JP2012241383A - 地盤改良方法および減圧容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】地盤改良対象域で製作可能であり十分な強度と気密性を有する減圧容器を設置可能な地盤改良方法および減圧容器を提供する。
【解決手段】この地盤改良方法は、上部内面から突き出た環状部28を有する鋼管29を地中に打設する工程と、打設された鋼管内の土を排除する工程と、鋼管の底部側に底板27を設置する工程と、鋼管内部に収納される揚水ポンプ24と連結する排水管25と、真空ポンプ23と連結する吸気管26と、サイフォンを機能させる鉛直管21と、をそれぞれ貫通させた蓋体30を鋼管の環状部28に静置する工程と、により減圧容器20を地中に完成させ、次に、真空ポンプの駆動による負圧で蓋体を鋼管の環状部に密着させ、真空ポンプによる吸引力と鉛直管のサイフォン機能による吸引力とを発揮させることで改良対象の地盤中の間隙水を、地盤に打設された鉛直ドレーン材11を通して吸引し排水する。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空圧密による地盤改良方法およびその地盤改良方法に使用可能な減圧容器に関する。
吸引力を発生させて、水を吸引し排水する装置として真空ポンプを用いた吸引装置が知られている。従来の技術では、例えば、軟弱地盤内に鉛直ドレーンを打設した後、真空ポンプによる吸引装置を用いて、負圧を作用させて地盤内を減圧することによって、地盤の圧密を促進する方法が用いられている(例えば、特許文献1〜3)。また、特許文献4のように、減圧室に鉛直管を挿入し、鉛直管内で気液2相流を形成させてサイフォン機能を発揮させるようにした吸引力発生装置が本発明者の一人および他の発明者によって提案されている。
特開2000-328550号公報 特開2001-226951号公報 特開2002-138456号公報 特開2010-090696号公報
陸上域の地盤を対象にして、特許文献4のように真空ポンプとサイフォンの吸引力を併用して吸引し排水を行う場合、サイフォンを機能させるためには、鉛直に長い排水管を持つ減圧容器が必要になる。陸上域の軟弱地盤改良を目的として減圧容器を導入する場合、減圧容器を地中に設置する必要があるため、減圧容器の製作や設置方法が問題となる。特に、現地で減圧容器を製作する場合、十分な強度と気密性を持つ容器を製作することが難しいことが多い。また、気密漏れや高負圧時における溶存気体の気化等、空気混入しがちな施工条件のため、サイフォンを安定して機能させることが必要である。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、地盤改良対象域で製作可能であり十分な強度と気密性を有する減圧容器を設置可能な地盤改良方法および減圧容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための地盤改良方法は、上部内面から突き出た環状部を有する鋼管を地中に打設する工程と、前記打設された鋼管内の土を排除する工程と、前記鋼管の底部側に底板を設置する工程と、前記鋼管内部に収納される揚水ポンプと連結する排水管と、真空ポンプと連結する吸気管と、サイフォンを機能させる鉛直管と、をそれぞれ貫通させた蓋体を前記鋼管の環状部に静置する工程と、により減圧容器を地中に完成させ、次に、前記真空ポンプの駆動による負圧で前記蓋体を前記鋼管の環状部に密着させ、前記真空ポンプによる吸引力と前記鉛直管のサイフォン機能による吸引力とを発揮させることで改良対象の地盤中の間隙水を、前記地盤に打設された鉛直ドレーン材を通して吸引し排水することを特徴とする。
この地盤改良方法によれば、入手容易で強度のある鋼管を地盤に打設し、蓋体を鋼管の環状部に静置することで、減圧容器を容易に地中に完成させることができる。真空ポンプの駆動により蓋体を環状部に密着させて、ボルトや溶接等の取り付け固定手段を用いずに、減圧容器の気密性を確保できるとともに、サイフォンを機能させる鉛直管を収容する容器本体を鋼管から構成できるので、減圧容器を容易に地盤改良対象域で製作することができ、真空圧密による地盤改良を容易に実行できる。
