンタクト法を用いた。尚、測定試料は不織布の金属蒸着層が形成されていない面を熱板側にセットして測定を行った。
(赤外線透過率/反射率)
分光光度計(島津 UV−3100PC)により、780nm〜2600nmの波長域の透過率を測定した。光度計に取付けた積分球付属装置はISR−3100積分球内径60mmφ、標準白板は硫酸バリウムを使用した。試料を積分球付属のサンプルホルダーに取付けるために、タテ6cm×ヨコ3cmの長方形の中央にタテ2.5cm×ヨコ1cmの長方形スリットを切り抜いた厚紙を2枚用意した。シートサンプルをタテ6cm×ヨコ3cmに切り取って、用意した2枚の厚紙に挟み込んでからサンプルホルダーに取り付けた。そのサンプルホルダーを積分球の入射光側の透過率測定用の取付け位置に、不織布の金属膜形成面を分光光度計の光源側に向けて取付けて測定を行った。尚、このスリットを切り抜いた厚紙を使う目的は、サンプルにシワがよって測定値の精度低下を防ぐためである。同じ試料からサンプルを3個作成し、3個の測定データの平均値で評価した。
(光沢度)
JIS Z8741 鏡面光沢度―測定方法に準拠して測定した。
(株)村上色彩技術研究所製 光沢計GMX−203を使用した。測定は0校正ボックスの上に設置して測定角60°で測定した。不織布の長手方向(タテ)及び幅方向(ヨコ)を、それぞれn=3で測定して各方向の平均値とした。本発明ではタテとヨコの平均値を光沢度として採用した。
(通気度)
JIS−L−1096 A法(フラジール形法)に準拠して測定した。
風合い(柔軟性)
風合の熟練者により不織布の曲げ柔らかさを下記の4ランクで官能評価した。
◎ 非常に良好、 ○ 良好、 △ 普通、 × 悪い
風合い(剛軟度)
JIS−L−1096 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定した。
《実施例1》
4dtex×38mmの熱融着性ポリエステル繊維(低融点成分の融点200℃)と2.2dtex×51mmのポリフェニレンサルファイド繊維(融点 282℃)とを目付27g/m2になるように混綿して繊維ウェブを形成した後、ゴムロールカレンダー(温度:205℃ 圧力:200N/cm)およびペーパーロールカレンダー(温度:190℃ 圧力600N/cm)を通して熱処理を行い、サーマルボンド不織布を作製した。(加工速度 16m/分)この不織布を、株式会社アルバック製イオンビーム蒸着機にセッティングし、真空環境下(真空度3.0×10−4Torr)アルミニウムの蒸着量を調整して走行速度 100m/分で蒸着処理を行い、金属層形成不織布を作製した。基材の前後に付けたポリエステル系リードフィルムの蒸着後のOD(オプティカルデンシティ)値をマクベス社製マクベス濃度計TR−927を用いて、透過法で測定しその値から換算して蒸着品の金属アルミニウムの積層厚みは約60nmと推定した。
この不織布の評価結果を表1に示す。
《実施例2》
実施例1のポリフェニレンサルファイド繊維を、1.5dtex×51mmのレギュラーポリエステル繊維(融点260℃)に変更した以外は、実施例1と同様の処方で金属層形成不織布を作製した。
この不織布の評価結果を表1に示す。
《実施例3》
4dtex×38mmの熱融着性ポリプロピレン繊維(低融点成分の融点 165℃)と1.5dtex×51mmのレギュラーポリエステル繊維を用い熱処理条件としてゴムロールカレンダー(温度:190℃ 圧力:200N/cm)およびペーパーロールカレンダー(温度:160℃ 圧力600N/cm)とした以外は、実施例1と同様の処方で金属層形成不織布を作製した。
この不織布の評価結果を表1に示す。
《実施例4》
4dtex×38mmの熱融着性ポリプロピレン繊維と1.4dtex×51mmのレギュラーナイロン6繊維(融点 225℃)を用い熱処理条件としてゴムロールカレンダー(温度:190℃ 圧力:200N/cm)およびペーパーロールカレンダー(温度:160℃ 圧力600N/cm)とした以外は、実施例1と同様の処方で金属層形成不織布を作製した。
この不織布の評価結果を表1に示す。
《実施例5,6》
常法により、ポリエステルを紡糸機に供給し、溶融押し出しした長繊維を、冷却しつつエジェクターにて3500〜4500m/分の速度で引き取り、下方を移動する引取りネット上に均質に開繊振り落として、表1に示すそれぞれの目付けのウェッブを形成してスパンボンド不織布を得た。ウェッブ中の単繊維の繊度は2dtexであった。これらの不織布を用いて、実施例1と同様の処方で金属層形成不織布を作製した。
これらの不織布の評価結果を表1に示す。
《比較例1、2》
金属膜を形成する工程を省く以外に、他の工程はそれぞれ実施例1、5と同様に行い、不織布を作製した。
これらの不織布の評価結果を表1に示す。
《比較例3》
実施例5,6と同方法により、目付70g/mのスパンボンド不織布を作成し、実施例1と同様の処方で金属層形成不織布を作製した。
この不織布の評価結果を表1に示す。
(評価の考察)
上記表1の評価結果から見られるように、実施例1〜6は、保温性が良い、特に実施例1〜4は紙の如く非常に薄く、風合いにも優れている。比較例1、2は、金属膜が形成されなかったため、保温性の数値が小さく本発明品に比べて劣る。比較例3は、保温性は良いものの、目的とする薄さは得られず、風合いも硬いものであった。
本発明は、生地自身が超薄型の紙のような形状を有しており、薄くて軽くて、柔軟性があり、保温性が高いので衣料用資材、生活資材、工業用資材など特に保温材として幅広く適用が可能な資材を提供することができる。



Claims (8)

  1. 目付が50g/m以下、厚みが0.3mm以下の不織布の片面に金属層が形成されており、該不織布の保温性が20%以上であることを特徴とする薄くて軽い保温性不織布。
  2. 金属層が形成されている面の光沢度のタテとヨコの平均値が9%以上である請求項1に記載の薄くて軽い保温性不織布。
  3. 不織布がサーマルボンド法によって形成されている請求項1または2に記載の薄くて軽い保温性不織布。
  4. 金属層が形成されている面の赤外線反射率が50%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の薄くて軽い保温性不織布。
  5. 金属層が形成されている面の赤外線透過率が25%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の薄くて軽い保温性不織布。
  6. 金属層が物理的蒸着法によって形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の薄くて軽い保温性不織布。
  7. 不織布が少なくとも5質量%以上のポリフェニレンサルファイドからなる請求項1〜6のいずれかに記載の薄くて軽い保温性不織布。
  8. 金属層を形成する金属がアルミニウムである請求項1〜7のいずれかに記載の薄くて軽い保温性不織布。



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