JP2012241377A - 土嚢袋および土嚢 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、透水性が良く高耐候性を有する合成樹脂製の土嚢袋及び土嚢を提供することである。
【解決手段】
繊維を製織してなる織布から構成される土嚢袋において、該織布の縦糸の断面が円または楕円形状であり、かつ横糸の断面が四角形であることを特徴とする土嚢袋。前記織布の、横糸の断面の長径が縦糸の断面の長径の2倍以上の大きさであることを特徴とする土嚢袋。前記織布の織り方が綾織りであることを特徴とする土嚢袋。前記綾織りが、縦糸5本に対して横糸1本の間隔で潜らせる綾織りであることを特徴とする土嚢袋。
【選択図】図1

Description

本発明は、土木工事において使用される土嚢袋および土嚢に関する。
従来、土嚢袋は麻や綿などの天然繊維が使用されてきたが、耐候性が悪いことが課題となっていた。近年では、この課題に対応するために合成樹脂を用いた土嚢袋が天然繊維の土嚢袋にとってかわっている。土嚢袋に利用される合成樹脂としては、主にポリプロピレンやポリエステルなどが利用されている。
しかしながら合成樹脂製の土嚢袋は天然繊維製の土嚢袋と比較して、透水性が悪い。透水性が悪い土嚢袋は、浚渫土砂やヘドロなどの高含水の充填材を用いた場合、充填材中の水分が容易に排出されず、土嚢自体がなかなか安定しない。また、河川工事などの水に接する場所に土嚢を施工する場合には、土嚢中に入り込んだ水は容易に排出される程度の透水性がよい土嚢がニーズとしてある。
特許文献1では、有底円筒状の袋体(土嚢)の底面中央部及び側面下方を所望面積透水性を有する素材を用いることで、土嚢の透水性を高めることを開示しているが、具体的にどのような「透水性を有する素材」を用いるかについては、記載されていない。
特開2004−84183号公報
本発明の目的は、透水性が良く高耐候性を有する合成樹脂製の土嚢袋及び土嚢を提供することである。
本発明者は、土嚢袋に、断面が円または楕円形の縦糸と、断面が四角形の横糸と、からなる綾織りである合成樹脂製の織布を用いることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
請求項1記載の発明は、
繊維を製織してなる織布から構成される土嚢袋において、該織布の縦糸の断面が円または楕円形状であり、かつ横糸の断面が四角形であることを特徴とする土嚢袋である。
土嚢袋を構成する織布の、縦糸の断面が円または楕円形状で、横糸の断面が四角形であると、縦糸と横糸の間に適度な隙間ができる。当該隙間により土嚢袋に充填された充填材の含まれる水分が土嚢袋の外にまんべんなく排出させる。なお、ここでいう「縦糸」「横糸」の表現は織布を表現する上での便宜的なものであり、製織工程における「縦糸」「横糸」を厳密に指し示しているわけではなく、入れ替え可能である。
請求項2記載の発明は、
前記織布の、横糸の断面の長径が縦糸の断面の長径の2倍以上の大きさであることを特徴とする請求項1記載の土嚢袋である。
請求項3記載の発明は、
前記織布の織り方が綾織りであることを特徴とする請求項1または2に記載の土嚢袋である。
請求項4記載の発明は、
前記綾織りが、縦糸5本に対して横糸1本の間隔で潜らせる綾織りであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の土嚢袋である。
土嚢袋を構成する織布は、縦糸と横糸の長径比が縦糸1に対して横糸2以上で、縦糸5本に対して横糸1本程度の綾織りにした場合に、土嚢袋からの充填材のこぼれを起こさずに適度な排水をおこなうことができる。
請求項5記載の発明は、
前記土嚢袋が、合成樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の土嚢袋である。
請求項6記載の発明は、
前記合成樹脂組成物が、カーボンブラックを含有してなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の土嚢袋である。
請求項7記載の発明は、
前記合成樹脂組成物が、ポリプロピレン組成物からなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の土嚢袋である。
当該土嚢袋は、耐候性の観点から合成樹脂製が望ましく、その中でもとりわけポリプロピレンが好適である。またさらに耐候性を向上させるために、カーボンブラックを含有させる。
請求項8記載の発明は、
請求項1から7のいずれかに記載の土嚢袋に充填材を充填してなる土嚢である。
本発明により、透水性が良く高耐候性を有する合成樹脂製の土嚢袋及び土嚢を提供することができる。
本発明の土嚢袋に用いる織布の斜視図である。 本発明の土嚢袋に用いる織布の平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明は、繊維を製織してなる織布から構成される土嚢袋において、該織布の縦糸の断面が円または楕円形状であり、かつ横糸の断面が四角形であることを特徴とする土嚢袋である。本発明では、土嚢袋を断面形状の異なる縦糸と横糸からなる織布により作製しているが、このような事例はこれまで知られていない。なお、ここでいう「縦糸」「横糸」の表現は織布を表現する上での便宜的なものであり、製織工程における「縦糸」「横糸」を厳密に指し示しているわけではなく、入れ替え可能である。
本発明で用いられる土嚢袋を構成する織布は、縦糸の断面が円または楕円形状で、横糸の断面が四角形形状である。縦糸と横糸の断面形状が異なることで、織布にした際に適度な隙間が発生する。この隙間が土嚢袋に充填した充填材中に含まれる水分を土嚢の外に排出するのに好適である。
本発明で用いられる土嚢袋を構成する織布は、綾織りで織られている。綾織りとは織布の織り方の一形態であり、斜文織、ツイルとも呼ばれていて、糸の交錯する点が斜めに走るのが特徴である。具体的には、綾織りとは横糸が複数本の縦糸の下を通り、横糸を縦糸と交差させ、横糸が1本の縦糸の上を通り、横糸と縦糸を交差させる、といった工程を繰り返して織られる織り方である。