上記地盤改良方法において前記蓋体と前記環状部との間に弾性体からなる気密部材を配置することで、減圧容器の気密性を高めることができる。
また、前記鋼管の底板の位置と前記鋼管の下端位置との間の距離が前記鋼管の径の1/2以上となるようにすることで、減圧容器を軟弱地盤に設置した場合、減圧容器に上向きに作用する浮力が加わっても減圧容器の安定性を確保することができる。
上記目的を達成するための地盤改良方法は、減圧容器は、地中に設置され真空ポンプにより内部が減圧される減圧容器であって、容器本体として地中に打設される鋼管と、前記容器本体の底部側に設けられる底板と、前記容器本体を閉塞する蓋体と、を備え、前記蓋体が前記容器本体の被設置部に静置される構造を有し、前記真空ポンプの駆動による負圧で前記蓋体を前記被設置部に密着させることを特徴とする。
この減圧容器によれば、サイフォンを機能させる鉛直管を収容する容器本体を入手容易で強度がある鋼管から構成し、蓋体が容器本体の被設置部に静置される構造とし、真空ポンプの駆動により蓋体を被設置部に密着させるので、地盤改良対象域で製作可能であり十分な強度と気密性を有することができる。
上記減圧容器において前記鋼管は、その上部内面から突き出るように設けられた環状部を有し、前記環状部を前記被設置部として前記蓋体が前記環状部に載置され、前記蓋体と前記環状部との間に弾性体からなる気密部材が配置されることが好ましい。これにより、簡単な構成で減圧容器の気密性を高めることができる。
また、前記気密部材は、高さの高い変形容易なパッキンと、高さの低い変形し難いパッキンとから構成されることで、減圧容器の気密性をさらに高めることができる。
上述の地盤改良方法は、上述の減圧容器を地中に設置することで、実行することができる。
本発明によれば、地盤改良対象域で製作可能であり十分な強度と気密性を有する減圧容器を設置可能な地盤改良方法および減圧容器を提供できる。
本実施形態の真空圧密による地盤改良方法を実行可能な減圧容器を含む真空圧密地盤改良システムの構成を概略的に示す図である。 図1の減圧容器の鋼管を上部からみた上面図(a)および鋼管の環状部にゴムパッキンを配置した上面図(b)である。 図1の真空圧密地盤改良システムを用いた本実施形態の真空圧密による地盤改良方法の各工程S01〜S12を説明するためのフローチャートである。 図2(b)のパッキンの別の構成例を示す上面図(a)および要部縦断面図(b)である。 図4のパッキンと別の構成例を示す要部縦断面図である。 図1の打設後の鋼管の底板の位置に対して鋼管の下端位置を長くした構成例を説明するための図である。 図1の打設後の鋼管の底板の位置に対して鋼管の下端位置が短い場合の問題を説明するための図(a)、および、図6の構成とした場合の効果を説明するための図(b)である。 図1の鋼管の底部側に設置される底板について説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態の真空圧密による地盤改良方法を実行可能な減圧容器を含む真空圧密地盤改良システムの構成を概略的に示す図である。図2は図1の減圧容器の鋼管を上部からみた上面図(a)および鋼管の環状部にゴムパッキンを配置した上面図(b)である。
図1に示すように、真空圧密地盤改良システム1は、改良対象の地盤G中に打設される鉛直ドレーン材11と、地中に設置される減圧容器20を含む真空減圧装置10と、を備える。
真空減圧装置10は、鉛直排水管21と、鉛直排水管21の上端に接続された水平排水管22と、排気設備である真空ポンプ23・吸気管26と、排水設備である揚水ポンプ24・排水管25と、地中に設置された減圧容器20と、を備え、改良対象の地盤G近くの地盤G1中に設置される。減圧容器20は真空ポンプ23により内部が減圧されることで、真空減圧装置10は減圧発生源として機能する。
減圧容器20は、容器本体を構成し地盤G1中に打設される円筒状の鋼管29と、容器本体を閉塞して内部を密閉するために鋼管29の上部側に配置される円板状の蓋体30と、鋼管29の底部側に配置される底板27と、を備える。
鋼管29を地中に打設し鋼管29内の土を排除してから、鋼管29の底部側にコンクリート等の固化体を設置することで底板27を構築する。これにより、減圧容器20の底部の強度と止水性を確保することができる。
図1,図2(a)のように、鋼管29の上部の内面には、内周面から径方向に突き出るようにして円環状に構成された環状部28が設けられ、この環状部28を蓋体30の被設置部として、環状部28に蓋体30が載置される。すなわち、蓋体30には、鉛直排水管21,排水管25および吸気管26が貫通して取り付けられており、この状態で、蓋体30は鋼管29の内面上部の環状部28に載せられ静置される。この場合、蓋体30は、鋼管29の環状部28に対し、ボルトや溶接などによる取り付け固定手段を省略し、単に載るだけの構造となっている。
上述のように、減圧容器20の容器本体として強度のある鋼管を用いるので、容器本体の強度を確保でき、また、鋼管は比較的入手容易であるので、現地(地盤改良対象域)での製作に適する。
また、蓋体30を鋼管29の環状部28に静置する構造とし、真空ポンプ23の駆動時の負圧作用によって蓋体30が環状部28に密着することによって減圧容器20内部の気密性が保たれる。このように、蓋体30の設置に溶接やボルト固定の工程が不必要なため、減圧容器20を現地で容易に製作することが可能である。
また、図2(b)のように、蓋体30と鋼管29の環状部28との間に気密部材として、弾性体のゴムからなるパッキン(Oリング)31を配置することにより、蓋体30と環状部28との間の気密性を高めることができる。
図1の鉛直ドレーン材11は改良対象の軟弱地盤G内の間隙水を吸引するために軟弱地盤G内に打設される。鉛直ドレーン材11の上端に接続される不透気部12は地下水位面H0に位置する。不透気部12の上端が地表面S上で真空減圧装置10の水平排水管22に連結される。
なお、鉛直ドレーン材11は、軟弱地盤G内に必要に応じて複数本打設され、不透気部12などとともに、例えば、特許文献2,3に開示された構成とすることができる。
鉛直ドレーン材11により軟弱地盤G内で方向aに吸引された間隙水が水平排水管22および鉛直排水管21を方向bに流れて鉛直排水管21の下端21aから排水され、減圧容器20の底部に貯留するが、その貯留水は、揚水ポンプ24により排水管25を方向cに流れて外部へと排水される。
次に、図1の真空圧密地盤改良システムを用いた本実施形態の真空圧密による地盤改良方法の各工程S01〜S12について図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、図2(a)の環状部28を鋼管29の内面上部に設ける(S01)。鋼管29としては、径800mm〜1000mm程度の鋼管が好ましく、鋼管杭(SKK400、490)、鋼管矢板(SKY400、SKY490)などの土木建築工事用の汎用品を用いることができる。
次に、改良対象の地盤近くの地中に鋼管29をバイブロハンマーなどによって打設することで(S02)、鋼管29を、例えば4m程度、地盤G1中に貫入させる。その後、オーガーまたはハンマーグラブ等により鋼管29内の土を掘削して排除する(S03)。これにより、地中に打設された鋼管29内に減圧空間20aを形成する。なお、掘削した土砂は地盤改良施工後に埋め戻すため、施工個所近辺に仮置きする。また、掘削土砂はプレロード荷重として利用してもよい。
次に、鋼管29の底部側にコンクリート等による固化体を構築して底板27を設置する(S04)。これにより、減圧容器20の底面の強度を確保する。次に、排水管25が連結された揚水ポンプ24を鋼管29の底部に収納する(S05)。