本発明で用いられる綾織りは、横糸が5本の縦糸の下を通り、横糸を縦糸と交差させ、横糸が1本の縦糸の上を通り、横糸と縦糸を交差させる、といった工程を繰り返して織られる。また本発明の土嚢袋を構成する織布は、横糸の断面の長径が縦糸の断面の長径の2倍以上の大きさで綾織りである場合に、粒度の小さな充填材を用いた際にも充填材こぼれを起こさず、適度の排水性能を有する土嚢袋を提供することができる。上記に示す織布を用いれば、織布を構成する繊維が透水性の小さい合成樹脂製の繊維を用いた場合でも、十分な排水性能を付与できる。図1には、本発明で用いられる織布の斜視図を示した。また、図2には、本発明で用いられる織布の平面図(上から見た図)を示した。
本発明の土嚢袋の材質は、耐候性の観点からも合成樹脂製が好適である。合成樹脂のなかでもとりわけポリプロピレン製の場合、充填材となる土砂や周囲の土壌が酸性であっても劣化がほとんどおきない。さらに、当該合成樹脂にカーボンブラックを含有させると、紫外線に対する対抗性が向上する。
また当該合成樹脂には、カーボンブラックの他にも、耐候性を付与するために、様々な耐候安定剤を添加することが可能である。耐候安定剤に一般的に用いられるのはヒンダートアミン系などが挙げられるが、本発明はあらゆる耐候安定剤も適用可能である。
当該土嚢袋は充填材を充填して土嚢として用いられる。充填材としては、土砂、砕石、砂利、浚渫土、汚泥、吸水性ポリマーなど様々なものが挙げられるが、あらゆるものに適用可能である。
以下に実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1の土嚢袋に用いられた織布は、縦糸の断面が円形で横糸の断面が長方形であり、縦糸と横糸の長径の比が1:2である糸を綾織りにした織布である。そして実施例1の綾織りの方法は、横糸が5本の縦糸の下を通り、横糸を縦糸と交差させ、横糸が1本の縦糸の上を通り、横糸と縦糸を交差させる、といった工程を繰り返した方法である。当該織布の材質は、カーボンブラックを含有したポリプロピレンである。
比較例1の土嚢袋に用いられた織布は、縦糸と横糸の断面が共に長方形であり、縦糸と横糸の長径の比が1:1である糸を平織りにした織布である。当該織布の材質は、カーボンブラックを含有したポリプロピレンである。
表1に実施例1と比較例1の土嚢袋に用いる織布の特性を示した。
表1
実施例1、比較例1の織布を用いて製造された大型土嚢袋(直径1.1m、高さ1.1m)より試験片(3.5cm x 4.5cm)を作製した。当該試験片を用いて、JIS A1218(2010年版)に準拠した透水性試験を行い、当該試験片の透水係数を算出した。試験結果は表2に示した。
実施例1、比較例1の引張強度について評価した。
実施例1、比較例1の織布を用いて製造された大型土嚢袋(直径1.1m、高さ1.1m)より、土嚢の縦方向に長い試験片(300mm x 50mm)をそれぞれ3枚ずつ作製した。
引張強度の試験方法は、JIS L1096(2010年版)の8.14に準拠した。
試験条件は、以下の通りである。
引張方法:A法(ラベルストリップ法)
試験速度: 300mm/min
つかみ間隔: 200mm
3枚の試験片について引張試験を行い、平均値を算出した。
試験結果は表2に示した。
実施例1、比較例1の耐候性について評価した。
実施例1、比較例1の織布を用いて製造された大型土嚢袋(直径1.1m、高さ1.1m)より、土嚢の縦方向に長い試験片(300mm x 50mm)をそれぞれ3枚ずつ作製した。
試験片の耐候性試験機による処理についてはJIS L1096(2010年版)の8.28に準拠した。
試験条件は、以下の通りである。
試験機:JIS B7753(2010年版)(サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機)に規定する試験機
ブラックパネル温度: 63±3℃
噴霧時間:120分ごとに18分
暴露時間:300時間及び900時間
上記処理後の試験片を、JIS L1096(2010年版)の8.14に準拠した方法により引張試験を行い、引張強度を測定して耐候性を評価した。
試験条件は、以下の通りである。
引張方法:A法(ラベルストリップ法)
試験速度: 300mm/min
つかみ間隔: 200mm
3枚の試験片について試験を行い、平均値を算出した。
試験結果は表2に示した。
表2
本発明の土嚢及び土嚢袋を利用することで、高含水の充填材を土嚢袋の充填材として使用しても速やかに充填材中の水を排出でき、より安定な土嚢構造物を提供することが出来る。
1 縦糸
2 横糸

Claims (8)

  1. 繊維を製織してなる織布から構成される土嚢袋において、該織布の縦糸の断面が円または楕円形状であり、かつ横糸の断面が四角形であることを特徴とする土嚢袋。
  2. 前記織布の、横糸の断面の長径が縦糸の断面の長径の2倍以上の大きさであることを特徴とする請求項1記載の土嚢袋。
  3. 前記織布の織り方が綾織りであることを特徴とする請求項1または2に記載の土嚢袋。
  4. 前記綾織りが、縦糸5本に対して横糸1本の間隔で潜らせる綾織りであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の土嚢袋。
  5. 前記土嚢袋が、合成樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の土嚢袋。
  6. 前記合成樹脂組成物が、カーボンブラックを含有してなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の土嚢袋。
  7. 前記合成樹脂組成物が、ポリプロピレン組成物からなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の土嚢袋。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の土嚢袋に充填材を充填してなる土嚢。
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