次に、排水管25,吸気管26および鉛直排水管21を貫通させた蓋体30を環状部28に静置する(S06)。この場合、蓋体30を、ボルト固定や溶接等で鋼管29に取り付けることは行わない。蓋体30は鋼板製またはPC(プレキャストコンクリート)板製が好ましく、工場製作される。また、蓋体30の静置方法としては、蓋体30に取り付けたフックに吊ワイヤーを掛けて、ワイヤーを降ろしながら静置する方法などがある。
上記工程S06のとき、事前に環状部28に対応する蓋体30の下側領域に図2(b)のゴムパッキン31を接着しておくことで、現地においてパッキン31を配置する際の取り扱いが容易となり、パッキン31のメンテナンス性が向上する。なお、鋼管29の環状部28にパッキンを併せて設置しておくと止水性が向上する。パッキン31はゴム材料から構成できるが、他にシリコンなどで代用してもよい
上述のようにして、減圧容器20を完成させるが(S07)、かかる減圧容器20の設置と並行して、または、前もって、図1のように鉛直ドレーン材11を改良対象の軟弱地盤G中に打設する。そして、不透気部12の先端に接続部(図示省略)などを介して、減圧容器20から延びる水平排水管22を連結する(S08)。
次に、真空ポンプ23を駆動し(S09)、減圧容器20内を減圧することで、蓋体30に-70〜85kN/m2程度の高い負圧が作用し、このため、蓋体30と鋼管29の環状部28とが密着し(S10)、減圧容器20内の気密性が確保される。
次に、真空ポンプ23による吸引力と鉛直排水管21のサイフォン機能による吸引力とを発揮させ併用し(S11)、軟弱地盤G中の間隙水を吸引し排水することで(S12)、真空圧密による地盤改良を行う。排水された水は、減圧容器20の底部に貯留し、揚水ポンプ24により排水管25から外部へ排出される。
図1の真空圧密地盤改良システム1において真空減圧装置10の真空ポンプ23で減圧容器20内の減圧空間20aを減圧することによる吸引力に加えて、地下水位面H0と減圧容器20内の水位面H1との水位差ΔH(=H0−H1)に起因するサイフォン機能による吸引力が発生し、これらの吸引力により軟弱地盤G内の間隙水を吸引することで軟弱地盤Gを圧密する。この真空圧密を、真空ポンプ23のみで吸引する場合と比べて水位差ΔHに起因する吸引力が加わる分だけより大きな吸引力で行うことができる。なお、減圧容器20内の水位面H1が鉛直排水管21の下端21aに達しない場合の水位差ΔHは、地下水位面H0と下端21aとの差である。
従来の真空圧密地盤改良工法によれば真空ポンプのみでは吸引力が不足する場合は、盛土による載荷を併用していたのに対し、本実施形態のようにサイフォン機能による自然の力である吸引力を併用することにより、盛土による載荷を縮小したり省略できるため、使用資材・機材の節減や作業工期の短縮を期待することができる。また、従来の工法に比べて吸引力が増加するため、軟弱地盤が所定の強度に達するまでに要する地盤改良期間を短縮することができる。
本実施形態では、真空ポンプ23による負圧が-50kN/m2程度に低下した場合においても、少なくとも-80kN/m2程度の作用負圧を鉛直ドレーン材11に発揮させるため、サイフォンを機能させる鉛直排水管の鉛直長さとして、少なくとも3m程度にすることが望ましい。
上述のように、減圧容器20は、サイフォン機能を発揮させるために鉛直に比較的長い鉛直排水管21を内部に収容するが、かかる鉛直排水管21を収容する容器本体を鋼管から構成するので、減圧容器20を容易に現地製作できる。このため、地盤改良の工期に与える影響が小さい。
また、減圧容器20は気密性を保つ構造であることが求められるが、本実施形態によれば、減圧容器20の容器本体を鋼管29から構成し、鋼管29の環状部28に蓋体30を静置する構造とし、真空ポンプ23の駆動時の負圧作用によって蓋体30が環状部28に密着することによって減圧容器20の内部の気密性を保つことができる。したがって、蓋体30を設置するとき、内部の気密性を保つための溶接やボルト固定等の工程が不必要なため、減圧容器20を現地で容易に製作することができる。
上述のように、減圧容器20の現地製作を容易にし強度を確保するために容器本体に鋼管を用いるが、現地で入手できる鋼管の径が多少大きくとも、かかる鋼管に対して環状部28の外径および内径を調整することで、容易に減圧容器20を現地で製作でき、また、径を一定にした蓋体30を用意するだけでよい。また、蓋体30は溶接などで鋼管に固着されていないため、長期にわたる地盤改良の期間中に減圧容器内で揚水ポンプ等の故障があった場合には、容易に蓋を取り外して、ポンプ交換等の対応が容易である。
また、減圧容器20は、現場製作タイプであり、工事完了後には解体される。すなわち、工事を行っていないときは、鋼管29に載置される蓋体30、揚水ポンプ24、鉛直排水管21、吸気管26、揚水ポンプ24と接続する排水管25のみを保管し管理しておけばよい。減圧容器20の容器本体であるとともに大きな容積を持つ鋼管29を保管することが不要であり、管理が容易である。
次に、図1,図2の構成における好ましい実施態様について図4〜図7を参照して説明する。
図4は、図2(b)のパッキンの別の構成例を示す上面図(a)および要部縦断面図(b)である。図5は、図4のパッキンと別の構成例を示す要部縦断面図である。
図4(a)、(b)の例は、鋼管29の環状部28に配置する気密部材を2種類のパッキンから構成したものである。すなわち、本例の気密部材は、高さの高い低硬度のゴムパッキン32と、高さの低い高硬度のゴムパッキン33とから構成される。ゴムパッキン32を、例えば、硬度10度程度以下の低硬度のゴム材料から構成し、ゴムパッキン33を、例えば、硬度70度程度以上の高硬度のゴム材料から構成する。ゴムパッキン32の高さはゴムパッキン32よりも高い形状とする。
蓋体30と環状部28との間の気密部材には、減圧容器20内がある程度減圧されるまでは、主に蓋体30の自重による弱い圧縮力しか加わらず強い圧縮力が作用しないため気密が高まらない可能性があるのに対し、上述のように鋼管29の環状部28に配置する気密部材を軟硬二種類のゴムパッキン32,33から構成することで、低硬度のゴムパッキン32が弱い圧縮力下においても変形し気密をより高めることができるとともに、ゴムパッキン32よりも低い高硬度のゴムパッキン33を併せて配置することによって、減圧容器20室内で理論上の最大負圧-100kN/m2まで負圧が高まるような強い圧縮力が加わる条件においても、低硬度のゴムパッキン32の圧縮破壊を防止することができる。
なお、ゴム材料の硬度は、「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」(JIS K6253)の規定に従い、デュロメータによって測定される。例えば、硬度が10度はA10、硬度が70度はA70と表示される。
減圧容器20内の減圧の過程で、低硬度のゴムパッキン32を最初に変形させる必要があるため、図4(b)のように、低硬度のゴムパッキン32は、高硬度のゴムパッキン33よりも高さが高いものを用いる。高硬度のゴムパッキン33は、低硬度のゴムパッキン32が変形してゴムパッキン33と同程度の高さとなってから、変形するが、その変形の度合いは、ゴムパッキン32よりも低く、ゴムパッキン32の過度の圧縮を防止できるとともに、気密性の向上に寄与し、気密性をさらに高めることができる。
なお、ゴムパッキン32,33の断面形状は、矩形状であってよいが、円形状や長円状であってもよい。また、図4(a)(b)では、環状部28においてゴムパッキン32がゴムパッキン33よりも内周側に位置するが、反対に外周側に位置してもよい。
また、図5のように、図4(b)の低硬度のゴムパッキン32の代わりに、中空ゴムによるパッキン34を用いてもよく、中空ゴムによるパッキン34の高さをゴムパッキン33よりも高くする。この場合、パッキン34をゴムパッキン33と同じ硬度のゴム材料から構成してもよく、中空ゴムのパッキン34の方が中実のゴムパッキン33よりも変形し易い。
図6は、図1の打設後の鋼管の底板の位置に対して鋼管の下端位置を長くした構成例を説明するための図である。図7は、図1の打設後の鋼管の底板の位置に対して鋼管の下端位置が短い場合の問題を説明するための図(a)、および、図6の構成とした場合の効果を説明するための図(b)である。
上述のように、鋼管29を打設し、底板27を設置することで、減圧空間20aを確保することができるが、図6のように、底板27の設置位置と、鋼管29の下端位置29aとの位置関係を、底板27の下面位置27aと鋼管29の下端位置29aとの間の長さhが鋼管29の径dの1/2以上となるようにすることが好ましい。すなわち、長さhを根入れ長さとすると、鋼管29の根入れ比(根入れ長h/鋼管径d)を1/2以上とする。このような根入れ比となるように鋼管29を打設し、底板27を設置する。
図7(a)のように、鋼管29の根入れ比が小さい(底板27の下面位置27aと鋼管29の下端位置29aとの間の長さhが短い)と、地盤G1が軟弱な場合、上向きに作用する浮力Fが内部に空間20aを有する減圧容器20に作用し、このため、減圧容器20が浮き上がるといったおそれが生じ、減圧容器20の安定性が損なわれてしまうのに対し、鋼管29の根入れ比を大きくする(底板27の下面位置27aと鋼管29の下端位置29aとの間の長さhが長い)と、図7(b)のように、鋼管29がスカート状に伸びており、その内部が密閉されているためサクション力F1が働くとともに周辺摩擦力F2により鋼管29が移動することに対して抵抗することができる。すなわち、地盤G1が軟弱な場合に浮力Fが減圧容器20に作用しても、減圧容器20が浮き上がるおそれが生じ難く、減圧容器20が安定する。また、事前に製作した円筒状の減圧容器を現地に搬入し地中に埋設するようにして設置することも考えられるが、このような場合と比べて減圧容器20の安定性が高い。
なお、山崎浩之らは、参考文献(山崎浩之、森川嘉之、小池二三勝、出野雅和、矢沢岳(2003):サクション構造物の基礎実験、港湾空港技術研究所報告、Vol.42、No.1)に示されるように、根入れ長/鋼管径で表す根入れ比が0.0、1/4、1/2、1/1の条件でサクション基礎構造物に荷重を与え、荷重と変位の関係を調べる実験を行っているが、実験の結果、根入れ比が大きいほど、荷重に対する変位や傾斜角が小さく、外力に対して安定性が高いことを示している。
図8は、図1の鋼管の底部側に設置される底板について説明するための図である。上述のように、図1の鋼管29の底部側に設置される底板27は、コンクリート等の固化体から構成されるが、図8のように、減圧容器20内の減圧空間20aが減圧されると、その負圧により底板27に対し上方への力F3が作用し、底板27においてヒービング破壊や止水漏れのおそれが生じるが、かかるヒービング破壊や止水漏れを防止するために、固化体(底板27)の厚さを0.5m程度とすることが望ましい。なお、底板27のコンクリートと鋼管29の内面とが接触する位置には、付着性を高めるために鋼管29の内面にほぞなどを設けておくことが望ましい。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1において、鋼管29の打設後に底部側に底板27を設置するのでなく、底板27を予め所定位置に設置した鋼管を事前に用意して、底部側の気密および強度の確保を図るようにしてもよい。また、鋼管として、円筒状のものを用いたが、これに限定されず、角筒状のものを用いてもよい。
また、図1の減圧容器20内の気密性をさらに向上させるために、蓋体30の上に錘を載せたり、また、粘性土スラリー等で蓋体30の上部を被覆する等のことを行ってもよい。
また、鉛直排水管21内でサイフォンが機能していることか否かは、管21内に気液2相流が形成されているか否かで判断することができるが、計測機器に頼ることなく、気液2相流の形成状況を外から観察・判断できるように、鉛直排水管21の少なくとも一部を透明材料から構成してもよく、また、蓋体を透明材料にしてもよい。
また、減圧容器20から排水管25を通して排水された水を水槽に貯水した後、鉛直排水管21に至る前の排水経路内に還流させ、鉛直排水管21内において水の流量を増加させるとともに、空気混合率を低下させて気泡の大きさを小さくすることにより、空気混入時においてもサイフォンを安定して機能させることができる。
また、本発明の地盤改良方法は、鋼管の天端および蓋体を水面以上に設置することにより、陸上地盤だけでなく、水底地盤に対しても適用可能である。
また、本発明の減圧容器は、真空ポンプによる吸引力とサイフォン機能による吸引力とを得ることができるものであるが、サイフォン機能を利用せずに真空ポンプによる吸引力だけで真空圧密による地盤改良を行う場合にも適用できることはもちろんである。
本発明の地盤改良方法および減圧容器によれば、地盤改良対象域で製作可能であり十分な強度と気密性を有する減圧容器を地中に設置できるので、真空ポンプによる吸引力とサイフォン機能による吸引力とを併用した真空圧密による地盤改良をコストがかからず工期を短縮して行うことができる。
1 真空圧密地盤改良システム 10 真空減圧装置 11 鉛直ドレーン材 20 減圧容器 20a 減圧空間 21 鉛直排水管(鉛直管) 23 真空ポンプ 24 揚水ポンプ 25 排水管 26 吸気管 27 底板 28 環状部(被設置部) 29 鋼管 30 蓋体 31,32,33 ゴムパッキン(気密部材) G 地盤、軟弱地盤 ΔH 水位差

Claims (7)

  1. 上部内面から突き出た環状部を有する鋼管を地中に打設する工程と、
    前記打設された鋼管内の土を排除する工程と、
    前記鋼管の底部側に底板を設置する工程と、
    前記鋼管内部に収納される揚水ポンプと連結する排水管と、真空ポンプと連結する吸気管と、サイフォンを機能させる鉛直管と、をそれぞれ貫通させた蓋体を前記鋼管の環状部に静置する工程と、により減圧容器を地中に完成させ、
    次に、前記真空ポンプの駆動による負圧で前記蓋体を前記鋼管の環状部に密着させ、
    前記真空ポンプによる吸引力と前記鉛直管のサイフォン機能による吸引力とを発揮させることで改良対象の地盤中の間隙水を、前記地盤に打設された鉛直ドレーン材を通して吸引し排水することを特徴とする地盤改良方法。
  2. 前記蓋体と前記環状部との間に弾性体からなる気密部材を配置する請求項1に記載の地盤改良方法。
  3. 前記鋼管の底板の位置と前記鋼管の下端位置との間の距離が前記鋼管の径の1/2以上となるようにする請求項1または2に記載の地盤改良方法。
  4. 地中に設置され真空ポンプにより内部が減圧される減圧容器であって、
    容器本体として地中に打設される鋼管と、
    前記容器本体の底部側に設けられる底板と、
    前記容器本体を閉塞する蓋体と、を備え、
    前記蓋体が前記容器本体の被設置部に静置される構造を有し、
    前記真空ポンプの駆動による負圧で前記蓋体を前記被設置部に密着させることを特徴とする減圧容器。
  5. 前記鋼管は、その上部内面から突き出るように設けられた環状部を有し、
    前記環状部を前記被設置部として前記蓋体が前記環状部に載置され、
    前記蓋体と前記環状部との間に弾性体からなる気密部材が配置される請求項4に記載の減圧容器。
  6. 前記気密部材は、高さの高い変形容易なパッキンと、高さの低い変形し難いパッキンとから構成される請求項5に記載の減圧容器。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載に記載の減圧容器を地中に設置する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地盤改良方法。
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